JPH0892592A - 水系洗浄剤用添加剤、水系洗浄剤用組成物及び水系洗浄剤 - Google Patents

水系洗浄剤用添加剤、水系洗浄剤用組成物及び水系洗浄剤

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JPH0892592A
JPH0892592A JP22682894A JP22682894A JPH0892592A JP H0892592 A JPH0892592 A JP H0892592A JP 22682894 A JP22682894 A JP 22682894A JP 22682894 A JP22682894 A JP 22682894A JP H0892592 A JPH0892592 A JP H0892592A
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surfactant
general formula
carbon atoms
alkyl group
water
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JP22682894A
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English (en)
Inventor
Akisue Yonekura
明季 米倉
Toshifumi Hatanaka
利文 畑中
Tetsushi Kawamura
徹志 河村
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Arkema KK
Original Assignee
Elf Atochem Japan KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱脂力が高く、金属表面に付着した油を効率
よく除去することができる水系洗浄剤を提供する。 【構成】 ジメチルスルホンを有効成分とする水系洗浄
剤用添加剤。界面活性剤及びジメチルスルホンを必須成
分とする水系洗浄剤用組成物並びにこれを水で希釈して
なる水系洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水系洗浄剤用の添加剤
に関する。本発明は、金属表面に付着した油を除去する
ために水で希釈して使用する洗浄剤用組成物及びこれを
水で希釈してなる水系洗浄剤に関し、詳しくは、金属部
品の成形加工時において使用される加工油あるいは防錆
油、マシン油又はその他の各種潤滑油等が付着した金属
部品の洗浄に好適な水系洗浄剤及びそのための組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属部品の表面に付着した油の除
去(金属部品の脱脂)のための洗浄剤としては、1,
1,1−トリクロロエタンに代表される塩素化炭化水素
系溶剤やフロンが広く使われてきた。しかしながら、近
年、塩素化炭化水素系溶剤の環境に及ぼす悪影響やフロ
ンによる成層圏オゾン層の破壊が科学的に明らかにさ
れ、これらのハロゲン系洗浄剤の使用は規制される方向
にあり、これに代替し得る高い性能を有する非ハロゲン
系洗浄剤の開発が望まれている。
【0003】非ハロゲン系洗浄剤としては、アルキルフ
ェニルポリオキシエチレンエーテルに代表される非イオ
ン系界面活性剤又はアルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム及び脂肪酸のアルカリ金属塩に代表されるアニオン
系界面活性剤に、キレート剤、水溶性溶剤、防錆剤など
を、要求性能、用途などに応じて、適宜選択して配合し
た組成物を水で希釈してなる水系洗浄剤が使用されてき
た。
【0004】しかしながら、従来の水系洗浄剤には、ハ
ロゲン系洗浄剤に比較して、脱脂力が著しく劣り、特に
高粘度のプレス加工油や水溶性金属加工油のエマルジョ
ンが使用中に破壊されて析出し、被加工部品の表面に付
着した油分などの洗浄除去において、目的とする洗浄効
果を得にくいという欠点があった。特に精密加工業にお
いては、金属部品の脱脂用洗浄剤として使用するための
非ハロゲン系洗浄剤の洗浄力を、ネジ等の細かいすき間
部分からのオイル除去などのために十分な程度にまで向
上させることが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水系
洗浄剤の洗浄力を向上させるための添加剤を提供するこ
とにある。本発明の目的は、金属表面に付着した油に対
する脱脂力が優れた水系洗浄剤及びそのための組成物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した従
