JP2014520825A - モノクローナル抗体に対して特異的なβ−アミロイドx−37およびその使用 - Google Patents

モノクローナル抗体に対して特異的なβ−アミロイドx−37およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、γ−セクレターゼによって媒介されるAPPタンパク質の切断後に得られる、より短いAβペプチド、すなわちAss1−37、Ass3−37、Ass3p−37、Ass11−37、およびAss11p−37、および以下においてAβx−37ペプチドとも称されるAPPの37番目のアミノ酸で終結するその他の類似断片である、Aβ−ペプチド断片を特異的に認識するモノクローナル抗体を提供する。これは、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞、ならびに抗体およびハイブリドーマ細胞を製造する方法;および本発明の抗体を使用する、競合法またはサンドイッチ法によるAβx−37ペプチドのための免疫測定法;および生物学的サンプルなどのサンプル中のAβx−37ペプチドレベルを測定する方法をさらに提供する。

Description

本発明は、β−アミロイドペプチドに対して特異的な新しい抗体と、診断法、生物マーカー、または治療薬としてのそれらの使用とに関する。より特には、本発明は、β−アミロイドペプチドのAβx−37断片に対して特異的な抗体について述べる。
本発明は、一般に、β−アミロイド前駆体タンパク質のプロセッシングをモニターする方法および組成物に関する。より具体的には、本発明は、アルツハイマー病およびその他のβ−アミロイドペプチド関連疾患を診断し、予後診断し、治療法に対する応答をモニタリングのためのこのような方法および組成物の使用に関し、ならびにアルツハイマー病およびその他のβ−アミロイドペプチド関連疾患の治療法としての受動的免疫化における、開示された抗体の使用に関する。
アルツハイマー病(AD)は、記憶、認知力、論理的思考力、判断、および情動安定性の進行性の喪失によって臨床的に特徴付けられ、著明な精神荒廃を徐々にもたらし、究極的には死に至る退行性脳障害である。ADは、高齢者における進行性精神衰退(認知症)の非常に一般的な原因であり、米国における4番目の最も一般的な医学的死亡原因に相当すると考えられている。ADは世界中の民族で観察されており、主な現在のそして将来の公衆衛生問題を提示する。この疾患は、目下、米国のみで約200〜300万人に影響を及ぼしていると推定されている。ADは、現在のところ不治である。ADを効果的に予防し、またはその症状および経過を逆転させる治療は、目下知られていない。
ADがある個人の脳は、老人(またはアミロイド)斑、アミロイド血管症(血管中のアミロイド沈着)、および神経原線維濃縮体と称される特徴的な病変を示す。多数のこれらの病変、特にアミロイドおよび神経原線維濃縮体は、AD患者において、記憶および認知機能にとって重要なヒト脳のいくつかの領域に一般に見られる。これらの病変の内、解剖学的により限局的に分布するより少数のものは、臨床的ADがない高齢者の大多数の脳内にもまた見られる。アミロイド斑およびアミロイド血管症はまた、21トリソミー(ダウン症候群)、びまん性レビー小体病、およびオランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳出血(HCHWA−D)がある個人の脳に特徴的である。
アミロイド斑の主要構成物は、β−アミロイド前駆体タンパク質(APP)の切断によって生じる、変種アミロイド−β(Aβ)ペプチドである。APPはI型膜貫通タンパク質であり、それはいくつかのいわゆるセクレターゼタンパク質による、タンパク質分解プロセッシングを受ける。過去には、斑および濃縮体がアルツハイマー病の原因であるのか、または単なる結果であるのかどうかという、かなり大きい科学的論争があったが、最近の発見は、アミロイド斑が、原因となる前駆体または要素であることを示唆する。特に、正常にプロセシングされればAβペプチドを生じないタンパク質である、アミロイド前駆体タンパク質をコードする遺伝子の変異から、Aβペプチドの生成が帰結し得ることが、発見されている。家族性早発性アルツハイマー病を引き起こす、アミロイド前駆体タンパク質遺伝子における変異の同定は、アミロイド代謝が、疾患に根本的な病原性過程の中心的事象であることの最も有力な証拠である。Aβは、目下、最重要の診断パラメータと見なされている。
Takami et al.(γ−secretase:successive tripeptide and tetrapeptide release from the transmembrane domain of β−carboxyl terminal fragment,J Neurosci.(October 14,2009);29(41):13042−13052)は、β−カルボキシル末端断片(βCTF)プロセッシングの概要を示す。Aβは、βCTFが、2つの長いAβであるAβ48およびAβ49に切断されることで、生成すると思われる。これらは、各段階における3または4個の残基の除去によってさらにプロセシングされ、Aβ42およびAβ40が生成する。Aβ49が、2または3個のトリペプチドの連続的遊離によってAβ43/40に変換される一方で、Aβ48は、2個のトリペプチドおよびさらなるテトラペプチドの連続的遊離によって、Aβ42/38に変換される。
病的状態では、および疾患修飾剤を使用した場合は、その他の断片が生じる。
