JP4679698B2 - キャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置 - Google Patents

キャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャンドモータの軸方向の軸受摩耗を検出する軸方向軸受摩耗検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、キャンドモータは、主としてポンプ駆動用に採用されており、化学プラントなどにも使用されることから高い信頼性が要求されている。
【0003】
キャンドモータポンプの場合、キャンドモータとポンプとが一体構造の液漏れが無い構造となっており、内部の状態は目視で監視することができない。ポンプの羽根車を回転駆動するキャンドモータの回転子はポンプ液で潤滑されるすべり軸受で支承されていることが多いが、キャンドモータを効率良く運転するには、すべり軸受の摩耗状態を外部から監視する必要がある。
【0004】
そこで、例えば、特公昭57−21924号公報や、特開平10−80103号公報または特開平11−148819号公報などに記載されているように、キャンドモータの固定子の軸方向両端部に軸方向位置検出コイルを設け、これら軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差を比較することで、すべり軸受で支承されて回転する回転子の軸方向位置を検出し、この回転子の軸方向位置から軸方向の軸受摩耗量を推測しようとした軸方向軸受摩耗検出装置が提案されている。
【0005】
図6は従来の軸方向軸受摩耗検出装置の回路図を示す。
【0006】
軸方向摩耗検出部11は固定子の両端部に設置された軸方向位置検出コイルCf,Crを有し、これら軸方向位置検出コイルCf,Crが直列に接続されて中間部12が接地されている。固定子のフロント側の軸方向位置検出コイルCfの端部13は増幅器14および整流・平滑回路15を介して差動増幅器16の一方の入力側に接続され、固定子のリヤ側の軸方向位置検出コイルCrの端部17は増幅器18および整流・平滑回路19を介して差動増幅器16のもう一方の入力側に接続され、差動増幅器16の出力側は軸方向零点調整回路20を介して出力端子21に接続されている。
【0007】
各軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差から回転子の軸方向位置を正確に検出するには、各軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差の信号と軸受に支承された回転子の軸方向位置とを合わせる必要があり、その零点調整のために軸方向零点調整回路20が採用されている。
【0008】
軸方向零点調整回路20には可変抵抗器22が接続されており、可変抵抗器22の一方の端子23には定電圧電源のマイナスの電圧V-が接続され、可変抵抗器22のもう一方の端子24には定電圧電源のプラスの電圧V+が接続されている。
【0009】
また、図7は軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧と回転子の軸方向位置との関係を示すグラフである。
【0010】
グラフの縦軸は軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する交流の出力電圧を示し、横軸は回転子の軸方向位置を示すもので、中心の0mmの位置は回転子の機械的な中心位置を示し、左側のマイナスはキャンドモータのリヤ側を、右側のプラスはフロント側を示す。
【0011】
軸方向位置検出コイルCfに発生する電圧曲線と軸方向位置検出コイルCrに発生する電圧曲線とが交差する点は、各軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧が等しくなる電気的な中心位置となる。電気的な中心位置と機械的な中心位置とは、設計上もしくは製作上の理由からずれが生じ、図7では約1mmずれていることを示している。
【0012】
そして、図6に示す軸方向零点調整回路20で、電気的な約1mmのずれを機械的な0mmの中心位置に合わせる場合には、回転子が機械的な中心位置である0mmのときの電気出力信号を定電圧電源のプラスとマイナスの電源V+,V-から可変抵抗器22を介して打ち消すように調整する。
【0013】
また、図8は、図7に示す軸方向位置検出コイルCfとCrに発生する電圧がキャンドモータの電源電圧が変化した場合にどのように変化するかを示すグラフである。
【0014】
キャンドモータの電源電圧が例えば200Vのときの軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧に対して、例えば220Vに高くなると軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧は大きくなり、例えば180Vに低くなると軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧は小さくなり、各軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の軸方向位置に対する曲線を見ると、電源電圧の変化に対して略平行移動する。
【0015】
また、図9は、図7に示す軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧を図6に示す軸方向零点調整回路20を含む回路構成で信号処理したときの出力を示すグラフである。
【0016】
キャンドモータの電源電圧が200Vのときに、軸方向零点調整回路20で零点調整することにより、回転子の軸方向位置と出力端子21からの出力との関係は、軸方向位置が0mmのときに0Vを通る略直線となる。
