JP2001231217A - キャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置 - Google Patents

キャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置

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JP2001231217A
JP2001231217A JP2000035751A JP2000035751A JP2001231217A JP 2001231217 A JP2001231217 A JP 2001231217A JP 2000035751 A JP2000035751 A JP 2000035751A JP 2000035751 A JP2000035751 A JP 2000035751A JP 2001231217 A JP2001231217 A JP 2001231217A
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rotor
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雅 阿部
Hisashi Misato
久 三里
Takashi Futai
貴司 二井
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Teikoku Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転子の軸方向への移動が遊びの範囲内での
移動なのか軸受摩耗を伴う移動なのかを区別し、軸受の
軸方向の摩耗を明確に表示する。 【解決手段】 差動増幅回路により、軸方向検出コイル
に誘起される電圧を差動増幅し、回転子の固定子に対す
る軸方向の移動方向および移動位置に応じた正負の電圧
信号を出力する。不感帯回路77では、差動増幅回路から
の電圧信号の正負に応じて、各比較回路72,74により、
電圧信号が比較信号発生回路76からの比較信号より大き
いときにその電圧信号の大きさに応じた信号を出力す
る。比較信号発生回路76からの比較信号の大きさは、回
転子の軸方向の遊びに対応して設定する。各軸方向摩耗
表示器63,64では、各比較回路72,74からの信号の出力
により、回転子の遊びに相当する回転子の軸方向への移
動については表示せず、軸受摩耗に伴う回転子の軸方向
への移動分についてのみ表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャンドモータの
軸方向の軸受摩耗を検出する軸方向軸受摩耗検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、キャンドモータは、主としてポ
ンプ駆動用に採用されており、化学プラントなどにも使
用されることから高い信頼性が要求されている。
【0003】キャンドモータポンプの場合、キャンドモ
ータとポンプとが一体構造の液漏れが無い構造となって
おり、内部の状態は目視で監視することができない。ポ
ンプの羽根車を回転駆動するキャンドモータの回転子は
ポンプ液で潤滑されるすべり軸受で支承されていること
が多いが、キャンドモータを効率良く運転するには、す
べり軸受の摩耗状態を外部から監視する必要がある。
【0004】そこで、例えば、特公昭57−21924
号公報や、特開平10−80103号公報または特開平
11−148819号公報などに記載されているよう
に、キャンドモータの固定子の軸方向両端部に軸方向検
出コイルを設け、これら軸方向検出コイルに誘起される
電圧を比較することですべり軸受で支承されて回転する
回転子の軸方向位置を検出し、この回転子の軸方向位置
から軸受摩耗量を推測しようとした軸方向軸受摩耗検出
装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
キャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置では、回転子
