JPH0890927A - 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法 - Google Patents

感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法

Info

Publication number
JPH0890927A
JPH0890927A JP6297249A JP29724994A JPH0890927A JP H0890927 A JPH0890927 A JP H0890927A JP 6297249 A JP6297249 A JP 6297249A JP 29724994 A JP29724994 A JP 29724994A JP H0890927 A JPH0890927 A JP H0890927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
active energy
layer
curable resin
release film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6297249A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
Koichi Yasui
広一 保井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP6297249A priority Critical patent/JPH0890927A/ja
Publication of JPH0890927A publication Critical patent/JPH0890927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高光沢、高平滑な表面を有し、高濃度、高画質
の画像を得る。 【構成】支持体1上に、無色ないし淡色の塩基性染料と
該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発色
記録層2、活性エネルギー線硬化型樹脂層4及び該活性
エネルギー線硬化型樹脂層との界面から剥離可能な剥離
フィルム5を順に有し、記録後、剥離フィルム5を剥ぎ
取ると活性エネルギー線硬化型樹脂層4の高光沢、高平
滑な面が現れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高平滑、強光沢な面が
得られ、且つ最大発色濃度が高い感熱記録体及びその製
造方法並びにその感熱記録体の記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無色ないし淡色の塩基性染料と、
有機ないし無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱によ
り両発色物質を接触せしめて発色像を得るようにした感
熱記録体は良く知られている。かかる感熱記録体は比較
的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつその保
守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種計算機
等の記録媒体、感熱ラベル等巾広い分野において使用さ
れている。更に、入力されたエネルギーに応じて記録濃
度をコントロールすることが容易なため、階調性を必要
とするビデオプリンター用の記録媒体としても注目され
ている。
【0003】ところで近年、より高濃度、高画質の記録
画像を得る要望が高まっており、このため、感熱記録層
上に熱可塑性樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂よりな
るオーバーコート層を設けることにより、光沢を持た
せ、記録濃度の向上を図ることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き方法では、スティッキング(感熱ヘッドと記録体と
の貼り付きや走行不良)の問題が付随するため、オーバ
ーコート層中に顔料等の粗面化剤の添加が必要であり、
光沢、画像濃度、画質の向上に限界があるのが現状であ
る。
【0005】本発明は、極めて高光沢、高平滑な表面を
有し、高濃度、高画質の画像を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録体は、
支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料と該染料と接
触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発色記録層、活
性エネルギー線硬化型樹脂層及び該活性エネルギー線硬
化型樹脂層との界面から剥離可能な剥離フィルムを順に
有する。更に、感熱発色記録層と活性エネルギー線硬化
型樹脂層の間に、水系組成物より成る中間層を少なくと
も1層有しても良い。また、剥離フィルムが、耐熱性合
成樹脂フィルムであると好ましい。剥離フィルムが記録
を確認できるように実質的に透明であっても良い。ま
た、剥離フィルムが記録を確認できないような隠蔽シー
トであってもよい。その場合は、隠蔽シートは金属蒸着
フィルムが好ましい。剥離フィルム上に、スティッキン
グ防止層を有しても良い。
【0007】本発明の感熱記録体の製造方法は、支持体
上に、無色ないし淡色の塩基性染料と該染料と接触して
呈色し得る呈色剤を含有する感熱発色記録層を設け、更
に水系組成物より成る中間層を必要に応じ設け、感熱発
色記録層又は中間層と剥離フィルムを、活性エネルギー
線硬化型樹脂層を介して貼り合わせた後、活性エネルギ
ー線を照射するものである。また活性エネルギー線が電
子線であることが好ましい。
【0008】本発明の感熱記録体の記録方法は、剥離フ
ィルム側から情報を熱記録後、剥離フィルムを剥がすこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明における感熱記録体の支持体としては可
とう性のあるシート状の物であれば特に限定するもので
はなく、例えば一般に公知の各種コーテッド紙、上質
紙、合成紙、金属化紙、着色紙等の紙シート類;ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のプラスチックフィルム類;銅、鉄、アルミニウム等
の金属箔類;布類等或いはこれらの貼り合わせ体、積層
