JP7050284B2 - 回転機及び変位検出センサ - Google Patents
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Description
また、ロータが磁気軸受に支持された回転機には、ポンプ以外にモータやタービン等が存在し、上記の課題はポンプだけでなく回転機全般に共通する。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、磁気軸受によって支持されたロータの変位を、極低温環境下で、簡素な構造のセンサによって計測可能な回転機及び変位検出センサを提供することを目的とする。
図1、図2(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係るポンプ(回転機の一例)10は、磁気軸受11で回転自在に支持されたロータ12、及び、ロータ12の基準位置からの位置ずれを計測する変位検出センサ13、13aを備えている。以下、詳細に説明する。
液流入部18は、図1に示すように、液吹出部17の直下に設けられており、外側に複数の開口19が形成されている。液吹出部17の底の中央には、液流入部18の内側に連通した開口20が形成され、開口20内には、大半が液流入部18内に配された支持ベース21の上端が開口20の外周に非接触な状態で配置されている。
回転翼15は、ロータ12の下端の中央に連結された回転軸22、及び、回転軸22に放射状に取り付けられた複数の板材23を有している。回転軸22はロータ12の軸心と同一線上に軸心を有しており、液吹出部17の流出口16にはパイプ24が接続されている。
ステータ14の内周側には、図1、図3に示すように、永久磁石部25と同高さに、等間隔で設けられた4つの電磁石部26、27、28、29と、回転するロータ12の位相を検出する位相検出センサ(本実施の形態ではホールセンサ)30とが取り付けられている。
回転翼15がロータ12と共に回転することによって、開口19から液流入部18内に液体(例えば、液体窒素)が流入し、その液体は、液流入部18内から開口20を通って液吹出部17内に入り、流出口16からパイプ24に送り出される。なお、本実施の形態では、回転軸22の下端が支持ベース21に上方から接しているが、永久磁石や磁気軸受を設けて発生する磁力によって、回転軸22を非接触状態にしてもよい。
磁気軸受11は、ステータ14の内周に等間隔で配置された複数の電磁石部38、39、40、41を具備している。本実施の形態では、電磁石部38、39、40、41が0°位置、90°位置、180°位置、270°位置にそれぞれ配置されている。なお、磁気軸受が具備している電磁石部は4つである必要はなく、例えば、6つであってもよいし、8つであってもよく、電磁石部を増やすことによってロータ12を基準位置で保持する精度が向上する。
変位検出センサ13は、ロータ12を間に挟んで、対向して配置された対となるコイル42(コイルA)及びコイル43(コイルB)を具備し、変位検出センサ13aは、ロータ12を間に挟んで、対向して配置された対となるコイル44(コイルA)及びコイル45(コイルB)を具備している。本実施の形態では、コイル42、43、44、45は銅を素材としているが、これに限定されない。
ロータ12が基準位置に配されている際、コイル42からロータ12までの距離(コイル42が対向するロータ12の表面までの距離、他のコイル43~45も同様)、コイル43からロータ12までの距離、コイル44からロータ12までの距離及びコイル45からロータ12までの距離は等しい。
コイル42からロータ12までの距離とコイル43からロータ12までの距離が等しいとき、コイル42周辺の磁界とコイル43周辺の磁界は同じ状態であり、コイル42のインダクタンスとコイル43のインダクタンスは等しい。
なお、変位検出センサ13において、ブリッジ回路構成が採用されていることから、変位検出センサ13は、ロータ12の基準位置からの位置ずれを安定的に電気信号として出力可能である。
本実施の形態では、変位検出センサ13、13aが出力する電気信号を基に電磁石部38、39、40、41の磁化を制御して、ロータ12を基準位置の近傍に保つ制御手段56が、主として、A/D変換器31、補正回路37、マイクロプロセッサ32、D/A変換器33、アンプ34及び電気回路35によって構成されている。
1つ目の実験は、コイルA、Bを極低温環境下に配置した際の変位検出センサの計測精度を調査すべく行ったものであり、コイルA、Bを室温環境下に配置した場合の計測結果とコイルA、Bを液体窒素に接触する環境下に配置した場合の計測結果を比較した。実験結果を図6に示す。図6において、「Room temp.」はコイルA、Bを室温環境下に配置した場合の計測結果を示し、「Low temp.」はコイルA、Bを液体窒素に接触する環境下に配置した場合の計測結果を示し、横軸の「Gap」はロータの基準位置からの位置ずれ量を示している。
