JP3573248B2 - モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに係わり、特に回転子を支承する軸受の摩耗を回転子の変位から軸受摩耗監視装置によって監視する軸受摩耗監視装置を備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータとしてのキャンドモータはポンプ用モータとして、例えばプラントに使用され高い信頼性が要求されているため、その回転子を支承する軸受の摩耗を外部から監視する軸受摩耗監視装置が不可欠なものとなっている。従来、この種の軸受摩耗監視装置としては、例えば図13及び図14に示すものが知られている。
【0003】
この軸受摩耗監視装置は、固定子102の鉄心歯部の180度対向した位置において、各鉄心歯部の長手方向(軸方向)全周に亘って検出コイル103a、103bを取り付け、この検出コイル103a、103bの出力が差動となるように接続し、その出力を電圧計104によって読み取り監視するようにしたものである。
【0004】
そして、この軸受摩耗監視装置の場合、回転子105の回転により検出コイル103a、103bに誘起する電圧は、電源周波数に同期した基本波電圧に回転子溝105aの影響による高調波電圧が重畳したものとなるが、180度間隔で設置された検出コイル103a、103bの出力が差動となるように結線されているため、電圧計104は基本波電圧が消されて高調波電圧の瞬時値の差が検出電圧として指示される。したがって、軸受が摩耗し固定子102と回転子105との間隔d1,d2が変化すると、検出コイル103a、103bの高調波電圧が間隔d1,d2の変化に対応した差動出力となり、これが電圧計104に表示されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この軸受摩耗監視装置にあっては、回転子105が半径方向(アキシャル方向)に変位する原因となる軸受の半径方向の摩耗状態を監視(検出)できるものの、軸受の軸方向(スラスト方向)の摩耗状態を監視することができない。したがって、この種のキャンドモータにおいては、輸送流体の性状や流体圧等により回転子105の回転子軸に加わる負荷が変化し、軸受の摩耗方向も変化するため、指向性のない軸受摩耗の検出が求められているが、上記の軸受摩耗監視装置にあっては、このような要望に答えることができないという不都合があった。
【0006】
そこで、当出願人はこのような不都合を解消するために、図10〜図12に示すような軸受摩耗監視装置を備えたキャンドモータを出願(特願平8−2364832号)した。このキャンドモータにおける軸受摩耗監視装置は、図10に示すように、固定子52の長手方向である軸方向両端にそれぞれ180度間隔で対向する合計8個の検出コイルC1〜C8を設置し、図11に示すように、検出コイルC2、C6及び検出コイルC4、C8とのそれぞれの作動出力を直列に接続し、この直列回路にフイルター59、増幅器58を介して指示計53を接続した検出回路54を設ける。
【0007】
また、図12に示すように、対向する各1対の検出コイルC1、C3及び検出コイルC5、C7の差動出力結線をダイオード55を介してそれぞれ並列に接続し、この並列回路に上記増幅器58及び指示計53を接続した検出回路56を設けたものである。そして、この軸受摩耗監視装置によれば、検出回路54によって軸受の軸方向の摩耗が検出され、検出回路56によって半径方向(傾斜方向も含む)の摩耗が検出され、軸受の指向性のない摩耗状態の監視が可能になる。
【0008】
ところが、この軸受摩耗監視装置の場合、軸受の半径方向の摩耗と軸方向の摩耗が検出できて精度良い軸受の摩耗監視が行えるものの、その後の実験により、軸受摩耗監視装置における固定子52と回転子(図示せず)の軸方向の位置決め(ゼロ点調整)が非常に面倒であるという新たな問題点が明らかとなった。
【0009】