ADおよびその他のAss−関連疾患の根本的な機構の理解における進歩にもかかわらず、疾患を診断して治療するための方法および組成物を開発する必要性がなおもある。したがってアミロイド前駆体タンパク質の細胞プロセッシングをモニターする能力は、アルツハイマー病の診断、予後診断、および治療管理において、顕著な価値を有するであろう。特に、血清、脳脊髄液(CSF)などの容易に得られる患者サンプル中で、検出可能な診断マーカーをスクリーニングして評価するための、低侵襲性で再現可能な手順を同定することが望ましいであろう。前出のT.C.,et al.,Neuroscience Letters 215(1996);173−176に記載されるようなポリクローナル抗体は、生物学的サンプル中の異なるAβ−ペプチドを検出するのに有用であるが、各バッチのポリクローナル抗体が異なる事実を踏まえると、これらの抗体は、容易に得られる患者サンプル中で、検出可能な診断マーカーをスクリーニングして評価する、再現可能な手順を実施するツールを提供しない。これに加えて、ポリクローナル抗体の使用では、典型的に非特異的結合がより高く、典型的にウエスタンブロット法の正確度が低下する。
アルツハイマー病のためのいくつかの可能な診断マーカーが、提案されている。本発明にとって特に興味深いのは、APPタンパク質のβ−カルボキシル末端断片プロセッシング後に得られる、Aβ前駆体タンパク質の断片である。これらのマーカーは、それ自体が、および/またはその他の診断マーカーおよび手順と組み合わせて、有用なはずである。好ましくは、診断マーカーは、低侵襲診断手順を利用し得るように、CSF、血液、血漿、血清、尿などの体液、組織などの中で検出可能である。また、例えば臨床試験モニタリングなどの新しい治療の開発、または現行の治療の双方で使用される、疾患および/または治療の進行をモニタリングするための生物マーカーに対する必要性がある。
Aβx−37検出のための特異的アッセイは、液状サンプル中の非常に低濃度のAβx−37を再現可能な一貫した様式で検出し、ならびにサンプル中に存在してもよい、Aβx−37ペプチドとその他のAPP断片とを識別できるはずである。
本発明は、γ−セクレターゼによって媒介されるAPPタンパク質の切断後に得られる、より短いAβペプチド、すなわちAss1−37、Ass3−37、Ass3p−37、Ass11−37、およびAss11p−37、および以下Aβx−37ペプチドとも称されるAPPの37番目のアミノ酸で終結するその他の類似断片である、Aβ−ペプチド断片を特異的に認識するモノクローナル抗体を提供する。これは、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞、ならびに抗体およびハイブリドーマ細胞を製造する方法;および本発明の抗体を使用する競合法またはサンドイッチ法によるAβx−37ペプチドのための免疫測定法;および生物学的サンプルなどのサンプル中のAβx−37ペプチドレベルを測定する方法をさらに提供する。
特に本発明は、免疫原としてポリペプチドH2N−CAI IGL MVG−COOHを使用して調製された、モノクローナル抗体を提供する。前記抗体は、その他のAPP断片との交差反応性なしにAβx−37ペプチドと特異的に反応し、したがってアルツハイマー病の発病におけるAβx−37の役割を評価する免疫測定法において有用である。
より具体的な実施形態では、モノクローナル抗体は、免疫原としてのポリペプチドCAIIGLMVGに反応性であり、2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下に、Belgian Coordinated Collection of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマJRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1によって、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下に、Belgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1によって発現される。したがって本発明に従ったモノクローナル抗体を発現する、前述のハイブリドーマ細胞を提供することが、本発明のさらなる実施形態である。
本発明のさらなる態様では、本発明に従った抗体は、β−アミロイド関連疾患をモニターするための生物学的サンプル、およびAPPの細胞内プロセッシングをモニターするための細胞培養からの馴化培地をはじめとして、Aβx−37ペプチドのあらゆる出現を検出する従来の免疫学的技術で使用される。適切な免疫学的技術は当業者に良く知られており、例えば、ELISA、ウエスタンブロット分析、競合またはサンドイッチ免疫測定法などが挙げられ、その他の点では周知のように、それらは全て、抗原−抗体免疫複合体の形成に依存し、そこではアッセイの目的で、抗体が例えば放射性、酵素または蛍光性標識で標識されて検出可能であり得て、またはそれは不溶性担体上に固定化され得る。
JRD/Ab37/3ハイブリドーマ細胞によって産生される、抗Aβ37抗体の特異性を図示する。 それぞれイヌではGSM(γ−セクレターゼ調節因子)AおよびB、サルではE2012による処置後の、イヌおよびサルCSF中のAβ37増大の測定をそれぞれ示す。 健常対照(HC)、神経学的対照(NC)、およびアルツハイマー病患者(AD)で測定された、異なるAβ断片のレベルを示す。 健常対照(HC)、神経学的対照(NC)、およびアルツハイマー病患者(AD)で測定された、Aβ断片間の比率を比較する。
本発明は、βCTFプロセッシングによるAPPタンパク質切断後に得られる、より短いAβペプチドを特異的に認識するモノクローナル抗体を提供する。本発明の抗体は、ヒトAβのAβx−37ペプチド上、またはマウスAβのAβx−37ペプチド上に存在する、1つまたは複数のエピトープに対する特異性を有する。
特に、本発明は、免疫原としてHN−CAIIGLMVG−COOHからなるペプチドを使用して調製された、モノクローナル抗体を提供する。
