JP2945762B2 - 回転機械の軸方向変位検出装置 - Google Patents

回転機械の軸方向変位検出装置

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JP2945762B2
JP2945762B2 JP704891A JP704891A JP2945762B2 JP 2945762 B2 JP2945762 B2 JP 2945762B2 JP 704891 A JP704891 A JP 704891A JP 704891 A JP704891 A JP 704891A JP 2945762 B2 JP2945762 B2 JP 2945762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械の軸方向変位
検出装置に係わり、特に回転部が外部から目視できない
キャンドモータポンプのベアリング軸方向摩耗量を検出
するなど、回転機械の回転中における軸方向変位を検出
する装置に関する。
【0003】
【従来の技術】ポンプとキャンドモータとを液密に一体
結合したキャンドモータポンプは、一般に、図33に示す
ように、キャンドモータ1のステータ2とロータ3にそ
れぞれステータキャン4およびロータキャン5を被着し
てステータ2およびロータ3を取扱流体から遮断し、ポ
ンプ吐出側6のポンプ取扱液の一部を循環パイプ7を経
てキャンドモータ1内に導き、後部ベアリング8を潤滑
し、ステータキャン4とロータキャン5とのキャン隙間
9を流してステータ2とロータ3とを冷却し、前部ベア
リング10を潤滑した後、インペラ11のバランスホール12
からポンプ吸込側13へと戻して循環させる構成が採られ
ており、軸封部がなく完全無漏洩構造であるため、化学
液や爆発性液または高価な液など外部への液漏れや外部
からの空気侵入が嫌われる液の移送に適している。
【0004】ところで、このキャンドモータポンプのベ
アリング8および10は、前述のように種々のポンプ取扱
液にて潤滑される関係上、耐蝕性のあるすべりベアリン
グが採用されており、そのためベアリング8,10の摩耗
状況を定期的に監視して摩耗進行による回転部と静止部
との接触などの事故を未然に防ぐ必要があるが、キャン
ドモータポンプの回転部は外部から目視できないため、
外部からベアリング8,10の摩耗状況を検知する装置が
種々提案されている。
【0005】例えば、電気的にベアリング摩耗を検出す
る装置としては、特公昭58−54580号公報に記載
の「回転電機運転監視装置」や実公昭56−28842
号公報に記載の「キャンドモータ運転監視装置」が提案
されている。
【0006】これらのベアリング摩耗検出装置の検出原
理は、前記図33に示す軸方向空隙型モータを使用したキ
ャンドモータポンプにおいては、同図および図34と図35
に示すように、ステータ2の鉄芯歯部14に2個の検出コ
イル15,16を巻装して対向配設し、この両検出コイル1
5,16に誘起されるモータ電源周波数に同期した基本波
電圧とロータ3のスロット17数によって決定される周波
数をもつ高調波電圧とのうち、基本波電圧を相殺して高
調波電圧の瞬時値の差が検出されるように前記両検出コ
イル15,16を直列に接続して検出部18を構成して交流電
圧計19に接続することにより、ステータ2とロータ3と
の磁気空隙20が均一でなくなってその差が大きくなるほ
ど検出電圧が増大するので、この検出電圧の変化を検知
してベアリング8,10の摩耗を検出するものであり、こ
れらのベアリング摩耗検出装置によれば、ステータ2に
2個の検出コイル15,16を巻装するだけで簡単に構成で
きて極めて廉価につき、常にベアリング8,10の半径方
向の摩耗状況を検知できて遠方監視も容易であるが、ベ
アリング8,10の軸方向摩耗を検出できない難点があ
る。
【0007】そのため、ベアリングの軸方向摩耗を検出
する装置として、特公昭57−21924号公報に記載
の「回転電機運転監視装置」が提案されている。
【0008】このベアリング摩耗検出装置の検出原理
は、前記図33に示すキャンドモータポンプに適用した図
36および図37に示すように、ステータ2の両端に磁気電
気変換用の一対の検出素子を設け、例えば、一鉄心歯部
14に一対の検出コイル21,22を巻装配設することによ
り、この両検出コイル21,22の誘起電圧がロータ3の軸
方向移動によって互いに逆方向に変化するのを、両検出
コイル21,22の誘起電圧の整流回路23,24による整流後
の差電圧を直流電圧計25にて検知して、ベアリング8,
10の軸方向摩耗を検出するものであり、このベアリング
軸方向摩耗検出装置によれば常にベアリング8,10の軸
方向摩耗状況が検出できるが、ロータ3が軸方向に移動
しなくてもベアリング8,10の半径方向摩耗によるステ
ータ2とロータ3間の磁気空隙20の変化(不均一化)に
よって、または、ロータ3の回転数変化およびキャンド
モータ1の電源電圧や電源周波数の変化によって、両検
出コイル21,22の誘起電圧が変化して整流後の差電圧が
変化するため、およびインバータ電源の場合は高周波ノ
イズが混入するため、検出値に大幅な誤差が生じる欠点
があり、実用化に至っていない。
【0009】このベアリング軸方向摩耗検出装置の他に
電気的にベアリング軸方向摩耗を検出する手段として
は、高周波発振形や差動コイル形または静電容量形など
の近接センサをキャンドモータポンプのロータ軸の軸端
面に近接して配設することが考えられるが、従来の近接
センサは、センサ部自体がキャンドモータポンプにおい
て通常取り扱われる高温液や高圧液に耐えるものが殆ど
ないうえに液温変化による検出誤差が大きく、また主と
して化学液であるキャンドモータポンプ取扱液の腐蝕性
