JP2001304180A - キャンドモータポンプ - Google Patents
キャンドモータポンプInfo
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Abstract
よる影響、あるいはうねりやセンサ取付け誤差による溝
高調波成分の影響を受けず、ラジアル・アキシャル方向
軸受の摩耗状況が検出できる電気的検出手段を有するキ
ャンドモータポンプ。 【解決手段】 キャンドモータ固定子13鉄心の端面一
部に切欠き部を設け、遮蔽部を備えた複数誘導型センサ
S1〜S4をその切欠き部に検出面が回転子10鉄心の
端部外周面と軸方向に沿って一部が重なるように配設
し、ローパスフィルタ回路およびハイパスフィルタ回路
をセンサS1〜S4の出力側に接続してロータ5の位置
を検出し軸受9a、9bの摩耗状況を監視する軸受摩耗
検出手段を設ける。
Description
根車を固着し、そのロータを羽根車側および反羽根車側
の両側にそれぞれ配設した軸受で支承するキャンドモー
タポンプに関し、特に、ラジアル方向およびアキシャル
方向の軸受の摩耗状況を電気的に検出する軸受摩耗検出
手段を備えたキャンドモータポンプに関する。
プの一般的な構成が断面図で示されている。図28に示
されているように、キャンドモータポンプはポンプ部P
とモータ部Mとで構成されている。そのポンプ部Pに
は、内部に羽根車2が配設されたポンプケーシング1が
設けられ、そのケーシング1の高圧側開口部には、ケー
シングカバー3が固着されている。そして、ケーシング
カバー3には、羽根車2で昇圧されたポンプ取扱液の一
部が流通する流通孔4が穿設されている。
タ5が挿通されており、このロータ5の一端には、ディ
スタンスピース6、スラスト板7a、軸スリーブ8aお
よび羽根車2が嵌合され、ボルト22により固定されて
いる。また、ロータ5の他端には、スラスト板7bおよ
び軸スリーブ8bが嵌合され、ボルト23により固定さ
れている。
a、9bによって回転自在に支承されており、そのほぼ
中央部にモータ部Mの回転子10が固着され、前記軸受
9aはケーシングカバー3に、軸受9bはエンドカバー
11にそれぞれ嵌着されている。そして、ロータ5に
は、軸方向に貫通する貫通孔14が穿設されており、こ
の貫通孔14は、両端のボルト22、23をも貫通し、
両側に開口している。
レーム24に嵌合されており、このモータフレーム24
の両端は、フレーム側板25a、25bに嵌合されてい
る。そして、モータ部Mの回転子10のキャン12aお
よびモータ部Mの固定子13のキャン12bとでそれぞ
れ回転子10および固定子13がポンプ取扱液に触れな
いよう保護されている。また、固定子13の鉄心両端面
には、2組の誘導型センサS1およびS3と、S2およ
びS4とがそれぞれ配設されている。
は、運転中に回転側である軸スリーブ8a、8bおよび
スラスト板7a、7bが、静止側である軸受9a、9b
に接触して回転するため、カーボン製の軸受9a、9b
が主に摩耗し、運転時間の増加に伴ってその摩耗量が増
加し、ロータ5の触れ回りが大きくなる。そして、さら
に摩耗が進行すると回転子10のキャン12aと固定子
13のキャン12bとが接触し、それぞれ損傷し、つい
には破損に至る。この固定子13のキャン12bの破損
は、その内部にポンプ取扱液が侵入して固定子13の巻
線を劣化させる原因となってキャンドモータ本体の致命
的な故障を引き起こす。
Pとモータ部Mとの間には軸シール部を持たない一体の
圧力容器構造であるので、ロータ5の振れ回りを本体外
部から目視することができない。そのため、長期の使用
や異物の混入など、何らかの原因によって軸受9a、9
bに摩耗が生じた場合に、その変化を外部から確認する
ことができない。
耗状況を検出する種々の検出手段が提案されていた。こ
れまで実施されてきた軸受の摩耗状況の検出手段のう
ち、電気的な検出手段として図28および図29に示す
ものがある。図示のように、2組の誘導型センサS1と
S3と、およびS2とS4とがそれぞれ固定子13の鉄
心両端面に設けられ、図30に示すようにセンサS1と
S3とが180°対称位置に、同様に、センサS2とS
4とが180°対称位置に配置されている。
方向(ラジアル方向A)の摩耗は、誘導センサS1とS
3と、およびS2とS4とで検出され、軸方向(アキシ
ャル方向B)の摩耗は、誘導センサS1とS2とで、も
しくはS3とS4とで検出される。すなわち、ラジアル
方向Aの摩耗は、誘導センサS1とS3とのそれぞれの
誘導電圧の差(差動出力)、およびS2とS4との差動
出力を検出し、どちらか大きい方が検出器(図示せず)
に表示される。また、アキシャル方向Bの摩耗は、誘導
センサS1とS2との差動出力で、もしくはS3とS4
との差動出力で検出される。
2、S3、およびS4から出力された信号を処理する回
路の一例が示されている。この信号処理回路70Zは、
誘導型センサS1、S2、S3、およびS4のそれぞれ
