JP5350976B2 - 部分放電計測装置 - Google Patents

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Description

この発明は、部分放電計測装置に関し、特に、小型のモータ巻線等の絶縁性能測定及び評価において、簡便且つ高感度に計測するオールインワンの部分放電計測装置に関するものである。
電気部品の品質管理試験として部分放電試験が行われている。この部分放電試験は、従来から行われている絶縁抵抗試験や耐電圧試験より高感度に絶縁不良を検出する試験方法として用いられている。
近年、耐環境性能の良い電気機器としてインバータ駆動機器が増加してきている。インバータ駆動機器はインバータサージの発生が知られており、このインバータサージに起因する絶縁損傷の可能性を機器の製造段階で検出して製品信頼性を向上するために、モータなどを含むインバータ駆動機器部品の絶縁信頼性検証に部分放電試験が不可欠となっている。
出力電圧値を任意のパターンによりスイープされる正弦波発振部からの正弦波よりパワーアンプ、トランスで所望の正弦波電圧を発生し、供試物に印加する。正弦波電圧の印加により供試物に流れる電流を抵抗Rで検出し、積分部で正弦波の周期と同期した期間毎に積分する。この積分値を、サンプルホールド回路で正弦波の周期と同期してサンプルホールドする構成の部分放電計測装置が紹介されている(例えば、特許文献1参照)。この正弦波の周期と同期した期間は印加電圧の1サイクル毎としている。
また、回転機のフレーム内に受信アンテナを設置し、固定子巻線に発生する部分放電に伴って発生する電磁波を検出する。そして、当該受信アンテナを平板状の受信電極と誘電体を介して受信電極と平行に配置された平板状の接地電極とを備えたパッチアンテナで構成し、このパッチアンテナ自体の緒言で決まる受信の中心周波数が1.0〜2.5GHzの範囲となるように、かつ、帯域幅が部分放電計測に必要な値として中心周波数の5%以下となるように構成した部分放電計測装置が紹介されている(例えば、特許文献2参照)。
本願が対象としている部分放電は、固体絶縁物の表面に発生する沿面放電や、固体絶縁物中のボイド(空隙)で発生する放電、更に絶縁物のクラックや剥離部で発生する放電、あるいは絶縁物表面の汚損によりトラッキングが発生する状態での部分放電、高電圧部と接地電位との近接欠陥部での部分放電など、多岐にわたる。
放電現象は、その発生形態によって電子なだれ走行の時間が異なるなど部分放電により発生する高周波電流や電磁波の周波数が異なることが知られている(例えば、社団法人 電気学会編集 放電ハンドブック)。このため、部分放電を検出するに際してはその放電形態に適した周波数帯域を選定する必要がある。
このように、部分放電はその発生形態により外部で検出する周波数帯域には特徴的な帯域があり、その検出最適周波数帯域については国内外の研究機関においてそれぞれの研究が進められているが、統一的な結果は発表されていない。
また、部分放電を計測するに際しては、放電とノイズの識別が重要である。特に生産現場である工場では、溶接機やブラシ付回転機などの放電に類似した各種の高周波数ノイズ発生源が存在するため、このことは重要な技術課題となる。
特開平11−237430号公報(図1、図2、段落番号0015〜0017参照) 特開2006−250772号公報(図1、段落番号0006参照)
部分放電は、放電開始電圧以上では多数パルスが発生することが知られている(例えば、電気学会技術報告第593号3章(P14〜36)(1996年)、あるいは、平成11年電気学会全国大会315(1999年))。このように印加電圧1サイクルで発生する部分放電は数個から多い場合は数1000個に達する。上記文献ではこれらの多数パルスを計測処理するために計算機を用いて部分放電発生位相角−放電電荷量特性(φ−q特性)や部分放電発生位相角−放電電荷量−放電発生頻度特性(φ−q−n特性)を計測している。
一方、特許文献1記載の部分放電計測装置では、正弦波電圧の印加により供試物に流れる電流を抵抗Rで検出し、正弦波の周期と同期した期間毎に積分した値をサンプルホールドして計測している。このように、1サイクルに多数個発生する部分放電現象を期間毎に積分すると高分解能が損なわれるという問題点があった。また、電流検出法では検出周波数が低いためノイズの影響が大きく、放電開始電圧の計測感度が悪いという問題点があった。
また、特許文献1記載の部分放電計測装置では、供試物に流れる電流を抵抗Rで検出している。特許文献1には電流検出方法の検出周波数については全く触れられていないが、一般的にこのような電流検出方法では検出周波数帯域は数100kHzから数MHz程度と低いためノイズの影響が大きい。更に、部分放電発生に伴う高周波電流や電磁波は前述したようにその発生形態や放電の種類によって異なるため、特に部分放電が発生し始める時の微弱な放電信号検出が必要となる放電開始電圧の計測では、計測感度が低いという問題点があった。
さらに、特許文献2記載の部分放電計測装置では、回転電機の運転電圧により発生する部分放電を計測するため、装置構成として高電圧発生手段を含んでいない。このため、巻線機器の製造過程における品質管理試験に適用するためには別途高電圧電源が必要となるという問題点があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、計測ウインドウ毎の最大部分放電強度を計測するので、絶縁劣化に有害な強度が大きい部分放電のみを選択的に計測でき、また、部分放電パルスの格納数を少なくでき、データ転送、読み出し、処理時間が短縮でき、計測処理速度が向上するとともに、帯域の異なる部分放電計測回路の信号を比較することで、部分放電とノイズの判定、電磁波強度の弱い部分放電判定の精度(部分放電検出感度)が更に向上し、周波数帯域が異なる複数の部分放電計測回路で同時に計測することで、あらゆる帯域の部分放電を計測できる部分放電計測装置を得ることを目的とする。