すなわち、例えばキャンドモータの使用によって軸受が摩耗し回転子と固定子が接触してダメージを受けた場合は、回転子と固定子52の少なくとも一方を交換する必要があるが、この交換の際、初期の組み付け時のように、固定子52と回転子が対となって製造され、キャンドモータに組付られる固定子52の幅と回転子の幅が寸法管理されている場合を除き、既存のキャンドモータの回転子もしくは固定子52を交換する場合の、交換部品と非交換部品との寸法上の管理を行うことは現実的に不可能である。
【0010】
そのため、部品を交換した際に、交換部品が非交換部品に対して軸方向のいずれかに所定寸法ズレた状態で組み付けられ、このズレを機械的に調整しようとして例えば交換部品である回転子を軸方向のいずれか一方にズラした場合、固定子52の軸方向両端の検出コイルC2、C4及び検出コイルC6、C8の出力電圧が共に変化する。
【0011】
したがって、回転子と固定子52の機械的な位置決め(ゼロ点調整)と、この位置決めによる軸受摩耗監視装置の電気的なゼロ点調整とを一致させることが極めて困難な作業となり、検出回路のゲイン調整等の電気的な処理によって、軸受摩耗監視装置のゼロ点を機械的なゼロ点に合わせているのが実状であり、固定子52と回転子の位置決め作業、すなわち軸受摩耗監視装置のゼロ点調整作業が非常に面倒となる。この問題点は、固定子52や回転子の交換・修理の場合は勿論のこと、製造段階における固定子52と回転子の組み付け時にもいえることである。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、固定子と回転子の軸方向のゼロ点調整が簡単で、回転子や固定子の交換作業等を容易に行い得るモータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、固定子の軸方向両端の埋込用コア部にそれぞれ設置された検出コイルの出力信号に基づいて、回転子の変位から回転子を支承する軸受の摩耗を監視する軸受摩耗監視装置を備えたモータにおいて、前記回転子の軸方向一端側の端面が前記固定子の埋込用コア部の範囲内に位置すると共に、回転子の軸方向他端側が固定子の軸方向他端側の埋込用コア部より所定寸法外側に位置していることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、前記固定子の軸方向両端に前記検出コイルを少なくとも一対180度間隔で対向する如く設置し、軸方向両端の対向する1対の検出コイルをそれぞれ直列接続してこれらを差動結線したことを特徴とする。
【0016】
このように構成することにより、固定子と回転子の軸方向の位置決めは、固定子と回転子の一端側で行われ、例えば固定子の軸方向一端側の検出コイルの埋込用コア部のセンターに回転子の端面を一致させる。また、固定子と回転子の他端側は、例えば回転子の他端側の端面が固定子の軸方向他端側の埋込用コア部より軸方向外側に所定寸法突出する如く設定して、埋込用コア部に埋め込まれている検出コイルの出力を不変とする。固定子の他端側の検出コイルの出力が不変となり、軸方向両端の対向する1対の検出コイルをそれぞれ直列接続してこれらを差動結線することにより、固定子と回転子の軸方向の位置決めを固定子の軸方向一端側の検出コイルで行うことができ、固定子と回転子のゼロ点調整が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明をキャンドモータに適用した場合の一実施例を示し、図1がその概略内部構造図、図2が検出コイルの設置位置を示す固定子の概略斜視図、図3がその設置方法を示す要部の分解斜視図、図4が図1のA部拡大図、図5が図1のB部拡大図、図6が回転子の軸方向の変位を検出する検出回路の回路図、図7が回転子が半径方向に変位した場合の検出コイルの電圧波形図、図8が回転子が軸方向に変位した場合の検出コイルの電圧波形図、図9がその軸方向の変位と検出コイルの出力電圧の特性図である。
【0018】
図1において、モータとしてのキャンドモータ1は、ポンプ部2とキャンドモータ部3を有し、ポンプ部2とキャンドモータ部3とは、フロント軸受ハウジング4によりそれぞれ相互に互換性を持たせて接続されている。ポンプ部2は、インペラ5が設けられたポンプ室6内に連通する吸込管部7と吐出管部8を有し、インペラ5はキャンドモータ部3の回転子軸9の延長端部に取り付けられている。一方、キャンドモータ部3は、固定子10と回転子11を有し、回転子11の回転子軸9は前部側の軸受12と後部側の軸受13とにより支承されている。また、回転子11の両端部には前部回転子室14と後部回転子室15が形成されている。
