JP3571042B1 - モータの軸受摩耗検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャンドモータの運転停止状態のときに回転子の半径方向位置を検出して零点調整できる軸受摩耗検出装置を提供する。
【解決手段】固定子の歯部のうち等間隔に位置する3つの各歯部に対して、1歯部毎に全周に亘って半径方向位置検出コイルR1,R2,R3を巻回する。半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に高周波電源62から高周波信号を印加する。高周波信号を印加した半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスをインダクタンス検出手段82で検出する。検出した半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスから半径方向位置検出手段84で回転子の半径方向位置を検出する。キャンドモータの運転停止状態のときに回転子の半径方向位置を検出して零点調整できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの軸受摩耗を検出する軸受摩耗検出装置に関する。
従来、キャンドモータは、主としてポンプ駆動用に採用されており、例えばキャンドモータポンプの場合には、キャンドモータとポンプとが一体構造の液漏れが無い構造となっているため、内部の状態は目視で監視することができない。ポンプの羽根車を回転駆動するキャンドモータの回転子はポンプ取扱液で潤滑される軸受で支承されていることが多いが、このキャンドモータを効率よく運転するには軸受の摩耗状態を外部から監視する必要がある。
そこで、キャンドモータの固定子の180°間隔で対向する2つの歯部にそれぞれ歯部全周に巻回された2つの半径方向位置検出コイルを設けるとともに、これら半径方向検出コイルを基本波が互いに打ち消されるように直列に接続し、運転時の回転子の回転によって両半径方向位置検出コイルに誘起されて基本波が打ち消された電圧信号によって、軸受に支承された回転子の半径方向位置を検出し、この回転子の半径方向位置から半径方向の軸受摩耗量を推測しようとした軸受摩耗検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、キャンドモータの回転子または回転軸に磁性体である位置検出用ターゲットを設けるとともに、この位置検出用ターゲットの外周位置に対応して固定子キャンの周囲に複数の励磁用の検出コイルを周方向に間隔をあけて等間隔に設け、そして、キャンドモータの運転時に、検出コイルに高周波信号を印加し、この高周波信号が印加された検出コイルのインダクタンスを検出し、この検出コイルのインダクタンスの変化から回転子の半径方向位置および軸方向位置を検出する位置検出装置が提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特開2000−308312号公報(第3頁、図5) 特開平8−43010号公報(第6−9頁、第17頁、図1−4、図20) 特表2001−505310号公報(第21−23頁、図1−3)
ところで、従来の軸受摩耗検出装置において、半径方向位置検出コイルに誘起される電圧信号から回転子の半径方向位置を正確に検出するには、半径方向位置検出コイルに誘起される電圧信号と軸受に支承された回転子の半径方向位置とを合わせる零点調整を必要としている。この零点調整は、キャンドモータの運転により回転子を回転させて半径方向位置検出コイルに電圧信号が誘起された状態で、キャンドモータの運転中に回転子を半径方向に移動させるための調整用装置などによって回転する回転子を半径方向に移動させることにより、この回転子の半径方向位置と半径方向位置検出コイルに誘起される電圧信号とを対応させている。
そのため、零点調整が面倒で工数がかかるとともに、キャンドモータの運転中に回転子を半径方向に移動させるための調整用装置を必要とするために、零点調整が可能な設備を有する工場以外のキャンドモータの使用場所では零点調整が困難であり、キャンドモータの使用場所において軸受や回転子を交換したり、ガスケットの締め増しを伴う整備を必要とする場合には、キャンドモータを使用場所から工場に運び込んで零点調整しなければならない問題がある。
また、上述した位置検出装置では、回転子の軸方向位置変化が半径方向位置信号に影響を与え半径方向位置変化が軸方向位置信号に影響を与えるので、半径方向位置検出および軸方向位置検出を互いの影響を補正して正確に行うためには、型式試験としてモータ型式が異なる毎にデータ収集が必要で、その収集したデータをメモリに入力し、モータ型式を初期調整時に入力する必要がある。
また、上述した位置検出装置では、運転停止時に零点調整する場合には位置検出用ターゲットの周方向位置を管理しないと零点調整ができず、また、ゲインが運転停止時と運転時とで大幅に異なるため正確な零点調整は困難であり、運転時に零点調整するほうが望ましい。しかしながら、運転時の零点調整に関しては従来の軸受摩耗検出装置と同様に上述の問題がある。