本発明に係る部分放電計測装置は、所定の高電圧発生パターンを示す高電圧発生指令を出力する試験制御手段と、前記高電圧発生指令に基づき所定の高電圧を連続発生して被試験物に印加するとともに、印加電圧のゼロクロスを検出してゼロクロス信号を出力する高電圧発生手段と、前記高電圧発生手段により発生された電圧を前記被試験物に印加するためのケーブルに、前記被試験物内で発生した部分放電の発生に起因して流れる高周波成分の電、および前記被試験物に印加される電圧を検出する電圧・電流検出手段と、高電圧印加により被試験物で発生する部分放電に伴って発生する電磁波を受信するパッチアンテナと、前記電圧・電流検出手段により部分放電の発生に起因する高周波成分の電流を検出した時点に、前記電圧・電流検出手段により検出された100Hz以下の低周波成分の電圧に基づき、部分放電が発生する電圧を計測する電圧計測回路と、前記パッチアンテナにより受信された電磁波に基づき第1の部分放電強度を計測する第1の部分放電計測回路と、前記電圧・電流検出手段により検出された高周波電流に基づき第2の部分放電強度を計測する第2の部分放電計測回路と、前記電圧・電流検出手段により検出された高周波電圧に基づき第3の部分放電強度を計測する第3の部分放電計測回路と、を備え、前記試験制御手段は、前記ゼロクロス信号に基づき、データを間引くための計測ウインドウを生成して前記電圧計測回路、第1の部分放電計測回路、第2の部分放電計測回路、及び前記第3の部分放電計測回路の計測タイミングを制御するとともに、前記第1の部分放電計測回路により計測ウインドウ毎に計測された第1の最大部分放電強度が第1のしきい値より大きい場合、前記第2の部分放電計測回路により計測ウインドウ毎に計測された第2の最大部分放電強度が第2のしきい値より大きい場合、あるいは前記第3の部分放電計測回路により計測ウインドウ毎に計測された第3の最大部分放電強度が第3のしきい値より大きい場合には部分放電が発生したと判定するものである。
本発明に係る部分放電計測装置によれば、計測ウインドウ毎の最大部分放電強度を計測するので、絶縁劣化に有害な強度が大きい部分放電のみを選択的に計測でき、また、部分放電パルスの格納数を少なくでき、データ転送、読み出し、処理時間が短縮でき、計測処理速度が向上するとともに、帯域の異なる部分放電計測回路の信号を比較することで、部分放電とノイズの判定、電磁波強度の弱い部分放電判定の精度(部分放電検出感度)が更に向上し、周波数帯域が異なる複数の部分放電計測回路で同時に計測することで、あらゆる帯域の部分放電を計測できる。
この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の概略動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の概略動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の高電圧発生パターンを示す図である。 この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置のゼロクロス検出器及び部分放電計測回路の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る部分放電計測装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る部分放電計測装置のゼロクロス検出器及び部分放電計測回路の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る部分放電計測装置のゼロクロス検出器及び部分放電計測回路の動作を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の部分放電計測装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置について図1から図5までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置1は、測定部2と、試験部3とが設けられている。
測定部2は、電源10と、試験制御手段20と、高電圧発生手段30と、高電圧検出手段40と、信号検出手段50とが設けられたオールインワンの装置である。
試験部3は、高電圧検出手段40に接続された高電圧ケーブル61及び低電圧ケーブル62と、高電圧ケーブル61及び低電圧ケーブル62の間に置かれた被試験物91と、被試験物91に近接設置され電磁波92を受信するパッチアンテナ71と、パッチアンテナ71の受信信号を伝送する同軸ケーブル72とが設けられている。
試験制御手段20は、放電判定手段21aを含むCPU21と、表示器22と、RAM23と、出力ポート24と、高電圧制御回路25とが設けられている。なお、高電圧制御回路25は、ソフトウエアで構成し、CPU21に搭載してもよい。
CPU21には、放電判定手段21a以外にも、計測、制御、PD(Partial Discharges:部分放電)結果表示を行うソフトウエア(図示せず)を搭載している。また、表示器22では、試験条件設定と試験結果表示(ともに図示せず)を行う。
