JPH0892299A - レニンモノクローナル抗体およびそれを用いる活性型レニンの免疫学的測定方法 - Google Patents

レニンモノクローナル抗体およびそれを用いる活性型レニンの免疫学的測定方法

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JPH0892299A
JPH0892299A JP6252733A JP25273394A JPH0892299A JP H0892299 A JPH0892299 A JP H0892299A JP 6252733 A JP6252733 A JP 6252733A JP 25273394 A JP25273394 A JP 25273394A JP H0892299 A JPH0892299 A JP H0892299A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】精度よく活性型レニンを測定することのできる
モノクローナル抗体およびこれを利用する高感度の活性
型レニンの測定方法を提供すること。 本測定方法によ
れば、正常者や低レニン活性を示す疾患を含む活性型レ
ニン量の正確な評価が可能となり、高血圧性疾患を初め
とする疾患の診断あるいは治療に、有利に利用すること
ができる。 【構成】リコンビナントヒトレニンを用いて作製された
ハイブリドーマの産生するレニンモノクローナル抗体お
よび、当該抗体を活性型レニンの酵素活性を阻害する抗
体として利用し、これを酵素活性の阻害の弱い抗体と組
合せて、生体液中の活性型レニンを挟み込んで免疫学的
に測定する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レニンモノクローナル
抗体およびこれを用いる活性型レニンの免疫学的測定方
法に関し、更に詳細には、高血圧性疾患の診断において
不可欠なレニンの測定方法において使用することのでき
る、リコンビナントヒトレニンを用い作製されたレニン
モノクローナル抗体およびこれを用いる活性型レニンの
みを特異的に測定する免疫学的測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レニンはアンジオテンシノーゲンを分解
しアンジオテンシンI(ATI)に変換する蛋白分解酵
素であり、ATIは血管平滑筋を収縮させ、その結果血
圧の上昇を惹起する。 このためATIの産生に関与す
るレニンの測定は高血圧性疾患の病態把握には重要な検
査となっている。
【0003】特に2次性高血圧症の主たる原因である腎
血管性高血圧症の診断において、血中活性型レニンの測
定は重要である。 また希ではあるがレニンを産生する
腫瘍の存在も知られており、そのような疾患において腫
瘍の性質を明らかにする目的でも血中の活性型レニンの
測定は必須なものである。
【0004】レニンの測定は以前より行われているが、
レニンを直接測定する方法は当初においては困難であっ
た。 すなわち、初期のレニンに関する測定法は、無麻
酔の犬に試料を注射し、2分以内に平均血圧を30mm
Hg上昇させる時のレニン活性を1ゴールドブラットユ
ニット(Goldblatt Unit)と定義して測定を行ってい
た。 この方法はバイオアッセイと呼ばれる方法である
が、測定感度や測定再現性が悪く、また同じ動物に繰り
返し施行できるものではないため、実用的な方法ではな
かった。
【0005】その後実用的なレニンの測定が開発された
が、それはレニン自体の測定法ではなかった。 196
9年にボイド(Boyd)らが単位時間あたりアンジオテン
シノーゲンからレニンにより産生されるATIをRIA
法により測定し、その実質上のATI産生能をもってレ
ニン活性量(ng/ml/hr)として代用する方法を
開発した。
【0006】上記方法は、レニン活性の測定に試料中
(血漿中)に存在しているアンジオテンシノーゲンをレ
ニンの酵素基質として用ているため、測定に際して酵素
反応を行った後に免疫反応を行う必要があり、また試料
中に最初から存在するATIの量を定量し測定結果より
差し引くといった極めて煩雑な操作が必要であるという
問題点以外にも、血中の基質であるアンジオテンシノー
ゲン濃度の変動により影響を受けるという問題点もあ
る。
【0007】さらにアンジオテンシンを産生する肝臓の
機能障害等では、レニン基質が減少し、その結果レニン
活性値が過小評価され、逆にアンジオテンシン濃度が高
まるような疾患や妊娠等では、レニン活性値が過大評価
されることが指摘されている。 事実、レニン活性の測
定においてアンジオテンシノーゲンが不足していると考
えられる試料に外部よりアンジオテンシノーゲンを添加
することにより見かけ上のレニン活性が増加する現象が
認められている。 また、この測定系はアンジオテンシ
ノーゲンが含まれていない検体、例として羊水や抽出液
等はそのままでは測定できない。 このほかにも、この
測定系は酵素反応時のコントロールが不完全であると測
定誤差をもたらすことや、レニン以外の蛋白分解酵素の
影響が懸念されていた。
【0008】一方、レニンの直接測定法は1979年に
ガレン(Galen)らにより開発され、レニン産生腫瘍よ
り精製したレニンとこれに対する抗体を用いて直接レニ
ンの測定が可能となった。
【0009】しかし、レニンには活性型レニンとその前
駆体である非活性型レニン(プロレニン)が存在するこ
