JPH0893681A - キャンドモータの軸方向変位検出装置 - Google Patents

キャンドモータの軸方向変位検出装置

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JPH0893681A
JPH0893681A JP6225341A JP22534194A JPH0893681A JP H0893681 A JPH0893681 A JP H0893681A JP 6225341 A JP6225341 A JP 6225341A JP 22534194 A JP22534194 A JP 22534194A JP H0893681 A JPH0893681 A JP H0893681A
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axial displacement
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修 加藤
Masa Abe
雅 阿部
Takashi Yamashita
隆司 山下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受17の軸方向摩耗などによるキャンドモー
タ1の軸方向変位量を、正確に検出する。 【構成】 励磁用の一次コイル31、軸方向に一対の検出
用の二次コイル32,33からなるコイル部34と、コイル部
34の内側に配置する磁性体35とで、差動トランス36を構
成する。差動トランス36の磁性体35を回転部28に固着
し、コイル部34を磁性体35の外周を囲繞して静止部27に
固着する。 【効果】 差動トランス36は磁性体35の外周をコイル部
34が囲繞するため、磁性体35の半径方向変位による影響
をほとんど受けず、軸方向変位量を正確に検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャンドモータの軸方
向変位検出装置に関し、検出精度がキャンドモータの半
径方向変位の影響を受けない軸方向変位検出装置、およ
び検出精度がキャンドモータの回転部の軸方向遊び量に
影響を受けない軸方向変位検出装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】一般に、キャンドモータポンプは、図5
に示すように、キャンドモータ1とポンプ2とを液密に
一体に結合してなる。
【0003】キャンドモータ1は、固定子鉄心3に固定
子巻線4を巻回してなる固定子5を固定子枠6に挿着
し、固定子5の内周面に薄肉円筒状の固定子キャン7を
密着挿入してその両端縁を固定子枠6に液密に溶着し、
回転子鉄心8に回転子導体9を装着してなる回転子10に
回転軸11を挿着し、回転子10の外周面に薄肉円筒状の回
転子キャン12を被着し、固定子5に回転子10を固定子キ
ャン7と回転子キャン12とのキャン隙間13を介して対向
配設し、回転軸11を軸受箱14,15に装着した軸受16,17
にてスリーブ18,19およびスラストカラ20,21を介して
軸支して構成されている。
【0004】ポンプ2は、インペラ22を回転軸11に取着
し、このインペラ22を囲繞してポンプケーシング23を固
定子枠6に液密に取着している。
【0005】そして、キャンドモータポンプは、ポンプ
吐出側24のポンプ取扱液の一部を循環パイプ25を経てキ
ャンドモータ1内に導き、後部の軸受17を潤滑し、固定
子キャン7と回転子キャン12とのキャン隙間13を流して
固定子5と回転子10とを冷却し、前部の軸受16を潤滑し
た後、インペラ22のバランスホール22a からポンプ吸込
側26へと戻して循環させる構成が採られており、軸封部
がなく完全無漏洩構造であるため、化学液や爆発性液ま
たは高価な液など外部への液漏れや外部からの空気浸入
が嫌われる液の移送に適している。
【0006】ところで、このキャンドモータポンプの軸
受16,17は、前述のように種々のポンプ取扱液にて潤滑
される関係上、摩耗状況を定期的に監視して、摩耗進行
による固定子5、軸受箱14,15、ポンプケーシング23な
どにより構成される静止部27と、回転子10、回転軸11、
スリーブ18,19、スラストカラ20,21およびインペラ22