高電圧発生手段30は、発振器31と、パワーアンプ32と、変圧器33と、ゼロクロス検出器34とが設けられている。
高電圧検出手段40は、結合コンデンサ41と、検出インピーダンス42と、同軸ケーブル43とが設けられている。
信号検出手段50は、電圧計測回路51と、部分放電計測回路52とが設けられている。電圧計測回路51は、電圧検出器511と、アナログ/デジタル変換器(A/D)512とが設けられている。部分放電計測回路52は、電磁波検出器521と、アナログ/デジタル変換器(A/D)522とが設けられている。
電圧検出器511は、計測対象周波数が50/60Hzなので、100Hzのローパルフィルタ(図示せず)で構成し、アナログ/デジタル変換器512では、時々刻々のアナログ信号をA/D変換する。
電磁波検出回路521は、1.8GHz±100MHzバンドパスフィルタと、ログアンプ(Logarithmic Amplifier)と、包絡線検波器(図示せず)と、ピークホールド回路(図示せず)とが設けられている。
つぎに、この実施の形態1に係る部分放電計測装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図2及び図3は、この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の概略動作を示すフローチャートである。また、図4は、この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置の高電圧発生パターンを示す図である。さらに、図5は、この発明の実施の形態1に係る部分放電計測装置のゼロクロス検出器及び部分放電計測回路の動作を示すタイミングチャートである。
最初に、表示器22の表示画面において試験条件を設定する(ステップ101)。この試験条件は、高電圧発生パターン、印加電圧波形、印加電圧周波数、試験電圧(kV)、電圧上昇速度(kV/s)、電圧下降速度(kV/s)、試験電圧保持時間(s)、PD判定しきい値などである。これらの試験条件を表示器22のタッチパネル及びテンキーによりキーインする。印加電圧波形は正弦波(Sin)、三角波(Triangle)から、印加電圧周波数は50/60Hzから選定する。
CPU21は、試験条件に従って試験を開始し、試験波形が選択され、予めプログラムされた条件に従い高電圧発生のための高電圧発生パターンのデジタル信号を生成して、高電圧制御回路25に送る。高電圧制御回路25は、高電圧発生パターンを示すアナログ信号の高電圧発生指令を発振器31に送る(ステップ102〜103)。ここでは、正弦波、60Hzを選択した場合について説明する。
発振器31は、高電圧発生指令に従い指定電圧波形を発振して、パワーアンプ32に伝送する(ステップ104)。高電圧発生パターンは、図4に示す通りである。
図4(a)は、台形電圧印加パターンPAを示す。この台形電圧印加パターンPAは、指定電圧まで連続上昇、指定時間保持、連続下降の台形パターンである。上昇、下降時の速度は0.1〜2kV/sの範囲でキーイン指定する。
図4(b)は、ステップ電圧印加パターンPBを示す。このステップ電圧印加パターンPBは、指定電圧まで連続上昇、その後指定電圧毎にステップ電圧上昇して指定時間保持する。これを繰り返して指定印加電圧まで印加後連続降圧する。
パワーアンプ32は、パワー発振し、増幅した電圧信号を変圧器33の一次側に出力する(ステップ105)。
ゼロクロス検出器34は、変圧器33の一次側に入力される電圧信号の負から正へのゼロクロスを検出して、毎サイクルのゼロクロスTTL信号を生成してCPU21に伝送する。CPU21は、ゼロクロスを基に計測ウインドウWを生成し、部分放電(PD)パルスが入力された時に計測ウインドウW毎の最大部分放電強度とともにRAM23に格納する(ステップ111〜113)。なお、発振器31からの発振信号のゼロクロスを検出してゼロクロスTTL信号を生成してCPU21に伝送しても良い。
ゼロクロス検出器34は、図5(a)及び(b)に示すように、印加電圧波形の負から正へのゼロクロスを検出してゼロクロスTTL信号を生成する。CPU21は、このゼロクロスTTL信号を基準に、図5(c)に示すように、データを間引くための計測ウインドウWを生成して、部分放電の計測をスタートする。この計測ウインドウWは、例えば、5μ秒である。
変圧器33は、1次/2次の変圧比に従い高電圧を発生する(ステップ106)。変圧器33は、高電圧発生パターンに従った高電圧を被試験物91に印加する(ステップ107)。
被試験物91に印加された高電圧が被試験物91の放電開始電圧以上になると部分放電が発生する。この部分放電発生に伴って電磁波92が放射される。
被試験物91に高電圧が印加されている間の部分放電に起因する電磁波92をパッチアンテナ71で受信する。このパッチアンテナ71は、中心周波数1.8GHz、帯域幅100MHzで狭帯域検出する。1.8GHz帯の電磁波を狭帯域検出することで、ノイズを抑制して高感度に計測する。受信した部分放電信号は、同軸ケーブル72により部分放電計測回路52に転送される。
部分放電計測回路52は、電磁波検出器521に内蔵したログアンプで信号増幅した後、包絡線検波回路(図示せず)で検波してアナログ/デジタル変換器522に伝送する。部分放電現象は、数ナノ秒で完結する高速現象であり、この部分放電に伴う電磁波92はパルス信号となって発生する。電磁波検出器521では、発生する全ての部分放電パルスのうち、計測ウインドウW毎に最大部分放電強度を検出する。