来の水系洗浄剤の持つ問題点を解消すべく、鋭意研究を
重ねた結果、従来の水系洗浄剤にジメチルスルホン(以
下、DMSO2という)を適当量添加することにより脱
脂力が著しく向上することを見いだし、脱脂力が極めて
優れた水系洗浄剤を開発するに至った。すなわち、本発
明は、DMSO2を含む水系洗浄剤用添加剤を提供する
ものである。本発明は、界面活性剤及びDMSO2を含
む水系洗浄剤用組成物を提供するものである。本発明
は、界面活性剤、DMSO2及び水を含む水系洗浄剤を
提供するものである。
【0007】本発明の洗浄剤用添加剤は有効成分として
DMSO2を含む。DMSO2は、ジメチルスルホキシ
ドを酸化して得られる化合物である。DMSO2は、公
知であり容易に入手できる。本発明の洗浄剤用添加剤
は、界面活性剤を含む水系洗浄剤の添加剤として使用さ
れる。本発明の洗浄剤用添加剤を水系洗浄剤に添加する
場合の添加量は、水系洗浄剤に含まれる界面活性剤の含
有量を100重量部としてDMSO2が1〜100重量
部、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜
25重量部となる範囲とするのがよい。
【0008】本発明の洗浄剤用組成物は有効成分として
界面活性剤及びDMSO2を含む。本発明の洗浄剤用組
成物は、水で希釈して水系洗浄剤として使用するための
組成物である。界面活性剤としては、従来から各種油の
除去用の水系洗浄剤に慣用されているものが特に制限な
く使用でき、例えば、非イオン系界面活性剤、アニオン
系界面活性剤が単独で又は2種以上混合して使用でき
る。
【0009】本発明において使用する界面活性剤として
は、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ア
ルキルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ポリオキシ
エチレンエステルなどの非イオン系界面活性剤;アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸及びラウ
リン酸などの単体脂肪酸、椰子油脂肪酸及びパーム油脂
肪酸などの直鎖状又は分岐鎖状脂肪酸並びにアルキルチ
オカルボン酸等の合成脂肪酸のナトリウム塩、カリウム
塩又はアルカノールアミン塩等のアニオン系界面活性剤
を挙げることができる。
【0010】本発明において使用する好ましい界面活性
剤としては、下記一般式(1)及び(2)で表される非
イオン系界面活性剤並びに一般式(3)〜(5)で表さ
れるスルホン酸又はカルボン酸のアルカリ金属塩又はア
ルカノールアミン塩からなるアニオン系界面活性剤を挙
げることができる。アルカノールアミン塩としては、モ
ノアルカノールアミン塩、ジアルカエノールアミン塩及
びトリアルカノールアミン塩のいすれでもよいが、低級
(例えば、炭素数4以下、好ましくは1〜3)アルカノ
ールアミン塩が好ましい。
【0011】 (a)一般式:R1 −O−(CH2 −CH2 −O)n −H (1) 但し、一般式(1)中、R1 は、炭素数6〜18(好ま
しくは9〜15)のアルキル基、炭素数1〜18(好ま
しくは7〜14)のアルキル基を有することがあるフェ
ニル基(アルキル基を有する場合のアルキル基の数は通
常1〜3、好ましくは1(パラ位))を示し、nは1〜
50(好ましくは3〜20)の整数を示す。R1 の具体
例としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル、
パルミチル、ミリスチル、ステアリル、オレイル、トリ
ル、キシレニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、
デシルフェニル、ラウリルフェニル等を挙げることがで
きる。
【0012】 (b)一般式:R2 −CO−(O−CH2 −CH2 m −OH (2) 但し、一般式(2)中、R2 は、炭素数6〜18(好ま
しくは9〜15)のアルキル基、炭素数1〜18(好ま
しくは7〜14)のアルキル基を有することがあるフェ
ニル基(アルキル基を有する場合のアルキル基の数は通
常1〜3、好ましくは1(パラ位))、特にアルキル基
を有することがあるフェニル基を示し、mは1〜50
(好ましくは3〜20)の整数を示す。R2 の具体例と
しては、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル、パル
ミチル、ミリスチル、ステアリル、オレイル、トリル、
キシレニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシ
ルフェニル、ラウリルフェニル等を挙げることができ
る。
【0013】(c)一般式:R3 −SO3 H (3) 但し、一般式(3)中、R3 は、炭素数6〜22(好ま
