JPH0985046A - 廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備 - Google Patents

廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備

Info

Publication number
JPH0985046A
JPH0985046A JP27710795A JP27710795A JPH0985046A JP H0985046 A JPH0985046 A JP H0985046A JP 27710795 A JP27710795 A JP 27710795A JP 27710795 A JP27710795 A JP 27710795A JP H0985046 A JPH0985046 A JP H0985046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste plastic
hydrogen chloride
tank
plastic material
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27710795A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nishiyama
秀雄 西山
Nobuyuki Mikata
信行 三方
Hitoshi Ono
仁 大野
Kenji Matsuda
健志 松田
Takaharu Takeuchi
隆春 武内
Eiji Funahashi
栄次 舟橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP27710795A priority Critical patent/JPH0985046A/ja
Publication of JPH0985046A publication Critical patent/JPH0985046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ塩化ビニル等の有機塩素化合物を含む廃
プラスチック材を分解処理して低分子量の熱分解油を製
造する際に生成する熱分解油ベーパーを大量に脱塩化水
素処理しても、圧力損失が増大することなく安定にか
つ、効率化された脱塩化水素の条件で廃プラスチック材
の油化処理を行うことのできる廃プラスチック材の熱分
解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用
いる廃プラスチック材の油化処理設備を提供する。 【解決手段】 廃プラスチック材を溶融及び熱分解する
過程で発生する熱分解ガスを、アルミナ粒が充填された
脱塩化水素槽18に導入し、含まれる塩化水素を前記ア
ルミナ粒と反応させて除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄されたプラスチ
ック材から低分子量の熱分解油を製造する際の廃プラス
チック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及
びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護、および資源保護の見地
から、廃棄されるプラスチック材(以下廃プラスチック
材という)からガソリン、軽油、及び灯油等の低分子
量、低沸点の熱分解油を抽出して、これを有効資源とし
て利用しようという動きが進んでいる。しかし、このよ
うな油化処理に際しては、廃プラスチック材中にポリ塩
化ビニル等の有機塩素化合物に由来する塩素分が含有さ
れているため、廃プラスチック材を加熱あるいは、反応
させる際に多量の塩化水素ガスが発生する。このため、
廃プラスチック材を溶融加熱して得られる熱分解ガス
(以下熱分解油ベーパーという)を触媒を用いて接触分
解により油化して低沸点の熱分解油を生成しようとする
際には、ここで使用するゼオライト系触媒等の触媒活性
を損なう要因となる。そこで、廃プラスチック材を油化
処理するときには、熱分解槽で発生する熱分解ガス中の
塩化水素分を除去するために、例えば特願平5−196
544号に記載されているように、熱分解ガス中の塩化
水素を除くための脱塩化水素槽において、該塩化水素槽
の少なくとも入口側に、層厚が50〜100mm、粒子
径が20〜40mmの無機質粗粒子を配置すると共に、
該無機質粗粒子の層の後流側に粒子径が2〜10mmの
CaO粒子の層を配置して、熱分解ガス中の塩化水素を
生石灰(CaO)と反応させて、これを吸着除去する廃
プラスチック材の油化処理設備における脱塩化水素槽が
提案されている。
【0003】図4はこのような脱塩化水素槽40を備え
た廃プラスチック材の油化処理設備の一例である。同図
に示すように、廃プラスチック材の油化処理設備は、剪
断又は破砕された廃プラスチック材を装入する廃プラス
チック受槽30と、該廃プラスチック受槽30の廃プラ
スチック材を混練溶融する押出機33と、該押出機33
から排出されるほぼ溶融状態にある廃プラスチック材を
熱分解槽36から還流する熱分解油と共に混合する原料
混合槽34と、該原料混合槽34で溶融された廃プラス
チック材の融液を熱分解する熱分解槽36と、該熱分解
槽36に加熱した廃プラスチック材の融液を循環供給す
る熱分解油循環加熱炉37と、前記熱分解槽36と接触
分解槽39との間にあって、熱分解槽36から生成する