の信号を受け入れる入力回路31、32、33、および
34と、比較回路部である差動アンプ35、36、3
7、および38と、比較後のオフセット調整回路39、
40、41、および42と、それぞれの信号処理結果か
らロータ5の位置の演算を行う判定回路43と、判定結
果を表示する表示回路44とから構成されている。
S3、およびS4の出力は、それぞれ入力回路31、3
2、33、および34を介して比較回路部に入力され、
ロータ5の位置が判定回路43で演算されてその位置の
変化から軸受の摩耗状況が判定されている。
ついて、図32および図33に示すように、軸受が主に
上方向に摩耗した場合には、ロータ5が上方に移動する
ためにラジアル方向における上方の隙間δ1は、下方の
隙間δ2より小さくなる。回転子10が誘導型センサS
1、S2、S3、S4の磁極に近付くほど、各センサの
誘起電圧は大きくなる。したがって、誘導型センサS
1、S2、S3、S4のそれぞれに誘起される誘起電圧
の大小関係は、S1>S3、かつ S2>S4 とな
る。また、誘導型センサS1とS3、S2とS4のそれ
ぞれに誘起される誘起電圧の差(差動出力)の大小関係
は、(S1−S3)<(S2−S4) となり、(S
2−S4)の差動出力を検出器に回路を介して出力する
ことによって、軸受のラジアル方向Aのどちらか大きい
方の摩耗を検出することができる。
いて、図34および図35に示すように、羽根車2側の
軸受9aの端面が摩耗した場合には、ロータ5が羽根車
2の方向に移動するため、誘導型センサS1、S2、S
3、S4の磁極の回転子10の外周面端部との軸方向の
重なりL1、L2、L3、L4の大小関係は、L1>L
2、かつ L3>L4 となり、誘導型センサS1、
S2、S3、S4のそれぞれに誘起される誘起電圧の大
小関係は、S1>S2、かつ S3>S4 となる。
したがって、(S1−S2)、もしくは (S3−S
4) の差動出力を回路で大小比較し、大きい方を回
路を介して表示することで軸受のアキシャル方向Bの軸
受摩耗を検出することができる。
耗量に対する差動出力が示されている。図中の従来型1
は、モータの負荷電流が大きい場合、もしくはポンプの
運転点が最高効率点よりかなり小さい場合を、従来型2
は、モータの負荷電流が小さい場合、もしくはポンプの
運転点が最高効率点付近の場合、従来型3は、特に全揚
程の高いキャンドモータポンプでの締切付近や小流量域
での運転中の場合がそれぞれ示されている。
軸受摩耗量に対する差動出力が示されている。前記同様
に図中の従来型1は、モータの負荷電流が大きい場合、
従来型2は、モータの負荷電流が小さい場合、従来型3
は、特に全揚程の高いキャンドモータポンプでの締切付
近や小流量域での運転中の場合がそれぞれ示されてい
る。
流やポンプの運転点の変化によって差動出力が変動す
る。加えて、後記するように、キャンドモータの電源周
波数と実際に運転される周波数との差によって生じるう
ねりや、誘導型センサの取り付け誤差によるモータ回転
子10の溝数Zとキャンドモータポンプの回転周波数N
2との積(Z×N2)である溝高調波成分によってセン
サの差動出力に影響を受けるという問題がある。
ポンプでは、締切り付近や小流量域での運転中に、ロー
タ5がある特定の位置でほとんど移動せずに回転を続け
ることがあり、センサの差動出力に影響を受けるという
問題もある。
固定子の巻線スロット内にサーチコイルを巻き込むも
の、または、特殊な巻線構造のキャンドモータを用いて
軸受の摩耗状況をその巻線を利用して検出するようにし
た検出手段もある。(例えば、特開昭49−59201
号公報、特開平10−174374号公報参照。)
も、モータの負荷電流やポンプの運転点の変化や、前記
のうねりや誘導型センサの取り付け誤差による溝高調波
成分、全揚程の高いキャンドモータポンプでの締切付近
や小流量域での運転中にロータがほとんど移動せず、セ
ンサの差動出力に影響を受けるという前記同様の問題は
存在し、軸受の摩耗状況は正確に表示し得ない。
反羽根車側の軸端にロータと一定の間隔を保ち、エンド
カバーに固着された機械的接触部と、その接触部が回転
体との接触摩耗によって内部に封入されたガスが外部に
排出される機能を備えた検出手段がある。このような検
出手段の場合には、反羽根車側の軸受のラジアル方向の
摩耗は検知できるが、羽根車側の軸受のラジアル方向の
摩耗はほとんど検知できない。さらに、一度検出手段の
作動した後は、内部に封入されたガスが放出されて摩耗
した軸受と共に検出手段自体の交換も必要であり、保守
部品の増加を余儀なくされるなどの問題がある。
に対処し、モータの負荷電流やポンプの運転点の変化に
よる影響、あるいはうねりやセンサ取付け誤差による溝
高調波成分の影響を受けず、さらに全揚程の高いキャン
ドモータポンプにおいて締切り付近や小流量域での運転
中にロータがほとんど移動しない場合にも、軸受のラジ
アル方向およびアキシャル方向の軸受の摩耗状況が検出
