JP5601303B2 - 可変速発電電動機の異常検出装置及び異常検出方法 - Google Patents

可変速発電電動機の異常検出装置及び異常検出方法 Download PDF

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Description

この発明は、回転数の調整が可能な可変速発電電動機の異常検出装置及び異常検出方法に関する。
近来、先進諸国においては、電力需要の増大に伴って揚水発電所の開発が盛んに行なわれ、電力需要のバランスの維持に貢献している。原子力発電容量が全発電容量に占める割合の増大にともない、深夜や休日の電力調整を合理的に行なう必要性が更に高まってきている。このような要求に対応するため、最近のパワーエレクトロニクス技術と大形回転機の技術とを組合せた、可変速揚水発電システムの技術開発が行なわれ実用に供されている。
可変速揚水発電システムを導入することにより、それ以前では不可能であった運用上数多くの有益な効果が得られる。例えば、揚水運転時の需要変動を吸収した周波数調整運転が可能となる、低落差における発電運転が容易に行なえる、発電時の効率が向上する、回転子の回転エネルギーを利用して瞬時に入出力調整ができるため電力系統の安定化が可能となる、無効電力の調整を高速に広範囲に行なえるため系統電圧の維持、安定化が可能となるなどである。
可変速揚水発電システムにおける発電電動機(以下、可変速発電電動機)には、回転子上にすべり速度で回転する回転磁界を作る必要があり、回転子に固定子と同様の三相分布巻線を施し、巻線形誘導電動機と同じ構造とした回転子が採用される。
可変速発電電動機が開発される以前の巻線形誘導電動機は、回転子直径は約3.3m、回転子鉄心長は1.1m程度であった。一方、可変速発電電動機は、例えば、容量300MW級のもので、回転子直径5.5m、回転子鉄心長約4mに達する。このため、可変速発電電動機においては回転子の周速は100〜140m/sに達し、回転子の外周端における遠心力の加速度は約400Gにもなる。このように大直径、高周速となった回転子コイルでは、その端部に作用する遠心力を支持するため、それ以前よりも、多くの支持部材を複雑な構造で用いている。これは、同時に回転子コイルの通風冷却効率を悪化させる要因となる。
可変速発電電動機の回転子コイルの界磁電圧は4000〜5000Vの三相交流であり、定速発電電動機の直流400〜500Vに比較して高い絶縁性能を必用とする。さらに、可変速発電電動機の回転子コイルには三相分布巻線が施されるので、回転子コイルの端部構造が三次元的に複雑となる。これらは、回転子コイルの端部に適切な絶縁構成を施すことを難しくしている。
可変速発電電動機の回転子コイルは、上述のように複雑な構成を有し厳しい運転環境にあるので、運転中に不具合が発生する可能性が高い。運転中に回転子コイルに不具合が発生すると、300MWの大容量発電設備が長期休止する。また、故障した可変速発電電動機の解体と回転子の新規更新には1年以上の期間と多大な費用を要する。このように予期せぬ故障発生による経済的損失は膨大となり、社会的影響も非常に大きい。したがって、故障の発生を予知し、計画的な予防保全や保守を行なうための技術に対する要求が大きい。
従来の可変速発電電動機の界磁地絡検出装置においては、発電電動機シャフトに取付けた接地ブラシと、この接地ブラシと大地間を流れる電流を検出する第1の地絡継電器と、前記発電電動機の励磁回路の中性点と大地間を流れる電流を検出する第2の地絡継電器とを設け、前記発電電動機シャフトに取付けた接地ブラシと大地間を流れる電流および前記発電電動機の励磁回路の中性点と大地間を流れる電流が検出されたとき当該発電電動機の内部事故と判定し、また、前記発電電動機の励磁回路の中性点と大地間を流れる電流が検出され前記発電電動機シャフトに取付けた接地ブラシと大地間を流れる電流が検出されないとき当該発電機の外部事故と判定している(例えば、特許文献1参照)。
特開平6-22600号公報
上述のように、可変速揚水発電電動機において回転子コイルの不具合が発生すると膨大な経済的損失および著しい社会的影響が生じるにもかかわらず、従来の可変速発電電動機の界磁地絡検出装置では、界磁地絡事故が発生した後に測定可能な界磁地絡事故の事故電流を検出していた。つまり、事故の発生前に事故予兆を検出することが出来ず、予期せぬ故障発生を防止できないという大きな問題があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、その目的は、回転子コイルが地絡にいたる前駆現象としての部分放電を高感度に検出し、地絡発生前に警報を発して事故を未然に防止することができる可変速発電電動機の異常検出装置及び異常検出方法を提供するものである。
この発明に係る可変速発電電動機の異常検出装置においては、可変速発電電動機の回転子の回転位相および固定子の系統電圧位相に係る運転情報を取得する運転情報入力手段と、前記可変速発電電動機の運転中に発生する部分放電に起因した信号を含む1次信号を検出する部分放電センサと、前記1次信号から部分放電の特徴を有する2次信号を検出する部分放電検出手段と、前記2次信号と前記回転位相との同期性を比較すること、および前記2次信号と前記系統電圧位相との同期性を比較することで、前記可変速発電電動機の固定子コイルの部分放電と回転子コイルの部分放電とを識別する異常判定手段とを備えたものである。
この発明は、部分放電の特徴を有する2次信号と回転子の回転位相および系統電圧位相との同期性を比較することで、固定子コイルの部分放電と回転子コイルの部分放電とを識別するので、可変速発電電動機の回転子コイルの異常を感度よく検出することができる。
