JP3370230B2 - 誘導電動機の運転監視装置 - Google Patents

誘導電動機の運転監視装置

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JP3370230B2
JP3370230B2 JP10197496A JP10197496A JP3370230B2 JP 3370230 B2 JP3370230 B2 JP 3370230B2 JP 10197496 A JP10197496 A JP 10197496A JP 10197496 A JP10197496 A JP 10197496A JP 3370230 B2 JP3370230 B2 JP 3370230B2
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展宏 檜垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機の運転
監視装置に係り、特にすべり軸受により回転子軸を支持
する構造を有するキャンドモータポンプ等の、すべり軸
受の摩耗の進行状況等を検出して表示する運転監視装置
に関する。更に詳細には、軸受等の摩耗の進行により回
転子部分が固定子内部でスラスト方向或いはラジアル方
向に異常な変位を発生し、最悪の場合、固定子と回転子
の接触など誘導電動機自体に致命的な損傷が発生するこ
とを防止するための運転監視装置に関する。また、誘導
電動機の回転方向を検出可能にする誘導電動機の運転監
視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】キャンドモータポンプ等、回転子軸を支
持する軸受部にすべり軸受を用いている誘導電動機にお
いて、該誘導電動機を長期間使用した場合や異物の混入
等が原因で発生するすべり軸受の摩耗により、該誘導電
動機に致命的な損傷が発生することがある。致命的な損
傷を防止するため、すべり軸受の摩耗を検出し、該誘導
電動機外部へ表示することにより早期の保守を促すこと
を目的とした軸受摩耗検出方法の一例が、特願平03−
204025号特許出願に開示されている。また誘導電
動機始動時に誘導電動機回転子鉄心が所定の方向に回転
していることを検出する方法としては、特願平03−2
04023号特許出願に開示されている。
【0003】従来、回転子軸部分を支える軸受にすべり
軸受を使用するキャンドモータポンプ等の誘導電動機に
おいて、機器本体の長期使用や異物の混入など何等かの
原因により、該すべり軸受が摩耗損傷した場合に発生す
る回転子の異常振れ回り現象は、該誘導電動機の異常振
動や騒音の発生原因となり、また振れ回り量が増加する
と最悪の場合、回転子鉄心と固定子鉄心に接触等が発生
し機器自体の故障原因となっていた。
【0004】特に、キャンドモータポンプは回転子鉄心
と固定子鉄心それぞれに金属隔壁(キャン)を設け、そ
の隙間に取扱液を流すことによって機器本体の発熱を押
さえ、且つ電動機全体が一体の圧力容器となる構造のた
め、この取扱液が外部へ漏れることのない構造を特徴と
している。しかしながら、すべり軸受の摩耗進行により
回転子鉄心の異常振れ回りが発生し、回転子鉄心と固定
子鉄心が接触を起こした場合、回転子鉄心と固定子鉄心
のそれぞれの金属隔壁が損傷し、固定子鉄心或いは回転
子鉄心内部へ取扱液が進入し、この取扱液の進入によっ
て固定子鉄心側には固定子巻線の絶縁不良が、回転子鉄
心側には錆などが発生するなど、致命的故障の原因とな
る。
【0005】また、このキャンドモータポンプはポンプ
とモータ間にシール部を持たない一体の圧力容器構造の
ため、軸受摺動面を本体外部より目視することが不可能
であり、長期の使用や異物の混入など何等かの原因によ
り軸受に摩耗が発生した場合においても、その変化を外
部より確認することが出来ず、従来は軸受の交換は、定
期的な点検や保守を行う作業員の経験則によって行われ
てきた。
【0006】このため、軸受の摩耗により発生する損傷
を未然に防ぐ手段として、軸受の摩耗状況を電気的また
は機械的な検出手段を用いて検出し、モータポンプ外部
に表示して、致命的な損傷が発生する前に軸受の保守点
検を促す技術が各種提案され、一部実施されてきた。
【0007】これまで提案又は実施されてきた軸受の摩
耗状況を機械的に検出する手段には、電動機回転子端に