できる電気的検出手段を有するキャンドモータポンプを
提供することを目的としている。
ロータの一端に羽根車を固着し、羽根車側および反羽根
車側の両側にそれぞれ配設した軸受でそのロータを支承
しているキャンドモータポンプにおいて、キャンドモー
タの固定子鉄心の端面の一部に切欠き部を設け、遮蔽部
を備えた複数個の誘導型センサをその切欠き部に検出面
が回転子鉄心の端部外周面と軸方向に沿って少なくとも
一部が重なるように配設し、下限値が50〜100Hz
の範囲にあってその下限値以上の周波数成分を減衰させ
るローパスフィルタ回路と、上限値が5〜20Hzの範
囲にあってその上限値以下の周波数成分を減衰させるハ
イパスフィルタ回路とを前記センサの出力側に接続して
前記ロータの位置を検出し前記軸受の摩耗状況を監視す
る軸受摩耗検出手段を設けたことを特徴としている。
出力に含まれるキャンドモータの溝高調波成分およびう
ねりの周波数成分をそれぞれローパスフィルタとハイパ
スフィルタとで減衰させることによってこれらの影響を
ほとんど受けることなく、各センサの出力からロータの
位置を検出し、その変化から軸受の摩耗状況を監視で
き、判定することができる。
端に羽根車を固着し、羽根車側および反羽根車側の両側
にそれぞれ配設した軸受でそのロータを支承しているキ
ャンドモータポンプにおいて、キャンドモータの固定子
鉄心の端面の一部に切欠き部を設け、遮蔽部を備えた複
数個の誘導型センサをその切欠き部に検出面が回転子鉄
心の端部外周面と軸方向に沿って少なくとも一部が重な
るように配設し、下限値が50〜100Hzの範囲にあ
ってその下限値以上の周波数成分を減衰させるローパス
フィルタ回路を前記センサの出力側に接続して前記ロー
タの位置を検出し前記軸受の摩耗状況を監視する軸受摩
耗検出手段を設けたことを特徴としている。
ンドモータポンプにおいて、締切付近や小流量域での運
転でロータがほとんど移動せずに運転が続いている場合
でも、各誘導型センサからの出力がハイパスフィルタ回
路を通過しないので、ロータの位置が容易に検出でき、
その変化から軸受の摩耗状況を検出し判定することがで
きる。
スフィルタ回路を分岐させる分岐手段を備えている請求
項1のキャンドモータポンプである。
ハイパスフィルタ回路を通過させないようにできるの
で、全揚程の高いキャンドモータポンプで締切付近や小
流量域でロータがほとんど移動しない運転状態と相対的
に全揚程が低いキャンドモータポンプのいずれに対して
も、切り替えて対応することができ各誘導型センサから
の出力からロータの位置を検出し軸受の摩耗状況を判定
することができる。
センサは、その検出面と前記回転子鉄心の外周面端部と
が軸方向に重なって配置され、その重なりは、検出面長
の40〜60%である請求項1〜3いずれかのキャンド
モータポンプである。
度の重なりで配置すれば、軸受端面の摩耗によってロー
タがアキシャル方向に移動した距離の2倍に対応する差
動出力を得ることができる。
センサは、その検出面と前記回転子鉄心の外周面端部と
が軸方向に検出面長の90%以上が重なって配置されて
いる請求項1〜3いずれかのキャンドモータポンプであ
る。
線による磁束の軸方向端部の磁束密度が相対的に大きい
モータに対しては、このようにセンサを軸方向にほぼ全
面で重なるように配置するのが有効である。
センサの出力の最大値だけを出力する回路を備えている
請求項1〜5いずれかのキャンドモータポンプである。
安定した差動出力が得られるので検出器の針振れを無く
し、軸受摩耗状況がより正確に検出できる。
センサの複数個の出力をスイッチングによって切り替え
同一回路で検出するセンサ切り替え手段を備えている請
求項1〜6いずれかのキャンドモータポンプである。
チングによって切り替え、回路を構成する部品点数を減
らすことができる。
スフィルタ回路の分岐手段および/または前記センサ切
り替え手段を中央演算装置によって行う請求項3または
7のキャンドモータポンプである。
ことができ、また、ラジアル方向とアキシャル方向の軸
受の摩耗が羽根車側か反羽車側かを極めて簡単に検出す
ることもできる。
センサの出力を外部に送信する送信回路を備えている請
求項1〜8いずれかのキャンドモータポンプである。
いても把握することができ、これを監視し判定すること
ができる。
タ駆動によって運転される請求項1〜9いずれかのキャ
ンドモータポンプである。
よって50〜100Hzの下限値以上の周波数成分を減
衰させるので、インバータのキャリア周波数の影響を受
けることなくキャンドモータポンプをその下限値以下の
任意の周波数帯域で運転することができる。また、ロー
パスフィルタ回路の減衰域を数百Hz程度に変えれば、
さらに広範囲の周波数帯域での運転が可能になる。
に基づいて説明する。図1ないし図5は、本発明の第1
の実施の形態のキャンドモ−タポンプを示すものであ
る。なお、前記の図28ないし図31に示した従来例と
同一または相当部分には、同一の符号を付して重複した
