JP2022117271A - 給水装置及び該給水装置の異常検出方法 - Google Patents
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- Control Of Non-Positive-Displacement Pumps (AREA)
Abstract
Description
各ポンプユニット101A、101Bは、揚力を発生するポンプ102A、102Bと、ポンプ102A、102Bに回転動力を伝えるモータ103A、103B等から構成されており、集合住宅等で使用される水量に応じてモータ103A、103Bを回転制御し、複数のポンプユニット101A、101Bが単独で、または同時に運転制御される。これにより、給水装置100は水道管から供給される水道水を揚水して集合住宅の高架水槽等に給水する。
ここで、モータの回転速度に応じて複数の閾値を設定することも可能であるが、予め試験運転を行い、回転速度ごとに振動レベルを測定して閾値を設定しなければならないため、試験工数が増加する。また、回転速度に応じて異常判定用の閾値を変更して設定する必要があるため異常判定処理が複雑化するという問題があった。
そして、回転速度ごとに異常判定用の閾値を変更して設定する必要もないため、異常判定処理の複雑化が抑制される。
そして、回転速度ごとに異常判定用の閾値を変更して設定する必要もないため、異常判定処理の複雑化が抑制される。
そして、給水装置10を水道管に直結し、水道管から供給される水道水を直接揚水する直結方式を採用することとして説明するが、水道水をいったん受水槽にためて、受水層に接続された給水装置から揚水する貯水槽方式においても利用可能である。
また、以降ではモータ(電動機)の主軸が水平方向に配設された横型給水装置を例に説明するが、モータの主軸が垂直方向に配設された立型給水装置において本発明を適用することもできる。
また合流管14には、合流管14内の水圧を所定の圧力に維持するための蓄圧タンク18が接続されている。
また、ポンプ23は、ケーシング25とケーシングカバー26とが連結した状態でその内部に羽根車29を収容し、ケーシングカバー26に形成された連結孔(図示しない)に挿入される連結ボルト27によってモータブラケット35に連結される。
主軸31は、モータブラケット35に形成された軸穴からモータブラケット35の外側に延びるように突出し、モータ24によって生成される回転動力をポンプ23の羽根車29に伝達する。
本実施形態において、モータ24は永久磁石同期モータ(PMモータ)であるが、ポンプ23に対して必要な回転動力を伝えることができればよく、例えば誘導モータであってもよい。
振動センサ37を図4に示す位置に取り付ける理由を説明すると、ボールベアリングからなる第一の軸受け32の外輪と内輪との間で発生する摩擦は、主軸31の回転とともに第一の軸受け32の劣化や損傷の原因となる。このような劣化及び損傷が蓄積すると、第一の軸受け32は、主軸31の回転とともに振動を発生させる。さらに、ポンプ23の内部で主軸31に連結される羽根車29の回転とともに生じる荷重は、主軸31を介して第一の軸受け32に対して付加されるため、この荷重も第一の軸受け32の劣化や損傷の原因となる。このような劣化と損傷が蓄積した場合も、第一の軸受け32は主軸31の回転とともに振動を発生させる。したがって、振動センサ37を第一の軸受け32に隣接する位置に取り付けることによってその振動を正確に測定することができる。後述するように、本実施形態の給水装置10は、振動センサ37の出力に基づいて異常判定を行う。
本実施形態において、振動センサ37は、モータブラケット35に対してねじ止めにより固定されているが、第一の軸受け32から発生する振動を正確に測定することができればよく、ねじ以外の固定部材や磁力を利用して固定してもよい。
また、制御盤13の側面には操作パネル22が配設されており、制御装置12に対する操作入力を受け付けるとともに、給水装置10の運転状態や異常に関する情報を出力する。給水装置10の運転状態や異常に関する情報は、有線または無線により外部と通信を行うことができる通信装置38に対して出力してもよい。
センサ信号取得部40は、吐出圧力センサ17、流量センサ20、振動センサ37の出力信号を取得して、その圧力信号、流量信号及び振動信号をポンプユニット制御部39及び異常判定部41に出力する。センサ信号取得部40は、A/D変換器、LPF(低域通過フィルタ)、BPF(帯域通過フィルタ)を有しており、必要に応じてアナログ信号をディジタル信号に変換するとともに、不要な周波数帯域のノイズを除去し、所望の周波数成分を有する信号を出力することができる。