この発明の実施の形態1に係る可変速発電電動機の異常検出装置を適用した可変速発電電動機を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る可変速発電電動機を反水車側から見たときの回転子と固定子と部分放電センサとの位置関係を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子コイルに対する部分放電センサの位置を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る回転子コイルのU−V間INV電圧と回転子コイル電流と固定子コイル電圧との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子コイル部分放電と回転子コイル部分放電の位相特性を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る部分放電の識別と異常判定のフローを示す図である。 この発明の実施の形態1に係る部分放電の代表的な位相特性を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る部分放電パターンと危険度を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子コイルに対する部分放電センサの位置を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る可変速発電電動機の異常検出装置を適用した、可変速発電電動機を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る可変速発電電動機の異常検出装置を適用した、可変速発電電動機を示す図である。 この発明の実施の形態5に係る可変速発電電動機の異常検出装置を適用した、可変速発電電動機を示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における異常検出装置4を適用した、出力300MW級の高速、大容量の可変速発電電動機1(立て軸型回転電機)を示す図であり、回転子2と固定子3に関しては、断面を示している。
可変速発電電動機1は、回転子2と、固定子3と、回転子2の下方に軸連結された水車(図示せず)と、異常検出装置4とから構成される。回転子2は、回転子軸5と、回転子鉄心7と、直線部が回転子鉄心7に挿入され、回転子コイル端部13が回転子鉄心7からオーバーハングした三相分布巻線構造の回転子コイル6と、前記オーバーハングした回転子コイル端部13を支えるための回転子コイル支え8とから構成されている。更に回転子コイル端部13は、三相分布巻線を構成するために三次元に複雑な構造となっている上に、回転子鉄心7からのオーバーハング部を遠心力から保護するために、回転子コイル支え8にボルトで固定されるとともに、回転子コイル6の外周をナイロン製ベルトにて巻回して回転子コイル支え8に固定する構造となっている。固定子3は、固定子フレーム9と、固定子鉄心10と、固定子コイル11と、コイル端部カバー12とから構成される。
異常検出装置4は、可変速発電電動機1の運転中に発生する部分放電に起因した信号を含む1次信号を検出する部分放電センサ15と、高周波同軸ケーブル21と、前記1次信号から部分放電の特徴を有する2次信号を検出する部分放電検出手段16と、固定子コイル11の部分放電と回転子コイル6の部分放電とを識別する異常判定手段18と、回転子2の回転位相および系統電圧位相に係る運転情報を取得する運転情報入力手段17と、データサーバ19と、モニターなどの表示手段20とで構成される。部分放電センサ15はGHz帯の電磁波を狭帯域検出するパッチアンテナである。パッチアンテナは狭帯域の検出に優れており、特定周波数帯域のみを選択的に計測できるのでノイズを抑制できる特長がある。
さらに詳細に説明する。部分放電発生に伴って発生する電磁波は数MHz〜数GHzの範囲に及ぶ。しかし、この周波数範囲には部分放電に類似の電磁波ノイズが多く存在し、部分放電センサ15として用いるアンテナが検出する1次信号はこれらノイズを含み、部分放電計測の障害となる。このため部分放電計測にはノイズ除去が必須であり、特にノイズが増える運転中の計測では最も重要な課題となる。このような課題を解決する手段として、狭帯域のパッチアンテナを用いることは非常に有効である。
部分放電センサ15は、水車(図示せず)側の回転子コイル端部13aに対向する位置に設けた部分放電センサ15aと、反水車側の回転子コイル端部13bに対向する位置に設けた部分放電センサ15bとで一対のアンテナを構成し、共に固定子フレーム9の内部に設けられる。これは次の理由による。可変速発電電動機1は構造体として非常に大きく、回転子コイル6の水車側の回転子コイル端部13aから反水車側の回転子コイル端部13bまでの長さは5mに達する。また、回転子2と固定子3とのギャップは10mm程度であり、非常に狭い。したがって、回転子コイル6の水車側回の転子コイル端部13aで発生した部分放電に伴う電磁波が反水車側の回転子コイル端部13bまで伝搬する間に電磁波の減衰が生じる。この減衰により、水車側の回転子コイル端部13aで発生する部分放電を反水車側で検出することは困難となる。このため、回転子コイル6の水車側で発生する部分放電は水車側に設けた部分放電センサ15aで、反水車側で発生する部分放電は反水車側に設けた部分放電センサ15bで、それぞれ検出する構成としている。
図2は、可変速発電電動機1を反水車側から見たときの回転子2と固定子3と部分放電センサ15bとの位置関係を示す模式図である。部分放電センサ15bは、回転子2と固定子3とのギャップに対向するように配置されている。また、回転子2の円周方向における部分放電センサ15aの位置は、部分放電センサ15bと同一角度になるように配置している。さらに、部分放電センサ15aは、図3に示すように、回転子の円周方向の位置に関して、固定子コイル6の中性点14側の低電圧箇所に対応した角度に設けている。
部分放電センサ15aの出力は、高周波同軸ケーブル21aにより固定子フレーム9の外部に導出し狭帯域の信号検出器22aに接続される。同様に、部分放電センサ15bの出力は、高周波同軸ケーブル21bにより固定子フレーム9の外部に導出し狭帯域の信号検出器22bに接続される。高周波同軸ケーブル21a、21bの長さは高周波信号の減衰を考慮して5m以内に管理される。