説明を省略する。このキャンドモータポンプには、図1
および図2に示すように、固定子13の鉄心の両端面に
それぞれ遮蔽部S1dを備えた2組の誘導型センサS1
とS3、およびS2とS4が設けられている。そして、
図3に示すように、誘導型センサS1とS3とは180
°対称に配置されており、同様に、誘導型センサS2と
S4とも180°対称に配置されている。
(ラジアル方向A)の摩耗は、誘導型センサS1とS3
とのそれぞれの誘起電圧の差(差動出力)、および誘導
型センサS2とS4とのそれぞれの誘起電圧の差(差動
出力)を検出し、どちらか大きい方を検出器(図示せ
ず)に表示することによって行われる。また、軸受9
a、9bの軸方向(アキシヤル方向B)の摩耗は、誘導
型センサS1とS2とのそれぞれの誘起電圧の差(差動
出力)、もしくは誘導型センサS3とS4とのそれぞれ
の誘起電庄の差(差動出力)を検出することによって行
われる。
S1の取付け部の詳細が示されており、図示していない
他の誘導型センサS2、S3、S4についても同様に構
成されている。図4において、誘導型センサS1は、鉄
心S1aとその鉄心S1aに巻回された検出コイルS1
bとからなり、さらに、その検出コイルS1bが巻回さ
れた鉄心S1aは、半径方向に固定子13の外周方向に
向かって延び、コの字状に屈曲して、再び固定子内周方
向に向かう遮蔽部S1dを有している。このように、鉄
心S1aの検出コイルS1bが巻回された部分は、遮蔽
部S1dで遮蔽されている。
心S1aの検出面S1cは、固定子13の内周面13a
と略同一面に配置されている。また、誘導型センサS1
は、その検出面S1cが回転子10鉄心の外周面端部と
軸方向に沿って長さL10だけ重なるように配置されて
いる。この長さL10 は、誘導型センサS1の検出面
S1cの全長の40〜60%(約半分)になっており、
誘導型センサS1は、固定子13の端面の切欠き部分1
3bに配置されている。なお、図2に示すように、誘導
型センサS2、S3、S4も、その検出面の全長の40
〜60%の長さL20 、L30 、L40 だけ回転
子10の鉄心の端部外周面と軸方向に沿って重なるよう
に配置されている。
0の主としてエンドリング10aの負荷電流によって形
成される磁束ΦRは、鉄心S1aの遮蔽部S1dに吸収
され、これによって検出コイルS1bの巻回された近傍
の検出面S1cには、磁束ΦRはほとんど入らなくな
る。一方、固定子13の巻線によって形成される固定子
13と回転子10との空隙を通る磁束ΦSの端部の磁束
ΦLは、誘導型センサS1の検出面S1cを通るように
形成され、この磁束量を検出コイルS1bで検出するこ
とが可能になる。したがって、誘導型センサS1は、回
転子10の主としてエンドリング10aの負荷電流によ
って形成される磁束ΦRの影響をほとんど受けることな
く、固定子13と回転子10の空隙を通る磁束ΦSの端
部の磁束ΦLを検出することが可能となる。
る固定子13と回転子10との空隙を通る磁束ΦSの端
部の磁束ΦLは、キャンドモータポンプの動力源の周波
数(以下、電源周波数N0という)成分をもち、その一
方、誘導型センサS1の検出コイルS1bの検出する誘
起電圧はキャンドモータのすべりの周波数(以下、すべ
り周波数N1という)成分をもつ。
Hzであり、キャンドモータへの負荷が大きくなるほど
大きくなる。したがって、一般的に知られているモータ
のスリップ率と合致している。このため、実際のキャン
ドモータポンプの回転している周波数(以下、回転周波
数N2という)は、以下のようになる。 (回転周波数N2)=(電源周波数N0)−(すべり周
波数N1) すべり周波数N1は、キャンドモータの負荷率で決まる
周波数であり、負荷が全くない場合には、 (すべり周波数N1)=0 となる。また、キャンドモータの通常の使用範囲におい
ては、 0<(すべり周波数N1)<(数Hz) と考えて良い。
軸受の場合のみならず、正規の摩耗していない軸受の場
合においても、その正規の隙間(ラジアル方向Aにおい
ては、直径隙間、アキシヤル方向Bにおいてはエンドプ
レー)があるために、検出器(図示せず)の針に影響を
及ぼす。つまり、センサの差動出力に、すべり周波数N
1(数Hz以下)の成分をもつ周期的な変動(以下、う
ねりという)があり、正規の摩耗していない軸受におい
ても、検出器の針は正常な位置とある程度摩耗した位置
との間を周期的に往復する。したがって、正規の摩耗し
ていない軸受においても、あたかもある程度摩耗したか
のように検出器の針が振れてしまう。
ャンドモータポンプの回転周波数N2の積(Z×N2)
である溝高調波成分によっても、センサの差動出力は影
響を受ける。誘導型センサS1とS3とは180°対称
に、また、誘導型センサS2とS4とは180°対称に
それぞれ配置されているため、理論上は、それぞれの対
になったセンサ同士で、例えば軸受が全く摩耗していな
い場合には差動出力は打ち消し合うし、また、摩耗して