の軸方向位置から軸受摩耗量を推測しようとするもので
あるが、すべり軸受で支承された回転子は、軸方向に遊
びがあり、すべり軸受に軸方向の摩耗が無い状態でも負
荷の状態によっては軸方向に移動するため、すべり軸受
に摩耗が無い状態での軸方向の移動なのか、すべり軸受
の摩耗による移動なのかが明確に把握できない問題があ
る。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、回転子の軸方向の遊びを考慮し、軸受の軸方向の
摩耗を明確に表示できるとともに、軸方向のどちらの方
向にどれだけ摩耗しているかを明確に表示できるキャン
ドモータの軸方向軸受摩耗検出装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のキャンド
モータの軸方向軸受摩耗検出装置は、固定子および回転
子を有するキャンドモータでその固定子の軸方向両端部
に設けられる軸方向検出コイルと、これら軸方向検出コ
イルに誘起される電圧の整流平滑後の電圧を差動増幅
し、回転子の固定子に対する軸方向の移動方向および移
動位置に応じた正負の電圧信号を出力する差動増幅回路
と、この差動増幅回路から出力される電圧信号の正負を
逆にする極性反転回路、比較信号を出力する比較信号発
生回路、極性反転回路から出力される電圧信号が比較信
号発生回路から出力される比較信号より大きいときにそ
の電圧信号の大きさに応じた信号を出力する第1の比較
回路、および差動増幅回路から出力される電圧信号が比
較信号発生回路から出力される比較信号より大きいとき
にその電圧信号の大きさに応じた信号を出力する第2の
比較回路を有する不感帯回路と、この不感帯回路の比較
回路から出力される信号に応じたキャンドモータの軸方
向への軸方向摩耗度合を表示する軸方向摩耗表示器とを
具備しているものである。
【0008】そして、回転子の軸方向への移動により、
固定子の軸方向両端部の軸方向検出コイルに誘起される
電圧が変化する。差動増幅回路により、これら軸方向検
出コイルに誘起される電圧の整流平滑後の電圧を差動増
幅し、回転子の固定子に対する軸方向の移動方向および
移動位置に応じた正負の電圧信号を出力する。不感帯回
路では、極性反転回路により差動増幅回路から出力され
る電圧信号の正負を逆にし、第1の比較回路により極性
反転回路から出力される電圧信号が比較信号発生回路か
ら出力される比較信号より大きいときにその電圧信号に
応じた信号を出力し、第2の比較回路により差動増幅回
路から出力される電圧信号が比較信号発生回路から出力
される比較信号より大きいときにその電圧信号に応じた
信号を出力する。すなわち、軸方向の遊びに対応して比
較信号発生回路から出力される比較信号の大きさを設定
することにより、回転子の遊びに相当する回転子の軸方
向への影響についてはいずれの比較回路からも信号を出
力しない。軸方向摩耗表示器により不感帯回路の比較回
路から出力される信号に応じたキャンドモータの軸方向
への軸方向摩耗度合を表示する。したがって、不感帯回
路により、回転子の遊びに相当する回転子の軸方向への
移動については軸方向摩耗表示器で表示させず、軸受摩
耗に伴う回転子の軸方向への移動分についてのみ軸方向
摩耗表示器で表示し、回転子の軸方向への移動が遊びの
範囲内での移動なのか軸受摩耗を伴う移動なのかを区別
し、軸受の軸方向の摩耗を明確に表示可能とする。
【0009】請求項2記載のキャンドモータの軸方向軸
受摩耗検出装置は、請求項1記載のキャンドモータの軸
方向軸受摩耗検出装置において、軸方向摩耗表示器は、
不感帯回路の一方の比較回路から出力される信号に応じ
たキャンドモータの軸方向一方への軸方向摩耗度合を表
示する第1の軸方向摩耗表示器と、前記不感帯回路の他
方の比較回路から出力される信号に応じたキャンドモー
タの軸方向他方への軸方向摩耗度合を表示する第2の軸
方向摩耗表示器とを有しているものである。
【0010】そして、軸方向摩耗表示器として第1の軸
方向摩耗表示器および第2の軸方向摩耗表示器を用いる
ことにより、軸受摩耗を伴う回転子の軸方向への移動量
とともに移動の方向を区別し、軸方向のどちらの方向に
どれだけ摩耗しているかを明確に表示可能とする。