前述のペプチドは、アミノ酸が成長鎖に順次付加される、良く知られているMerrifield固相合成技術などの当該技術分野で公知の方法によって、調製製造されてもよい(Merrifield(1963)J.Am.Chem.Soc.85:2149−2156)。アミノ酸配列は、上記の(seth forth above)Aβ断片の配列に基づいてもよく、または天然のまたは遺伝子操作された変異配列を利用してもよい。免疫原として使用するために、このように得られたペプチドは、単独で使用してもよく、またはウシ、ウサギ、およびヒトなどの哺乳類のマレイミド活性化血清アルブミン;ウシ、ウサギ、ヒト、およびヒツジなどの哺乳類のチログロブリン;およびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)や、またはスチレンポリマー、アクリルポリマー、ビニルポリマー、およびプロピレンポリマーをはじめとする合成ポリマー担体などのその他の適切なタンパク質担体などの適切な免疫活性化天然または合成担体とコンジュゲートしてもよい。免疫化のさらに詳細な説明は、実施例にある。
ひとたび十分な量の免疫原が得られたら、生体外または生体内技術をはじめとする技術を使用して、様々な方法によって、Aβx−37ペプチドに対して特異的なポリクローナル抗体を製造してもよい。生体外技術が免疫原へのリンパ球の曝露を伴う一方で、生体内技術は適切な脊椎動物宿主への免疫原の注射を必要とする。適切な脊椎動物宿主は、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ヤギなどをはじめとする非ヒト動物である。免疫原は、所定のスケジュールに従って動物に注射され、動物は周期的に採血され、後続の採血は改善された力価と特異性を有する。注射は、筋肉内、腹腔内、皮下などで行ってもよく、フロイント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバントなどのアジュバントを投与して、抗体産生能を増強してもよい。血清力価レベルをスクリーニングする方法は、典型的に標準ELISAまたはRIAアッセイを含む。例えばELISAスクリーニング形式では、(BSAなどの)担体と共役しているAβx−37ペプチドまたはAβx−37ペプチドのいずれかで被覆された固相(例えばマイクロプレートの底)に血清を添加し、次に好ましくは西洋ワサビペルオキシダーゼである酵素、または125Iなどの放射性同位体などの検出可能な標識とコンジュゲートされた、抗免疫グロブリン抗体(例えば免疫化がマウスで実施される場合は、例えばヒツジ−抗マウス免疫グロブリン(Ig)などの抗マウス免疫グロブリン抗体が使用される)を追加する。
所望ならば、モノクローナル抗体は、技術分野の当業者に良く知られている技術を使用して、直上に記載した方法によって、所望の免疫原で過免疫されたマウスなどの脊椎動物宿主から調製し得る。好都合には、高力価抗体を示す脊椎動物宿主は、所望の免疫原で免疫化された動物から選択される。典型的に最終免疫化の2〜5日後、好ましくは4日後に、それから脾臓またはリンパ節を採取して、その中に含有される抗体産生細胞を不死化する。不死化の様式は、重要でない。現在のところ最も一般的な技術は、骨髄腫細胞融合パートナーとの融合である。融合手順は、例えばKohler and Milstein(Nature,256,495−497(1975))の方法などの当該技術分野で公知の方法に従って実施し得る。その他の技術としては、EBV形質転換、例えば発がん遺伝子、レトロウイルスなどの裸の(bare)DNAでの形質転換、または安定した細胞系の維持と、モノクローナル抗体産生を提供する、あらゆるその他の方法が挙げられる。ポリエチレングリコール(PEG)およびセンダイウイルスをはじめとする融合促進剤を使用してもよい。特にPEGが、好ましくは使用される。骨髄腫細胞の例としては、NS−1、P3U1、SP2/0、およびAP−1が挙げられ、SP2/0細胞が好ましくは使用される。
Aβx−37ペプチドのC末端上に見られるエピトープに対して特異的なハイブリドーマ産生モノクローナル抗体は、例えばBalb/cマウスなどのそれからハイブリドーマが生成され得る動物を、フロイントアジュバント中の所望の免疫原の初回腹腔内注射と、それに続く2週毎の追加免疫注射によって最初に免疫化することで、最も効果的に生成される。引き続く単離脾臓の融合は、Kohler and Milstein(Eur.J.Immunol.,6,292−295(1976))の変法によって、好ましくはSP2/0細胞を使用して、当業者に通常知られているあらゆる技術を使用して実施し得る。Aβx−37ペプチドに対して特異的な抗体をいずれのハイブリドーマが産生するかを判定するスクリーニングは、上文に記載される標準ELISAまたはRIAアッセイのいずれかで成し得る。所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの選択および育種は、10〜20%のウシ胎仔血清と、例えばHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン)またはESGハイブリドーマ補給剤などのその他の成分とが添加された動物用培地(例えばダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)またはイーグル最少必須培地(MEM))内で通常行われる。したがって一実施形態では、本発明は、2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下に、Belgian Coordinated Collection of Microorganismsに寄託されたハイブリドーマ細胞JRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下に、Belgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託されたハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1を提供する。