くるとその差動出力が増加してくる。ここで、回転子1
0の溝数Zは、一般には20ないし30個程度あるた
め、溝高調波成分は極めて高い周波数となる。つまり、
誘導型センサの取付けを正確に行わないと位相がずれて
しまい、若干の位相ずれでも、差動出力として、本来の
軸受摩耗による成分ではない成分を検出してしまう。
0〜100Hzの下限値以上の溝高調波成分を減衰させ
るローパスフィルタ、および5〜20Hzの上限値以下
のうねりの成分を減衰させるハイパスフィルタを回路に
設けている。
ンサS1、S2、S3、S4から出力された信号の処理
回路70を示している。この信号処理回路70は、誘導
型センサS1、S2、S3、S4のそれぞれの信号を受
ける入力回路31ないし34と、溝高調波の成分を減衰
させるローパスフィルタ回路45ないし48と、比較の
ための差動アンプ35ないし38と、うねりの成分を減
衰させるハイパスフィルタ回路49ないし52と、比較
後のオフセット調整回路39ないし42と、それぞれの
信号処理結果から回転子位置の演算を行う判定回路43
と、そして判定した結果を表示する表示回路44とから
構成されている。
48は、図6に示すように、下限値が、例えば70Hz
で、それ以上の周波数成分を減衰するものであり、ま
た、ハイパスフィルタ回路49ないし52は、上限値
が、例えば10Hzで、それ以下の周波数成分を減衰す
るものである。
S3、S4の出力は、ローパスフィルタ回路45ないし
48を通って溝高調波の成分が減衰され、それぞれの出
力信号を判別するための比較回路部に入力されており、
さらにハイパスフィルタ回路49ないし52を通ってう
ねりの成分が減衰される。したがって、誘導型センサS
1、S2、S3、S4のそれぞれの出力によってロータ
5の位置を検出し、この位置の変化から軸受の摩耗状況
を判定することができる。
ポンプでのロータ5の動きをみる。羽根車2に作用する
ラジアルスラストは、ポンプの運転点によって変化す
る。一般的には、次の公知の計算式で計算できる。 Fr=K×H×γ×D×B×ξ K=K0×{1−(Q/Qbep)2 } ここに、 Fr:羽根車に作用するラジアルスラスト K:ラジアルスラスト係数 H:ポンプの全揚程 γ:ポンプ取扱液の比重量 D:羽根車の外径 B:羽根車の出口幅(通路と主板と側板の厚さの総和) ξ:ポンプケーシングのボリュートによる係数で、単ボ
リュートの場合はξ=1 K0:締切点(Q=0)におけるラジアルスラスト係数 Q:ポンプの運転流量 Qbep:ポンプの最高効率点における流量 である。
に知られているように、横型単段の遠心ポンプにおい
て、ポンプケーシングが単ボリュートの場合ではポンプ
ケーシングのボリュート舌部が上方にある場合、ポンプ
の運転点が0%からおよそ100%までは、ラジアルス
ラストは上向きに作用し、100%を超えると下向きに
作用する。100%を超える運転では、ポンプのNPS
HR(Net Positive Suction H
ead Required:ポンプが取扱液を羽根車に
押し込んでいくのに必要な水頭)が大流量域になるほど
大きくなるために、一般的には、120%程度が最大で
ある。そのため、流量比0%(締切点)でラジアルスラ
ストが最大となり上向きに作用し、最高効率点に近づく
につれて小さくなってそれを超えると下向きに増加して
いく。
すように、全揚程に比例するので、全揚程の高いキャン
ドモータポンプほどラジアルスラストが大きくなり、流
量比0%(締切点)で最大となる。したがって、全揚程
の高いキャンドモータポンプでは、締切付近や小流量域
での運転中にロータ5がほとんど移動せずに運転を続け
る場合がある。つまり、例え摩耗している軸受の場合
で、その隙間(ラジアル方向Aにおいては直径隙間、ア
キシャル方向Bにおいてはエンドプレー)があっても、
羽根車2に作用するラジアルスラストの影響で、羽根車
2側の軸受9aを支点として、ロータ5は羽根車2側が
上向きに押さえつけられたまま一定の位置で運転を続け
る場合がある。
S4からのそれぞれの出力は、変動がほとんどなくいわ
ゆる直流成分に近い出力になる。ハイパスフィルタ回路
49〜52は、コンデンサを含めて構成されているため
にコンデンサは直流成分を通過させない特性がある。そ
して、軸受がある程度摩耗していても、ハイパスフィル
タ回路49〜52を通すことによって誘導型センサS1
〜S4からの出力はほとんどなくなり、あたかも摩耗し
ていないように検出される。このため、図7および図8
に示すように、ハイパスフィルタ回路49〜52をなく
することにより、誘導型センサS1〜S4のそれぞれの
出力からロータ5の位置を検出し、この位置の変化から
軸受9a、9bの摩耗状況を判定することができる。
受の摩耗の検出原理を示す。図9に示すように、軸受9
a、9bが主に上方向に摩耗した場合には、ロータ5が
上方に移動するため、ラジアル方向Aにおける上方の隙
間δ1は、下方の隙間δ2よりも小さくなる。回転子1
0が誘導型センサS1、S2、S3、S4の磁極に近づ
