JPH0892440A - プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
プロピレン系樹脂組成物Info
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- JPH0892440A JPH0892440A JP22671094A JP22671094A JPH0892440A JP H0892440 A JPH0892440 A JP H0892440A JP 22671094 A JP22671094 A JP 22671094A JP 22671094 A JP22671094 A JP 22671094A JP H0892440 A JPH0892440 A JP H0892440A
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Abstract
れるプロピレンブロック共重合体を提供する。 【構成】 (A)特定のポリプロピレン部(a)と、プ
ロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα
−オレフィンとの共重合体部(b)からなるプロピレン
ブロック共重合体 30〜60重量%、(B)特定のプ
ロピレン単独重合体 20〜40重量%、(C)エチレ
ン−α−オレフィン共重合体 1〜10重量%、(D)
スチレン系ゴム重合体 2〜15重量%並びに(E)タ
ルク 5〜30重量%[ただし、(A)+(B)+
(C)+(D)+(E)=100重量%]からなるプロ
ピレン系樹脂組成物を提供する。
Description
電子部品、包装材料分野、エンジニアリングプラスチッ
ク代替品等に好適に用いられる、剛性、耐衝撃性、耐熱
性および表面硬度に優れるプロピレン系樹脂組成物に関
する。
かつその特長である軽量性、透明性、機械的強度、耐熱
性、耐薬品性などの性質を生かし、自動車部品,電気・
電子部品などの工業材料、各種包装材料などに広く利用
されている。近年、製品の高機能化あるいはコスト低減
化に伴い、これらの材料に対する特性向上が強く要望さ
れている。ポリプロピレンの剛性、耐衝撃性、耐熱性な
どを改良する方法として、例えばエチレン−プロピレン
ブロック共重合体にエチレン−プロピレンゴムおよび造
核剤を配合する方法(特公昭60-3420 号公報など)ある
いはエチレン−プロピレンゴム、エチレン共重合体およ
び無機フィラーを配合する方法(特開平4-275351号公
報、特開平5-5051号公報、特開平5-98097 号公報、特開
平5-98098 号公報など)などが提案されている。
法では、いずれも特性の一部を改良するものではある
が、耐熱性および剛性についてはいまだ不十分である。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、剛
性、耐衝撃性、耐熱性および表面硬度に優れるプロピレ
ン樹脂組成物を提供することを目的とする。
を重ねた結果、特定の物性を有するプロピレンブロック
共重合体とプロピレン単独重合体の併用により上記目的
を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は(A)下記
(i) 〜(iv)の物性を有するポリプロピレン部(a)と、 (i) 25℃におけるキシレン抽出不溶部(XI) 9
8.0重量%以上 (ii) アイソタクチックペンタッド分率(IP) 9
6.5%以上 (iii) アイソタクチック平均連鎖長(N) 90以上 (iv) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長(Nf)が300以上のものの合計量
10重量%以上 下記 (v)〜(viii)の条件をすべて満足するプロピレンと
エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体部(b) (v) 2サイトモデルによる平均プロピレン含量(FP)
20〜80モル% (vi) 2サイトモデルにおいてプロピレンを優先的に重
合する活性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン
含量(PP ) 65〜90モル% (vii) PH が共重合体中に占める割合(Pf1) 0.4
0〜0.90 (viii)2サイトモデルによるブロック性(CSD)
1.8〜5.0からなるプロピレンブロック共重合体
30〜60重量%、 (B)下記(ix)〜(xii) の物性を有するプロピレン単独
重合体 20〜40重量%、 (ix) 25℃におけるキシレン抽出不溶部(XI) 9
8.0重量%以上 (x) アイソタクチックペンタッド分率(IP) 96.