【0011】請求項3記載のキャンドモータの軸方向軸
受摩耗検出装置は、請求項2記載のキャンドモータの軸
方向軸受摩耗検出装置において、第1の軸方向摩耗表示
器および第2の軸方向摩耗表示器は、不感帯回路の各比
較回路から出力される信号に応じて点灯数を可変するL
EDバーグラフである。
【0012】そして、各軸方向摩耗表示器として、不感
帯回路の各比較回路から出力される信号に応じて点灯数
を可変するLEDバーグラフを用いることにより、軸方
向のどちらの方向にどれだけ摩耗しているかを分かりや
すく表示可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0014】図3は半径方向空隙型キャンドモータポン
プの一部を切り欠いた正面図を示す。11はキャンドモー
タポンプで、このキャンドモータポンプ11は、ポンプ12
と半径方向空隙型のキャンドモータ13とを液密に一体に
結合して構成されている。
【0015】キャンドモータ13は、固定子鉄心14の固定
子溝15に固定子巻線16が巻回されて構成される固定子17
が固定子枠18に挿着され、固定子17の内周面にステンレ
スなどの非磁性体で薄肉円筒状に形成された固定子キャ
ン19が密着挿入されてその両端縁が固定子枠18に液密に
溶着され、また、回転子鉄心20の回転子溝21に回転子導
体22が装着されて構成される回転子23に回転軸24が挿着
され、回転子23の外周面にステンレスなどの非磁性体で
薄肉円筒状に形成された回転子キャン25が被着され、さ
らに、固定子17に回転子23が固定子キャン19と回転子キ
ャン25とのキャン隙間26を介して対向配設され、回転軸
24が軸受箱27a,27bに装着した軸受(すべり軸受)28
a,28bにてスリーブ29a,29bおよびスラストカラー30
a,30bを介して軸支されて構成されている。
【0016】固定子鉄心14には固定子鉄心14の軸心に対
して空間角で180度離しかつ固定子鉄心14の1つの歯
部全体に巻回するように一対の半径方向検出コイルC1,
C2が設けられている。
【0017】キャンドモータ13には固定子枠18の一部か
らその固定子枠18内に連通する端子箱33が突設され、こ
の端子箱33の上部には、ガラス製の覗き窓の付いた防爆
構造対応の密閉容器35が設置されている。この密閉容器
35内にキャンドモータ13の運転監視装置に含まれる軸方
向軸受摩耗検出装置の一部が収納されている。
【0018】また、ポンプ12は、キャンドモータ13の固
定子枠18に液密に取り付けられたケーシング37、および
このケーシング37内で回転軸24に取り付けられた羽根車
38を有している。ポンプ12内の羽根車38はスリーブ29
a,29bを介して軸受28a,28bに支持された回転子23によ
って回転駆動され、軸方向にはスラストカラー30a,30b
と軸受28a,28bとによって動きが制限されている。
【0019】次に、図4は軸方向検出コイルCf,Crを固
定子23の1歯部端部に設置した一部の斜視図を示す。固
定子鉄心14の1つの歯部40の一方の端部41aの近くに切
欠溝41bを設けて小さなコア部41が形成され、このコア
部41の周辺の固定子溝15内に一方の軸方向検出コイルCf
が巻回して設けられている。図示しないが、歯部40の他
端にも、同様に、もう一方の軸方向検出コイルCrが設け
られている。
【0020】次に、図5はキャンドモータポンプ11の概
略図を示す。キャンドモータ13の回転子鉄心14の上方の
軸方向両端部には回転子23の軸方向位置すなわち軸受28
a,28bの軸方向摩耗を検知するための一対の軸方向検出
コイルCf,Crが設置されており、また、下方の1歯部に
は軸受28a,28bの半径方向摩耗を検知するための半径方
向検出コイルC1が設置されているとともに、半径方向検
出コイルC1と対向した1歯部にも図示されていないがも
う一方の半径方向検出コイルC2が設置されて直列に接続
されている。
【0021】ここで、軸受28a,28bの軸方向摩耗の検出
に関して説明する。なお、キャンドモータ13のポンプ12
側をフロント側(前部側)、ポンプ12と反対側をリア側
(後部側)と呼ぶ。