しかも、キャンドモータの回転子または回転軸に位置検出用ターゲットを設けるとともに、この位置検出用ターゲットの外周位置に対応して固定子キャンの周囲に複数の励磁用の検出コイルを設けるため、固定子に半径方向位置検出コイルを設けている一般的なキャンドモータに対しては、回転子または回転軸に位置検出用ターゲットを新たに設ける必要があるとともに固定子キャンに複数の励磁用の検出コイルを新たに設ける必要があり、構造が複雑になる問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、モータの運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子の半径方向位置が検出でき、したがって、固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ半径方向位置検出コイルを巻回した構造でありながら、回転子に位置検出用ターゲットを設けることなく、運転停止状態のときに回転子の半径方向位置を検出でき、零点調整が容易であるモータの軸受摩耗検出装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のモータの軸受摩耗検出装置は、モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルと、これら半径方向位置検出コイルに高周波信号を印加する高周波信号印加手段と、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出するインダクタンス検出手段と、前記半径方向位置検出コイルのインダクタンスから前記モータの回転子の半径方向位置を検出する半径方向位置検出手段とを具備しているものである。
そして、この構成では、モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルに高周波信号を印加し、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出し、この半径方向位置検出コイルのインダクタンスからモータの回転子の半径方向位置を検出するため、モータの運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子の半径方向位置が検出可能になり、したがって、固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ半径方向位置検出コイルを巻回した構造でありながら、回転子に位置検出用ターゲットを設けることなく、運転停止状態のときに回転子の半径方向位置を検出できて零点調整が可能になる。さらに、半径方向位置検出コイルのインダクタンス変化は回転子の軸方向変化の影響を実用上受けないため、従来の検出コイルのインダクタンス変化を検出する位置検出装置のように半径方向位置検出および軸方向位置検出を互いの影響を補正して正確に行うために型式試験としてモータ型式が異なる毎のデータ収集などが不必要であり、零点調整作業を容易に可能とする。
請求項2記載のモータの軸受摩耗検出装置は、請求項1記載のモータの軸受摩耗検出装置において、高周波信号印加手段は正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルに印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルの出力から正弦波信号を検出する正弦波信号検出手段、および高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルの出力から直流抵抗値を検出する直流抵抗値検出手段を備え、インダクタンス検出手段は、前記正弦波信号検出手段で検出された正弦波信号から直流抵抗値検出手段で検出された直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出するものである。
そして、この構成では、正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルに印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルの出力から正弦波信号および直流抵抗値をそれぞれ検出し、検出された正弦波信号から直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出するため、温度検出部や温度検出回路を別途設けずに半径方向位置検出コイルの温度による影響を除くことで回転子の半径方向位置を正確に検出可能になる。
請求項3記載のモータの軸受摩耗検出装置は、モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルと、前記モータの固定子側に設けられた軸方向位置検出コイルと、これら半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルに高周波信号を印加する高周波信号印加手段と、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出するインダクタンス検出手段と、前記半径方向位置検出コイルのインダクタンスから前記モータの回転子の半径方向位置を検出する半径方向位置検出手段と、前記軸方向位置検出コイルのインダクタンスから前記モータの回転子の軸方向位置を検出する軸方向位置検出手段とを具備しているものである。
そして、この構成では、モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイル、およびモータの固定子側に設けられた軸方向位置検出コイルに高周波信号をそれぞれ印加し、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出し、半径方向位置検出コイルのインダクタンスからモータの回転子の半径方向位置を検出し、軸方向位置検出コイルのインダクタンスからモータの回転子の軸方向位置を検出するため、モータの運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子の半径方向位置および軸方向位置が検出可能になり、したがって、固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ半径方向位置検出コイルを巻回するとともに固定子側に軸方向位置検出コイルを設けた構造でありながら、回転子に位置検出用ターゲットを設けることなく、運転停止状態のときに回転子の半径方向位置および軸方向位置を検出できて零点調整が可能になる。さらに、半径方向位置検出コイルのインダクタンス変化は回転子の軸方向変化の影響を実用上受けないため、従来の検出コイルのインダクタンス変化を検出する位置検出装置のように半径方向位置検出および軸方向位置検出を互いの影響を補正して正確に行うために型式試験としてモータ型式が異なる毎のデータ収集などが不必要であり、零点調整作業を容易に可能とする。