5%以上 (xi) アイソタクチック平均連鎖長(N) 90以上 (xii) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長(Nf)が300以上のものの合計量
10重量%以上 (C)エチレン−α−オレフィン共重合体 1〜10重
量%、 (D)スチレン系ゴム重合体 2〜15重量%並びに (E)タルク 5〜30重量%[ただし、(A)+
(B)+(C)+(D)+(E)=100重量%]から
なるプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。 以下、本発明を詳しく説明する。
共重合体(以下「BPP」という)は、ポリプロピレン
部(a)と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素
数4〜12のα−オレフィンとの共重合体部(b)から
なるブロック共重合体である。本発明のBPPは、第1
段の反応で生成するポリプロピレン部(a)が次の物性
を有することが必要である。すなわち、(i) 25℃にお
けるキシレン抽出不溶部(以下「XI」という)が9
8.0重量%以上であり、好ましくは98.5重量%以
上、さらに好ましくは99.0重量%以上である。XI
が98.0重量%未満では剛性および耐熱性に劣る。な
お、XIの測定は、ポリプロピレンを135℃のオルト
キシレンにいったん溶解した後、25℃に冷却してポリ
マーを析出させる方法によった。
分率(以下「IP」という)は、96.5%以上である
必要があり、96.8%以上が好ましく、特に97.0
%以上が好適である。IPが96.5%未満では剛性お
よび耐熱性に劣るので好ましくない。なお、IPとは、
同位体炭素による核磁気共鳴(13C−NMR)スペルト
ルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッ
ド単位でのアイソタクチック分率である。その測定法
は、A.Zambelli; Macromolecules,6,925(1973)、同 8,6
87(1975) および同 13,267(1980) に記載された方法に
従った。
(以下「N」という)は90以上、好ましくは100以
上、特に好ましくは110以上である必要がある。Nが
90未満では剛性および耐熱性に劣る。なお、Nとは、
ポリプロピレン分子内のメチル基のアイソタクチック部
分の平均的な長さを表すものであり、その測定方法は、
J.C.Randall;Polymer SequenseDistribution,Academic
Press,New York,1977,Chapter2)に記載されている方法
に拠った。具体的には、ポリプロピレンを1,2,4−
トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒にポ
リマー濃度が10重量%となるように温度130℃に加
温して溶解する。この溶液を10mmΦのガラス製試料
管に入れ、IPと同様の方法で13C−NMRスペクトル
を測定する。このスペクトル図の例を図1に示す。図1
のaは、ポリプロピレンにおけるメチル基領域のスペク
トルであり、bはそのスペクトルの拡大図である。スペ
クトルは、ペンタッド単位すなわち隣接するメチル基5
個をひとつの単位として測定され、メチル基のアイソタ
クチシティー(構造的にはmmmm,mmmrなどの1
0種類がある)によって吸収ピークが異なる。図1のb
に吸収ピークとアイソタクチシティーとの対応を示す。
olymer Journal,vol.15,No.12,p859-868(1983)に記載さ
れた2サイトモデルがある。すなわち、重合時の活性種
が触媒側とポリマー末端の2種類あるとするものであ
り、触媒側は触媒支配重合、もう一方は末端支配重合と
呼ばれるものである(詳細については、古川淳二;高分
子のエッセンスとトピックス2,「高分子合成」,P7
3(株)化学同人発行(1986)に記載されてい
る)。上記文献によると、結局、2サイトモデルは、 α:触媒支配重合(エナンチオモルフィック過程)によ
る重合末端にD体およびL体が付加する確率、すなわち
アイソタクチック連鎖中の乱れの程度の指標 σ:末端支配重合(ベルヌーイ過程)により重合末端と
同じものが付加するメソ体ができる確率 ω:αサイトの割合 としてペンタッド単位でのアイソタクチシティーの異な
る10種類のアイソタクチック強度を理論的に計算でき