などにより構成される回転部28との接触などの事故を未
然に防ぐ必要があるが、回転部28は外部から目視できな
いため、外部から軸受16,17の軸方向の摩耗状況を検知
する検知装置が種々提案されている。
【0007】従来、この種の検出装置として提案されて
いるものには機械式のものと電気式のものとがあり、特
公昭55−13284号公報に記載の「ベアリング摩耗
検知装置」のように機械式検出装置においては、あらか
じめ設定されたベアリング摩耗値に達した時にはじめて
動作する構成であるためベアリング摩耗の進行状況が把
握できず一度動作すれば再使用が不可能なこと、また、
加工組立が容易でないことなど実使用に当たっては種々
の制約を受ける問題点がある。
【0008】また、特公昭57−21924号公報に記
載の「回転電機運転監視装置」のように、回転電機の空
隙磁束分布状態の変化を検知する電気式検出装置におい
ては、電源電圧あるいは電源周波数の変動によって検出
電圧が変化し、また、キャンドモータをインバータ運転
する場合にはインバータからのノイズにより誤指示する
可能性があるなど、実使用に当たっては種々の制約を受
ける問題点がある。
【0009】また、特開昭63−21396号公報に記
載の「ベアリングモニタシステム」および特開平3−2
02703号公報に記載の「インダクタンス形変位モニ
タ」のように、軸方向に対向させた磁性体からなる被検
出体と検出コイルなどの磁気センサからなる検出体との
軸方向距離変化を検出する電気式検出装置においては、
被検出体と検出体との距離が数mm離れると検出が困難と
なるが一般にキャンドモータにおいては2乃至6mmの検
出範囲が要求され、特に大型のキャンドモータにおいて
は軸方向の遊び量が2乃至4mmあり、かつ、軸方向のベ
アリング摩耗が片側のベアリングで2mm程度許容される
ため検出範囲として2乃至12mm程度必要となることか
ら実用的でない。
【0010】また、特開平4−240503号公報に記
載の「回転機械の軸方向変位検出装置」のように、検出
体からの信号出力の位相差を検出する電気式検出装置
(以下、位相差式検出装置と呼ぶ)においては、キャン
ドモータの停止時には出力信号が発生しないため停止時
には検出装置の調整が行なえず、そのため調整に専用の
装置が必要で、かつ、多大の時間を要する問題点があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、位相差
式検出装置を除く他の前記各電気式検出装置において
は、回転部の半径方向変位によっても出力信号が変化す
るため、軸方向変位のみを検出するのは困難であり、す
なわち、軸方向変位量の検出精度が半径方向変位の影響
を大きく受ける問題点がある。
【0012】ところで、キャンドモータポンプにおいて
は、前記図5に示すように各部品の軸方向寸法誤差を吸
収して組立ができる構造とするために、前部のスラスト
カラ20が軸受16に当接した状態において、後部のスラス
トカラ21と軸受17との間に軸方向遊びが設けられてお
り、この軸方向遊び量は各部品の軸方向寸法誤差を吸収
するためのものであるので同一型式のキャンドモータで
も当然大きなばらつきが生ずる。しかし、前記いずれの
検出装置おいてもこの軸方向遊びについて考慮されてお
らず、そのため、前部の軸受16のスラストカラ20とは反
対側の端面、後部の軸受17のスラストカラ21とは反対側
の端面にそれぞれ調整座を装着して、回転部28の軸方向
遊び量を所定値に調整するとともに回転部28の位置がこ
の軸方向遊びの丁度中間位置にあるときに検出装置の指
示値が零を示すように調整する必要がある。しかし、こ
の調整には、一旦キャンドモータ1を組立ててから回転
部28の軸方向遊びの位置と量とを測定した後、回転部28
と軸受16,17とを分解し、軸方向遊びの位置と量の測定
結果より決定された寸法の調整座を装着して再組立しな
ければならず、作業がきわめて煩雑で熟練技術を要す
る。
【0013】これに対して、キャンドモータ1の各部品
の軸方向寸法精度を高くすることにより軸方向遊び量の
調整を不要とする手段も考えられるが、この場合は各部
品の軸方向寸法精度を2桁以上も上げる必要があり、実
用には全く適さない。
【0014】また、この軸方向加工精度の問題に起因し
て、一般にキャンドモータポンプにおいては、軸受16,