第一のインバータ21A及び第二のインバータ21Bは、単相又は三相交流の商用電源に接続され、ポンプユニット制御部39の制御信号に基づいて交流信号の周波数変換を行って、第一のポンプユニット19Aと、第二のポンプユニット19Bの運転を制御する。
計時部42は、水晶発振器が用いられており、後述する小水量停止モードの運転時間や、強制始動モードの開始タイミングの計時を行う。計時部42は、計時に必要な精度を得ることができればよく、セラミック発振器を用いてもよい。
なお、吐出し圧力一定制御方式と、推定末端圧力一定制御方式のいずれの方式を採用してもよい。
本実施形態における給水装置10は、2台のポンプユニット19A、19Bを有しており、これらを運転制御することにより、使用される水を供給する。具体的には、使用水量が1台のポンプユニット19によって供給可能な場合には、第一のポンプユニット19A及び第二のポンプユニット19Bのいずれか一方を交互に運転することによって使用水量を供給する。これを交互運転と呼ぶ。一方、使用水量が1台のポンプユニット19によって供給可能な水量を超える場合には、2台のポンプユニット19A、19Bを同時に並列運転するとともに、運転開始と運転停止の順番を交互に入れ替えて使用水量を供給する。これを交互並列運転と呼ぶ。
運転制御の一例として、ポンプユニット制御部39は、所定の設定圧力P1を目標圧力Hとして、吐出し圧力一定制御を行う。あるいは、通常運転制御の他の一例として、推定末端圧力P2と、予め定められた設定圧力P1との間の変動値を目標圧力Hとして、推定末端圧力一定制御を行う。
上述したように、ポンプユニット制御部39は、吐出圧力センサ17の圧力値Pが予め定められた目標圧力Hと一致するように第一のインバータ21Aに制御信号を出力する。
後述するように、ポンプユニット制御部39が第一のポンプユニット19Aを小水量停止モードに移行したときに、異常判定部41が振動センサ37の出力に基づいてポンプユニット19Aの異常の有無を判定する。小水量停止モードは、固定回転速度モードの一例である。
一方、始動圧力P3を下回った場合(ステップS14;Yes)、ポンプユニット制御部39は、第二のインバータ21Bに対して制御信号を出力し、第二のポンプユニット19Bのモータ24Bの回転を開始させる(ステップS15)。
このように使用水量が減少してポンプユニット19を停止させる度に、次に始動するポンプユニット19を、第一のポンプユニット19Aと第二のポンプユニット19Bとの間で交互に切替制御しながら運転を行う。これを、交互運転と呼ぶ。
ポンプユニット制御部39は、第一のポンプユニット19Aの第一のモータ24Aの回転速度を高速回転に変化するように第一のインバータ21Aの運転周波数を上昇させる。
このとき、吐出圧力センサ17の圧力値Pは、目標圧力Hより低下する。したがって、ポンプユニット制御部39は、ステップS18において、圧力値Pが、目標圧力Hを下回ったか否かを判定する。圧力値Pが目標圧力Hを下回っていなければ(ステップS18;No)、そのまま運転を継続する。
一方、所定の回転速度で安定している場合(ステップS20;Yes)、使用されている水量を1台のポンプユニット19によって供給することができるため、ポンプユニット制御部39は、第一のポンプユニット19Aの運転を停止するように制御する(ステップS21)。このとき、今まで運転状態にあった第一のポンプユニット19Aが休止状態となる一方、第二のポンプユニット19Bは、運転状態を継続する。
一方、停止流量Q1を下回った場合(ステップS22;Yes)、ポンプユニット制御部39は、第二のポンプユニット19Bを、小水量停止モードに移行してから運転を停止するように制御する(ステップS23)。
図8は、第一の軸受け32に異常がない場合と異常がある場合のそれぞれについて、インバータ21の運転周波数と、振動センサ37が出力する振動信号の振幅レベルの関係を示す図である。本実施形態に係る異常判定部41は、振幅レベルが予め設定された閾値を上回る場合に、第一の軸受け32に異常が有ると判定する。
しかし、振動信号の振幅レベルは、インバータ21の運転周波数に応じて変動する。例えば図8に示すように、インバータ21を第一の運転周波数F1で運転した場合と、第二の運転周波数F2で運転した場合とでは、振動センサ37が出力する振動信号の振幅レベルが著しく異なる。図8に示すように、第一の運転周波数F1で運転した場合の異常有りの時よりも、第二の運転周波数F2で運転した場合の異常無しの時のほうが、振動信号の振幅レベルが大きい。したがって、インバータ21を第一の運転周波数F1で運転した場合と第二の運転周波数F2で運転した場合とで、共通の閾値を設定することができない。