る。そして、前記NMRによる測定強度と、上記理論強
度とが一致するようにα、σおよびωを最小自乗法で求
め、次式により各ペンタッド単位を求める。
た平均連鎖長(N)の定義式;N=メソ体の連鎖数/メ
ソ体のユニット数に当てはめ、実際には次式により求め
ることができる。 N=1+(A1 +A2 +A3 )/0.5(A4 +A5 +
A6 +A7 )
ションのアイソタクチック平均連鎖長(以下「Nf 」と
いう)が300以上のものの合計量は全体の10重量%
以上であることが必要であり、好ましくは30重量%以
上、特に好ましくは50重量%である。Nf が300以
上であるものの合計量が10重量%未満では剛性、表面
硬度および耐熱性の改良効果に乏しい。ここで、カラム
分別法とは、前記キシレン抽出不溶部をパラキシレンに
温度130℃で溶解後、セライトを加え、10℃/時間
の降温速度で温度30℃まで下げ、セライトに付着さ
せ、次に、スラリー状セライトをカラムに充填し、パラ
キシレンを展開液として温度30℃から2.5℃毎に段
階的に温度を上昇し、ポリプロピレンをフラクション別
に分取する方法である。詳細については、MasahiroKaku
go et al;Macromolecules,vol.21,p314-319(1988)に記
載されている。分取したポリプロピレンのNf は、前記
Nの測定法を用いて測定される。
生成するプロピレン−α−オレフィン共重合体(b)が
以下の条件をすべて満足することが必要である。ここ
で、プロピレン−α−オレフィン共重合体の2サイトモ
デルについて、プロピレン−エチレン共重合体を例にと
り説明する。プロピレン−エチレン共重合体の同位体炭
素による核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルの例を
図2に示す。該スペクトルは連鎖分布(エチレンとプロ
ピレンの並び方)の違いで (1)〜(10)に示す10個のピ
ークが現れる。この連鎖の名称は、Carman,C,J,et al;M
acromolecules,Vol.10,p536-544(1977) に記載があり、
その名称を図3に示す。このような連鎖は、共重合の反
応機構を仮定すると反応確率(P)として表すことがで
き、全体のピーク強度を1にしたときの各 (1)〜(10)の
ピークの相対強度はPをパラメーターとしたベルヌーイ
統計による確率方程式として表すことができる。例え
ば、(1) Sααの場合、プロピレン単位を記号p,エチ
レン単位を記号eとすると、これをとりうる連鎖は[p
ppp]、[ppee]、[eppe]の3通りであ
り、これらをそれぞれ反応確率(P)で表し、足し合わ
せる。残りの(2)〜(10)のピークについても同様な方法
で式を立て、これら10個の式と実際に測定したピーク
強度が最も近くなるようにPを最適化することにより求
めることができる。2サイトモデルは、この反応機構を
仮定するモデルであり、H.N.CHENG;Jounalof Applied P
olymer Sience,Vol.35 p1639-1650(1988)に記載があ
る。すなわち、触媒を用いてプロピレンとエチレンを共
重合するモデルにおいて、プロピレンを優先的に重合す
る活性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン含量
(PP)とエチレンを優先的に重合する活性点で生成す
る共重合体のプロピレン含量(PP')の2つを仮定し、
さらにPH が共重合体中に占める割合(Pf1)をパラメ
ーターとすると、次の表2に示す確率方程式が得られ
る。
の相対強度と、表2に示す確率方程式が一致するように
PP 、PP'およびPf1の3個のパラメーターを最適化す
ることにより求められる。
は、上記3個のパラメーターを用いて次式で求められ
る。 FP=PP ×Pf1+PP'×(1−Pf1) (モル%) 上記式で求められるFPは20〜80モル%であり、好
ましくは25〜75モル%であり、さらに好ましくは3
0〜70モル%である。FPが20モル%未満では成形
品の外観が著しく低下する。一方、80モル%を超える
と耐衝撃性が低下するので好ましくない。
は65〜90モル%であり、68〜88モル%が好まし
く、とりわけ70〜85モル%が好適である。PP が6
5モル%未満では剛性および耐熱性が低下する。一方、
90モル%を超えると耐衝撃性が損なわれるので好まし
くない。
であり、0.45〜0.85が好ましく、とりわけ0.