しくは10〜18)のアルキル基、炭素数6〜18(好
ましくは9〜15)のアルキル基を有することがあるフ
ェニル基、特にアルキル基を有することがあるフェニル
基を示す。R3 で示されるアルキル基の具体例として
は、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル、パルミチ
ル、ミリスチル、ステアリル、オレイル、リノレイル等
を挙げることができる。R3 で示されるアルキル基を有
することがあるフェニル基のアルキル基の具体例として
は、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル、パルミチ
ル、ミリスチル、ステアリル等を挙げることができる。
【0014】(d)一般式:R4 −COOH (4) 但し、一般式(4)中、R4 は、炭素数6〜22(好ま
しくは10〜18)の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素
基、特にアルキル基又はアルケニル基を示す。R4 の具
体例としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリ
ル、パルミチル、ミリスチル、ステアリル、オレイル、
リノレイル等を挙げることができる。
【0015】 (e)一般式:R5 −S−R6 −COOH (5) 但し、一般式(5)中、R5 は炭素数6〜18(好まし
くは9〜15)のアルキル基を示し、R6 は炭素数1〜
4(好ましくは2又は3)のアルキレン基を示す。R5
の具体例としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウ
リル、パルミチル、ミリスチル、ステアリル、オレイ
ル、リノレイル等を挙げることができる。
【0016】特に限定されるものではないが、本発明
は、界面活性剤として上記一般式(3)又は(5)で表
される化合物のアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム
塩又はカリウム塩)又は低級アルカノールアミン塩(好
ましくはモノエタノールアミン塩)を使用する場合に、
特に有効である。非イオン系界面活性剤の具体例として
はノニルフェニルエチレンオキサイド付加物(エチレン
オキサイド付加モル数2〜10)を挙げることができ
る。アニオン系界面活性剤の具体例としてはアルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル基の炭素数6〜
18)、アルキルチオカルボン酸(炭素数の合計6〜1
8)のモノエタノールアミン塩を挙げることができる。
【0017】DMSO2の含有量は、特に限定されるも
のではないが、通常は、界面活性剤100重量部に対し
て1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、より
好ましくは10〜25重量部とするのがよい。DMSO
2の含有量が少ないと洗浄剤として使用する場合の脱脂
力が低下する傾向があり、また、前記範囲を超えて多く
してもよいが通常脱脂力の点での顕著な向上は認められ
ず、経済上は不利となる場合がある。
【0018】上記本発明の水系洗浄剤用組成物を水で希
釈することにより、水系洗浄剤とすることができる。本
発明の水系洗浄剤の水の含有量は、通常、界面活性剤1
00重量部に対して200〜20000重量部、好まし
くは2000〜10000重量部、より好ましくは40
00〜8000重量部とするのがよい。水の含有量が前
記範囲を外れると、洗浄剤としての一般的な洗浄特性が
低下する傾向がある。
【0019】本発明の水系洗浄剤がDMSO2を含むこ
とにより奏される効果は、DMSO2の含有量が水系洗
浄剤の0.1重量%〜5重量%程度、またはそれ以上と
なる場合に顕著となる。界面活性剤、DMSO2及び水
の配合割合については、被洗浄物の種類、汚れ(付着し
た油)の種類や程度、洗浄方法によって変えることがで
きる。上記範囲を外れて、水の含有量を少なくしたり、
DMSO2の含有量を多くしたりすることにより、洗浄
剤としての一般的な洗浄特性や脱脂力等が更に向上する
場合もある。
【0020】本発明の水系洗浄剤用組成物は界面活性剤
及びDMSO2の必須成分の他に、また、本発明の水系
洗浄剤は界面活性剤、DMSO2及び水の必須成分の他
に、必要に応じて、溶剤、キレート剤、防錆剤等の任意
の配合成分を含むことができる。本発明の洗浄剤用組成
物及び水系洗浄剤の必須成分以外の配合成分(界面活性
剤、DMSO2及び水以外の成分)の含有量は、特に限
定されるものではないが、合計で、界面活性剤100重
量部に対して、30重量部以下、好ましくは10重量部