部分放電検出手段16は、GHz帯の狭帯域の信号検出器22a、22bと、LANケーブル23a、23b(より対線)と、HUB24(ハブ)と、部分放電の特徴を有する2次信号を検出する部分放電計測器25と、異常判断を行う異常判定手段18とで構成される。なお、図1では、部分放電計測器25の内部に異常判定手段18を設けたが、異常判定手段18を部分放電計測器25の外部に設けて、部分放電計測器25が検出した2次信号を異常判定手段18が受け取るように構成してもよい。また、部分放電計測器25および異常判定手段18は、コンピュータなどの入出力機能と十分な演算能力を有する情報処理機器で構成している。
GHz帯の狭帯域の信号検出器22a、22bはそれぞれLANケーブル23a、23bを経由してHUB24に接続される。これらLANケーブル23a、23bは、HUB24を経由して部分放電計測器25に接続される。部分放電計測器25には、中央操作室(図示せず)からの信号Aが入力される運転情報入力手段17とデータサーバ19が接続される。部分放電検出手段16の出力は表示手段20に接続される。
図2において、回転子2に納められ三相分布巻線を施した回転子コイルU相6u、回転子コイルV相6v、回転子コイルW相6wは、発電時は時計方向に高速回転する。固定子3に納められ三相分布巻線を施した固定子コイルU相11u、固定子コイルV相11v、固定子コイルW相11wは、固定されたままである。部分放電センサ15bは、回転子コイル端部13bに対向して、所定の位置に固定されている。つまり、部分放電センサ15bと固定子コイルU相11u、固定子コイルV相11v、固定子コイルW相11wの位置関係は固定である。
一方、回転子コイルU相6u、回転子コイルV相6v、回転子コイルW相6wは、時計方向に高速回転しているので、部分放電センサ15bとの関係は絶えず変化しており、一回転に一度、部分放電センサ15bの近傍を通過する。
同様に、部分放電センサ15aと、固定子コイルU相11u、固定子コイルV相11v、固定子コイルW相11wとの位置関係は固定であり、一方、部分放電センサ15aと、回転子コイルU相6u、回転子コイルV相6v、回転子コイルW相6wとの関係は絶えず変化しており、一回転に一度、部分放電センサ15aの近傍を通過する。
図4に、図1および図2に示した構成における、可変速発電電動機1の発電時の回転子コイルのU―V間INV(インバータ)電圧30と、回転子コイル電流31と、固定子コイル電圧32と、回転子回転位相との関係を示す。
可変速発電電動機1の回転子2の回転数n(単位:回/s)は次式で示される。

n=2×(fs−fe)/P ・・・・・(式1)

ここで、feは、励磁周波数(単位:Hz)、fsは、同期周波数(単位:Hz)、Pは、極数である。なお、同期周波数は、系統周波数と等しくなる。
また、回転子の周期T(単位:s)は次式で示される。

T=1/n=P/(2×(fs−fe)) ・・・・・(式2)

ここで、fe=2.5Hz、fs=60Hz、P=12極のとすると、n=9.5833回/s、T=0.1043sとなる。
この関係を示したのが図4である。図4には、時間tが0〜0.4秒間の波形を示した。図4に示すように、0.4秒間に回転子コイル電流31は1サイクル励磁し、回転子2は約4回転し、固定子コイル電圧32は24サイクル発生する。これらのfe、fs、Pなどの諸元は運転情報入力手段17を介して発電所中央操作室の運転情報から収集される。
前述したように、回転子コイル6は三相分布巻線であり、励磁電圧は2〜3Hzの間で励磁周波数可変の交流4000〜5000Vである。この励磁周波数可変の交流電圧を発生させる励磁電源として、インバータとコンバータを主回路とする励磁電源が備えられている(図示せず)。この励磁電源はPWM(Pulse Width Modulation)制御により交流電流を供給する。図4に示す回転子コイルU―V間INV電圧30が、PWM制御された矩形波電圧である。通常、交流電圧は正弦波であり360度に2つの電圧ピークを持つが、PWM制御された電圧では、全位相に亘って波高値一定でパルス幅の異なる矩形波が印加される。このINV電圧では矩形波の急峻な立ち上がりによって出力電圧の1.5倍のサージ電圧が発生することが知られている。したがって、回転子コイル6では全位相で0Vからサージ電圧までが印加される。
更に、PWM制御の矩形波は立ち上がりが急峻であるため、この急峻波に起因するインバータノイズが発生し、発生したインバータノイズが部分放電計測に悪影響を及ぼすことが知られており、その周波数帯域は数10kHzから100MHz近傍にまで及ぶ。したがって、運転中の部分放電計測ではインバータ駆動電源からのノイズ抑制が必要である。ここではインバータノイズより高周波帯域での狭帯域検出によりノイズを排除して計測する部分放電検出手段16を用いている。
次いで、回転子コイル6で発生する部分放電について説明する。回転子コイル6で発生する部分放電は大別して2種類がある。一方は、回転子コイル6のU、V、W相間で発生する部分放電であり、他方は、回転子コイル6と大地間で発生する部分放電である。このどちらが発生し易く、地絡の要因となるかは回転子コイル6の構造と運転中に受ける電気的、機械的、熱的、環境的ストレスによって決まる。
部分放電は電界が高い箇所に生じる部分的な絶縁破壊なので、交流電圧が印加される絶縁物では、正電界のときと負電界のときに交流電圧サイクルに同期して発生する。ところが、可変速発電電動機1の励磁回路では前述したようにインバータ回路を用いてPWM制御によりパルス幅を変化させた矩形波電圧を印加して交流電流を発生しているので、全位相に高電界のときが存在する。また、前述したように回転子コイル端部13a、13bは非常に過酷な遠心力を受けると共に、回転子コイル端部13a、13bの複雑な構造のために冷却性が悪く熱ストレスを受け易い。このため、可変速発電電動機1の運転中は、回転子コイル端部13a、13bにおいて回転子コイルU、V、Wの相間で部分放電が発生する場合が多く、かつ部分放電が発生する位相としては全位相で発生する可能性がある。また、発生する箇所は最弱点部分であり、発生したら自続的となる。