体等が適宜用いられる。画質を重視する場合には、上記
のうち表面平滑性、及び断熱性やクッション性に優れる
ものを選択するのが好ましく、支持体と感熱発色層の間
に、適当な下塗り層を設けたり、表面平滑性、及び断熱
性やクッション性に優れる合成樹脂フィルムを用いたり
することも効果的である。特に、内部に微多孔を有する
ポリオレフィン系やポリエステル系の合成樹脂フィルム
が有用である。このような合成樹脂フィルムの商品例と
しては例えば、王子油化合成紙株式会社製のユポ、日清
紡株式会社製のピーチコート、東洋紡株式会社製のトヨ
パール、クリスパー等が挙げられる。
【0010】本発明では先ず、上記の如き支持体上に、
感熱発色記録層を設ける。感熱発色記録層に含有される
無色ないし淡色の塩基性染料と、有機ないし無機の呈色
剤の組み合わせについては特に限定されるものではな
く、熱によって両者が接触して呈色反応を起こすような
組み合わせなら何れも使用可能である。例えば無色ない
し淡色の塩基性染料としては各種のものが公知であり、
例えば下記が挙げられる。
【0011】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−p−ジメチ
ルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタ
ン系染料、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン等のジフェニルメタン系染料、ベンゾイルロイ
コメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレ
ンブルー等のチアジン系染料、3−メチル−スピロ−ジ
ナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、
3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル
−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト(6′
−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピ
ロ−ジベンゾピラン等のスピロ系染料、ローダミン−B
−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリ
ノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラク
タム等のラクタム系染料、3−(N−エチル−N−i−
ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルア
ミノ−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニル
アミノフルオラン等のフルオラン系染料。その他特開平
3−79387 号に記載の無色ないし淡色の塩基性染料が挙
げられる。
【0012】また塩基性無色染料と接触して呈色する無
機ないし有機の酸性物質も各種のものが公知であり、例
えば、活性白土、酸性白土、アタパルジャイト、ベント
ナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機
酸性物質、4−ヒドロキシ−4' −イソプロポキシジフ
ェニルスルフォン、4,4’−イソプロピリデンジフェ
ニール(ビスフェノールA)、4−tert−ブチルフェノ
ール、4−ヒドロキシジフェノキシド、4−ヒドロキシ
アセトフェノール、4−(3−p−トリルスルホニルプ
ロピルオキシ)サルチル酸の亜鉛塩等の他、特開平3−
79387 号に記載の呈色剤が挙げられる。
【0013】本発明において、記録層中の塩基性染料と
酸性物質の使用比率は種類に応じて適宜選択する。一般
に塩基性染料1重量部に対して1〜50重量部、好ましく
は1〜10重量部程度の酸性物質が使用される。これらの
物質を含む塗布液の調成には、一般に水を分散媒体と
し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・
粉砕機により塩基性染料と酸性物質とを一緒に又は別々
に分散し、塗液として調成される。
【0014】かかる塗液中に用いられる接着剤(バイン
ダー)の水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂としては下
記の物質が例示される。水溶性樹脂として;デンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ア
ラビアゴム、ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸
共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレ
ン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。
【0015】水分散性樹脂としては;スチレン・ブタジ
エン共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−塩化ビニル−
エチレン共重合体エマルジョン等が挙げられる。バイン
ダー全体の使用量は全固形分の10〜40重量%、好ましく
は15〜35重量%程度用いられる。尚、耐水性を充分に付
けるためには水分散性樹脂をバインダー中に50重量%以
上含有させるのが好ましい。
【0016】さらに、塗液中には各種の助剤を添加する
ことができ、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン酸
塩、脂肪酸金属塩等の分散剤、ベンゾフェノン系、トリ
アゾール系等の紫外線吸収剤、その他消泡剤、螢光染
料、着色染料等が挙げられる。
【0017】また必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバ
ロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑
剤、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成
クレー、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活
性白土等の無機顔料、及びステアリン酸アミド、ステア