熱分解油ベーパーの塩化水素分を除去する脱塩化水素槽
40と、該脱塩化水素槽40で処理され熱分解油ベーパ
ーを触媒に接触させて、さらに低分子量の熱分解油に改
質する接触分解槽39と、原料混合槽34より発生する
塩化水素分を水酸化ナトリウム水溶液等で中和する塩酸
中和塔35と、前記押出機33に廃プラスチック材を加
熱する熱媒を供給する熱媒油循環加熱炉32と、接触分
解槽39で生成する熱分解油ベーパーを冷却、液化する
全縮器41と、液化した熱分解油を貯留する全縮油受槽
42と、該全縮油受槽42で生成するガス成分をファン
44を介して貯蔵する接触分解ガスホルダ45と、該接
触分解ガスホルダ45から逸出する排ガス成分を燃焼し
て排出するフレアスタック46と、前記全縮油受槽42
で液化した熱分解油を貯蔵する全縮油貯槽43とを有し
ている。
【0004】以下、図4に示す廃プラスチック材の油化
処理設備を用いた廃プラスチック材の油化処理方法につ
いて詳細に説明する。小片に破砕されて廃プラスチック
受槽30に一時貯留された廃プラスチック材はコンベア
31で熱媒油循環加熱炉32から供給される熱媒によっ
て内部が約300℃に加熱された押出機33内に搬送さ
れ、ここで液状に加熱混練されて約450℃に加熱され
た原料混合槽34に搬入される。そして、原料混合槽3
4、及び押出機33で発生する塩化水素ガス等含む発生
ガスは原料混合槽34の上部から塩酸中和塔35に導入
され、ここで水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液等を
散布して中和した後、処理後の排気ガスをファン47を
介して系外に廃棄するようになっている。
【0005】前記溶融した廃プラスチック材は原料混合
槽34の下部から熱分解槽36の上部に移送され、この
熱分解槽36内で溶融した廃プラスチック材から熱分解
油を生成する処理が行われる。熱分解槽36は、熱分解
槽36と熱分解油循環加熱炉37との間を循環する熱分
解油の顕熱により加熱されるようになっている。そし
て、熱分解槽36では溶融した廃プラスチック材と高温
の熱分解油とが接触することにより溶融した廃プラスチ
ック材が熱分解して、熱分解油が生成すると共に、熱分
解油の蒸気(ベーパー)が熱分解槽36の上部を通って
脱塩化水素槽40へ移送される。
【0006】脱塩化水素槽40には生石灰(CaO)の
粒子が塩化水素(HCl)との反応吸着剤として積層充
填されており、熱分解油ベーパー中の塩化水素が生石灰
と反応することにより、塩化カルシウム(CaCl2
として充填層中に固定されるようになっており、導入さ
れる熱分解油ベーパーの流れを均一化するための整流材
として、粒径が20〜40mmの無機質粒子の層が配置
されている。接触分解槽39では、前記熱分解油ベーパ
ーをゼオライト等の触媒に所定の圧力と温度で接触させ
て所望の平均分子量を有するガソリン、軽油、灯油等の
熱分解油(炭化水素油)に改質する。
【0007】前記接触分解槽39によって更に低分子量
に分解された熱分解ガスは、熱交換器と同一構造の全縮
器41によって冷却され、ガソリン、灯油又は軽油等の
油(全縮油)となって、全縮油受槽42に一時貯留さ
れ、最終的には全縮油貯槽43に貯留される。一方、前
記全縮器41によっても液化しなかったガスは、ファン
44によって接触分解ガスホルダ45に送られ、その一
部は熱分解油循環加熱炉37及び熱媒油循環加熱炉32
の燃料とされ、その他は燃焼処理してフレアスタック4
6から大気中に放出されている。なお、接触分解ガスホ
ルダ45に貯留されたガス成分中の液化部分は接触分解
槽39に戻され、接触分解槽39と接触分解ガスホルダ
45との間を循環して、効率的な接触分解反応を維持す
ることができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
願平5−196544号に記載されているような粒径が
20〜40mmの無機質粗粒子の層を整流材として配置
し、その後流側に粒径が2〜10mmのCaO層を塩化
水素分の反応吸着層として配置した脱塩化水素槽40で
は、熱分解油ベーパー中の塩化水素分とCaOの粒子と
の反応生成物である塩化カルシウムが該CaO粒子の表
面を被覆して、しかも容易に剥離しないために、塩化水
素の除去効率が時間と共に低下する他、CaO粒子間の
空隙を流れる熱分解油ベーパーの流動抵抗が大きくな
り、圧力損失が増大して廃プラスチック材の油化処理設
備の運転に支障を生じる問題があった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ポリ塩化ビニル等の有機塩素化合物を含む廃プ
ラスチック材を分解処理して低分子量の熱分解油を製造
する際に生成する熱分解油ベーパーを大量に脱塩化水素
処理しても、圧力損失が増大することなく安定的にか
つ、効率化された脱塩化水素の条件で廃プラスチック材
の油化処理を行うことのできる廃プラスチック材の熱分
解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用
いる廃プラスチック材の油化処理設備を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水
素の除去方法は、廃プラスチック材を溶融及び熱分解す
る過程で発生する熱分解ガスを、アルミナ粒が充填され
た脱塩化水素槽に導入し、含まれる塩化水素を前記アル
ミナ粒と反応させて除去する。
【0011】請求項2記載の廃プラスチック材の熱分解
