JP4540028B2 - 溶融型転写記録用ラベル及び溶融型転写記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱溶融性のインク層を有する溶融型熱転写記録媒体と組み合わせて使用される溶融型熱転写記録用ラベル及びこのラベルを用いた溶融型熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、種々の熱転写記録方式が公知であるが、それらの中で熱溶融性のインク層を有する溶融型熱転写記録媒体を用い、インク受容層を設けた紙やプラスティックフィルム等のラベルに様々な情報、画像を形成する方法が提案されている。
これらの方法は、産業分野において、工程管理や物流管理を行う等の用途のために銘板にバーコードを記録するのに広く用いられている。
上記用途においては記録画像の耐有機溶剤性、耐水性、耐摩擦性、耐薬品性が要求される為、受像体としてポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスティックフィルム、または合成紙等が広く用いられ、記録媒体としてそれらに耐え得るよう設計された熱可塑性高分子化合物を主成分とするインク層を有する熱転写記録媒体が一般的に使われている。
【0003】
しかしプラスティックフィルムを受容体として用いた場合は価格が高価であり使用範囲が限定されてしまうという問題が生じており、また上質紙、中質紙などの天然繊維紙を受像体として用いたラベルは、熱可塑性高分子化合物を主成分とするインク層を有する熱転写記録媒体を用いた時にはインクの熱転写性、定着性が悪いという問題がある。
【0004】
これに対し、天然繊維紙を支持体に用い、熱転写性の向上を目的としてこの支持体上に熱溶融インクの受理性の良い受容層を設けた受容体についての提案が多くされている。
しかしこれらの方法を用いた場合、十分な記録画像の耐有機溶剤性、耐摩擦性、耐水性が得られず、またこれらの方法で得られた受容体の裏面に粘着剤層を設けてラベルとして使用した場合は、支持体及び受容層が有機溶剤及び水に対するバリアー性を有しないため、有機溶剤や水により裏面の粘着付与層の粘着性が低下してしまいラベルとしての機能を無くしてしまうという問題がある。
【0005】
受容層の耐有機溶剤性を得るために、特開平5−208562号公報では支持体と受容層との間に重合度50〜450のポリビニルアルコ−ルの中間層を設けることが提案されており、また特開平5−208563号公報では18〜80モル%の疎水基を有するポリビニルアルコ−ルの中間層を設けるものが提案されている。
しかし重合度50〜450のポリビニルアルコ−ルの中間層を設ける方法においては、重合度が低いために成膜性が不十分であり十分な耐有機溶剤性が得られず、また使用材料の水に対する溶解性が良いため、水との接触によって中間層が溶解して層剥離が起こり、受容紙の耐水性を得ることができないといった問題がある。また同じく低重合度であるために塗膜のタック性が強く、塗工時の搬送ロ−ル等への粘着が発生し生産性の低下を起こすといった問題がある。
また、18〜80モル%の疎水基を有するポリビニルアルコ−ルの中間層を設ける方法においては、その疎水基の含有量が多くなるにつれて耐有機溶剤性が低下し、疎水基の含有量が少ないと耐水性が低下するという欠点がある。従ってこの方法では十分な耐有機溶剤性と耐水性を得ることができないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶融型熱転写ラベルの耐有機溶剤性と耐水性とを向上することを目的とする。また、本発明は、熱転写によって得られる記録画像の耐有機溶剤性、耐水性、耐摩擦性を改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題点を解消するため種々研究を重ねた結果、支持体紙上に熱により溶融または軟化したインクを受容するインク受容層を有し、裏面に粘着付与層を設けた溶融型熱転写記録用ラベルにおいて、前記支持体紙と前記インク受容層との間又は支持体紙と粘着付与層との間に、水性樹脂とその硬化剤とを主成分とするバリアー層を設けることにより、上記問題点が解消されることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は次の構成を有する。
(1)支持体紙上に、熱により溶融または軟化したインクを受容するインク受容層を有し、裏面に粘着付与層を設けた溶融型熱転写記録用ラベルにおいて、前記インク受容層が内部に気体を有する中空粒子と水に不溶な熱可塑性物質とを主成分としてなり、前記水に不溶な熱可塑性物質がポリエステル樹脂であり、前記中空粒子を島、前記熱可塑性物質を海とする海島状に形成しており、前記支持体紙と受容層との間又は支持体紙と粘着付与層との間に、水性樹脂とその硬化剤とを主成分とするバリアー層を設けたことを特徴とする溶融型熱転写記録用ラベル
