JP7250196B1 - モータ軸受摩耗監視装置、モータ軸受摩耗監視装置の設定方法、および設定プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
●キャンドモータポンプの構成
先ず、キャンドモータポンプの構成について説明する。
同図は、説明の便宜上、キャンドモータポンプ1の上半部を断面図として示す。
図3は、図2のモータ部3のA部を拡大した模式拡大断面図である。
アダプタ4は、ポンプ部2のリア側の端部とモータ部3のフロント側の端部とに接続され、ポンプ部2とモータ部3とを連結している。
●モータ軸受摩耗監視装置(1)の構成
次に、本装置5の構成について説明する。以下の説明において、図1~図3は適宜参照される。
図6は、図5のB部を拡大した拡大斜視図である。
同図の縦軸は信号電圧(信号レベル)を示し、横軸はスラスト方向におけるロータ36の位置を示している。
接続部50は、検出コイルC1~C8が接続されているインターフェイスである。
=f1(x)/f2(x)・・・・(2)
「基準調整データ」は、検出コイルC1~C8の検出信号に基づいて、本装置5がロータ36の変位量(軸受32,33の摩耗量)を正確に検出するための基準となるパラメータ群により構成される情報である。基準調整データは、例えば、第2対応関係情報、オフセット情報、第3対応関係情報、および表示情報などを含む。基準調整データは、例えば、所定の基準駆動条件おいて、キャンドモータポンプ1の出荷前に予め測定または設定され、記憶部54に記憶されている。「基準駆動条件」は、例えば、キャンドモータポンプ1の設置環境に応じた駆動条件(例えば、駆動周波数:60Hz、駆動電圧:200V)である。
同図は、基準調整データの一部を例示している。同図は、基準調整データとして、例えば、第2対応関係情報、オフセット情報、第3対応関係情報、および表示情報が関連付けられて記憶部54に記憶されていることを示している。
同図の縦軸は差分値(電圧値)を示し、横軸はロータ36のスラスト方向の変位量(軸受32,33のスラスト方向の摩耗量)を示している。同図の直線は、スラストセンター値とフロント値、および、スラストセンター値とリア値を結んだ線であり、第2対応関係情報を示している。合成信号(C2C4,C6C8)の差分値と摩耗量とは比例するため、図13に示されるとおり、差分値に基づいて、摩耗量は一意に特定でき、表示部55の表示態様も特定できる。軸受32,33の最大変位量(最大摩耗量)を「100%」としたとき、表示部55は、例えば、摩耗量が「Y1%未満」で1番目の「緑1」を点灯させ、摩耗量が「Y1%以上Y2%未満」で2番目の「緑2」を点灯させ、摩耗量が「Y2%以上Y3%未満」で3番目の「緑3」を点灯させ、摩耗量が「Y3%以上Y4%未満」で「黄」を点灯させ、摩耗量が「Y4%以上」で「赤」を点灯させる。
D/A変換器56は、制御部53から入力されるオフセット情報(初期値)をデジタル信号からアナログ信号に変換する。
次に、キャンドモータポンプ1の動作について、本装置5の動作を中心に以下に説明する。以下の説明において、図1~図13は、適宜参照される。
図15は、初期値設定処理(S1)の一例を示すフローチャートである。
図16は、摩耗量検出処理(S2)の一例を示すフローチャートである。
以上説明した実施の形態によれば、本装置5は、複数の検出コイルC1~C8、除算値算出部530、および初期値設定部531を備える。検出コイルC1~C8は、ロータ36のスラスト方向の変位を検出する検出コイルC2,C4,C6,C8を含む。除算値算出部530は、一組となる検出コイルC2,C4それぞれの合成信号(C2C4)の信号電圧を、他の一組となる検出コイルC6,C8それぞれの合成信号(C6C8)の信号電圧により除算することにより除算値を算出する。初期値設定部531は、未摩耗状態におけるロータ36のスラスト方向の位置を初期位置としたとき、初期位置における除算値に基づいて初期値を設定する。この構成によれば、本装置5は、駆動条件の影響を受けず変位のみを示す情報として機能する除算値に基づいて、初期位置に対応する初期値を設定する。そのため、本装置5は、駆動条件に依らず、磁気中心に対するロータ36のスラスト方向の現在位置、および、ロータ36の位置に対する磁気中心の現在位置を推定し、初期値を設定できる。その結果、本装置5では、初期値を設定するための試験運転の駆動条件は自由(例えば、空転でもよい。)に設定可能となり、同試験運転に必要な工数および時間は低減され、初期値の設定が容易になる。