ガスに含まれる塩化水素の除去方法は、請求項1記載の
廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除
去方法において、前記熱分解ガスの温度が150〜45
0℃となるように構成されている。
【0012】請求項3記載の廃プラスチック材の熱分解
ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃プラスチ
ック材の油化処理設備は、溶融した廃プラスチック材を
加熱する熱分解槽と、化学剤が充填されて、該熱分解槽
で発生する熱分解ガス中に含まれる塩化水素を除去する
脱塩化水素槽と、該脱塩化水素槽を通過した熱分解ガス
を触媒を用いて更に低分子化する接触分解槽と、該接触
分解槽を通過した熱分解ガスを液化する凝縮器とを有す
る廃プラスチック材の油化処理設備において、前記化学
剤にアルミナ粒が使用されている。
【0013】請求項4記載の廃プラスチック材の熱分解
ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃プラスチ
ック材の油化処理設備は、請求項3記載の廃プラスチッ
ク材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用い
る廃プラスチック材の油化処理設備において、アルミナ
粒の粒径は、0.5〜5mmであるように構成されてい
る。
【0014】ここで、脱塩化水素槽に充填するアルミナ
粒の粒径が0.5mmより小さいと、アルミナ粒間の空
隙が小さくなりすぎるために、熱分解油ベーパー中の固
形分等を付着しやすく、圧力損失を増大させ操業を安定
的に維持できない、逆に5mmより大きくすると、熱分
解油ベーパーと接触するアルミナ粒の表面積が少なくな
り、塩化水素の塩化アルミニウムへの転換効率が減少す
るので好ましくない。なお、ここでアルミナ粒の粒径と
は少なくとも30個以上の数のアルミナ粒のそれぞれの
粒径を測定して得られる、平均粒径をいうものとする。
【0015】脱塩化水素槽の温度が150℃より低い
と、塩化水素の塩化アルミニウムへの転換速度が著しく
低下すると共に、塩化アルミニウムが凝縮してアルミナ
粒への付着が始まり圧力損失が増える要因となる。一
方、脱塩化水素槽の温度が450℃より高くなると、熱
分解油ベーパーの副次的な反応を誘発すると共に、設備
的にも過大な経費を要するので好ましくない。
【0016】
【作用】請求項1及び2記載の廃プラスチック材の熱分
解ガスに含まれる塩化水素の除去方法においては、廃プ
ラスチック材を熱分解して生じる高温の熱分解ガスを、
アルミナ粒が充填された脱塩化水素槽に透過させるの
で、熱分解ガス中の塩化水素がアルミナ(Al2 3
粒と接触して、気体状態の塩化アルミニウム(Al2
6 )を生成させることができる。請求項2記載の廃プ
ラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方
法においては、熱分解ガスの温度が150〜450℃で
あるので、さらに効率的にアルミナ粒と塩化水素とを反
応させて塩化アルミニウムを生成させることができる。
【0017】請求項3及び4記載の廃プラスチック材の
熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃プ
ラスチック材の油化処理設備においては、塩化水素と反
応して塩化アルミニウムを生成する化学剤としてのアル
ミナ粒が脱塩化水素槽の中に充填されているので、塩化
水素を含む熱分解ガスを脱塩化水素槽に装入すると、熱
分解油の処理温度の下で気体状態の塩化アルミニウム
(Al2 Cl6 )を生成する。そのため、後段の接触分
解槽における触媒の活性を阻害する塩化水素が塩化アル
ミニウムとなって無害化される。しかも、生成する塩化
アルミニウム(Al2Cl6 )の沸点が183℃と低い
ため、塩化アルミニウムがアルミナ粒表面に固定されな
いので、続く接触分解槽における接触分解反応の効率が
維持される。さらに、接触分解槽で油化処理された熱分
解ガスを凝縮器により液化することができる。また、熱
分解油ベーパーの流路となるアルミナ粒間の空隙が、固
形物の生成又は熱分解油の吸着等によって閉塞されるこ
とが少なく圧力損失の大幅な増大を招くことがない。
【0018】特に、請求項4記載の廃プラスチック材の
熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃プ
ラスチック材の油化処理設備においては、脱塩化水素槽
に充填されるアルミナ粒の粒径が0.5〜5mmの範囲
に規定されているので、脱塩化水素槽に装入される熱分
解ガスの流れを均一化すると共に、塩化水素から塩化ア
ルミニウムへの転換をさらに効率的に行える。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1〜4記載の廃プラスチ
ック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及び
この方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備にお
いては、ポリ塩化ビニル等の有機塩素化合物を含む廃プ
ラスチック材からガソリン、灯油、軽油等の熱分解油を
製造する際に、生成する熱分解ガスを大量に脱塩化水素
処理しても、アルミナ粒の層における熱分解ガスの流路
を閉塞することがなく、圧力損失が増大せず安定かつ、
効率化された脱塩化水素の条件で廃プラスチック材の油