請求項4記載のモータの軸受摩耗検出装置は、請求項3記載のモータの軸受摩耗検出装置において、高周波信号印加手段は正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルに印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの出力から正弦波信号をそれぞれ検出する正弦波信号検出手段、および高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの出力から直流抵抗値をそれぞれ検出する直流抵抗値検出手段を備え、インダクタンス検出手段は、前記正弦波信号検出手段で検出された正弦波信号から直流抵抗値検出手段で検出された直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出するものである。
そして、この構成では、正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルにそれぞれ印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの出力から正弦波信号および直流抵抗値をそれぞれ検出し、検出された正弦波信号から直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出するため、温度検出部や温度検出回路を別途設けずに半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの温度による影響を除くことで回転子の半径方向位置および軸方向位置を正確にそれぞれ検出可能になる。
請求項1記載のモータの軸受摩耗検出装置によれば、モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルに高周波信号を印加し、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出し、この半径方向位置検出コイルのインダクタンスからモータの回転子の半径方向位置を検出するため、モータの運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子の半径方向位置が検出でき、したがって、固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ半径方向位置検出コイルを巻回した構造でありながら、回転子に位置検出用ターゲットを設けることなく、運転停止状態のときに回転子の半径方向位置を検出できて零点調整ができる。さらに、半径方向位置検出コイルのインダクタンス変化は回転子の軸方向変化の影響を実用上受けないため、従来の検出コイルのインダクタンス変化を検出する位置検出装置のように半径方向位置検出および軸方向位置検出を互いの影響を補正して正確に行うために型式試験としてモータ型式が異なる毎のデータ収集などが不必要であり、零点調整作業を容易にできる。
請求項2記載のモータの軸受摩耗検出装置によれば、請求項1記載のモータの軸受摩耗検出装置の効果に加えて、正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルに印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルの出力から正弦波信号および直流抵抗値をそれぞれ検出し、検出された正弦波信号から直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出するため、温度検出部や温度検出回路を別途設けずに半径方向位置検出コイルの温度による影響を除くことで回転子の半径方向位置を正確に検出できる。
請求項3記載のモータの軸受摩耗検出装置によれば、モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイル、およびモータの固定子側に設けられた軸方向位置検出コイルに高周波信号をそれぞれ印加し、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出し、半径方向位置検出コイルのインダクタンスからモータの回転子の半径方向位置を検出し、軸方向位置検出コイルのインダクタンスからモータの回転子の軸方向位置を検出するため、モータの運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子の半径方向位置および軸方向位置が検出でき、したがって、固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ半径方向位置検出コイルを巻回するとともに固定子側に軸方向位置検出コイルを設けた構造でありながら、回転子に位置検出用ターゲットを設けることなく、運転停止状態のときに回転子の半径方向位置および軸方向位置を検出できて零点調整ができる。さらに、半径方向位置検出コイルのインダクタンス変化は回転子の軸方向変化の影響を実用上受けないため、従来の検出コイルのインダクタンス変化を検出する位置検出装置のように半径方向位置検出および軸方向位置検出を互いの影響を補正して正確に行うために型式試験としてモータ型式が異なる毎のデータ収集などが不必要であり、零点調整作業を容易にできる。