回転子と固定子間の隙間を一定に保った機械的接触部
と、この接触部が回転体との接触摩耗によって、その内
部に封入したガスが外部に排出される検出機構がある。
軸受摩耗が発生した場合、回転子に異常な振れ回りが発
生するため、この振れ回りにより回転子と検出機構の接
触部の一部が接触破壊し、検出器内部に封入されたガス
が接触面より漏れ、検出機構の内部圧力がさがることを
利用して外部に軸受摩耗が発生したことを表示する。こ
の軸受摩耗検出機構の場合、一度軸受摩耗表示動作を行
った後は、検出機構内部に封入されたガスが放出されて
しまうため、摩耗した軸受部の交換と共に検出機構自体
の交換も必要で、保守の手間と保守部品の増加を余儀な
くしている。
【0008】さらにこの機械的検出手段を用いて軸受摩
耗を検出することは、検出手段の表示が出た時点ではす
でに摩耗が著しく進行した後であるため、軸受摩耗の推
移を観察することができず、保守の予定時期の想定が立
てられないといった問題点がある。
【0009】また、電気的検出手法を用いた軸受摩耗検
出器については、軸受摩耗時に回転子部が異常な振れ回
りを発生することでモータ主磁界の一部に不平衡が発生
し、この不平衡成分を検知することで軸受の摩耗を検出
表示しようとするといった方法が挙げられる。しかしな
がら、この方法を用いた場合、誘導電動機の主磁界を検
出するためのサーチコイルを固定子鉄心に巻き込むか、
又は電動機巻線の巻線構造を特殊なものに限定する、と
いったように電動機自体の構造を複雑で特殊な物にして
しまい、該誘導電動機を安価に商品提供することを妨げ
る原因となっている。
【0010】一方、該誘導電動機を動力源として運転さ
れるポンプなどの回転機械は、その回転方向が指定され
ているものが多い。仮に逆方向に回転させた場合に、所
定の機能を発揮できないばかりでなく、各ねじ部の緩み
や、異常振動などを誘発し、長期間の運転では機器その
ものが損傷しかねない。
【0011】このため、従来より用いられてきた相順の
検出方法としては、回転機械の動力源となる該誘導電動
機と回転機械を組み合わせた後に、誘導電動機を一瞬起
動させ僅かに慣性力で回っている回転子軸の回転方向を
目視により点検する方法や、特願平03−204023
号特許出願などに提案されている、電気的な平衡回路を
用いた方法などが用いられている。
【0012】しかしながら、目視によって確認する方法
は、一瞬誘導電動機を起動してその後慣性力で回転して
いる回転子軸を電動機外部より目視により点検すること
が必要であるが、キャンドモータポンプのように外部よ
り回転子軸を目視することのできない構造をもった電動
機には適用できない。誘導電動機に入力される三相電源
の相順を三相平衡回路などで検出し、入力される相順を
見ることによって回転子が正規の回転方向であることを
確認する方法は、該誘導電動機自体に入力する電圧が高
圧電源である場合など、三相平衡回路を直接電源に接続
できない場合には対応不可能であるなどの問題点があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みて為されたもので、キャンドモータポンプ等の
回転軸が目視不可能な誘導電動機の、軸受の摩耗状況等
を容易に監視できる運転監視装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の誘導電動機の運
転監視装置は、誘導電動機固定子鉄芯の内周面側の一部
を切り欠き、固定子鉄心と回転子鉄心間の磁気空隙対向
面に発生する主磁界を一部規制し、主磁界領域外に該誘
導電動機固定子鉄心と回転子鉄心間の漏洩磁束の磁気電
気変換を行う磁気電気変換素子を設け、該磁気電気変換
素子は前記漏洩磁束を導く検出鉄心と検出コイルとから
構成され、前記検出コイルのインダクタンスの変化に基
づいて、軸受の摩耗を検出することを特徴とする。
【0015】また、前記磁気電気変換素子は誘導電動
機固定子鉄心の少なくとも一端面に回転子軸を中心とし
て、対向に2個一組で設置されたことを特徴とする。
【0016】また、前記2個一組で設置された磁気電気
変換素子の、すべり軸受の摩耗等によって発生する
回転子鉄心のラジアル方向振れ回り変位を、前記磁気電
気変換素子それぞれの発生する出力の差動出力変化と
して検出することを特徴とする。
【0017】また、前記磁気電気変換素子は、固定子鉄