化処理を行うことができる。
【0020】特に、請求項2記載の廃プラスチック材の
熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法においては、
熱分解ガスを、アルミナ粒を充填した脱塩化水素槽に特
定の温度条件の下で通過させるので、熱分解ガス中の塩
化水素を塩化アルミニウムに効率的に転換して、安定し
た運転状態を維持できる。
【0021】請求項3及び4記載の廃プラスチック材の
熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃プ
ラスチック材の油化処理設備においては、廃プラスチッ
ク材の油化処理設備における脱塩化水素槽の安定した操
業が可能となる上に、圧力損失が過大に増大しないので
設備負荷を小さくでき、かつ、メンテナンスの頻度が少
なくなるためにメンテナンス費用を軽減することができ
る。
【0022】特に、請求項4記載の廃プラスチック材の
熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃プ
ラスチック材の油化処理設備においては、熱分解ガス
を、粒径0.5〜5mmのアルミナ粒を充填した脱塩化
水素槽に通過させるので、熱分解ガス中の塩化水素を塩
化アルミニウムに効率的に転換することができると共
に、アルミナ粒の層における熱分解ガスの流路を閉塞す
ることがなく、安定した運転状態を維持できる。
【0023】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに図1は本発明の一実施の形態
に係る廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水
素の除去方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備
の構成図、図2は廃プラスチック材の油化処理量と脱塩
化水素槽の圧力損失の時間変化を示す図、図3は熱分解
油ベーパー中の塩化水素量と塩化水素の除去率との関係
を示した図である。
【0024】図1に示すように本発明の一実施の形態に
係る廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素
の除去方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備1
0は、剪断又は破砕された廃プラスチック材を加熱しつ
つ混練、溶融する押出機11と、該押出機11から排出
されるほぼ溶融状態にある廃プラスチック材を熱分解槽
13から還流する高温の熱分解油と共に混合してさらに
溶融する原料混合槽12と、該原料混合槽12で溶融さ
れた廃プラスチック材の融液を原料混合槽12の下部か
ら抽出して、これを熱分解により低分子化する熱分解槽
13と、該熱分解槽13に加熱した熱分解油の融液を循
環供給する加熱炉14と、前記熱分解槽13から生成す
る熱分解油ベーパー中の塩化水素を除去する2基の並列
に配置された脱塩化水素槽18と、前記脱塩化水素槽1
8で処理され熱分解油ベーパーをゼオライト系触媒に接
触させて、さらに低分子量の熱分解油に改質する接触分
解槽15と、原料混合槽12の上部及び押出機11より
発生する塩化水素をNaOH供給ライン19から供給さ
れる水酸化ナトリウム溶液等で中和する洗浄塔17と、
接触分解槽15で生成する熱分解油ベーパーを冷却し
て、熱分解油と分解ガスとに分離する凝縮器の一例であ
る熱分解油ベーパー用クーラー16とを有している。
【0025】前記熱分解槽13には、原料混合槽12か
ら供給される溶融した廃プラスチック材が温度約400
℃に保持されて、熱分解により低分子化して低沸点成分
が増加するようになっている。前記脱塩化水素槽18は
略円筒状の鋼鉄製容器であり、その内部には粒径が2m
m、細孔容量が約0.5mリットル/g、アルミナ純度
99wt%である化学剤の一例であるアルミナ粒が厚み
80mmの層を単位として積層配置されている。そし
て、脱塩化水素槽18内の温度が150〜450℃、圧
力が大気圧よりやや高くなる条件で前記熱分解槽13か
ら供給される熱分解油ベーパーとアルミナ粒とが接触す
るように設定されている。前記接触分解槽15には、ゼ
オライト系触媒が層状に配置されており、約400℃の
温度、常圧(1気圧)となる圧力の下で熱分解油ベーパ
ーの接触分解反応が起こるように設定されている。
【0026】以下、前記説明した廃プラスチック材の油
化処理設備10を用いて廃プラスチック材から熱分解油
を製造する方法について詳細に説明する。先ず、一般家
庭等より排出される一般廃棄物系プラスチックを、図示
しない切断機又は破砕機等により5〜20mmに細粒化
する。次に、破砕したプラスチックを押出機11に30
kg/hの供給速度で装入し、押出機11の出口温度が
150〜300℃となるように加熱しながら、混練溶融
した。そして、押出機11にて溶融されたプラスチック
を押出機11の出口側に接続した原料混合槽12に供給
し、原料混合槽12の中で後段の熱分解槽13より還流
する熱分解油を用いて加熱して280〜320℃に加熱
した。これらの溶融過程において、既にプラスチック中
に含まれる塩素化合物の約90wt%がプラスチック中
より脱離し、塩化水素ガスが発生するので、これらの塩
化水素ガスを押出機11、原料混合槽12から洗浄塔1
7に導き、NaOH供給ライン19から供給されるNa
OH水溶液により洗浄中和した。
【0027】次いで、この溶融プラスチックと熱分解油