請求項4記載のモータの軸受摩耗検出装置によれば、請求項3記載のモータの軸受摩耗検出装置の効果に加えて、正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルにそれぞれ印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの出力から正弦波信号および直流抵抗値をそれぞれ検出し、検出された正弦波信号から直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出するため、温度検出部や温度検出回路を別途設けずに半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの温度による影響を除くことで回転子の半径方向位置および軸方向位置を正確にそれぞれ検出できる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、11はキャンドモータポンプで、このキャンドモータポンプ11は、モータとしてのキャンドモータ12とポンプ13とが液密に一体に結合されて構成されている。
キャンドモータ12は、固定子鉄心14の固定子溝15に固定子巻線16が巻回されて構成される固定子17を有し、この固定子17が固定子枠18内に挿着されるとともに固定子17の内周面にステンレスなどの非磁性体で薄肉円筒状に形成された固定子キャン19が密着挿入され、この固定子キャン19の両端縁が固定子枠18に液密に溶着されている。固定子17と固定子枠18との間で固定子キャン19の周囲には固定子キャン19を補強する補強環20,21が装着されている。
さらに、キャンドモータ12は、回転子鉄心22の回転子溝23に回転子導体24が装着されて構成される回転子25を有し、この回転子25が回転軸26に挿着され、回転子25の外周面にステンレスなどの非磁性体で薄肉円筒状に形成された回転子キャン27が被着されている。
そして、固定子17の内側に回転子25が挿入され、これら固定子17の固定子キャン19と回転子25の回転子キャン27とがキャン隙間28を介して対向配設されている。
また、固定子枠18にはポンプ13側である前側とその反対側である後側とに軸受箱31,32が取り付けられ、これら軸受箱31,32に回転軸26を回転可能に支承するすべり軸受である軸受33,34が装着されている。各軸受33,34には回転軸26を回転可能に支承するスリーブ35,36およびスラストカラー37,38が取り付けられている。すなわち、回転子25は、両スリーブ35,36を介して軸受33,34により回転可能に軸支され、軸方向には両スラストカラー37,38と軸受33,34とによって規制される。
また、図2および図3に示すように、キャンドモータ12の固定子17の後側で、回転子25が内側に位置する容器41である補強環21の外周に沿って軸方向位置検出コイルAが巻回されている。この軸方向位置検出コイルAが巻回される位置は、回転子25の後側の端部の外周位置としている。
固定子17の固定子鉄心14が有する複数の歯部のうち120°の角度位置で等間隔に位置する3つの各歯部には、1歯部毎に軸方向の全周に亘って径方向位置検出コイルR1,R2,R3がそれぞれ巻回されている。
また、ポンプ13は、キャンドモータ12の固定子枠18に液密に取り付けられたケーシング51、およびこのケーシング51内で回転軸26に取り付けられた羽根車52を有している。ポンプ13内の羽根車52はスリーブ35,36を介して軸受33,34に支持された回転子25によって回転駆動され、軸方向にはスラストカラー37,38と軸受33,34とによって動きが制限されている。
次に、図1に軸受摩耗検出装置の回路図を示す。
61は軸受摩耗検出装置の制御回路で、この制御回路61に、軸方向位置検出コイルAの一方の端部、および各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の一方の端部がそれぞれ接続されている。軸方向位置検出コイルAの他方の端部および半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の他方の端部は共通端子に接地されている。
制御回路61に接続された軸方向位置検出コイルAの一方の端部には、高周波信号印加手段としての高周波電源62から、キャンドモータ12を駆動する電源周波数より高くかつキャンドモータ12の駆動によって回転子25の回転数と回転子25の溝数とに関連して発生する高調波信号より高い正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した交流信号である高周波信号が印加される。この軸方向位置検出コイルAの一方の端部は、高周波回路63を通じて同期検波器64に接続されているとともに、低周波回路65にそれぞれ接続されている。
高周波回路63は、軸方向位置検出コイルAの出力信号から正弦波信号のみを通過させる例えばバンドパスフィルタなどの高周波フィルタを有し、また、同期検波器64は、高周波電源62から得られる高周波信号に同期した正弦波信号を取り出す。これら高周波回路63と同期検波器64は、軸方向位置検出コイルAの出力から正弦波信号を検出する正弦波信号検出手段66として構成されている。
低周波回路65は、例えばローパスフィルタなどの低周波フィルタを有し、軸方向位置検出コイルAの出力から直流信号のみを通過させて直流抵抗値を検出する直流抵抗値検出手段67として構成されている。
同期検波器64からの正弦波信号は増幅器68で増幅されて、低周波回路65からの直流抵抗値信号は増幅器69で増幅されて、制御装置70にそれぞれ入力される。
また、制御回路61に接続された半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の一方の端部には、これら半径方向位置検出コイルR1,R2,R3を順次切り換えて接続する切換スイッチ72に接続されている。この切換スイッチ72は、図には原理図を示すものであって、実際には回路内で電気的に切り換えるように構成されている。