【0022】回転子23の軸方向への移動は、羽根車38の
位置するフロント側の軸受28aとスラストカラー30aとの
接触によってフロント側への動きが制限され、逆に、軸
受28bとスラストカラー30bとの接触によってリア側への
動きが制限される。
【0023】軸受28a,28bに軸方向摩耗の無い状態で回
転子23が軸方向に自由に動ける範囲、つまり回転子23の
軸方向の遊びは、ポンプ12の大きさや構成によっても異
なるが、0.5〜3mm程度であり、フロント側の軸受
28aおよびリア側の軸受28bの許容軸方向摩耗限界は1m
m程度である。
【0024】通常の運転では、回転子23の軸方向位置は
フロント側の軸受28aとスラストカラー30aとが接触回転
する位置、またはリア側の軸受28bとスラストカラー30b
とが接触回転する位置にあるが、軸受28a,28bが軸方向
に1mm程度摩耗すると、ポンプ12の羽根車38の前面も
しくは後面がケーシング37もしくは軸受箱27aと接触す
る構造となっている。
【0025】従って、それらを考慮すると、軸受28a,2
8bの軸方向摩耗の検出としては、回転子23の軸方向の動
きを±2.5mm程度監視する必要がある。
【0026】そして、固定子鉄心20の両端部に軸方向検
出コイルCf,Crを設置してそれらの軸方向検出コイルC
f,Crに誘起される電圧の差から回転子23の軸方向の動
きを知ることができる。
【0027】次に、図6は軸方向摩耗検出部および差動
増幅回路の回路図を示す。軸方向摩耗検出部50は固定子
鉄心14の両端部に設置された軸方向検出コイルCf,Crを
有し、フロント側の軸方向検出コイルCfの出力端子51,
52は増幅回路55および整流平滑回路57を介して差動増幅
回路59の一方の入力側に接続され、リア側の軸方向検出
コイルCrの出力端子52,53は増幅回路56および整流平滑
回路58を介して差動増幅回路59の他方の入力側に接続さ
れ、差動増幅回路59の出力側は出力端子60に接続されて
いる。
【0028】図7は回転子23の軸方向位置に対する差動
増幅回路59から出力される電圧信号を示すグラフであ
り、軸受28a,28bで支承された回転子23の軸方向位置を
横軸に示し、差動増幅器59の出力端子60における出力を
縦軸に示している。
【0029】回転子23の位置と電圧信号の出力との関係
は、回転子23の軸方向の遊びや軸受28a,28bの軸方向摩
耗などとは関係なく、回転子23の固定子17に対する軸方
向の相対位置によって決まる。
【0030】回転子23の固定子17に対する軸方向位置が
変化すると、固定子17と回転子23との間の磁束分布が変
化し、その変化は固定子17の両端部に設置された軸方向
検出コイルCf,Crに誘起される電圧信号の大きさの変化
として表れ、軸方向検出コイルCf,Crの出力の差動をと
ることで共通の変化分が除去された回転子23の軸方向位
置に応じた電圧信号が得られる。
【0031】図7の例では、回転子23が軸方向の遊びの
中心位置にあるときに出力端子60の電圧信号が0Vとさ
れ、回転子23が中心位置よりもフロント側に位置してい
ると正(+)の電圧信号が出力され、回転子23が中心位
置よりもリア側に位置していると負(−)の電圧信号が
出力される。
【0032】次に、図1は不感帯回路および軸方向摩耗
表示器の回路図を示す。
【0033】軸方向摩耗表示器61は、中央に位置する中
心位置表示器62、中心位置表示器62の左側に位置する第
1の軸方向摩耗表示器としてのフロント側摩耗表示器6
3、および中心位置表示器62の右側に位置する第2の軸
方向摩耗表示器としてのリア側摩耗表示器64を有するL
ED(発光ダイオード)バーグラフによって構成されて
いる。
【0034】中心位置表示器62は、常に点灯する緑色の
LEDG0を有している。フロント側摩耗表示器63および
リア側摩耗表示器64は、中央側から外側にかけて、緑色
のLEDG1、LEDG2、LEDG3およびLEDG4、黄色
のLEDY1およびLEDY2、赤色のLEDR1を順に配列
したLEDバーグラフであり、軸受摩耗に伴う回転子23
のフロント側またはリア側への移動に応じて中央側から
外側に順次追加点灯して軸方向の軸受摩耗の状態を表示
する。