(2)前記バリアー層の水性樹脂がポリビニ−ルアルコ−ル樹脂及び/又は変性ポリビニ−ルアルコ−ル樹脂であることを特徴とする上記(1)載の溶融型熱転写記録用ラベル。
)前記インク受容層の中空粒子の中空率が75%以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の溶融型熱転写記録用ラベル。
)熱により溶融または軟化するインクを有する溶融型熱転写記録媒体であって表面層の主成分がポリエステル樹脂である溶融型熱転写記録媒体を用いて、上記(1)〜()の何れか一つに記載の溶融型熱転写記録用ラベルに熱印字することを特徴とする溶融型熱転写記録方法。
【0009】
以下、本件発明の構成及び効果について詳細に説明する。
<支持体紙について>
本発明において、支持体紙として好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料とを主成分として構成される。支持体紙は、木材パルプとしてLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等を使用し、これに必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤及び紙力増強剤等の各種添加剤の1種以上を混合して酸性、中性又はアルカリ性下で、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置により抄造することができる。また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
【0010】
<バリアー層について>
また、本発明の一つの特徴であるバリアー層は水性樹脂と硬化剤とを主成分としている。なお、本件明細書でいう水性樹脂とは、水溶性樹脂又は疎水性樹脂の水分散体をいう。水性樹脂としては一般的な水溶性樹脂または疎水性樹脂の水性エマルションが使用できるが、特に好ましいものとしてはポリビニルアルコ−ルまたはカルボキシ、アセトアセチル、メチロ−ル、エポキシ、アルコキシ等の変性ポリビニルアルコ−ル等を挙げることができる。またこれらの樹脂の重合度、ケン化度は成膜性に大きく影響し、成膜性が低下するとバリアー性機能の発現が低下し充分な耐有機溶剤性、耐水性を得ることができなくなるため、重合度は800以上が好ましく、ケン化度は85%以上が好ましい。重合度及びケン化度が高すぎると塗布液の粘度が上昇し、生産性の低下または塗膜の成膜性の低下を起こす場合があるため、生産設備等を考慮して選択する必要がある。
【0011】
硬化剤としてはグリシジル、グリシジルアミン、メチロ−ルアミン、エポキシ、エピクロ、アルキレンイミン、イソシアネ−ト、アルデヒド等の反応活性基を有する硬化剤が好ましい。
またバリアー層のバリアー性を効率良く発現するには、硬化剤を前記樹脂と混合して使用することが好ましく、樹脂と硬化剤とが別々の層にあると十分なバリアー性を得ることができなくなる。
ポリビニ−ルアルコ−ルまたは変性ポリビニ−ルアルコ−ルと硬化剤との使用比率は重量比で9:1〜5:5が好ましい。バリアー層の塗布量としては1g/m2以上が必要でありそれ以下では十分なバリアー性が得られない。
【0012】
またバリアー層には任意に無機および/または有機フィラ−を添加することができ、その具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、クレ−、タルク、および尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等の微粉末をあげることができる。またこれら無機および/または有機フィラ−の吸油量は100ml/100g以下が好ましく、それ以上になると塗布膜の平滑性、バリアー性が低下する。
【0013】
<受容層について>
本発明のもう一つの特徴である受容層は中空粒子と熱可塑性樹脂とを主成分とし、前記中空粒子を島、前記熱可塑性物質を海とする海島状に形成する。
受容層を海島状に形成する手段は特に規定しないが、中空粒子及び熱可塑性樹脂を含有する受容層塗工液を低粘度化して塗布乾燥すれば上記のような海島状に形成される。
特に、受容層塗工液を水系として、塗布後に中空粒子と熱可塑性物質エマルションの比重の差によって海島状に分布させ、乾燥する手段が最適である。