リン酸メチレンビスアミド、オレイン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、抹香オレイン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミ
ド等の脂肪族酸アミド、1,2−ジフェノキシエタン、
1,2−ビス(3−メチルフェノキシン)エタン、1,
2−ビス(4−メチルフェノキシン)エタン等のエーテ
ル類、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステ
ル、ジベンジルラレフタレート、シュウ酸ジベンジル、
シュウ酸ビス(p−クロロベンジル)、p−ベンジルオ
キシ安息香酸ベンジル等のエステル類、p−ベンジルビ
フェニル、m−ターフェニル等の芳香族化合物や各種公
知の熱可融性物質を増感剤として添加することもでき
る。
【0018】感熱発色記録層の塗布方法は特に限定され
るものではなく、従来から周知慣用の技術に従って形成
することができ、例えばバーコーティング、エアーナイ
フコーティング、ロッドブレードコーティング、ピュア
ーブレードコーティング、ショートドゥエルコーティン
グ等により塗液を塗布・乾燥する方法等によって形成さ
れる。なお、支持体としてプラスチックフィルムを使用
する場合等では、表面にコロナ放電、電子線照射等の処
理を施すことによって、塗布効率を高めることもでき
る。また塗液の塗布量についても特に限定されるもので
はないが、通常乾燥重量で2〜20g/m2 、好ましく
は3〜15g/m2 程度の範囲である。
【0019】本発明の感熱記録体では、かくして得られ
た感熱発色記録層面と剥離フィルムを、活性エネルギー
線硬化型樹脂を用いて貼り合わせるが、活性エネルギー
線硬化型樹脂に対するバリヤー性を付与するため感熱発
色記録層上に中間層を設けることが好ましい。中間層
は、感熱発色記録層のカブリや発色性低下を防ぐため
に、水系塗布組成物より形成される必要がある。この水
系塗布組成物は、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂、
及び必要に応じ顔料を主成分とする。ここで水溶性樹脂
及び/又は水分散性樹脂としては下記の物質が例示され
る。
【0020】水溶性樹脂として;完全ケン化または部分
ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールと
ジケテンを反応させる等によってアセトアセチル基を導
入したアセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水イタコン酸等の多価カルボン酸との反応
物あるいはこれらの反応物のエステル化物、さらには酢
酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、アクリル酸、メタアクリル酸等のエチレン性不飽
和カルボン酸との共重合体のケン化物として得られるカ
ルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとエチ
レンスルホン酸、アリルスルホン酸等のオレフィンスル
ホン酸あるいはその塩との共重合体のケン化物として得
られるスルホン酸変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニ
ルとエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテ
ン、α−ドテセン、α−オクタドデセン等のオレフィン
類との共重合体をケン化して得られるオレフィン変性ポ
リビニルアルコール、酢酸ビニルとアクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のニトリル類との共重合体のケン
化物として得られるニトリル変性ポリビニルアルコー
ル、酢酸ビニルとアクリルアミド、メタクリルアミド等
のアミド類との共重合体をケン化して得られるアミド変
性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとN−ビニルピロ
リドンとの共重合体をケン化して得られるピロリドン変
性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、アラ
ビアゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱
粉、エステル化澱粉等の澱粉類等がある。
【0021】水分散性樹脂として;スチレン−ブタジエ
ン共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−塩化ビニル−エ
チレン共重合体エマルジョン、メタクリレート−ブタジ
エン共重合体エマルジョン等がある。顔料の具体例とし
ては炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二
酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム、硫酸亜鉛、タルク、カオリン、クレー、焼成ク
レー、コロイダルシリカ等の無機顔料、スチレンマイク
ロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、
尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒等の有機顔料
等が例示される。この中でもとりわけカオリンが耐水
性,バリアー性が優れているため好ましい。
【0022】さらに中間層を形成する塗液中には必要に
応じてグリオキザール、メチロールメラミン、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二
鉄、塩化マグネシウム、硼酸、塩化アンモニウム等の硬
化剤を添加してもよく、必要に応じてステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド、ポ
リエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワック
ス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム
塩、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ベン
ゾフェノン系、トリアゾール系等の紫外線吸収剤、消泡
剤、螢光染料、着色染料等の各種助剤を適宜添加するこ
ともできる。
【0023】中間層を形成するための塗液は、一般に水