の混合物を熱分解槽13に供給して、加熱炉14との間
を循環させることにより380〜420℃に昇温した。
ここまでの操作によって熱分解槽13から約26kg/
hの熱分解油ベーパーが発生した。この熱分解油ベーパ
ーをアルミナ粒を充填した温度が300℃、大気圧より
やや高くなる圧力で脱塩化水素槽18に導入して、アル
ミナ粒と反応させることにより熱分解油ベーパー中の塩
化水素を塩化アルミニウムに転換した。このとき、転換
される塩化アルミニウムは気体状態で生成するため、ア
ルミナ粒間の空隙を反応生成物によって塞ぐことがな
く、逆に粒表面のアルミナを消費、減耗させて粒間の空
隙が増加する方向に反応が進行し、アルミナ粒の充填層
の圧力損失を増大させることがない。さらに、アルミナ
粒表面に付着する熱分解油ベーパー中の固形分等が少な
いので、操業状態を安定的に維持することができる。
【0028】図2は廃プラスチック材の油化処理量と脱
塩化水素槽の圧力損失の時間変化を脱塩化水素槽18に
充填する粒を生石灰とアルミナとの場合について比較し
た図である。なお、ここで使用した生石灰とアルミナの
平均粒径はそれぞれ5mm、3mmとして、その他の条
件は同一に設定した。同図から明らかなように生石灰を
充填粒子とした場合には、廃プラスチック材の処理量が
約2.2tを越えると圧力損失が200mmAq以下の
レベルから1000mmAqのレベルに急激に増大して
いる。しかし、本発明の一実施の形態に係る廃プラスチ
ック材の油化処理設備10における脱塩化水素槽18の
ようにアルミナを充填粒子とした場合には、廃プラスチ
ック材の処理量が2.5tを越えても圧力損失は200
mmAq以下のレベルで安定していることがわかる。
【0029】そして、このように処理された熱分解油ベ
ーパーを接触分解槽15に導入した。接触分解槽15で
は所定の条件でゼオライト系触媒と熱分解油ベーパーと
を接触させて、ゼオライト系触媒を用いて接触分解によ
り灯油、ガソリン、軽油等の熱分解油を生成した。この
とき、熱分解油ベーパー中の塩化アルミニウムは塩化水
素に較べて、ゼオライト系触媒に対する被毒作用が少な
いので、接触分解の効率を低下させることなく、廃プラ
スチック材の油化処理を行うことができる。次に、熱分
解油ベーパーを熱分解油ベーパー用クーラー16により
冷却、凝縮することにより所望の熱分解油ベーパーの液
化した熱分解油(炭化水素油)と分解ガスとに分離し
た。
【0030】図3は、脱塩化水素槽18における充填す
る粒が生石灰とアルミナである場合について、それぞれ
の塩化水素の除去率を、処理した熱分解油ベーパー中の
塩化水素量に対して実験的に比較した図である。なお、
ここで塩化水素の除去率とは、生石灰の場合には塩化カ
ルシウムとして生石灰充填層に固定される塩化水素の全
塩化水素量に対する比率であり、アルミナの場合には塩
化アルミニウムに転換される塩化水素の全塩化水素量に
対する比率をいう。同図に示すように生石灰を充填した
場合には、処理する熱分解油ベーパー中の塩化水素量が
約400mlを越えると塩化水素の除去率がほぼ100
%のレベルから約50%のレベルに急激に低下する。一
方、本発明の一実施の形態に係る廃プラスチック材の熱
分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法におけるアルミ
ナ粒を充填した場合には、熱分解油ベーパー中の塩化水
素量が約1600mlを越えるまではほぼ100%に近
い塩化水素の除去率を維持することができる。
【0031】アルミナ粒と生石灰粒とで塩化水素の除去
率にこのような差異を生じるのは、以下のような理由に
よる。即ち、脱塩化水素槽の温度及び圧力の条件下にお
いて、生石灰を用いる場合には、塩化水素との反応生成
物が固体状態の塩化カルシウム(融点:723℃)であ
り、かつ熱分解油の生石灰粒の表面への吸着が顕著とな
るのに対して、アルミナ粒を用いる場合には、反応生成
物が気体状態となる塩化アルミニウム(沸点:183
℃)であり、かつ熱分解油のアルミナ粒の表面への吸着
が少なく、より長時間にわたってアルミナ粒の表面が活
性な状態に維持されるためである。
【0032】また、前記のようにして得られた熱分解油
中には塩化水素から転換した塩化アルミニウムが含有さ
れているが、この塩化アルミニウムが障害となる場合に
は、得られる熱分解油を化学的又は物理的な手段により
最終的にまとめて処理し、これを除去することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る廃プラスチック材
の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法を用いる廃
プラスチック材の油化処理設備の構成図である。
【図2】廃プラスチック材の油化処理量と脱塩化水素槽
の圧力損失の時間変化を示す図である。
【図3】熱分解油ベーパー中の塩化水素量と塩化水素の
除去率との関係を示した図である。
【図4】従来例に係る脱塩化水素槽を備えた廃プラスチ
ック材の油化処理設備の構成図である。
【符号の説明】
10 廃プラスチック材の油化処理設備 11 押出機 12 原料混合
槽 13 熱分解槽 14 加熱炉 15 接触分解槽 16 熱分解油ベーパー用クーラー(凝縮器) 17 洗浄塔 18 脱塩化水