とが判明し、通常のレニン抗血清を用いたRIAでは両
者の区別が不可能であることが判明した。 すなわち、
血中に存在するレニンには活性型レニンと不活性型レニ
ンの2種類が存在し、このうち生理的役割を司るとされ
る活性型レニンはトータルレニンの約10%以下であ
り、活性型レニンの測定においては、トータルレニンの
うち活性型レニンのみを特異的かつ高感度に測定する必
要があった。
【0010】上記目的のためには、活性レニンを特異的
に認識あるいは結合する性質と同時に低い濃度を測定す
る高い親和性を持ち合わせる抗体を使用する必要がある
が、当初の直接RIA法によるレニンの測定においては
ポリクローナル抗体を用いていたために、活性型レニン
のみを特異的に測定することはできなかった。
【0011】活性型レニンのみを測定する方法として
は、1985年にクリストフらが開発したレニンの酵素
活性を極めて強力に阻害するモノクローナル抗体を用い
る活性型レニンの測定法(特開昭60−231624
号)が知られている。 この方法により活性型レニンの
特異的な測定が可能となったが、この方法では、5×1
-11Mの希薄な抗体濃度でもレニンの酵素活性を50
%以上阻害する極めて特殊な抗体を用いる必要があっ
た。 そして、このような性質を有する抗体は、通常の
モノクローナル抗体作製法で得ることは困難であり、容
易に行える方法ではなかった。
【0012】また、クリストフらは、上記測定法の例と
して2種類の抗体を用いる活性型レニンのサンドイッチ
測定法も明らかにしているが、組み合わされて使用され
る2つの抗体は何れも強力な活性型レニンの酵素阻害活
性を持つ抗体である。 そして、上記公報中では、これ
ら抗体の認識部位は相違するとしているが、互いに強力
な酵素阻害活性を持つ抗体は、抗体としての認識部位も
互いに接近していると予想され、このサンドイッチ測定
法で正確に活性型レニンを測定しているかについては、
大いに疑問の残るものである。
【0013】更に、他の測定方法として、1987年に
本発明者らがレニン阻害物質とレニン特異抗体を用いて
レニンを測定する方法を開発した(特開昭63−217
272号)。 この方法も活性型レニンを特異的に測定
する方法であり、レニン阻害物質としてペプスタチンA
が例として使用されているが、ペプスタチンAのレニン
の酵素阻害活性が弱く(1×10-6M)測定感度が必ず
しも十分ではなかった。 またレニン阻害物質としてペ
プスタチンAを用いた場合にはトータルレニンのうち活
性型レニンのみを結合するが他の蛋白分解酵素とも結合
するため、レニンに特異的な他の試薬と組み合わせなけ
ればならかった。
【0014】一方、パスツール社により実用化された血
中活性型レニン濃度を直接測定するキットは、基質濃度
に左右されることのない真に望ましい測定系であるが、
検体量が250μlと大量に用いていながら感度が未だ
不十分であり、正常者においてもしばしば感度以下にな
ってしまう測定系であった。 このためレニンが著しく
低下する疾患である原発性アルドステロン症では大半の
症例で感度以下になってしまうことが指摘されていた。
これは正常人における活性型レニンの血中濃度が数十
から数ピコモル程度のためで、理論上そのようなレニン
を測定するためにはある程度の高い親和性を持ったモノ
クローナル抗体が必要であった。
【0015】特に活性型レニンの測定においては、活性
型レニンのみを認識する物質ないし抗体が重要であるこ
とは前述の如くであるが、試薬を活性型レニンのみを認
識する抗体とした場合においても、このような抗体は活
性型レニン分子のうち特に酵素活性中心、もしくは近傍
を認識する抗体でなくてはならない。これはレニンの活
性中心からあまり離れた部位を認識する抗体であっては
活性型レニンのみならず非活性型レニンを認識する危惧
があるためである。
【0016】レニンの分子量は約4万であるが、その酵
素活性中心は極めて限定された領域であることは、容易
に理解できる。 この限られた領域に対し特異的なモノ
クローナル抗体を作製することは一般に困難であり、ま
してや、低濃度の活性型レニンを精度よく測定できるよ
うな、高いレニン酵素阻害活性と高いレニン結合親和性
を同時に有する抗体の作製おいてはいっそう困難であっ
た。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従って、高い酵素阻害
活性と高い結合親和性を同時に満足する抗体を作製する
か、あるいは通常得られる様な性能の活性型レニンに対
する抗体と他の技術を用いて精度よく活性型レニンの測
定系を開発し、高感度の活性型レニンの測定系の提供が
求められていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の活
性型レニンの測定法の欠点を解消したレニンの測定方法
を開発すべく鋭意研究を行った結果、リコンビナントヒ
トレニンを用いて作製されたハイブリドーマが産生する
レニンモノクローナル抗体には、高い酵素阻害活性を有
するものや高い放射能を負荷させることができるものが
存在することを見出した。
【0019】また、このモノクローナル抗体と、レニン
は認識するが高い酵素阻害活性は有さないモノクローナ
ル抗体を組合せることにより、活性型レニンを精度良く
測定できることが可能であることを見出し、本発明を完
成した。
【0020】すなわち、本発明の目的は、リコンビナン
トヒトレニンを用いて作製されたハイブリドーマの産生