くほど、各センサの誘起電庄は大きくなる。したがっ
て、誘導型センサS1、S2、S3、S4のそれぞれに
誘起される誘起電圧の大小関係は、 S1>S3、かつ、S2>S4 となる。また、誘導型センサS1とS3、S2とS4の
それぞれに誘起される誘起電圧の差(差動出力)の大小
関係は (S1−S3)<(S2−S4) となり、(S2−S4)の差動出力を回路を介して検出
器に表示することによって軸受のラジアル方向Aのどち
らか大きい方の摩耗を検出することができる。
の軸受の摩耗の検出原理を示す。アキシヤル方向Bにつ
いては、誘導型センサS1、S2、S3、S4の磁極の
回転子10との軸方向の重なり長さL10 、L
20 、L30 、L40 は、それぞれ磁極のほぼ半
分に位置しているため、差動出力(S1−S2)もしく
は(S3−S4)は、アキシヤル方向Bの移動量に対し
て軸方向の重なり長さの変化がより大きくなっている。
つまり、羽根車2側の軸受9aの端面が距離Laだけ摩
耗して図11に示すように、ロータ5が羽根車2の方向
へ距離Laだけ移動すると、誘導型センサS1の磁極の
軸方向における回転子10との重なり長さL1および誘
導型センサS2の磁極の軸方向における回転子10との
重なり長さL2は、以下のように変化する。 L1=L10 +La、 L2=L20 −La また、軸受の摩耗がない状態では、 L10 =L20 となるように配置しているから、誘導型センサS1とS
2の重なり長さの差は L1−L2=2×La となる。
0との軸方向の重なり長さL1、L2が、センサの誘起
電庄に比例すると考えて良いので、したがって、差動出
力(S1−S2)は本来の移動量の2倍となる。誘導型
センサS3、S4についても、誘導型センサS1、S2
の場合と同様に、差動出力が本来の移動量の2倍とな
る。
施の形態のキャンドモータポンプの誘導型センサの取付
け部を示すもので、これは、誘導型センサS1、S2
を、その検出面の全長L1a、L2aにわたって回転子
10の鉄心の外周面端部と軸方向に沿って重なるように
配置したものである。なお、図示しないが、誘導型セン
サS3、S4も同様に配置されている。
に、ロータ5が羽根車2の方向へ距離Laだけ移動する
と、誘導型センサS1の磁極の軸方向における回転子1
0との重なり長さL1b及び誘導型センサS2の磁極の
軸方向における回転子10との重なり長さL2bは、以
下のように変化する。 L1b=L1a、 L2b=L2a−La また、軸受の摩耗がない状態では、 L1a=L2a となるように配置しているから、誘導型センサS1とS
2の重なり長さの差は L1b−L2b=La となる。したがって、アキシヤル方向Bの差動出力(S
1−S2)そのものは、本来の移動量と同じになるが、
磁束密度ΦLが相対的に大きいキャンドモータに対して
有効である。
ンドモータの溝高調波成分やうねりの周波数成分の影響
をほとんど受けることなく、軸受の摩耗状況を判定する
ことができるが、ロータ5が軸受隙間内を回転周波数N
2とは異なる周波数で回転している(以下、公転とい
う)ために、センサの差動出力が周期的に変動する。こ
の差動出力は、不規則に変化するのではなく、図15お
よび図16に示すように、一定の最大値と一定の最小値
の間で安定して周期的に繰り返す。つまり、公転によっ
ても、少なくとも差動出力の最大値は変わらず、これに
よって、軸受の摩耗を正確に検出できる。
れをなくすための手段を備えた本発明の第3の実施の形
態のキャンドモータポンプの軸受摩耗検出手段の信号処
理回路70Bを示すものである。この信号処理回路70
Bは、誘導型センサS1、S2、S3、S4のそれぞれ
の信号を受ける入力回路31ないし34と、溝高調波の
成分を減衰させるローパスフィルタ回路45ないし48
と、比較のための差動アンプ35ないし38と、うねり
の成分を減衰させるハイパスフィルタ回路49ないし5
2と、比較後のオフセット調整回路39ないし42と、
それぞれの信号処理結果から回転子位置の演算を行う判
定回路43と、判定した結果の最大値だけを出力する回
路であるピークホールド回路53と、そしてその最大値
だけを表示する表示回路44とで構成されている。
S3、S4の出力は、ローパスフィルタ回路45ないし
48を通って溝高調波の成分が減衰され、それぞれの出
力信号を判別するための比較回路部に入力され、ハイパ
スフィルタ回路49ないし52を通ってうねりの成分が
減衰される。さらに、ピークホールド回路53によって
差動出力の最大値だけが検出される。したがって、誘導
型センサS1、S2、S3、S4のそれぞれの出力によ
ってロータ5の位置を検出し、この位置の変化から軸受
の摩耗状況を判定することができる。このように構成す
ることによって、差動出力のそれぞれ最大値だけを検出
器に出力できるので、検出器の針が振れることがなく、
極めて安定する。
る誘導型センサS1、S2、S3、S4の複数個の出力
を、中央演算装置によってスイッチを切り替えて同一回