【0035】差動増幅回路59の出力端子60から出力され
る正負の電圧信号に応じて各摩耗表示器63,64を表示さ
せるため、出力端子60からの正負の電圧信号の伝送経路
が二系統に分けられ、一方の系統には、出力端子60から
の電圧信号の正負の極性を反転させる極性反転回路71、
この極性反転回路71から出力される負の電圧信号の絶対
値が比較信号より大きいときにその電圧信号の大きさに
応じた信号を出力する第1の比較回路72、第1の比較回
路72からの出力により複数のLEDを有するフロント側
摩耗表示器63を駆動する第1のLEDドライバ回路73が
接続され、また、他方の系統には、出力端子60からの負
の電圧信号の絶対値が比較信号より大きいときにその電
圧信号の大きさに応じた信号を出力する第2の比較回路
74、第2の比較回路74からの出力により複数のLEDを
有するリア側摩耗表示器64を駆動する第2のLEDドラ
イバ回路75が接続されている。
【0036】各比較回路72,74に入力される比較信号は
比較信号発生回路76から出力され、この比較信号発生回
路76は、比較信号用の出力電圧が抵抗R1を介して入力側
に入力される可変抵抗器VR1を有し、この可変抵抗器VR1
の出力側に各抵抗R2,R3を介して各比較回路72,74の入
力側が接続されている。
【0037】そして、比較信号発生回路76から出力され
る比較信号の大きさが可変抵抗器VR1にて調整でき、こ
の比較信号発生回路76と各比較回路72,74および極性反
転回路71とにより、回転子23の遊びに相当する回転子23
の軸方向への移動については各摩耗表示器63,64で表示
させず、軸受摩耗に伴う回転子23の軸方向への移動分に
ついてのみ各摩耗表示器63,64で表示させる不感帯回路
77が構成されている。
【0038】図2は回転子23の軸方向位置と軸方向摩耗
表示器61への出力電圧と軸方向摩耗表示器61の点灯との
関係を示す説明図で、不感帯回路77により、軸受28a,2
8bに軸方向摩耗が無い状態で、フロント側のスラストカ
ラー30aと軸受28aとが接触したときにフロント側摩耗表
示器63の緑色のLEDG1が点灯し、リア側のスラストカ
ラー30bと軸受28bとが接触したときにリア側摩耗表示器
64の緑色のLEDG1が点灯するように、比較信号発生回
路76の可変抵抗器VR1により調整されている。さらに、
フロント側の軸受28aの軸方向摩耗の進行に伴って、フ
ロント側摩耗表示器63のLEDG1,G2,G3,G4,Y1,Y
2,R1が順次点灯し、リア側の軸受28bの軸方向摩耗の進
行に伴ってリア側摩耗表示器64のLEDG1,G2,G3,G
4,Y1,Y2,R1が順次点灯される。
【0039】そして、フロント側への軸受28aの摩耗が
進行した場合、差動増幅回路59の出力信号が正となり、
第2の比較回路74への入力信号は正となるので第2の比
較回路74の出力は生じず、一方、第1の比較回路72への
入力信号は極性反転回路71で反転されて負となり、極性
反転回路71の出力信号の絶対値が比較信号発生回路76か
ら出力される比較信号より大きくなると、第1の比較回
路72から信号が出力され、第1のLEDドライバ回路73
により第1の比較回路72からの出力信号レベルに応じた
数のLEDG1,G2,G3,G4,Y1,Y2,R1が点灯するよう
にフロント側摩耗表示器63を駆動する。
【0040】すなわち、フロント側のスラストカラー30
aとフロント側の軸受28aが接触回転するときは、中央に
位置した緑色のLEDG0の他にフロント側摩耗表示器63
の緑色のLEDG1が点灯するが、フロント側への軸受摩
耗が進行すると、フロント側摩耗表示器63の緑色のLE
DG2も点灯し、さらにフロント側への軸受摩耗の進行と
ともに緑色のLEDG3、緑色のLEDG4、黄色のLED
Y1、黄色のLEDY2、赤色のLEDR1が追加点灯してフ
ロント側の軸方向の軸受摩耗の状態を表示する。
【0041】また、リア側への軸受摩耗が進行した場
合、差動増幅回路59の出力信号が負となり、第1の比較
回路72への入力信号は極性反転回路71で反転されて正と
なるので第1の比較回路72の出力は生じず、一方、第2