次に、本発明に係るモータ軸受摩耗監視装置の別の実施の形態(以下「第2実施形態」という。)について、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)とは異なる部分を中心に説明する。第2実施形態では、除算値の算出に用いられる合成信号に対する信号処理が、第1実施形態と異なる。以下の説明において、第1実施形態と共通する要素については、同一の符号が付され、その説明は省略される。
図17は、本装置の別の実施形態(第2実施形態)を示す機能ブロック図である。
次に、キャンドモータポンプ1の動作について、本装置5Aの動作を中心に以下に説明する。以下の説明において、図1~図3,図4~図13,および図16は、適宜参照される。
図18は、初期値設定処理(S3)のフローチャートである。
同図の縦軸は各合成信号(C2C4,C6C8)の電圧値を示し、横軸はロータ36のスラスト方向の変位量(軸受32,33のスラスト方向の摩耗量)を示している。
図20は、摩耗量検出処理(S4)のフローチャートである。
以上説明した実施の形態によれば、本装置5Aでは、第1実施形態における本装置5と同様に、初期値を設定するための試験運転の駆動条件は自由(例えば、空転でもよい。)に設定可能となり、同試験運転に必要な工数および時間は低減され、初期値の設定が容易になる。
なお、以上説明した各実施形態において、除算値が初期値として設定されていてもよい。
次に、以上説明した各実施形態から把握される本発明の実施態様について、各実施形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載する。
この構成によれば、初期値を設定するための試験運転の駆動条件は自由に設定可能となり、同試験運転に必要な工数および時間は低減され、初期値の設定が容易になる。
この構成によれば、本装置は、駆動条件に依らず、磁気中心に対するロータ36のスラスト方向の現在位置、および、ロータ36の位置に対する磁気中心の現在位置を正確に推定できる。
この構成によれば、本装置は、初期位置において2つの合成信号の差分値の絶対値(電圧値)が「0」となるように、初期値を用いて2つの合成信号の電圧値をオフセットすることにより、基準駆動条件に対応する摩耗量を正確に検出できる。
この構成によれば、本装置は、第2対応関係情報に対応する基準駆動条件において、正確な摩耗量を検出できる。
この構成によれば、本装置は、駆動条件によらず、軸受のスラスト方向の摩耗量を検出できる。
この構成によれば、本装置は、A/D変換器の入力電圧範囲に合わせてオフセット値を減算後に増幅できる。その結果、A/D変換器における量子化誤差が減少し、除算値の算出精度が向上する。
この構成によれば、本装置は、各合成信号の信号電圧に応じて、自動的にオフセット値を決定できる。
この構成によれば、初期値を設定するための試験運転の駆動条件は自由に設定可能となり、同試験運転に必要な工数および時間は低減され、初期値の設定が容易になる。
この構成によれば、初期値を設定するための試験運転の駆動条件は自由に設定可能となり、同試験運転に必要な工数および時間は低減され、初期値の設定が容易になる。
3 モータ部(モータ)
32 軸受
33 軸受
36 ロータ
37 ステータ
5 モータ軸受摩耗監視装置
52 A/D変換器
530 除算値算出部
531 初期値設定部
532 摩耗量検出部
54 記憶部
5A モータ軸受摩耗監視装置
534 オフセット値決定部
58 オフセット処理部(作動増幅部)
C1~C8 検出コイル
Claims (9)
- キャンドモータポンプのモータのステータに対するロータの機械的な位置変化に対応する磁束変化を、前記ステータに取り付けられた複数の検出コイルを用いて検出することにより、前記ロータの回転軸を支持する軸受の摩耗状態を監視するモータ軸受摩耗監視装置であって、
複数の前記検出コイルそれぞれは、前記回転軸のスラスト方向における前記磁束変化を示す検出信号を出力する複数のスラスト検出コイル、を含み、
複数の前記スラスト検出コイルのうち、一組となる前記スラスト検出コイルそれぞれから出力された前記検出信号が合成された第1合成信号の信号電圧を、他の一組となる前記スラスト検出コイルそれぞれから出力された前記検出信号が合成された第2合成信号の信号電圧により除算し、または、前記第2合成信号の前記信号電圧を前記第1合成信号の前記信号電圧により除算することにより、除算値を算出する除算値算出部と、
前記軸受が摩耗していない未摩耗状態における前記ロータの前記スラスト方向の位置を初期位置としたとき、前記初期位置における前記除算値に基づいて、前記未摩耗状態における前記ロータの位置を示す初期値を設定する初期値設定部と、