【0017】
ところが、キャンドモータの電源電圧が零点調整時と異なると、例えば220Vや180Vに増減すると、軸方向位置に対する出力の曲線は平行移動し、零位置の規準が変ってしまう不具合が生じる。
【0018】
不具合の原因としては、軸方向位置が0mmのときの軸方向位置検出コイルCf,Crの差も電源電圧の大きさによって変化するものと考えられる。つまり、電源電圧が零点調整時と異なると、図8に示すように、各軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧が変るために、回転子が0mmの位置にあるときの軸方向位置検出コイルCf,Crの電圧差が変り、図9に示す出力特性のように平行移動したようになってしまう。
【0019】
軸方向位置に対する出力特性が図9で示されるようになると、キャンドモータの電源電圧が零点調整時と異なる一定の場合には軸方向位置の規準がフロント側とリア側とのどちらかにずれることになり、キャンドモータの電源電圧が変動する場合には軸受が磨耗していないのに磨耗したりあるいは軸受が磨耗しているのに磨耗していないという情報が出力される問題がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の軸方向零点調整回路では、キャンドモータの電源電圧が変動しても変らない定電圧電源から可変抵抗器22を介して一定の電圧を供給し、回転子が軸方向の基準位置にあるときに軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差が零となるように可変抵抗器22を調整しているが、軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧はキャンドモータの電源電圧に依存し、それら軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差もキャンドモータの電源電圧に依存するため、キャンドモータの電源電圧が零点調整したときと異なる電圧になると、回転子の軸方向位置に変化が無くても、軸受が磨耗していないのに磨耗したり、あるいは軸受が磨耗しているのに磨耗していないという誤動作を生じる問題がある。
【0021】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、キャンドモータの電源電圧の変動に対しても高精度の軸方向軸受摩耗検出ができるキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
求項記載のキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置は、固定子および回転子を有するキャンドモータでその固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルと、これら軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差から回転子の固定子に対する軸方向位置を検出する軸方向位置検出回路と、前記キャンドモータの電源電圧に比例して変化する前記少なくとも一方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧をバイアス電源として、前記回転子が軸方向の基準位置にあるときの前記軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整する軸方向零点調整回路とを具備しているものである。
【0023】
そして、軸方向位置検出回路により、固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差から、回転子の軸方向の移動位置を検出する。軸方向零点調整回路により、キャンドモータの電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子が軸方向の基準位置にあるときの軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整する。キャンドモータの電源電圧が変動しても軸方向零点調整回路のバイアス電源も同様に変動し、軸方向零点調整回路による零点調整には影響せず、高精度の軸方向軸受摩耗検出が可能となる。しかも、別の電源を用いず、簡単な回路構成で、高精度の軸方向軸受磨耗検出が可能となる。
【0024】
請求項記載のキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置は、固定子および回転子を有するキャンドモータでその固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルと、これら軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差から回転子の固定子に対する軸方向位置を検出する軸方向位置検出回路と、前記キャンドモータの電源電圧に比例して変化する一方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧をバイアス電源のプラス電源とし、他方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧をバイアス電源のマイナス電源として、前記回転子が軸方向の基準位置にあるときの前記軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整する軸方向零点調整回路とを具備しているものである。
【0025】