17の軸方向摩耗の許容量に対して前記回転部28の軸方向
遊び量が同等もしくはそれ以上に設定されるため、軸方
向変位検出装置の指示計において、その目盛りのかなり
の部分が軸方向遊び量を示す範囲として占められ、残り
の部分が軸受16,17の摩耗状態を示す範囲となるので、
摩耗状態の指示値が読みづらい問題点がある。加えて、
キャンドモータポンプの大小によって所定の軸方向遊び
量および軸受16,17の軸方向摩耗の許容量が異なるた
め、機種毎に目盛りの異なる指示計を用意しなければな
らない問題がある。
【0015】前記キャンドモータポンプのほか、すべり
軸受を用いたキャンドモータを駆動源とするキャンドモ
ータ攪拌機、キャンドモータブロワ、キャンドモータ圧
縮機などにおいても同様の問題がある。
【0016】そこで、本発明は、軸受の軸方向摩耗など
キャンドモータの軸方向変位量を、回転中、静止中を問
わず、軸受の半径方向摩耗による半径方向変位や回転部
の回転数変化およびキャンドモータの電源電圧や電源周
波数の変化に左右されず、並びにインバータ電源の高周
波ノイズに影響されずに常に正確に検出できるキャンド
モータの軸方向変位検出装置を提供することを目的とす
る。
【0017】さらに、本発明は、軸受に調整座を装着す
るような煩雑な作業を要せず、回転部の位置と指示計の
表示とを簡単かつ正確に合致させることができるととも
に、指示計の表示が確認しやすくでき、加えて、キャン
ドモータの機種による軸受の軸方向許容摩耗量の相違に
対処するために指示計を多種準備する必要のないキャン
ドモータの軸方向変位検出装置を提供することを目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のキャンド
モータの軸方向変位検出装置は、キャンドモータの静止
部に対して軸受を介して回転する回転部の軸方向変位を
検出するキャンドモータの軸方向変位検出装置におい
て、励磁用の一次コイルと軸方向に一対の検出用の二次
コイルとからなるコイル部およびこのコイル部の内側に
配置される磁性体とで構成された差動トランスを備え、
この差動トランスの磁性体を前記キャンドモータの回転
部に固着し、前記コイル部を前記磁性体の外周を囲繞し
て前記キャンドモータの静止部に固着したものである。
【0019】請求項2記載のキャンドモータの軸方向変
位検出装置は、請求項1記載のキャンドモータの軸方向
変位検出装置において、差動トランスからの出力の絶対
値を所定レベルだけ低減するクリッパ回路を介して指示
計を設けたものである。
【0020】請求項3記載のキャンドモータの軸方向変
位検出装置は、請求項2記載のキャンドモータの軸方向
変位検出装置において、差動トランスからの出力の絶対
値を伸長するエキスパンダ回路および差動トランスから
の出力の絶対値を圧縮するコンプレッサ回路の少なくと
も一方を介して指示計を設けたものである。
【0021】
【作用】請求項1記載のキャンドモータの軸方向変位検
出装置では、磁性体を回転部に、コイル部を静止部にそ
れぞれ固着した差動トランスにより、回転部の軸方向変
位量は回転中、静止中を問わず検出でき、回転部の回転
数変化およびキャンドモータの電源電圧や電源周波数の
変化に左右されず、並びにインバータ電源の高周波ノイ
ズに影響されずに常に正確に検出できる。しかも、差動
トランスは磁性体の外周をコイル部が囲繞する構造であ
り、原理的に磁性体の半径方向変位による影響をほとん
ど受けない構成であるため、軸受の半径方向摩耗による
半径方向変位に左右されず、軸方向変位量が常に正確に
検出できる。
【0022】請求項2記載のキャンドモータの軸方向変
位検出装置では、請求項1記載のキャンドモータの軸方
向変位検出装置の作用に加えて、クリッパ回路により、
軸受に調整座を装着するような煩雑な作業を要せず、回
転部の位置と指示計の表示とを簡単かつ正確に合致させ
られ、しかも、クリッパ回路により、差動トランスから
の出力の絶対値を所定値だけ下げることができるため、
指示計の表示は回転部の軸方向遊び量を示す範囲をきわ
めて狭く形成でき、そのため、軸受摩耗量を示す範囲を
広く形成できるので、指示計の表示が確認しやすくな
る。
【0023】請求項3記載のキャンドモータの軸方向変
位検出装置では、請求項2記載のキャンドモータの軸方
