JPH0841465A - 低沸点炭化水素油の製造方法および製造装置 - Google Patents

低沸点炭化水素油の製造方法および製造装置

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JPH0841465A
JPH0841465A JP17934794A JP17934794A JPH0841465A JP H0841465 A JPH0841465 A JP H0841465A JP 17934794 A JP17934794 A JP 17934794A JP 17934794 A JP17934794 A JP 17934794A JP H0841465 A JPH0841465 A JP H0841465A
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melt
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melting tank
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秀樹 待鳥
Makoto Sugiyama
誠 杉山
Katsuya Shinozuka
克也 篠塚
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 廃プラスチックから低沸点炭化水素油を製造
する際、プラスチックPを溶融槽11に常温の状態で供
給して溶融させ、溶融物を適当温度で適当時間槽内に循
環保持する溶融過程と溶融槽11より予め導かれた溶融
物を熱分解槽12で熱分解する熱分解過程とを並行して
行う。溶融終了後、溶融槽11の溶融物を熱分解槽12
に導き、熱分解槽12の溶融物の一部を溶融槽11に還
流させる。 【効果】 ポリ塩化ビニルの脱塩酸反応は溶融槽でほぼ
終了するので、熱分解槽に導かれるT−Cl量は少なく
なり、アルカリ性吸着剤の寿命が長くなるとともに、熱
分解槽残渣や低沸点炭化水素油中に含まれるT−Cl量
が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリ塩化ビニル(以
下、単に塩化ビニルともいう)を含むプラスチック廃棄
物から有用な低沸点炭化水素油を製造する低沸点炭化水
素油の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の低沸点炭化水素油の製造方法とし
て、たとえば特開平3−86791号公報に示されたも
のがある。
【0003】この製造方法においては、図2に示すよう
に、押出機1により軟化もしくは溶融状態として供給さ
れたプラスチックを溶融槽2内で十分溶融させて熱分解
槽3に移送し、熱分解槽3において、槽3内の溶融物の
一部を加熱炉4に循環させつつ約350℃〜450℃の
温度に加熱することにより溶融物を熱分解させる。次い
で、熱分解により生成した蒸気状生成物を分離器5に導
いて、蒸気状生成物中に存在する液粒径の比較的大きい
ミスト部分を分離し、残りの蒸気状生成物をゼオライト
触媒槽6に導入して接触転化させる。そして、接触転化
生成物を含む触媒槽6内の蒸気状生成物を冷却器7に導
いて冷却することにより、液化した低沸点炭化水素油と
ガス状物とを分離回収している。
【0004】このとき、原料たるプラスチック中に塩化
ビニルが含まれていると、加熱時に塩化ビニルの脱塩酸
反応が起こって塩化水素ガスが発生するので、多量の塩
化ビニルを含プラスチックを原料とするときは塩化水素
ガス除去処理を行っている。たとえば、押出機1内で発
生して押出機1出口より流出する塩化水素ガスや溶融槽
2内で発生した塩化水素ガスは、大気とともにブロワー
吸引して湿式中和装置に導くことにより中和処理してい
る。また、熱分解槽3内で発生した塩化水素ガスは、槽
3内の蒸気状生成物をアルカリ性吸着剤を充填した乾式
中和装置内を通過させることにより中和処理している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の処理方法では、押出機1出口より流出する塩化
水素ガスが大気中の水分とともに凝縮して塩酸となり、