を有してなる、
モータ軸受摩耗監視装置。 - 前記除算値と、前記ロータの前記スラスト方向の位置と、の対応関係を示す第1対応関係情報を記憶する記憶部、を有してなり、
前記初期値設定部は、前記除算値算出部により算出された前記除算値と前記第1対応関係情報とに基づいて、前記初期値を設定する、
請求項1に記載のモータ軸受摩耗監視装置。 - 前記記憶部は、前記第1合成信号の前記信号電圧と前記第2合成信号の前記信号電圧との差分値と、前記ロータの前記スラスト方向の位置と、の対応関係を示す第2対応関係情報、を記憶し、
前記初期値設定部は、前記除算値算出部により算出された前記除算値と、前記第1対応関係情報と、前記第2対応関係情報と、に基づいて、前記初期値を設定する、
請求項2に記載のモータ軸受摩耗監視装置。 - 前記差分値と前記第2対応関係情報とに基づいて、前記軸受の前記スラスト方向の摩耗量を検出する摩耗量検出部、を有してなる、
請求項3に記載のモータ軸受摩耗監視装置。 - 前記除算値と前記第1対応関係情報とに基づいて、前記軸受の前記スラスト方向の摩耗量を検出する摩耗量検出部、を有してなる、
請求項2に記載のモータ軸受摩耗監視装置。 - 前記第1合成信号と前記第2合成信号それぞれに所定のオフセット値を減算し、減算後の前記第1合成信号と前記第2合成信号それぞれを増幅する作動増幅部と、
増幅後の前記第1合成信号と前記第2合成信号それぞれをデジタル信号に変換するA/D変換器と、
を有してなり、
前記オフセット値は、前記A/D変換器の入力電圧範囲に応じて決定される、
請求項1乃至5のいずれかに記載のモータ軸受摩耗監視装置。 - 前記第1合成信号の前記信号電圧と、前記第2合成信号の前記信号電圧と、前記入力電圧範囲と、に基づいて、前記オフセット値を決定するオフセット値決定部、を有してなる、
請求項6に記載のモータ軸受摩耗監視装置。 - キャンドモータポンプのモータのステータに対するロータの機械的な位置変化に対応する磁束変化を、前記ステータに取り付けられた複数の検出コイルを用いて検出することにより、前記ロータの回転軸を支持する軸受の摩耗状態を監視するモータ軸受摩耗監視装置の設定方法であって、
複数の前記検出コイルそれぞれは、前記回転軸のスラスト方向における前記磁束変化を示す検出信号を出力する複数のスラスト検出コイル、を含み、
複数の前記スラスト検出コイルのうち、一組となる前記スラスト検出コイルそれぞれから出力された前記検出信号が合成された第1合成信号の信号電圧を、他の一組となる前記スラスト検出コイルそれぞれから出力された前記検出信号が合成された第2合成信号の信号電圧により除算し、または、前記第2合成信号の前記信号電圧を前記第1合成信号の前記信号電圧により除算することにより、除算値を算出する除算値算出ステップと、
前記軸受が摩耗していない未摩耗状態における前記ロータの前記スラスト方向の位置を初期位置としたとき、前記初期位置における前記除算値に基づいて、前記未摩耗状態における前記ロータの位置を示す初期値を設定する初期値設定ステップと、
を含む、
モータ軸受摩耗監視装置の設定方法。 - キャンドモータポンプのモータのステータに対するロータの機械的な位置変化に対応する磁束変化を、前記ステータに取り付けられた複数の検出コイルを用いて検出することにより、前記ロータの回転軸を支持する軸受の摩耗状態を監視するモータ軸受摩耗監視装置が備えるプロセッサにより実行される設定プログラムであって、
複数の前記検出コイルそれぞれは、前記回転軸のスラスト方向における前記磁束変化を示す検出信号を出力する複数のスラスト検出コイル、を含み、
前記プロセッサを、
複数の前記スラスト検出コイルのうち、一組となる前記スラスト検出コイルそれぞれから出力された前記検出信号が合成された第1合成信号の信号電圧を、他の一組となる前記スラスト検出コイルそれぞれから出力された前記検出信号が合成された第2合成信号の信号電圧により除算し、または、前記第2合成信号の前記信号電圧を前記第1合成信号の前記信号電圧により除算することにより、除算値を算出する除算値算出部、および
前記軸受が摩耗していない未摩耗状態における前記ロータの前記スラスト方向の位置を初期位置としたとき、前記初期位置における前記除算値に基づいて、前記未摩耗状態における前記ロータの位置を示す初期値を設定する初期値設定部、
として機能させる、
設定プログラム。
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