JPH0361134B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は回転状態において回転軸上にある円板
相互の相対変位角を非接触で測定する装置に関す
るものである。

「従来の技術］ 回転状態における相対変位角の測定は、例えば
捩れ軸動力計等に利用されるもので、回転軸の標
点間における捩れ角よりトルクの測定、或いは動
力の測定などが行われるものである。

そして、この様な相対変位角の測定方法として
歪ゲージ等の出力を滑動環及び刷子等を通してそ
の信号を外部に出力させて行う接触型と、捩れの
標点に２枚の円板を取付けられた永久磁石片と、
これと対向した検出線輪からの出力パルスの位相
差の検出より、相対変位角を求める非接触型があ
る。

「発明が解決しようとする技術的課題」 しかしながら前者においては滑動環、刷子間の
接触抵抗を常に正常状態に保持するための保守の
点に問題があり、後者においては回転速度を利用
して磁速変化で生じたパルスの位相差より変位角
を求めるために、静止状態での測定、較正を行う
事が出来ず、等価的な回転速度を得るための電動
機などを必要とするところに問題がある。

本発明はかかる従来技術の欠点を解消するため
に、非接触型測定手段を採用しつつ、測定用電源
の周波数や電圧変動に対しても安定して高精度に
相対変位角を測定し得るとともに、その較正も容
易に行ない得る相対変位角を非接触で測定する装
置に関するものである。

「課題を解決する為の技術手段」 本発明はかかる技術的課題を達成するために、
図１に示すように 回転軸３０の一側を延設し、該回転軸３０より
大径の支持軸１上に固定された２枚の固定円板
４，５と、 一の軸端側２ａを前記回転軸３０に固定させる
と共に、他側自由端側２ｂを前記回転軸３０に遊
嵌状態で支持軸１側に延設させたねじれ角伝達ス
リーブ２と、 該固定円板４，５間に配置され、結合部材８を
介してねじれ角伝達スリーブ２に連結された一の
中間円板７と、 該中間円板７と固定円板４，５の夫々の対向す
る周面上に配置された誘導鉄心９〜１２と、 該誘導鉄心９〜１２の内、夫々の対向する誘導
鉄心対９−１１／１０−１２の夫々の外周囲を囲
繞する如く前記中間円板７と固定円板４，５間に
介装された一対の固定環状励磁線輪１３，１４か
らなり、 前記線輪１３，１４に交流電圧を印加し、その
交流励磁電流を差動的に検出する事により、前記
回転軸３０とねじれ角スリーブ２間の相対変位角
を測定可能にした事を特徴とする相対変位角測定
装置を提案する。

「実施例」 以下、図面に基づいて本発明の実施例を例示的
に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されて
いる構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置
などは特に特定的な記載がない限りは、この発明
の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる
説明例に過ぎない。

第１図は本発明の実施例に係る測定装置を示す
慨略図を示し、 ３０は回転軸でその一側を延設し、該回転軸３
０より大径の支持軸１を設け、該支持軸１上に所
定間隔介して２枚の固定円板４，５を対向配置可
能に固定する。、 又前記回転軸上にはねじれ角伝達スリーブ２が
同心上に遊嵌されており、該スリーブ２の一の軸
端側２ａを前記回転軸３０に固定させると共に、
他側自由端側２ｂを前記回転軸３０に遊嵌状態で
支持軸１側に延設させる。又前記スリーブ外周に
は被測定対象たるダイナモメーター用発電機０が
一体的に嵌着されている。、 一方前記固定円板４，５間に挟まれる支持軸１
上には中間スリーブが同心上に遊嵌されており、
該中間スリーブの中央位置、即ち固定円板４，５
間の中間位置に中間円板７が固定されている。

そして回転軸側の一の固定円板に設けた空所内
を貫通する結合部材８を介してねじれ角伝達スリ
ーブ２の軸端側と前記中間円板７間を連結し、該
スリーブのねじれ角がそのまま中間円板に伝達可
能に構成している。

又中間円板７の両周面とと固定円板４，５内側
周面の夫々の対向する周面上には断面Ｌ字状のリ
ング状誘導鉄心９〜１２が夫々放射状に配置固定
されている。、 そして該誘導鉄心９〜１２の、夫々の対向する
誘導鉄心対９−１１／１０−１２外周側に位置す
る断面矩形状のリング空間には夫々固定環状励磁
線輪１３，１４が環装されている。