性系塗液として調成され、必要に応じてミキサー、アト
ライター、ボールミル、ロールミル等の混合・撹拌機に
よって十分混合分散された後、各種公知の塗布装置によ
り感熱記録層上に塗布される。塗布後、紫外線や電子線
を照射して硬化乾燥することもできる。なお、硬化剤を
併用する場合には、硬化剤を中間層を形成する塗液中の
みならず、中間層を形成する塗液とは別に塗布すること
もでき、別に塗布する場合には塗液のポットライフを懸
念する必要がなく、強力な硬化剤を選択できる利点があ
る。
【0024】中間層を形成する塗液の塗布量は、特に限
定されるものではないが、0.1g/m2 未満では所望
の効果を充分に得ることができず、また、10g/m2
を超すと感熱記録体の記録感度を低下させる恐れがある
ため、一般には乾燥重量で0.1〜10g/m2 、好ま
しくは0.5〜5g/m2 程度の範囲で調節される。上
記の如くして形成された中間層の平滑度はベック平滑度
で200〜20000秒程度の範囲が好ましい。200
秒以下では、記録濃度や画質或いはバリヤー性の点で不
充分と成りやすく、20000秒以上では貼り合わせる
活性エネルギー線硬化型樹脂層との密着性が低下する恐
れがある。このような平滑度の範囲に調節するため、必
要に応じスーパーカレンダー等で表面平滑化処理を施し
ても良い。
【0025】かくして得られた感熱発色記録層面、或い
は中間層面と剥離フィルムを、活性エネルギー線硬化型
樹脂を用いて貼り合わせる。貼り合わせた後、この活性
エネルギー線硬化型樹脂層に活性エネルギー線を照射し
て硬化させる。この際に、活性エネルギー線硬化型樹脂
層と接触する剥離フィルムの面の平滑性が活性エネルギ
ー線硬化型樹脂層面に転写されることになる。そのた
め、剥離フィルムの接触面の平滑性が高ければ高い程、
活性エネルギー線硬化型樹脂層との界面から剥がした
際、より高平滑な面を有する活性エネルギー線硬化型樹
脂層が得られるので好ましい。この剥離フィルムの接触
面の平滑性としては、例えば表面粗さ(Ra:中心線平
均粗さ)で表現すれば1μm以下、好ましくは0.5μ
m以下である。この活性エネルギー線硬化型樹脂層の高
平滑な面から感熱発色記録層面の記録を見ることになる
ので、この活性エネルギー線硬化型樹脂層の面を記録面
という。
【0026】また、剥離フィルムと活性エネルギー線硬
化型樹脂層の界面からの剥離性が良い必要があり、少な
くとも剥離フィルムを剥がした際、活性エネルギー線硬
化型樹脂層が感熱発色記録層或いは中間層に残るように
するため、剥離フィルムと活性エネルギー線硬化型樹脂
層との間の接着力Aを、活性エネルギー線硬化型樹脂層
と感熱発色記録層或いは中間層との間の接着力Bより小
さくする必要がある。
【0027】このようにするためには、1)活性エネル
ギー線硬化型樹脂との接着力が弱い剥離フィルムを選択
するか、2)剥離フィルムに対して接着力の弱い活性エ
ネルギー線硬化型樹脂を選択することが考えられるが、
2)の剥離フィルムに対して接着力の弱い活性エネルギ
ー線硬化型樹脂の場合、一般に感熱発色記録層或いは中
間層に対しても接着力が弱いことが多く、1)の方法が
より好ましい。ここで剥離フィルムとしてポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リエチレンフィルム等のフィルムを考えると、これらの
フィルムでは特別に表面に粗面加工や易接着処理(コロ
ナ放電処理、プラズマ放電処理、アンカーコート処理)
等を施さない限り、一般の活性エネルギー線硬化型樹脂
に対して弱い接着力を示す。
【0028】また、感熱発色記録層或いは中間層上にコ
ロナ放電処理等の接着性を高める処理を施し、活性エネ
ルギー線硬化型樹脂層と感熱発色記録層或いは中間層と
の間の接着力Bを高めることも有効である。さらに剥離
フィルムの活性エネルギー線硬化型樹脂層と貼り合わせ
る面に、シリコーン化合物やフッ素化合物等の離型剤を
塗工し、剥離フィルムと活性エネルギー線硬化型樹脂層
との間の接着力Aを弱くすることも可能である。
【0029】さらに、剥離フィルムとしては、感熱ヘッ
ドによるスティッキング防止の点で耐熱性のあるものが
好ましい。このような剥離フィルムとしては、例えばポ
リエチレンテレフタレートフィルムやポリイミドフィル
ム等が挙げられる。以上を総合的に観て、平滑性、剥離
性、耐熱性、強度、コストの兼ね合いからポリエチレン
テレフタレートフィルムが最も好ましいものである。
【0030】ここで、剥離フィルムの厚さは、3〜50
μm好ましくは6〜25μmが適当である。3μmより
薄いと、貼り合わせの際、皺になり易く製造上問題とな
る場合があり、更に剥離の際、破け易くなる場合があ
る。また、50μmより厚いと感熱ヘッドからのエネル
ギーが伝わり難くなり、発色感度が著しく低下しやす
い。
【0031】剥離フィルムは記録直後の感熱記録を確認
できるようにしたい場合は、透明または半透明の実質的
に透明なものを使用すると良い。また、感熱記録を剥離
フィルムをはぎとるまで隠蔽する目的のために剥離フィ
ルムを隠蔽シートにすることができる。このような隠蔽
シートとしては、完全に不透明なフィルムや、記録の発
色と同じ色に着色した透明フィルムを使用することもで
きる。ここで、不透明フィルムとしては顔料を練り込ん
で不透明化したものや、発泡により不透明にしたもの、
さらに隠蔽性の着色インクで印刷したフィルム、地紋印
刷を施したフィルム、金属蒸着を施した蒸着フィルム、
顔料等を含んだ隠蔽性のある塗被層を設けたフィルム等
があげられる。
【0032】この中でも金属蒸着フィルムが隠蔽性に極
めて優れるため好ましい。ここで蒸着する金属として
は、アルミニウム、銅、ニッケル、銀、金等があげられ
るが、コスト等の面からアルミニウムが好ましい。ま
た、蒸着層の厚さは100〜1000Å位が好ましく、
100Åよりうすいと隠蔽性が不十分となりやすく、1
000Åより厚いと効果は飽和し経済的にメリットが少
なくなる。但し、100Å程度より薄くなった場合は蒸
着金属の種類に応じて着色付の透明性が得られるので、
記録の色とその着色を合わせることによって隠蔽性が得
られる。
【0033】蒸着層はフィルムの外側(印字面)に設け
ても、内側(はりあわせ面)に設けてもどちらでもかま
わない。尚、蒸着処理はあらかじめ蒸着処理したフィル
ムをはりあわせるかフィルムをはりあわせた後、フィル
ム表面に蒸着処理を施す方法のいずれでも可能である
が、生産性を考慮すると、あらかじめ蒸着処理したフィ
ルムを使用する方が良い。
【0034】特に、このように隠蔽目的に使用した場
