JPH0892412A - プラスチックの再資源化方法 - Google Patents

プラスチックの再資源化方法

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JPH0892412A
JPH0892412A JP22790494A JP22790494A JPH0892412A JP H0892412 A JPH0892412 A JP H0892412A JP 22790494 A JP22790494 A JP 22790494A JP 22790494 A JP22790494 A JP 22790494A JP H0892412 A JPH0892412 A JP H0892412A
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JP
Japan
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decomposition
plastic
temperature
thermal decomposition
residue
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Application number
JP22790494A
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English (en)
Inventor
Fuminobu Tezuka
史展 手塚
Kimihiro Tadauchi
仁弘 忠内
Satoshi Kanazawa
悟史 金澤
Yukishige Maezawa
幸繁 前沢
Terunobu Hayata
輝信 早田
Jiro Kano
二朗 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH0892412A publication Critical patent/JPH0892412A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃プラスチックを種類により分別することな
く処理できるような汎用性のある熱分解処理を行うもの
であって、分解残渣の有効利用も可能となるプラスチッ
クの再資源化方法を提供する。 【構成】 プラスチックが熱分解生成物と固体分解残渣
とに熱分解する熱分解温度にプラスチックを加熱して熱
分解し、固体分解残渣を熱分解温度より高い温度に加熱
する。プラスチックは、熱分解生成物と固体分解残渣と
が生成する熱分解温度に金属水酸化物と共に加熱する。
ポリ塩化ビニルを含むプラスチックは、金属水酸化物の
存在下で塩素が脱離し得る温度に加熱され、該プラスチ
ックから熱分解生成物と固体分解残渣とが生じる温度に
加熱される。 【効果】 熱分解反応によって生じる固体残渣の吸着能
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業廃棄物等に含まれ
る廃プラスチックの処理・再資源化に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性プラスチックを乾留熱分解して
燃料油として再利用する技術の研究はオイルショックの
頃に端を発するが、景気拡大と共に下火となっていた。
しかし、再生品の商品価値が比較的高いこの技術は、近
年の廃棄物処分場確保の問題や資源問題、生分解性がな
い廃プラスチックを埋め立てることによって生じる環境
問題等の提起によって、廃プラスチックを再資源化する
方法として再び脚光を集めている。
【0003】熱可塑性プラスチックの乾留熱分解では、
生成油と同時に気体分(メタン、プロパン等)及び固体
残渣が生成する。ポリオレフィン系プラスチックの場
合、熱分解によって得られる生成油はガソリン質から重
油質までの多成分系混合物であり、そのままでは燃料と
しての使用が難しいという問題が有る。このため、ゼオ
ライト等の気相接触触媒を用いて油を改質する試み(特
開昭63−178195号公報、特開平2−29492
号公報)が行われるなど、更に研究が進められている。
【0004】一方、ポリ塩化ビニル樹脂等の含ハロゲン
樹脂は、熱分解を行うと塩化水素ガス等の含ハロゲンガ
スを生じるので、炉壁や配管等の設備が損なわれたり、
上述の触媒が劣化され性能が著しく低下したりする。
又、ポリ塩化ビニル(PVC)や熱硬化性樹脂の熱分解