抗Aβx−37モノクローナル抗体の分離および精製は、塩析沈殿、アルコール沈殿、等電沈殿、電気泳動、イオン交換材料(例えばDEAE)の吸着および脱離、超遠心、ゲル濾過、および抗原結合固相およびプロテインAまたはプロテインG親和性クロマトグラフィーをはじめとする特定の免疫親和性分離技術などの、ポリクローナル抗体の通常の分離および精製と同様に実施される。適切なタンパク質精製技術は、その開示を参照によって本明細書に援用するMethods in Enzymology,Vol.182,Deutcher,ed.,Academic Press.Inc.,San Diego,1990に記載される。
したがって前述のハイブリドーマ細胞によって発現される単離モノクローナル抗体を提供することが、本発明の目的であり、前記抗体はAβx−37ペプチドを特異的に認識できる。好ましくはこれらの単離モノクローナル抗体は、2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下にBelgian Coordinated Collection of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマ細胞JRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下にBelgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1によって発現される。
本発明に従った抗体は、β−アミロイド関連疾患をモニターするための生物学的サンプル、およびAPPの細胞内プロセッシングをモニターするための細胞培養からの馴化培地をはじめとして、Aβx−37ペプチドのあらゆる出現を検出する従来の免疫学的技術で使用される。適切な免疫学的技術は当業者に良く知られており、例えばELISA、ウエスタンブロット分析、競合またはサンドイッチ免疫測定法などが挙げられ、さもなければ周知のように、それらは全て、抗原−抗体免疫複合体の形成に依存し、そこではアッセイの目的で、抗体が例えば放射性、酵素、ルミネセンスまたは蛍光性標識で標識されて検出可能であり得て、またはそれは不溶性担体上に固定化され得る。したがってサンプル中のAβx−37ペプチドを測定または検出するための免疫測定法を提供することが、本発明の目的であり、方法は、抗体を含むサンプルを本発明に従ったAβx−37ペプチドに接触させて、抗体とAβx−37ペプチドの間に免疫複合体が形成されるかどうかを判定するステップを含んでなる。これらの方法は、組織サンプルまたは体液サンプルのいずれかにおいて実施し得て、一般に、対象の身体からサンプルを得るステップと;前記サンプルを、イメージング有効量の検出可能に標識された本発明に従った抗体に接触させるステップと;標識を検出して、サンプル中のAβx−37ペプチドの存在を確立するステップとを含んでなる。
本発明の抗体を使用する測定法は、特に限定的でない。測定溶液中の抗原の量、特にAβx−37ペプチドの量に対応する、抗体、抗原または抗原−抗体複合体の量が、化学的または物理的手段によって検出され、既知量の抗原を含有する標準溶液の使用によって作成された標準曲線から計算されさえすれば、あらゆる測定法を使用してもよい。例えば比濁分析、競合法、免疫測定法、およびサンドイッチ法が、適切には使用される。感度と特異性に関して、下述のサンドイッチ法を使用することが特に好ましい。
標識物質を使用した測定法では、標識薬剤として、放射性同位体、酵素、蛍光性物質、発光性物質などが使用される。放射性同位体の例としては、125I、131I、H、および14Cが挙げられる。酵素は、通常、検出可能な反応を触媒する適切な基質の共役によって検出可能にされる。その例としては、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、およびリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(deydrogenase)、好ましくは西洋ワサビペルオキシダーゼが挙げられる。発光性物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、エクオリン、およびルシフェラーゼが挙げられる。さらにアビジン−ビオチン系もまた、本発明の抗体および免疫原標識のために使用し得る。
免疫原または抗体が不溶化される場合、タンパク質または酵素の不溶化または固定化のために通常用いられる、物理吸着または化学結合のいずれかを使用してもよい。担体の例としては、アガロース、デキストラン、およびセルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、およびシリコーンポリマーなどの合成樹脂、およびガラスが挙げられる。
サンドイッチ法では、試験溶液を不溶化された抗Aβx−37ペプチド捕捉抗体と反応させ(第1の反応)、さらに標識された抗Aβx−37ペプチド検出抗体を反応させて(第2の反応)、次に不溶化担体上の標識薬剤の活性をアッセイし、それによって検査溶液中のAβx−37ペプチドの量を判定し得る。第1の反応および第2の反応は、同時にまたは順次実施してもよい。
β−アミロイド関連疾患を診断するためのさらなる実施形態では、組織や、CSF、血液、血漿、血清、尿などの体液をはじめとする生物学的サンプルを収容して、適切量の初回抗体と接触させ、免疫複合体を生成させる。接触は、典型的に、第1の抗体で被覆された固体マトリックスに、サンプルを添加することを伴う。サンプルを第1の抗体に接触させることで生じる複合体は、溶出によってサンプルから分離される。しかしその他の回収方法を用いてもよい。回収された複合体は、抗原上の抗原決定基を対象として複合体中の抗原と結合できる、少なくとも1つの第2の抗体に接触させる。抗原性実体の多エピトープ性のために、第2の抗体が対象とする抗原決定基は、第1の抗体が対象とするものと同一であってもよい。上で説明した標識のいずれかを使用して、第1のまたは第2の抗体のいずれかを検出可能にしてもよい。特定の実施形態では、第2の抗体が検出可能にされる。第1のおよび第2の抗体に結合する抗原からなる複合体に結合する、検出可能な抗体の存在は、技術分野で既知の技術を使用して容易に検出されてもよい。生物学的サンプルで得られる結果と、対照サンプルで得られる結果とを比較することで、改変Aβx−37ペプチドレベルの存在を判定してもよい。