この塩酸によって押出機1出口付近が著しく腐食される
だけでなく、押出機1の内部でも、プラスチック中に含
まれている微量の水分が塩化水素ガスを吸収して塩酸と
なり、押出機1が著しく腐食されるという問題がある。
【0006】また、上記した脱塩酸反応の速度および量
はプラスチックの保持温度と滞留時間に支配されるが、
上記した従来の連続処理方式では、溶融槽内で十分に脱
塩酸反応を進めることは困難であり、そのため、熱分解
槽でも比較的多量の塩化水素ガスが発生することになっ
て、乾式中和装置に充填したアルカリ性吸着剤の寿命が
短かかったり、熱分解槽からの抜取残渣中のT−Cl量
が多いという問題がある。
【0007】本発明は上記問題を解決するもので、溶融
槽における脱塩酸反応を促進して熱分解槽に移送される
T−Cl量を低減し、これにより、アルカリ性吸着剤の
寿命を長くし、かつ熱分解槽から系外へ排出される残渣
中のT−Cl量を低減するとともに、発生する塩化水素
ガスを好適に処理して周辺装置の腐食を防止することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の低沸点炭化水素油の製造方法は、熱媒体を
加熱源とする溶融槽において原料プラスチックを溶融す
る溶融過程と、この溶融物を熱分解槽において熱分解し
て蒸気状生成物を生成させる熱分解過程と、溶融槽内の
溶融物を熱分解槽に導く供給系と熱分解槽内の溶融物を
溶融槽に還流する還流系とからなる移送過程とを含む低
沸点炭化水素油の製造方法であって、前記溶融過程にお
いて、溶融槽内に適当容量の溶融物を貯留維持する状態
で、原料プラスチックを常温の状態で投入して、槽内の
溶融物と攪拌混合しつつ溶融させ、この溶融物を、前記
供給系から分岐して溶融槽に至る溶融槽循環系を通して
溶融槽に循環させながら、原料プラスチック中に含まれ
るポリ塩化ビニルの脱塩酸反応がほぼ終了する適当時
間、適当温度に維持するとともに、槽内のガスを湿式中
和装置に導いてガス中に含まれる前記脱塩酸反応により
発生した塩化水素ガスを中和処理し、この溶融過程が行
われる間に前記熱分解過程において、溶融槽より予め導
かれた溶融物を、前記還流系から分岐して熱分解槽に至
る熱分解槽循環系を通して熱分解槽に循環させながら熱
分解させ、前記溶融過程が終了した後に、溶融槽内の溶
融物を供給系により熱分解槽に導くとともに、熱分解槽
内の溶融物の一部を還流系により溶融槽に還流させて、
還流する溶融物を溶融槽内の溶融物に対する希釈流体お
よび加熱流体として作用させるようにしたものである。
【0009】また、本発明の低沸点炭化水素油の製造装
置は、熱媒体を加熱源として原料プラスチックを溶融す
る溶融槽と、溶融槽よりも高い熱分解温度に維持され、
溶融槽で溶融した溶融物を熱分解して蒸気状生成物を生
成させる熱分解槽とを備えた低沸点炭化水素油の製造装
置において、原料プラスチックを常温の状態で溶融槽に
供給するスクリューフィーダと、前記熱媒体を加熱する
加熱手段と、溶融槽内の溶融物を熱分解槽に導く供給系
と、供給系から分岐して溶融槽に至り、溶融槽内の溶融
物を循環返送する溶融槽循環系と、熱分解槽内の溶融物
の一部を溶融槽に還流させる還流系と、還流系から分岐
して熱分解槽に至り、熱分解槽内の溶融物を循環返送す
る熱分解槽循環系と、溶融槽内の溶融物と原料プラスチ
ックとを攪拌混合する攪拌手段と、溶融槽内のガスを導
入して溶融槽内で発生した塩化水素ガスを中和処理する
湿式中和装置と、熱分解槽内で生成した蒸気状生成物を
導入して蒸気状生成物中に含まれる塩化水素ガスを中和
処理する乾式中和装置と、制御手段とを設け、この制御
手段により、前記溶融槽循環系と熱分解槽循環系とを適
宜調整して、溶融槽内の溶融物を、原料プラスチック中
に含まれるポリ塩化ビニルの脱塩酸反応がほぼ終了する
適当時間、溶融槽循環系を通して溶融槽に循環させつつ
槽内に保持するとともに、熱分解槽内の溶融物を熱分解
槽循環系を通して熱分解槽に循環させ、次いで、前記供
給系と還流系とを適宜調整して、前記適当時間保持した
溶融槽内の溶融物を供給系により熱分解槽に導くととも
に、熱分解槽内の溶融物の一部を還流系により溶融槽に
還流させ、かつ、前記加熱手段を適宜調整して溶融槽内
の溶融物の温度をポリ塩化ビニルの脱塩酸反応を促進す