においては残渣が多量に発生する。通常、生成残渣の少
ないポリオレフィン樹脂の分解においても、PVCが混
入すると、残渣が元のプラスチックの容積よりも増大し
てしまう。従って、熱分解処理の1つの目的である廃プ
ラスチックの減容も果たされなくなる。このため、熱分
解後に残渣を埋立てるためには、廃棄物の減容を可能と
するためには廃プラスチックの分別が必要となり、混合
廃プラスチックの処理に際しては、予めポリ塩化ビニル
樹脂を人手を介して選別除外する必要が生じる。自治体
等による処理の実状においては、選別が困難なため、ポ
リ塩化ビニル樹脂の混入量が極少量の場合を除いては、
そのまま埋め立て処理がなされている。
【0005】又、熱硬化性樹脂の処理に関しては、これ
らに熱を加えると架橋硬化してしまい、燃料油のような
取り扱い易い分解生成物が得られにくいので、歩道用タ
イル等の簡単な構造物に限定したマテリアルリサイクル
の用途が考えられているが、実際に行われていることは
少なく、一般には埋め立て処理が主流となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、現状に
おいては、埋め立て処理場の不足等の問題は依然として
解決されておらず、廃プラスチックの熱分解による再資
源化は殆ど進められていない。従って、廃プラスチック
の再資源化を進めるためには、廃プラスチックを分別す
ることなく再資源化に供することを可能にし、熱分解後
の分解残渣の処理・有効利用という課題を解決する必要
がある。
【0007】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
するためになされたもので、廃プラスチックを種類によ
り分別することなく処理できるような汎用性のある熱分
解処理を行うものであって、分解残渣の有効利用も可能
となるプラスチックの再資源化方法を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、プラスチック
を加熱する際の反応条件を制御することによって、熱分
解後に得られるカーボン質固体残渣が多孔性で吸着性を
有することを見いだし、本発明の再資源化方法を発明す
るに至った。
【0009】本発明のプラスチックの再資源化方法は、
プラスチックが熱分解生成物と固体分解残渣とに熱分解
する熱分解温度にプラスチックを加熱して熱分解する熱
分解工程と、固体分解残渣を熱分解温度より高い温度に
加熱する加熱工程とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0010】又、本発明のプラスチックの再資源化方法
は、プラスチックから熱分解生成物と固体分解残渣とが
生成する熱分解温度にプラスチックを金属水酸化物と共
に加熱して熱分解する熱分解工程を備えることを特徴と
するものである。
【0011】更に、本発明の再資源化方法は、ポリ塩化
ビニルを含むプラスチックを金属水酸化物の存在下でポ
リ塩化ビニルから塩素が脱離し得る温度に加熱する加熱
工程と、該プラスチックから熱分解生成物と固体分解残
渣とが生じる温度に加熱して該プラスチックを熱分解す
る熱分解工程とを備えることを特徴とするものである。
【0012】上記金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化リチウムからなる塩基性水
酸化物、及び、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウ
ム、水酸化セリウム等の両性水酸化物から選択される。
【0013】金属水酸化物の共存及び加熱により、固体
分解残渣の多孔質化及び賦活化が促進され、固体分解残
渣の吸着能が向上する。これにより、固体分解残渣のガ
ス及び液相の浄化用吸着剤としての利用が可能となる。
【0014】
【作用】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂を加熱する
と、300℃付近で塩素元素の脱離が起こって塩化水素
が発生し、約400〜500℃で熱分解により油分及び
ガス状分解生成物が生成する。熱分解が終了した後に
は、固体の分解残渣が残存する。ポリオレフィン系プラ
スチックや他の樹脂においても概ね約400〜500℃
で熱分解して油分が生成し、分解残渣が残存する。ポリ
オレフィン系プラスチックの分解残渣はPVC樹脂の場
合に比べて生成量が少ないが、PVCが共存すると分解
残渣の量は極度に増加する。このような固体分解残渣は