合、隠蔽シートとなる剥離フィルムは一旦剥がすと、再
度、活性エネルギー線硬化型樹脂層に貼り合わせること
ができないので、隠蔽してある記録が見られたか否かが
すぐ分かるという長所がある。
【0035】また剥離フィルムを剥離し易くする上で、
剥離フィルムの少なくとも一部、例えば端部を記録面よ
りはみ出すように成型することが好ましい。もちろん、
記録面の一部が露出するように剥離フィルムを成型する
こともできる。また、活性エネルギー線硬化型樹脂層を
部分的に形成する、例えば辺縁部を非塗布部分として部
分的に塗布することによっても同様の効果が得られ、そ
の上、剥離フィルム、感熱発色記録層、支持体等の大き
さを揃えられるので非常に好ましい。
【0036】また、剥離フィルム上には、スティッキン
グ防止の効果を更に向上させるため、スティッキング防
止層を設けることが好ましい。スティッキング防止層
は、剥離フィルムを貼り合わせる前に予め設けておいて
も良いし、貼り合わせた後で設けても良い。スティッキ
ング防止層としては、スティッキングを効果的に防止で
きるものであれば特に限定するものではないが、無機や
有機の顔料等の微粒子や滑剤を含有する組成物を塗工す
ると良い。具体的には、上述した中間層に用いた様な水
溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂及び顔料を主成分とす
る水系塗布組成物や、下述する活性エネルギー線硬化型
樹脂及び顔料を主成分とする活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物等が挙げられる。勿論このスティッキング防止
層に先出の隠蔽性をもたせることも可能である。
【0037】また、隠蔽シートを使用した場合に、隠蔽
シート上に感熱記録の痕跡が観察できる時がある。この
ような時には隠蔽シート上に光りの乱反射を起こさせる
乱反射層を設けることが好ましい。このような層は顔料
の微粒子を塗工することによって形成することができ
る。従って、このスティッキング防止層が乱反射層を兼
ねることも可能になる。この場合はスティッキング防止
層の表面の光沢度が低下するように、仕上げることが好
ましい。
【0038】貼り合わせに用いる活性エネルギー線硬化
型樹脂は、活性エネルギー線照射により硬化するもので
あれば特に限定するものではないが、加熱による感熱発
色層の発色や、基材のぼこつき、カールがないという観
点から、乾燥工程を伴わないことが好ましく、この為に
は無溶剤のものが好ましい。また樹脂の粘度は、10〜
10000cps程度が、更に好ましくは100〜50
00cps程度が適当である。10cpsより低いと、
貼り合わせの際、樹脂がしみだしたり、感熱発色層また
は中間層に含浸し、貼り合わせが不充分となったり、感
熱発色層の発色や減感が生じる恐れがあり、10000
cpsより高いと、塗工面が不均一になり、均一な貼り
合わせ面が得られ難くなる場合がある。
【0039】貼り合わせに用いる活性エネルギー線硬化
型樹脂の塗布量は、特に限定されるものではないが、
0.1g/m2 未満では所望の効果を充分に得ることが
できず、また、15g/m2 を超すと感熱記録体の記録
感度を低下させる恐れがあるため、一般には乾燥重量で
0.1〜15g/m2 、好ましくは0.5〜10g/m
2 程度の範囲で調節される。活性エネルギー線硬化型樹
脂は、例えば、下記に示すようなモノマーやオリゴマー
或いはこれらの混合物が用いられる。 (A)ラジカル重合性単官能モノマー アクリル酸、アクリル酸エチル、ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキ
シエチルアクリレート、トリロキシエチルアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルオキシエチルアクリレート、1、3−ジオ
キソランアクリレート、フェノキシジエチレングリコー
ルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシク
ロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリ
レート、グリシジルアクリレート、カルビトールアクリ
レート、イソボルニルアクリレート等。 (B)ラジカル重合性多官能モノマー 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ジシクロペンタニルジアクリレート、ブチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プ
ロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変
性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート等。 (C)ラジカル重合性オリゴマー(プレポリマー) ポリエステル(ポリ)アクリレートやウレタン(ポリ)
アクリレート、エポキシ(ポリ)アクリレート、ポリオ
ール(ポリ)アクリレート、シリコーン(ポリ)アクリ
レート等。
【0040】更に、2−クロロエチルビニルエ−テル、
2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、4−ヒドロキシ
ブチルビニルエ−テル、トリエチレングリコールジビニ
ルエ−テル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビ
ニルエーテル等のカチオン重合性モノマー又は/及びオ
リゴマーも使用することができる。尚、カチオン重合性
モノマー又は/及びオリゴマーを配合する場合には、カ
チオン重合開始剤が必要である。このようなカチオン重
合開始剤とは、活性エネルギー線照射により、カチオン
重合を開始させる物質であれば特に限定するものでない
が、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム
塩、メタロセン化合物等があげられる。尚、これらのカ
チオン重合開始剤の添加量は、カチオン重合性モノマー
又は/及びオリゴマー100重量部に対し、0.1〜1
0重量部程度が好ましく、0.1重量部より少ないと重
合開始能が不十分となりやすく、10重量部より多い
と、効果が飽和となるばかりか、カチオン重合開始剤の
溶解性が悪くなり、塗膜の透明性が劣る等の悪影響が生
じる可能性がある。
【0041】貼り合わせの方法としては、1)活性エネ
ルギー線硬化型樹脂を感熱発色記録層面或いは中間層面