の比較回路74への入力信号は負となるので、差動増幅回
路59の出力信号の絶対値が比較信号発生回路76から出力
される比較信号より大きくなると第2の比較回路74から
信号が出力され、第2のLEDドライバ回路75により第
2の比較回路74の出力信号レベルに応じた数のLED
1,G2,G3,G4,Y1,Y2,R1が点灯するようにリア側摩
耗表示器64を駆動する。
【0042】すなわち、リア側のスラストカラー30bと
リア側の軸受28bが接触回転するときは、中央に位置し
た緑色のLEDG0の他にリア側摩耗表示器64の緑色のL
EDG1が点灯するが、リア側への軸受摩耗が進行する
と、リア側摩耗表示器64の緑色のLEDG2が点灯し、さ
らにリア側への軸受摩耗進行とともに緑色のLEDG3、
緑色のLEDG4、黄色のLEDY1、黄色のLEDY2、赤
色のLEDR1が追加点灯してリア側の軸方向の軸受摩耗
の状態を表示する。
【0043】このように、不感帯回路77により、回転子
23の遊びに相当する回転子23の軸方向への移動について
は各摩耗表示器63,64で表示させず、軸受摩耗に伴う回
転子23の軸方向への移動分についてのみ各摩耗表示器6
3,64で表示させるので、回転子23の軸方向への移動が
遊びの範囲内での移動なのか軸受摩耗を伴う移動なのか
を区別し、軸受28a,28bの軸方向の摩耗を明確に表示で
きるとともに、軸方向のどちらの方向にどれだけ摩耗し
ているかを明確に表示できる。
【0044】さらに、各摩耗表示器63,64として、不感
帯回路77の各比較回路72,74から出力される信号に応じ
て点灯数を可変するLEDバーグラフを用いることによ
り、軸方向のどちらの方向にどれだけ摩耗しているかを
分かりやすく表示できる。
【0045】なお、各摩耗表示器63,64は、LEDバー
グラフを用いることで簡単かつ安価に構成できるが、例
えば、液晶表示器を用いたバーグラフなどでもよく、ま
た、バーグラフに限らず、軸受摩耗の度合を表示できれ
る表示態様をとれば、軸方向のどちらの方向にどれだけ
摩耗しているかを分かりやすく表示できる。
【0046】また、軸方向検出コイルCf,Crに誘起され
る電圧が比較的高い場合は、増幅回路55,56と整流平滑
回路57,58との順序を入れ換えてもよく、あるいは増幅
回路55,56を省くこともできる。
【0047】また、軸方向摩耗表示器61としてアナログ
メータを用いる場合は、図8に示すように、第1の比較
回路72の出力信号と第2の比較回路73の出力信号を2個
のダイオードD1,D2で構成される合成回路78に入力し、
この合成回路78の出力信号をアナログ電圧計などの軸方
向摩耗表示器79に表示させるように構成をとればよい。
ただし、この場合、図1に示す実施の形態と同様に不感
帯回路77によって回転子23の遊びに相当する回転子23の
軸方向移動を軸方向摩耗表示器79に表示させないように
できるが、軸受摩耗に伴う回転子23の軸方向への移動に
ついてはその摩耗進行度合は表示できるがフロント側の
軸受28aの摩耗かリア側の軸受28bの摩耗かの判別はでき
ない。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載のキャンドモータの軸方向
軸受摩耗検出装置によれば、不感帯回路により、回転子
の遊びに相当する回転子の軸方向への移動については軸
方向摩耗表示器で表示させず、軸受摩耗に伴う回転子の
軸方向への移動分についてのみ軸方向摩耗表示器で表示
させるので、回転子の軸方向への移動が遊びの範囲内で
の移動なのか軸受摩耗を伴う移動なのかを区別し、軸受
の軸方向の摩耗を明確に表示できる。
【0049】請求項2記載のキャンドモータの軸方向軸
受摩耗検出装置によれば、請求項1記載のキャンドモー
タの軸方向軸受摩耗検出装置の効果に加えて、軸方向摩
耗表示器として第1の軸方向摩耗表示器および第2の軸
方向摩耗表示器を用いることにより、軸受摩耗を伴う回
転子の軸方向への移動量とともに移動の方向を区別し、
軸方向のどちらの方向にどれだけ摩耗しているかを明確
に表示できる。
【0050】請求項3記載のキャンドモータの軸方向軸
受摩耗検出装置によれば、請求項2記載のキャンドモー
タの軸方向軸受摩耗検出装置の効果に加えて、各軸方向