心の端面および他方の端面所定角度ずらせて設置さ
れ、両磁気電気変換素子の差動出力変化として軸受のス
ラスト方向摩耗を検出することを特徴とする。
【0018】また、個の磁気電気変換素子の磁気電気
変換出力と、所定角度ずらせて設置した他の一個の磁気
電気変換素子の移相回路を通った出力との差動出力を検
出することで、前記誘導電動機の回転方向を検出する
能を備えたことを特徴とする。
【0019】
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0021】図1及び図2は、キャンドモータポンプ等
の回転子軸を支える軸受部にすべり軸受を用いた誘導電
動機の要部を示す、回転子軸に沿った断面図と、回転子
軸に垂直な固定子端面の断面図である。回転子鉄心2
は、固定子鉄心1に備えた巻線3が形成する回転磁界に
より、回転子軸4のまわりに回転駆動される。回転子軸
4は、図示しないすべり軸受により、ラジアル方向及び
スラスト方向に支持されている。同様に図示しないが、
固定子鉄心1及び回転子鉄心2はそれぞれキャンにより
封止されており、その間にポンプの取扱液が循環するよ
うになっている。
【0022】固定子鉄心1の右側の端面には、回転子軸
4を挟んで対向する位置に固定子鉄心と回転子鉄心間の
漏洩磁束を磁気電気変換を行う磁気電気変換素子11,
12を備える。固定子鉄心1の左側の端面には、同様に
回転子軸4を挟んで対向する位置に磁気電気変換素子1
3,14を備えるが、これらは磁気電気変換素子11,
12に対して回転(θ)方向にそれぞれ120°ずれた
位置に配置されている。
【0023】図3は、誘導電動機の固定子鉄心の一部を
切欠き、磁気電気変換素子を配置した部分を示す。誘導
電動機の固定子鉄心両端面に一部切欠きを設けること
で、該固定子鉄心と回転子鉄心間の磁気空隙対向面にあ
る主磁界の一部が規制される。即ち、固定子鉄心と回転
子鉄心間の空隙面に磁束が集中して、切欠き部分には漏
洩磁束のみが存在することになる。この両端面のそれぞ
れに2個一組の磁気電気変換素子対を各一組設けること
により、これらの配置された位置における漏洩磁束を検
出する。
【0024】図3に示したように、該誘導電動機固定子
鉄心1の両端面で且つ固定子鉄心1の一部を切欠くこと
で、電動機起動状態時には、固定子鉄心1と回転子鉄心
2間の磁気空隙対向面に発生する主磁界領域を規制す
る。該主磁界領域の外に該磁気電気変換素子11〜14
を設置することで、誘導電動機主磁界の影響をさけて、
固定子鉄心2と回転子鉄心1間の漏洩磁束が電気信号に
変換される。
【0025】磁気電気変換素子は、固定子鉄心1から回
転子鉄心2に磁束を導く検出鉄心17と検出コイル16
とから構成される。即ち、固定子鉄心1から検出鉄心1
7を通り、空隙長さxを通り、回転子鉄心2を通り、空
隙を経て固定子鉄心1に戻る磁気回路が形成される。
【0026】今、固定子鉄心1、回転子鉄心2および検
出鉄心17の透磁率は無限大とし、検出鉄心17と回転
子鉄心1間の空隙の透磁率をμ0 、同じく空隙長さを
x、空隙の有効断面積をS、検出コイル16の巻線数を
Nとすると、検出コイル16のインダクタンスLは次の
式に表される値となる。 L=N2μ0S/x ・・・・・ (1)
【0027】誘導電動機の回転子軸を支える軸受のラジ
アル方向摩耗が発生し、回転子鉄心2がラジアル方向に
偏心移動した場合、図3に示すように式(1)を構成す
る変数の内、空隙長さxが増加又は減少すると、インダ
クタンスLはxに反比例して変化する。式(2)に示す
ように、空隙長さxが減少する摩耗が発生した場合、イ
ンダクタンスL1は増加する。式(3)に示すように、
空隙長さxが増加する摩耗が発生した場合、インダクタ
ンスL2は減少する。 L1=N2μ0S/(x+Δx) ・・・・・ (2) L2=N2μ0S/(x−Δx) ・・・・・ (3)
【0028】図4は、磁気電気変換素子周辺の拡大図で
あり、スラスト摩耗発生時を示す。回転子軸を支える軸
受のスラスト方向摩耗が発生し、回転子鉄心1がスラス
ト方向に移動した場合、式(1)を構成する変数の内、
空隙の有効断面積Sが変化する。このため、有効断面積
Sが減少又は増加する摩耗が発生した場合、インダクタ
ンスLはこれに比例して減少又は増加する。(4)式に
示すように、有効断面積Sが増加する摩耗が発生した場