に対応して接液部材質を変更しなければならないので、
特殊構造の多品種少量生産となるのが避けられず、小型
キャンドモータポンプにおいてはポンプよりも高価につ
き、加えて大半のキャンドモータポンプに要求される防
爆仕様を満足させるには、センサ部の機械的構成の変更
は勿論であるが、センサ部とアンプ部が一体形のものは
温度的条件から採用困難でセンサ部とアンプ部の分離形
を採用せざるを得ず、危険場所にあるセンサ部と数10m
離れた非危険場所にあるアンプ部とをリード線で接続す
るためにはアンプ部の回路変更が必要でさらに高価につ
くなど、キャンドモータポンプへの適用は実用的ではな
い。
【0010】一方、機械的にベアリング摩耗を検出する
装置としては、特公昭48−2725号公報に記載の
「ベアリング摩耗度検出装置」、実公昭51−9259
号公報に記載の「ベアリング摩耗度検出装置」、特公昭
51−31889号公報に記載の「ベアリングモニ
タ」、特公昭52−16182号公報に記載の「ベアリ
ング摩耗検出装置」、特開昭51−10956号公報に
記載の「ベアリング摩耗検知装置」および特開昭52−
138189号公報に記載の「ベアリングモニタ」など
が提案されており、これら機械式ベアリング摩耗検出装
置の検出原理は、前記図33に示すキャンドモータポンプ
に適用した図38に示すように、ベアリング8,10の摩耗
進行によって回転部とともにこの回転部に一体に取着し
た摺動相手部材26が半径方向または軸方向に移動し、検
知管27の先端薄肉部27a に接触して摺動回転すれば、検
知管27が破れてこの検知管27に密封した不活性ガス28が
漏洩して密封圧力が変化するのでこの密封圧力変化を圧
力計29にて検知し、または検知管27が摺動回転熱によっ
て温度上昇するのでこの温度変化を図示しないが検知管
27に内設したサーミスタなどにて検知することにより、
ベアリング8,10の摩耗を検出するものである。
【0011】しかし、この機械式ベアリング摩耗検出装
置によれば、検知管27とその摺動相手部材26を同図のよ
うに構成することにより、ベアリング8,10の半径方向
摩耗と軸方向摩耗の両方を検出できるが、摺動相手部材
26が検知管27に摺動回転して検知管27の破損または温度
上昇が生じなければベアリング摩耗が検出できず、すな
わち、ベアリング摩耗が検出されるまでの摩耗進行状況
が一切検知できないのでベアリング交換を計画的に行な
うことができず、また一度ベアリング摩耗を検出すると
再使用不能となるなど実用上の難点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑みなされたもので、ベアリング軸方向摩耗によるキ
ャンドモータポンプのロータなど、回転部の回転中にお
ける軸方向変位量を、ベアリング半径方向摩耗などによ
る半径方向変位や回転部の回転数変化およびモータの電
源電圧や電源周波数の変化に左右されず、並びにインバ
ータの電源の高周波ノイズに影響されずに常に正確に検
出でき、比較的低コストにつく回転機械の軸方向変位検
出装置を提供することを目的とする。
【0013】〔発明の構成〕
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の回転機械の軸方向変位検出装置の構成は、円筒周面上
に形成した1または複数の被検出線からなって回転機械
の回転部に同軸に設けた第1の線パターンおよび第2の
線パターンと、前記回転部の回転による前記第1の線パ
ターンの被検出線および前記第2の線パターンの被検出
線の通過による物理量の変化をそれぞれ検知する第1の
検出部および第2の検出部と、この両検出部の出力信号
の位相差を検知する位相差検知部とからなり、前記第1
の線パターンの被検出線とこの被検出線に対応する前記
第2の線パターンの被検出線との前記回転部の中心軸線
に対する傾きを相違させてなるものである。
【0015】また、請求項2記載の発明は、前記請求項
1の発明において、線パターンに近接して固定磁極を設
け、この固定磁極に対する前記線パターンのパーミアン
スが被検出線とそれ以外の部分とで相違するように前記
線パターンを形成し、この線パターンの被検出線の通過
によって生じる固定磁極の磁束変化を検出する磁気電気
変換素子を設けて検出部を構成してなるものである。
【0016】
【作用】本発明の回転機械の軸方向変位検出装置によれ
ば、第1の線パターンと第2の線パターンが回転機械の
回転部とともに回転することによって、第1の線パター
ンに対向する第1の検出部および第2の線パターンに対
向する第2の検出部にそれぞれ出力信号が発生するが、
第1の線パターンの被検出線とこの被検出線に対応する
第2の線パターンの被検出線との前記回転部の中心軸線
に対する傾きが相違しているために、前記回転部の軸方
向移動に連れて両線パターンが軸方向に変位すれば両検
出部の出力信号の位相差が変化し、この位相差が位相差
検知部にて検知されて回転部の軸方向変位量が検出され
る。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0018】図1乃至図3は、本発明を、固定磁極に対
する磁気抵抗が相違する線パターンを形成してキャンド
モータポンプに適用した一実施例を示す。
【0019】前記図33に示すキャンドモータポンプにお
いて、後部ベアリング箱31のフランジ部31a を中空状に
形成し、鋳造、または、溶接にて検出部端子箱32を一体
に突出形成したキャップ体33をシール部材34を介して後
部ベアリング箱31のフランジ部31a にボルト35にて液密
に締結固定し、キャップ体33とポンプ吐出側6間に循環
パイプ7を接続する。
【0020】また、一側に雄ねじ部36a を形成した非磁