摩耗表示器として、不感帯回路の各比較回路から出力さ
れる信号に応じて点灯数を可変するLEDバーグラフを
用いることにより、軸方向のどちらの方向にどれだけ摩
耗しているかを分かりやすく表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出
装置の一実施の形態を示す不感帯回路および軸方向摩耗
表示器の回路図である。
【図2】同上回転子の軸方向位置と軸方向摩耗表示器へ
の出力電圧と軸方向摩耗表示器の点灯との関係を示す説
明図である。
【図3】同上キャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置
を適用する半径方向空隙型キャンドモータポンプの一部
を切り欠いた正面図である。
【図4】同上軸方向検出コイルを固定子の1歯部端部に
設置した一部の斜視図である。
【図5】同上キャンドモータポンプの概略図である。
【図6】同上軸方向摩耗検出部および差動増幅回路の回
路図である。
【図7】同上回転子の軸方向位置に対する差動増幅回路
から出力される電圧信号を示すグラフである。
【図8】本発明のキャンドモータの軸受摩耗検出装置の
他の実施の形態を示す不感帯回路および軸方向摩耗表示
器の回路図である。
【符号の説明】
13 キャンドモータ 17 固定子 23 回転子 59 差動増幅回路 61 軸方向摩耗表示器 63 第1の軸方向摩耗表示器としてのフロント側摩耗
表示器 64 第2の軸方向摩耗表示器としてのリア側摩耗表示
器 71 極性反転回路 72 第1の比較回路 74 第2の比較回路 76 比較信号発生回路 77 不感帯回路 78 合成回路 79 軸方向摩耗表示器 Cf,Cr 軸方向検出コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子および回転子を有するキャンドモ
    ータでその固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向検
    出コイルと、 これら軸方向検出コイルに誘起される電圧の整流平滑後
    の電圧を差動増幅し、回転子の固定子に対する軸方向の
    移動方向および移動位置に応じた正負の電圧信号を出力
    する差動増幅回路と、 この差動増幅回路から出力される電圧信号の正負を逆に
    する極性反転回路、比較信号を出力する比較信号発生回
    路、極性反転回路から出力される電圧信号が比較信号発
    生回路から出力される比較信号より大きいときにその電
    圧信号の大きさに応じた信号を出力する第1の比較回
    路、および差動増幅回路から出力される電圧信号が比較
    信号発生回路から出力される比較信号より大きいときに
    その電圧信号の大きさに応じた信号を出力する第2の比
    較回路を有する不感帯回路と、 この不感帯回路の比較回路から出力される信号に応じた
    キャンドモータの軸方向への軸方向摩耗度合を表示する
    軸方向摩耗表示器とを具備していることを特徴とするキ
    ャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置。
  2. 【請求項2】 軸方向摩耗表示器は、 不感帯回路の一方の比較回路から出力される信号に応じ
    たキャンドモータの軸方向一方への軸方向摩耗度合を表
    示する第1の軸方向摩耗表示器と、 前記不感帯回路の他方の比較回路から出力される信号に
    応じたキャンドモータの軸方向他方への軸方向摩耗度合
    を表示する第2の軸方向摩耗表示器とを有していること
    を特徴とする請求項1記載のキャンドモータの軸方向軸
    受摩耗検出装置。
  3. 【請求項3】 第1の軸方向摩耗表示器および第2の軸
    方向摩耗表示器は、不感帯回路の各比較回路から出力さ
    れる信号に応じて点灯数を可変するLEDバーグラフで
    あることを特徴とする請求項2記載のキャンドモータの
    軸方向軸受摩耗検出装置。
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