合、インダクタンスL3は増加する。(5)式に示すよ
うに、有効断面積Sが減少する摩耗が発生した場合、イ
ンダクタンスL4は減少する。 L3=N2μ0 (S+ΔS)/x ・・・・・ (4) L4=N2μ0 (S−ΔS)/x ・・・・・ (5)
【0029】このように、図3及び図4に示した磁気電
気変換素子のインダクタンスLは、磁気電気変換素子の
検出鉄心17の検出部と回転子鉄心2との位置関係で変
化する。このインダクタンスLの変化は電動機内部の漏
洩磁束φの時間当たりの変化率を一定と仮定すると、検
出鉄心17と回転子鉄心2間の位置関係を表す電気信号
に変換される。 V=L×(dφ/dt) ・・・・・ (6)
【0030】この回転子鉄心2のラジアル・スラスト方
向への変位による磁気電気変換出力の変化成分のみを出
力するため、図2に示すように磁気電気変換素子11,
12,13,14を回転子軸4を挟んだ対向位置及び固
定子鉄心1の両端面に設置し、図5(A)に示す信号処
理回路のように接続する。今、回転子鉄心2が何等かの
原因で固定子鉄心1のなかで振れ回りを起こし、ある時
間において回転子軸を挟んで対向に設置した磁気電気変
換素子の一方へΔxだけ近づき、もう一方の磁気電気変
換素子からはΔxだけ遠ざかった場合、信号処理回路に
よって演算される対向に設置した一組の磁気電気変換素
子の差動出力を検出した出力は、図6(A)に示すよう
にラジアル摩耗量である移動量Δxに比例して変化す
る。
【0031】この図5(A)に示す信号処理回路によっ
て演算される各磁気電気変換素子の差動出力を等価式に
置き換えると、式(7)のようになり、回転子鉄心2の
固定子鉄心1中でのラジアル方向の位置変化を検出する
ことが可能であることが判る。即ち、ラジアル方向の変
化の検出電圧V12は、 V12=V1−V2 ={(N2μ0S/(x+Δx))−(N2μ0S/(x−Δx))}×(dφ/dt) =2Δx×(N2μ0S)/x2×( dφ/dt) ・・・・・(7) となる。
【0032】また、固定子鉄心1の一方の端面に対向に
一組の磁気電気変換素子を設置し、この差動出力V12
信号処理回路によって検出すると、差動出力の感度領域
は検出素子と回転子鉄心2の位置関係によって図7
(A)のような特性となる。つまり、回転子軸4を挟ん
で対向に設置される磁気電気変換素子11,12を結ん
だ方向に対して、直交する方向に近い移動方向には検出
感度が低下することになり、検出感度に一種の指向性が
生まれることとなる。このため、同様の構成を持った磁
気電気変換素子13,14をさらに一組、もう一方の端
面に設置し、固定子鉄心の両端に設置した二組の磁気電
気変換素子同士は、図2に示すように互いに120度回
転したずれた位置関係を持つように設置する。
【0033】このような位置関係で両端面にある二組の
磁気電気変換素子11,12と13,14を構成し、両
端面それぞれの差動出力を検出することで、各組の感度
領域中で感度が低下する領域を図7(B)に示すように
補うことが可能となり、検出感度の指向性を吸収するこ
とができる。即ち、ある角度のラジアル方向に摩耗が進
行している場合には、十分な指向性により摩耗が進行し
ている方向を検出することができる。
【0034】また同様にして、両端面に設置された二組
の磁気電気変換素子11,12及び13,14の内、そ
れぞれ1個の変換出力の差動出力を図5(B)に示す信
号処理回路を構成して取出す。何等かの原因で回転子鉄
心2が固定子鉄心1の中で軸方向に移動し、一方の端面
にある磁気電気変換素子に近づき漏洩磁束を受ける磁気
電気変換素子の面積がΔSだけ増加し、もう一方の端面
にある磁気電気変換素子から遠ざかるため漏洩磁束を受
ける面積がΔSだけ減少するとする。信号処理回路で演
算される検出出力V13(V24)は、回転子鉄心1のスラ
スト方向摩耗等による移動によって式(8)で表され
る。そして図6(B)に示すような差動出力特性が得ら
れる。スラスト方向の変化による検出電圧VTHは、 VTH=V3−V4 ={(N2μ0(S+ΔS)/x)−(N2μ0(S−ΔS)/x)}× ((dφ±dt)/dt) =2ΔS×( N2μ0S)/x×( dφ/dt) ・・・・・(8) となる。これにより、スラスト方向の変位、即ち軸受の
摩耗量が検出される。
【0035】また、このときのそれぞれの磁気電気変換
素子出力は、設置されている位置が回転子軸端からみて