そして、軸方向位置検出回路により、固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差から、回転子の軸方向の移動位置を検出する。軸方向零点調整回路により、キャンドモータの電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子が軸方向の基準位置にあるときの軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整する。キャンドモータの電源電圧が変動しても軸方向零点調整回路のバイアス電源も同様に変動し、軸方向零点調整回路による零点調整には影響せず、高精度の軸方向軸受摩耗検出が可能となる。しかも、特別な電源を用いず、簡単な回路構成で、高精度の軸方向軸受摩耗検出が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置の一実施の形態を図1ないし図5を参照して説明する。
【0027】
図2は軸方向軸受摩耗検出装置を適用するキャンドモータポンプの一部を切り欠いた正面図を示す。
【0028】
31はキャンドモータポンプで、このキャンドモータポンプ31は、ポンプ32と半径方向空隙型のキャンドモータ33とが液密に一体に結合されて構成されている。
【0029】
キャンドモータ33は、固定子鉄心34の固定子溝35に固定子巻線36が巻回されて構成される固定子37が固定子枠38に挿着され、固定子37の内周面にステンレスなどの非磁性体で薄肉円筒状に形成された固定子キャン39が密着挿入されてその両端縁が固定子枠38に液密に溶着され、また、回転子鉄心40の回転子溝41に回転子導体42が装着されて構成される回転子43に回転軸44が挿着され、回転子43の外周面にステンレスなどの非磁性体で薄肉円筒状に形成された回転子キャン45が被着され、さらに、固定子37に回転子43が固定子キャン39と回転子キャン45とのキャン隙間46を介して対向配設され、回転軸44が軸受箱47a,47bに装着したすべり軸受である軸受48a,48bにてスリーブ49a,49bおよびスラストカラー50a,50bを介して軸支されて構成されている。
【0030】
固定子鉄心34には固定子鉄心34の軸心に対して空間角で180度離しかつ固定子鉄心34の1つの歯部全体に巻回するように一対の半径方向位置検出コイルC1,C2が配設されている。
【0031】
キャンドモータ33には固定子枠38の一部からその固定子枠38内に連通する端子箱53が突設され、この端子箱53の上部には、ガラス製の覗き窓の付いた防爆構造対応の密閉容器55が設置されている。この密閉容器55内にキャンドモータ33の運転監視装置に含まれる軸方向軸受摩耗検出装置の一部が収納されている。
【0032】
また、ポンプ32は、キャンドモータ33の固定子枠38に液密に取り付けられたケーシング57、およびこのケーシング57内で回転軸44に取り付けられた羽根車58を有している。ポンプ32内の羽根車58はスリーブ49a,49bを介して軸受48a,48bに支持された回転子43によって回転駆動され、軸方向にはスラストカラー50a,50bと軸受48a,48bとによって動きが制限されている。
【0033】
次に、図3は軸方向軸受摩耗検出装置の軸方向位置検出コイルを固定子の1歯部の端部に設置した一部の斜視図を示す。
【0034】
固定子鉄心34の1つの歯部60の一方の端部61aの近くに切欠溝61bを設けて小さなコア部61が形成され、このコア部61の周辺の固定子溝35内に一方の軸方向位置検出コイルCfが巻回して設けられている。図示しないが、歯部60の他端にも、同様に、もう一方の軸方向位置検出コイルCrが設けられている。
【0035】
次に、図4は軸方向軸受摩耗検出装置を適用するキャンドモータポンプ31の概略図を示す。キャンドモータ33の固定子鉄心34の上方の軸方向両端部には回転子43の軸方向位置すなわち軸受48a,48bの軸方向摩耗を検知するための一対の軸方向位置検出コイルCf,Crが設置されており、また、下方の1歯部には軸受48a,48bの半径方向摩耗を検知するための半径方向位置検出コイルC1が設置されているとともに、半径方向位置検出コイルC1と対向した1歯部にも図示されていないがもう一方の半径方向位置検出コイルC2が設置されて直列に接続されている。
【0036】
ここで、軸受48a,48bの軸方向摩耗の検出に関して説明する。なお、キャンドモータ33のポンプ32側をフロント側(前部側)、ポンプ32と反対側をリア側(後部側)と呼ぶ。
【0037】
回転子43の軸方向への移動は、羽根車58の位置するフロント側の軸受48aとスラストカラー50aとの接触によってフロント側への動きが制限され、逆に、軸受48bとスラストカラー50bとの接触によってリア側への動きが制限される。
【0038】
軸受48a,48bに軸方向摩耗の無い状態で回転子43が軸方向に自由に動ける範囲、つまり回転子43の軸方向の遊びは、ポンプ32の大きさや構成によっても異なるが、1〜2mm程度であり、通常の運転では回転子43はその軸方向の遊びの範囲内に位置している。
【0039】
通常の運転では、回転子43の軸方向位置はフロント側の軸受48aとスラストカラー50aとが接触回転する位置、またはリア側の軸受48bとスラストカラー50bとが接触回転する位置にあるが、軸受48a,48bが軸方向に1mm程度摩耗すると、ポンプ32の羽根車58の前面もしくは後面がケーシング57もしくは軸受箱47bと接触する構造となっている。
【0040】
従って、それらを考慮すると、軸受48a,48bの軸方向摩耗の検出としては、回転子43の軸方向の動きを±2.5mm程度監視する必要がある。
【0041】
そして、固定子鉄心34の両端部に軸方向位置検出コイルCf,Crを設置してそれらの軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差から回転子43の軸方向の動きを知ることができる。