回転子コイル6と大地間で発生する部分放電は、回転子コイル6の導体と回転子鉄心7などの大地間の電気的ストレスによって発生する。しかしながら、回転子コイル6には固定子コイル11と同じ構成のマイカ―エポキシ絶縁体を尤度5倍で施しているので、耐電圧が25kV程度あり、4000〜5000Vで発生する確率は非常に低い。
これに対して、固定子コイル11で発生する固定子コイル部分放電に起因した信号36は状況が異なる。固定子コイル11では、系統電圧周波数(ここでは60Hz)で高電圧を発電(揚水の場合は受電)するため60Hzの高電圧(発電電圧は16〜18kV)が印加される。前述したように交流電圧では1サイクル360度に2度の高電界となる。よって、固定子コイル11で発生する部分放電は、位相は360度に2箇所で周期的であり、時間的には自続的である。また、固定子コイル11にも三相分布巻線が施されており、運転中の固定子コイル電圧32は系統側が最も高く、中性点になるに従って低くなる特徴を有する。したがって、部分放電は系統側が発生し易く、中性点14側が発生し難いという特徴がある。
以下において、異常検出装置4の動作について説明する。
まず、部分放電の計測について説明する。図5に、固定設置した部分放電センサ15bで検出した1次信号から、部分放電検出手段16にて検出した部分放電の特徴を有する2次信号の部分放電位相特性を示す。図5では、回転子コイル部分放電に起因した信号35と固定子コイル部分放電に起因した36の両方が発生した時の時間tが0〜約0.11秒間の特性を示した。
回転子コイル部分放電に起因した信号35は、実際には回転子コイル6では放電が継続しているが、部分放電センサ15bで計測するので、部分放電発生点が部分放電センサ15bの直下を通過するときのみ検出され、部分放電センサ15bから遠ざかると電磁波減衰により検出されない。つまり、回転子コイル6の部分放電発生点と部分放電センサ15間の伝搬特性が絶えず変化している。この結果、1箇所の放電発生点は回転子2が1回転する間に1度だけ計測される。
一方、固定子コイル部分放電に起因した信号36は、部分放電発生点と部分放電センサ間の伝搬経路が一定であり、回転子2の回転数とは無関係に固定子コイル電圧32の電圧位相に関係して発生する。部分放電の発生原因が固定子コイル11の絶縁体中のボイド(空隙)放電の場合には、固定子コイル電圧32の1サイクルに2度発生する。なお、図5では前記放電を全て正極性の放電として記載しているが、これは部分放電センサにパッチアンテナを用いるためで、実際の放電現象は、固定子コイル11内部で発生する部分放電は電圧上昇過程で正極性の部分放電が、電圧下降過程では負極性の部分放電が周期的に発生している。
部分放電センサ15bで検出した信号は高周波同軸ケーブル21bを介して狭帯域の信号検出器22bに伝送される。狭帯域の信号検出器22bではバンドパスフィルタ(図示せず)で検出帯域を1.8GHz±100MHzの狭帯域とし、アンプ(図示せず)で増幅して、アナログ/デジタル変換し、デジタル信号として出力する。部分放電センサ15aで検出した信号も同様に狭帯域の信号検出器22aで狭帯域検出した後にアナログ/デジタル変換しデジタル信号を出力する。狭帯域の信号検出器22a、22bは連続動作しており、データはリアルタイムで連続出力される。
部分放電の計測は、部分放電計測器25に組み込まれたプログラムにより実施される。設定された計測時間、計測間隔、計測感度、位相特性表示する回転子回転数(例えば4回転表示)、異常判定レベルなどの部分放電計測条件に従い、狭帯域の信号検出器22a、22bで検出した信号を自動収集する。ここでは5分間隔で10秒間のデータ収集を行う場合について説明する。
データ収集開始の時間になると計測指令が発せられる。計測指令が出されると部分放電計測器25に内蔵した位相検出回路(図示せず)で検出した系統電圧の負電圧から正電圧へのゼロクロスから収集を開始し、計測条件で指定した計測時間分のデータがLANケーブル23a、23b経由で収集される。位相検出はU相電圧を基本としているが、計測条件入力時に任意に設定できる。固定子コイル11の位相情報は系統電圧周波数から得る。系統電圧周波数は不変なので計測条件として入力する。更に、可変速発電電動機1の回転子2の回転数は絶えず変化するので、図5の位相特性を表示するために部分放電計測時に運転情報入力手段17により、その時の運転情報を収集する。
計測は設定した10秒間を連続して行なう。収集した運転情報は収集した部分放電データとともにデータサーバ19に格納される。データサーバ19への格納と同時に、部分放電センサ15a、15bごとに、図6に示すフローにしたがって図5の位相特性が表示手段20に表示される。この時、位相特性の時間軸は、運転情報入力手段17で収集した情報と、前記した式1、式2により回転子2の周期を求め、計測条件で指定した回転子回転数を横軸として計測時間(例えば10秒)分を重ね表示する。図6のフローの説明は後述する。
図5に示す様な位相特性は、部分放電センサ15a、15bごとに表示されるので、回転子コイル6の水車側と反水車側の部分放電特性を同時に把握することができる。また、部分放電センサ15a、15bの回転子2の円周方向における位置は同一角度に構成しているので、同一位相角で評価することができ、回転子コイル6と固定子コイル11の部分放電識別が容易となる。さらに、部分放電センサ15a、15bは固定子コイル11の低電位箇所に対応する位置(回転子2の円周方向の位置)に設置しているため、上述したように、部分放電センサ15a、15b近傍の固定子コイル11での部分放電が発生し難い。仮に、部分放電が発生したとしても、その放電電荷は小さい。固定子コイル11の部分放電は回転子コイル6の部分放電計測からみるとノイズとなるが、部分放電が小さいために回転子コイル6の部分放電識別が容易となる。