するレニンモノクローナル抗体を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記モノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマを提供することである。更に、
本発明の他の別の目的は、上記モノクローナル抗体を利
用する活性型レニンの測定法を提供することである。
【0021】本発明のリコンビナントヒトレニンに対す
るモノクローナル抗体は、高純度のヒト活性型レニンで
免疫した動物の脾細胞由来のリンパ球と形質転換細胞を
融合させて得たハイブリドーマを培養することにより得
られる。
【0022】免疫に使用する高純度のヒト活性型レニン
は、例えば、1983年に村上らが明らかにしたヒトレ
ニンの遺伝子配列(特開昭60−47681号)を用い
ることにより得ることができる。 また、動物脾細胞と
しては、リコンビナントヒトレニンで免疫したマウス、
ラット、ヒツジ等の脾細胞が利用され、形質転換細胞と
しては、P3U1等のミエローマ細胞が使用される。
動物脾細胞由来のリンパ球と形質転換細胞の融合は、電
気融合やポリエチレングリコールを用いる公知の融合方
法により行うことができる。 このうち、マウス由来の
脾細胞を用いてハイブリドーマを作製することが、その
後の抗体採取を容易に行う上で好都合である。
【0023】また、上記のようにして得られたハイブリ
ドーマの培養も、例えば、10%牛胎児血清を含むダル
ベッコ変法最小必須培地(DMEM)や、牛胎児血清を
含まないDMEM培地等を用いる公知の方法により行わ
れる。
【0024】更に、ハイブリドーマからのモノクローナ
ル抗体の採取法としては、Balb/cやヌードマウ
ス、好ましくはBalb/cマウスへ一定量のハイブリ
ドーマを投与し、腹水採取後、これを精製する方法等が
利用可能である。 また、この他にも、アキュシスト等
の細胞培養装置の培養上清を濃縮し、これを精製する方
法も利用できる。 なお、得られた抗体は、プロテイン
Aカラムやイオン交換カラムを用いる等の公知の精製方
法により容易に精製することができる。
【0025】本発明においては、免疫用抗原として、高
純度のリコンビナントヒトレニンを用いるため、従来の
抽出品を用いる場合に比べ、均質な抗原に対する多数の
モノクローナル抗体の作製が可能となる。本発明者の行
った実験でも数十クローンにおよぶモノクローナル抗体
が得られ、これらはいずれも生体中のレニン、つまりヒ
ト腎臓より高純度に精製されたレニンと強く結合した
が、それらのレニン酵素活性の阻害の程度は、1×10
-6Mの濃度ではレニン酵素活性を阻害しない抗体から1
×10-8Mの濃度でも酵素阻害活性を有する抗体まで多
くの幅を持っていた。
【0026】そして、レニン酵素阻害活性を有するモノ
クローナル抗体においても、その阻害はかならずしも強
くなく、結合親和性は高いが、5×10-9Mの濃度では
その阻害活性は不十分な抗体として得られた。
【0027】上記の如くして得られるモノクローナル抗
体は、常法にしたがって固相に結合することも、また、
酵素や放射性元素を用いて標識することも可能である。
例えば、モノクローナル抗体の標識の例としては、ク
ロラミンT等の酸化剤を用い、125I、131I、123Iな
どの放射性同位元素で標識する方法や、ヒンジ法等によ
りアルカリフォスファターゼやペルオキシダーゼ等の酵
素で標識する方法が挙げられる。 また、これら固相に
対する結合や標識等は、モノクローナル抗体そのものを
用いて行う他に、抗体を公知の方法によりFab'やF
(ab')2に変換したものや、ビオチン、アビジン等で
修飾したものについて、間接的に固相化や標識を行うこ
とが可能である。
【0028】得られたモノクローナル抗体のうちには、
通常の放射能より5倍程度高い放射能量を負荷すること
が可能なものが存在することが見出された。例えば、後
記実施例で詳しく説明するモノクローナル抗体11−6
は、125Iを25μCi/μgという高い比放射能量で
安定に標識できる抗体であった。
【0029】かくして得られたモノクローナル抗体を用
いて生体液、例えば血清、血漿、尿、腹水、胸水、乳
清、羊水、脊髄液、抽出液、さん出液等に含まれる活性
レニン量を測定するには、通常の免疫学的測定方法を応
用することも可能であるが、活性レニン量を高感度で測
定するには、次に述べる2種類の抗体を用いる活性型レ
ニンのサンドイッチ測定法を利用することが望ましい。
【0030】このサンドイッチ免疫学的測定法を実施す
る場合、被測定物質が比較的低分子量の物質である場合
は、抗体の認識部位が互いに接近していると良好な反応
が期待できないため、これらの抗体が認識する部位を変
えることが重要になる。
【0031】本発明では、2つの抗体の認識部位を異な
るものとするため、レニンの酵素活性を阻害する抗体と
酵素活性を阻害しない抗体の2種類を組み合わせ、サン
ドイッチ免疫学的測定法を実施することにより良い結果
を得た。 レニンのサンドウイッチ免疫学的測定法は、
レニンのみを特異的に認識する(但し、活性部位を除
く)固相化された抗体と検体(生体液)とを反応させた
後に洗浄し、レニンの活性部位を認識する、標識された
抗体を反応させることにより行われる。 更には、固相
化されたモノクローナル抗体と標識されたモノクローナ
ル抗体とを1ステップで反応させることが高感度を得る
ために好ましい。