したがって以下被覆抗体と称される、固体マトリックスに被覆された第1の抗体が、Aβx−37ペプチドを認識する抗体からなり、検出可能にされた第2の抗体が、AβペプチドのN−末端を特異的に認識する、サンドイッチアッセイを提供することが、本発明の目的である。有利には、被覆抗体は、ヒトAβx−37ペプチドを認識し、より具体的な実施形態では、被覆抗体は、Aβx−37を特異的に認識する、モノクローナル抗体JRF/Ab37/3、JRF/Ab37/4、およびJRF/Ab37/10からなる群から選択される。有利な実施形態では、第2の抗体は、ハイブリドーマ細胞JRF/Aβ/N25によって発現されるモノクローナル抗体である。
サンドイッチアッセイを提供して、Aβx−37ペプチドと、Aβ38、Aβ40またはAβ42ペプチドとの比率を判定することもまた、本発明の目的である。この実施形態では、Aβ38、Aβ40またはAβ42ペプチドを認識し、その上Aβx−37ペプチドとの交差反応性を示さない、追加的な第2の抗体が使用される。したがって被覆抗体が、Aβx−37ペプチドを特異的に認識するが、完全長Aβ40およびAβ42ペプチド、モノクローナル抗体JRF/Ab37/3、JRF/Ab37/4、およびJRF/Ab37/10との交差反応性を示さない抗体からなる、サンドイッチアッセイを提供することが本発明の目的である。
本発明のモノクローナル抗体はまた、例えば、競合法および比濁分析などのサンドイッチ法以外のアッセイシステムで使用し得る。競合法では、試験溶液中の抗原と標識免疫原が、抗体と競合的に反応し、それに続いて、未反応の標識免疫原(F)が、標識免疫原(imunogens)(B)に結合する抗体から分離される(B/F分離)。次にBまたはFのいずれかの標識量を測定して、試験液中の免疫原の量を判定する。これらの反応法としては、可溶性抗体が抗体として使用され、ポリエチレングリコールと、前述の抗体に対する第2の抗体とがB/F分離のために使用される液相法、および固化抗体が第1の抗体として使用され、または可溶性抗体が第1の抗体として使用され、固化抗体が第2の抗体として使用される、固化法が挙げられる。
比濁分析では、ゲルまたは溶液中において、抗体−抗原反応の結果として生成した不溶性沈殿物の量が測定される。抗原の量が軽微であり、沈殿物が少量のみ得られる場合でさえも、レーザー散乱を使用するレーザー比濁分析が、適切に使用される。
さらなる態様では、本発明は、本発明の抗体を用いた治療をモニターする方法を対象とする。より特には、本発明の抗体および検出法を使用して、アルツハイマー病患者における、多様な疾患修飾薬の効果をモニターし得る。このような疾患修飾薬の例としては、いわゆるGSM(γセクレターゼ調節因子)、GSI(γセクレターゼ阻害剤)またはBACE阻害化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明は、前述の方法で使用し得るキットをさらに提供する。一実施形態では、キットは、1つまたは複数の容器内に、2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下に、Belgian coordinated collection of microorganismsに寄託された、ハイブリドーマ細胞JRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下にBelgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1によって発現される、好ましくは精製抗体、より好ましくはモノクローナル抗体、なおもより好ましくは単離モノクローナル抗体である、本発明の抗体を含んでなる。特定の実施形態では、本発明のキットは、キットに含まれる抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープを含んでなる、実質的に単離されたポリペプチドを含有する。さらなる実施形態では、このエピトープは、Aβx−37ペプチドのC末端上に存在する。好ましくは、本発明のキットは、サンドイッチアッセイで使用するために準備され、対象ポリペプチドと特異的に反応しない被覆抗体をさらに含んでなり、特定の実施形態では、この被覆抗体は、ヒトAβ1−37ペプチドなどのAβ1−37ペプチド、ヒトAβ1−38、Aβ1−40またはAβ1−42などのAβ1−38、Aβ1−40またはAβ1−42を認識する。特定の実施形態では、被覆抗体はJRF/Aβ/N25である。本発明に従った代案のサンドイッチアッセイでは、キットは、ヒトAβx−37ペプチドなどのAβx−37ペプチドを特異的に認識する、被覆抗体を含んでなる。より具体的な実施形態では、キットは、被覆抗体として、2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下にBelgian Coordinated Collection of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマ細胞JRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1によって、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下にBelgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1によって発現される単離モノクローナル抗体と、さらなる抗体として、検出可能な標識にコンジュゲートされたモノクローナル抗体JRF/Aβ/N25とを含んでなる。