【0019】
そして、後部回転子室15内には、図示しない外部導管によりポンプ部2の吐出管部8から取扱液の一部が導入され、この取扱液により軸受13の潤滑並びにキャンドモータ部3の冷却が行われる。また、フロント軸受ハウジング4には、前部回転子室14とポンプ部2の低圧側とを連通する通液路が設けられ、この通液路が前部回転子室14に連通することにより、取扱液で軸受12の潤滑並びにキャンドモータ部3の冷却が行われる。
【0020】
このようなキャンドモータ1において、回転子11の軸方向外側で軸受12、13の端面と所定間隔で対向する位置には、スラストワッシャ19a、19bが取り付けられている。また、キャンドモータ1の反ポンプ部2側のキャンドモータ部3の端部外周面には、軸受摩耗監視装置18が立設状態で設置されている。
【0021】
この軸受摩耗監視装置18は、端子箱18aとこの端子箱18aの上面開口部を閉塞する蓋体18bとで構成され、端子箱18a内には、キャンドモータ部3内部からの電線21を外部や蓋体18b内のプリント基板22に中継する端子板20等が設けられている。また、蓋体18b内には、前記プリント基板上に搭載され後述する検出コイルC1〜C8の検出信号を処理する検出回路23(図6参照)と、この検出回路23の出力信号を指示する電圧計からなる指示計24等が設けられている。
【0022】
検出コイルC1〜C8は、図2及び図3に示すように、固定子10の軸方向両端に180度の間隔を有してそれぞれ対向配置されて、検出コイルC1、C3、C5、C7で回転子11の半径方向の変位を検出し、検出コイルC2、C4、C6、C8で回転子11の軸方向の変位を検出する。これらの検出コイルC1〜C8は、例えば図3に示すように、扁平なボビン25に巻線を所定回数巻回することによって形成され、固定子10の固定子鉄心歯部の端部に設けられた切欠溝26により形成される埋込用コア部27に、図3の矢印の如く埋め込まれて取り付けられている。
【0023】
検出コイルC2、C4、C6、C8が取り付けられる固定子10の両端部と回転子11との軸方向の位置決めは、図4及び図5に示す如く設定されている。すなわち、固定子10の軸方向の一端側10aは、図4に示すように、その埋込用コア部27の軸方向のセンターCLが、回転子11の一端側11aの端面S1と一致する如く設定される。この位置決めは、図4の寸法a(固定子10の一端側10aの端面S3とキャンドモータ部3のフロント軸受ハウジング4が当接する組付面S5間の寸法)及び寸法b(回転子11の端面S1とスラストワッシャ19a間の寸法)を管理することによって行われる。
【0024】
また、固定子10の軸方向の他端側10bは、図5に示すように、回転子11をずらして設定することにより、その埋込用コア部27の端面S4より回転子11の他端側11bの端面S2が寸法tだけ軸方向の外側に位置する如く設定されている。この寸法tは、回転子11が軸方向に変位しても、埋込用コア部27に埋め込まれる検出コイルC6、C8の出力電圧に影響しない値(例えばtが最大2.5mm)に設定され、これにより検出コイルC6、C8の直列回路からは後述する如く一定の出力電圧が出力されることになる。
【0025】
そして、図6に示す如く、検出コイルC2、C4、C6、C8により検出回路23が構成され、この検出回路23は、検出コイルC2、C4が直列接続された直列回路28aと、検出コイルC6、C8が直列接続された直列回路28bと、この両直列回路28a、28bの直列出力が3つの出力端子T1〜T3を介して接続された差動増幅器等からなる増幅器29等によって構成されている。
【0026】
