JPH0893342A - 化粧板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉材や壁面材あるいは家具用材として好適に
用いられる化粧板を少ない部品数で簡単に構成し、加工
手間や製作工程も簡略化し、生産性を高めて安価に提供
する。 【構成】 芯材２と、該芯材の少なくとも表面および裏
面を被覆する化粧材３、４と、該化粧材の木口縁近くの
表面部分および裏面部分から芯材の木口部を被覆する框
材５とを有してなる化粧板１。框材の裏面には芯材に対
する固着手段として、芯材の所定箇所に予め設けられた
嵌合溝または嵌合孔に嵌合する楔状先端部１２を有する
突起１１ａ、１１ｂが一体的に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は折り扉、引き扉、開き戸
等の扉材、壁板、腰壁等の壁面材あるいは家具用材等に
用いられる化粧板に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の化粧板として、縦框および横框
により框組みされた開口内に鏡板を嵌合してなる化粧板
が公知である。一般に、框材としては無垢材や圧縮材が
用いられ、その木口縁にはモール状の加飾加工が施され
る。

【０００３】また、棒材を枠組みして得られる芯材の表
裏面に化粧板を貼着し、該化粧板を任意刳り貫いた孔に
鏡板を嵌入してその縁部をモールにて固定することも行
われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による化
粧板においては、無垢材や圧縮材が用いられるため全体
重量が重くなって取り扱いにくくなり、また、材自体の
乾燥調湿が不適性あるいは不適当であると収縮膨張によ
る反りや割れが発生して、生産性が低く、コストアップ
の原因となっていた。

【０００５】また、後者にあっては、構成部品数が多
く、棒材の組み合わせ、刳り貫き加工、組み立て等の加
工手間や製作工程が繁雑であって、前者の場合と同様、
生産性が低く、コストアップが避けられないものであっ
た。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
問題点を解消することを目的とし、より具体的には、す
ぐれた意匠性を有する化粧板を少ない部品数で簡単に構
成し、加工手間や製作工程も簡略化し、生産性を高めて
安価に提供することを目的とする。

【０００７】かかる目的は、芯材と、該芯材の少なくと
も表面および裏面を被覆する化粧材と、該化粧材の木口
縁近くの表面部分および裏面部分から芯材の木口部を被
覆する框材とを有してなることを特徴とする本発明の化
粧板によって達成される。

【０００８】芯材としては、合板、中質または硬質繊維
板、パーティクルボード、フレークボード、ウエハーボ
ード、ストランドボード、スティックボード、単板積層
材、集成材等が単独で用いられ、あるいはこれらを複数
枚任意積層した複合板が用いられる。

【０００９】また、木材あるいは単独基板、複合板を棒
状基材とし、該棒状基材を任意枠組みして芯材としても
用いてもよい。枠組みされた芯材の枠内には、合成樹脂
発泡板、ゴム発泡板、金属発泡板等の発泡体、ガラス繊
維マットあるいは板、ロックウール繊維マットあるいは
板、木質繊維マットあるいは板、合成繊維マットあるい
は板等の繊維体、気泡あるいは起泡コンクリート、珪酸
カルシウム板等の軽量無機質体等を嵌入することによ
り、化粧板としての断熱性、保温性、吸音性、遮音性を
向上させることができる。

【００１０】芯材の少なくとも表面および裏面に接着剤
を塗布した後、化粧材を該接着剤塗布面に積層すること
により、表面化粧材および裏面化粧材が貼着される。化
粧材としては、合板、中質または硬質繊維板、パーティ
クルボード、フレークボード、ウエハーボード、ストラ
ンドボード、スティックボード、単板積層材等を単独基
材とし、あるいはこれらを複数枚任意積層した複合板を
基材として、該基材の表面に、必要に応じて目止め処
理、シーラー処理、サンディング処理、下塗り処理等の
下地処理を施した後、接着剤または着色接着剤を介し
て、化粧単板、化粧紙、化粧合成樹脂フィルムまたはシ
ート、合成樹脂含浸紙等の化粧シートを貼着したものを
用いることができる。該化粧シートには任意着色塗装、
柄模様印刷、転写印刷等を施してもよい、あるいは、化
粧シートを用いることなく、基材表面および裏面に直接
的に着色塗装、柄模様印刷、転写印刷等により化粧を施
して化粧材としてもよい。

【００１１】芯材として単独基板や複合板が用いられる
場合は、該芯材自体の表面および裏面に、上述の化粧シ
ートを貼着し、あるいは任意着色や塗装等による化粧を
施して、該芯材表面および裏面を被覆する化粧材とする
ことができる。

【００１２】必要に応じて、これら化粧材の表面に更に
上塗り塗装、透明合成樹脂フィルム貼り等による表面保
護層を形成して、表面強度および耐摩耗性の向上を図る
ことができる。