実験結果より、コイルA、Bを液体窒素に接触する環境下に配置した場合、コイルA、Bを室温環境下に配置した場合に比べて、計測精度がやや低下するが、出力される電気信号値は線形成を保っていることから、当該変位検出センサは極低温環境下で用いることが可能であることが確認された。
いずれの実験においても、ロータの基準位置からの変位のX成分及びY成分は共に0.5mmより小さく、ロータを基準位置の近傍に保てたとの結果を得られた。
例えば、回転機はポンプに限定されない。回転機は、磁気軸受で回転自在に支持されたロータと、コイルA、Bそれぞれのインダクタンスの変化をロータの基準位置からの位置ずれを示す電気信号として出力する変位検出センサを備えている機構や装置であればよく、例えば、回転機はモータやタービンであってもよいし、フライホイール等のそれ自体が駆動源を有さないものであってもよい。
そして、ロータが磁性部を有し、磁性部に磁力を作用させてロータを基準位置の近傍に保つ場合、それぞれ異なる位置から磁性部を引き付ける磁力を発生させる複数の電磁石部を具備する位置調整手段を、磁気軸受とは別に設け、複数の電磁石部に、変位検出センサが出力する電気信号を基に当該各電磁石部の磁化を制御して、ロータを基準位置の近傍で保つ制御手段が接続されているように回転機を設計してもよい。
更に、コイルA、Bは有芯であってもよい。そして、変位検出センサは2つである必要なく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
Claims (7)
- 磁気軸受で回転自在に支持されたロータ、及び、前記ロータの基準位置からの位置ずれを計測する変位検出センサを備える回転機において、
前記変位検出センサは、前記ロータを間に挟み、該ロータまで距離を有する位置に固定されたコイルA、Bと、前記コイルAに接続されたコンデンサCと、前記コイルBに接続されたコンデンサDと、前記コイルAに直列接続された抵抗Eと、前記コイルBに直列接続された抵抗Fとを具備し、前記コイルA及び前記コンデンサCが並列接続され、前記コイルB及び前記コンデンサDが並列接続され、前記コンデンサC、Dと共に交流電流が通電されて一定の周期の起電力が生じている前記コイルA、Bそれぞれから前記ロータまでの距離の変化に伴って変わる前記コイルA、Bそれぞれのインダクタンスの変化を、前記ロータの基準位置からの位置ずれを示す電気信号として出力することを特徴とする回転機。 - 請求項1記載の回転機において、前記ロータは磁性部を有し、前記磁気軸受は、異なる位置から前記磁性部を引き付ける磁力をそれぞれ発生させる複数の電磁石部を具備し、該複数の電磁石部には、前記変位検出センサが出力する前記電気信号を基に該各電磁石部の磁化を制御して、前記ロータを前記基準位置の近傍に保つ制御手段が接続されていることを特徴とする回転機。
- 請求項1記載の回転機において、それぞれ異なる位置から、前記ロータに設けられた磁性部を引き付ける磁力を発生させる複数の電磁石部を具備する位置調整手段を更に備え、前記複数の電磁石部には、前記変位検出センサが出力する前記電気信号を基に該各電磁石部の磁化を制御して、前記ロータを前記基準位置の近傍に保つ制御手段が接続されていることを特徴とする回転機。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の回転機において、前記変位検出センサは複数あって、前記複数の変位検出センサの前記コイルA、Bはそれぞれ異なる位置に配されていることを特徴とする回転機。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の回転機において、-190℃以下の環境下で使用されることを特徴とする回転機。
- 対象物の基準位置からの位置ずれを計測する変位検出センサにおいて、
前記対象物を間に挟み、該対象物まで距離を有する位置に固定されたコイルA、Bと、前記コイルAに接続されたコンデンサCと、前記コイルBに接続されたコンデンサDと、前記コイルAに直列接続された抵抗Eと、前記コイルBに直列接続された抵抗Fとを具備し、前記コイルA及び前記コンデンサCは並列接続され、前記コイルB及び前記コンデンサDは並列接続され、前記コンデンサC、Dと共に交流電流が通電されて一定の周期の起電力が生じている前記コイルA、Bそれぞれから前記対象物までの距離の変化に伴って変わる前記コイルA、Bそれぞれのインダクタンスの変化を、前記対象物の基準位置からの位置ずれを示す電気信号として出力することを特徴とする変位検出センサ。 - 請求項6記載の変位検出センサにおいて、-190℃以下の環境下で使用されることを特徴とする変位検出センサ。
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