尚、該一対の励磁線輪１３，１４は取付け台１
７に取付けられ、１５，１６は該線輪１３，１４
の端子である。

第２図は固定円板４，５側の誘導鉄心９，１０
と中間円板側の対向誘導鉄心１１，１２との相互
関係を示したものである。

イ図において対向誘導鉄心１１に対して誘導鉄
心９を前記鉄心の1/2幅だけ時計針の方向の進み
位置に設定したとすれば、ロ図のように対向誘導
鉄心１２に対し、誘導鉄心１０は前記鉄心の1/2
幅だけ遅れ位置に設定されるものとする。

今、発電機０の回転子が静止、又はダイナモメ
ータ発電機０が無負荷で回転軸３０の捩れが全く
無い状態では励磁線輪１３，１４の端子１５，１
６に交流電圧を印加すれば、夫々の誘導鉄心９，
１０と対向誘導鉄心１１，１２との対向面積は
夫々等しいために、その誘導リアクタンスも等し
く、励磁線輪１３及び１４に流れる励磁電流も等
しく、これを差動的に検出すれば、その時の出力
は零で当然の事ながら変位角も零である。

もし、回転軸３０に負荷されて回転軸３０に捩
れ角が生ずれば、外側円板４，５と中間円板７と
はねじれ角伝達スリーブ２と結合片８を介して相
対的の角変位を起こし、外側円板４に対して中間
円板７が時計方向に回動するものとすれば、第２
図イの誘導鉄心９と対向誘導鉄心１３との対向面
積は増加するのでその誘導リアクタンスは増加
し、ロ図の誘導鉄心１０と対向誘導鉄心１２との
対向面積は減少する事になり誘導リアクタンスは
減少する。

従つて、両励磁線輪１３，１４とが差動的に接
続されているので、その差電流は角変位に対応し
た値として検出される事になる。

第３図は誘導鉄心９，１０と対向誘導鉄心１
１，１２の形状についての略図である。イ図は誘
導鉄心９と対向誘導鉄心１１の両者が扇形の場合
で、珪素鋼板が図の様に積層されて構成される。

ロ図において誘導鉄心１０は珪素鋼板を積層し
て構成されるが、その対向鉄心を特に設ける事も
なく、中央円板７をやや厚めの鉄損の少ない電気
鉄板とし、誘導鉄心１０に対向する部分を残して
たの部分を穿孔した空心部分１０′である。

従つて該空心部分１０′が対向誘導鉄心１１，
１２として機能する。

「効果」 本発明は以上に説明したように誘導鉄心と対向
誘導鉄心の外周上を囲み一対の固定した環状の線
輪を差動的に接続して出力させているもので、軸
の回転静止に関係なく非接触状態で相対変位角を
検出するようにしたために、励磁電源の周波数、
電圧変動に対しても安定して高精度の相対変位角
の測定及びその較正も容易に可能ならしめる事が
出来る。

特に本発明は回転軸の一側を延設し測定用の支
持軸を形成しつつ、該支持軸を被測定対象足る回
転軸より大径に設定した為に、該支持軸上でねじ
れ等が生じる余地がなく、回転軸側の相対変位角
を精度よく正確且つ確実に測定可能である。

又本発明は被検知用の回転軸一側を延設し測定
用の支持軸を一体的に形成しているために、相対
変位角の測定精度が正確且つ確実であるととも
に、該支持軸の外周囲に単に固定円板等を配設す
るのみで足りるために、装置構成も簡単である。

等の種々の著効を有す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る相対変位角測定
装置の慨略図である。第２図は誘導鉄心と対向誘
導鉄心との関係説明図である。第３図は誘導鉄心
と対向誘導鉄心の形状図である。 ３０：回転軸、４，５：固定円板、１：支持
軸、２：ねじれ角伝達スリーブ、７：中間円板、
９〜１２：誘導鉄心、１３，１４：固定環状励磁
線輪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転軸の一側を延設し、該回転軸より大径の
   支持軸上に固定された２枚の固定円板と、 一の軸端側を前記回転軸に固定させると共に、
   他側自由端側を前記回転軸に遊嵌状態で支持軸側
   に延設させたねじれ角伝達スリーブと、 該固定円板間に配置され、結合部材を介してね
   じれ角伝達スリーブに連結された一の中間円板
   と、 該中間円板と固定円板の夫々の対向する周面上
   に配置された誘導鉄心と、 該誘導鉄心の内、夫々の対向する誘導鉄心対の
   夫々の外周囲を囲繞する如く前記中間円板と固定
   円板間に介装された一対の固定環状励磁線輪から
   なり、 前記線輪に交流電圧を印加し、その交流励磁電
   流を差動的に検出する事により、前記回転軸とね
   じれ角スリーブ間の相対変位角を測定可能にした
   事を特徴とする相対変位角測定装置。