性耐蝕性鋼からなる補助軸36の他側小径部36b に磁性鋼
からなる第1の環状体37、非磁性鋼からなるスペーサ3
8、磁性鋼からなる第2の環状体39および非磁性耐蝕性
鋼からなる環状端板40を挿入固着し、両環状体37,39に
非磁性耐蝕性鋼からなる被検出体キャン41を被せ、この
被検出体キャン41の両端縁を補助軸36の大径部36c の外
周面と環状端板40の外周面に、およびこの環状端板40の
内径端縁を補助軸36の小径部36c にそれぞれ気密に溶着
して被検出体42を構成し、この被検出体42をキャンドモ
ータ1の回転部であるロータ軸43の後端部に螺合固着し
て前記キャップ体33内に配設する。
【0021】そして、前記第1の環状体37には、その外
周面をヘリカルギヤ歯状に加工することにより、ロータ
軸43の中心軸線44、すなわち被検出体42の中心軸線44に
対する傾きがθ(0<θ<π/2[rad ]、以下同じ)
の線状突起からなる被検出線45を1または複数本、この
実施例においては等間隔に6本設けて第1の線パターン
46を形成し、前記第2の環状体39にも同様にしてその外
周面をヘリカルギヤ歯状に加工して第1の線パターン46
と同数で傾きが−θの線状突起からなる被検出線47を設
けて第2の線パターン48を形成するとともに、両線パタ
ーン46,48と同心同径で両線パターン46,48から等距離
の位置にある線パターン間二等分円49に対して両線パタ
ーン46,48が対称となるように、両線パターン46,48を
配設する。
【0022】また、円筒状の永久磁石からなる固定磁極
50および51にそれぞれ磁気電気変換素子としての検出コ
イル52および53を巻装して第1の検出部54および第2の
検出部55を構成し、この第1の検出部54および第2の検
出部55をそれぞれ前記第1の線パターン46および第2の
線パターン48に対向させるとともに両検出部54,55を結
ぶ直線が被検出体42の中心軸線44と平行になるように検
出部端子箱32に収納固定し、この検出部端子箱32にシー
ル部材56を介して端子蓋57を被せて密閉し、前記両検出
部54,55の各検出コイル52,53を検出部端子箱32のリー
ド線引込口32a を気密に貫通するリード線58を介して図
3に示す位相差検知部59に接続する。
【0023】この位相差検知部59は、両検出部54,55の
出力信号である連続または間欠の略正弦波電圧をそれぞ
れ方形波パルス電圧に変換するゼロクロス検出回路60,
61とこの両ゼロクロス検出回路60,61の出力方形波パル
ス電圧のEX−ORをとってパルス幅変調するEX−O
R回路62、このEX−OR回路62の出力方形波パルス電
圧を平均化してアナログ電圧化する平均化回路63、およ
びこの平均化回路63のアナログ出力電圧を指示する直流
電圧計64から構成する。
【0024】65は位相差検知部59に組み込まれて両ゼロ
クロス検出回路60,61の出力方形波パルス電圧の位相の
進み遅れを発光ダイオード66の点灯消灯によって判別す
る位相進み遅れ弁別回路、67および68はロータ軸43に装
着されてそれぞれ前部ベアリング10および後部ベアリン
グ8と摺動回転する前部スラストカラおよび後部スラス
トカラ、69,70はそれぞれ前部ベアリング10側および後
部ベアリング8側の調整座、71は前記両検出部54,55の
中心を結ぶ直線の垂直二等分線である。
【0025】以上のように構成した実施例において、キ
ャンドモータポンプを運転すると、ロータ軸43とともに
被検出体42が回転して、第1の線パターン46と第2の線
パターン48がそれぞれ第1の検出部54および第2の検出
部55に近接して回転するので、第1の線パターン46の被
検出線45が第1の検出部54の固定磁極50の真下を通過す
る毎に固定磁極50と第1の線パターン46間のパーミアン
スが変化して固定磁極50の磁束が変化し、この磁束変化
によって検出コイル52に電圧が誘起されて第1の検出部
54に連続または間欠の略正弦波状の出力信号電圧が発生
し、同様にして第2の検出部55にも略正弦波状の出力信
号電圧が発生する。
【0026】この両検出部54,55の出力信号電圧が連続
の略正弦波電圧でも間欠の略正弦波電圧でも位相差検知
部59の作用は基本的に同じであるが、以下の説明におい
ては便宜上、連続の略正弦波電圧とする。
【0027】なお、両検出部54,55の出力信号電圧は、
各固定磁極50,51と各線パターン46,48間の磁気空隙
長、各被検出線45,47の円周方向配置ピッチ、および各
被検出線45,47と各固定磁極50,51の断面形状寸法など
を考慮することによって連続の正弦波電圧が得られる。
【0028】そして、線パターン間二等分円49が図4に
示すように両検出部54,55を結ぶ直線の垂直二等分線71
上にある場合は、両線パターン46,48の各被検出線45,
47がそれぞれ両検出部54,55の真下を同時に通過するの
で、両検出部54,55の出力信号電圧V54,V55は図5に
示すように同相となり、ロータ軸43が前方へLaの距離を
移動して線パターン二等分円49が図7に示すように第1
の検出部54側に移動すると、ロータ軸43が同図矢印方向
に回転する場合、第1の線パターン46の被検出線45が第
1の検出部45の真下を通過した後に、この第1の線パタ
ーン46の被検出線45と対応する第2の線パターン48の被
検出線47が第2の検出部55の真下を通過することとな
り、すなわち、第1の線パターン46の被検出線45が第1
の検出部54の真下を通過する際に、この第1の線パター
ン46の被検出線45に対応する第2の線パターン48の被検
出線47は、その回転軌跡に沿って第2の検出部55の真下
から2La・tan θ後方にあることとなる。
【0029】ところで、各線パターン46,48の外周半径