【0042】
次に、図1は軸方向軸受摩耗検出装置の回路図を示す。
【0043】
71は軸方向摩耗検出部で、この軸方向摩耗検出部71は、固定子37の両端部に設置された軸方向位置検出コイルCf,Crを有し、これら軸方向位置検出コイルCf,Crが直列に接続されて中間部72が接地されている。
【0044】
固定子37のフロント側の軸方向位置検出コイルCfの端部73は、増幅器74を介して、プラスの直流電圧に変換する整流・平滑回路75に接続されている。固定子37のリヤ側の軸方向位置検出コイルCrの端部76は、増幅器78を介して、マイナスの直流電圧に変換する整流・平滑回路79に接続されている。これら整流・平滑回路75,79は、加算増幅回路80の入力部に接続されている。
【0045】
加算増幅回路80は、軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧がそれそれプラスとマイナスの直流電圧に変換されて入力され、それら直流電圧を合成してその合成に比例する電圧を出力端子81に出力する。出力端子81には、加算増幅回路80から出力される電圧に応じて、回転子43の移動方向および移動位置に対応した軸方向摩耗の度合を表示する表示器などが接続される。
【0046】
増幅器74,78、整流・平滑回路75,79、および加算増幅回路80などで、軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差から回転子43の固定子37に対する軸方向位置を検出する軸方向位置検出回路82が構成されている。
【0047】
加算増幅回路80には、キャンドモータ33の電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子43が軸方向の基準位置にあるときの軸方向位置検出回路82における両軸方向位置検出コイルCf,Crの電圧の差を零に調整する軸方向零点調整回路83が接続されている。この軸方向零点調整回路83は、零点調整のための可変抵抗器84を有し、この可変抵抗器84の一方の端部85が一方の軸方向位置検出コイルCfのプラスの出力に接続され、他方の端部86が他方の軸方向位置検出コイルCrのマイナスの出力に接続され、中間点が加算増幅回路80の入力に接続されている。
【0048】
そして、軸方向位置検出回路82の加算増幅回路80では、固定子37の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧の差から、回転子43の軸方向移動に対応する電圧を出力する。
【0049】
軸方向零点調整回路83では、キャンドモータ33の電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子43が軸方向の基準位置にあるときの加算増幅回路80における両軸方向位置検出コイルCf,Crの電圧の差を零に調整する。つまり、零点調整は、回転子43が機械的な中心位置である0mmにあるときの出力端子81に出力される電圧が0Vとなるように可変抵抗器84により調整する。
【0050】
図5は、軸方向軸受摩耗検出装置で、軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧を処理したときの出力を示すグラフである。
【0051】
グラフの横軸は回転子43の軸方向位置を示し、縦軸は加算増幅回路80の出力端子81に出力される電圧を示す。
【0052】
軸方向零点調整回路83の電源を定電圧電源ではなく、軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧をそれぞれプラスとマイナスの直流電圧に変換して零点調整用の電圧に利用することにより、キャンドモータ33の電源電圧が変動して各軸方向位置検出コイルCf,Crの差電圧が変動すれば零点調整用の電圧も同様に変動するために、キャンドモータ33の電源電圧が変動しても軸方向零点調整回路83による零点調整の機能が損われることはない。
【0053】
図5のグラフでは、キャンドモータ33の電源電圧をパラメータとして、つまり電源電圧が180V、200Vおよび220Vのときの加算増幅回路80の出力を示しているが、軸方向位置が0mmのときのずれはほとんど確認されなかった。
【0054】
グラフに示される3本の曲線が一致しなくて少しずれるのは、キャンドモータ33の電源電圧によって軸方向位置に対する各軸方向位置検出コイルCf,Crの出力電圧の大きさが変化するためで、すなわちキャンドモータ33の電源電圧が高くなると曲線の傾きがゆるくなり、キャンドモータ33の電源電圧が低くなると曲線の傾きがきつくなることによる。この程度のずれは、許容される範囲内に止まる。
【0055】
したがって、図9に示した従来の軸方向零点調整回路の場合と比べた場合、キャンドモータ33の電源電圧が変動しても影響を受けず、高精度の軸方向軸受摩耗検出ができる。
【0056】
以上のように、軸方向零点調整回路83により、キャンドモータ33の電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子43が軸方向の基準位置にあるときの軸方向位置検出回路82における両軸方向位置検出コイルCf,Crの電圧の差を零に調整するので、キャンドモータ33の電源電圧が変動しても軸方向零点調整回路83のバイアス電源も同様に変動し、軸方向零点調整回路83による零点調整には影響せず、高精度の軸方向軸受摩耗検出ができる。
【0057】
しかも、一方の軸方向位置検出コイルCfに発生する電圧を軸方向零点調整回路83のバイアス電源のプラス電源とし、他方の軸方向位置検出コイルCrに発生する電圧を軸方向零点調整回路83のバイアス電源のマイナス電源とすることにより、別の電源を用いず、簡単な回路構成で、高精度の軸方向軸受摩耗検出ができる。