以下、更に好ましくは5重量部以下とするのがよい。
【0021】本発明の洗浄剤用組成物及び水系洗浄剤を
調製する際の各配合成分の配合方法は、各成分を均一に
混合し得る限り特に限定されない。例えば、水以外の配
合成分を慣用方法により配合し、得られた配合物(洗浄
剤用組成物)を水で希釈することができる。また、DM
SO2以外の配合成分を水で希釈して水系洗浄剤とした
後にDMSO2を添加することもできる。さらに、貯
蔵、輸送、使用時の取扱い等を考慮して、少量の水を含
む洗浄剤用組成物、例えば、界面活性剤100重量部に
対して1500重量部以下、好ましくは100〜100
0重量部、より好ましくは200〜500重量部の水を
含む洗浄剤用組成物を調製しておき、これを使用時に適
当量の水で希釈して水系洗浄剤とすることもできる。
【0022】本発明の水系洗浄剤は、金属部品の表面に
付着した油を除去するための洗浄剤として有用である。
本発明の水系洗浄剤は、形状は特に限定されないが、特
に細かい加工が施された金属部品の洗浄に有効である。
本発明の水系洗浄剤の作用は必ずしも明確にされている
わけではない。本発明の水系洗浄剤によれば、DMSO
2のSO2 基が金属との親和性を有しているためか、界
面活性剤を金属部品の細かいすき間やホール等に浸透さ
せやすく、従来の洗浄剤では除去することができないよ
うな被洗浄物の細かい加工が施された部分に付着した油
まで洗浄除去できるものと推測される。
【0023】本発明の水系洗浄剤は、金属部品の成形加
工時に使用される加工油や防錆油、一般的な機械の軸受
けその他の回転摩擦部の外部潤滑油として使用されるマ
シン油、潤滑油等の油が付着した金属部品の脱脂に有効
である。本発明の水系洗浄剤により好適に除去され得る
潤滑油の具体例としては、製造方法の点から、石油系潤
滑油、合成潤滑油、脂肪油等を挙げることができ、用途
の点から、スピンドル油、冷凍機油、コンプレッサー
油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、エンジン油、
シリンダー油、ギヤー油、航空潤滑油、作動油等を挙げ
ることができる。
【0024】本発明の水系洗浄剤を使用した洗浄方法と
しては、従来からの慣用に従い水系洗浄剤を被洗浄物に
接触させればよい。例えば、必要に応じて、室温〜80
℃程度の温度に調製した洗浄剤中に被洗浄物を1分〜数
時間程度浸漬し、付着している油を膨潤させることによ
り除去することができる。或いは、上記温度条件下で洗
浄液を攪拌したり、揺動したり、又は超音波(10秒〜
1時間程度)をかけ(超音波法)、又はこれら操作を併
用して油の除去を促進させることができる。また、被洗
浄物の表面に洗浄剤をスプレーにより吹き付けるスプレ
ー方式を採用することもできる。特に大きな金属部品を
洗浄する場合には、一般に、スプレー方式のほうが、設
備及び操作が簡便であり、好適である。洗浄後、必要に
応じて水や炭素数1〜4の低級アルコールによるすすぎ
処理を施して洗浄剤成分を除去し、乾燥することができ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、非ハロゲン系であり且
つ脱脂力が高い水系洗浄剤を提供することができる。本
発明の洗浄剤用添加剤によれば水系洗浄剤の洗浄力、特
に脱脂力を向上させることができる。本発明の水系洗浄
剤によれば、金属表面に付着した油、特に、精密加工さ
れた金属部品の精密加工部分に付着した油を効率よく除
去することができる。本発明の洗浄剤によれば、洗浄
後、洗浄液から被洗浄物を引上げるときに、洗浄剤中に
遊離しているオイルが被洗浄物の表面に再付着すること
がない。本発明の洗浄剤用組成物及び洗浄剤は、非ハロ
ゲン系であるので、安全性が高く、引火性が実質的にな
く、臭気の問題もない。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説
明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0027】洗浄試験 種々の界面活性剤を含む水系洗浄剤を使用し、表面にマ
シン油を付着させた金属部品を超音波法により洗浄し、
洗浄前後の油の付着量の変化を測定し、油の残存率を算
出することにより、各水系洗浄剤の脱脂力(洗浄効果)
を調べた。
【0028】1.洗浄剤の調製 (1)アニオン系界面活性剤であるドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム(以下、ABSという)をその含有
量が2重量%となるようにイオン交換水で希釈する(界
面活性剤:水=100重量部:4900重量部)〔比較
例1〕。
【0029】(2)非イオン系界面活性剤であるノニル
フェニルエチレンオキサイド(平均4.5mol)付加