路で検出する切り替え手段を備えたキヤンドモータポン
プの信号処理回路70Cを示している。図18に示すよ
うに、切り替え手段56aとしてSW1〜SW4、およ
びハイパスフィルタ回路の分岐手段56bとしてSW5
の各切り替えスイッチが回路内に備えられている。
19の縦方向にはスイッチSW1ないしSW5がそれぞ
れONもしくはOFFの状態を示し、横方向には検出す
べき6種類の出力を時系列で示す。各符号はそれぞれ、
Th1はアキシヤル方向でのロータ5が移動している場
合の検出を、Th2は締切付近や小流量域での運転中に
ロータ5がほとんど移動せずに運転を続ける場合の検出
を、Ra1は羽根車側の軸受9aのラジアル方向でのロ
ータ5が移動している場合の検出を、Ra2は羽根車側
の軸受9aのラジアル方向でのロータ5が移動しない場
合の検出を、Rb1は反羽根車側の軸受9bのラジアル
方向でのロータ5が移動している場合の検出を、そして
Rb2は反羽根車側の軸受9bのラジアル方向でのロー
タ5が移動しない場合の検出を示している。
ンプが締切付近や小流量域での運転中にロータ5ほとん
ど移動せずに運転を続ける場合があるかどうかを確認し
て回路構成を使い分けることなく、どのようなキャンド
モータポンプにでも適用できる。また、回路構成を簡単
にすることが可能となり、ラジアル方向Aとアキシヤル
方向Bの軸受の摩耗が羽根車側か反羽根車側かを簡単に
検出できる。
る誘導型センサS1、S2、S3、S4の出力を外部に
送信する送信回路55を備えたキャンドモータポンプの
軸受摩耗検出手段の信号処理回路70Dを示している。
中央演算装置の後に、送信回路55を備える構成になつ
ており、これにより、軸受の摩耗状況を遠隔地にいても
監視できる。また、軸受の摩耗状況以外の、例えば回転
方向や欠相などを検知して、この送信回路55を介して
遠隔地に送信できる。
力を周波数分析したスペクトルを示し、横軸には周波数
(Hz)を、縦軸には誘導型センサ、例えばS1に誘起
される誘起電圧(dBV)を示している。図21は、イ
ンバータを介さずに、かつ、前記ローパスフィルタ回路
(45)もハイパスフィルタ回路(49)も通さずに、
単に商用電源50Hzでキャンドモータポンプを運転し
た場合の500Hzまでのセンサコイル端の出力のスペ
クトルを示す。電源周波数50Hzにおけるモータのス
リップ分を除いた50Hzより若干小さい周波数(約4
9Hz)、すなわち、モータの実際に回転している周波
数でセンサ出力が最大値A1 となり、次いで3次高調
波A3 、5次高調波A5 と続く。また、電源周波数
の約半分の周波数やモータの運転周波数の約2倍の周波
数でピークが観察されているが、これらはロータ5の軸
受隙間内の運動によるものや、ロータ5の残留アンバラ
ンス量の影響と推定される。
クトルの範囲を20kHzまで上げた場合である。やは
り、モータの実際に回転している周波数(約49Hz)
でセンサ出力が最大値A1 となり、次いで、1.35
kHz付近、2.7Hz付近、4kHz付近にピークが
ある。本モータの回転子の溝数は28個であり、本モー
タの溝高調波(約49×28=1.37kHz)のピー
クB1 と2次及び3次の溝高調波のピークB2 、B
3 が観察されている。以上のことから、商用電源で運
転した場合のセンサ出力は、主として電源周波数の影響
を受け、次いで溝高調波の影響を受ける。
介して、前記ローパスフィルタ回路(45)もハイパス
フィルタ回路(49)も通さずに、インバータのキャリ
ア周波数を5kHzに固定して、50Hzでキャンドモ
ータポンプを運転した場合の、センサコイル端の出力の
スペクトルを示す。500Hzまでを図23に、20k
Hzまでを図24に示す。5kHz未満では、商用電源
50Hzでキャンドモータポンプを運転した場合とほぼ
同様の傾向である。しかし、5kHzから周波数の高い
範囲では、10kHz付近、15kHz付近、20kH
z付近にそれぞれインバータのキャリア周波数によるピ
ークD1 、D2 、D3 、D4 が観察される。つ
まり、インバータ駆動の場合には、インバータのキャリ
ア周波数の影響が高い周波数域まで残っている。
ータのキャリア周波数を可聴周波数以上に設定するケー
スがほとんどである。このため、インバータのキャリア
周波数を15kHzにして、スペクトルを採取した。そ
の結果を図25に示す。5kHz未満では、インバータ
のキャリア周波数を5kHzでキャンドモータポンプを
運転した場合とほぼ同様の傾向である。
キャンドモータポンプの場合でも、数十Hz以上の溝高
調波成分を減衰させるローパスフィルタを通過させて、
誘導型センサS1、S2、S3、S4の出力を検出して
いるので、たとえインバータ駆動されるキャンドモータ
ポンプでも、ローパスフィルタを通過させることによ
り、インバータのキャリア周波数成分(通常は5ないし
20kHz)を充分減衰でき、インバータの影響を受け
ずに軸受の摩耗状況を監視できる。