【0058】
なお、少なくとも一方の軸方向位置検出コイルCf,Crに発生する電圧を軸方向零点調整回路83のバイアス電源としもよく、この場合にも、別の電源を用いず、簡単な回路構成で、高精度の軸方向軸受磨耗検出ができる
【0059】
【発明の効果】
求項記載のキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置によれば、軸方向零点調整回路により、キャンドモータの電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子が軸方向の基準位置にあるときの軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整するので、キャンドモータの電源電圧が変動しても軸方向零点調整回路のバイアス電源も同様に変動し、軸方向零点調整回路による零点調整には影響せず、高精度の軸方向軸受摩耗検出ができる。しかも、少なくとも一方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧を軸方向零点調整回路のバイアス電源とするので、別の電源を用いず、簡単な回路構成で、高精度の軸方向軸受磨耗検出ができる。
【0060】
請求項記載のキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置によれば、軸方向零点調整回路により、キャンドモータの電源電圧に比例して変化する電圧源をバイアス電源として、回転子が軸方向の基準位置にあるときの軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整するので、キャンドモータの電源電圧が変動しても軸方向零点調整回路のバイアス電源も同様に変動し、軸方向零点調整回路による零点調整には影響せず、高精度の軸方向軸受摩耗検出ができる。しかも、一方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧を軸方向零点調整回路のバイアス電源のプラス電源とし、他方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧を軸方向零点調整回路のバイアス電源のマイナス電源とするので、別の電源を用いず、簡単な回路構成で、高精度の軸方向軸受摩耗検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示すキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置の回路図である。
【図2】 同上軸方向軸受摩耗検出装置を適用するキャンドモータポンプの一部を切り欠いた正面図である。
【図3】 同上軸方向軸受摩耗検出装置の軸方向位置検出コイルを固定子の1歯部の端部に設置した一部の斜視図である。
【図4】 同上軸方向軸受摩耗検出装置を適用するキャンドモータポンプの概略図である。
【図5】 同上軸方向軸受摩耗検出装置で、軸方向位置検出コイルに発生する電圧を処理したときの出力を示すグラフである。
【図6】 従来の軸方向軸受摩耗検出装置の回路図である。
【図7】 従来の軸方向位置検出コイルに発生する電圧と回転子の軸方向位置との関係を示すグラフである。
【図8】 図7に示す軸方向位置検出コイルに発生する電圧が、キャンドモータの電源電圧が変化した場合にどのように変化するかを示すグラフである。
【図9】 図7に示す軸方向位置検出コイルに発生する電圧を、従来の軸方向零点調整回路を含む軸方向軸受摩耗検出装置で処理したときの出力を示すグラフである。
【符号の説明】
33 キャンドモータ
37 固定子
43 回転子
82 軸方向位置検出回路
83 軸方向零点調整回路
Cf,Cr 軸方向位置検出コイル

Claims (2)

  1. 固定子および回転子を有するキャンドモータでその固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルと、
    これら軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差から回転子の固定子に対する軸方向位置を検出する軸方向位置検出回路と、
    前記キャンドモータの電源電圧に比例して変化する前記少なくとも一方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧をバイアス電源として、前記回転子が軸方向の基準位置にあるときの前記軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整する軸方向零点調整回路と
    を具備していることを特徴とするキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置。
  2. 固定子および回転子を有するキャンドモータでその固定子の軸方向両端部に設けられる軸方向位置検出コイルと、
    これら軸方向位置検出コイルに発生する電圧の差から回転子の固定子に対する軸方向位置を検出する軸方向位置検出回路と、
    前記キャンドモータの電源電圧に比例して変化する一方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧をバイアス電源のプラス電源とし、他方の軸方向位置検出コイルに発生する電圧をバイアス電源のマイナス電源として、前記回転子が軸方向の基準位置にあるときの前記軸方向位置検出回路における両軸方向位置検出コイルの電圧の差を零に調整する軸方向零点調整回路と
    を具備していることを特徴とするキャンドモータの軸方向軸受摩耗検出装置。
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