48〜0.82が好適である。Pf1が0.40未満では
剛性および耐熱性が低下する。一方、0.90を超える
と耐衝撃性が損なわれるので好ましくない。
エチレンとプロピレンの反応性比のことであり、この定
義は、高分子会編,「共重合1反応解析」p5〜13,培
風館発行(1975) の方法に従った。すなわち、図2のス
ペクトルにおける各ピークの強度比(Ri)を用いて次
式で表される。 CSD=[(0.5 ×R7+0.25×R6+0.5 ×R3)×R1]/
[0.5×( R2+R3)]2 上式で得られるCSDは1.8〜5.0であり、2.0
〜4.5が好ましく、とりわけ2.5〜4.0が好適で
ある。CSDが1.8未満では剛性および耐熱性が低下
する。一方、5.0を超えると低温における耐衝撃性が
損なわれるので好ましくない。
−オレフィン共重合体(b)の割合は、特に制限はない
が好ましくは3〜50重量%であり、とりわけ10〜4
0重量%が好適である。本発明のBPPの重合は、ヘキ
サン、ヘプタン、灯油などの不活性炭化水素またはプロ
ピレンなどの液化α−オレフィン溶媒の存在下で行うス
ラリー法、無溶媒下の気相重合法などにより、温度条件
としては室温〜130℃、好ましくは50〜90℃、圧
力2〜50kg/cm2 の条件で行われる。重合工程に
おける反応器は、当該技術分野で通常用いられるものが
適宜使用でき、例えば攪拌槽型反応器、流動床型反応
器、循環式反応器を用いて連続式、半回分式、回分式の
いずれの方法でもよい。具体的には、公知の多段重合法
を用いて得られる。すなわち、第1段の反応でプロピレ
ンを重合した後、第2段の反応でプロピレンとα−オレ
フィンとの共重合を行う方法であり、例えば、特公昭36
-15284号公報、特公昭38-14834号公報、特開昭53-35788
号公報、特開昭53-35789号公報、特開昭56-55416号公報
などに記載されている。
ッタ系触媒、例えば三塩化チタン系触媒あるいは塩化マ
グネシウム担持つ型チタン系触媒などでは得られない。
本発明のBPPを得るための触媒の例としては、マグネ
シウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物およ
び電子供与性化合物を必須成分とする固体触媒を、更に
一般式:Ti Xa ・Yb (式中、XはCl,Br,Iのハロ
ゲン原子を、Yは電子供与性化合物を、aは3もしくは
4を、bは3以下の整数をそれぞれ表す)で示されるチ
タン化合物で処理後、ハロゲン含有化合物で洗浄し、更
に炭化水素で洗浄して得られる改良重合触媒が挙げられ
る。
utts,et al,Advan.Organometal.Chem.,9,135(1970), 第
4版新実験化学講座 17 無機錯体・キレート錯体 日
本化学会丸善(1991) p.35, H.K.Kakkoen,et al,J.Organ
omet.Chem.,453,175(1993)などに記載されているよう
に、一般に電子供与性化合物とは容易に錯体を形成する
ことが知られている。XはCl,Br,Iのハロゲン原子で
あり、この中で好ましいのはCl である。aは3もしく
は4であるが、好ましくは4である。Yとしては、一般
に含酸素化合物、含窒素化合物、含リン化合物、含硫黄
化合物などが挙げられる。含酸素化合物としては、例え
ばアルコール類、エーテル類、エステル類、酸ハライド
類、酸無水物類などが挙げられる。これらの電子供与性
化合物は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも好ましいものはエステル類であり、特に
好ましいものはフタル酸エステル類である。Yのbは、
前記aが3のときはbは1〜3、aが4のときは1また
は2が好ましく、特に好ましいのはaが4、bが1の場
合である。
体は、立体規則性に優れるポリプロピレンであり、次の
(ix)〜(xii) の物性を有することが必要である。 (ix) 25℃におけるキシレン抽出不溶部(XI) 9
8.0重量%以上 (x) アイソタクチックペンタッド分率(IP) 96.