【0032】より具体的には、サンドウィッチ免疫学的
測定法において、(a)使用する二種抗体のうち少なく
とも1種類はリコンビナントヒトレニンを用いて作製さ
れたレニンモノクローナル抗体とし、(b)抗体の一方
が活性型レニンの酵素活性を阻害するが、もう一方の抗
体は酵素活性の阻害が弱いものとすることにより、正確
に活性型レニンを抗体間に挟み込むことが可能となり、
高感度の測定系が得られた。
【0033】上記(b)のような、異なる抗体の組合せ
は、リコンビナントヒトレニンにより得られた数十のモ
ノクローナル抗体をその性質により幾つかのグループに
分け、モノクローナル抗体の組み合わせ試験やモノクロ
ーナル抗体相互による阻害試験等から適切な抗体の組合
せを検討することにより決定することができるが、本発
明者の試験結果からは、高感度となる抗体の組み合わせ
として、モノクローナル抗体11−6と既存のレニンモ
ノクローナル抗体12−12(Higaki et al,Acta endo
crinologica 120:81-86)の組み合わせを見いだした。
【0034】上記方法は、例えば、検体200μlをチ
ューブに取り、これに125I標識レニンモノクローナル
抗体100μlおよびレニン抗体ビーズ1個を入れ混合
し、室温で1〜24時間、好ましくは3時間攪拌反応
後、反応液を除去し、蒸留水2mlで3回洗浄後、ビー
ズ上の放射能量を計測し、標準血清より得られる標準曲
線から検体中の活性レニン濃度を求めることにより実施
される。
【0035】本発明方法の大きな特徴は、上記のように
活性型レニン酵素活性阻害能の相違する2種の活性型レ
ニンに対するモノクローナル抗体を利用する点にある
が、リコンビナントヒトレニンを用いたことによる測定
値の精確性の向上にもまた特徴がある。
【0036】すなわち、免疫学測定法は一般に10ー9
10-12M程度の微量物質を測定する方法であり、極め
て高感度の測定法である。 このため免疫学的測定法
は、濃度が厳密に検定された標準物質を被検体とともに
測定し、標準物質との対照により被検物質に含まれる濃
度を正確に算出する必要があり、従って標準物質は測定
値の信頼性において最も重要な因子である。
【0037】しかし、これまでのレニン測定法において
はレニンの標準物質の調製を、生体材料に求めており、
従って、生体抽出物中のレニンの存在濃度が調製毎に変
化することが避けられなかった。 また、さらに問題と
なることは、被検物質と標準物質の抗原性の違いとされ
る、抽出物中のレニンの物性が調製毎に異なる点であ
り、免疫学的測定方法の測定原理の根本に影響する重大
な問題であった。
【0038】本発明においては、レニンの免疫学的測定
法において測定値の信頼性と再現性を確保するために、
標準物質の起源を生体材料に求めるのではなく、常に均
質で一定量のレニンを安定して供給できる遺伝子工学の
手法により作製されたリコンビナントヒトレニンに求め
た。 このリコンビナントヒトレニンは高純度で高いレ
ニンの酵素活性を有し、しかも抗原性の変化もない均質
なものであるから、これを標準物質として用いることに
より、本発明方法の測定信頼性は従来より大きく改善さ
れた。
【0039】また、本発明方法を支えるもう一つの要因
は、高放射能負荷を可能とするモノクローナル抗体の存
在である。すなわち、放射免疫学的測定法における標識
抗体の比放射能は、20〜40μCi/μg、望ましく
は23〜35μCi/μgであるとされており、前記し
たように、レニンモノクローナル抗体11−6は125
をその比放射能約25μCi/μgで安定に標識でき、
放射免疫学的測定法として十分な放射化強度を得ること
ができるのである。 しかも、このようにして得られた
高比放射能で標識されたレニンモノクローナル抗体11
−6をサンドイッチ免疫測定に用いた場合、その最大結
合能(B−BO)/T(%)は、製造8週間後において
も製造直後の70%以上の結合能を安定に維持してい
た。
【0040】
【作用】本発明は、ヒトレニンに対するモノクローナル
抗体のうち、活性型レニン活性を阻害するものと阻害し
ないものを組合せ、サンドイッチ免疫学的測定法によ
り、体液中の活性型レニンを測定するものである。 ま
た、使用するモノクローナル抗体として高い放射能負荷
が可能なものを用い、また、標準品としてリコンビナン
トレニンを使用することにより、高感度かつ正確な活性
型レニンの測定が可能となったものである。
【0041】これらにより、従来は極めて高いレニン酵
素阻害活性を有するモノクローナル抗体を用いなければ
測定できなかった活性型レニンを十分な測定感度で、し
かも、従来の測定系でなし得なかった正常下限まで正確
に測定できることが可能となった。
【0042】
【効果】本発明方法によれば、従来のヒト活性型レニン
の測定系では測定できなかった正常下限の検体において
も、活性型ヒトレニンを高感度に測定することが可能と
なった。また標準物質としてリコンビナントヒトレニン
を用いることにより測定値の信頼性や再現性の向上を図
ることができた。従って、本発明方法によれば、正常者
や低レニン活性を示す疾患を含む活性型レニン量の正確
な評価が可能となり、高血圧性疾患を初めとする疾患の
診断あるいは治療において、有利に利用することが可能
なものである。
【0043】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるもの
ではない。