をR、被検出線45,47の本数をZとすると、各線パター
ン46,48における被検出線45,47の円周方向配置ピッチ
は機会角で2πR/Zであり、この円周方向配置ピッチ
2πR/Zは各検出コイル52,53の誘起電圧の電気角で
2π[rad ]に相当するので、前記2La・tan θは電気
角で 2La・tan θ×(Z/2πR)×2π=(2La・Z/R)tan θ[rad ] となり、図8に示すように、第1の検出部54の出力信号
電圧V54に対して第2の検出部55の出力信号電圧V55
位相が (2La・Z/R)tan θ[rad ] 遅れることとなる。
【0030】そして、図5および図8に示す両検出部5
4,55の出力信号電圧V54,V55は、位相差検知部59の
ゼロクロス検出回路60,61によってそれぞれ図6および
図9に示すように、波高値が等い方形波パルス電圧V
60およびV61に変換され、この方形波パルス電圧V60
61がその位相差に応じてEX−OR回路62によって (2La・Z/R)tan θ[rad ] のパルス幅の出力方形波パルス電圧V62にパルス幅変調
され、この出力方形波パルス電圧V62が平均化回路63に
てアナログ電圧化されて前記パルス幅に比例した指示値
が直流電圧計64に指示される。
【0031】また、ロータ軸43が後方にLaの距離を移動
すると、第1の検出部54の出力信号電圧V54の位相が第
2の検出部55の出力信号電圧V55より (2La・Z/R)tan θ[rad ] 遅れ、位相差検知部59の直流電圧計64にはロータ軸43が
前方にLaの距離を移動した場合と同じ値が指示される。
【0032】すなわち、ロータ軸43が軸方向にLaの距離
を移動すれば、両検出部54,55の出力信号電圧V54,V
55にこの移動距離Laに比例した (2La・Z/R)tan θ[rad ] の位相差が生じ、この位相差が位相差検知部59の直流電
圧計64に指示される。
【0033】ところで、キャンドモータポンプにおいて
は、一般に軸方向の遊びがあり、すなわちロータ軸43が
軸方向に移動して前部スラストカラ67と前部ベアリング
10が当接する位置から後部スラストカラ68と後部ベアリ
ング8が当接する位置に至る軸方向初期ギャップLsが存
在するので、この軸方向初期ギャップLsを所定値に設定
するとともに、ロータ軸43が、前部スラストカラ67と前
部ベアリング10が当接する位置から後部スラストカラ68
と後部ベアリング8が当接する位置までのちょうど真中
の位置(以下、初期軸方向中間位置という)にある時
に、前記図4に示すように、線パターン間二等分円49が
両検出部54,55の中心を結ぶ直線の垂直二等分線71上に
くるように前部ベアリング10側の調整座69と後部ベアリ
ング8側の調整座70を加減すれば、図10に示すように、
位相差検知部59のアナログ出力電圧は、前部ベアリング
10が軸方向摩耗してロータ軸43が前方へ移動するに連れ
て、および後部ベアリング8が軸方向摩耗してロータ軸
43が後方へ移動するに連れて、それぞれロータ軸43の移
動量に比例して大きくなるので、前部スラストカラ67と
前部ベアリング10が当接する時および後部スラストカラ
68と後部ベアリング8が当接する時のアナログ出力電圧
c 、ならびに前部ベアリング10および後部ベアリング
8がそれぞれ軸方向摩耗許容量LfおよびLr(Lf=Lr)に
達した時のアナログ出力電圧Vd に対して、前記直流電
圧計64の目盛表示を図11に示すように形成することによ
り、キャンドモータポンプのベアリング軸方向摩耗量を
検出することができる。
【0034】また、図12に示すように両検出部54,55の
一方を円周方向に、または、図13に示すように両検出部
54,55の両方若しくは図示しないが一方を軸方向にずら
せて配置し、あるいは図14に示すように第1の線パター
ン46と第2の線パターン48を円周方向にずらせて配置し
て、ロータ軸43が初期軸方向中間位置にある時に、第1
の線パターン46の被検出線45が第1の検出部54の真下を
通過する際にこの第1の線パターン46の被検出線45に対
応する第2の線パターン48の被検出線47がその回転軌跡
に沿って第2の検出部55の真下から被検出線45,46の円
周方向配置ピッチ2πR/Zの1/4後方に位置するよ
うに設定すれば、位相差検知部59のアナログ出力電圧と
ロータ軸43の軸方向移動量との関係が図15に示すように
一直線となるので、前部スラストカラ67と前部ベアリン
グ10が当接する時のアナログ出力電圧Vcf、後部スラス
トカラ68と後部ベアリング8が当接する時のアナログ出
力電圧Vcr、前部ベアリング10が軸方向摩耗許容量Lfに
達した時のアナログ出力電圧Vdfおよび後部ベアリング
8が軸方向摩耗許容量Lr(Lf=Lr)に達した時のアナロ
グ出力電圧Vdrに対して、直流電圧計64の目盛表示を図
16に示すように形成することにより、前部ベアリング10
の軸方向摩耗か後部ベアリング8の軸方向摩耗かが判別
できる。
【0035】さらには、前部ベアリング10が軸方向摩耗
許容量Lfに達する位置から後部ベアリング8が軸方向摩
耗許容量Lrに達する位置までのロータ軸43の軸方向移動
許容範囲Lt内において、第1の検出部54の出力信号電圧
54に対する第2の検出部55の出力信号電圧V55の位相
遅れΔφが常に0<Δφ<πとなるように設定すれば、
例えば、図17に示すように、被検出線45の傾きがθであ
る第1の線パターン46と被検出線47の傾きが−θである
第2の線パターン48の軸方向長さWを、軸方向初期ギャ
ップLsと前部ベアリング10の軸方向摩耗許容量Lfおよび
後部ベアリング8の軸方向摩耗許容量Lrとの和、すなわ
ちロータ軸43の軸方向移動許容範囲Ltよりも若干長く設