物(以下、NP−4という)をその含有量が2重量%と
なるようにイオン交換水で希釈する(界面活性剤:水=
100重量部:4900重量部)〔比較例2〕。
【0030】(3)アニオン系の界面活性剤であるラウ
リルチオプロピオン酸モノエタノールアミン塩(市販の
界面活性剤)(以下、EMXという)をその含有量が
1.3重量%となるようにイオン交換水で希釈する(界
面活性剤:水=100重量部:7592重量部)〔比較
例3〕。
【0031】(4)比較例1の水系洗浄剤に対してDM
SO2を0.3重量%添加する(界面活性剤:DMSO
2:水=100重量部:15重量部:4900重量部)
〔実施例1〕。
【0032】(5)比較例2の水系洗浄剤に対してDM
SO2を0.3重量%添加する(界面活性剤:DMSO
2:水=100重量部:15重量部:4900重量部)
〔実施例2〕。
【0033】(6)比較例3の水系洗浄剤に対してDM
SO2を0.3重量%添加する(界面活性剤:DMSO
2:水=100重量部:23重量部:7592重量部)
〔実施例3〕。
【0034】2.被洗浄物 (1)表面を磨いたテストパネル(JIS.SPCC−
SB;60mm×80mm×1.2mm)をHマシン油
100に浸漬させた後、ウエスで軽く拭き取り10分間
放置して、油付着量0.8g〜1.0gのテストパネル
を得る。2枚のテストパネルを合わせて針金で十字に縛
って固定した物〔テストパネル(固定)〕及び2枚のテ
ストパネルを合わせただけの物〔テストパネル(FRE
E)〕を被洗浄物とする。
【0035】(2)約25gの円筒状のネジ切り前の雌
ネジ(外径3mm×長さ4mm、内径約2mm×深さ
2.8mm、片めくらのコップ状の鉄製部材(ボンデ処
理品))をHマシン油100に浸漬させ、濾紙上で10
分間放置した物(油付着量約2g)を被洗浄物とする。
本洗浄試験において使用したネジ切り前の雌ネジの斜視
図を図1に示す。
【0036】3.洗浄操作 各水系洗浄剤1 及び被洗浄物を入れたステンレスバッ
ト(厚さ約1mm、容量2 )を超音波槽(出力600
W、周波数26kHz、容量60 )の中にいれ、洗浄
温度:40℃、洗浄時間:5分間の条件で、超音波をか
けて被洗浄物の洗浄を行った。洗浄後、被洗浄物を取り
出して、水道水でシャワーリンスを1分間行った後、水
を切り、105℃で5分間乾燥した。洗浄試験にあたっ
ては、同じ洗浄剤で、まずテストパネル(固定)3個を
1個ずつ洗浄し、次にテストパネル(FREE)1個を
洗浄し、最後にネジきり前の雌ネジ1個を洗浄した。
【0037】4.油残存率の測定 被洗浄物の上記洗浄操作前後の重量変化を測定し、下式
により油残存率(%)を算出した: 油残存率(%)=100×(W0 −W1 )/(W0
W) ここで、W0 は洗浄操作前の被洗浄物の重量、W1 は洗
浄操作後の被洗浄物の重量、Wは油を付着させる前の被
洗浄物の重量を示す。
【0038】実施例1及び比較例1 界面活性剤としてABSを含む洗浄剤による洗浄結果
〔油残存率:テストパネル(固定)3個及びテストパネ
ル(FREE)1個の合計4個の平均値並びにネジきり
前の雌ネジについての値〕を表1に示す。
【0039】
【表1】 被洗浄物 油残存率(%) 比較例1 実施例1 テストパネル(4個の平均値) 16.00 11.37ネジ切り前の雌ネジ 9.49 3.66 表1の結果より、テストパネルについても、ネジ切り前
の雌ネジについても、DMSO2を含む洗浄剤(実施例
1)の方が、DMSO2を含まない洗浄剤(比較例1)
よりも油残存率が低く、油除去率(脱脂力)が高いこと
が判る。特に、ネジ切り前の雌ネジについては、比較例
1と比較して実施例1では、油残存率が60%以上低下
している。
【0040】これは、ABSは、油を水中で安定に乳化
させる作用を有するので、金属表面から除去された油が
洗浄剤中に多量に蓄積されやすいためであると考えられ
る。この場合、除去された油は洗浄剤中でO/Wのエマ
ルジョンを形成するが、O/Wのエマルジョンである限
りは、被洗浄物に再付着したとしても、リンスにより簡
単にすすがれ、容易に除去されるものと考えられる。
【0041】実施例2及び比較例2 界面活性剤としてNP−4を含む洗浄剤による洗浄結果
〔油残存率:テストパネル(固定)3個及びテストパネ
ル(FREE)1個の合計4個の平均値並びにネジきり
前の雌ネジについての値〕を表2に示す。
【0042】
【表2】 表2の結果より、テストパネルについても、ネジ切り前
の雌ネジについても、DMSO2を含む洗浄剤(実施例
2)の方が、DMSO2を含まない洗浄剤(比較例2)
よりも油残存率が低く、脱脂力が高いことが判る。特
に、実施例2では、ネジ切り前の雌ネジについての油残
存率が0.87%となっている。この値は、本発明の洗
浄剤がネジ等の精密加工部品の脱脂のために極めて有用