次いで、回転子コイル6の部分放電と固定子コイル11の部分放電との識別について説明する。運転情報入力手段17にて可変速発電電動機1の回転子2の回転位相および系統電圧位相に係る運転情報を取得するステップと、部分放電センサ15a、15bにて可変速発電電動機1の運転中に発生する部分放電に起因した信号を含む1次信号を検出するステップと、部分放電検出手段16にて前記1次信号から部分放電の特徴を有する2次信号を検出するステップとを経て、部分放電の識別に必要な情報を得た後、異常判定手段18にて、前記2次信号と前記回転位相および前記系統電圧位相との同期性を比較することで、可変速発電電動機1の固定子コイル11の部分放電と回転子コイル6の部分放電とを識別する。
図6は回転子コイル6と固定子コイル11の部分放電の識別と異常判定のフローである。図6のフローは、次のステップで実行される。
第1ステップ。
指定の時間になると部分放電検出手段16で検出してデータサーバ19に格納された計測ファイル信号(部分放電の特徴を有する2次信号に相等)を読み出す。計測ファイルには部分放電検出手段16で検出した通過帯域の信号のみが、部分放電発生パルスごとに、発生時刻と部分放電強度が対となって、時系列に格納されている。指定時刻は計測時刻と連動しており、計測時刻になると計測を開始し、計測データを一旦格納し、直後に計測データと運転情報を読み出す。読み出した計測ファイルの中に信号が検出されているかを判別する。信号が検出されていれば位相特性の表示を表示手段20などで行なう。(具体的には、1回転の時間を求め、指定回数分(例えば5回転)を横軸として回転位相を求める。)信号が検出されていなければ次回指定時刻まで待機して監視を継続する。
第2ステップ。
運転情報入力手段17で得られる励磁周波数と系統電圧周波数と励磁極数とから回転位相を求め、計測データが回転子位相と同期しているかを識別する。ここで、回転子位相と同期している信号を回転子コイル6の部分放電と識別し、系統電圧位相と同期している信号を固定子コイル11の部分放電と識別する。どちらとも同期していない信号はノイズと識別する。
第3ステップ。
回転子コイル6の部分放電に起因した信号35および固定子コイル11の部分放電に起因した36と識別した信号は、予め登録したそれぞれの判定値と比較し、判定値より大きい場合は「異常」判定する。判定値より小さい場合は危険度が小さいと判定し監視を継続する。
第4ステップ。
第3ステップで「異常」判定した回転子コイル6の部分放電に起因した信号35は、位相特性がギャップ性の放電パターンを示すか否かを識別する。回転子コイル6の部分放電に起因した信号35でギャップ性の放電パターンであると識別した場合は危険度が「大」であると判定し、表示手段20に危険度「大」の警報を表示するとともに、危険度「大」の警報を関連する外部装置、例えば、監視センターへの送信機などへ発信する。ギャップ性放電パターンでは無いと識別された場合は危険度が「中」であると判定し、危険度「中」の警報を表示手段に表示する。
第5ステップ。
第3ステップで「異常」判定した固定子コイル11の部分放電信号に起因した信号36は、位相特性がギャップ性の放電パターンを示すか否かを識別する。ここでギャップ性の放電パターンであると識別した場合は危険度が「中」であると判定し、表示手段20に危険度「中」の警報を表示する。ギャップ性放電パターンでは無いと識別された場合は危険度が小さいと判定し、監視の頻度を上げて監視を継続する。
上記の部分放電の識別および異常判定はプログラムを組み込んだ情報処理機器である異常判定手段18で行なう。また、計測操作者が表示手段20に表示された図5に示す部分放電位相特性を基に判定しても良い。
図7に、危険度判定の核となる部分放電の位相特性パターンを示す。図7(a)は高電圧部に生じたギャップにより部分放電が発生する「ギャップ性放電パターン」である。図7(b)は主絶縁内部のボイドで発生する「ボイド放電パターン」である。図7(c)は絶縁層に剥離が生じた時に発生する「剥離性放電パターン」である。
図8に、部分放電パターンと破壊電圧と危険度の関係を示す。我々は長年部分放電が絶縁破壊電圧の低下に及ぼす研究を行なっており、その結果、部分放電パターンと残存破壊電圧の関係は図8であるとの知見を得た。前記第4、第5ステップでの危険度判定は、図8の知見に基づく。更に、回転子コイル6と固定子コイル11とでは、運転中に印加される電圧や絶縁構成が異なるので、同じ放電パターンであっても寿命に与える影響に差異があり、危険度が異なる知見を得ている。このため、同様の放電パターンであっても回転子コイル6と固定子コイル11とでは危険度が異なる。
また、これまで固定子コイル11の部分放電として1サイクルに2度発生する場合について述べたが、部分放電の種類により1サイクルに1度放電する場合もある。例えば、固定子コイル11表面での沿面放電やスロット放電などのように、負の高電圧の時に部分放電が発生し、正の高電圧の時には部分放電が発生し無いか発生しても非常に小さい現象、所謂、非対称放電などである。いずれの場合も固定子コイル11の位相と相関がある特性を示す。さらに、この発明においては、回転子コイル6の部分放電が回転子2の回転位相と相関を示すように構成しており、この特徴から回転子コイル6の部分放電を識別している。
この実施の形態に係る異常検出装置4では、図5に示す様な位相特性を、部分放電センサ15a、15bごとに検出できるので、回転子コイル6の水車側と反水車側の部分放電特性を同時に把握することができる。
また、部分放電センサ15a、15bの回転子の円周方向の位置、つまり角度は、同一角度に構成しているので、同一位相角で評価することができ、回転子コイル6と固定子コイル11の部分放電識別が容易となる。
また、部分放電センサ15a、15bは、図2および図3に示すように、回転子の円周方向に関して固定子コイル11の低電位箇所に設置されるので、上述のように部分放電センサ15a、15b近傍の固定子コイル11での部分放電発生が小さい。固定子コイル11の部分放電は回転子コイル6の部分放電計測からみるとノイズとなるが、部分放電が小さいために回転子コイル6の部分放電の識別が容易となる。