定し、各被検出線45,47の一端から他端に至る円周方向
長さW・tan θが、各被検出線45,47の円周方向配置ピ
ッチ2πR/Zの1/4になるように、すなわちθ=ta
n -1〔πR/(2W・Z)〕に設定し、かつ、第1の線
パターン46の被検出線45に対応する第2の線パターン48
の被検出線47が回転方向に対して被検出線45,47の円周
方向配置ピッチ2πR/Zの1/4後方に位置するよう
に設定すれば、第1の検出部54の出力信号電圧V54に対
する第2の検出部55の出力信号電圧V55の位相遅れΔφ
は、ロータ軸43が前方へ移動して前部ベアリング10が軸
方向摩耗許容量Lfに達した時にはπより小さくこれに近
い値となり、ロータ軸43が後方へ移動して後部ベアリン
グ8が軸方向摩耗許容量Lrに達して時にはゼロより大き
くこれに近い値となって、ロータ軸43が正規の方向(図
示矢印方向)に回転している限りにおいて、常に第1の
検出部54の出力信号電圧V54に対して第2の検出部55の
出力信号電圧V55の位相が遅れるので、ゼロクロス検出
回路60の出力方形波パルス電圧V60に対するゼロクロス
検出回路61の出力方形波パルス電圧V61の位相の進み遅
れを判別する位相進み遅れ弁別回路65の発光ダイオード
66は点燈せず、ロータ軸43が逆方向に回転すると、第1
の検出部54の出力信号電圧V54に対して第2の検出部55
の出力信号電圧V55の位相が進むので、位相進み遅れ弁
別回路65の発光ダイオード66が点燈することとなり、キ
ャンドモータポンプのベアリング軸方向摩耗検出と併せ
てキャンドモータポンプの回転方向を検知することがで
きる。
【0036】そして、前記実施例によれば、両検出部5
4,55の出力信号電圧V54,V55の位相差を検知するこ
とにより、ベアリング軸方向摩耗量を検出するものであ
るから、両ベアリング8,10の半径方向摩耗によるロー
タ軸43の半径方向変位やロータ軸43の回転速度変化に対
しても指示値は左右されず、また、前記図36および図37
に示す従来例のようにステータ2の磁界を利用して軸方
向変位を検出するものではないので、キャンドモータポ
ンプの電源電圧変動や電源周波数変化にも影響されるこ
とがなく、インバータ駆動によるノイズ侵入のおそれも
なく、かつ前記近接センサーを設ける場合のようにキャ
ンドモータポンプにおいて通常取り扱われる高温液や高
圧液および腐蝕性液に対する問題ならびにリード線長の
問題もないので、両検出部54,55を本質安全構造にして
位相差検知部59を非危険場所に設置することにより、容
易に防爆仕様に対応できるなど、従来装置の欠点を解決
し、しかもロータ軸43の軸方向変位量、すなわちベアリ
ング軸方向摩耗量を極めて正確に検出することができ
る。
【0037】なお、前記図4、図7、図12、図13、図14
および図17に示す線パターン46,48においては、いずれ
も被検出体42の中心軸線44に対する第1の線パターン46
の被検出線45の傾きをθに、第2の線パターン48の被検
出線47の傾きを−θに設定したが、両線パターン46,48
の被検出線45,47の傾きの絶対値は同一でなくてもよ
く、第1の線パターン46の被検出線45に対応する第2の
線パターン48の被検出線47の傾きが相違してさえおれば
よい。
【0038】例えば、図18に示すように、第1の線パタ
ーン46の被検出線45の傾きがゼロで、第2の線パターン
48の被検出線47の傾きが−θでその前方端が第1の線パ
ターン46の被検出線45の延長線と合致している場合は、
第1の検出部54の出力信号電圧V54に対して第2の検出
部55の出力信号電圧V55の位相は、線パターン間二等分
円49が両検出部54,55を結ぶ直線の垂直二等分線71上に
ある時には、 〔W・Z/(2R)〕tan θ[rad ]遅れ、この位置か
らロータ軸43が軸方向前方にLa(La<W/2)の距離を
移動すると、 (W/2+La)(Z/R)tan θ[rad ]遅れ、ロータ
軸43が軸方向後方にLaの距離を移動すると、 (W/2−La)(Z/R)tan θ[rad ]遅れるので、
ロータ軸43の軸方向移動量Laに応じて両検出部54,55の
出力信号電圧V54,V55の位相差が直線的に変化する。
【0039】また、図19に示すように、第1の線パター
ン46の被検出線45の傾きθに対して、第2の線パターン
48の被検出線47の傾きが−θ´で|θ|<|θ´|の場
合は、第1の線パターン46の被検出線45の前方端と第2
の線パターン48の被検出線47の前方端が円周方向の同一
位置にあり、第1の線パターン46の被検出線45の後方端
から第2の線パターン48の被検出線47の後方端に至る円
周方向長さが両線パターン46,48の被検出線45,47の円
周方向配置ピッチ2πR/Zの1/2以下になるよう
に、すなわち、 W・(tan θ+tan θ´)≦πR/Z に設定すれば、第1の検出部54の出力信号電圧V54に対
して第2の検出部55の出力信号電圧V55の位相は、線パ
ターン間二等分円49が両検出部54,55を結ぶ直線の垂直
二等分線71上にあるときには、 〔W・Z/(2R)〕(tan θ+tan θ´)[rad ] 遅れ、ロータ軸43が軸方向前方へLaの距離を移動すれ
ば、 W/2+La)(Z/R)(tan θ+tan θ´)[rad ] 遅れ、ロータ軸43が軸方向後方へLaの距離を移動すれ
ば、 (W/2−La)(Z/R)(tan θ+tan θ´)[rad ] 遅れるので、同様にロータ軸43の軸方向変位量に応じて
両検出部54,55の出力信号電圧V54,V55の位相差が直
線的に変化する。
【0040】さらに、両線パターン46,48の各被検出線
45,47は、被検出体42の中心軸線44に対する傾きが一定
でなくともよく、例えば、図20に示すように、第1の線