上に塗布し、剥離フィルムと貼り合わせる、2)活性エ
ネルギー線硬化型樹脂を剥離フィルム上に塗布し、感熱
発色記録層面、或いは中間層面と貼り合わせる、3)活
性エネルギー線硬化型樹脂を感熱発色記録層面或いは中
間層面上と剥離フィルム上の両方に塗布し、貼り合わせ
る方法が挙げられる。貼り合わせる際の装置としては特
に限定するものではないが、通常、適当な圧力、例えば
0.5〜50kg/cmの線圧をかけた2本のロール
(ニップロール)間を通すことにより行われる。
【0042】該活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布する
方法は特に限定されず、例えばバーコーター、ロールコ
ーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、オ
フセットグラビアコーター等の通常の塗布手段が適宜使
用される。なお、塗布面及び貼り合わせ面を、予めコロ
ナ放電処理、放射線処理、プラズマ処理等によって前処
理して、活性エネルギー線硬化型樹脂の濡れ性や密着性
をコントロールすることも可能である。
【0043】前述した活性エネルギー線硬化型樹脂中に
は、必要に応じて、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散
剤、帯電防止剤、レベリング剤、滑剤等の各種助剤を所
望の効果を阻害しない範囲で適宜添加することができ
る。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X
線、γ線等が挙げられるが、取扱い易さや、安全性の点
から紫外線、電子線が好ましい。特に電子線の場合、透
過性に優れ不透明基材側からの照射も可能である、熱の
発生が少なく感熱発色層のカブリ(熱による発色のため
の白色度低下)が少ない、光ラジカル重合開始剤を配合
する必要がなく、臭気が少ない、耐光性、塗布組成物の
保存安定性に優れる、生産性が高い等の種々の長所を有
する為、特に好ましい。
【0044】電子線を使用する場合、照射する電子線の
量は、吸収線量として1〜200kGy程度の範囲で調
節するのが望ましい。1kGy未満では十分な照射効果
が得られず、200kGyを超えるような照射は紙類や
ある種のプラスチックフィルム等の基材を劣化させる恐
れがあるため好ましくない。電子線の照射方式として
は、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブ
ロードビーム方式等が採用され、電子線を照射する際の
加速電圧は、照射する側の基材の厚さによりコントロー
ルする必要があるが、150〜300kV程度が適当で
ある。
【0045】活性エネルギー線として紫外線を使用する
場合、塗布組成物中に光ラジカル重合開始剤を配合する
必要があり、例えばチオキサントン、ベンゾイン、ベン
ゾインアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサント
ン、ベンゾフェノン、アントラセン、ベンジル、2,2 −
ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケター
ル、ジフェニルジスルフィド、アントラキノン、1−ク
ロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−
ter −ブチルアントラキノン、N,N’−テトラエチル
−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1 −ジクロロ
アセトフェノン等のラジカル重合開始剤の一種以上が適
宜配合される。なお、光ラジカル重合開始剤の使用量は
組成物全体の0.2 〜10重量%、好ましくは 0.5〜 5重量
%程度の範囲で調節するのが望ましい。紫外線照射用の
光源としては、1〜50個の紫外線ランプ(例えば数mmHg
から約10気圧までの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧
水銀ランプ)、キセノンランプ、タングステンランプ等
が用いられる。尚、紫外線を使用する場合は、不透明基
材は透過しにくいため、透明な剥離フィルムを使用する
場合に適用でき、剥離フィルム側から照射する必要があ
る。
【0046】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、図1を参
照しながら更に詳述するが、勿論これらに限定されるも
のではない。図1はこの発明の感熱記録体の一実施例の
構成を示す断面図である。なお、例中の部は重量部を示
す。
【0047】実施例1 下記に示すA液45部、B液80部、20%酸化澱粉水
溶液50部、水10部を混合、攪拌して調製した塗液
を、支持体1となる80g/m2 の合成紙(商品名;ユ
ポ、王子油化合成紙製)に乾燥後の塗布量が8g/m2
となるように塗布乾燥し、感熱発色記録層2を形成し
た。 〔A液調成〕3−(N−シクロヘキシル−N−メチルア
ミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン1
0部、メチルセルロース5%水溶液5部、水30部から
なる組成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるま
で粉砕した。 〔B液調成〕4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル20部、
メチルセルロース5%水溶液5部、水55部からなる組
成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるまで粉砕
した。
【0048】次に、上記の如くして得られた感熱発色記
録層2上に、アセトアセチル化ポリビニルアルコール
(商品名:Z−200,日本合成化学社製)8%水溶液
1000部、炭酸カルシウム(商品名:ソフトン180
0、備北粉化社製)100部、水100部よりなる中間
層用組成物を、乾燥後の塗布量が3g/m2 となるよう
に塗布乾燥し、更にスーパーカレンダーで平滑化処理し
てベック平滑度が5000秒である中間層3を形成し
た。
【0049】次に、電子線硬化型樹脂(Ebecryl
810;ダイセルUCB社製)を乾燥重量で4g/m
2 になるように塗布、形成した活性エネルギー線硬化型
樹脂層4と、剥離フィルム5となるポリエチレンテレフ
タレートフィルム(E5001,12μm厚、東洋紡
製)とをラミネーターで貼り合わせた後、直ちに、電子