半径方向位置検出コイルR1,R2,R3を順次切り換えて接続する切換スイッチ72には、高周波信号印加手段としての高周波電源62から、キャンドモータ12を駆動する電源周波数より高くかつキャンドモータ12の駆動によって回転子25の回転数と回転子25の溝数とに関連して発生する高調波信号より高い正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した交流信号である高周波信号が印加される。この切換スイッチ72は、高周波回路73を通じて同期検波器74に接続されているとともに、低周波回路75にそれぞれ接続されている。
高周波回路73は、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力信号から正弦波信号のみを通過させる例えばバンドパスフィルタなどの高周波フィルタを有し、また、同期検波器74は、高周波電源62から得られる高周波信号に同期した正弦波信号を取り出す。これら高周波回路73と同期検波器74は、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力から正弦波信号を検出する正弦波信号検出手段76として構成されている。
低周波回路75は、例えばローパスフィルタなどの低周波フィルタを有し、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力から直流信号のみを通過させて直流抵抗値を検出する直流抵抗値検出手段77として構成されている。
同期検波器74からの正弦波信号は増幅器78で増幅されて、低周波回路75からの直流抵抗値信号は増幅器79で増幅されて、制御装置70に入力される。
そして、制御装置70は、高周波信号が印加された軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスを検出するものであって、正弦波信号検出手段66,76で検出された正弦波信号から直流抵抗値検出手段67,77で検出された直流抵抗値分を除いた軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスを検出するインダクタンス検出手段82の機能、軸方向位置検出コイルAのインダクタンスから回転子25の軸方向位置を検出する軸方向位置検出手段83の機能、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスから回転子25の半径方向位置を検出する半径方向位置検出手段84の機能を有している。
制御装置70には、回転子25の軸方向および径方向の位置を検出するとともに軸受33,34の摩耗状態を検出するためのプログラムおよびデータや零点調整によって設定された基準値などを記憶するメモリ85、軸受33,34の摩耗状態を表示する表示装置86が接続されている。
制御装置70には、初期時の軸方向位置検出コイルAの出力および半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力と回転子25の位置とを合わせるための零点調整をする零点調整装置87と通信する通信回路88、および摩耗信号などのデータを外部の監視装置やコンピュータに出力する出力回路89が接続されている。
次に、軸受摩耗検出装置における軸方向軸受摩耗検出の零点調整について説明する。
キャンドモータ12の運転停止状態において、軸方向位置検出コイルAに高周波電源62から高周波信号を印加し、軸方向位置検出コイルAを励磁して回転子25の位置に応じた出力信号を出力させる。軸方向位置検出コイルAの出力からは、高周波回路63および同期検波器64によって高周波電源62から得られる高周波信号に同期した正弦波信号を取り出し、低周波回路65によって直流抵抗値信号を取り出す。取り出した正弦波信号および直流抵抗値信号を制御装置70に入力する。
この状態で、軸方向軸受摩耗の零点調整をするために、回転子25を軸方向の例えば後側へ向けてスラストカラー38と軸受34とによって動きが制限されるまで移動させ、零点調整装置87の操作部を操作することにより、制御装置70に入力される軸方向位置検出コイルAの正弦波信号、直流抵抗値信号、正弦波信号から直流抵抗値分を除いたインダクタンス値などを後側の基準値としてメモリ85に記憶させる。
回転子25を軸方向の前側へ向けてスラストカラー37と軸受33とによって動きが制限されるまで移動させ、零点調整装置87の操作部を操作することにより、制御装置70に入力される軸方向位置検出コイルAの正弦波信号、直流抵抗値信号、正弦波信号から直流抵抗値分を除いたインダクタンス値などを前側の基準値としてメモリ85に記憶させる。
零点調整装置87の操作部で回転子25の軸方向における遊びの値を入力し、メモリ85に記憶させる。
温度計で軸方向位置検出コイルAの温度を測定して、零点調整装置87の操作部で初期温度値を基準値として入力し、メモリ85に記憶する。なお、このような初期調整をし、温度を表示・出力する機能を追加すれば、検出コイル温度・表示出力が可能となる。
次に、軸受摩耗検出装置における半径方向軸受摩耗検出の零点調整について説明する。
キャンドモータ12の運転停止状態において、各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に切換スイッチ72で順次切り換えて高周波電源62から高周波信号を印加し、各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3を励磁して回転子25の位置に応じた出力信号を順に出力させる。各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力からは、高周波回路73および同期検波器74によって高周波電源62から得られる高周波信号に同期した正弦波信号を取り出し、低周波回路75によって直流抵抗値信号を取り出す。取り出した正弦波信号および直流抵抗値信号を制御装置70に入力する。