パターン46の被検出線45を傾きがゼロの直線に、第2の
線パターン48の被検出線47を傾きが変化した曲線に形成
すると、ロータ軸43の軸方向変位に対する位相差検知部
59のアナログ出力電圧の関係は図21に示すようになっ
て、軸方向初期ギャップLsの指示値幅が少なくなり、ベ
アリング8または10が軸方向摩耗するに連れて単位摩耗
量に対するアナログ出力電圧が大きくなり、ベアリング
8または10が軸方向許容摩耗量LrまたはLfに達する近辺
の摩耗状況が直流電圧計64に拡大指示される。
【0041】また、1つの線パターンにおける複数の被
検出線は同じ形状でなくともよく、例えば、図22に示す
ように、傾きゼロの直線と傾きがθの直線との組合せに
よって線パターン46,48を形成してもよく、両線パター
ン48,46の被検出線45,47の数も例えば図23に示すよう
に同じでなくともよい。
【0042】要するに、線パターン46,48はロータ軸43
の軸方向変位に伴って両検出部54,55の出力信号の位相
差が変化して軸方向変位量が検出できるものであればよ
い。
【0043】また、前記各実施例においては、磁性鋼か
らなる環状体37および39の外周面をヘリカルギヤ歯状に
加工することにより、線状突起の被検出線45,47を設け
て両線パターン46,48を形成したが、非磁性体からなる
環状体37,39に被検出線45,47としての線状磁性体を埋
設して両線パターン46,48を形成してもよく、あるいは
図24および図25に示すように、両環状体37,39に替えて
環状永久磁石からなる回転磁極72を配設し、この回転磁
極72の外周面磁極の境界線が被検出体42の中心軸線44に
対して、軸方向前半部分ではθの傾きとなり、軸方向後
半部分では−θの傾きとなるように、環状永久磁石を着
磁して両線パターン46,48を形成してもよく、この場
合、両検出部54,55は、前記図1および図2に示すよう
に永久磁石からなる固定磁極50,51に検出コイル52,53
を巻装して構成する他、鉄心に検出コイルを巻装して構
成したり検出コイルに替えてホール素子や磁気抵抗素子
などの他の磁気電気変換素子を用いてもよい。
【0044】なお、前記のように回転磁極72によって線
パターン46,48を形成する場合、図26および図27に示す
ように、両検出部54,55を被検出体42の内径側に設ける
こともできる。
【0045】上記の実施例においては、永久磁石による
固定磁極50,51または回転磁極72を形成して線パターン
46,48の回転による磁気変化を生じさせ、この磁気変化
によって磁気電気変換素子からなる検出部54,55に出力
信号を発生させたが、次に、磁極による磁気変化以外の
手段によって両検出部54,55に出力信号を発生させる実
施例について説明する。
【0046】図28は、線パターン46,48の高周波インピ
ーダンス変化によって検出部54,55に出力信号を発生さ
せるもので、金属材からなる環状体の外周面をヘリカル
ギヤ歯状に加工することにより、線状突起からなる被検
出線45,47を形成して線パターン46,48を形成し、検出
部54,55としての高周波発振形近接スイッチ73および74
をキャップ体33に液密に設けたガラス窓75,76を介して
それぞれ第1の線パターン46および第2の線パターン48
に近接配置し、両近接スイッチ73,74の出力端を近接ス
イッチアンプ部77,78を介して位相差検知部59に接続
し、近接スイッチ73,74の真下に線パターン46,48の被
検出線45,47が、すなわち、線状突起がくるときに近接
スイッチ73,74がONとなり、それ以外の部分がくると
きは近接スイッチ73,74がOFFとなるように、近接ス
イッチ73,74の感度を設定することにより、ロータ軸43
の回転によって線パターン46,48の被検出線45,47が近
接スイッチ73,74の真下を通過する毎に近接スイッチ7
3,74がON−OFFを繰り返して出力信号としての方
形波電圧が発生し、この両方形波電圧の位相差がロータ
軸43の軸方向変位に応じて変化する。
【0047】そして、この実施例によれば、検出部54,
55としては、前述したようにロータ軸43の軸方向変位に
よるロータ軸43端面の軸方向位置変化を検出する高精度
な高周波発振形近接センサーではなく、高周波インピー
ダンスの大きな変化を検知する高周波発振形近接スイッ
チ73,74を使用するので、安価につくとともにポンプ取
扱液の温度変化による検出誤差は少なく、およびこの近
接スイッチ73,74の出力信号は方形波電圧となるので、
位相差検知部59は前記図3において平均化回路63と直流
電圧計64を設けるのみの簡単な構成ですむ。
【0048】なお、この実施例においては、高周波発振
形近接スイッチ73,74に代えて、インダクタンスの変化
を検知する差動コイル形やキャパシタンスの変化を検知
する静電容量形さらには超音波式の近接スイッチが検出
部として同様に使用できる。次に、図29は、光反射率の
相違によって検出部54,55に出力信号を発生させるもの
で、補助軸36の円周面上に光反射体からなる被検出線4
5,47を設けて線パターン46,48を形成して被検出体42
を構成し、キャップ体33に液密に設けたガラス窓79を介
して発光器80a ,81a と受光器80b 81b とを一体に構
成した光電スイッチ80,81を検出部54,55としてそれぞ
れ第1の線パターン46および第2の線パターン48に近接
配設し、両光電スイッチ80,81の出力端を光電スイッチ
アンプ部82,83を介して位相差検知部59に接続したもの
で、線パターン46,48の被検出線45,47とそれ以外の部
分との光反射率の違いによって、被検出線45,47が光電
スイッチ80,81の真下を通過するときに光電スイッチ8