また、この実施の形態に係る部分放電計測では、回転子コイル6の部分放電は回転子3の回転位相に同期した部分放電特性を示すので、回転子3の回転位相に同期した信号のみを弁別して回転子コイル6の部分放電として監視することが出来る。このことにより、地絡の前駆現象である部分放電を捉えて、地絡より早期に感度良く回転子コイル6の異常を検出することができる。
また、回転子2の回転位相を、運転情報入力手段17を用いて運転中に入手できるので、回転子回転数が時々刻々変化する可変速発電電動機1において、精度良く回転位相情報を把握できる効果がある。このことにより回転子コイル6の部分放電識別感度が向上する。
また、一定以上の強度を有するギャップ性の放電パターンの発生を基に異常を判定することで、回転子コイル6で発生する数種類の部分放電の中で絶縁破壊に至るリスクが高いギャップ性の部分放電を判別して、危険度の高い異常を判定できる効果がある。
更に、回転子コイル6の異状を早期に検出することで、社会的影響が非常に大きい可変速発電電動機の絶縁事故を未然に防止することができると言う大きな効果がある。
また、運転情報入力手段17を介して、前記fe、fs、Pを運転情報から入手する構成としたが、fs、Pは可変速発電電動機ごとに定まった値なので、異常検出装置を設置時に入力する構成とし、fsのみを運転情報から入手する構成としても同様の効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態1では、部分放電センサ15aおよび15bを、水車側と反水車側とで一対をなして、固定子コイル11の低電位箇所の位置に設ける構成について述べた。この実施の形態2では、部分放電センサ15の設置箇所として、前記低圧箇所に設けた一対の部分放電センサ15a、15bに加えて、別の部分放電センサを水車側と反水車側とで一対を成して固定子コイル11の高電位箇所に設けている。具体的には、図9に示すように、回転子2の円周方向の位置に関して、固定子コイル3の低電位箇所にそれぞれ配置される部分放電センサ15aおよび15b(図示せず)の一対に加え、固定子コイル3の高電位箇所にそれぞれ配置された水車側の部分放電センサ15ahと反水車側の部分放電センサ15bh(図示せず)の一対を設けている。
部分放電センサ15ah、15bhには、それぞれ高周波同軸ケーブル21、狭帯域の信号検出器22が接続され、LANケーブル23を介してHUB24に接続される。なお、HUB24以降の構成は、実施の形態1と同じである。また、部分放電の発生と計測、および部分放電の識別動作のステップも、実施の形態1と同じである。なお、計測された部分放電の特徴を有する2次信号は、表示手段20によって部分放電センサ15a、15b,15ah、15bhごとに表示される。
次に、部分放電の識別動作について説明する。部分放電センサ15a、15bは固定子コイル11の部分放電の発生が少ない低電位箇所で計測するので実施の形態1と同じく回転子コイル6の部分放電を主体に計測する。一方、部分放電センサ15ah、15bhは、固定子コイル11の部分放電が発生し易い高電位箇所に設けているので、回転子コイル部分放電に起因した信号35と固定子コイル部分放電に起因した信号36を識別した後に、固定子コイル11の部分放電を主体に検出して表示する。
このように構成することで、固定子コイル11の低電位箇所に設けた部分放電センサ15a、15bでは回転子コイル6の部分放電を、高電位箇所に設けた部分放電センサ15ah、15bhでは固定子コイルの部分放電を、異なる部分放電センサを用いてで別々に検出することが出来るので、回転子コイル6と固定子コイル11の両方の異状監視ができる効果がある。
また、部分放電センサ15a、15ahは水車側に設けているので、水車側で部分放電が発生した場合、回転子コイル部分放電に起因した信号35は部分放電センサ15a、15ah共に検出されるのに対して、固定子コイル部分放電36は部分放電センサ15ahに強く検出される。同様に、部分放電センサ15b、15bhは反水車側に設けているので、反水車側で部分放電が発生した場合、回転子コイル部分放電35は部分放電センサ15b、15bh共に検出されるのに対して、固定子コイル部分放電36は部分放電センサ15bhに強く検出される。この現象を利用して識別しても同様の効果を奏する。
実施の形態3.
図10に、この発明の実施の形態3における異常検出装置4を適用した可変速発電電動機1(立て軸型回転電機)を示す。同図では、実施の形態1で部分放電の検出に使用したパッチアンテナ15a、15bと狭帯域の信号検出器22a、22bの代わりに、固定子フレーム9内の回転子コイル端部13a、13bにそれぞれ対向した位置に、部分放電センサとしてループアンテナ40a、40bを設け、ループアンテナ40a、40bの出力をそれぞれ伝送する高周波同軸ケーブル41a、41bと、ループアンテナ40a、40bの出力をそれぞれ検出するループアンテナ検出器42a、42bとを設けた。部分放電検出手段16は、ループアンテナ40a、40bからの1次信号から200MHz〜1200MHzの範囲内で任意の中心周波数±200MHzを検出する信号検出器である。前記検出した信号はデジタル変換してそれぞれLANケーブル23c、23dを介してHUB24に伝送する。HUB24に伝送した以降の基本構成は実施の形態1と同様である。
ここで、部分放電発生から絶縁破壊に至る過程における放電現象の変化、および発明者らの研究により得た知見に基づく放電電磁波の周波数帯域について述べる。
放電の種類は大別して、部分放電、火花放電、グロー放電、アーク放電に分類される。部分放電に関しては、実施の形態1で述べた通りである。部分放電は、局部的に生じる持続的な放電であり放電空間での電荷移動距離が小さいため、放電により励起される電磁波の周波数帯域は数MHz〜数GHzの範囲に、より顕著な周波数領域としては数MHz〜2500MHzの範囲に及ぶ。