電磁波検出器521で検出した最大部分放電強度は、アナログ/デジタル変換器522でデジタル信号に変換されてCPU21に伝送される。このアナログ/デジタル変換器522は8bitの分解能である。
ここで、図5(c)、(d1)、(d2)、(d3)に示すように、第1計測ウインドウWaの間に3個の部分放電が発生したとすると、部分放電計測回路52には、パッチアンテナ71で検出したPD(部分放電)パルスとして、APa、APb、APcの3個が入力される。この時、電磁波検出回路521のピークホールド回路(図示せず)では、ピークホールド信号が生成される。このピークホールド信号の値は、PDパルスAPaの入力時にAPHaのレベルとなりホールドされる。次のPDパルスAPbが入力された時はPDパルスAPaより小さいのでピークホールド信号は変わらず、更に次のPDパルスAPcが入力された時に、APHcとしてピークホールドする。このようにして、第1計測ウインドウWa間の最大PDパルス値(最大部分放電強度)をピークホールドする。このピークホールド値は、同時に生成されるA/DWrite信号の第1計測ウインドウWaのA/D値AADcとしてCPU21によりRAM23に格納される(ステップ131〜132)。
同様に、第2計測ウインドウWbでは、第2計測ウインドウWb間の最大PDパルスAPeがピークホールド値APHeとして検出されて、A/D値AADeとしてRAM16に格納される。この動作が試験電圧印加の間、繰返し継続される。
CPU21は、被試験物91に高電圧が印加され、最初に部分放電が発生した時の印加電圧を放電開始電圧としてRAM23に記録する。
変圧器33で高電圧が発生すると、高電圧ケーブル61に被試験物91と並列に接続された結合コンデンサ41に高電圧が印加される。ここで、結合コンデンサ41と直列に接続された検出インピーダンス42とで分圧された電圧検出信号が同軸ケーブル43により電圧計測回路51の電圧検出器511に伝送される。電圧検出器511からの信号は、アナログ/デジタル変換器512に伝送され、デジタル信号がCPU21に伝送されてRAM23に格納される(ステップ121〜122)。
CPU21は、ゼロクロス検出器34からのゼロクロスTTL信号を基にゼロクロスから所定の時間の計測ウインドウWを生成し、この計測ウインドウW毎に全ての回路で計測を実行するように制御する。つまり、電圧計測回路51、及び部分放電計測回路52の計測タイミングを制御する。その後、部分放電が発生した時に計測ウインドウW毎に、部分放電発生時間、部分放電発生電圧、部分放電計測回路52で計測した最大部分放電強度をRAM23に格納する。
そして、上述したように、部分放電計測回路52からCPU21に伝送された部分放電データは、電圧計測回路51からCPU21に伝送された電圧データ、及びゼロクロス検出器34からCPU21に伝送されたゼロクロスTTL信号を基に計測された時間データ(最大部分放電発生時刻)とともにRAM23に格納される。
高電圧発生手段30は、高電圧発生パターンに従い、試験電圧まで昇圧した後、指定した試験電圧保持時間だけ同電圧が保持される(ステップ124〜126)。この間に発生する電磁波92をパッチアンテナ71で受信し、部分放電計測回路52で計測してRAM23に格納する。
また、高電圧発生手段30は、指定した電圧下降速度で印加電圧を下げる(ステップ127)。この間にも部分放電を部分放電計測回路52で計測する。被試験物91に印加されている高電圧を降圧して被試験物91の放電消滅電圧以下になると部分放電発生が無くなるので、電磁波92の放射も止む。部分放電の発生が停止した電圧を放電消滅電圧としてCPU21はRAM23に記録する。
高電圧発生手段30は、試験電圧を降下し電圧が0Vになった時点で電源を停止する(ステップ128〜129)。
CPU21は、PD判定しきい値との比較で部分放電発生を判定すると、放電発生判定、放電発生時刻、放電発生電圧、部分放電強度などの試験結果をリアルタイムで表示器22に表示する(ステップ142)。また、CPU21は、要求があれば、RAM16からノイズを含むデータを読み出して、再度PD判定しきい値との比較で放電発生判定、放電開始電圧、放電消滅電圧、最大部分放電強度、部分放電発生位相特性などの詳細結果を表示器22に表示する(ステップ143〜148)。
放電発生判定は、CPU21内に搭載しソフトウエアで構築した放電判定手段21aで部分放電発生を判定する(ステップ133〜137)。具体的には、PD判定しきい値より大きい部分放電パルス(部分放電強度)を検出した時に部分放電が発生したと判定する。このPD判定しきい値は、被試験物91を付けない状態で試験電圧を印加した時に部分放電計測回路52で計測されるパルス強度をノイズレベルと判断してその値とする。
放電開始電圧は、電圧昇圧時にPD判定しきい値より大きい部分放電パルス(部分放電強度)を最初に検出した電圧とし、その時の電圧と部分放電強度を表示する。
放電消滅電圧は、電圧降圧時にPD判定しきい値より大きい部分放電パルス(部分放電強度)の発生が無くなった時の電圧とし、その時の電圧を表示する。
最大放電強度は、電圧保持時に検出された部分放電パルスの最大強度、及び60pps(60パルス/秒)の強度を表示する。
部分放電発生位相特性は、試験電圧保持時間に計測し保存したデータを読み出して電圧印加サイクル毎にゼロクロスを基準にして重ねてプロット表示する。このように表示することで放電が印加電圧のどの位相で発生しているかを表示することができる。さらに、従来蓄積したデータに基づき、絶縁劣化の種類を特定することができる。