る適当温度に保持するよう構成したものである。
【0010】
【作用】上記構成により、溶融槽内に常温の状態で供給
された原料プラスチックは、槽内に適当容量で貯留維持
された溶融物と攪拌混合され、溶融物により熱量の供給
と均一な熱伝導がなされる状態において溶融し、この溶
融物が槽内にて適当温度で適当時間保持される間に、原
料プラスチック中に含まれる塩化ビニルの脱塩酸反応が
ほぼ終了する。このとき、溶融槽内に貯留維持された溶
融物の少なくとも一部は熱分解槽内の溶融物が還流され
たものであるため、槽内の溶融物は、還流された溶融物
により希釈されて適当粘度となるとともに還流する溶融
物から熱量の供給を受けており、これにより、原料プラ
スチックの溶融が促進される。脱塩酸反応により発生し
た溶融槽内の塩化水素ガスは、湿式中和装置において中
和処理される。この工程がバッチ式で行われるので、脱
塩酸反応が不十分な塩化ビニルを含まない、T−Cl量
の低減された溶融物が熱分解槽に移送される。
【0011】そして、このような溶融物が熱分解槽にお
いて熱分解され、熱分解により生成した蒸気状生成物が
乾式中和装置に導かれるが、溶融槽において溶融物中の
T−Cl量が予め低減されているので、熱分解槽で生成
する塩化水素ガス量は少なく、この結果、乾式中和装置
に充填されるアルカリ性吸着剤の寿命が長くなるととも
に、熱分解槽から系外へ排出される残渣中のT−Cl量
や、最終生成物たる低沸点炭化水素油中のT−Cl量も
低減される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1に示すように、低沸点炭化水素油の製造
装置は、プラスチックPを溶融させる溶融槽11と、溶
融槽11で溶融された溶融物を熱分解させる熱分解槽1
2と、熱分解槽12で発生した蒸気状生成物を接触転化
させるゼライトなどの触媒を充填した触媒槽13と、触
媒槽13内の蒸気状生成物を導入し、冷却して低沸点炭
化水素油を液化させる冷却器14とを備えている。な
お、プラスチックPは、ポリ塩化ビニル(PVC)を多
量に含むポリオレフィン系のプラスチック(PE、P
P)およびPSなどであり、乾燥粉砕して投入される。
【0013】溶融槽11の上方には、プラスチックPを
投入するホッパ15と、ホッパ15から落とし込まれた
プラスチックPを常温の状態で送り出すスクリューフィ
ーダ16などの原料供給機とが設けられている。
【0014】溶融槽11は、下部寄りの外周部が熱媒体
循環部17で覆われ、この熱媒体循環部17に導かれる
熱媒油からなる熱媒体は、熱媒体加熱炉18の加熱経路
18aに接続する循環経路19を循環ポンプ20の駆動
により循環される。そして、熱媒体加熱炉18の加熱経
路18aで加熱された熱媒体が溶融槽11の熱媒体循環
部17に循環されて、溶融槽11内の溶融物とプラスチ
ックPとの混合物を加熱する。溶融槽11の内部には、
槽内の混合物を攪拌混合する攪拌機21が槽外のモータ
22に接続して設けられている。溶融槽11の上部に設
けられたベント管23は、ポンプ24aを備えた湿式中
和装置24に接続している。
【0015】また、溶融槽11の底部に接続して、溶融
槽11内の溶融物を移送する供給ポンプ25を介装した
供給経路26が設けられており、供給経路26が分岐し
た一方の分岐管26aは溶融槽11に接続し、他方の分
岐管26bは熱分解槽12に接続している。また、熱分
解槽12の下部に接続して、熱分解槽12内の溶融物の
一部を還流する還流ポンプ27を介装した還流経路28
が設けられており、還流経路28が分岐した一方の分岐
管28aは溶融槽11に接続し、他方の分岐管28bは
熱分解槽12に接続している。分岐管26a,26b,
28a,28bはそれぞれ、電動弁26c,26d,2
8c,28dを備えている。
【0016】さらに、溶融槽11は、槽内の溶融物の温
度および容量を検出する検出手段29を設け、この検出
手段29を検出ライン30により制御装置31に接続さ
せている。制御装置31は、制御ライン31aにより熱
媒体加熱炉18の加熱手段18bに接続していて、加熱
手段18bを通して加熱経路18aを制御することによ
り溶融槽11の壁温を300〜340℃として槽内の混
合物の温度をプラスチックの熱分解温度より低い、塩化