別の特定の実施形態では、本発明のキットは、抗体と対象ポリペプチドとの結合を検出する手段を含有する(例えば抗体は、蛍光性化合物、酵素基質、放射性化合物またはルミネセンス化合物などの検出可能な基質とコンジュゲートしていてもよく、または第1の抗体を認識する第2の抗体は、検出可能な基質とコンジュゲートしていてもよい)。特にキットは、抗体とAβx−37ペプチドとの結合を検出する、好ましくはAβx−37ペプチドのC末端に存在するエピトープとの結合を検出する手段を含有する。前述のサンドイッチアッセイでは、検出可能な基質にコンジュゲートされる抗体は、被覆抗体でない。
追加的な実施形態では、本発明は、組織や、CSF、血液、血漿、血清、尿などの体液などをはじめとする生物学的サンプルのスクリーニングで使用される、診断キットを含む。前記生物学的サンプルは、Aβx−37ペプチドを含有する。診断キットは、Aβx−37ペプチドと、特にAβx−37ペプチドのC末端上に存在するエピトープと、特異的に免疫反応性である実質的に単離された抗体と、抗体と免疫原の結合を検出する手段とを含む。一実施形態では、抗体は固体支持体に付着する。特定の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、特に、2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下にBelgian Coordinated Collection of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマ細胞JRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1によって、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下にBelgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託された、ハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1によって発現されるモノクローナル抗体であってもよい。
上記アッセイの固体表面試薬は、タンパク質材料をポリマービーズ、ディップスティック、96ウェルプレートまたは濾過材料などの固体支持体材料に付着させる既知の技術によって調製される。これらの付着法としては、支持体へのタンパク質の非特異的吸着、または典型的に遊離アミン基を通じた、固体支持体上の活性化カルボキシル、ヒドロキシル、またはアルデヒド基などの化学的反応基へのタンパク質の共有結合が、一般に挙げられる。代案としては、ビオチン化抗原と併用して、ストレプトアビジン被覆プレートを使用し得る。
したがって本発明は、この診断方法を実施するためのアッセイシステムまたはキットを提供する。キットは、一般に、本発明に従った表面結合抗体がある支持体と、抗体と免疫原との結合を検出するレポーター標識抗体とを含む。
本発明は、以下の実験の詳細を参照してより良く理解されるが、当業者は、これらが、その後に続く特許請求の範囲でより詳しく説明される本発明を単に例証するものであることを容易に理解するであろう。さらに本出願全体を通じて、様々な刊行物が引用される。これらの刊行物の開示は、本発明に関係する最先端技術をより詳しく説明するために、参照によって本出願の明細書に援用される。
実験
材料と方法
モノクローナル抗体の作成
2匹のBalb/cマウスを完全フロイントアジュバント中のH2N−CAIIGLMVG−COOH(配列番号01)で初回刺激した。製造会社の使用説明書に従って、PierceのImject Maleimide Activated mc KLH/BSAキット(Pierce、Rockford、IL)などの市販されるキットを使用して、COOH−末端システイン(cystein)残基を介して、ペプチドをマレイミド活性化mc(鍵穴カサガイ(Megathura crenulata))KLHに、またはマレイミド活性化ウシ血清アルブミンにカップリングして、免疫化のために準備した。マウスを、最初に完全フロイントアジュバント中の、引き続いて不完全フロイントアジュバント中の100μgまたは200μgのKLH共役ペプチドで、2週毎に追加免疫した。
最高血清力価を示すマウスを融合のために選択した一方で、第2のマウスの脾臓を単離して液体窒素中で冷凍した。融合または脾臓抽出の4日前に、生理食塩水中のmcKLHと共役する100μgのH2N−CAIIGL MVG−COOHで、全てのマウスに腹腔内追加免疫した。Kohler and Milstein(Eur.J.Immunol.,6,292−295(1976))の変法によって、マウス脾臓細胞をSP2/0細胞と融合した。30×96ウェルプレート内にハイブリドーマを接種して、0.5μg/ウェルの非共役ペプチドAss1−37上の直接ELISA(AnaSpec,Fremont,USA)で、10日後にスクリーニングした。0.5μg/mlの被覆Ass1−37、Ass1−38、およびAss1−39ペプチド(AnaSpec,Fremont,USA)上で、陽性細胞を交差反応性について試験して、即座にサブクローニングした。陽性クローンを液体窒素中で冷凍した。
全てのハイブリドーマは、10%ウシ胎仔血清(Hyclone,Europe)、Hybridoma Fusion Cloning Supplement(2%)(Roche,Brussels,Belgium)、2%HT(Sigma,USA)、1mMのナトリウムピルビン酸、2mMのLグルタミン、およびペニシリン(100U/ml)およびストレプトマイシン(50mg/ml)を添加した、ダルベッコ変法イーグル培地中で培養した。製品は全て、Life−Technologies(Paisley,U.K.)から市販され、購入された。細胞を加湿8%CO2空気インキュベーター内で培養した。