0,81から出力信号が発生するように、光電スイッチ8
0,81の検出感度を調整すればよい。
【0049】また、図30は、光透過率の相違によって検
出部54,55に出力信号を発生させるもので、前記図29の
場合と同様にキャップ体33にガラス窓79を設けて光電ス
イッチ80,81の受光器80b ,81b を配設し、被検出体42
の後部側を中空円筒状に形成して、この円筒状壁面に被
検出線45,47としての線状スリットを削設して線パター
ン46,48を形成し、ガラス管84に発光器85を液密に内設
して構成した発光管体86を、被検出体42の中空円筒状部
内に非接触に挿入配設したもので、線パターン46,48の
被検出線45,47とそれ以外の部分との光透過率の違いに
よって、被検出線45,47が光電スイッチ80,81の受光器
80b ,81b の真下を通過するときに出力信号が発生する
ように光電スイッチ80,81の検出感度を調整すればよ
い。
【0050】前記図29および図30に示すいずれの実施例
も、ポンプ取扱液が比較的高温液、高圧液および腐蝕性
の高い液であっても対応でき、また、光電スイッチ80,
81の出力信号は方形波電圧となるので、検出部54,55に
前記近接スイッチ73,74を使用した場合と同様に位相差
検知部59が簡単な構成ですむが、懸濁液には不適であ
る。
【0051】また、光反射率および光透過率の他、図示
しないが、光屈折率の相違によってて線パターン46,48
を形成しても、同様に検出部54,55に出力信号を発生さ
せることができる。
【0052】なお、前記各実施例においては、第1の線
パターン46と第2の線パターン48とは同一の被検出体42
内に並設したが、例えば、図31に示すように、第1の線
パターン46と第1の検出部54はキャンドモータポンプの
アダプタ部87に、第2の線パターン48と第2の検出部55
はキャンドモータポンプの後端部に設けるなど隔設して
もよい。
【0053】また、位相差検知部59も両検出部54,55の
出力信号の位相差を検出できるものであればよく、例え
ば、永久磁石からなる固定磁極50,51に検出コイル52,
53を巻装して検出部54,55を構成した前記図1および図
2に示す実施例において、キャンドモータポンプの電源
周波数および電源電圧ならびにポンプ負荷がほぼ一定で
ロータ軸43の回転数が殆ど変化せず、検出部54,55の出
力信号として振幅および周波数がほぼ一定の連続正弦波
電圧が得られる場合は、図32に示すように検出コイル5
2,53を直列にして交流電圧計88に接続すれば、両検出
部54,55の出力信号電圧V54,V55のベクトル合成電圧
【0054】
【0055】が交流電圧計88に指示されるので、両検出
部54,55の出力信号の位相差が検出できる。
【0056】以上、本発明の回転機械の軸方向変位検出
装置をキャンドモータポンプに適用した実施例について
説明したが、他の回転機械にも同様に適用でき、特にす
べりベアリングを使用した回転機械のベアリング軸方向
摩耗検知に最適である。
【0057】
【発明の効果】本発明の回転機械の軸方向変位検出装置
によれば、第1の線パターンと第2線パターンの回転に
よって第1の検出部と第2の検出部にそれぞれ生じる出
力信号の位相差を検知して回転部の軸方向変位を検出す
るので、前記両検出部にそれぞれ検出コイルを採用して
この両検出コイルを交流電圧計に直列に接続した簡易な
位相差検知部を構成した場合を除き、回転部の回転数変
化や半径方向変位に左右されずに軸方向変位量が正確に
検出でき、さらに回転部が電動機ロータである場合は、
電源電圧や電源周波数の影響を受けず、およびインバー
タ電源による高周波ノイズの影響を受けず、特にキャン
ドモータポンプに適用する場合は、永久磁石による固定
磁極または回転磁極を形成して線パターンの回転による
磁気変化を生じさせることにより前記両検出部に出力信
号を発生させる手段を採用すると、従来の近接センサー
をキャンドモータポンプのロータ軸端面に近接して配設
する場合のように、ポンプ取扱液に対する耐熱性、耐圧
性および耐蝕性を殆ど考慮する必要がなく、およびリー
ド線長の問題もなく、簡易かつ廉価に防爆仕様に対応で
き、既設のキャンドモータポンプにも簡単に適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を固定磁極に対するパーミアンスが相違
する線パターンを形成してキャンドモータポンプに適用
した実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【図3】同上実施例の位相差検知部の回路図である。
【図4】同上実施例において両線パターンと同心同径で
両線パターンから等距離の位置にある線パターン二等分
円が両検出部を結ぶ直線の垂直二等分線上にある場合の
両線パターンと両検出部との位置関係を示す展開説明図
である。
【図5】図4に示す位置関係における両検出部の出力信
号電圧の位相関係を示す説明図である。
【図6】図4に示す位置関係における位相差検知部の両
ゼロクロス検出回路の出力方形波パルス電圧の位相関係
とEX−OR回路の出力方形波パルス電圧の様相を示す
説明図である。
【図7】同上実施例において両線パターンと同心同径で
両線パターンから等距離の位置にある線パターン二等分
円が両検出部を結ぶ直線の垂直二等分線上から軸方向移
動した場合の両線パターンと両検出部との位置関係を示
す展開説明図である。
【図8】図7に示す位置関係における両検出部の出力信
号電圧の位相関係を示す説明図である。
【図9】図7に示す位置関係における位相差検知部の両
ゼロクロス検出回路の出力方形波パルス電圧の位相関係
とEX−OR回路の出力方形波パルス電圧の様相を示す
説明図である。