カーボン質で、分解時の反応条件によってその性質が変
化し、特定の反応条件で生成した場合に、分解残渣は市
販の活性炭と同等あるいはそれ以上のレベルの吸着能を
有するようになる。
【0016】一般に、吸着剤の吸着力は、吸着剤の容積
当たりの表面積の大きさ(多孔質性)及び表面の活性に
よって変化すると考えられるので、プラスチックの熱分
解反応で得られる分解残渣においてもこれらが増加する
ように反応条件を設定することによって固体分解残渣の
吸着力が向上する。本願発明者らによる研究によれば、
表面積の大きさ及び表面の活性は、熱分解時の温度、雰
囲気圧及び添加剤の存在によって変化することが明らか
となった。これらについての詳細を以下に説明する。
【0017】プラスチックは、前述のように、約400
〜500℃で熱分解するので、400〜600℃でプラ
スチックを加熱することによって固体残渣及び油分等の
熱分解生成物が得られるが、プラスチックの油化を十分
に進行させた後に約600℃以上、好ましくは700℃
以上の温度に加熱することによって、得られる残渣の吸
着力は増加する。適切な加熱時間はバッチの大きさに起
因する熱伝達の相違等によって左右されるが、1時間程
度あるいはそれ以上の間加熱維持するのが効果的であ
る。この吸着力の増大は、加熱中に残渣の多孔質化を伴
った炭化が促進されることによると考えられる。又、加
圧下で熱分解することも、固体残渣の多孔質化を進行さ
せる。加圧による残渣の多孔質化は、ゲージ圧で3.0
kgf/cm2 以上において顕著になる。
【0018】プラスチックの熱分解及び炭化が完全に進
行しなかったり、熱分解によって生成する油分等が固体
残渣に残存すると、著しく固体残渣の吸着能を低下させ
る。従って、上述のプラスチックの油化温度領域以上の
温度で十分な時間加熱することが、熱分解を十分に行い
油分を完全に固体残渣から除去する上で好ましい。又、
生成される油分をより軽質化されるように熱分解を促進
してすることが固体残渣の吸着能を向上させることに結
び付く。つまり、生成油分をより軽質化させ、固体残渣
中に残存し難くすることにより、固体残渣の吸着能の低
下を防止することができる。生成油分の軽質化は、昇
温、加圧、及び、分解反応を促進させる触媒を添加する
ことによって促進される。触媒としては、金属、金属水
酸化物、金属酸化物、水を挙げることができる。軽質化
のための昇温及び加圧の適正範囲並びに触媒の具体例に
ついては、本願出願人により先に提案されている特開平
6−179877号公報を参照することができる。
【0019】更に、固体分解残渣の吸着能は、プラスチ
ックの熱分解時における金属水酸化物、特に塩基性金属
水酸化物の存在によって増大する。金属水酸化物の作用
は、完全には解明されていないが、実験結果によると、
固体残渣表面の活性化(賦活化)及び固体残渣の多孔質
化の両方の作用を有すると考えられる。特に、PVC樹
脂を含有するプラスチックの熱分解における金属水酸化
物の性質には特殊な賦活効果が認められる。PVCから
塩素が脱離する温度に加熱される時に金属水酸化物が存
在すると、得られる分解残渣の吸着能の向上に効果が現
れる。このことから、金属水酸化物は、単に脱離塩素を
中和トラップするだけでなく、PVCから塩素が脱離す
る際に金属水酸化物がプラスチックの炭素鎖を攻撃し、
これが起因となって熱分解後のカーボン質固体分解残渣
の賦活、細孔形成に影響を与えるものと考えられる。具
体的には、金属原子が炭素間に浸入することによる細孔
の形成、水酸基による残渣表面の修飾などが考えられ
る。更に、この塩素脱離温度における金属水酸化物の効
果は、プラスチック全体に対するPVC樹脂、あるい
は、PVC樹脂中の塩素の約10wt%以上が脱離せず残
存している時に顕著である。従って、熱分解する廃プラ
スチック中のPVC樹脂含量が多い場合には、PVC中
の一部の塩素を除去するために約200〜300℃での
予備加熱を行った後に、残存塩素に対して化学等量以
上、好ましくは約1.2倍モル量の金属水酸化物を加え
るようにすることも可能である。この処方を取ることに
より、金属水酸化物の使用量の節約が可能となる。
【0020】上述の昇温、加圧及び金属水酸化物の添加
は、各々独立して作用し、いずれかの要素が他の要素の
必須条件となるものではない。つまり、これらを全て満
たす条件においては、より大きな効果が得られる。従っ
て、PVCを含む廃プラスチックの熱分解処理において