素槽 19 NaOH供給ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29B 17/00 9547−4H C10G 1/10 C10G 1/10 B01D 53/34 ZAB (72)発明者 松田 健志 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 武内 隆春 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 舟橋 栄次 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチック材を溶融及び熱分解する
    過程で発生する熱分解ガスを、アルミナ粒が充填された
    脱塩化水素槽に導入し、含まれる塩化水素を前記アルミ
    ナ粒と反応させて除去することを特徴とする廃プラスチ
    ック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記熱分解ガスの温度が150〜450
    ℃である請求項1記載の廃プラスチック材の熱分解ガス
    に含まれる塩化水素の除去方法。
  3. 【請求項3】 溶融した廃プラスチック材を加熱する熱
    分解槽と、化学剤が充填されて、該熱分解槽で発生する
    熱分解ガス中に含まれる塩化水素を除去する脱塩化水素
    槽と、該脱塩化水素槽を通過した熱分解ガスを触媒を用
    いて更に低分子化する接触分解槽と、該接触分解槽を通
    過した熱分解ガスを液化する凝縮器とを有する廃プラス
    チック材の油化処理設備において、前記化学剤にアルミ
    ナ粒が使用されていることを特徴とする廃プラスチック
    材の油化処理設備。
  4. 【請求項4】 前記アルミナ粒の粒径は、0.5〜5m
    mである請求項3記載の廃プラスチック材の油化処理設
    備。
JP27710795A 1995-09-28 1995-09-28 廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備 Pending JPH0985046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27710795A JPH0985046A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27710795A JPH0985046A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0985046A true JPH0985046A (ja) 1997-03-31

Family

ID=17578885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27710795A Pending JPH0985046A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0985046A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018025103A1 (en) * 2016-08-01 2018-02-08 Sabic Global Technologies, B.V. Dechlorination of mixed plastics pyrolysis oils using devolatilization extrusion and chloride scavengers
WO2022011385A1 (en) * 2020-07-10 2022-01-13 Uop Llc A process for pvc-containing mixed plastic waste pyrolysis
US20230002688A1 (en) * 2019-12-02 2023-01-05 IFP Energies Nouvelles Method for processing plastic pyrolysis oils with a view to their use in a steam-cracking unit
US20230029587A1 (en) * 2020-02-21 2023-02-02 IFP Energies Nouvelles Optimized method for processing plastic pyrolysis oils for improving their use
US11987756B2 (en) 2020-12-31 2024-05-21 Uop Llc Process for PVC-containing mixed plastic waste pyrolysis in a reactor handling three phases of products

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018025103A1 (en) * 2016-08-01 2018-02-08 Sabic Global Technologies, B.V. Dechlorination of mixed plastics pyrolysis oils using devolatilization extrusion and chloride scavengers
US10829696B2 (en) 2016-08-01 2020-11-10 Sabic Global Technologies B.V. Dechlorination of mixed plastics pyrolysis oils using devolatilization extrusion and chloride scavengers