5%以上 (xi) アイソタクチック平均連鎖長(N) 90以上 (xii) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長(Nf)が300以上のものの合計量
10重量%以上 これらの物性については、前記(A)BPPの項で詳述
した。(B)成分のメルトフローレート(JIS K7
210に従い、表1条件14で測定)については特に制限
はないが、剛性と成形性とのバランスを考慮すると10
〜60g/10分のものを用いるとよい。
フィン共重合体は、チーグラー触媒、フィリップス触
媒、メタロセン触媒などの存在下で、気相流動法、スラ
リー法、溶液法などの圧力が200kg/cm2 以上の
高圧重合法により得ることができる。α−オレフィンの
共重合割合は、通常多くとも30モル%であり、好まし
くは25モル%、特に好ましくは5〜15モル%であ
る。α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペン
テン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサンな
どが挙げられる。これらのα−オレフィンは1種類でも
よく2種類以上を混合して使用することもできる。
ム重合体は、一般にハードセグメントのポリスチレンブ
ロックとソフトセグメントのゴムブロックとを有し、ポ
リスチレンブロックが物理架橋点を形成してゴム弾性を
有するもので、スチレン系熱可塑性エラストマーともい
われるものである。ソフトセグメントとしては、ポリブ
タジエン(B)、ポリイソブタジエン(I)、ポリオレ
フィン(エチレン・ブチレン:EB、エチレン・プロピ
レン:EPなど)などが挙げられる。ハードセグメント
のポリスチレン(S)ブロックと上記ソフトセグメント
との配列のしかたによって、直鎖状と放射状とに大別さ
れる。本発明の(D)成分の具体例としては、例えばS
BS、SIS、SEBS、SEPSなどが挙げられる。
これらは1種でもよく、2種以上を併用することもでき
る。
イ酸マグネシウムともいわれ、天然鉱石を粗粉砕、分級
精製する乾式法で製造され、合成樹脂および合成ゴム分
野において充填剤として広く使用されているものであ
る。使用例としては、例えば特開昭53-79938号公報、特
開昭55-120642 号公報、特開昭56-141341 号公報などに
記載されている。該タルクの平均粒径は、一般に5μm
以下であり、0.3〜3.0μmが好ましく、特に0.
4〜2.8μmが好適である。また、タルクの分散性あ
るいは接着性の改良を目的として有機チタネート系カッ
プリング剤、シランカップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル
などで処理したものを用いてもよい。
組成割合は30〜60重量%であり、33〜57重量%
が好ましく、特に40〜55重量%が好適である。
(A)成分の割合が30重量%未満では剛性および耐熱
性が低下する。一方、60重量%を超えると耐衝撃性が
低下する。(B)成分の組成割合は20〜40重量%で
あり、23〜38重量%が好ましく、特に25〜35重
量%が好適である。(B)成分の割合が20重量%未満
では剛性および耐熱性が低下する。一方、40重量%を
超えると耐衝撃性が低下する。(C)成分の組成割合は
1〜10重量%であり、1.5〜9重量%が好ましく、
特に2〜8重量%が好適である。(C)成分の割合が1
重量%未満では耐衝撃性が低下する。一方、10重量%
を超えると剛性および耐熱性が損なわれる。(D)成分
の組成割合は2〜15重量%であり、3〜13重量%が
好ましく、特に4〜11重量%が好適である。(D)成
分の割合が2重量%未満では耐衝撃性が低下する。一
方、15重量%を超えると剛性および耐熱性が低下す
る。また、(E)成分の組成割合は5〜30重量%であ
り、10〜28重量%が好ましく、特に15〜25重量
%が好適である。(E)成分の割合が5重量%未満では
剛性および耐熱性が劣る。一方、30重量%を超えると
耐衝撃性の低下およびブリードアウトによる金型汚染を
起こすので好ましくない。
例えばリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキ
サーなどを用いて各成分を混合し、さらにニーダー、ミ
キシングロール、バンバリーミキサー、押出機などを用
いて溶融混合して得られる。溶融混合時の温度は、通常
170〜280℃であり、好ましくは190〜260℃
で行うとよい。得られた樹脂組成物は、公知の溶融成形
法および圧縮成形法により、フィルム、シート、チュー
ブ、ボトルなどに成形し単体での使用あるいは他の材料
を積層して積層体としても使用することができる。
用されている添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性安定
剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、
顔料、可塑剤、柔軟剤などを本発明の目的を損なわない
範囲で適宜配合してもよい。
明する。なお、各物性の測定方法を以下に示す。 [MFR]JIS K7210に準拠し、タカラ社製メ
ルトインデクサーを使用した。 [エチレン含有量]C.J.Carman et al; Macromolecule
s,10,537(1977) に記載されている13C−NMR法に拠
った。 [曲げ弾性率]JIS K7203に準拠した。 [アイゾット衝撃強度]JIS K7110に準拠し、
ノッチ付きで測定した。 [落錘衝撃強度]ASTM D3029−78に準拠
し、高さ1mから重錘を落下させ、重錘の荷重を100
g毎に変更しながら、試験片20枚のうち50%が破損
するときの荷重を求めた。温度は−20℃の条件で測定
した。 [ロックウェル硬度]JIS K7202に準拠しスケ
ールRで測定した。
す。 (イ)固体触媒の調製 無水塩化マグネシウム56.8gを、無水エタノール1
00g、出光興産社製ワセリンオイル(CP15N)5
00mlおよび信越シリコーン社製シリコーン油(KF
96)500mlからなる混合液に窒素雰囲気下、12
0℃で完全溶解した。この混合物を特殊機化工業社製T
Kホモミキサーを用いて120℃、3000回転/分で
3分間撹拌した。次いで、撹拌を維持しながら2リット
ルの無水ヘプタン中に0℃以下を維持するように冷却し
ながら移送した。得られた白色固体は無水ヘプタンで十
分洗浄し、室温下で真空乾燥した。得られた白色固体3
0gを無水ヘプタン200ml中に懸濁させ、0℃で撹
拌しながら四塩化チタン500mlを1時間かけて滴下
した。次に、加熱を始めて40℃になったところでフタ
ル酸ジイソブチル4.96gを加え、100℃まで約1
時間で上昇させた。100℃で2時間反応した後、熱時
ろ過にて固体部分を採取した。得られた固体部分に四塩
化チタン500mlを加え、撹拌下120℃で1時間反
応した後、再度熱時ろ過にて固体部分を採取し、60℃
のヘキサン1リットルで7回、さらに室温のヘキサン1
リットルで3回洗浄した。
4 H9)2]の調製 四塩化チタン19gを含むヘキサン1リットルの溶液
に、フタル酸ジイソブチル27.8gを、0℃を維持し
ながら約30分間で滴下した。滴下終了後、40℃に昇
温し30分間反応した。反応終了後、固体部分を採取し
ヘキサン500mlで5回洗浄し目的物を得た。
mlに懸濁させ、25℃で上記(ロ)で得られたTiC
l4 [C6 H4 ( COOi C4 H9)2]5.2gで1時間
処理して担持させた。担持終了後、熱時ろ過にて固体部
分を採取し、トルエン300mlと四塩化チタン10m
lに再懸濁させ、90℃で1時間撹拌洗浄し、熱時ろ過
にて固体部分を採取し、その後、この反応物を90℃の
トルエン500mlで5回、室温のヘキサン500ml
で3回洗浄した。
に、n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム
6.0g、ジシクロペンチルジメトキシシラン3.9
g、および上記(ハ)で得られた重合触媒成分10gを
投入し、0〜5℃の温度範囲で5分間撹拌した。次に、
重合触媒成分1gあたり10gのプロピレンが重合する
ようにプロピレンをオートクレーブ中に供給し、0〜5
℃の温度範囲で1時間予備重合した。得られた予備重合
固体触媒成分は、n−ヘプタンで500mlで3回洗浄
を行い、以下の本重合に使用した。
撹拌機付きオートクレーブに上記の方法で調整された予
備重合固体触媒2.0g、トリエチルアルミニウム1
1.4g、ジシクロペンチルジメトキシシラン6.84
gを入れ、次いでプロピレン18kg、プロピレンに対
して13000モルppmになるように水素を装入し、
70℃まで昇温し1時間重合を行った。その後、未反応
のプロピレンを除去し重合を終結させた。反応終了後、
反応生成物をサンプリングした。 (2) 第二段重合;第一段重合終了後、液体プロピレンを
除去し、温度75℃でエチレン/プロピレン=40/6
0(モル比)の混合ガス2.2Nm3 /時間、水素20
Nリットル/時間の供給速度で40分間共重合した。重
合終了後、未反応ガスを除去し重合を終結した。その結
果、エチレン含有量が9.7重量%およびMFRが1
7.8g/10分であるプロピレン−エチレンブロック
共重合体(以下「BPP1」という)8.0kgを得
た。
第二段重合時の重合時間、エチレン量を調整し、エチレ
ン含有量が10.5重量%およびMFRが8.1g/1
0分であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(以
下「BPP2」という)ならびにエチレン含有量が6.