であることを示す。
【0043】一般に、界面活性剤としてNP−4を含む
洗浄剤については、DMSO2を含まない洗浄剤(比較
例2)でも、洗浄力自体は比較的大きい。しかし、この
場合、被洗浄物から、一旦、剥離した油が、NP−4の
極性が高いことに由来して、被洗浄物に再付着しやすい
傾向があり、結果として、油残存率が高くなるものと考
えられる。これに対し、DMSO2を含む洗浄剤(実施
例2)によれば、剥離した油が被洗浄物に再付着するこ
とが抑制されるものと考えられる。
【0044】実施例3及び比較例3 界面活性剤としてEMXを含む洗浄剤による洗浄結果
〔油残存率:テストパネル(固定)3個及びテストパネ
ル(FREE)1個の合計4個の平均値並びにネジきり
前の雌ネジについての値〕を表3に示す。
【0045】
【表3】 被洗浄物 油残存率(%) 比較例3 実施例3 テストパネル(4個の平均値) 10.28 5.04ネジ切り前の雌ネジ 6.79 0.68 表3の結果より、DMSO2を含む洗浄剤(実施例3)
の方が、DMSO2を含まない洗浄剤(比較例3)より
も全体的に油残存率が低く、脱脂力が高いことが判る。
特に、実施例3では、ネジ切り前の雌ネジについての油
残存率が0.68%となっている。この値は、本発明の
洗浄剤がネジ等の精密加工部品の脱脂のために極めて有
用であることを示す。これは、EMXを含む洗浄剤にお
いても、更にDMSO2を添加することにより、被洗浄
物から剥離してW/Oのエマルジョンを形成して浮上し
た油が被洗浄物に再付着することが抑制されるためであ
ると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例の洗浄試験において被洗浄
物として使用したネジ切り前の雌ネジの正面図である。
【図2】 実施例及び比較例の洗浄試験において被洗浄
物として使用したネジ切り前の雌ネジの縦断面図であ
る。
【図3】 実施例及び比較例の洗浄試験において被洗浄
物として使用したネジ切り前の雌ネジの平面図である。
【図4】 実施例及び比較例の洗浄試験において被洗浄
物として使用したネジ切り前の雌ネジの底面図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルスルホンを含む水系洗浄剤用添
    加剤。
  2. 【請求項2】 界面活性剤及びジメチルスルホンを含む
    水系洗浄剤用組成物。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が、アルキルフェニルポリオ
    キシエチレンエーテル;アルキルポリオキシエチレンエ
    ーテル;脂肪酸ポリオキシエチレンエステル;アルキル
    ベンゼンスルホン酸ナトリウム;オレイン酸、ラウリン
    酸、椰子油脂肪酸、パーム油脂肪酸又はアルキルチオカ
    ルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩及びアルカノール
    アミン塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面
    活性剤である請求項2に記載の水系洗浄剤用組成物。
  4. 【請求項4】 界面活性剤が (a)一般式:R1 −O−(CH2 −CH2 −O)n −H (1) 〔但し、一般式(1)中、R1 は、炭素数6〜18のア
    ルキル基、炭素数1〜18のアルキル基を有することが
    あるフェニル基を示し、nは1〜50の整数を示す。〕
    で表されるポリオキシエチレンエーテル系の非イオン系
    界面活性剤、 (b)一般式:R2 −CO−(O−CH2 −CH2 m −OH (2) 〔但し、一般式(2)中、R2 は、炭素数6〜18のア
    ルキル基、炭素数1〜18のアルキル基を有することが
    あるフェニル基を示し、mは1〜50の整数を示す。〕
    で表されるエステル系の非イオン系界面活性剤、 (c)一般式:R3 −SO3 H (3) 〔但し、一般式(3)中、R3 は、炭素数6〜22のア
    ルキル基、炭素数6〜18のアルキル基を有することが
    あるフェニル基を示す。〕で表されるスルホン酸のアル
    カリ金属塩又はアルカノールアミン塩からなるスルホン
    酸塩系のアニオン系界面活性剤、 (d)一般式:R4 −COOH (4) 〔但し、一般式(4)中、R4 は、炭素数6〜22の飽
    和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を示す。〕で表される
    カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