この状態で、半径方向軸受摩耗の零点調整をするために、回転子25を半径方向の例えば上側などの所定方向へ向けて軸受33,34とスリーブ35,36とによって動きが制限されるまで移動させ、零点調整装置87の操作部を操作することにより、制御装置70に順に入力される各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の正弦波信号、直流抵抗値信号、正弦波信号から直流抵抗値分を除いたインダクタンス値などを後側の基準値としてメモリ85に記憶させる。このような処理を半径方向の複数方向について同様に行う。
零点調整装置87の操作部で回転子25の半径方向における遊びの値を入力し、メモリ85に記憶させる。
次に、キャンドモータポンプ11の運転時における軸受摩耗検出装置の軸方向軸受摩耗検出動作を説明する。
キャンドモータ12の運転状態において、軸方向位置検出コイルAに高周波電源62から高周波信号を印加し、軸方向位置検出コイルAを励磁して回転子25の位置に応じた出力信号を出力させる。軸方向位置検出コイルAの出力からは、高周波回路63および同期検波器64によって軸方向位置検出コイルAに印加した高周波信号以外の周波数をカットして高周波電源62から得られる高周波信号に同期した正弦波信号のみを取り出し、低周波回路65によって直流抵抗分の信号のみを通過させて直流抵抗値を取り出す。取り出した正弦波信号および直流抵抗値信号を制御装置70に入力する。
そして、制御装置70は、入力した正弦波信号および直流抵抗値信号から演算処理して軸受33,34の軸方向軸受摩耗状態を検出する。この制御装置70の演算処理を図4のフローチャートを参照して説明する。
制御装置70は、メモリ85から予め零点調整によって記憶されている各基準値を読み込み(ステップ1)、制御装置70に入力される回転子位置信号である正弦波信号を取得し(ステップ2)、制御装置70に入力される温度補正信号である直流抵抗値信号を取得する(ステップ3)。
正弦波信号から軸方向位置検出コイルAのインピーダンスZの変化を求め(ステップ4)、直流抵抗値信号から軸方向位置検出コイルAの抵抗値Rの変化を求める(ステップ5)。
軸方向位置検出コイルAのインピーダンスZから抵抗値Rの変化分を除いて温度補正することにより、軸方向位置検出コイルAのインダクタンスLの変化を求める(ステップ6)。
そして、軸方向位置検出コイルAのインダクタンスLを基準値と比較し、軸受33,34の軸方向摩耗状態を求める(ステップ7)。
軸受33,34の摩耗状態に応じた摩耗表示信号を表示装置86に転送してこの表示装置86で摩耗状態を表示させ(ステップ8)、出力回路89に基準化した摩耗信号を出力する(ステップ9)。
また、図5は、軸方向摩耗によって回転子25が後側に移動した場合の出力回路89の出力を示すグラフである。グラフの横軸は回転子25の軸方向位置を示し、縦軸は出力回路89に出力される摩耗信号の電圧を示す。
次に、キャンドモータポンプ11の運転時における軸受摩耗検出装置の半径方向軸受摩耗検出動作を説明する。
キャンドモータ12の運転状態において、各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に切換スイッチ72で順次切り換えて高周波電源62から高周波信号を印加し、各半径方向位置検出コイルR1,R2,R3を励磁して回転子25の位置に応じた出力信号を順に出力させる。半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力からは、高周波回路73および同期検波器74によって半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に印加した高周波信号以外の周波数をカットして高周波電源62から得られる高周波信号に同期した正弦波信号のみを取り出し、低周波回路75によって直流抵抗分の信号のみを通過させて直流抵抗値を取り出す。取り出した正弦波信号および直流抵抗値信号を制御装置70に入力する。
そして、制御装置70は、入力した正弦波信号および直流抵抗値信号から演算処理して軸受33,34の半径方向軸受摩耗状態を検出する。この制御装置70の演算処理を図6のフローチャートを参照して説明する。
制御装置70は、メモリ85から予め零点調整によって記憶されている各基準値を読み込み(ステップ11)、制御装置70に入力される回転子位置信号である正弦波信号を取得し(ステップ12)、制御装置70に入力される温度補正信号である直流抵抗値信号を取得する(ステップ13)。
正弦波信号から半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインピーダンスZ,Z,Zの変化を求め(ステップ14)、直流抵抗値信号から半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の抵抗値R,R,Rの変化を求める(ステップ15)。
半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインピーダンスZ,Z,Zから抵抗値R,R,Rの変化分を除いて温度補正することにより、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスL,L,Lの変化を求める(ステップ16)。
そして、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスL,L,Lを基準値と比較し、軸受33,34の半径方向摩耗状態を求める(ステップ17)。
軸受33,34の摩耗状態に応じた摩耗表示信号を表示装置86に転送してこの表示装置86で摩耗状態を表示させ(ステップ18)、出力回路89に基準化した摩耗信号を出力する(ステップ19)。
また、図7は、半径方向摩耗が生じた場合の軸方向摩耗信号および半径方向摩耗信号の出力の変化を示すグラフである。グラフの横軸は時間を示し、縦軸は出力回路89に出力される摩耗信号の電圧を示す。半径方向摩耗が生じている状態において、キャンドモータ12を起動し、ポンプ13にポンプ取扱液の負荷が加わることにより(タイミングP)、回転子25が半径方向に移動し、半径方向摩耗信号が増加するが、軸方向摩耗信号は影響を受けず略一定状態を保つ。