部分放電を計測する目的には大別して2つある。第1は、電気機器部品等の製造段階における品質管理のための試験である。第2は、計測対象物の絶縁劣化程度を把握するための試験である。第1の場合は、本来部分放電が発生しない設計で製造した対象物を試験する場合が多く、部分放電発生の有無が問題となる。
部分放電は、どのような対象物でも印加電圧を高くすると発生するという物理的現象である。従って、部分放電発生の有無を問う時は、一定電圧(例えば、1000V)を印加し、その印加過程で部分放電が発生するか否か。発生した場合にどれだけの強度の放電が何Vで発生したかが問われる。例えば、750Vで1pCの放電が発生し、830Vで10pCの放電が発生し、910Vで50pCの放電が発生し、1000Vで120pCの放電が発生したとする。この時、計測器の検出感度が50pCであれば、部分放電開始電圧は910V、1000Vでは120pCとの測定結果が得られる。もし、計測器の計測器の検出感度が10pCであれば、部分放電開始電圧は830V、1000Vでは120pCとの測定結果となる。更に、計測器の検出感度が1pCであれば、部分放電開始電圧は750V、1000Vでは120pCとの測定結果となる。もしも800Vで使用する部品を50pCの計測感度の装置で計測し800Vでは放電発生無しと判定した場合に、実際は1pC程度の放電が発生していることとなり問題となる。
このように、部分放電計測装置の計測感度により部分放電開始電圧の測定結果は変わり、より正確な計測を行う為にはどの程度の高感度計測を行うことができるかが問題となる。本実施の形態はこのような問題を解決するためになされたものである。
このように、本実施の形態によれば、電圧印加時間に発生する全ての部分放電パルスを効率よく計測できる効果がある。また、試験条件設定後スタートボタンONで、交流部分放電計測をオールインワン装置で計測できる。
また、1.8GHzで狭帯域検出するのでノイズを抑制し高感度に検出できる。このことにより、部分放電開始電圧の検出感度が飛躍的に向上する効果がある。更に、ログアンプで増幅するので、部分放電信号強度が4桁変化するダイナミックレンジをレンジ切り換え無しで計測できるので、切り換え回路が不要となる効果がある。
また、包絡線検波回路で検波するので、パルス幅が数ナノ秒となる高速の部分放電信号をサンプリング速度の遅い低価格のA/D変換器で処理することができる効果がある。(計測回路のバンドパスフィルタにより、部分放電による電磁波を狭帯域検出するので、検出信号は振動波形となる。このため包絡線検波により各パルスの波高値検出が容易となる。)更に、包絡線検波により電圧印加時間に発生する全ての部分放電パルスを効率よく計測できる効果がある。
また、部分放電は絶縁の状態により、健全であれば部分放電は発生しないが、表面状態の汚損や絶縁体の劣化により発生する電荷量は数ピコクーロン(pC)から数10万pCに達する。この結果、部分放電発生に伴う電磁波92の強度は測定する被試験物91により−90dBmから−40dBm程度まで5桁ほど異なる可能性がある。このように測定範囲が5桁の部分放電信号を、ログアンプを用いることで1レンジの計測回路で構成することができる。
この実施の形態では、ゼロクロスの検出はパワーアンプ32の出力から行うことについて説明したが、電圧検出器511において検出しても良い。また、上述したように、発振器31の発振信号のゼロクロスタイミングをCPU21に伝送しても同様の効果を奏する。
実施の形態1の変形例を説明する。この変形例は、計測ウインドウWを使用しないで、全ての部分放電パルスを入力してRAM23に格納する。CPU21は、ゼロクロスを基に時間を計測し、部分放電パルスが入力された時に部分放電パルスとともに計測時間をRAM23に格納する。部分放電計測回路52は、ピークホールド回路が無く、入力された部分放電パルスをそのままA/D変換してCPU21へ出力する。この変形例によれば、電圧印加時間に発生する全ての部分放電パルスを効率よく計測できる効果がある。また、試験条件設定後スタートボタンONで、交流部分放電計測をオールインワン装置で計測できる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る部分放電計測装置について図6から図8までを参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態2に係る部分放電計測装置の構成を示す図である。実施の形態1と同じものは、説明を省略する。
図6において、高電圧検出手段40Aは、結合コンデンサ41と、検出インピーダンス42と、同軸ケーブル43と、分岐器(作図上点線の外にある)44と、高周波変流器(RFCT:Radio Frequency Current Transformer)45と、高周波ケーブル46とが設けられている。
信号検出手段50Aは、電圧計測回路51と、部分放電計測回路52と、部分放電計測回路53と、部分放電計測回路54と、データバス55とが設けられている。
部分放電計測回路53は、150MHz検出回路531と、アナログ/デジタル変換器(A/D)532とが設けられている。部分放電計測回路54は、600MHz検出回路541と、アナログ/デジタル変換器(A/D)542が設けられている。
150MHz検出回路531は、150MHz±100MHzバンドパスフィルタと、ログアンプと、包絡線検波器と、ピークホールド回路(全て図示せず)とが設けられている。600MHz検出回路541は、600MHz±100MHzバンドパスフィルタと、ログアンプと、包絡線検波器と、ピークホールド回路(全て図示せず)とが設けられている。なお、ピークホールド回路のピークホールド時間は全て5μ秒である。