線照射装置(エレクトロカーテンCB−150 ;ESI社
製)を用いて、加速電圧175kVで吸収線量として3
0kGyの電子線をポリエチレンテレフタレートフィル
ム側より照射した。
【0050】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に、コロナ処理を施した後、上記の中間層と同様の
組成物を、乾燥後の塗布量が2g/m2 となるように塗
布乾燥し、スティッキング防止層6を形成した。
【0051】実施例2 支持体1となる105g/m2 の上質紙に、実施例1と
同様にして、乾燥後の塗布量が8g/m2 になるように
感熱発色記録層2を形成し、更に、乾燥後の塗布量が3
g/m2 になるように中間層3を形成した。次に、電子
線硬化型樹脂(Ebecryl 810;ダイセルUC
B社製)を乾燥重量で4g/m2 になるように塗布、形
成した活性エネルギー線硬化樹脂層4と剥離フィルム5
となる金属蒸着フィルムの金属蒸着面とをラミネータで
貼り合わせた後、直ちに、実施例1で使用した電子線照
射装置を用いて、加速電圧175kVで吸収線量として
30kGyの電子線を剥離フィルム側から照射した。
【0052】尚、金属蒸着フィルムとしては、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(E5001、12μm
厚、東洋紡製)の片面に真空蒸着機を用いてアルミニウ
ムを500Åの厚さに蒸着したものを用いた。次に剥離
フィルム上(金属蒸着が施されていない面上)にコロナ
処理を施した後、上記の中間層と同一組成のスティッキ
ング防止層を乾燥後の塗布量が2g/m2 になるように
塗布、乾燥して形成した。
【0053】比較例1 中間層までは、実施例1と同様にして作製し、この上
に、電子線硬化型樹脂(Ebecryl 810;ダイ
セルUCB社製)を乾燥重量で4g/m2 になるように
塗布し、加速電圧175kVで吸収線量として30kG
yの電子線を照射した。
【0054】比較例2 中間層までは、実施例1と同様にして作製し、この上
に、電子線硬化型樹脂(M−8030,東亜合成化学工
業社製)100部と、炭酸カルシウム(商品名:PP−
2、米庄石灰工業社製)2部よりなる樹脂組成物を乾燥
重量で2g/m2になるように塗布し、加速電圧175
kVで吸収線量として30kGyの電子線を照射した。
【0055】比較例3 中間層までは、実施例1と同様にして作製し、この上
に、電子線硬化型樹脂(M−8030,東亜合成化学工
業社製)100部と、炭酸カルシウム(商品名:PP−
2、米庄石灰工業社製)20部よりなる樹脂組成物を乾
燥重量で2g/m 2 になるように塗布し、加速電圧17
5kVで吸収線量として30kGyの電子線を照射し
た。
【0056】比較例4 実施例1と同様にして、中間層まで設けたものを記録体
とした。
【0057】かくして得た各記録体に昇華転写記録用の
感熱ヘッドを備えたテストプリンターを用いて、印加エ
ネルギーをそれぞれの記録体に適合するように変えてグ
レイスケール(階調)記録をおこなった。実施例で得ら
れた記録体については、この後、剥離フィルム5を図2
に示すように剥離した。図2はこの発明の感熱記録体の
剥離フィルム5を剥離した状態を示す断面図である。剥
離フィルム5は問題なくスムーズに、電子線硬化型樹脂
層4との界面で剥離できた(剥離力は50〜60g/5
0mmであった)。これらの記録像に付き下記の項目に
ついて評価した。 〔スティッキング〕 ○ ;記録ヘッドへの貼り付きが全くなく極めてスムー
ズに記録できた。 △ ;記録ヘッドへの貼り付きに起因するスティッキン
グ音が発生した。 × ;記録体が記録ヘッドに貼り付き、走行不良を起こ
した。 〔最大発色濃度〕マクベス濃度計(RD−100R型、
マクベス社製)で測定した。数値が大きい程記録濃度が
高い。 〔表面の光沢度〕75度の入射角で測定した。(JIS
P8142に準拠) 以上の項目についての評価結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】〔評価〕表1の結果から明らかなように、
本発明の実施例で得られた感熱記録体は、スティッキン
グの発生もなく、極めて高い光沢と最大発色濃度を有し
ていることが判った。従来の感熱記録体にはない、極め
て商品価値の高いものである。尚、実施例では一種類の
活性エネルギー線硬化型樹脂(電子線硬化型樹脂)につ
いてのみ記述したが、この他にも広範囲の樹脂が選択可
能である。例えば、従来の感熱記録体ではヘッドと直接
接触するオーバーコート層に用いる電子線硬化型樹脂は
耐熱性を考慮する必要がある。しかし、この様な耐熱性
に優れた樹脂は柔軟性に欠ける場合が多く、コート量が
多くなると折れ割れ等を生じる恐れもあり、その選択に
は注意を要した。これに対し、本発明で用いる活性エネ
ルギー線硬化型樹脂層はヘッドと直接接触することがな
いので耐熱性に大きな配慮を払う必要が無く柔軟性、熱
伝導性等にのみ配慮すれば良い。特に、柔軟な層を形成
するとカールしにくくなったりする利点が得られる。ま
た、活性エネルギー線硬化型樹脂を適宜選択することに
より、フィルムを剥離する際の剥離力をコントロールす
ることも可能である。
【0060】記録前の保存時から記録後に剥離フィルム
を剥がすまで、極めて高い光沢と平滑性を有する活性エ
ネルギー線硬化型樹脂層の表面が剥離フィルムに覆われ
て保護される。すなわち、その間に、外部からの機械的
な力や化学的な作用を受けても剥離フィルムが完全にそ
れらを防いだり、または若干の傷や損傷を剥離フィルム
自身が受けることによって内部の活性エネルギー線硬化
型樹脂層の表面は守られる。具体的にはひっかき傷防止
や薬品や溶剤による発色や減感の防止を行うことができ
る。
【0061】尚、実施例1で得られた感熱記録体は記録
後、剥離フィルムを剥がす前も、記録状態を確認できる
ものであったのに対して、実施例2で得られた感熱記録
体は記録後、剥離フィルムを剥がすまでは記録状態が全
く判別できず、極めて隠蔽性の高いものであった。更
に、一旦剥がした剥離フィルムには全く粘着性が残って
いないので再度貼り合わせることが不可能であった。従
って、剥離フィルムを剥がすまで機密性を保持する必要
のある機密保持用書類等に好適である。
【0062】
【発明の効果】記録時にスティッキングの発生もなく、
極めて高い光沢と最大発色濃度を有した記録が得られ
る。更に、記録前の保存時から記録後に剥離フィルムを
剥がすまで、極めて高い光沢と平滑性を有する活性エネ
ルギー線硬化型樹脂層の表面が剥離フィルムに覆われて