図8は、回転子11が軸方向に変位した場合で、例えば図9の−3mmの変位量における検出コイルC2、C4、C6、C8等の電圧波形の一例を示し、(a)が検出コイルC2、C4の電圧波形、(b)が検出コイルC6、C8の電圧波形、(c)が直列回路28a(端子T1−T3間)の出力波形と直列回路28b(端子T2−T3間)の出力波形、(d)が直列回路28a、28bの合成(差動結線)波形、(e)が図示しないローパスフィルターによりリップルが除去された波形を示し、(d)または(e)の合成波形の出力により軸受の軸方向の摩耗が検出される。
【0027】
そして、回転子11の軸方向への変位と検出コイルC2、C4及び検出コイルC6、C8の直列出力との関係は、図9に示す如くなり、検出コイルC2、C4の直列出力は、検出コイルC2、C4が固定子10の一端側10aの埋込用コア部27に埋め込まれ、埋込用コア部27の軸方向のセンターCLが回転子11の端面S1と一致していることから、回転子11の端面S1の位置の影響を直接受けて、その出力電圧が回転子11の軸方向のマイナス側からプラス側への変位に追従して直線的に増加することになる。
【0028】
また、検出コイルC6、C8の直列出力は、検出コイルC6、C8が回転子11の他端側11bより寸法t内側に位置する固定子10の他端側10bの埋込用コア部27に埋め込まれていることから、回転子11の軸方向への変位による影響を受けることがなく、その出力電圧が一定(不変)となる。この検出コイルC2、C4と検出コイルC6、C8の軸方向への変位量が増幅器29で合成されることにより、変位量がゼロの場合に最も出力電圧が低くなり、変位量がマイナス側及びプラス側に向かうにしたがって直線的に増加するV字形状の合成(差動結線)波形が得られる。
【0029】
なお、軸方向の変位を検出する検出回路23において、例えば負荷変動、電圧変動等の外乱があった場合には、上記波形の基本波(電源周波数)の増減はあるものの、直列回路28aと直列回路28bが差動出力結線とされているため、その影響を小さく抑えることができる。特に、外乱によって検出コイルC2、C4、C6、C8の波形がそれぞれ変化した場合、検出コイルC6、C8の波形はその基本レベルが変化するのみで、この波形と同様に変化した検出コイルC2、C4との差が利用されるため、外乱による影響が極力抑えられることになる。
【0030】
なお、回転子11の半径方向の摩耗を検出する検出コイルC1、C3、C5、C7は、図12に示す検出回路56と同様に接続され、各検出コイルC1、C3、C5、C7の波形は、図7に示す如くなる。なお、図7において、(a)は検出コイルC1、C5の電圧波形、(b)は検出コイルC3、C7の電圧波形、(c)はその差動出力波形を示している。この半径方向の変位の検出においても、差動出力を用いることにより、軸方向と同様に負荷変動や電圧変動等の外乱による影響を小さく抑えることができる。
【0031】
ところで上記軸受摩耗監視装置18において、キャンドモータ1の使用により、例えば回転子11が摩耗するとその状態が指示計24に指示され、この摩耗状態が予め設定した基準をオーバーした場合で回転子11の表面や回転子軸9に損傷を受けた時には、回転子11を交換する必要がある。この回転子11の交換は、例えばキャンドモータ1のキャンドモータ部3からポンプ部2のフロント軸受ハウジング4やインペラ5を取り外す。そして、キャンドモータ部3のケース内から回転子11、軸受12、13、スラストワッシャ19a、19b等が組み付けられた回転子組立体を抜き出し、新たな回転子組立体をキャンドモータ部3のケース内にセットして、ポンプ部2を取り付ける。
【0032】
この時、回転子組立体の回転子11の一端側11aの端面S1とスラストワッシャ19a間の上記寸法bが管理されて所定の値に設定されると共に、固定子10の一端側10aの端面S3と組付面S5の寸法aも管理されていることから、図5に示す寸法αを所定値に設定することにより、回転子11の端面S1を固定子10のコア埋込部27のセンターCLに位置決めすることができる。
【0033】
すなわち、埋込コア部27の幅β及び寸法a、bが予め判明しているため、式α=a−b+(β/2)となるように、交換しようとする新たな回転子組立体の回転子11の位置を設定する。これにより、回転子組立体をキャンドモータ部3に組み付けた際の回転子11の端面S1を埋込コア部27のセンターCLに一致させることができ、回転子11の交換作業が終了する。