次に、温度補正について説明する。
軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に対して正弦波に直流重畳した高周波信号を印加することにより、軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3からは次の出力信号Vzが得られる。
Vz=RI+jωLI+RI
R:検出コイルの直流抵抗値
:正弦波電流の実効値
ω:正弦波電流の角周波数
L:検出コイルのインダクタンス
:直流電流値
この出力信号Vzを、高周波回路63および同期検波器64で正弦波信号Vに、低周波回路65で直流信号Vにそれぞれ分離する。
=RI+jωLI
=RI
軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に対してI=Iとなるように正弦波に直流重畳した高周波信号を印加しており、正弦波信号Vから直流信号Vを除くことで、軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の抵抗分信号を排除し、温度の影響を受けない軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンス分信号Vのみが得られる。
=jωLI
そして、この温度の影響を受けない軸方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンス分信号Vによって、正確な軸受摩耗検出ができる。
以上のように、キャンドモータ12の固定子17の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に高周波信号を印加し、高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスを検出し、この半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスからキャンドモータ12の回転子25の半径方向位置を検出するため、キャンドモータ12の運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子25の半径方向位置が検出でき、したがって、固定子17の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ半径方向位置検出コイルR1,R2,R3を巻回した構造でありながら、回転子25に位置検出用ターゲットを設けることなく、運転停止状態のときに回転子25の半径方向位置を検出できて零点調整ができる。
また、固定子17の後側で回転子25が内側に配置される容器41である補強環21の外周に沿って巻回した軸方向位置検出コイルAに高周波信号を印加し、高周波信号が印加された軸方向位置検出コイルAのインダクタンスを検出し、軸方向位置検出コイルAのインダクタンスから回転子25の軸方向位置を検出するため、キャンドモータ12の運転状態または運転停止状態にかかわらず回転子25の軸方向位置が検出でき、したがって、運転停止状態のときに回転子25の軸方向位置を検出できて零点調整ができる。
そのため、キャンドモータ12の製造工程で零点調整を容易にでき、生産性を向上できるとともに、キャンドモータ12の使用場所において軸受や回転子を交換したりガスケットの締め増しを伴う整備をした場合でもその場所で容易に零点調整できる。
しかも、正弦波にこの正弦の実効値と同値の直流を直流重畳された高周波信号を半径方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に印加し、この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の出力から正弦波信号および直流抵抗値をそれぞれ検出し、検出された正弦波信号から直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンスを検出するため、温度検出部や温度検出回路を別途設けずに半径方向位置検出コイルAおよび半径方向位置検出コイルR1,R2,R3の温度による影響を除くことで回転子25の半径方向位置を正確に検出できる。
さらに、半径方向位置検出コイルR1,R2,R3のインダクタンス変化は回転子25の軸方向変化の影響を実用上受けないため、従来の検出コイルのインダクタンス変化を検出する位置検出装置のように半径方向位置検出および軸方向位置検出を互いの影響を補正して正確に行うために型式試験としてモータ型式が異なる毎のデータ収集などが不必要であり、零点調整作業を容易にできる。
また、軸方向位置検出コイルAを固定子17の後側で回転子25が内側に配置される容器41である補強環21の外周に沿って巻回し、この軸方向位置検出コイルAのインダクタンスから回転子25の軸方向位置を検出するため、軸方向位置検出コイルAを容易に設置することができ、さらに、軸方向位置検出コイルAの出力への回転子25の半径方向位置の変化による影響は実用上無視できる程度まで低減でき、回転子25の半径方向位置の変化を考慮せずに回転子25の軸方向位置の検出や軸方向の零点調整などを容易にできる。
また、図8に示すように、切換スイッチ72によって、制御回路61に接続された半径方向位置検出コイルR1,R2,R3に加えて、制御回路61に接続された軸方向位置検出コイルAを順次切り換えて接続するように構成することができる。この場合、高周波回路73、同期検波器74、低周波回路75、増幅器78,79などが一組だけで済み、回路構成を簡素化できる。