抗体選択のための直接ELISA
抗Assx−37抗体の検出のために使用されたスクリーニングELISAは、50μl/ウェルの被覆緩衝液(10mMトリス、10mMのNaCl、および10mMのNaN3、pH8.5)中で、NUNC Maxisorp(Life Technologies)平底高結合型96ウェルマイクロタイタープレート内に4℃で一晩被覆させた、0.5μg/ml遊離ヒトAss1−37ペプチドによる、直接ELISAであった。翌日、プレートを75μl/ウェルのPBS中0.1%カゼインによって、室温で60分間被覆して、非特異的結合を低下させた。次に50μlのハイブリドーマ上清を添加して、37℃で1時間インキュベートした。洗浄後、50μl/ウェルの西洋ワサビペルオキシダーゼ共役ヒツジ抗マウスIgGによって、37℃、1時間で結合モノクローナル抗体を検出した(Amersham−Pharmacia Biotech)。双方の試薬を0.1%カゼイン/PBS中で希釈した。プレートを洗浄して、50μlの100mMクエン酸および100mMリン酸水素二ナトリウム中の0.42mMの3,5,3’,5’−テトラメチル−ベンジジンおよび0.003%(vol/vol)のH2O2溶液(pH4.3)を基質として添加した。プレート振盪機上で反応を室温で最大15分間進行させ、その後、50μl/ウェルの2NHSOで発色を停止させて、450nmのマイクロタイタープレートリーダー(Thermomax,Molecular Devices)上でプレートを読み取った。選択されたモノクローナル抗体と全長ヒト遊離Ass1−38およびAss1−39ペプチドとの交差反応性を、スクリーニングアッセイと同一の直接ELISAで試験した。
選択性試験のためのサンドイッチELISA
ヒトAβ1−37、Aβ1−38、Aβ1−39、Aβ1−40、およびAβ1−42標準物質を0.1mg/mLでジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、−80℃で保存した。ELISAで使用するために、ペプチドをPBS中の0.1%カゼインで1pg/mLにさらに希釈した。被覆緩衝液中の濃度1.5μg/mLのモノクローナル抗体で、96ウェルプレート(ハーフエリア黒色プレート、Costar)を4℃で一晩被覆した。JRD/Aβ37/3をAβ1−37の捕捉抗体として使用した。翌日、プレートをPBS中の0.1%カゼインで、室温で1〜4時間洗浄してブロックした。HRPO標識二次抗体JRF/Aβ/N25(全長ヒトAβペプチドのN末端を特異的に認識する抗体(Mercken,M.et al.,Neurobiol Aging 21,S41(2000))と共に、標準物質および未希釈サンプルを4℃で一晩培養した。一晩のインキュベーション後プレートを洗浄し、製造会社の推奨事項に従って、Quantablu基質(Pierce)でAβ1−37アッセイを発色させた。
免疫ブロット−Aβ37モノクローナル抗体の特異性
5μgの各合成ペプチド(Aβ1−37、Aβ1−38、Aβ1−39、Aβ1−40、Aβ1−42)をNuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)ビス−トリス12%ゲル上に装填し、製造会社の使用説明書に従って、iBlotシステム(Invitrogen)の使用によって、ニトロセルロース膜上にブロットした。脱脂粉乳(NFDM)(5%w/v;Biorad)を含有する、トリス緩衝食塩水Tween−20(TBS−T;1Mトリス、150mM NaCl、および0.05%Tween−20、pH8.5)で膜を1時間ブロックし、TBS−T中で3回洗浄した。NFDM(5%w/v)含有TBS−Tで希釈された一次抗体(5μg/ml)と共に、4℃で一晩インキュベーションした。West Dura(登録商標)増強化学発光(Pierce,Thermoscientific)によって、HRPO(TBS−T中の1:20000、Amersham Biosciences)共役ヒツジ抗マウスIgを使用して、一次抗体を検出した。Lumi−imaging system(Roche Diagnostic)によって、シグナルを捕捉した。
一次抗体としてのJRD/Aβ37/3で検出することにより、選択されたAβ37モノクローナル抗体と、ヒトAβ1−38、Aβ1−39、Aβ1−40、およびAβ1−42合成ペプチドとの交差反応性を評価した。JRF/AβN/25モノクローナル抗体による検出を実施して、異なるペプチドの正しい装填を確認した。
結果を図1に示す。レーンは次のように装填した。
イヌCSF中のAβ1−37の定量化
12匹のビーグル犬に、流動食と共にメトセル懸濁液中の2つのGSM化合物(国際公開第2011/006903パンフレットからのGSMA:化合物97およびGSMB:化合物157)の1つを経口投与した。処置に先だって、および投薬の4、8、24、および48時間後に、脳脊髄液(CSF)を採取した。流動食は、120mlの濃縮流動食(Convalescence support(登録商標)、1袋を112.5mlの温水に溶解した)であり、投薬は給餌直前に実施した。
選択性試験のために、上述したような直接ELISA中で、JRD/Aβ37/3によってイヌ中のAβレベルを定量化した。
結果を図2に示す。
サルCSF中のAβ1−37の定量化
大槽(cistern magna)カテーテルが外科的に埋め込まれた、7匹の幼若カニクイザル(Macaca fascicularis)をGSM E−2012の単回経口投与で処置した。処理に先だって(0時間)および投与後の複数の時点(0.5、1、2、4、6、8、12、16、24、48時間)で、脳脊髄液(CSF)および血液を採取した。動物を臨床徴候について毎日観察し、投薬に先だって体重を記録した。