向変位検出装置の作用に加えて、エキスパンダ回路によ
り差動トランスからの出力の絶対値を伸長またはコンプ
レッサ回路により差動トランスからの出力の絶対値を圧
縮することにより、キャンドモータの機種による軸受の
軸方向許容摩耗量が異なっても同じ指示計で対応でき、
表示の異なる指示計を多種準備する必要がなくなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1ないし図
3を参照して説明する。
【0025】なお、図5に示すキャンドモータポンプの
基本構造と同一構造については同一符号を用いて説明す
る。
【0026】まず、キャンドモータポンプの基本構造に
ついて、図2に基づいて説明する。キャンドモータポン
プは、キャンドモータ1とポンプ2とを液密に一体に結
合してなる。
【0027】キャンドモータ1は、固定子鉄心3に固定
子巻線4を巻回してなる固定子5を固定子枠6に挿着
し、固定子5の内周面に薄肉円筒状の固定子キャン7を
密着挿入してその両端縁を固定子枠6に液密に溶着し、
回転子鉄心8に回転子導体9を装着してなる回転子10に
回転軸11を挿着し、回転子10の外周面に薄肉円筒状の回
転子キャン12を被着し、固定子5に回転子10を固定子キ
ャン7と回転子キャン12とのキャン隙間13を介して対向
配設し、回転軸11を軸受箱14,15に装着した軸受16,17
にてスリーブ18,19およびスラストカラ20,21を介して
軸支して構成されている。
【0028】ポンプ2は、インペラ22を回転軸11に取着
し、このインペラ22を囲繞してポンプケーシング23を固
定子枠6に液密に取着している。
【0029】そして、キャンドモータポンプは、ポンプ
吐出側24のポンプ取扱液の一部を循環パイプ25を経てキ
ャンドモータ1内に導き、後部の軸受17を潤滑し、固定
子キャン7と回転子キャン12とのキャン隙間13を流して
固定子5と回転子10とを冷却し、前部の軸受16を潤滑し
た後、インペラ22のバランスホール22a からポンプ吸込
側26へと戻して循環させる構成が採られている。また、
固定子5、軸受箱14,15、ポンプケーシング23などによ
り静止部27が構成され、回転子10、回転軸11、スリーブ
18,19、スラストカラ20,21およびインペラ22などによ
り回転部28が構成されている。
【0030】次に、このように構成されたキャンドモー
タ1に適用される軸方向変位検出装置を、図1に基づい
て説明する。励磁用の一次コイル31と軸方向に一対の検
出用の二次コイル32,33とからなるコイル部34とこのコ
イル部34の内側に配置される被検出体としての磁性体35
とによって差動トランス36が構成されている。
【0031】コイル部34は差動トランスケース37内に装
着し、この差動トランスケース37の配線引込口38よりシ
ール部材39を介してリード線40が引き出され、非耐蝕性
鋼からなる検出体キャン41がコイル部34の内周面に挿入
されてその両端縁が差動トランスケース37に液密に溶着
されて検出部42が構成されている。検出部42は中空状に
形成された後部の軸受箱15にシール部材43を介してボル
ト44にて液密に締結固定され、検出部42とポンプ吐出側
24との間に循環パイプ25が接続されている。
【0032】磁性体35は雄ねじ部45a を形成した非磁性
耐蝕性鋼からなる補助軸45に一体に溶接され、磁性体35
の外周部に非磁性耐蝕性鋼からなる被検出体キャン46が
液密に溶着されて被検出体47が構成されている。この被
検出体47は回転軸11の後端部に螺合固着され、前記コイ
ル部34に対応して検出部42の内側に配設される。
【0033】検出部42のリード線40は、正負電圧を検出
する指示計としての直流電圧計48を備えた差動トランス
変位計49に接続されている。
【0034】この差動トランス変位計49は、図3に示す
ように、差動トランス36の一次コイル31を一定周波数で
かつ一定電圧の交流電圧で励磁する発信回路51と、差動
トランス36の一対の二次コイル32,33からの交流電圧を
各々半波整流して整流後の両電圧を比較する検出回路52
と、検出回路52のアナログ出力電圧を指示する直流電圧
計48から構成されている。
【0035】そして、直流電圧計48の指示針53はこの直
流電圧計48への入力電圧が零の時に目盛りの中央に位置