火花放電では、荷電粒子によって生成された電子が次の分子を電離し、二次電子放出が盛んになり電子なだれが生じて電極間に大きな電流が流れる状態となる。部分放電の放電現象が大きくなり、電極間に存在する絶縁体が劣化により消滅すると火花放電に移行する場合がある。この火花放電により励起される電磁波の周波数帯域は数百kHz〜1500MHzの範囲である。
グロー放電は、低圧の気体中で生じる持続的な放電現象で、電離した正イオンが陰極に衝突して2次電子放出し、その電子が加速され更に気体分子を電離して大きな電流が流れる放電に発展するものである。グロー放電では電荷移動距離が大きくなるため励起される電磁波の周波数帯域は数十kHz〜600MHzの範囲である。
グロー放電から更に電流が増加するとアーク放電となる。グロー放電は高い電圧による小さな電流で気体分子の温度が低い放電であるのに対し、アーク放電は低い電圧で大きな電流が流れ、気体分子の温度も高い放電である。アーク放電電磁波による周波数帯域は数十kHz〜600MHzの範囲にあるが、スペクトル強度が大きいのは400MHzより低い帯域であった。
この実施の形態では、部分放電の他に火花放電、グロー放電、アーク放電などの状態を検出する目的で、部分放電センサとその他の放電センサとを兼ねるループアンテナ40a、40bを用いる。検出帯域は、部分放電の場合は200〜2000MHz、火花放電の場合は600〜1200MHz、アーク放電の場合は200〜600MHzの範囲が最良であるが、どのような種類の放電が発生しているかは不明なので、200MHz〜1200MHzの範囲で任意の中心周波数を帯域幅±200MHzとして検出する構成とした。上記放電現象を検出するループアンテナ40は、その特性上、全ての範囲を1個のアンテナでカバーすることが出来ないので、検出帯域ごとに準備した数種類のループアンテナを用いて交換して使用する。
ループアンテナ40a、40bで検出した放電信号はそれぞれ高周波同軸ケーブル41a、41bを経由してループアンテナ検出器42a、42bに伝送する。ループアンテナ検出器42a、42bでは、内蔵した局部発信機を用いたミキシング回路により、選択したループアンテナ40a、40bに整合した検出中心周波数に調整して信号を検出する。検出した信号はそれぞれデジタル変換してLANケーブル23c、23dを介してHUB24に伝送する。HUBに伝送した以降の基本動作は実施の形態1と同様である。
検出した信号が回転子コイル6からの発生であるか、固定子コイル11からの発生であるかの識別の方法は実施の形態1と同様である。
危険度判定では、部分放電が検出された場合は実施の形態1と同様であるが、それ以外の放電(例えばアーク放電)が検出された時には即危険度「大」の判定となる。部分放電であるか、その他の放電であるかの識別は検出結果の位相特性および検出周波数帯域から行なう。具体的には、検出結果が図7の位相特性を示せば部分放電であり、1000MHz以上では検出されず600MHz以下でのみ検出されればアーク放電と識別する。火花放電の場合は1000MHz〜1200MHzでも検出されるが、検出信号の強度が部分放電に比較して2桁以上大きいことで識別する。
通常、回転子コイル6の絶縁体に異常が生じた時には、まず部分放電が発生し、部分放電が数ヶ月継続する中で絶縁劣化が進展してアーク放電に移行する場合が多い。したがって、ほとんどの場合は部分放電を検出することで回転子コイル6の異状を検出できるが、ごく稀に、部分放電の発生と時を同じくしてアーク放電に移行するような劣化現象が生じることがある。このような場合でも、この実施の形態に係る装置を用いることで、異常検出確実に行なうことができる効果がある。
なお、上述では検出帯域ごとにループアンテナ40a、40bを交換することについて述べたが、帯域の異なる数種類のループアンテナを隣接して設置しておき、マルチプレクサ等を使用してアンテナ順次切り替えて計測し、切り替えと連動してループアンテナ検出器の検出帯域を選定するようにしても同様の効果を奏する。
実施の形態4.
図11に、この発明の実施の形態4における異常検出装置4を適用した可変速発電電動機1(立て軸型回転電機)を示す。図11では、実施の形態1で部分放電検出に使用したGHz帯のパッチアンテナ15a、15bと狭帯域の信号検出器22a、22bなどに付加して、前記パッチアンテナ15a、15bにそれぞれ隣接する位置に設けられたループアンテナ40a、40bと、ループアンテナ40a、40bの出力をそれぞれ伝送する高周波同軸ケーブル41a、41bと、ループアンテナ40a、40bの出力をそれぞれ200MHz〜1200MHzの範囲内で任意の中心周波数±200MHzにて検出するループアンテナ検出器42a、42bとを設けた。ループアンテナ40a、40bで検出した1次信号はデジタル変換してそれぞれLANケーブル23c、23dを介してHUB24に伝送する。HUBに伝送した以降の基本動作は実施の形態1と同様である。
このように構成した装置により、同一放電信号をパッチアンテナ15a、15bとループアンテナ40a、40bとを用いて検出し、パッチアンテナ15a、15bで検出した1次信号を用いて部分放電を検出し、ループアンテナ40a、40bで検出した1次信号を用いて火花放電やアーク放電を検出する。パッチアンテナ15a、15bを用いた部分放電計測動作および異常検出の方法は、実施の形態1と同様であり、ループアンテナ40a、40bを用いた放電検出動作および異状検出の方法は実施の形態3と同様である。
このように、部分放電センサとして、回転子コイル端部13a、13bに対向して固定子フレーム9内に設けた、GHz帯のアンテナ15a、15bおよび通過帯域が200MHz〜1200MHzのループアンテナ40a、40bを併用し、部分放電検出手段として、前記GHz帯のアンテナ15a、15bからの1次信号から部分放電に起因した信号を検出するGHz帯の狭帯域の信号検出器22a、22b、および前記ループアンテナ40a、40bからの1次信号から200MHz〜1200MHzの範囲内で任意の中心周波数±200MHzを検出する信号検出器42a、42bを用いるように構成したので、放電発生に伴う広範囲の周波数帯域の放電を検出でき、異状が発生しても取り逃しなく異常検出できる。
実施の形態5.