8重量%およびMFRが28.3g/10分であるプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体(以下「BPP3」
という)を得た。また、第二段重合の際、さらにブテン
−1を供給した以外はBPP1と同様にして、エチレン
含有量が8.4重量%、ブテン−1含有量が0.7重量
%およびMFRが16.7g/10分であるプロピレン
−エチレンブロック共重合体(以下「BPP4」とい
う)を得た。
Pを用いた。東ソー・アクゾ社製AA型三塩化チタン
6.6g、ジエチルアルミニウムクロライド23.5g
を触媒成分として用い、プロピレン18kg、プロピレ
ンに対して8000モルppmになるように水素を装入
し、70℃まで昇温し、以下BPP1と同様にして重合
した結果、エチレン含有量が9.8重量%およびMFR
が18.2g/10分であるもの(以下「BPP5」と
いう)、および前記(イ)で調整された触媒を用いたこ
とおよび第一段重合時の水素量を9300モルppmと
した以外はBPP1と同様にして重合を行い、エチレン
含有量が10.1重量%およびMFRが18.4g/1
0分であるもの(以下「BPP6」という)を得た。
プリングした、ポリプロピレン部について、XI、I
P、NおよびNf を測定した。その結果を表3に示す。
なお、IPの測定条件は以下のとおりである。 測定器 日本電子社製 JNM−GSX400 測定モード :プロトンデカップリング法 パルス幅 :8.0μs パルス繰返時間 :3.0s 積算回数 :20000回 溶 媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン/
重ベンゼンの混合溶媒(75/25重量%) 内部循環 :ヘキサメチルジシロキサン 試料濃度 :300mg/3.0ml溶媒 測定温度 :120℃
ピレン共重合体部について、NMRスペクトルと2サイ
トモデルの解析により、FP、PP 、Pf1およびCSD
を求めた。その結果を表4に示す。
PP用触媒を用いて重合したMFRが25.1g/10
分であるポリプロピレン(以下「PP1」という)、M
FRが12.7g/10分であるポリプロピレン(以下
「PP2」という)およびMFRが7.0g/10分で
あるポリプロピレン(以下「PP3」という)を用い
た。比較用として、東ソー・アクゾ社製AA型三塩化チ
タン、ジエチルアルミニウムクロライドを触媒成分とし
て用いて重合して得られたMFRが32.2g/10分
であるポリプロピレン(以下「PP4」という)および
前記BPP用触媒調製において(イ)のみの操作で得ら
れた触媒を用いて重合し、MFRが6.8g/10分で
あるポリプロピレン(以下「PP5」という)を用い
た。以上のPPについてXI、IP、NおよびNf を測
定した。その結果を表5に示す。測定条件は前述のとお
りである。
としてエチレン−ブテン−1共重合体(三井石油化学社
製;タフマーA1085)(以下「PEC−1」とい
う)およびエチレン−プロピレン共重合体(三井石油化
学社製;タフマーP)(以下「PEC−2」という)を
用いた。 (D)スチレン系ゴム重合体としてスチレン−エチレン
−ブチレンブロック共重合体(旭化成社製;タフテック
H1052)ならびに(E)タルクとして平均粒径が
2.6μmのもの(以下「TALC−1」という)およ
び平均粒径が11.0μmのもの(以下「TALC−
2)を共にシランカップリング剤で処理したものを用い
た。
エチレン−α−オレフィン共重合体、スチレン系ゴム重
合体およびタルクならびに安定剤としてジ−t−ブチル
−p−クレゾール 0.05重量部、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.10重量部
およびカルシウムステアレート 0.10重量部を配合
し、川田製作所社製スーパーミキサー(SMV20型)
を用いて混合し、ナカタニ機械社製二軸押出機(AS3
0型)を用いてペレット化した。得られた各ペレットを
東芝機械社製射出成形機(IS−170FII)を用い
て、温度220℃、金型冷却温度50℃で各試験片を作
製した。得られた試験片を相対湿度50%、温度23℃
の恒温室に2日放置後、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強
度(ノッチ付き)、荷重たわみ温度およびロックウェル
硬度を測定した。得られた結果を表7に示す。
性、耐熱性および表面硬度に優れるので、特に自動車部
品、電気・電子部品、包装材料分野などに有用である。
鳴スペクトルの例である。
ペクトルの例である。
の名称を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)下記(i) 〜(iv)の物性を有するポ
リプロピレン部(a)と、 (i) 25℃におけるキシレン抽出不溶部(XI) 9
8.0重量%以上 (ii) アイソタクチックペンタッド分率(IP) 9
6.5%以上 (iii) アイソタクチック平均連鎖長(N) 90以上 (iv) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長(Nf)が300以上のものの合計量
10重量%以上 下記 (v)〜(viii)の条件をすべて満足するプロピレンと
エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体部(b) (v) 2サイトモデルによる平均プロピレン含量(FP)
20〜80モル% (vi) 2サイトモデルにおいてプロピレンを優先的に重
合する活性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン
含量(PP ) 65〜90モル% (vii) PH が共重合体中に占める割合(Pf1) 0.4
0〜0.90 (viii)2サイトモデルによるブロック性(CSD)
1.8〜5.0からなるプロピレンブロック共重合体
30〜60重量%、 (B)下記(ix)〜(xii) の物性を有するプロピレン単独
重合体 20〜40重量%、 (ix) 25℃におけるキシレン抽出不溶部(XI) 9
8.0重量%以上 (x) アイソタクチックペンタッド分率(IP) 96.