し、入力電圧が正のときは右に、負のときは左にそれぞ
れ入力電圧の絶対値に比例して振れる。また、目盛りの
中心部はキャンドモータ1の回転部28が軸方向遊びの範
囲にあることを示す青色部54が設けられ、この青色部54
の両側に軸受16,17の軸方向摩耗量が軸受交換時期に達
していないことを示す緑色部55が、この緑色部55の両外
側に軸受16,17の軸方向摩耗量が軸受交換時期であるこ
とを示す黄色部56が、この黄色部56の両外側に軸受16,
17の軸方向摩耗量が軸受摩耗の許容量超過を示す赤色部
57がそれぞれ設けられている。
【0036】以上のように構成された第1の実施例にお
いて、発信回路51の交流電源により一次コイル31を励磁
すると、磁性体35を磁気回路の中心とする交番磁束が発
生するため、一対の二次コイル32,33にそれぞれ交流誘
導電圧が発生する。この2つの交流誘導電圧は図3にお
いて磁性体35が上下に移動すれば、一方が増え、他方が
減る。
【0037】この一対の二次コイル32,33に発生する交
流誘導電圧を整流して比較する検出回路52のアナログ出
力電圧は、磁性体35が二次コイル32,33の電磁的中性点
にあれば零、図3において上側に移動すると中心からの
距離に比例して増加し、下側に移動すると中心からの距
離に比例して減少する特徴がある。
【0038】そして、検出装置の調整は、次のように行
なう。すなわち、ポンプケーシング23を取り付けない状
態でインペラ22を軸方向前方へ引き出すことにより、前
部のスラストカラ20が軸受16に当接した時に前記直流電
圧計48の指示針53が青色部54の右端に位置するように、
軸受箱14と軸受16との間に調整座58を挿入する。次に、
インペラ22を軸方向後方に押し込むことにより、後部の
スラストカラ21が軸受17に当接した時に直流電圧計48の
指示針53が青色部54の左端に位置するように、軸受箱15
と軸受17との間に調整座59を挿入する。
【0039】このように構成したキャンドモータポンプ
を運転すると、軸受16,17のいずれも軸方向摩耗が未進
行の場合、直流電圧計48の指示針53が青色部54を指す。
軸推力により回転部28が前方に押しつけられて前部の軸
受16の軸方向摩耗が進行した場合、直流電圧計48の指示
針53が右側に振れ、前部の軸受16の軸方向摩耗状態に応
じて、緑色部55、黄色部56、赤色部57へと指示値が変化
する。回転部28が後方に押しつけられて後部の軸受17の
軸方向摩耗が進行した場合、直流電圧計48の指示針53が
左側に振れ、後部の軸受17の軸方向摩耗状態に応じて、
緑色部55、黄色部56、赤色部57へと指示値が変化する。
【0040】そして、この第1の実施例によると、差動
トランス36は前記特公昭57−21924号公報に記載
の「回転電機運転監視装置」のように回転電機の空隙磁
束分布状態の変化を検知するものではないので、回転部
28の軸方向変位量は回転中、静止中を問わず検出でき、
回転部28の回転数変化およびキャンドモータ1の電源電
圧や電源周波数の変化に左右されず、並びにインバータ
電源の高周波ノイズに影響されずに常に正確に検出でき
る。
【0041】また、差動トランス36は磁性体35の全周を
一様にコイル部34が内包する構造であり、原理的に磁性
体35の半径方向変位による影響をほとんど受けない構成
であるため、軸受16,17の半径方向摩耗による半径方向
変位に左右されず、軸方向変位量が常に正確に検出でき
る。
【0042】次に、本発明の第2の実施例を図4を参照
して説明する。
【0043】前記第1の実施例において、調整座58,59
によって直流電圧計48の指示針53の位置を調整したが、
この作業はキャンドモータ1の分解と組立を幾度も行な
う必要があり煩雑な作業となり、また、調整座58,59に
よる調整単位が調整座58,59の1枚の厚みで決定される
ため微妙な調整は不可能である。そこで、この第2の実
施例では、簡便な作業で、指示針位置を正確に調整でき
るようにしている。
【0044】前記第1の実施例において、差動トランス
変位計49に変えて図4に示す差動トランス変位計61が採
用される。
【0045】この差動トランス変位計61は検出回路52と
指示計としての直流電圧計62との間に、検出回路52のア
ナログ出力電圧の絶対値を低減調整できる電圧調整回路