【0044】実 施 例 1 レニンモノクローナル抗体の作製:リコンビナントヒト
レニン6μgをフロイント完全アジュバンドと共にBa
lb/cマウスに3週間間隔で投与することにより感作
した。 最終免疫から3日後に脾臓を採取し、洗浄する
ことにより脾臓細胞を得た。 これらの脾臓細胞をプロ
ナーゼ(シグマ社より)により1分間処理し、等張化リ
ン酸緩衝液(PBS)で洗浄後、塩化マグネシウム、塩
化カルシウムを含んだ等張化マンニトール溶液(pH
7.4)に懸濁し、同溶液で懸濁したマウスミエローマ
細胞(P3U1)と細胞比5:1になるように混合し
た。
【0045】この混合溶液を電気融合装置の平行チャン
バー(島津製作所)に入れ、420VでDCパルスを加
えることにより両細胞を融合した。 融合後細胞を回収
し、ダルベッコ変法最小必須培地(DMEM)により洗
浄し、10%の牛胎児血清を含んだDMEM培地に懸濁
し、24ウエルの培養プレートに分注した。 翌日より
ヒポキサンチン、チミジン、アミノプテリンを含んだD
MEM培地(HAT培地)よりハイブリドーマ細胞の選
択を行い、増殖してくるハイブリドーマ細胞の培養上清
をスクリーニングに用いた。
【0046】ヒト腎臓より精製された高純度ヒト活性型
レニン6μgを0.8mCiのNa125I、20μgクロ
ラミンT存在下、室温で20秒間反応させた。 反応を
50μgのメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を加え停止
し、反応液をセファデックス(Sephadex)G−
50カラム(1×30cm、ファルマシア社)により精
製し、0.5%BSA含有0.01M リン酸緩衝液(p
H7.4;以下、「緩衝液」と略称する)に希釈し、125
I標識レニンを得た。 反応率は75%メタノールを展
開液としたペーパクロマトグラフィーにより測定した結
果、60%で、比活性は100μCi/μgであった。
【0047】スクリーニングに用いる二抗体法RIA法
は、培養上清100μlに上で得た125I標識レニン1
00μl(0.03μCi)を混合し、4℃で20時間
反応後、3%マウス正常血清を含む緩衝液100μl、
マウスガンマグロブリンに対する羊抗血清希釈液1ml
を加え、室温で30分放置し、3000rpmで30分
間遠心分離後、上清を除去し沈殿の放射活性をガンマー
カウンター(アロカ社ARC−1000)にて測定して
実施した。
【0048】この二抗体法RIAにより、上清のレニン
抗体活性を検出した陽性ウエルは、限界希釈法によりク
ローニングを行い、ヒトレニンに対する抗体を産生する
ハイブリドーマ細胞を得た。 このヒトレニンに対する
抗体を産生する細胞を、予めプリスタンを一週間前に投
与したBalb/cマウスの腹腔内に投与し、一定期間
飼育後腹水を採取した。
【0049】腹水に含まれるヒトレニンに対するモノク
ローナル抗体を硫安分画後、FPLCシステム(ファル
マシア社)を用いイオン交換樹脂カラムにより精製し、
高純度に精製されたヒトレニンモノクローナル抗体を数
十種類得た。 またこれら細胞はホロファイバー型培養
装置、例えばアキュシストJrを用いても培養が可能
で、培養により得た培養上清から同様にして高純度レニ
ンモノクローナル抗体を得ることができた。
【0050】実 施 例 2 レニンモノクローナル抗体の選定: (1)レニン酵素活性の阻害の強さによるグループ分け 実施例1により得られたレニンモノクローナル抗体およ
び既存のレニンモノクローナル抗体12−12の希釈液
20μlを、血漿10mlあたり5mgのトリプシンで
30分間、37℃で処理し、次いで10mgのトリプシ
ンインヒビターを添加した活性化ヒトプール血漿200
μlに添加し、30分間室温で放置した。
【0051】放置後、レニン活性測定キット(レニンリ
アビーズII ダイナボット社)によりレニン活性を測定
した。 活性阻害はヒトモノクローナル抗体を含有しな
い希釈液20μlを上記活性化ヒトプール血漿に添加し
たもののレニン活性測定値で除した結果を阻害率(%)
として計算した。 この結果を表1に示す。
【0052】 (* 既知のモノクローナル抗体である)
【0053】(2)IRMAによる組み合わせ試験 上記レニンモノクローナル抗体のグループ分けおよび実
施例1における 125I標識レニンとの結合能の結果よ
り、数個のモノクローナル抗体を選定した。 そして一
方を実施例8に準じて作製された125I標識レニンモノ
クローナル抗体100μlと、同じく実施例8に準じて
作製された抗体をビーズに固相化したものを用意し、前
記の方法で行ったヒト血漿とトリプシン処理血漿および
処理前の血清100μlをサンプルとして測定した。こ
の結果を表2に示す。
【0054】 (* 既知のモノクローナル抗体である)
【0055】結果の前半の値はトリプシン活性化前の血
漿の結合率[(B−B0)/T(%)]を、後半の数字
はトリプシン活性化後の結合率を示し、表中にはトリプ
シン活性化前の結合率が2.0%以上のものの結果のみ
示している。活性型レニンのみの測定系としては活性化
の結合率が高く、また血漿の基礎値は相対的に低いこと
が必要条件となる。従って69−30と11−6の組み
合わせ等は活性型レニンと非活性型レニンの両方を測定
する系となる。
【0056】(3)レニン抗体相互間の阻害試験 試験管に、各レニンモノクローナル抗体(100μg)
100μlと実施例1にて作製された125I標識レニン