これにより、運転周波数ごとに複数の閾値を設定することなく、第一の軸受け32の異常を検出することが可能となる。
最初に、異常判定部41は、第一のポンプユニット19Aまたは第二のポンプユニット19Bのモータ24が小水量停止モードに制御されたか否かを判定する(ステップS30)。ポンプユニット制御部39は、第一のポンプユニット19Aのモータ24Aを小水量停止モードに制御すると、第一のポンプユニット19Aに関する小水量停止フラグを制御装置12の揮発性メモリに記憶する。そして第一のポンプユニット19Aが完全に停止すると、ポンプユニット制御部39は、小水量停止フラグを揮発性メモリから消去する処理を行う。したがって、異常判定部41は、揮発性メモリに小水量停止フラグが記憶されているか否かを確認することによって、第一のポンプユニット19Aが小水量停止モードに制御されたことを判定することができる。第二のポンプユニット19Bについても同様である。
一方、小水量停止モードに制御されたと判定された場合(ステップS30;Yes)、異常判定部41は、センサ信号取得部40を介して振動センサ37の振動信号を取得する(ステップS31)。具体的には、異常判定部41は、モータ24が小水量停止モードに制御され、一定の回転速度で回転している期間中であって、所定の計測時間分の振動信号を取得する。
本実施形態において、異常判定部41は、ピークレベルが第一の閾値TH1より大きいと判定され、かつ実効値が第二の閾値TH2より大きいと判定された場合に異常有りと判定する。このように、ピークレベル及び実効値の双方を、それぞれ第一の閾値TH1及び第二の閾値TH2と比較することによって、異常検出の信頼性を高めることができる。ここで、ピークレベルが第一の閾値TH1より大きいと判定されなかった場合には実効値の算出を行わないこととしてもよい。逆に、実効値が第二の閾値TH2より大きいと判定されなかった場合にピークレベルの算出を行わないこととしてもよい。
一方、異常有りと判定されなかった場合(ステップS34;No)、異常判定部41は、警告を出力することなく、異常判定処理を終了する。
また、異常判定部41は、集合住宅等において使用水量が減少し、ポンプユニット19が運転を停止する直前に移行制御される小水量停止モードにおいて異常判定を行うため、給水装置10の給水性能に影響を及ぼすことなく異常の有無を判定することができる。
そして異常判定部41は、上述した異常判定処理を実行することにより、第二の軸受け33の異常を判定する。ここで、第二の軸受け33の異常判定用の閾値として、第一の軸受け32の異常判定用の閾値と異なる閾値を設定してもよい。
ここでキャビテーションについて説明すると、ポンプユニット19の運転状態において、高速に回転する羽根車29によって、吸込口28付近の水圧が低下する。水圧の低下によって沸点が低下することで、吸込み水が気化して気泡が発生する現象が生じることがある。このように、吸込み水が気化する現象をキャビテーションと呼ぶ。キャビテーションが発生すると、吸込口28の周辺から振動や音が発生するとともに、ポンプ23の揚水性能の低下と、ポンプ23や吸込配管の損傷を招く。
なお、上述したように、キャビテーションは、モータ24が高速回転し、吸込口28付近の水圧が低下したときに発生し、小水量停止モードの時には発生しない。
ここで振動センサ37の取付けは、上述した数と位置に限定されない。例えば、振動センサ37、37a、37b、37cに加えて、振動センサ37dを給水装置10の基台11(図1を参照)の上面に配設し、給水装置10における振動発生の原因を特定するために、基台11の振動を測定することとしてもよい。上述した給水装置10の構成部品である第一の軸受け32や第二の軸受け33の異常、またはキャビテーションの発生といった振動発生の原因を特定することにより、部品交換等の迅速な対応が可能となる。
一方、異常有りと判定されなかった場合(ステップS41;No)、警告信号及び運転停止信号を出力することなく異常判定処理を終了する。
なお、温度異常判定処理は、モータ24の運転モードにかかわらず実行することとして説明したが、上述した可変回転速度モードの時にのみ、温度異常を検出することとしてもよい。
そして、強制始動モードへ移行する時刻(例えば午前2時)となり、2台のポンプユニット19A、19Bがともに停止状態にあると判定した場合、第一のポンプユニット19Aを強制始動し、モータ24を一定の回転速度で回転させる。所定の時間が経過すると第一のポンプユニット19Aを停止制御し、同様の制御を第二のポンプユニット19Bに対して行う。