高電圧検出手段40Aの結合コンデンサ41と検出インピーダンス42に部分放電検出機能を付加した。検出インピーダンス42に接続された同軸ケーブル43は、分岐器44を介して分岐し、一方は上記の実施の形態1と同じく電圧計測回路51に接続し、他方は部分放電計測回路54に接続されている。
分岐器44は、LCフィルタを含む分岐回路であり、検出信号を400MHz以上の高周波成分と100Hz以下の低周波成分に分岐し、400MHz以上の高周波成分を部分放電計測回路54に、100Hz以下の低周波成分を電圧計測回路51に出力する。
この実施の形態2では、CPU21に内蔵された計測処理のためのソフトウエアに変更を加えている。
つぎに、この実施の形態2に係る部分放電計測装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図7及び図8は、この発明の実施の形態2に係る部分放電計測装置のゼロクロス検出器及び部分放電計測回路の動作を示すタイミングチャートである。
3つのPD判定しきい値SA、SB、SCは、実施の形態1と同様に、被試験物91を付けない状態で試験電圧を印加した時に、部分放電計測回路52、部分放電計測回路53、部分放電計測回路54で計測されるパルス強度をノイズレベルと判断してそれらの値とする。
CPU21は、電圧計測回路51、部分放電計測回路52、部分放電計測回路53、及び部分放電計測回路54の計測タイミングを制御し、ゼロクロス検出器34からのゼロクロスTTL信号を基にゼロクロスから所定の時間の計測ウインドウWを生成する。この計測ウインドウW毎に全ての回路で計測を実行する。つまり、部分放電が発生した時に計測ウインドウW毎に、部分放電発生時間、部分放電発生電圧、部分放電計測回路52で計測した部分放電強度、部分放電計測回路53で計測した部分放電強度、部分放電計測回路54で計測した部分放電強度をRAM23に格納する。
ここで、計測ウインドウWは5μ秒から50μ秒の範囲で可変でき、試験条件設定時に決定する。ここでは、計測ウインドウWを5μ秒とした時の例で説明する。
上記の実施の形態1の変形例では、発生する部分放電の全パルスを計測し格納している。一方、部分放電は、1秒間に数百個から数千個発生する。部分放電を計測して絶縁状態を評価する上で重要なことは、絶縁の状態を反映している部分放電を計測することである。この観点から重要なことは、(1)放電発生の有無を計測する。(2)部分放電が発生する被試験物では部分放電の大きさが絶縁欠陥の大きさや進行度合いを反映していることから、部分放電強度が大きいものを選択的に計測することである。これを実現する装置が本実施の形態2である。
計測動作において、試験条件を設定し、高電圧を発生して被試験物91に印加するまでの過程は、上記の実施の形態1と同じである。
被試験物91で部分放電が発生すると、低電圧ケーブル62、検出インピーダンス42、結合コンデンサ41、高電圧ケーブル61の回路に高周波電流が流れる。この高周波電流を高周波変流器(RFCT)45で検出して高周波ケーブル46を介して部分放電計測回路53に伝送する。
さらに、この高周波電流を検出インピーダンス42で検出する。検出インピーダンス42から同軸ケーブル43を介して伝送される検出信号は、分岐器44で400MHz以上の高周波成分と100Hz以下の低周波成分に分岐される。100Hz以下の信号は、電圧計測回路51に導かれて印加電圧値が計測される。一方、400MHz以上の高周波信号は、部分放電計測回路54に導かれて部分放電が計測される。同時に、パッチアンテナ71で電磁波92を検出して部分放電計測回路52に伝送する。
ここで、電圧計測回路51、部分放電計測回路52、部分放電計測回路53、部分放電計測回路54は、計測タイミングがCPU21で制御されており、ゼロクロス検出器34からのゼロクロスTTL信号を基にゼロクロスから5μ秒毎の計測ウインドウWが生成され、この計測ウインドウW毎に計測する。つまり、部分放電が発生した時に計測ウインドウW毎に、部分放電発生時間、部分放電発生電圧、部分放電計測回路52で計測した部分放電強度、部分放電計測回路53で計測した部分放電強度、部分放電計測回路54で計測した部分放電強度を計測しRAM23に格納する。
計測した電圧は時々刻々変化しているが、5μ秒毎の計測ウインドウWの最後の時刻の電圧が記録される。ここで、計測ウインドウWでの各部分放電計測回路52、53、54の部分放電計測タイミングと、各部分放電パルスのピークホールド回路でのピークホールド値と、部分放電格納A/Dタイミングと、A/D値との関係を図7に示す。
図7を基に各部分放電計測回路52、53、54での計測動作を説明する。図7(a)、(b)に示すように、ゼロクロス検出器34で印加電圧波形の負から正へのゼロクロスを検出してゼロクロスTTL信号を生成する。部分放電の計測は、このゼロクロスTTL信号を基準に計測ウインドウWを生成してスタートする。計測ウインドウWは、前述したように5μ秒である。
今、第1計測ウインドウWaの間に3個の部分放電が発生したとすると、部分放電計測回路52において、パッチアンテナ71で検出した部分放電(PD)パルスとして、APa、APb、APcの3個が入力される。
この時、電磁波検出回路521のピークホールド回路では、ピークホールド信号(P/H)が生成される。このピークホールド信号の値は、部分放電パルスAPaの入力時にAPHaのレベルとなりホールドされる。次の部分放電パルスAPbが入力された時はAPaより小さいのでピークホールド信号は変わらず、更に次の部分放電パルスAPcが入力された時に、APHcとしてピークホールドする。このようにして、第1計測ウインドウWa間の最大部分放電パルス値をピークホールドする。このピークホールド値は、同時に生成されるA/DWrite信号の第1計測ウインドウWaのA/D値AADcとしてRAM23に格納される。