は、金属水酸化物をプラスチックに投入してからプラス
チックの温度を塩素脱離温度以上に加熱昇温し、更に4
00〜600℃に達した後十分に熱分解を行い、油分が
生成されなくなったことを確認して700℃前後の温度
で所定時間加熱するのが適正な温度制御と考えられる。
更に、金属水酸化物の添加量を削減するためには、約2
00〜300℃での予備加熱によって部分的脱塩素を行
った後に、残存塩素に対して化学等量以上の金属水酸化
物を添加した後昇温し、上述の400〜600℃での十
分な熱分解、700℃前後での加熱を行うのが好ましい
制御となる。
【0021】PVC樹脂の熱分解においては、金属水酸
化物の添加によって、樹脂から生じる塩化水素の濃度が
著しく低減され、脱離塩素と分解生成物との反応によっ
て生じる有機塩素化合物の生成が防止される。同時に、
PVC樹脂に通常含まれる可塑剤(フタル酸ジエステル
等)も分解されるので、可塑剤による配管等の閉塞が防
止され、且つ、油化率が向上する。従って、金属水酸化
物の添加はプラスチックの熱分解における生成物の品質
を向上させる。この点に関して、分解残渣は、その吸着
作用によって、脱離塩素原子と他の化合物の炭素鎖との
結合による有害な有機塩素化合物の生成を防止する作用
をする場合もある。
【0022】金属水酸化物の添加は、ポリエステル樹脂
やエポキシ樹脂のエーテル結合、エステル結合の分解を
促進して油化を促進する作用もあり、従って、熱硬化性
樹脂の熱分解にも効果的である。熱硬化性樹脂には、強
化繊維としてガラス繊維が添加されているものもある
が、このような場合においても、金属水酸化物として水
酸化ナトリウム等の強塩基性化合物を共存させると、ガ
ラス繊維を溶解して樹脂の反応表面積を増大させる。こ
れにより、固形残渣の賦活も促進され、吸着剤としての
機能が向上する。
【0023】上述の金属水酸化物としては、、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化リ
チウムのような塩基性水酸化物、水酸化アルミニウム、
水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム等の両性水酸化物
が挙げられる。上記金属水酸化物は、単独あるいは組み
合わせて用いることができる。
【0024】上述の金属水酸化物の作用は、PVC以外
のハロゲン含有プラスチック及びABS樹脂などのCN
基を含有するプラスチックにおいても発揮され、添加す
る金属水酸化物の適量は、熱分解処理するプラスチック
中のハロゲン及びCN基に対して中和量以上、好ましく
は1.2倍モル程度である。
【0025】更に、金属水酸化物がプラスチックに均一
に作用し易いように、水を添加してもよい。均一に反応
を進行させるために、加熱に先立って樹脂を細かく粉砕
し、加熱中に攪拌するのが好ましい。
【0026】上述に従って得られる固体残渣は、JIS
K1474−1991を参考としたメチレンブルー脱
色力の測定による評価で約7.5×10-7 mol/g以上
の吸着能を発揮することが可能となる。市販の活性炭に
おける同様の評価では約8×10-7 mol/gであること
から、上述の条件に従って得られるプラスチックの熱分
解残渣は吸着剤として利用するのに満足なものであると
言うことができる。
【0027】上述の熱分解反応によって生じる固体残渣
は、余剰の金属水酸化物及び塩を含み得るものである。
余剰金属水酸化物が残渣に含まれると、固体残渣の吸着
作用を弱める傾向がみられる場合もあるので、除去する
のが好ましい。これらを除去する際には、残渣を粉砕し
て水等を用いて洗浄を行う。用いた金属水酸化物が水に
難溶性であれば、一旦、酸の薄い水溶液を用いて除去し
た後に水洗してもよい。
【0028】上述のプラスチックの再資源化は、図1に
示される装置を用いて実施することができる。この再資
源化装置1は、熱分解槽3を備え、熱分解槽3には、シ
ャッター6を付設した配送管5が接続され、添加剤槽7
が弁9を介して取付られている。添加剤槽7は、分解残
渣の吸着能を向上させるための金属水酸化物を収容す
る。更に、水、触媒などを収容してもよい。熱分解槽3
には、更に配送管11が圧力制御弁13を介して接続さ
れ、配送管11は容器15に連結されている。更に、配
送管11には恒温部17、温度制御装置19が取り付け
られている。温度制御装置19は、恒温部17に所定温
度の媒体を送り、恒温部の温度を一定に維持する。媒体
は、エア、水、液体化合物等、通常使用されるものを用