一定の方向にねじれた位置(角度)に設置されているた
め、出力される電気信号は時間的な位相成分を含んだも
のとなっている。図2の磁気電気変換素子12,14を
例に挙げると 変換素子の出力電圧:V12=V0 Sin θ ・・・・・ (9) 変換素子の出力電圧:V14=V1 Sin(θ−120°)・・・・・(10)
【0036】このため、図5(B)に示す信号処理回路
は、一方の磁気電気変換素子出力信号を、所定の位相量
を移送回路51で移送し、もう一方の変換素子出力信号
との差動出力を得ることでラジアル方向の摩耗検出と同
様に、誘導電動機の運転点変化による検出信号への影響
を僅かなものにすることが可能になる。 移相回路の出力電圧:V12a=V0Sin{θ(−120°)}・・・・(11 ) 変換素子の出力電圧:V14=V1Sin(θ−120°) ・・・・・(12 ) V0=V1 の時 V12a−V14=0 ・・・・・(13 )
【0037】しかも、該誘導電動機に接続される三相交
流電源端子が所定の相順に接続されず、逆方向に回転す
るような相順に接続し、逆方向に回転した場合、図5
(B)に示す信号処理回路の位相調整回路により予め設
定された移相を行うため、式(11),(12),(1
3)の関係は次に示すように変化する。 移相回路の出力電圧:V12a=V0Sin{θ(−120°)} ・・・(14) 変換素子の出力電圧:V14=V1Sin(θ+120°) ・・・(15) V0=V1 の時 V12a−V14=2V0 ・・・・・(16)
【0038】つまり、誘導電動機が逆相で運転された場
合、磁気電気変換素子12,14の出力波形順序が逆転
する。このため、スラスト方向の摩耗検出のために設置
した信号処理回路と同様の論理を持った、一方の磁気電
気変換素子出力は所定の位相量だけ移相する回路を通っ
た後、もう一方の磁気電気変換素子出力と演算すると、
正転の場合では両出力が相殺されて差動出力が“0”と
なり、逆転の場合には両出力が加算されて”二倍の
0”となる。この出力をもって回転方向が逆転である
ことを判断するモータの回転方向(相順)検出回路を構
成することができる。
【0039】図8は、本発明の他の実施例の磁気電気変
換素子周辺の拡大図である。誘導電動機の固定子鉄心1
の両端面に対向に設置した2組計4個の磁気電気変換素
子11,12,13,14を設け、それぞれの組は互い
に120度ねじれた位置関係に配置することは、前述の
実施例と同様である。本実施例においては、更に固定子
鉄心1の一部に切欠けを設けずに、主磁界の外に固定子
鉄心1と回転子鉄心2間の漏洩磁束を該磁気電気変換素
子で検出する構造である。本実施例においても、ラジア
ル方向摩耗検出、スラスト方向摩耗検出、回転方向検出
等の機能を持たせることが可能である。従って、本実施
例によれば磁気電気変換素子の取付が容易で、ラジアル
方向及びスラスト方向の軸受摩耗の検出、モータ回転方
向の検出等の機能を備えた運転監視装置を安価に提供で
きる。
【0040】尚、上述した実施例は、固定子鉄心の両端
面に2個1組の磁気電気変換素子を2組設けた例につい
て説明したが、各端面に例えば3組ずつ計6組を設けて
もよい。これにより、より指向性の少ない軸受摩耗の検
出を行うことができる。更に、より多数組の磁気電気変
換素子を設けることにより、検出精度が更に向上するこ
とは勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば回転子軸
を支持するための軸受にすべり軸受を用いたキャンドモ
ータポンプ等の誘導電動機が、長期間使用などにより軸
受の摩耗等が発生すると、これを速やかに検出できる。
また、軸受の摩耗量は、ラジアル方向及びスラスト方向
に定量的に検出できるので、キャンドモータポンプ等の
回転軸が外部から目視不能な状態でも、モータポンプ等
に致命的な損傷を起す前に保全の処置を取ることができ
る。更に、モータの回転方向を容易に検出することがで
きるので、設置時の誤結線を速やかに見つけることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘導電動機の固定子鉄心の
両端面に磁気電気変換素子を設置した状態を示す横断面
図である。
【図2】図1に示した実施例を回転子の軸正面から見た
断面図である。
【図3】図1及び図2に示した磁気電気変換素子のう