なお、軸方向位置検出コイルAは、固定子17の前側の補強環20の外周に沿って巻回することもでき、固定子17の前後の両補強環20,21の外周に沿って巻回することもでき、補強環20,21を使用しないときには固定子キャン19の外周に沿って直接巻回することもでき、いずれの場合にも、固定子17の後側の補強環21の外周に沿って巻回した場合と同様の作用効果が得られる。また、固定子17の固定子鉄心14の両端部に一対の軸方向検出コイルを設置し、これら軸方向検出コイルのインダクタンスの差から回転子25の軸方向位置を検出することもできる。
また、半径方向位置検出コイルは、固定子17の固定子鉄心14が有する複数の歯部のうち120°の角度位置で等間隔に位置する3つの各歯部に設置する場合に限らず、固定子17の固定子鉄心14が有する複数の歯部のうち90°の角度位置で等間隔に位置する4つの各歯部に設置することもできる。
なお、零点調整装置87は制御回路61の外部に設けるほか、制御回路61の内部に設けてもよい。
また、前記実施の形態では、キャンドモータ12をキャンドモータポンプ11に適用した例を示したが、例えばキャンドモータ攪拌機やキャンドモータブロアなどに適用できる。
また、軸受摩耗検出装置は、キャンドモータ12に限らず、ウェットモータなど、すべり軸受を使用した他のモータにも適用できる。
本発明の第1の実施の形態を示す軸受摩耗検出装置の回路図である。 同上軸受摩耗検出装置を適用したキャンドモータポンプの断面図である。 同上軸受摩耗検出装置の補強環および軸方向位置検出コイルの斜視図である。 同上軸受摩耗検出装置の軸方向軸受摩耗検出動作を説明するフローチャートである。 同上軸受摩耗検出装置からの出力であり軸方向摩耗によって回転子が後側に移動した場合の軸方向摩耗信号の出力の変化を示すグラフである。 同上軸受摩耗検出装置の半径方向軸受摩耗検出動作を説明するフローチャートである。 同上軸受摩耗検出装置からの出力であって半径方向摩耗が生じた場合の軸方向摩耗信号および半径方向摩耗信号の出力の変化を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態を示す軸受摩耗検出装置の回路図である。
符号の説明
12 モータとしてのキャンドモータ
17 固定子
25 回転子
62 高周波信号印加手段としての高周波電源
66,76 正弦波信号検出手段
67,77 直流抵抗値検出手段
82 インダクタンス検出手段
83 軸方向位置検出手段
84 半径方向位置検出手段
A 軸方向位置検出コイル
R1,R2,R3 半径方向位置検出コイル

Claims (4)

  1. モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルと、
    これら半径方向位置検出コイルに高周波信号を印加する高周波信号印加手段と、
    高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出するインダクタンス検出手段と、
    前記半径方向位置検出コイルのインダクタンスから前記モータの回転子の半径方向位置を検出する半径方向位置検出手段と
    を具備していることを特徴とするモータの軸受摩耗検出装置。
  2. 高周波信号印加手段は正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルに印加し、
    この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルの出力から正弦波信号を検出する正弦波信号検出手段、および高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルの出力から直流抵抗値を検出する直流抵抗値検出手段を備え、
    インダクタンス検出手段は、前記正弦波信号検出手段で検出された正弦波信号から直流抵抗値検出手段で検出された直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルのインダクタンスを検出する
    ことを特徴とする請求項1記載のモータの軸受摩耗検出装置。
  3. モータの固定子の複数の歯部に対して1歯部毎に全周に亘ってそれぞれ巻回された複数の半径方向位置検出コイルと、
    前記モータの固定子側に設けられた軸方向位置検出コイルと、
    これら半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルに高周波信号を印加する高周波信号印加手段と、
    高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出するインダクタンス検出手段と、
    前記半径方向位置検出コイルのインダクタンスから前記モータの回転子の半径方向位置を検出する半径方向位置検出手段と、
    前記軸方向位置検出コイルのインダクタンスから前記モータの回転子の軸方向位置を検出する軸方向位置検出手段と
    を具備していることを特徴とするモータの軸受摩耗検出装置。
  4. 高周波信号印加手段は正弦波にこの正弦波の実効値と同値の直流を直流重畳した高周波信号を半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルに印加し、
    この高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの出力から正弦波信号をそれぞれ検出する正弦波信号検出手段、および高周波信号が印加された半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルの出力から直流抵抗値をそれぞれ検出する直流抵抗値検出手段を備え、
    インダクタンス検出手段は、前記正弦波信号検出手段で検出された正弦波信号から直流抵抗値検出手段で検出された直流抵抗値分を除くことにより温度補正した半径方向位置検出コイルおよび軸方向位置検出コイルのインダクタンスをそれぞれ検出する
    ことを特徴とする請求項3記載のモータの軸受摩耗検出装置。
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