いることができる。
【0029】上記熱分解装置1は、更に、配送管11に
ポンプ21が設けられ、容器15に圧力制御弁23が取
り付けられている。これらは、熱分解を2工程に分けて
行う際に使用される。この場合、圧力制御弁13は開放
し、容器15は、熱分解槽3と同様の操作が可能なよう
に加熱手段が備え付けられる。熱分解を複数工程に分け
て行うのは、より高品質な生成物を得るために有効であ
る。
【0030】熱分解槽3には攪拌装置25が設けられて
おり、分解反応中のプラスチックの攪拌及び反応後の残
渣の掻き取り・破砕に使用される。熱分解槽3の底部
は、分解反応終了後に破砕された残渣を排出するために
開閉するシャッター27を介して洗浄槽29と接続され
ている。洗浄槽29は水槽31に弁33を介して連結さ
れる。洗浄槽29内には攪拌器35が付設されており、
水槽31から供給される水及び熱分解槽3から排出され
る固体残渣とを混合攪拌する。更に、水相31には、固
体残渣と洗浄後の水とを分離排出するために、弁37を
取り付けた排水管39とシャッター41とが水槽31側
部及び底部に設けられている。
【0031】上記装置において、粉砕等の前処理を適宜
行った廃プラスチックは、配送管5から熱分解槽3へ供
給され、金属水酸化物等の添加剤が添加剤槽7から樹脂
に添加される。添加剤の量は弁9によって適宜調節され
る。樹脂は、熱分解槽3内で加熱され、熱分解が行わ
れ、気体状の分解生成物で熱分解槽3が充満される。熱
分解槽3内の圧力が所定圧を越えると圧力制御弁13が
開放されて気体状の分解生成物が配送管11に放出され
ことによって反応系は所定圧に規制される。従って、一
定温度に熱分解槽3を維持することにより、一定条件で
反応が進行する。放出された分解生成物は、恒温部17
によって冷却、凝縮されて、容器15に燃料油等の液状
物として蓄積される。熱分解槽3内の分解残渣、余剰の
金属水酸化物及び塩は、攪拌装置25によって槽から掻
き取られ、シャッター27の開放により熱分解槽3の底
部から排出され、洗浄槽29に収容される。洗浄槽29
に水が供給され、余剰の金属水酸化物及び塩は分解残渣
から水に溶出し、排水管39から放出される。洗浄され
た固体残渣はシャッター41を開放して洗浄槽29より
取り出される。
【0032】
【実施例】以下、実験例を参照して、本発明をさらに詳
細に説明する。尚、以下の例における単位「%」は、す
べて重量に基づいて示される。
【0033】(実験例1〜4)表1に示す組成のプラス
チックを常圧で500℃に加熱して熱分解を行った。プ
ラスチックから油及びガス状分解生成物が完全に生成し
なくなった後に加熱を中止し、冷却後、分解残渣を水洗
し、乾燥した。得られた分解残渣の吸着能をメチレンブ
ルー脱色力試験1により評価した結果を表1に示す。
【0034】(実験例5、6)表1に示す組成のプラス
チックに、プラスチック中の塩素及びCN基に対して
1.2倍モル量の水酸化ナトリウムを加えた点を除いて
は、実験例1〜4と同様の操作を行って吸着能を調べ
た。
【0035】(メチレンブルー脱色力試験1)JIS
K1474−1991を参考として、分解残渣0.50
0gを100mlの容器に投入し、メチレンブルーA液1
0mlを加え、250回/分、水平35mmの振とうを3時
間行った。その後、5種Cの濾紙を用いて濾過し、66
5nmにおける濾液の吸光度を測定して、吸着能を求め
た。
【0036】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− プラスチック組成 吸着能(×10-7 mol/g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実験例1 PVC 6.9 実験例2 50%PVC−50%PP 6.2 実験例3 30%PVC−70%PP 7.9 実験例4 10%PVC−90%PP 6.7 実験例5 23%PVC−22%PP−32%PE− 17%PS−6%ABS、NaOH 8.2 実験例6 50%PVC−50%PP、NaOH 8.2 (標準:和光純薬製特級活性炭、商品名カルゴン] 8.2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表1からわかるように、水酸化ナトリウムの添加によ
り、固体残渣の吸着能が著しく向上する。尚、実験例5
及び6において、固体残渣の水洗を行わずに吸着能を調
べた場合の値は、各々、8.2×10-7mol/g 及び7.