これにより、水の使用量が少ない時間帯であって、ポンプユニット19が停止状態にあるときに異常を検出することが可能となるため、給水性能に影響を与えることなく異常を検出することができる。
11 基台
12 制御装置
13 制御盤
14 合流管
15 合流吐出口
17 吐出圧力センサ
18 蓄圧タンク
19 ポンプユニット
19A 第一のポンプユニット
19B 第二のポンプユニット
20 流量センサ
20A 第一の流量センサ
20B 第二の流量センサ
21 インバータ
21A 第一のインバータ
21B 第二のインバータ
22 操作パネル
23 ポンプ
24 モータ
24A 第一のモータ
24B 第二のモータ
25 ケーシング
26 ケーシングカバー
27 連結ボルト
28 吸込口
29 羽根車
30 吐出口
31 主軸
32 第一の軸受け
33 第二の軸受け
34 モータハウジング
35 モータブラケット
36 保護カバー
37 振動センサ
38 通信装置
39 ポンプユニット制御部
40 センサ信号取得部
41 異常判定部
42 計時部
43 温度センサ
100 給水装置
101A 第一のポンプユニット
101B 第二のポンプユニット
102A 第一のポンプ
102B 第二のポンプ
103A 第一のモータ
103B 第二のモータ
105 吸込圧力センサ
106A、106B 流量センサ
107 吐出圧力センサ
108 蓄圧タンク
109 逆止弁
Claims (7)
- ポンプと、該ポンプを駆動する電動機とを有するポンプユニットと、
前記ポンプユニットの前記電動機を、使用水量に応じて回転速度を可変制御する可変回転速度モードと、前記ポンプユニットの前記電動機を、使用水量にかかわらず回転速度を一定に制御する固定回転速度モードと、に制御する制御部と、
前記ポンプユニットに配設された振動検出器と、
前記制御部が前記電動機を前記固定回転速度モードに制御したきの前記振動検出器の出力に基づいて、前記ポンプユニットの異常を判定する異常判定部と、を有することを特徴とする給水装置。 - 前記固定回転速度モードは、使用水量が所定の水量以下となったときに前記電動機の回転速度を所定の回転速度に安定させた運転状態であることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
- 前記固定回転速度モードは、前記ポンプユニットが運転を停止している状態から前記ポンプユニットを強制的に始動させ、前記電動機の回転速度の所定の回転速度に安定させた運転状態であることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
- 前記ポンプユニットに温度検出器が配設され、
前記異常判定部は、前記制御部が前記電動機を前記可変回転速度モードに制御したときの前記温度検出器の出力に基づいて、前記ポンプユニットの温度異常を判定し、
前記制御部は、前記温度異常の判定結果に基づいて前記ポンプユニットの運転を停止するように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の給水装置。 - 前記振動検出器は、前記電動機に配設されて該電動機の振動を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の給水装置。
- 前記振動検出器は、三軸振動センサであって、
前記異常判定部は、前記三軸振動センサの軸ごとに出力される振動信号を合成して得られる合成信号に基づいて異常を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の給水装置。 - ポンプと、該ポンプを駆動する電動機とを有するポンプユニットと、
前記ポンプユニットの運転を制御する制御部と、
前記ポンプユニットに配設された振動検出器と、
前記ポンプユニットの異常を判定する異常判定部と、を有する給水装置の異常検出方法であって、
前記制御部が、前記ポンプユニットの前記電動機を、使用水量に応じて回転速度を可変制御する可変回転速度モードに制御するステップと、
前記制御部が、前記ポンプユニットの前記電動機を、使用水量にかかわらず回転速度を一定に制御する固定回転速度モードに制御するステップと、
前記制御部が前記電動機を固定回転速度モードに制御したときの前記振動検出器の出力に基づいて、前記異常判定部が前記ポンプユニットの異常を判定するステップと、を有することを特徴とする給水装置の異常検出方法。
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