63を備える。
【0046】この電圧調整回路63は、検出回路52の両出
力端52b の出力電圧の差を増幅し正負の電圧に変換する
エキスパンダ回路としての差動増幅回路64と、この差動
増幅回路64の出力信号の絶対値を所定レベルだけ低減す
るクリッパ回路65と、このクリッパ回路65の出力信号の
絶対値を正負別々に所定レベルだけ圧縮するコンプレッ
サ回路66とを備える。
【0047】差動増幅回路64は、コンパレータ67の一対
の入力端と検出回路52の一対の出力端52b とが抵抗68,
69を介して接続され、コンパレータ67の出力端が出力端
64bに接続され、コンパレータ67の一方の入力端と出力
端との間に可変抵抗70が接続され、コンパレータ67の他
方の入力端側に抵抗71が接続されている。そして、可変
抵抗70を調整することにより検出回路52の出力電圧の差
を増幅調整できる。
【0048】クリッパ回路65は、バイアス電源72と可変
抵抗73の直列回路に抵抗74が並列に接続されてその両側
にダイオード75,76が直列接続された回路が入力端65a
と出力端65b に接続され、かつ、バイアス電源77と可変
抵抗78の直列回路に抵抗79が並列に接続されてその両側
にダイオード80,81が前記ダイオード75,76とは逆向き
に直列接続された回路が入力端65a と出力端65b に接続
されている。そして、可変抵抗73を調整することにより
差動増幅回路64の出力端64b の負電位信号の絶対値を所
定値だけ下げることができ、可変抵抗78を調整すること
により差動増幅回路64の出力端64b の正電位信号を所定
値だけ下げることができる。
【0049】コンプレッサ回路66は、クリッパ回路65の
出力端65b と直流電圧計62との間に可変抵抗82が接続さ
れており、この可変抵抗82を調整することによりクリッ
パ回路65の出力信号の絶対値を所定レベルだけ圧縮する
ことができる。
【0050】直流電圧計62の指示針83の動作および青色
部84、緑色部85、黄色部86、赤色部87の役割と配列は前
記第1の実施例における直流電圧計48の指示針53、青色
部54、緑色部55、黄色部56、赤色部57とそれぞれ同様で
あるが、前記第1の実施例の直流電圧計48に比べて青色
部84を縮小しその分、緑色部85、黄色部86、赤色部87を
拡大している。
【0051】以上のように構成された第2の実施例にお
いて、前記図2において、キャンドモータ1の回転子10
を前方へ移動させて前部のスラストカラ20が軸受16に当
接した状態で直流電圧計62の指示針83が青色部84の右端
に位置するように、クリッパ回路65の一方の可変抵抗73
を調整する。次に、キャンドモータ1の回転子10を後方
へ移動させて後部のスラストカラ21が軸受17に当接した
状態で直流電圧計62の指示針83が青色部84の左端に位置
するように、クリッパ回路65の他方の可変抵抗78を調整
する。
【0052】この第2の実施例によれば、前記第1の実
施例のように、前後の軸受16,17に調整座58,59を装着
する煩雑な作業を要せずクリッパ回路65の可変抵抗73,
78の調整のみで、前後のスラストカラ20,21がそれぞれ
前後の軸受16,17に当接する位置と直流電圧計62の表示
を簡単かつ正確に合致させることができる。
【0053】また、検出回路52の出力電圧の絶対値をク
リッパ回路65により所定値だけ下げることができるた
め、前記第1の実施例の直流電圧計48と比べて直流電圧
計62の目盛りは回転部28の軸方向遊び量を示す青色部84
の範囲をきわめて狭く形成でき、そのため、軸受摩耗量
を示す範囲を広く形成できるので、直流電圧計62の目盛
りが確認しやすくなる。
【0054】また、エキスパンダ回路としての差動増幅
回路64の可変抵抗70またはコンプレッサ回路66の可変抵
抗82を調整して、回転部28の軸方向移動量に対する直流
電圧計62への入力電圧の変化量を拡縮することにより、
キャンドモータ1の機種が異なることによって軸受16,
17の軸方向許容摩耗量が異なっても直流電圧計62を使用
でき、目盛りの異なる指示計を多種準備する必要がなく
なる。
【0055】なお、本発明は、前記キャンドモータポン
プの他、すべり軸受を用いたキャンドモータを駆動源と
するキャンドモータ攪拌機、キャンドモータブロワ、キ