7×10-7mol/gとなった。
【0037】(実験例7、8)表2に示す組成のプラス
チックを用い、加熱温度を700℃に変えた点、及び吸
着能の測定をメチレンブルー脱色力試験2によって行っ
た点を除いては、実験例1〜4と同様の操作を行って吸
着能を調べた。
【0038】(メチレンブルー脱色力試験1)JIS
K1474−1991を参考として、分解残渣0.50
0gを100mlの容器に投入し、メチレンブルーA液の
100倍希釈液10mlを加え、250回/分、水平35
mmの振とうを3時間行った。その後、5種Cの濾紙を用
いて濾過し、濾液の665nmにおける吸光度を測定し
て、吸着能を求めた。
【0039】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− プラスチック組成 吸着能(×10-7mol/g ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実験例7 10%PVC−90%PP 8.1 実験例8 PP 8.2 (標準:和光純薬製特級活性炭、商品名カルゴン] 8.1) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 前述の実験例4と実験例7との比較により、加熱温度を
700℃迄昇温することにより固体残渣の吸着能が上が
ることがわかる。
【0040】(実験例9〜16)PVC樹脂を表3に示
す温度条件に従って常圧で加熱し、PVC樹脂の熱分解
を行った。冷却後、分解残渣を水洗し、乾燥した。得ら
れた分解残渣の吸着能をメチレンブルー脱色力試験2に
より評価した結果を表3に示す。尚、昇温は10〜20
℃/分の範囲で行った。
【0041】(実験例17〜19)PVC樹脂を表3に
示す温度条件に従って常圧で加熱して熱分解を行った。
但し、500℃に昇温する前に水酸化ナトリウムを添加
した。加熱終了後、冷却して、分解残渣を水洗し、乾燥
した。得られた分解残渣の吸着能をメチレンブルー脱色
力試験2により評価した結果を表3に示す。尚、昇温は
10〜20℃/分の範囲で行った。
【0042】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 温度、NaOH添加 吸着能(×10-7 mol/g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実験例9 300 ℃×1hr 4.6 実験例10 250 ℃×1hr、600 ℃×0.5hr 6.9 実験例11 250 ℃×1hr、700 ℃×1hr 6.7 実験例12 250 ℃×1hr、500 ℃×2hr、600 ℃×1hr 6.6 実験例13 250 ℃×1hr、500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 7.5 実験例14 275 ℃×1hr、500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 7.5 実験例15 300 ℃×1hr、500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 8.4 実験例16 350 ℃×1hr、500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 7.9 実験例17 250 ℃×1hr、NaOH(20%モル量) 500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 9.4 実験例18 300 ℃×1hr、NaOH(10%モル量) 500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 8.7 実験例19 350 ℃×1hr、NaOH(10%モル量) 500 ℃×1hr、700 ℃×1hr 7.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実験例10〜13の結果から、プラスチックが熱分解に
よって油化する温度で十分に加熱することが必要であ
り、油化後、更に700℃程度に加熱することによって
吸着能が上がることがわかる。又、実験例13〜19に
関して、PVC樹脂を250℃で約1時間程度加熱する
と、塩素が80%程度脱離し、300℃では90%、3
50℃では100%近くが脱離する。従って、実験例1
7〜19では、残存塩素に対して当モル量以上の水酸化
ナトリウムが添加されている。これらの結果から、塩素
が脱離する段階において金属水酸化物が存在することが
吸着能の向上に効果を奏することが明かであるが、又、
それは、PVC全塩素量のうちの10%以上の残存塩素
と作用する時に顕著になる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラスチ
ックの再資源化方法及び装置においては、熱分解反応に
従って生じる固体残渣の吸着能が高く、気体・液体の浄
化用吸着剤として利用することが可能となる。産業廃棄
物に含まれる廃プラスチックを無駄なく再資源化するこ
とができるものであり、その工業的価値は極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱分解方法を実施する熱分解装置の一
例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 熱分解装置 3 熱分解槽 7 添加剤槽 15 容器 17 恒温部 19 温度制御装置 21 ポンプ 29 洗浄槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前沢 幸繁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 早田 輝信 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 加納 二朗 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 東 芝リサーチコンサルティング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックが熱分解生成物と固体分解
    残渣とに熱分解する熱分解温度にプラスチックを加熱し
    て熱分解する熱分解工程と、固体分解残渣を熱分解温度
    より高い温度に加熱する加熱工程とを備えることを特徴
    とするプラスチックの再資源化方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックから熱分解生成物と固体分
    解残渣とが生成する熱分解温度にプラスチックを金属水
    酸化物と共に加熱して熱分解する熱分解工程を備えるこ
    とを特徴とするプラスチックの再資源化方法。
  3. 【請求項3】 ポリ塩化ビニルを含むプラスチックを金
    属水酸化物の存在下でポリ塩化ビニルから塩素が脱離し
    得る温度に加熱する加熱工程と、該プラスチックから熱
    分解生成物と固体分解残渣とが生じる温度に加熱して該
    プラスチックを熱分解する熱分解工程とを備えることを
    特徴とするプラスチックの再資源化方法。
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