受容層の塗布量は1〜10g/m2の範囲が好ましく、受容層中に添加される中空粒子は、粒子直径が0.1〜10μm、中空粒子の隔壁の厚みは0.05〜5μm、中空率が75%以上の範囲が好ましい。粒子直径が0.1μm以下ではクッション性、断熱性が不十分であり、10μm以上では平滑な表面平滑に劣り、ボイド等の転写不良が発生してしまう。
【0014】
中空粒子の隔壁が0.05μm以下では製造時、画像形成時にカプセルが破壊されやすく、5μm以上ではクッション性、断熱性が乏しくなる。中空率が75%以下では充分なクッション性、断熱性が得られない。また、比重が大きくなり、機能を発揮するに充分な海島状を形成できなくなる。最も好ましい結果は中空率が80%以上である時に得られる。
中空粒子の含有量は任意に設定できるが、基材1m2に対し、1〜5gであることが好ましい。1g以下では充分なクッション性、断熱性が得られず、5g以上では受容層の皮膜強度が低下する。中空粒子の主成分はアクリル、スチレン、アクリル−スチレン、塩化ビニリデン等の耐有機溶剤性の高い樹脂から構成されることが好ましいがこれらに限定されるものではない。
【0015】
熱可塑性樹脂は、熱により溶融または軟化したインクを受容し、維持する為のものであり、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブチラ−ル系樹脂、フェノ−ル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレンアクリル共重合体系樹脂などが挙げられ、インク受理性、画像の定着性を考慮すると、熱転写記録媒体の表面層とSP値の近い樹脂を選択することが好ましい。
特には、ガラス転移温度が40℃以上のものが好ましく、中でも分子量10000以上のポリエステル樹脂が好ましい。ガラス転移温度が40℃未満では、受容層の耐有機溶剤性が低下するため、受容層上に印字した印字画像の耐有機溶剤性が低下してしまう。
【0016】
受容層には、筆記性を良好にする、地肌の黄変を防止するなどを目的として、顔料、蛍光増白剤、退色防止剤などを添加しても構わない。
【0017】
<熱転写記録媒体について>
本発明の溶融型熱転写記録用ラベルと組み合わせて使用する熱転写記録媒体は、基材上に熱溶融性あるいは熱軟化性のインク層を有する溶融型熱転写記録媒体であって、基材としては、従来公知のものが使用できる。
また、基材と熱溶融性あるいは熱軟化性インク層との間に転写時に接着力を低下させる目的で、あるいはインク層の脱落を防止する目的で中間層を設けても良いし、転写時にTPHとプラテンロ−ルとに挟持された際の地汚れを防止する目的で保護層を設けても良い。さらに、TPHとの融着を防止する目的でインク層と反対面に耐熱層及びまたは滑性保護層を設けても良い。
【0018】
インク層に用いる着色剤としては、従来公知のものが使用できる。
着色剤と共に用いる熱可塑性樹脂としては、従来公知のものが使用できるが、耐熱性が高く、機械的強度に優れ、耐有機溶剤性に優れるものが選択される。例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブチラ−ル系樹脂、フェノ−ル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂などが用いられる。
また、上記着色剤、バインダ−と共に感度向上を目的としてワックス類などの熱溶融性物質あるいはフィラ−等の助剤を用いることができ、従来公知のものが使用できる。
【0019】
また溶融型熱転写記録媒体の表面層のSP値と溶融型熱転写記録用ラベルの受容層のSP値とが大きく異なると転写性が不十分となるため、該表面層と該受容層とはそれぞれの主成分となる樹脂のSP値の近いもの、できればそれぞれの樹脂のSP値差が1以内の樹脂を選択することが好ましい。該樹脂としては特にポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、これにより、転写性、印字画像の耐摩擦性に優れる溶融型熱転写記録が得られる。
なお、本明細書でいう表面層とは、インク層上に保護層を設ける場合はこの保護層を意味し、また、インク層上に保護層を設けない場合はインク層を意味する。
【0020】
支持体紙の裏面に設ける粘着付与層は本発明においては特に耐有機溶剤性を必要としないため、通常のラベルに用いられる粘着剤が使用可能であるが、一般的にはアクリル系樹脂のエマルションが用いられる。また、離型紙を必要としない熱活性タイプの粘着剤、例えば熱可塑性樹脂と固体可塑剤とからなる粘着付与層を設けることも可能である。
【0021】
【発明の実施の態様】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、本文中の部または%とあるのは特に断りの無い限り重量基準である。
【0022】
<溶融型熱転写記録媒体の作製>