ビニルの脱塩酸反応に適当な320℃未満の温度に保持
する。また、制御装置31は、制御ライン31b,31
c,31d,31e,31f,31gにより供給ポンプ
25、還流ポンプ27、電動弁26c,26d,28
c,28dに接続していて、溶融槽11内に溶融物を常
時貯留維持するよう制御するとともに、溶融槽11内の
溶融物の移送と、熱分解槽12内の溶融物の還流を制御
する。
【0017】熱分解槽12は、循環ポンプ32を備えた
循環経路33を介して溶融プラスチック加熱炉34の加
熱経路34aに接続しており、熱分解槽12内の溶融物
を加熱経路34aにおいて約350℃〜450℃の熱分
解温度まで加熱する。熱分解槽12の上部のガス出口に
は凝縮器35が接続されていて、熱分解槽12より流入
した蒸気状生成物のうち液粒径の比較的大きいミスト部
分を分離して還流経路36により熱分解槽12に還流す
るようになっている。
【0018】凝縮器35の下流には、アルカリ性吸着剤
を充填した乾式中和装置37,38が弁37a,37
b,38a,38bにより切換え自在に設けられてい
て、凝縮器35を通過した蒸気状生成物を導入して蒸気
状生成物中に含まれる塩化水素ガスを中和処理するよう
になっている。
【0019】触媒槽13は乾式中和装置37,38の下
流に設けられ、冷却器14は触媒槽13の下流に設けら
れている。冷却器14の先端には、冷却器14からの流
出物を導入する気液分離槽39が設けられている。4
0,41は残渣取出装置である。
【0020】以下、上記構成における作用を説明する。
溶融槽11内に熱分解槽12より還流された溶融物を含
む適当量の溶融物を貯留維持し、電動弁26cを開放す
るとともに電動弁26dを閉じ、供給ポンプ25を駆動
して、槽11内の溶融物を供給経路26、分岐管26a
を経て溶融槽11に戻る経路で循環させる。また、熱分
解槽12内に溶融槽11より移送された溶融物を貯留
し、電動弁28cを閉じるとともに電動弁28dを開放
し、還流ポンプ27を駆動して、槽12内の溶融物を還
流経路28、分岐管28bを経て熱分解槽12に戻る経
路で循環させる。
【0021】この状態において、ホッパ15に投入され
たプラスチックPをスクリューフィーダ16により常温
の状態で溶融槽11に供給し、槽11内の溶融物と攪拌
機21により攪拌混合しながら熱媒体循環部17により
維持される約300℃の適当温度で適当時間保持する。
するとこの間に、プラスチックPは、槽11内の溶融物
により熱量の供給と均一な熱伝導がなされる状態におい
て十分溶融し、プラスチックP中に含まれる塩化ビニル
は脱塩酸反応を起こして塩化水素ガスを放出する。槽1
1内のガスはベント管23を通じて湿式中和装置24に
導かれ、ガス中に含まれる塩化水素ガスは水に溶解して
塩酸となった後にポンプ24aにより取り出されて中和
処理される。このように、槽11内に適当時間保持する
バッチ式にて処理されることにより、塩化ビニルの脱塩
酸反応はほぼ完全に終了し、溶融物中のT−Cl量は低
減される。
【0022】このとき、熱分解槽12においては、槽1
2内の溶融物の一部が加熱炉34に循環される状態で溶
融物が熱分解温度に加熱されて熱分解される。なお、熱
分解槽12内の溶融物は、溶融槽11における前バッチ
の溶融物が移送されたものである。熱分解槽12内で生
成した蒸気状生成物は、凝縮器35において液粒径の比
較的大きいミスト部分が分離された後に乾式中和装置3
7,38のいずれかに導かれ、乾式中和装置37,38
に充填されたアルカリ性吸着剤により塩化水素ガスが中
和処理される。そして、残りの蒸気状生成物が触媒槽1
3に導入されて接触転化される。接触転化された生成物
を含む触媒槽13内の蒸気状生成物は冷却器14に導か
れて冷却された後に気液分離槽39に流入し、ガス状物
42は気液分離槽39の外部へ導かれ、冷却器14で液
化した低沸点炭化水素油43は気液分離槽39内に貯留
される。このとき、溶融槽11より移送された溶融物中
のT−Cl量が低減されているので、熱分解槽12内で
生成する塩化水素ガス量は少なく、乾式中和装置37,
38に充填されるアルカリ性吸着剤の寿命が長くなると
ともに、熱分解槽12から残渣取出装置41を通じて系