100μlを取り、混合した。 さらに前記で示したレ
ニンモノクローナル抗体を固相化したビーズを加え、6
時間反応後、生理食塩水2mlで2回洗浄後、固相の放
射能をカウントした。 対照としては、レニンモノクロ
ーナル抗体を含まない緩衝液100μlを用い、これに
より得られたカウントを100%とした。
【0057】固相の放射能のカウントが対照のカウント
の98%以上であるものを◎、90〜98%であるもの
を○、80〜90%であるものを△、80%未満のもの
を×として下の表3に示した。
【0058】 (*は既知のモノクローナル抗体である)
【0059】これらの結果より、モノクローナル抗体1
1−6と既存のレニンモノクローナル抗体12−12の
2種類のモノクローナル抗体の組合せが最適と判断し、
以降の活性型レニン測定系に用いた。 なお、このモノ
クローナル抗体11−6を産生するハイブリドーマA6
−11−6は、1994年9月21日付けで、工業技術
院生命工学工業技術研究所に FERM BP−4804
として寄託した。
【0060】実 施 例 3 レニンモノクローナル抗体11−6の親和性測定:レニ
ンモノクローナル抗体11−6を緩衝液にて段階希釈
し、実施例1に示す二抗体法RIAにより125I標識レ
ニンと反応させて結合率[(B0−N)/T(%);結
合したカウント−非特異的カウント/総カウント×10
0)]を測定した。これにより求めたモノクローナル抗
体のレニンに対する結合定数はおよそ1×10-10Mで
あった。
【0061】実 施 例 4 レニンモノクローナル抗体11−6および12−12の
レニン活性阻害活性測定:高純度レニンモノクローナル
抗体11−6および12−12を、それぞれ緩衝液にて
6.45×10-7Mから6.45×10-12Mまで段階希
釈した。 段階希釈により得られた各溶液20μlを、
血漿1mlあたり5mgのトリプシンにより10分間、
37℃で処理し、次いで10mgのトリプシンインヒビ
ターを添加した活性化ヒトプール血漿200μlに添加
し、30分間室温で放置した後、レニン活性測定キット
(レニン・リアビーズII ダイナボット社製)によりレ
ニン活性を測定した。
【0062】活性阻害は、ヒトモノクローナル抗体を含
有しない緩衝液20μlを上記活性化ヒトプール血漿に
添加したもののレニン活性測定値で除した値を阻害率
(%)として計算した。 その結果、レニンモノクロー
ナル抗体11−6は5×10-8〜5×10-9Mの濃度で
はレニンの酵素活性を50%以上阻害したが、5×10
-10Mの濃度ではレニンの酵素活性は50%未満であっ
た。 一方レニンモノクローナル抗体12−12は5×
10-8Mの濃度でレニンの酵素活性は50%未満であっ
た。
【0063】実 施 例 5 レニンモノクローナル抗体の西洋ワサビペルオキシダー
ゼとの結合:モノクローナル抗体11−6と西洋ワサビ
ペルオキシダーゼ(POD)の結合は、活性化マレイミ
ドとS−アセチルメルカプトサクシニイミドを用いて行
った。 抗体10mgを、室温でジメチルフォルムアミ
ドに溶解したS−アセチルメルカプトサクシニイミドと
モル比1:10で反応させた。
【0064】反応後、アセチル基を塩酸ヒドロキシルア
ミンを用いて除去し、SH基を遊離させた。 反応液を
セファデックスG25を用いて精製し、溶出分画を集め
濃縮後4℃で保存した。 POD(ベーリンガー社)1
0mgを室温で活性化マレイミド(同仁化学)とモル比
1:100で反応させた。 反応後反応液をセファデッ
クス G25を用いて精製し、溶出分画を集め濃縮し
た。
【0065】このようにして作製したSH基導入モノク
ローナル抗体11−6とマレイミド導入PODをモル比
で1:1になるように混合し、4℃で一昼夜反応させ
た。翌日、反応液を室温で更に4時間反応させ、反応液
をバイオゲル(BioGel)A−0.5m(バイオラ
ッド社)により精製を行った。 溶出分画を集め濃縮
し、POD結合レニンモノクローナル抗体11−6を得
た。
【0066】実 施 例 6 ヒト活性型レニンの酵素免疫学的測定法(ELIS
A):反応用トレーに、標準検体200μlおよび実施
例5にて作製されたPOD結合レニンモノクローナル抗
体希釈液100μl添加し、上記レニンモノクローナル
抗体12−12を固相化したビーズ1個を加え、3時間
室温にてローテートした。 精製水2mlで3回洗浄し
た後、ビーズを試験管に移し、基質にOPD溶液300
μlを用いる通常の酵素反応を25℃にて1時間実施
し、492nmの吸光度を測定した。 この結果を表4
に示す。
【0067】
【0068】実 施 例 7 ヒト活性型レニンELISAのプロレニンに対する反応
性:村上等により作製されたヒトプロレニンをコードす
る発現ベクターを導入しヒトプロレニンを産生する性質
を持ったチャイニーズハムスターの卵母細胞の培養上清
よりヒトプロレニンを得、これを精製した。 この精製
ヒトプロレニンを、実施例6に示すヒト活性型レニンの
サンドイッチEIAにより交差反応性を測定した。
【0069】即ちヒトプロレニンをサンドイッチEIA
の標準物質希釈液を用いて段階希釈し、その反応性を評
価した。 また同時にヒトプロレニンをトリプシン(タ
イプII-S シグマ社)により村上等の方法を用いて活性
化し、トリプシンインヒビターを添加した検体を、同様
にしてサンドイッチELISA系でその反応性を評価し
た。 この結果を表5に示す。 この結果から、ヒトプロ