【0034】
なお、例えば摩耗した固定子10を交換する場合、あるいは摩耗した固定子10と回転子11の双方を交換する場合も、上記と略同様に行うことができる。また、固定子10の端面S3及び回転子11の端面S1の寸法を管理する基準面としては、上記組付面S5及びスラストワッシャ19aに限らず、他の適宜(例えば図4に示す回転子11のエンドリング端面11c等)の基準面を選定することができる。また、上記実施例においては、回転子11の端面S1を埋込コア部27のセンターCLに一致させて位置決めする場合について説明したが、この位置決めは埋込コア部27のセンターCLが最も好ましい位置ではあるが、回転子11の端面S1を埋込コア部27の範囲(略幅寸法β)内に位置させても同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
このように上記実施例のキャンドモータ1によれば、固定子10の一端側10aの埋込用コア部27のセンターCLを、回転子11の一端側11aの端面S1に一致させるだけで、固定子10と回転子11の軸方向の位置決め、すなわち軸受摩耗監視装置18の軸方向のゼロ点調整を極めて簡単に行うことができる。
【0036】
特に、回転子11の他端側11bを固定子10の他端側10bより寸法t外側に位置させることにより、固定子10の他端側10bに設けられる検出コイルC6、C8の出力を一定(不変)とし、一端側10aに設けられる検出コイルC2、C4のみで位置決め及びゼロ点調整を行い得るため、その作業を極めて簡単に行うことができる。その結果、摩耗した固定子10や回転子11の交換作業等を容易に行うことができると共に、キャンドモータ1の製造段階における固定子10と回転子11の位置決め作業を容易に行うことができて、組付性を向上させることが可能になり、特に軸封部がなく外部から軸振れ(摩耗状態)が観察できないキャンドモータ1において大きな効果が期待できる。
【0037】
また、直列回路28a、28bの差動出力を利用すると共に、検出回路28bの出力を回転子11の軸方向の変位に関係なく不変(一定)としているため、負荷変動や電圧変動等の外乱による影響を極力抑えることができ、軸方向及び半径方向の摩耗状態を高精度に検出することができる。その結果、軸受の摩耗状態を軸受摩耗監視装置18の指示計24に正確に指示させることができ、交換時期を逸しキャンドモータ1自体が破損する等の不具合発生が確実に防止される。
【0038】
さらに、検出コイルC2、C4、C6、C8によって軸方向の摩耗状態を検出することができると共に、検出コイルC1、C3、C5、C7によって半径方向や傾斜状の摩耗状態を検出することができるため、指向性のない軸受の摩耗を監視することができ、輸送流体や流体圧等により回転子11の回転子軸9に加わる負荷の方向が変化するキャンドモータ1の場合であっても、軸受の摩耗状態を確実に監視することができる。
【0039】
またさらに、検出コイルC1〜C8は、薄型のボビン25に巻線を巻回することによって形成されているため、巻線がボビン25で保護され電気的及び機械的強度に優れた検出コイルが得られると共に、固定子10の埋込用コア部27への取り付けをワンタッチで行うことができ、取り付け及び交換作業等を容易に行うことができる。
【0040】
なお、上記実施例においては、固定子10と回転子11の一端側10a、11aにおいて位置決めし、回転子11の他端側11bを固定子10の他端側10bの端面S4より外側に突出させて位置させたが、本発明はこの構成に限定されるものでもなく、逆の構成にして固定子10と回転子11の他端側10b、11bにおいて位置決めするようにしても良い。
【0041】