外へ排出される残渣中のT−Cl量や、最終生成物たる
低沸点炭化水素油43中のT−Cl量が低減される。
【0023】このようにして、装置全体の運転を中止す
ることなく、溶融槽11における溶融処理および熱分解
槽12における熱分解処理を独立して行い、溶融槽11
における脱塩酸反応がほぼ終了したら、制御装置31に
よって、電動弁26dを開放するとともに電動弁26c
を閉じ、供給ポンプ25にて、溶融槽11内の溶融物を
供給経路26、分岐管26bを経て熱分解槽12に移送
する。また、電動弁28cを開放するとともに電動弁2
8dを閉じ、還流ポンプ27にて、熱分解槽12内の溶
融物の一部を還流経路28、分岐管28aを経て溶融槽
11に還流させる。その後、上記と同様にして、溶融槽
11における溶融処理および熱分解槽12における熱分
解処理を独立して行う。このとき、溶融槽11内の溶融
物は、熱分解槽12より還流された溶融物によって粘度
低下されるとともに熱量供給されているので、均一な熱
伝導が可能となる。
【0024】なお、電動弁26c,26d,28c,2
8dの切換を行う時間を適宜調節することにより、投入
される塩化ビニルの特性に応じた適切な溶融槽内保持時
間を確保できる。塩化ビニルを含まないプラスチックを
処理する場合は、従来の連続処理方式を行うことができ
る。
【0025】また、溶融槽11においてプラスチックP
を十分溶融できるので、スクリューフィーダー16によ
り常温の状態で供給すればよく、従来のような押出機を
用いる必要がないため設備費を低減できる。発生した塩
化水素ガスは中和装置において好適に処理されるので、
装置の腐食は軽減され、設備寿命は長くなる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、原料プ
ラスチックを常温の状態で溶融槽に供給して溶融させ、
この溶融物を適当温度で適当時間槽内に保持して、原料
プラスチック中に含まれる塩化ビニルの脱塩酸反応を溶
融槽においてほぼ終了させ、脱塩酸反応により発生した
塩化水素ガスは湿式中和装置において中和処理するよう
にした。この結果、T−Cl量の低減された溶融物が熱
分解槽に移送されて熱分解されることになり、熱分解槽
で生成する塩化水素ガス量が少なくなって、乾式中和装
置に充填されるアルカリ性吸着剤の寿命が長くなるとと
もに、熱分解槽から系外へ排出される残渣中のT−Cl
量や、最終生成物たる低沸点炭化水素油中のT−Cl量
が低減され、低沸点炭化水素油の付加価値が向上する。
【0027】また、溶融槽において原料プラスチックを
十分溶融できるので、従来のような押出機を用いる必要
がなくなり、設備費を低減できる。さらに、発生した塩
化水素ガスは中和装置において好適に処理されるので、
装置の腐食が軽減され、設備寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の低沸点炭化水素油の製造装
置の全体構成を示した説明図である。
【図2】従来の低沸点炭化水素油の製造装置の全体構成
を示した説明図である。
【符号の説明】
P 原料プラスチック 11 溶融槽 12 熱分解槽 16 スクリューフィーダ 18 熱媒体加熱炉 21 攪拌機 24 湿式中和装置 25 供給ポンプ 26 供給経路 26a 分岐管(溶融槽循環系) 27 還流ポンプ 28 還流経路 28b 分岐管(熱分解槽循環系) 31 制御装置 37,38 乾式中和装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 11/12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱媒体を加熱源とする溶融槽において原
    料プラスチックを溶融する溶融過程と、この溶融物を熱
    分解槽において熱分解して蒸気状生成物を生成させる熱
    分解過程と、溶融槽内の溶融物を熱分解槽に導く供給系
    と熱分解槽内の溶融物を溶融槽に還流する還流系とから
    なる移送過程とを含む低沸点炭化水素油の製造方法であ
    って、前記溶融過程において、溶融槽内に適当容量の溶
    融物を貯留維持する状態で、原料プラスチックを常温の
    状態で投入して、槽内の溶融物と攪拌混合しつつ溶融さ