5%以上 (xi) アイソタクチック平均連鎖長(N) 90以上 (xii) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長(Nf)が300以上のものの合計量
10重量%以上 (C)エチレン−α−オレフィン共重合体 1〜10重
量%、 (D)スチレン系ゴム重合体 2〜15重量%並びに (E)タルク 5〜30重量%[ただし、(A)+
(B)+(C)+(D)+(E)=100重量%]から
なるプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 上記(A)成分中に占める(b)の割合
が3〜50重量%である請求項1記載のプロピレン系樹
脂組成物。 - 【請求項3】 上記(A)成分の共重合体部(b)のα
−オレフィンがエチレンおよび/またはブテン−1であ
る請求項1または請求項2記載のプロピレン系樹脂組成
物。 - 【請求項4】 上記(A)成分が、マグネシウム化合
物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および電子供与
性化合物を必須成分とする固体触媒を、更に一般式:T
i Xa ・Yb (式中、XはCl,Br,Iのハロゲン原子
を、Yは電子供与性化合物を、aは3もしくは4を、b
は3以下の整数をそれぞれ表す)で示されるチタン化合
物で処理後、ハロゲン含有化合物で洗浄し、更に炭化水
素で洗浄して得られる改良重合触媒を用いて重合して得
られたものである請求項1記載のプロピレン系樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22671094A JP3369007B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | プロピレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22671094A JP3369007B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | プロピレン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892440A true JPH0892440A (ja) | 1996-04-09 |
JP3369007B2 JP3369007B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=16849430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22671094A Expired - Lifetime JP3369007B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | プロピレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3369007B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997043338A1 (fr) * | 1996-05-13 | 1997-11-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Composition de resine de propylene conductrice et conteneur a pieces |
WO2000020497A1 (fr) * | 1998-10-05 | 2000-04-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Composition de resine a base de polypropylene et produits de moulage par injection obtenus a partir de cette resine |
JP2000313777A (ja) * | 1999-04-28 | 2000-11-14 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | プロピレン系共重合体及び該共重合体を成形してなる成形体 |
US6863177B2 (en) | 1996-05-13 | 2005-03-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electrically conductive propylene resin composition and part-housing container |
-
1994
- 1994-09-21 JP JP22671094A patent/JP3369007B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997043338A1 (fr) * | 1996-05-13 | 1997-11-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Composition de resine de propylene conductrice et conteneur a pieces |
US6863177B2 (en) | 1996-05-13 | 2005-03-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electrically conductive propylene resin composition and part-housing container |
WO2000020497A1 (fr) * | 1998-10-05 | 2000-04-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Composition de resine a base de polypropylene et produits de moulage par injection obtenus a partir de cette resine |
US6441081B1 (en) | 1998-10-05 | 2002-08-27 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polypropylene-base resin composition and products of injection molding thereof |
JP2000313777A (ja) * | 1999-04-28 | 2000-11-14 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | プロピレン系共重合体及び該共重合体を成形してなる成形体 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3369007B2 (ja) | 2003-01-20 |
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