片面に耐熱滑性層を設けた厚さ4.5μmのPETフィルムを基材とし、この基材の耐熱滑性層を設けた側とは反対の側に下記組成の剥離層液をワイヤ−バ−コ−ティングにより、乾燥後の塗布量が0.5g/m2となるように塗布、乾燥し剥離層形成シ−トを得た。次いで下記組成のインク層液を、剥離層形成シ−トの剥離層上に乾燥後の塗布量が1.2g/m2となるように塗布、乾燥し、溶融型熱転写記録媒体を作製した。
【0023】
(剥離層液)
ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックス850 東洋ペトロライト社製)
ブタジエンゴム 10部
(トルエン5%溶液 ボンRI-1 コニシ社製)
エチレン・酢酸ビニル樹脂 0.2部
(エバフレックスEV250 三井デュポン社製)
トルエン 9.8部
【0024】
(インク層液)
カ−ボンブラック 5部
ポリエステル系樹脂 10部
(ニチゴ-ポリエスタ-TP295、日本合成化学社製)
カルナバワックス 4部
メチルエチルケトン 81部
【0025】
<実施例1>
溶融型熱転写記録用ラベル1の作製
基材として、坪量66g/m2の上質紙を用い、表面に下記組成のバリアー層液aをワイヤ−バ−コ−ティングにより乾燥後の塗布量が3.0g/m2となるように塗布、乾燥する。次いでバリアー層上に下記組成の受容層液bをワイヤ−バ−コ−ティングにより乾燥後の塗布量が4.5g/m2となるように塗布、乾燥した後、カレンダ−処理して表面受容層紙を得た。
次いで、基材として表面にシリコン系離型剤を塗布してある坪量60g/m2のグラシン紙に下記組成の粘着付与層液cをワイヤ−バ−コ−ティングにより乾燥後の塗布量が18.0g/m2となるように塗布、乾燥した後、粘着付与層と上記の表面受容層紙の裏面と張り合わせ本発明の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
【0026】
(バリアー層液a)
ジアルデヒドデンプン 20部
(5%水溶液、カルダスCR5、日本カ-リット社製)
グリオキザ−ル 5部
(グリオキザ−ル、三井化学社製)
水酸化アルミニウム 2部
(ハイジライト、昭和電工社製)
水 73部
(受容層液b)
中空粒子 10部
(40%、マツモトマイクロフェア-R24、松本油脂製薬社製)
ポリエステル樹脂水系エマルション 50部
(30%、エリテ−ルKA5034S、ユニチカ社製)
界面活性剤 0.5部
水 39.5部
(粘着付与層液c)
アクリル酸エステル共重合体水系エマルション(50%) 100部
【0027】
<実施例2>
溶融型熱転写記録用ラベル2の作製
実施例1におけるバリアー層液組成aを下記のバリアー層液組成dに変えたこと以外は実施例1と同様にして本発明の溶融型熱転写記録用ラベル2を得た。
(バリアー層液d)
カルボキシ基変性ポリビニルアルコ−ル 7部
(KL318、クラレ社製)
ポリアミドエピクロヒドリン樹脂 10部
(12.5%水溶液、WS570、日本PMC社製)
水酸化アルミニウム 2部
(ハイジライト、昭和電工社製)
水 81部
【0028】
<実施例3>
溶融型熱転写記録用ラベル3の作製
基材として、坪量66g/m2の上質紙を用い、表面に実施例1の受容層液bをワイヤ−バ−コ−ティングにより乾燥後の塗布量が5.0g/m2となるように塗布、乾燥する。次いで裏面にバリアー層液aをワイヤ−バ−コ−ティングにより乾燥後の塗布量が3.0g/m2となるように塗布、乾燥した後、受容層面のャレンダ−処理行なった。それ以外は実施例1と同様にして本発明の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
【0029】
参考例1
溶融型熱転写記録用ラベル4の作製
実施例1における受容層液bを下記受容層液eに変えたこと以外は実施例1と同様にして参考例の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
(受容層液e)
中空粒子 10部
(40%、マツモトマイクロフェア-R24、松本油脂製薬社製)
ポリウレタン樹脂水系エマルション 30部
(50%、ハイト゛ランAPX101H、DIC社製)
界面活性剤 0.5部
水 59.5部
【0030】
参考例2
溶融型熱転写記録用ラベル5作製
実施例1における受容層液bを下記受容層液fに変えたこと以外は実施例1と同様にして参考例の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
(受容層液f)
二酸化珪素 4部
(ミス゛カシルP603、水沢化学工業社製)
ポリエステル樹脂水系エマルション 50部
(30%、エリテ−ルKA5034S、ユニチカ社製)