    せ、この溶融物を、前記供給系から分岐して溶融槽に至
    る溶融槽循環系を通して溶融槽に循環させながら、原料
    プラスチック中に含まれるポリ塩化ビニルの脱塩酸反応
    がほぼ終了する適当時間、適当温度に維持するととも
    に、槽内のガスを湿式中和装置に導いてガス中に含まれ
    る前記脱塩酸反応により発生した塩化水素ガスを中和処
    理し、この溶融過程が行われる間に前記熱分解過程にお
    いて、溶融槽より予め導かれた溶融物を、前記還流系か
    ら分岐して熱分解槽に至る熱分解槽循環系を通して熱分
    解槽に循環させながら熱分解させ、前記溶融過程が終了
    した後に、溶融槽内の溶融物を供給系により熱分解槽に
    導くとともに、熱分解槽内の溶融物の一部を還流系によ
    り溶融槽に還流させて、還流する溶融物を溶融槽内の溶
    融物に対する希釈流体および加熱流体として作用させる
    ようにしたことを特徴とする低沸点炭化水素油の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 熱媒体を加熱源として原料プラスチック
    を溶融する溶融槽と、溶融槽よりも高い熱分解温度に維
    持され、溶融槽で溶融した溶融物を熱分解して蒸気状生
    成物を生成させる熱分解槽とを備えた低沸点炭化水素油
    の製造装置において、原料プラスチックを常温の状態で
    溶融槽に供給するスクリューフィーダと、前記熱媒体を
    加熱する加熱手段と、溶融槽内の溶融物を熱分解槽に導
    く供給系と、供給系から分岐して溶融槽に至り、溶融槽
    内の溶融物を循環返送する溶融槽循環系と、熱分解槽内
    の溶融物の一部を溶融槽に還流させる還流系と、還流系
    から分岐して熱分解槽に至り、熱分解槽内の溶融物を循
    環返送する熱分解槽循環と、溶融槽内の溶融物と原料
    プラスチックとを攪拌混合する攪拌手段と、溶融槽内の
    ガスを導入して溶融槽内で発生した塩化水素ガスを中和
    処理する湿式中和装置と、熱分解槽内で生成した蒸気状
    生成物を導入して蒸気状生成物中に含まれる塩化水素ガ
    スを中和処理する乾式中和装置と、制御手段とを設け、
    この制御手段により、前記溶融槽循環系と熱分解槽循環
    系とを適宜調整して、溶融槽内の溶融物を、原料プラス
    チック中に含まれるポリ塩化ビニルの脱塩酸反応がほぼ
    終了する適当時間、溶融槽循環系を通して溶融槽に循環
    させつつ槽内に保持するとともに、熱分解槽内の溶融物
    を熱分解槽循環系を通して熱分解槽に循環させ、次い
    で、前記供給系と還流系とを適宜調整して、前記適当時
    間保持した溶融槽内の溶融物を供給系により熱分解槽に
    導くとともに、熱分解槽内の溶融物の一部を還流系によ
    り溶融槽に還流させ、かつ、前記加熱手段を適宜調整し
    て溶融槽内の溶融物の温度をポリ塩化ビニルの脱塩酸反
    応を促進する適当温度に保持するよう構成したことを特
    徴とする低沸点炭化水素油の製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180748A (ja) * 1997-09-11 1999-03-26 Hitachi Ltd 廃プラスチックの油化方法
WO2009054282A1 (ja) * 2007-10-23 2009-04-30 Sunfuu Co., Ltd. 油化還元装置および油化還元方法
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US20220389327A1 (en) * 2019-11-14 2022-12-08 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Process for feeding plastic waste material to a thermochemical or pyrolysis reactor

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