レニンはトリプシンの活性化後10倍以上測定値の上昇
が認められた。 この活性化による上昇は、レニン活性
の測定系にも同様の測定値変化を認めた。 またこのレ
ニン活性測定の結果、精製されたヒトプロレニン中に活
性型レニンが数%程度混入することが認められた。なお
レニン活性は実施例4に示した方法に準じた。
【0070】
【0071】実 施 例 8 活性型レニンの放射免疫学的測定系の作製方法:本測定
法は、ヒトレニンの活性部位を特異的に認識する抗体
(モノクローナル抗体)とヒトレニンの活性部位以外を
認識する抗体(モノクローナル抗体)により、活性型レ
ニンを特異的に測定する方法である。即ち、活性レニン
を特異的に認識するモノクローナル抗体を標識体とし、
もう一方のモノクローナル抗体をビーズ球に結合させ固
相体にし、レニン標準品と検体とを同時に反応させ、洗
浄後、固相抗体に結合した放射能量を測定して検体中の
活性レニン濃度を求めるものである。
【0072】従って、その測定に際しては、以下の試薬
を製造することが必要である。 (1)125I標識レニン抗体の製造 標識用抗体には、実施例2に示した阻害活性の高いレニ
ンモノクローナル抗体11−6を用いた。CIS製Na
125I 0.9mCiをシリコンコートガラスチューブに
取り、上記モノクローナルレニン抗体溶液42μgを入
れ、クロラミンT;10μg/10μl(20mM−P
B、pH=7.4)を加えて、60秒間攪拌反応後、メ
タ重亜硫酸ナトリウムを20μg/20μl(20mM
−PB、pH=7.4)を加えて反応を停止した。
【0073】次いで、反応液をイオン交換樹脂(アンバ
ーライトIRA400T)0.5g/5ml(緩衝液
1)中に添加し、未反応の125Iをイオン交換樹脂に吸
着させることにより、125I標識レニン抗体を精製し
た。 なお、反応液の95%メタノールを展開液とする
ペーパークロマトグラフィーにより求めた標識率は96
%であり、従って、比放射能は25.7μCi/μgで
あった。(900μCi×0.96/42μg×0.8;
但し、0.8は計数器の計数効率)
【0074】また、精製後の反応液について同様に行っ
た純度は99%以上であった。精製反応液は、緩衝液1
にて希釈し、最終放射能濃度を約30kBq(0.81μCi)
/mlに調製した。(ただし、アッセイに使用する量は
約2kBq/100μl/チューブである。)
【0075】緩衝液1の組成; 0.05M−リン酸緩衝液 3%−BSA 0.9%−NaCl 0.1%−NaN3 0.005%−正常マウスグロブリン 赤色2号微量 pH=6.8
【0076】(2)レニン抗体ビーズの製造 固相用抗体には実施例2で示した阻害活性の低いレニン
モノクローナル抗体12−12を用いる。直径1/4イ
ンチのポリスチレン製ビーズを5%スキャット溶液で2
時間洗浄後、1mM−リン酸緩衝液(pH=5.7)に
10μg/mlの濃度に調製したレニンモノクローナル
抗体12−12を結合(1ビーズあたり2μg)させ、
0.2M−MgSO4、0.25M−リン酸緩衝液(0.5
%−BSA/0.9%−NaCl/0.1%−NaN3
で安定化後、液を取り除き、抗体が結合したビーズを恒
温低湿(25℃/15%)で乾燥させて製する。
【0077】(3)活性レニン測定用標準血清(標準レ
ニン血清)の製造 本品は正常馬血清にリコンビナントヒトレニン抗原を添
加して製する。まず、市販の正常馬血清(SE105L
C、Eqitech製)を人血清と同等の反応性になる
ように熱処理(56℃/30分)し、安定剤として1m
M−PMSF(フェニルメチルスルホニルフロライド)
/イソプロパノール、0.2%−EDTA2Na、0.1
%−NaN3を添加後、0.2μmのフィルターでろ過し
てベース血清を製する。
【0078】次に、リコンビナントヒトレニン抗原(2
50ng/ml)をベース血清に添加して、5、20、
100、500pg/mlの濃度の標準レニン血清を調
製する。 調製した標準レニン血清は−20℃以下で凍
結保存するか、凍結乾燥して使用する。 なお、リコン
ビナントヒトレニン抗原の濃度は、WHOから供給され
たレニン国際標準品(68/356)で検定している。
その際の活性単位・重量単位変換ファクターは、1p
g=6×10-6GUとする。
【0079】実 施 例 9 健常者検体中の活性レニン濃度の測定:各濃度の標準レ
ニン血清 200μl、125I標識レニン抗体100μ
l、レニン抗体ビーズ1個をチューブに入れ混合し、室
温で3時間攪拌反応後、反応液を除去し、蒸留水2ml
で3回洗浄後、ビーズ上の放射能量を計測し、図1に示
す活性レニンの標準曲線を得た。
【0080】次に、健常者536検体について、上記と
同様にしてビーズ上の放射能量を測定し、活性レニンの
標準曲線から各検体中の活性レニン濃度を求めた。結果
を図2に示すが、本測定法は高感度で、高活性レニン濃
度のみならず、健常者の下限値も正確に測定できた。
【0081】実 施 例 10 レニン活性との相関性:疾患検体364例について、本
測定法とレニン活性の相関を求めた。レニン活性の測定
にはレニン・リアビーズII(ダイナボット社製)を用
い、測定法はキットの使用書に準じた。疾患検体には、
本態性高血圧、腎血管性高血圧、慢性腎不全、原発性ア
ルドステロン症、レニン産性腫瘍、褐色細胞腫、その他
の疾患が含まれる。結果を図3に示すが、Y=7.03
X+1.45(r=0.944)で正の相関が認められ