    からなるカルボン酸塩系のアニオン系界面活性剤及び (e)一般式:R5 −S−R6 −COOH (5) 〔但し、一般式(5)中、R5 は炭素数6〜18のアル
    キル基を示し、R6 は炭素数1〜4のアルキレン基を示
    す。〕で表されるカルボン酸のアルカリ金属塩又はアル
    カノールアミン塩からなるカルボン酸塩系のアニオン系
    界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の界
    面活性剤である請求項2に記載の水系洗浄剤用組成物。
  5. 【請求項5】 界面活性剤100重量部に対して1〜1
    00重量部のジメチルスルホンを含む請求項2〜4のい
    ずれかに記載の水系洗浄剤用組成物。
  6. 【請求項6】 界面活性剤、ジメチルスルホン及び水を
    含む水系洗浄剤。
  7. 【請求項7】 界面活性剤が、アルキルフェニルポリオ
    キシエチレンエーテル;アルキルポリオキシエチレンエ
    ーテル;脂肪酸ポリオキシエチレンエステル;アルキル
    ベンゼンスルホン酸ナトリウム;オレイン酸、ラウリン
    酸、椰子油脂肪酸、パーム油脂肪酸又はアルキルチオカ
    ルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩及びアルカノール
    アミン塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面
    活性剤である請求項6に記載の水系洗浄剤。
  8. 【請求項8】 界面活性剤が (a)一般式:R1 −O−(CH2 −CH2 −O)n −H (1) 〔但し、一般式(1)中、R1 は、炭素数6〜18のア
    ルキル基、炭素数1〜18のアルキル基を有することが
    あるフェニル基を示し、nは1〜50の整数を示す。〕
    で表されるポリオキシエチレンエーテル系の非イオン系
    界面活性剤、 (b)一般式:R2 −CO−(O−CH2 −CH2 m −OH (2) 〔但し、一般式(2)中、R2 は、炭素数6〜18のア
    ルキル基、炭素数1〜18のアルキル基を有することが
    あるフェニル基を示し、mは1〜50の整数を示す。〕
    で表されるエステル系の非イオン系界面活性剤、 (c)一般式:R3 −SO3 H (3) 〔但し、一般式(3)中、R3 は、炭素数6〜22のア
    ルキル基、炭素数6〜18のアルキル基を有することが
    あるフェニル基を示す。〕で表されるスルホン酸のアル
    カリ金属塩又はアルカノールアミン塩からなるスルホン
    酸塩系のアニオン系界面活性剤、 (d)一般式:R4 −COOH (4) 〔但し、一般式(4)中、R4 は、炭素数6〜22の飽
    和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を示す。〕で表される
    カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
    からなるカルボン酸塩系のアニオン系界面活性剤及び (e)一般式:R5 −S−R6 −COOH (5) 〔但し、一般式(5)中、R5 は炭素数6〜18のアル
    キル基を示し、R6 は炭素数1〜4のアルキレン基を示
    す。〕で表されるカルボン酸のアルカリ金属塩又はアル
    カノールアミン塩からなるカルボン酸塩系のアニオン系
    界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の界
    面活性剤である請求項6に記載の水系洗浄剤。
  9. 【請求項9】 界面活性剤100重量部に対して1〜1
    00重量部のジメチルスルホンを含む請求項6〜8のい
    ずれかに記載の水系洗浄剤。
  10. 【請求項10】 界面活性剤100重量部に対して10
    00〜20000重量部の水を含む請求項6〜9のいず
    れかに記載の水系洗浄剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001059049A1 (en) * 2000-02-09 2001-08-16 Amechem Inc. Multipurpose, multifunctional complex cleaning and washing agent
CN101992042A (zh) * 2010-10-26 2011-03-30 江苏四新界面剂科技有限公司 一种环保氨基硅油乳化剂的制备方法
JP2020002134A (ja) * 2012-12-20 2020-01-09 ビュシャン,ラジブ 抗菌性組成物

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