同様に、第2計測ウインドウWbでは、第2計測ウインドウWb間の最大部分放電パルスAPeがピークホールド値APHeとして検出されて、A/D値AADeとしてRAM23に格納される。この動作が試験電圧印加の間、繰返し継続される。CPU21は、実施の形態1と同様に、放電判定手段21aにより、PD判定しきい値SAより大きいA/D値(部分放電強度)を検出した時に部分放電が発生したと判定し、放電発生判定、放電発生時刻、放電発生電圧、部分放電強度などの試験結果をリアルタイムで表示器22に表示する。なお、上述したように、PD判定しきい値SA以下のノイズを含む全ての発生パルスはRAM23に格納される。
部分放電計測回路53では、高周波変流器45で検出した部分放電パルスが入力されて、同様の計測動作を行い、第1計測ウインドウWaではA/D値RADcが、第2計測ウインドウではA/D値RADeがRAM23に格納される。CPU21は、実施の形態1と同様に、放電判定手段21aにより、PD判定しきい値SBより大きいA/D値(部分放電強度)を検出した時に部分放電が発生したと判定し、放電発生判定、放電発生時刻、放電発生電圧、部分放電強度などの試験結果をリアルタイムで表示器22に表示する。なお、上述したように、PD判定しきい値SB以下のノイズを含む全ての発生パルスはRAM23に格納される。
部分放電計測回路54では、結合コンデンサ41と検出インピーダンス42で検出した部分放電パルスが入力されて、同様の計測動作を行い、第1計測ウインドウではA/D値CADcが、第2計測ウインドウではA/D値CADeがRAM23に格納される。CPU21は、実施の形態1と同様に、放電判定手段21aにより、PD判定しきい値SCより大きいA/D値(部分放電強度)を検出した時に部分放電が発生したと判定し、放電発生判定、放電発生時刻、放電発生電圧、部分放電強度などの試験結果をリアルタイムで表示器22に表示する。なお、上述したように、PD判定しきい値SC以下のノイズを含む全ての発生パルスはRAM23に格納される。
このようにして、同一計測ウインドウW内に複数の部分放電計測回路52、53、54での計測結果が格納される。
電圧保持、電圧下降時の部分放電計測とデータ格納、表示は、上記の実施の形態1と基本的には同じである。
この実施の形態2の図7では、部分放電計測回路52、53,54に入力される同一部分放電パルスの強度は、部分放電計測回路52が最も大きい例で図示して説明したが、前述したように部分放電の種類によっては異なる周波数帯域で検出する部分放電計測回路53、あるいは部分放電計測回路54の方が大きく計測される場合がある。この場合は最も大きく検出する計測回路が放電開始電圧を感度よく計測する結果となる。
図8は、計測ウインドウWの計測時間を長くした時のピークホールド信号の動作を示す。図8に示すように、例えば、計測ウインドウWの計測時間を50μ秒とすると、50μ秒間の最大強度のみを検出する。このようにすることで、放電強度の大きい有害な放電を選択的に計測することができる。この場合でも、上記したPD判定しきい値SA、SB、SCを小さくしておくと、放電開始電圧は高感度に計測することができる。部分放電開始電圧は高感度に計測し、強度が大きい有害部分放電は選択的に計測することができる。
このように、本実施の形態によれば、計測ウインドウW毎の最大部分放電強度を計測するので、絶縁劣化に有害な強度が大きい部分放電のみを選択的に計測できる効果がある。また、計測ウインドウW毎の最大部分放電強度を計測するので、部分放電パルスの格納数を少なくでき、データ転送、読み出し、処理時間が短縮でき、計測処理速度が向上する効果がある。
さらに、本実施の形態によれば、計測ウインドウWの時間幅を可変することで、絶縁劣化に有害な強度が大きい部分放電の選択的計測量を制御することができる効果がある。また、より少ない部分放電パルス格納量を用いて、帯域の異なる部分放電計測回路52、53、54の信号を比較することで部分放電とノイズの判定、電磁波強度の弱い部分放電判定の精度(部分放電検出感度)が更に向上する効果がある。
さらに、より少ない部分放電パルス格納量を用いて、ボイド放電や沿面放電などの周波数特性の異なる放電の種類を特定できるとともに放電の判定精度が更に向上する効果がある。
また、部分放電はその発生形態(発生する機構、放電の種類、例えば絶縁体内部)により、放電に伴って発生する高周波電流や電磁波の周波数特性が異なることが知られている。このため、周波数帯域が異なる複数の部分放電計測回路52、53、54で同時に計測することで、あらゆる帯域の部分放電を計測できる効果がある。
さらに、周波数帯域が異なる複数の部分放電計測回路52、53、54で同時に計測することで、1つの部分放電計測回路で計測する場合に比較して、部分放電開始電圧をより高感度に計測でき、放電判定の信頼性が飛躍的に向上する効果がある。
1 部分放電計測装置、2 測定部、3 試験部、10 電源、20 試験制御手段、21 CPU、21a 放電判定手段、22 表示器、24 出力ポート、25 高電圧制御回路、30 高電圧発生手段、31 発振器、32 パワーアンプ、33 変圧器、34 ゼロクロス検出器、40 高電圧検出手段、40A 高電圧検出手段、41 結合コンデンサ、42 検出インピーダンス、43 同軸ケーブル、44 分岐器、45 高周波変流器、46 高周波ケーブル、50 信号検出手段、50A 信号検出手段、51 電圧計測回路、52 部分放電計測回路、53 部分放電計測回路、54 部分放電計測回路、55 データバス、61 高電圧ケーブル、62 低電圧ケーブル、71 パッチアンテナ、72 同軸ケーブル、91 被試験物、92 電磁波。