US20230002688A1 (en) * 2019-12-02 2023-01-05 IFP Energies Nouvelles Method for processing plastic pyrolysis oils with a view to their use in a steam-cracking unit
US20230029587A1 (en) * 2020-02-21 2023-02-02 IFP Energies Nouvelles Optimized method for processing plastic pyrolysis oils for improving their use
WO2022011385A1 (en) * 2020-07-10 2022-01-13 Uop Llc A process for pvc-containing mixed plastic waste pyrolysis
US11987756B2 (en) 2020-12-31 2024-05-21 Uop Llc Process for PVC-containing mixed plastic waste pyrolysis in a reactor handling three phases of products

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190256781A1 (en) Process and plant for conversion of waste material to liquid fuel
JP5305400B2 (ja) 廃プラスチックの接触分解方法及び廃プラスチックの接触分解装置
US6172275B1 (en) Method and apparatus for pyrolytically decomposing waste plastic
EP0775738B1 (en) Process for producing low-boiling oil from waste plastics containing phthalic polyester and/or polyvinyl chloride
US5608136A (en) Method and apparatus for pyrolytically decomposing waste plastic
CA2294622C (en) Thermal conversion of volatile fatty acid salts to ketones
AU684590B2 (en) Method of organic homologation employing organic-containing feeds
EP0555833A1 (en) Method of an apparatus for producing low boiling point hydrocarbon oil from waste plastics or waste rubber
JPH0985046A (ja) 廃プラスチック材の熱分解ガスに含まれる塩化水素の除去方法及びこの方法を用いる廃プラスチック材の油化処理設備
EP0901801B1 (en) Process for low temperature pyrolysis of dioxins
AU2017213547A1 (en) Process and plant for conversion of waste plastic material into fuel products
AU4384696A (en) Process for condensing adsorbable and desorbable gases and device for implementing it
US3331873A (en) Removal of chlorine from liquid phosgene with activated carbon
WO1996004116A1 (fr) Procede pour decomposer des dechets plastiques et appareil a cet effet
JPH0995678A (ja) 廃プラスチック油化生成物からの塩化アルミニウム除去方法
JP2016507359A (ja) 冷却機器のリサイクルシステム
JP2013103998A (ja) 廃プラスチック接触分解油化装置及び接触分解油化方法
JP2010284565A (ja) 有害ガス処理装置及び油化装置
JP2002226625A (ja) 精製された分解油を回収する廃プラスチックの熱分解方法
JPH0834978A (ja) 低沸点炭化水素油の製造方法および製造装置
JP2020169115A (ja) 活性炭の製造方法および製造装置
JPH0776688A (ja) プラスチックの油化処理方法
JP3382082B2 (ja) 廃棄物の処理方法および処理装置
RU2211210C1 (ru) Способ получения тетрафторметана и устройство для его осуществления
JPH0841465A (ja) 低沸点炭化水素油の製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20011113