【図10】同上実施例における軸方向移動量と位相差検
知部のアナログ出力電圧の関係を示すグラフである。
【図11】同上実施例における位相差検知部の直流電圧
計の目盛表示を示す説明図である。
【図12】同上実施例においてそれぞれ両線パターンと
両検出部の位置関係を変えた場合の展開説明図である。
【図13】同上実施例においてそれぞれ両線パターンと
両検出部の位置関係を変えた場合の展開説明図である。
【図14】同上実施例においてそれぞれ両線パターンと
両検出部の位置関係を変えた場合の展開説明図である。
【図15】同上軸方向移動量と位相差検知部のアナログ
出力電圧の関係を示すグラフである。
【図16】同上位相差検知部の直流電圧計の目盛表示を
示す説明図である。
【図17】同上実施例において軸方向変位検出とともに
回転方向検知を行うための両線パターンと両検出部の位
置関係を示す展開説明図である。
【図18】同上実施例において両線パターンの被検出線
の傾きが異なる場合を示す展開説明図である。
【図19】同上実施例において両線パターンの被検出線
の傾きが異なる場合を示す展開説明図である。
【図20】同上実施例において一方の線パターンの被検
出線を曲線にした場合を示す展開説明図である。
【図21】同上軸方向移動量と位相差検知部のアナログ
出力電圧の関係を示すグラフである。
【図22】同上実施例において各線パターンにおける被
検出線の傾きが異なる場合を示す展開説明図である。
【図23】同上実施例において両線パターンの被検出線
の数が異なる場合を示す展開説明図である。
【図24】本発明を回転磁極にて線パターンを形成して
キャンドモータポンプに適用した実施例を示す部分縦断
面図である。
【図25】図24のA−A線横断面図である。
【図26】同上別の実施例を示す部分縦断面図である。
【図27】図26のB−B線横断面図である。
【図28】本発明を線パターンの高周波インピーダンス
変化を検知する近接スイッチにて検出部を形成してキャ
ンドモータポンプに適用した実施例を示す部分縦断面図
である。
【図29】本発明を線パターンの光反射率変化を検知す
る光電スイッチにて検出部を形成してキャンドモータポ
ンプに適用した実施例を示す部分縦断面図である。
【図30】本発明を線パターンの光透過率変化を検知す
る光電スイッチにて検出部を形成してキャンドモータポ
ンプに適用した実施例を示す部分縦断面図である。
【図31】本発明を第1の線パターンと第1の検出部に
対して第2の線パターンと第2の検出部とを隔設してキ
ャンドモータポンプに適用した実施例を示す縦断面図で
ある。
【図32】本発明の位相差検知部の他の実施例を示す回
路図である。
【図33】キャンドモータポンプのベアリング半径方向
摩耗を電気的に検出する従来装置を示す縦断面図であ
る。
【図34】図33のC−C線横断面図である。
【図35】同上回路図である。
【図36】キャンドモータポンプのベアリング軸方向摩
耗を電気的に検出する従来装置を示す縦断面図である。
【図37】同上回路図である。
【図38】キャンドモータポンプのベアリング摩耗を機
械的に検出する従来装置を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 キャンドモータ 8 後部ベアリング 10 前部ベアリング 42 被検出体 43 回転部としてのロータ軸 44 回転部の中心軸線 45,47 被検出線 46 第1の線パターン 48 第2の線パターン 49 線パターン間二等分円 50,51 固定磁極 52,53 磁気電気変換素子としての検出コイル 54 第1の検出部 55 第2の検出部 59 位相差検知部 60,61 ゼロクロス検出回路 62 EX−OR回路 63 平均化回路 64 直流電圧計 65 位相進み遅れ弁別回路 67 前部スラストカラ 68 後部スラストカラ 69,70 調整座 71 両検出部の中心を結ぶ直線の垂直二等分線 72 固定磁極 73,74 高周波発振形近接スイッチ 80,81 光電スイッチ 87 交流電圧計

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒周面上に形成した1または複数の被
    検出線からなって回転機械の回転部に同軸に設けた第1
    の線パターンおよび第2の線パターンと、前記回転部の
    回転による前記第1の線パターンの被検出線および前記
    第2の線パターンの被検出線の通過による物理量の変化
    をそれぞれ検知する第1の検出部および第2の検出部
    と、この両検出部の出力信号の位相差を検知する位相差
    検知部とからなり、前記第1の線パターンの被検出線と
    この被検出線に対応する前記第2の線パターンの被検出
    線との前記回転部の中心軸線に対する傾きを相違させた
    ことを特徴とする回転機械の軸方向変位検出装置。
  2. 【請求項2】 線パターンに近接して固定磁極を設け、
    この固定磁極に対する前記線パターンのパーミアンスが
    被検出線とそれ以外の部分とで相違するように前記線パ
    ターンを形成し、この線パターンの被検出線の通過によ
    って生じる固定磁極の磁束変化を検出する磁気電気変換
    素子を設けて検出部を構成したことを特徴とする請求項
    1に記載の回転機械の軸方向変位検出装置。
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JP4946177B2 (ja) * 2005-05-24 2012-06-06 日本精工株式会社 変位測定装置付転がり軸受ユニット及び荷重測定装置付転がり軸受ユニット
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