AlphaScreen(商標)法で、CSFサンプル中のAβレベルを定量化した。Aβ1−37合成ペプチド標準物質を0.1mg/mLでDMSOに溶解して、−80℃で保存した。アッセイで使用するために、0.05%Tween−20添加PBS中の0.1%カゼインで、ペプチドを10pg/mLにさらに希釈した。製造会社の使用説明書に従って、非結合受容体ビーズ(Perkin Elmer,Little Chalfont,UK)をモノクローナル抗体と共役させた。Aβ1−37アッセイで使用するために、抗体JRD/Aβ37/3を受容体ビーズと共役させた。製造会社の使用説明書に従って、ChromaLink(商標)ビオチン354S(SoluLink Biosciences)を使用して、JRF/AβN/25をビオチン化した。
384ウェルOptiplate内で、共役結合受容体ビーズ(12.5μg/mL)およびJRF/AβN/25ビオチン化抗体と共に、標準物質および予備希釈CSFサンプル(1/2希釈)を室温で1時間インキュベートした。引き続いて、ストレプトアビジン標識ドナービーズ(25μg/mL;Perkin Elmer)を反応混合物に添加した。室温で30分のインキュベーション後、Envisionマイクロタイタープレートリーダー(Perkin Elmer)上でプレートを読み取った。結果を図3に示す。
図2および3で提示されるデータは、GSM処置をモニターするための薬力学マーカーとして、Ass1−37ペプチド定量化を使用し得ることを示す。
ヒトCSF中のAβ1−37の定量化
MSD Sector装置SI6000およびMSDプロトタイプ4−plexプレートを使用して、Aβ37、Aβ38、Aβ40、およびAβ42について、9人の健常対照、6人の神経学的対照、および9人のアルツハイマー病患者からのCFSサンプルをスクリーニングした。このアッセイでは、Abeta37(JRD/Aβ37/3)、Abeta38(J&JPRD/Aβ38/5)、Abeta40(JRF/cAβ40/28)、およびAbeta42(JRF/cAβ42/26)に対して特異的な精製モノクローナル抗体で、MSD4−plexプレートを被覆して、スルホタグ標識JRF/AβN/25抗体を検出抗体として使用した。MSDの電気化学発光検出技術を使用して、Abeta37、Abeta38、Abeta40、およびAbeta42の同時の特異的検出を実施した。スルホタグは、4−plexプレートの電極表面で開始される電気化学刺激時に、発光する。
結果を表2および図4に示す。
Aβ断片の相対量間で、平均比を計算し得る。結果を表3および図5に示す。

Claims (12)

  1. Aβx−37ペプチドを特異的に認識する、モノクローナル抗体。
  2. 前記Aβx−37ペプチドが、Aβ−ペプチド断片Ass1−37、Ass3−37、Ass3p−37、Ass11−37、およびAss11p−37からなる群から選択される、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 検出可能に標識される、請求項1または2に記載の抗体。
  4. 前記検出可能な標識が、放射性標識、酵素標識、ルミネセンス標識、または蛍光標識である、請求項3に記載の抗体。
  5. 担体上に固定化される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗体。
  6. 2011年2月1日にそれぞれ受入番号LMBP 8062CBおよびLMBP 8063CBの下にBelgian coordinated collection of microorganismsに寄託された、ハイブリドーマ細胞JRD/Ab37/3 scl1またはJRD/Ab37/4 scl1のいずれか、または2011年3月30日に受入番号LMBP 8064CBの下にBelgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託されたハイブリドーマJRD/Ab37/10 scl1による、請求項1から5のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  7. 前記サンプルを請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体に接触させて、前記抗体と前記Aβx−37ペプチドとの間に免疫複合体が形成されかどうかを測定するステップを含んでなる、サンプル中のAβx−37ペプチドを測定または検出するための免疫測定法。
  8. 前記サンプルが、哺乳類からの組織サンプルおよび体液サンプルからなる群から選択される、請求項7に記載のAβx−37ペプチドの存在を測定または検出する方法。
  9. β−アミロイド関連疾患を診断するための請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  10. 治療を受ける患者の生物学的サンプル中のAβx−37ペプチド量およびAβ42ペプチド量を一定時間毎に測定するステップと、
    前記Aβx−37ペプチド量および前記Aβ42ペプチド量の相対変化を経時的に測定するステップとを含んでなる、β−アミロイド関連疾患の治療をモニタリングする方法。
  11. 前記Aβx−37ペプチド量を測定するステップが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体を使用して実施される、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体と、前記抗体運搬手段とを含んでなる、β−アミロイド関連疾患の診断、進行モニタリングまたは治療モニタリングのための免疫測定法キット。
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