ャンドモータ圧縮機などに適用しても、同様の作用効果
を奏する。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載のキャンドモータの軸方向
変位検出装置によれば、磁性体を回転部に、コイル部を
静止部にそれぞれ固着した差動トランスにより、軸受の
軸方向摩耗などキャンドモータの軸方向変位量を、回転
中、静止中を問わず、回転部の回転数変化およびキャン
ドモータの電源電圧や電源周波数の変化に左右されず、
並びにインバータ電源の高周波ノイズに影響されずに常
に正確に検出できる。しかも、差動トランスは磁性体の
外周をコイル部が囲繞する構造であり、原理的に磁性体
の半径方向変位による影響をほとんど受けない構成であ
るため、軸受の半径方向摩耗による半径方向変位に左右
されず、軸方向変位量が常に正確に検出できる。
【0057】請求項2記載のキャンドモータの軸方向変
位検出装置によれば、請求項1記載のキャンドモータの
軸方向変位検出装置の効果に加えて、クリッパ回路によ
り、軸受に調整座を装着するような煩雑な作業を要せ
ず、回転部の位置と指示計の表示とを簡単かつ正確に合
致させることができ、しかも、クリッパ回路により、差
動トランスからの出力の絶対値を所定値だけ下げること
ができるため、指示計の表示は回転部の軸方向遊び量を
示す範囲をきわめて狭く形成でき、そのため、軸受摩耗
量を示す範囲を広く形成できるので、指示計の表示が確
認しやすくなる。
【0058】請求項3記載のキャンドモータの軸方向変
位検出装置によれば、請求項2記載のキャンドモータの
軸方向変位検出装置の効果に加えて、エキスパンダ回路
により差動トランスからの出力の絶対値を伸長またはコ
ンプレッサ回路により差動トランスからの出力の絶対値
を圧縮することにより、キャンドモータの機種による軸
受の軸方向許容摩耗量が異なっても同じ指示計で対応で
き、表示の異なる指示計を多種準備する必要がなくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すキャンドモータの
拡大断面図である。
【図2】同上実施例のキャンドモータの縦断面図であ
る。
【図3】同上実施例の軸方向変位検出装置の回路図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例を示す軸方向変位検出装
置の回路図である。
【図5】従来のキャンドモータポンプの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 キャンドモータ 16,17 軸受 27 静止部 28 回転部 31 一次コイル 32,33 二次コイル 34 コイル部 35 磁性体 36 差動トランス 62 指示計としての直流電圧計 64 エキスパンダ回路としての差動増幅回路 65 クリッパ回路 66 コンプレッサ回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャンドモータの静止部に対して軸受を
    介して回転する回転部の軸方向変位を検出するキャンド
    モータの軸方向変位検出装置において、 励磁用の一次コイルと軸方向に一対の検出用の二次コイ
    ルとからなるコイル部およびこのコイル部の内側に配置
    される磁性体とで構成された差動トランスを備え、 この差動トランスの磁性体を前記キャンドモータの回転
    部に固着し、前記コイル部を前記磁性体の外周を囲繞し
    て前記キャンドモータの静止部に固着したことを特徴と
    するキャンドモータの軸方向変位検出装置。
  2. 【請求項2】 差動トランスからの出力の絶対値を所定
    レベルだけ低減するクリッパ回路を介して指示計を設け
    たことを特徴とする請求項1記載のキャンドモータの軸
    方向変位検出装置。
  3. 【請求項3】 差動トランスからの出力の絶対値を伸長
    するエキスパンダ回路および差動トランスからの出力の
    絶対値を圧縮するコンプレッサ回路の少なくとも一方を
    介して指示計を設けたことを特徴とする請求項2記載の
    キャンドモータの軸方向変位検出装置。
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