ドモータボンプでポンプケーシングが単ボリュートの場
合だけでなく、単段ポンプでダブルボリュートやデュフ
ーザを使用している場合、あるいは多段キャンドモータ
ポンプや立型キャンドモータポンプにも適用することを
目的とした誘導型センサの配置を示す。図26に示すよ
うに、羽根車側及び反羽根車側のそれぞれに、3組の誘
動型センサ(S1〜S12)が配置されている。検出原
理は前記と同様である。これより、ラジアルスラストの
向きがどの方向にあっても、またロータ5がどのような
動きをしても、軸受の摩耗状況をより確実に監視するこ
とができる。
以下に示す効果を奏する。 (1) キャンドモータの溝高調波成分やうねりの周波
数成分をローパスフィルタおよびハイパスフィルタで減
衰させることで、その影響をほとんど受けることなく、
軸受の摩耗状況を誘導型センサによる電気的な検出方法
を用いて容易にかつ確実に監視することができる。 (2) また、全揚程の高いキャンドモータポンプでの
締切付近や小流量域での運転中にロータがほとんど移動
せずに運転が続けられても、ハイパスフィルタを通過さ
せない、あるいは分岐させることで軸受の摩耗状況を容
易にかつ確実に監視することができる。 (3) さらに、誘導型センサ出力の最大値だけ出力す
る回路を備えれば、安定した検出ができ、また、誘導型
センサを切り替え手段により切り替えて同一回路で検出
すれば、構成部品を減らすことができる。
を示す断面図。
面図。
図。
図。
する図。
図。
け部を示す断面図。
ラフ。
グラフ。
の処理回路を示す回路図。
の処理回路を示す回路図。
明する図。
の処理回路を示す回路図。
図。インバータを介さず、フィルタのない商用電源50
Hzでポンプを運転した場合を示す。
て示した図。
ルタのない商用電源50Hzでポンプを運転した場合を
示す。
て示した図。
ィルタのない商用電源50Hzでポンプを運転した場合
を示す。
す断面図。
路図。
する図。
明する図。
す図。
示す図。
Claims (10)
- 【請求項1】 ロータの一端に羽根車を固着し、羽根車
側および反羽根車側の両側にそれぞれ配設した軸受でそ
のロータを支承しているキャンドモータポンプにおい
て、キャンドモータの固定子鉄心の端面の一部に切欠き
部を設け、遮蔽部を備えた複数個の誘導型センサをその
切欠き部に検出面が回転子鉄心の端部外周面と軸方向に
沿って少なくとも一部が重なるように配設し、下限値が
50〜100Hzの範囲にあってその下限値以上の周波
数成分を減衰させるローパスフィルタ回路と、上限値が
5〜20Hzの範囲にあってその上限値以下の周波数成
分を減衰させるハイパスフィルタ回路とを前記センサの
出力側に接続して前記ロータの位置を検出し前記軸受の
摩耗状況を監視する軸受摩耗検出手段を設けたことを特
徴とするキャンドモータポンプ。 - 【請求項2】 ロータの一端に羽根車を固着し、羽根車
側および反羽根車側の両側にそれぞれ配設した軸受でそ
のロータを支承しているキャンドモータポンプにおい
て、キャンドモータの固定子鉄心の端面の一部に切欠き
部を設け、遮蔽部を備えた複数個の誘導型センサをその
切欠き部に検出面が回転子鉄心の端部外周面と軸方向に
沿って少なくとも一部が重なるように配設し、下限値が
50〜100Hzの範囲にあってその下限値以上の周波
数成分を減衰させるローパスフィルタ回路を前記センサ
の出力側に接続して前記ロータの位置を検出し前記軸受
の摩耗状況を監視する軸受摩耗検出手段を設けたことを
特徴とするキャンドモータポンプ。 - 【請求項3】 前記ハイパスフィルタ回路を分岐させる
分岐手段を備えている請求項1のキャンドモータポン
プ。 - 【請求項4】 前記誘導型センサは、その検出面と前記
回転子鉄心の外周面端部とが軸方向に重なって配置さ
れ、その重なりは、検出面長の40〜60%である請求
項1〜3いずれかのキャンドモータポンプ。 - 【請求項5】 前記誘導型センサは、その検出面と前記
回転子鉄心の外周面端部とが軸方向に検出面長の90%
以上が重なって配置されている請求項1〜3いずれかの
キャンドモータポンプ。 - 【請求項6】 前記誘導型センサの出力の最大値だけを
出力する回路を備えている請求項1〜5いずれかのキャ
ンドモータポンプ。 - 【請求項7】 前記誘導型センサの複数個の出力をスイ
ッチングによって切り替え同一回路で検出するセンサ切
り替え手段を備えている請求項1〜6いずれかのキャン
ドモータポンプ。 - 【請求項8】 前記ハイパスフィルタ回路の分岐手段お
よび/または前記センサ切り替え手段を中央演算装置に
よって行う請求項3または7のキャンドモータポンプ。 - 【請求項9】 前記誘導型センサの出力を外部に送信す
る送信回路を備えている請求項1〜8いずれかのキャン
ドモータポンプ。 - 【請求項10】 インバータ駆動によって運転される請
求項1〜9いずれかのキャンドモータポンプ。
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