【００１３】化粧材は、芯材の少なくとも表面および裏
面を被覆するように貼着されるが、芯材の表裏面には同
一または異なる化粧材を貼着することができる。たとえ
ば、芯材の表裏両面に、中質繊維板の表面に木目柄模様
印刷の施された化粧塩化ビニルシートを貼着して得た化
粧繊維板を貼着することにより、芯材表裏面を同一に化
粧することができる。また、芯材表面に貼着する化粧材
として、合板の表面に木目柄模様を有する化粧紙を貼着
して得た化粧合板を用いると共に、芯材裏面に貼着する
化粧材としては、合板の表面に着色塗装された化粧紙を
貼着して得たカラー合板を用いて、芯材表裏面に異なる
化粧を与えることができる。

【００１４】このようにして芯材の少なくとも表面およ
び裏面を被覆するように化粧材が貼着された後、該化粧
材の木口縁近くの表面部分および裏面部分から芯材の木
口部を被覆するように框材が設けられる。

【００１５】框材は、木材、合板、中質または硬質繊維
板、パーティクルボード、フレークボード、ウエハーボ
ード、ストランドボード、スティックボード、単板積層
材、集成材等の木質材、塩化ビニル、アクリル、ウレタ
ン、ＡＢＳ等の合成樹脂材、アルミ、銅、スチール、ス
テンレス等の金属材等の材料を、切削加工、折り曲げ加
工、Ｖカット折り曲げ加工、押し出し成形加工、プレス
成形加工等により、断面略コ字形状に形成したものであ
る。框材の表面には、化粧単板、化粧紙、化粧合成樹脂
フィルムまたはシート、合成樹脂含浸紙等の化粧シート
を貼着することができる。なお、化粧材の木口縁近くの
表面部分および裏面部分を被覆する部分については化粧
材面に対して凹凸感を呈するように厚く形成されること
が好ましい。

【００１６】框材は、化粧材が貼着された芯材の両側に
縦框として設け、その上下に横框として設けて、該芯材
の四周縁を覆うようにすることができる。この場合の縦
框と横框の組み合わせは、縦框間に横框を嵌合する突き
合わせ組み、あるいは縦框と横框とに留め加工を施すこ
とによる留め継ぎ組みによって行うことができる。

【００１７】あるいは、框材は、化粧材が貼着された芯
材の両側にのみ縦框として設けてもよい。また、同様に
して縦框として上記框材を設けると共に、該縦框間の上
下木口縁近くの化粧材表面部分および裏面部分に平板化
粧材からなる化粧横框を設けてもよい。この場合の化粧
横框としては、合板、中質または硬質繊維板、パーティ
クルボード、フレークボード、ウエハーボード、ストラ
ンドボード、スティックボード、単板積層材等の木質材
が一般に用いられ、必要に応じてその表面または木口部
を含む表面に化粧単板、化粧紙、化粧合成樹脂フィルム
またはシート、合成樹脂含浸紙等の化粧シートを貼着
し、あるいは着色塗装、柄模様印刷、転写印刷等による
化粧を施すことができる。

【００１８】縦框、横框、あるいは化粧框として用いら
れる框材は、化粧材が貼着された芯材に対して、釘、木
ネジ、タッカー、接着剤等により固着される。あるい
は、框材の裏面任意箇所に嵌合固着用の突起を設けると
共に、芯材の木口縁近くの表面部分または裏面部分ある
いは芯材の木口部に該突起を嵌合可能な嵌合孔または嵌
合溝を予め設けておき、該嵌合孔または嵌合溝に突起を
嵌合させることによって框材を固着してもよい。

【００１９】以上のようにして本発明の化粧板が得られ
る。化粧板において上下の木口部が框材によって被覆さ
れない場合には、該木口部に、化粧単板、化粧紙、化粧
合成樹脂フィルムまたはシート、合成樹脂含浸紙等の化
粧シートからなる木口材を貼着し、あるいは該木口部に
着色塗装を施すことができる。

【００２０】

【作用】芯材の少なくとも表面および裏面が化粧材に被
覆され、該化粧材の木口縁近くの表面部分および裏面部
分から芯材の木口部にかけて被覆するように框材が固定
される。

【００２１】

【実施例】本発明による化粧板の一実施例が図１および
図２に示される。この化粧板は、たとえば、開口枠内に
開閉自在に取り付けられる扉体１として用いられる。

【００２２】以下扉体１の構成について図１および図２
を参照しながら説明すると、この扉体１においては、芯
材２に表面化粧材３および裏面化粧材４が貼着され、芯
材２の両側にはその木口縁近くの表面部分および裏面部
分から木口部を被覆するように縦框材５、５が固着さ
れ、芯材２の上下木口縁近くの表面部分および裏面部分
における縦框材５、５間には化粧横框材６、６が固着さ
れている。