ち、検出鉄心と検出コイルで構成される電磁誘導型の磁
気電気変換素子を例にした素子部分の拡大図である。
【図4】図3と同様な磁気電気変換素子周辺の拡大図で
あり、スラスト摩耗発生時を示す。
【図5】(A)磁気電気変換素子の差動検出出力を取出
すブロック図であり、(B)移相回路を介して差動検出
出力を取出すブロック図である。
【図6】(A)ラジアル方向摩耗と検出出力の関係を示
す線図であり、(B)スラスト方向摩耗と検出出力の関
係を示す線図である。
【図7】(A)片端面の磁気電気変換素子の感度領域を
示す線図であり、(B)両端面の磁気電気変換素子の感
度領域を示す線図である。
【図8】他の実施例の磁気電気変換素子周辺の拡大図で
ある。
【符号の説明】
1 固定子鉄心 2 回転子鉄心 11,12,13,14, 磁気電気変換素子 16 検出コイル 17 検出鉄心 x 空隙長さ S 空隙の有効断面積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 智敏 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 大山 敦 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目1番1号 株式会社 荏原電産内 (72)発明者 檜垣 展宏 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目1番1号 株式会社 荏原電産内 (72)発明者 大竹 功一 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目1番1号 株式会社 荏原電産内 (72)発明者 三島 茂 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目1番1号 株式会社 荏原電産内 (56)参考文献 特開 平3−230733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 17/00 H02K 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機固定子鉄芯の内周面側の一部
    を切り欠き、固定子鉄心と回転子鉄心間の磁気空隙対向
    面に発生する主磁界を一部規制し、主磁界領域外に該誘
    導電動機固定子鉄心と回転子鉄心間の漏洩磁束の磁気電
    気変換を行う磁気電気変換素子を設け、該磁気電気変換
    素子は前記漏洩磁束を導く検出鉄心と検出コイルとから
    構成され、前記検出コイルのインダクタンスの変化に基
    づいて、軸受の摩耗を検出することを特徴とする誘導電
    動機の運転監視装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気電気変換素子は誘導電動機固
    定子鉄心の少なくとも一端面に回転子軸を中心として、
    対向に2個一組で設置されたことを特徴とする請求項1
    記載の誘導電動機の運転監視装置。
  3. 【請求項3】 前記2個一組で設置された磁気電気変換
    素子の、すべり軸受の摩耗等によって発生する回転
    子鉄心のラジアル方向振れ回り変位を、前記磁気電気変
    換素子それぞれの発生する出力の差動出力変化として
    検出することを特徴とする請求項2記載の誘導電動機の
    運転監視装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気電気変換素子は、固定子鉄心の
    端面および他方の端面所定角度ずらせて設置され、
    両磁気電気変換素子の差動出力変化として軸受のスラス
    ト方向摩耗を検出することを特徴とする請求項記載の
    誘導電動機の運転監視装置。
  5. 【請求項5】 個の磁気電気変換素子の磁気電気変換
    力と、所定角度ずらせて設置した他の一個の磁気電気
    変換素子の移相回路を通った出力との差動出力を検出す
    ることで、前記誘導電動機の回転方向を検出する機能を
    備えたことを特徴とする請求項記載の誘導電動機の運
    転監視装置。
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