図12に、この発明の実施の形態5における異常検出装置4を適用した可変速発電電動機1(立て軸型回転電機)を示す。実施の形態1では、運転情報入力手段17は、回転子コイル6の部分放電と固定子コイル11の部分放電を識別するのに必要な位相情報を中央操作室からの信号Aにより取得したが、図12に示すように、この実施の形態では、運転情報入力手段17は、回転子3の回転位相を検出する回転検出器45より位相情報を取得する。この回転検出器45は、スケール46と発光受光回路47とで構成される。その他の構成は実施の形態1と同様である。
スケール46は金属製の円筒板で、外周部に光をオン/オフさせるために光学反射窓を設けている。発光受光回路47は発光源と受光素子と増幅回路(ともに図示せず)から成り、発光源からの光がスケール46に向けて照射され、スケール46ではスリット状の光学反射窓で反射したパルス光を受光素子で受光し増幅する。この受光パルスにより回転数が計測され、運転情報入力手段17および部分放電計測器25を経由してデータサーバ19に伝送される。
この回転検出器45が検出した回転子2の回転数を運転情報入力手段17が取得し、この回転数から部分放電の位相特性を得ること、言い換えれば、可変速発電電動機1の回転子の回転位相に係る運転情報を、回転子2に設けられた回転検出器15の出力から運転情報入力手段17が取得するステップを有することが、この実施の形態の特徴である。
なお、部分放電の計測、位相特性の表示、固定子コイル11の位相情報入力、及び回転子コイル部分放電に起因した信号35の識別などは実施の形態1と同様である。また識別した回転子コイル11の部分放電による異状判定も実施の形態1と同様である。
このように構成することで、中央操作室からの運転情報入力が無くても実施の形態1と同様な効果を得ることが出来る。なお、回転検出器45はロータリーエンコーダに限定されるものではなく、電磁式回転検出器でも同様の効果を奏する。
なお、以上の実施の形態では、水車側と反水車側とに位置する回転子コイル端部13a、13bの両方に、それぞれ対向する部分放電センサを設け、これらに対応する部分放電検出手段を各々設けたが、部分放電に起因した信号を含む1次信号を水車側または反水車側のいずれかで異常検出を行うのに十分な強度で検出可能な場合は、どちらか一方でもよいことは、言うまでもない。
1 可変速発電電動機、2 回転子、3 固定子、4 異常検出装置、5 回転子軸、6 回転子コイル、6u 回転子コイルU相、6v 回転子コイルV相、6w 回転子コイルW相、7 回転子鉄心、8 回転子コイル支え、9 固定子フレーム、10 固定子鉄心、11 固定子コイル、11u 固定子コイルU相、11v 固定子コイルV相、11w 固定子コイルW相、12 コイル端部カバー、13、13a、13b 回転子コイル端部、14 中性点、15、15a、15ah、15b、15bh 部分放電センサ、16 部分放電検出手段、17 運転情報入力手段、18 異常判定手段、19 データサーバ、20 表示手段、21、21a、21b 高周波同軸ケーブル、22a、22b 狭帯域の信号検出器、23、23a、23b、23c、23d LANケーブル、24 HUB、25 部分放電計測器、30 回転子コイルのU―V間INV電圧、31 回転子コイル電流、32 固定子コイル電圧、35 回転子コイル部分放電に起因した信号、36 固定子コイル部分放電に起因した信号、40a、40b ループアンテナ、41a、41b 高周波同軸ケーブル、42a、42b ループアンテナ検出器、45 回転検出器、46 スケール、47 発光受光回路。

Claims (14)

  1. 可変速発電電動機の回転子の回転位相および固定子の系統電圧位相に係る運転情報を取得する運転情報入力手段と、
    前記可変速発電電動機の運転中に発生する部分放電に起因した信号を含む1次信号を検出する部分放電センサと、
    前記1次信号から部分放電の特徴を有する2次信号を検出する部分放電検出手段と、
    前記2次信号と前記回転位相との同期性を比較すること、および前記2次信号と前記系統電圧位相との同期性を比較することで、前記可変速発電電動機の固定子コイルの部分放電と回転子コイルの部分放電とを識別する異常判定手段とを、
    備えた可変速発電電動機の異常検出装置。
  2. 部分放電センサは、可変速発電電動機の回転子コイル端部に対向して設けられるGHz帯領のアンテナであり、
    部分放電検出手段は、GHz帯の狭帯域の信号検出器であることを特徴とする請求項1記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  3. アンテナは、
    回転子の水車側と反水車側とでそれぞれ回転子コイル端部に対向する一対のアンテナであることを特徴とする請求項1または2記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  4. 一対のアンテナは、
    回転子の円周方向の位置に関して、同一角度に配置すること特徴とする請求項3記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  5. 一対のアンテナは、
    回転子の円周方向の位置に関して、固定子コイルの低電位箇所に配置することを特徴とする請求項3または4に記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  6. 一対のアンテナは、
    回転子の円周方向の位置に関して、固定子コイルの低電位箇所に加えて高電位箇所に配置することを特徴とする請求項3または4に記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  7. アンテナは、
    パッチアンテナであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  8. 部分放電センサは、可変速発電電動機の回転子コイル端部に対向して設けられるループアンテナであり、
    部分放電検出手段は、前記ループアンテナからの1次信号から200MHz〜1200MHzの範囲内で任意の中心周波数±200MHzを検出する信号検出器であることを特徴とする請求項1記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  9. 部分放電センサは、回転子コイル端部に対向して設けた、GHz帯のアンテナおよび通過帯域が200MHz〜1200MHzのループアンテナであり、
    部分放電検出手段は、前記GHz帯のアンテナからの1次信号から部分放電に起因した信号を検出するGHz帯の狭帯域の信号検出器、および前記ループアンテナからの1次信号から200MHz〜1200MHzの範囲内で任意の中心周波数±200MHzを検出する信号検出器であることを特徴とする請求項1記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  10. 異常判定手段が識別した可変速発電電動機の固定子コイルの部分放電または回転子コイルの部分放電に対応して、異常状態を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の可変速発電電動機の異常検出装置。
  11. 運転情報入力手段にて、可変速発電電動機の回転子の回転位相および固定子の系統電圧位相に係る運転情報を取得するステップと、
    部分放電センサにて、前記可変速発電電動機の運転中に発生する部分放電に起因した信号を含む1次信号を検出するステップと、
    部分放電検出手段にて、前記1次信号から部分放電の特徴を有する2次信号を検出するステップと、
    異常判定手段にて、前記2次信号と前記回転位相との同期性を比較すること、および前記2次信号と前記系統電圧位相との同期性を比較することで、前記可変速発電電動機の固定子コイルの部分放電と回転子コイルの部分放電とを識別するステップとを有する可変速発電電動機の異常検出方法。
  12. 可変速発電電動機の回転子の回転位相を、運転情報入力手段から得た励磁周波数と系統電圧周波数と励磁極数とから求めるステップを有することを特徴とする請求項11記載の可変速発電電動機の異常検出方法。
  13. 可変速発電電動機の回転子の回転位相に係る運転情報を、前記回転子に設けられた回転検出器の出力から運転情報入力手段が取得するステップを有することを特徴とする請求項11または12に記載の可変速発電電動機の異常検出方法。
  14. 異常判定手段にて、部分放電の特徴を有する2次信号が、可変速発電電動機の回転子の回転位相に同期しかつ一定以上の強度を有するギャップ性の放電パターンであると識別した場合に、異常と判定するステップを有することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の可変速発電電動機の異常検出方法。
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