Claims (4)

  1. 所定の高電圧発生パターンを示す高電圧発生指令を出力する試験制御手段と、
    前記高電圧発生指令に基づき所定の高電圧を連続発生して被試験物に印加するとともに、印加電圧のゼロクロスを検出してゼロクロス信号を出力する高電圧発生手段と、
    前記高電圧発生手段により発生された電圧を前記被試験物に印加するためのケーブルに、前記被試験物内で発生した部分放電の発生に起因して流れる高周波成分の電、および前記被試験物に印加される電圧を検出する電圧・電流検出手段と、
    高電圧印加により被試験物で発生する部分放電に伴って発生する電磁波を受信するパッチアンテナと、
    前記電圧・電流検出手段により部分放電の発生に起因する高周波成分の電流を検出した時点に、前記電圧・電流検出手段により検出された100Hz以下の低周波成分の電圧に基づき、部分放電が発生する電圧を計測する電圧計測回路と、
    前記パッチアンテナにより受信された電磁波に基づき第1の部分放電強度を計測する第1の部分放電計測回路と、
    前記電圧・電流検出手段により検出された高周波電流に基づき第2の部分放電強度を計測する第2の部分放電計測回路と
    前記電圧・電流検出手段により検出された高周波電圧に基づき第3の部分放電強度を計測する第3の部分放電計測回路と、を備え、
    前記試験制御手段は、前記ゼロクロス信号に基づき、データを間引くための計測ウインドウを生成して前記電圧計測回路、第1の部分放電計測回路、第2の部分放電計測回路、及び前記第3の部分放電計測回路の計測タイミングを制御するとともに、前記第1の部分放電計測回路により計測ウインドウ毎に計測された第1の最大部分放電強度が第1のしきい値より大きい場合、前記第2の部分放電計測回路により計測ウインドウ毎に計測された第2の最大部分放電強度が第2のしきい値より大きい場合、あるいは前記第3の部分放電計測回路により計測ウインドウ毎に計測された第3の最大部分放電強度が第3のしきい値より大きい場合には部分放電が発生したと判定する
    ことを特徴とする部分放電計測装置。
  2. 前記電圧・電流検出手段は、
    前記被試験物に電圧を印加するための高電圧及び低電圧ケーブル間に接続された結合コンデンサ及び検出インピーダンスと、
    前記検出インピーダンスの出力を分岐する分岐器と、
    高電圧又は低電圧ケーブルに接続された高周波変流器とを含み、
    前記検出インピーダンスにより検出され前記分岐器により分岐された100Hz以下の低周波成分、前記高周波変流器により検出された150MHz±100MHzの高周波成分、及び前記検出インピーダンスにより検出され前記分岐器により分岐された400MHz以上の高周波成分をそれぞれ出力する
    ことを特徴とする請求項記載の部分放電計測装置。
  3. 前記電圧計測回路は、前記電圧・電流検出手段から出力された100Hz以下の低周波成分を部分放電発生電圧とし、
    前記第1の部分放電計測回路は、前記パッチアンテナにより受信された1.8GHz±100MHzの信号に基づき第1の部分放電強度を計測し、
    前記第2の部分放電計測回路は、前記電圧・電流検出手段から出力された150MHz±100MHzの高周波成分に基づき第2の部分放電強度を計測し、
    前記第3の部分放電計測回路は、前記電圧・電流検出手段から出力された600MHz±100MHzの高周波成分に基づき第3の部分放電強度を計測する
    ことを特徴とする請求項記載の部分放電計測装置。
  4. 被試験物に高電圧を印加して絶縁性能を測定するオールインワンの部分放電計測装置であって、
    所定の高電圧発生パターンを示す高電圧発生指令を出力する試験制御手段と、
    前記高電圧発生指令に基づき所定の高電圧を連続発生して被試験物に印加するとともに、印加電圧のゼロクロスを検出してゼロクロス信号を出力する高電圧発生手段と、
    前記高電圧発生手段により発生された電圧を検出する電圧検出手段と、
    高電圧印加により被試験物で発生する部分放電に伴って発生する電磁波を受信するパッチアンテナと、
    前記電圧検出手段により検出された電圧に基づき部分放電発生電圧を計測するとともに、前記パッチアンテナにより受信された受信信号に基づき部分放電強度を計測する信号検出手段とを備え、
    前記試験制御手段、前記高電圧発生手段、前記電圧検出手段、及び前記信号検出手段がオールインワンであり、
    前記試験制御手段は、前記ゼロクロス信号に基づき、データを間引くための計測ウインドウを生成して前記信号検出手段の計測タイミングを制御するとともに、前記信号検出手段により計測ウインドウ毎に計測された最大部分放電強度が所定のしきい値より大きい場合には部分放電が発生したと判定し、
    前記信号検出手段は、
    前記電圧検出手段により検出された100Hz以下の電圧に基づき部分放電発生電圧を計測する電圧計測回路と、
    前記パッチアンテナにより受信された1.8GHz±100MHzの受信信号に基づき部分放電強度を計測する部分放電計測回路とを含む
    ことを特徴とする部分放電計測装置。
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