また、上記実施例においては、検出コイルC1〜C8としてボビン25に巻線を巻回した検出コイルを使用したが、巻線を単に円環状に巻回した検出コイルを使用することも勿論可能である。さらに、上記実施例においては、モータがキャンドモータである場合について説明したが、本発明は軸受の摩耗を監視する必要がある他の全てのモータに適用することができるし、上記実施例におけるキャンドモータ1の具体的な内部構造等も一例であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、回転子の端面を固定子の軸方向の一端側の埋込用コア部の範囲内に設定して位置決めし、回転子の軸方向の他端側を固定子の端面より所定寸法外側に位置させることにより、一端側の検出コイルで軸方向のゼロ点を調整することができて、軸方向のゼロ点調整が簡単となり、回転子や固定子の交換及び組付時の作業性を大幅に向上させることができる。
【0043】
また、請求項2記載の発明によれば、回転子の軸方向両端部に設けられた1対の検出コイルのうち、一方の検出コイル(固定子の他端側における埋込用コア部に設置された検出コイル)の出力不変となるため、他方の検出コイル(固定子の一端側における埋込用コア部に設置された検出コイル)によって軸方向の摩耗量が検出され、軸方向のゼロ点調整を簡単に行うことができると共に、出力が不変な検出コイルとの差動出力を利用しているため、外乱の影響が極力抑えられ、軸方向及び半径方向の摩耗量を高精度に検出することができ、摩耗した回転子や固定子の的確な交換が可能になる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をキャンドモータに適用した場合のその概略内部構造図
【図2】同その検出コイルの設置位置を示す回転子の概略斜視図
【図3】同検出コイルの設置方法を示す要部の分解斜視図
【図4】同図1のA部拡大図
【図5】同図1のB部拡大図
【図6】同回転子の軸方向の変位を検出する検出回路の回路図
【図7】同回転子が半径方向に変位した場合の検出コイルの電圧波形図
【図8】同回転子が軸方向に変位した場合の検出コイルの電圧波形図
【図9】同その軸方向の変位量と検出コイルの出力電圧の関係を示す特性図
【図10】本発明の先願となるキャンドモータの検出コイルの設置位置を示す回転子の概略斜視図
【図11】同その回転子の軸方向の変位を検出する検出回路の回路図
【図12】同その回転子の半径方向の変位を検出する検出回路の回路図
【図13】従来の軸受摩耗監視装置の検出コイルの設置位置を示す説明図
【図14】同その検出回路の説明図
【符号の説明】
1 キャンドモータ
2 ポンプ部
3 キャンドモータ部
4 フロント軸受ハウジング
5 インペラ
9 回転子軸
10 固定子
10a 一端側
10b 他端側
11 回転子
11a 一端側
11b 他端側
12、13 軸受
18 軸受摩耗監視装置
19a、19b スラストワッシャ
23 検出回路
24 指示計
26 切欠溝
27 埋込用コア部
28a、28b 直列回路
29 増幅器
C1〜C8 検出コイル
CL センター
S1 端面
S5 組付面

Claims (2)

  1. 固定子の軸方向両端の埋込用コア部にそれぞれ設置された検出コイルの出力信号に基づいて、回転子の変位から回転子を支承する軸受の摩耗を監視する軸受摩耗監視装置を備えたモータにおいて、
    前記回転子の軸方向一端側の端面が前記固定子の埋込用コア部の範囲内に位置すると共に、回転子の軸方向他端側が固定子の軸方向他端側の埋込用コア部より所定寸法外側に位置していることを特徴とするモータ。
  2. 前記固定子の軸方向両端に前記検出コイルを少なくとも一対180度間隔で対向する如く設置し、軸方向両端の対向する1対の検出コイルをそれぞれ直列接続してこれらを差動結線したことを特徴とする請求項1記載のモータ。
JP33348797A 1997-11-17 1997-11-17 モータ Expired - Lifetime JP3573248B2 (ja)

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JP33348797A JP3573248B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 モータ

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