た。 (Y;活性レニン濃度:本測定法、X;レニン活
性:レニン・リアビーズII)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の標準曲線を示す図面
【図2】 健常者血清中の活性レニン濃度の分布を示す
図面
【図3】 本発明方法とレニン活性の相関関係を示す図
面 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B 33/60 Z // C12N 15/02 C12P 21/08 9358−4B (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リコンビナントヒトレニンを用いて作製
    されたハイブリドーマの産生するレニンモノクローナル
    抗体。
  2. 【請求項2】 5×10-9Mの抗体濃度において、レニ
    ン酵素活性を50%以上阻害し、放射性ヨウ素によって
    20μCi/μg以上の比放射能を負荷せしめ、安定に
    使用できる請求項1記載のレニンモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 レニンモノクローナル抗体11−6と名
    付けられた、請求項第1項または第2項記載のレニンモ
    ノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 酵素または放射性同位元素により標識さ
    れたものである請求項第1項ないし第3項の何れかの項
    記載のレニンモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 リコンビナントヒトレニンを用いて作製
    されたハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】 リコンビナントヒトレニンで免疫された
    動物由来の脾細胞と、形質転換細胞を融合して得られる
    ハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】 ハイブリドーマA6−11−6と名付け
    られた請求項第5項または第6項記載のハイブリドー
    マ。
  8. 【請求項8】 活性型レニン蛋白上の立体的に異なった
    部位を認識する2種類以上のモノクローナル抗体を用
    い、これら抗体間に生体液中の活性型レニンを挟み込ん
    で免疫学的に測定する方法であって、 (a)これらの抗体のうち少なくとも1種類はリコンビ
    ナントヒトレニンを用いて作製されたレニンモノクロー
    ナル抗体であり、 (b)抗体の一方が活性型レニンの酵素活性を阻害する
    が、もう一方の抗体は酵素活性の阻害が弱いものである
    ことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 活性型レニンの酵素活性を阻害する抗体
    がレニンモノクローナル抗体11−6である請求項第8
    項記載の方法。
  10. 【請求項10】 活性型レニンの酵素活性を阻害する抗
    体が標識抗体であり、活性型レニンの酵素活性の弱い抗
    体が固相化抗体である請求項第8項または第9項記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 標識抗体が、放射性ヨウ素により比放
    射能が20〜40μCi/μgで標識されたものである
    請求項第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】 標準物質としてリコンビナントレニン
    を用いる請求項第8項ないし第11項の何れかの項記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 生体液が血清、血漿、尿、腹水、胸
    水、乳清、羊水、脊髄液、抽出液またはさん出液のいず
    れかである請求項第8項ないし第12項の何れかの項記
    載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999034823A3 (en) * 1998-01-09 1999-09-16 Univ Utah METHODS FOR PREVENTING AND TREATING FIBROTIC DISEASES RESULTING FROM ACCUMULATION OF EXCESS EXTRACELLULAR MATRIX INDUCED BY TGFβ USING RENIN INHIBITORS
WO2015068623A1 (ja) * 2013-11-07 2015-05-14 国立大学法人香川大学 レニン活性の評価方法、原発性アルドステロン症への罹患可能性の試験方法およびそれに用いるキット
WO2018074455A1 (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 富士レビオ株式会社 レニン濃度の免疫学的測定法
WO2018194152A1 (ja) * 2017-04-21 2018-10-25 株式会社ハプロファーマ アルドステロン及びレニンの検出方法

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