【００２３】縦框材５は、扉体１の高さ寸法と略同一の
長さ寸法を有する長尺体であり、その横断面形状は、図
２に明らかなように、芯材２の木口縁近くの表面部分を
被覆する部分７と、芯材２の木口部を被覆する部分８
と、芯材２の木口端近くの裏面部分を被覆する部分９と
を有して、表裏対称の略コ字形状に形成されている。表
面被覆部分７および裏面被覆部分９の各々先端には波打
状の凹凸部１０ａ、１０ｂが形成されている。

【００２４】この縦框材５は、部分８において芯材２の
木口部に接着剤を介して貼着されると共に、芯材表面部
分および裏面部分においては、表面被覆部分７の裏面か
ら、また裏面被覆部分９の表面から、それぞれ突出する
ように一体形成された嵌合突起１１ａ、１１ｂが芯材表
面に予め形成された嵌合溝または嵌合孔（符号なし）に
嵌合されることにより、芯材２に対して固定されてい
る。嵌合突起１１ａは、嵌合溝に対する嵌合状態を保持
するよう楔状に形成された先端部１２と、表面化粧材３
の厚さ寸法と略同一寸法の間隔を配して先端部１２の上
方に形成された鍔部１３とを有している。裏面被覆部分
９に一体に形成される嵌合突起１１ｂの構成は上記嵌合
突起１１ａと同様であるので、説明を省略する。

【００２５】芯材２の木口縁近くの表面部分および裏面
部分から木口部を被覆するように設けられる框材（本実
施例では縦框材５のみがこれに該当するが、勿論、横框
材６についても同様の框材を用いることができる。）の
形状については、芯材２の形状に応じて、あるいは所望
の意匠性を与えるように、様々な変形態様をとることが
可能である。たとえば、芯材２の木口縁に面取りが施さ
れている場合には、それに対応して、該面取り部を被覆
する部分が框材にも形成される。また、図示の縦框材５
の表面被覆部分７、裏面被覆部分９を中空状に形成して
もよい。更に、図示の縦框材５において表面被覆部部分
７、裏面被覆部分９から突出形成された嵌合突起１１
ａ、１１ｂに代えて、あるいはこれと共に、芯材２の木
口部に予め形成された嵌合溝または嵌合孔に嵌合可能な
嵌合突起を木口被覆部分８の裏面側から突出形成して、
該木口被覆部分８を芯材木口部に固着するようにしても
よい。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、表面化粧材を有する芯
材に対して框材を取り付けるだけで、扉材や壁面材ある
いは家具用材として用いられる化粧板が得られる。この
化粧板は、部品数が少なく、構造も簡単であって、加工
手間および製作工程が従来のものに比して掻く段に簡略
化されているので、生産性が高く、低コストで製造可能
でありながら、意匠性にすぐれている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による化粧板である扉体を示
す正面図である。

【図２】図１中Ａ−Ａ線による断面図である。

【符号の説明】

１ 扉体（化粧板） ２ 芯材 ３ 表面化粧材 ４ 裏面化粧材 ５ 縦框材（本発明の框材） ６ 横框材 ７ 表面被覆部分 ８ 木口被覆部分 ９ 裏面被覆部分 １０ａ、１０ｂ 凹凸部 １１ａ、１１ｂ 嵌合突起（芯材に対する固着手段）

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯材と、該芯材の少なくとも表面およ
   び裏面を被覆する化粧材と、該化粧材の木口縁近くの表
   面部分および裏面部分から芯材の木口部を被覆する框材
   とを有してなることを特徴とする化粧板。
2. 【請求項２】 前記框材により縦框および横框が構成
   されることを特徴とする請求項１の化粧板。
3. 【請求項３】 前記框材により縦框のみが構成される
   ことを特徴とする請求項１の化粧板。
4. 【請求項４】 前記框材により構成される縦框間にお
   いて少なくとも上下の木口縁近くの表面部分および裏面
   部分を被覆する平板化粧材からなる化粧横框が設けられ
   ることを特徴とする請求項３の化粧板。
5. 【請求項５】 前記框材が、前記化粧材の木口縁近く
   の表面部分を被覆する表面被覆部分と、前記芯材の木口
   部を被覆する木口被覆部分と、前記化粧材の木口縁近く
   の裏面部分を被覆する裏面被覆部分とを一体的に有する
   断面略コ字形状に形成されることを特徴とする請求項１
   の化粧板。
6. 【請求項６】 前記框材の表面被覆部分の先端に凹凸
   部が形成されることを特徴とする請求項５の化粧板。
7. 【請求項７】 前記框材に前記芯材に対する固着手段
   が一体形成されることを特徴とする請求項５または６の
   化粧板。