保護されるので、外部からの機械的な力や化学的な作用
を受けても光沢と平滑性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の感熱記録体の一実施例の構成
を示す断面図である。
【図2】図2はこの発明の感熱記録体の剥離フィルム5
であるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 感熱発色記録層 3 中間層 4 活性エネルギー線硬化型樹脂層 5 剥離フィルム 6 スティッキング防止層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発
    色記録層、活性エネルギー線硬化型樹脂層及び該活性エ
    ネルギー線硬化型樹脂層との界面から剥離可能な剥離フ
    ィルムを順に有する感熱記録体。
  2. 【請求項2】感熱発色記録層と活性エネルギー線硬化型
    樹脂層の間に、水系組成物より成る中間層を少なくとも
    1層有する請求項1記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】剥離フィルムが、耐熱性合成樹脂フィルム
    である請求項1又は2記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】剥離フィルムが記録を確認できるように実
    質的に透明である請求項1、2又は3記載の感熱記録
    体。
  5. 【請求項5】剥離フィルムが記録を確認できないような
    隠蔽シートである請求項1、2又は3記載の感熱記録
    体。
  6. 【請求項6】剥離フィルム上に、スティッキング防止層
    を有する請求項1〜5のいづれか一項に記載の感熱記録
    体。
  7. 【請求項7】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発
    色記録層を設け、更に水系組成物より成る中間層を必要
    に応じ設け、感熱発色記録層又は中間層と剥離フィルム
    を、活性エネルギー線硬化型樹脂層を介して貼り合わせ
    た後、活性エネルギー線を照射する請求項1〜6のいづ
    れか一項に記載の感熱記録体の製造方法。
  8. 【請求項8】活性エネルギー線が電子線である請求項7
    記載の感熱記録体の製造方法。
  9. 【請求項9】剥離フィルム側から情報を熱記録後、剥離
    フィルムを剥がすことを特徴とする請求項1〜6のいづ
    れか一項に記載の感熱記録体の記録方法。
JP6297249A 1994-07-29 1994-11-30 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法 Pending JPH0890927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6297249A JPH0890927A (ja) 1994-07-29 1994-11-30 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17867494 1994-07-29
JP6-178674 1994-07-29
JP6297249A JPH0890927A (ja) 1994-07-29 1994-11-30 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0890927A true JPH0890927A (ja) 1996-04-09

Family

ID=26498772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6297249A Pending JPH0890927A (ja) 1994-07-29 1994-11-30 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0890927A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4540028B2 (ja) * 2001-03-21 2010-09-08 株式会社リコー 溶融型転写記録用ラベル及び溶融型転写記録方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4540028B2 (ja) * 2001-03-21 2010-09-08 株式会社リコー 溶融型転写記録用ラベル及び溶融型転写記録方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01275183A (ja) 感熱記録体
EP1231073B1 (en) Heat-sensitive recording material and process for production of the same
JP2584472B2 (ja) 感熱記録体
JPH0890927A (ja) 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法
JP3336760B2 (ja) 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法
JPH0761126A (ja) 感熱記録体
JPH0789236A (ja) 複合感熱記録体
JPH09234957A (ja) 感熱記録体およびその製造方法
JPH0872401A (ja) 二重感熱記録体及びその製造方法
JP3204803B2 (ja) 感圧記録シート
JP2965619B2 (ja) 感熱記録体の製造方法
JP2886303B2 (ja) 感熱記録体
JP2002248861A (ja) 感熱記録体
JP2000025335A (ja) 感熱記録体
JPH1058829A (ja) 感熱記録ラベル
JP2837475B2 (ja) 感熱記録体
JPH08230316A (ja) 感圧記録体及びその製造方法並びにその記録方法
JP2839917B2 (ja) 感熱記録体の製造方法
JPH11115311A (ja) 感熱記録体およびその製造方法
JP2015030237A (ja) 感熱紙
JP3235690B2 (ja) 感熱記録体
JPH0924669A (ja) 感熱記録体
JPH04125185A (ja) 感熱記録体
JPH04353488A (ja) 感熱記録体
JPH04125182A (ja) 感熱記録体