界面活性剤 0.5部
水 45.5部
【0031】
<比較例1>
基材として、坪量66g/m2の上質紙を用い、上質紙上に実施例1の受容層液bをワイヤ−バ−コ−ティングにより乾燥後の塗布量が4.5g/m2となるように塗布、乾燥した後、カレンダ−処理を行い、それ以外は実施例1と同様にして比較例の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
【0032】
<比較例2>
実施例1におけるバリアー層液組成aを下記のバリアー層液組成gに、受容層液bを受容層液hに変えた以外は実施例1と同様にして比較例の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
(バリアー層液g)
ポリビニルアルコ−ル 7部
(PVA403、クラレ社製)
水酸化アルミニウム 2部
(ハイジライト、昭和電工社製)
水 91部
(受容層液h)
中空粒子 10部
(40%、マツモトマイクロフェア-R24、松本油脂製薬社製)
アクリル−スチレン樹脂水系エマルション 30部
(50%、ジョンクリル60、ジョンソンポリマ-社製)
界面活性剤 0.5部
水 59.5部
【0033】
<比較例3>
比較例2におけるバリアー層液gを下記のバリアー層液組成iに変えたこと以外は比較例2と同様にして比較例の溶融型熱転写記録用ラベルを得た。
(バリアー層液i)
ポリビニルアルコ−ル 7部
(PVA117、クラレ社製)
二酸化珪素 2部
(ミズカシルP603、水沢化学工業社製)
水 91部
【0034】
<評価項目>
上記の実施例1〜5及び比較例1〜3の各溶融型熱転写記録用ラベルの特性を評価するに際し、次の評価項目を設定した。
【0035】
1.溶融型熱転写記録用ラベルの接着力
1−1.初期接着力
溶融型熱転写記録用ラベルを2.5cm×10cmにカットし、裏面の離型紙を剥がして被着体(アルミニウム板)に貼り付け、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。その時の抵抗値を測定し、これを初期接着力とした。
1−2.接着力の耐エチルアルコ−ル性
溶融型熱転写記録用ラベルを2.5cm×10cmにカットし、裏面の離型紙を剥がし被着体(アルミニウム板)に貼り付けて、受容層表面にエチルアルコ−ルを滴下して、2分後に上記1−1の方法と同様にして接着力を測定し、接着力の耐エチルアルコ−ル性とした。
1−3.接着力の耐ガソリン性
上記1−2のエタノ−ルをガソリンに代えて同様にして接着力を測定し、接着力の耐ガソリン性とした。
1−4.接着力の耐水性
上記1−2のエタノ−ルを水に代えて同様にして接着力を測定し、接着力の耐水性とした。
【0036】
2.印字画像の評価
実施例1〜5及び比較例1〜3の溶融型熱転写記録用ラベルについて、以下の条件で印字を行ない、評価試験に供した。
(印字条件)
サ−マルヘッド 部分グレ−ズ薄膜ヘッド(8dot/mm)
プラテン圧 150g/cm
記録媒体の引き剥がし角度 30°
引き剥がしトルク 200g
印字速度 100mm/s
【0037】
2−1.熱感度
上記印字条件にて印字エネルギ−17.0〜28.0mj/mm2でバ−コ−ドを印字し、そのバ−コ−ドのANSI値を測定しANSI値3.5Aの得られる印字エネルギ−を熱感度とした。
【0038】
2−2.印字画像の耐エタノ−ル性
上記印字条件にて印字エネルギ−は熱感度の印字エネルギ−+1.0mj/mm2で(2・5)パラレルバ−コ−ドを印字して印字サンプルを得た。
その印字画像上にエタノ−ルを充分滴下し、荷重200g/m2にて対物に綿布を用い100回擦り、その印字画像の耐エタノ−ル性を下記の評価基準で評価した。
○:画像の破損が全くない
△:一部画像の破損がある
×:全体に画像の破損がある
【0039】
2−3.印字画像の耐水性
上記2−2と同様の方法で印字サンプルを得た。
その印字サンプルを24時間水中に浸漬した後、印字画像を指で10回擦りその印字画像を下記の評価を行い印字画像の耐水性とした。
○:画像の破損が全くない
△:一部画像の破損がある
×:全体に画像の破損がある
【0040】
2−4.印字画像の耐摩擦性
上記2−2と同様の方法で印字サンプルを得た。
そのサンプルの印字画像部を約1kgの荷重を掛けたペンスキャナ−で、50cm/secの速度で1000回擦り、印字画像の破損の有無にて印字画像の耐摩擦性とした。
【0041】
<評価結果>
各サンプルについての評価結果は表に示すとおりであった。
この表から明らかなように、本発明実施例のものは、接着力および印字画像のいずれの評価項目においても優れた効果を奏しているのに対し、比較例1のものは印字画像評価においては優れた結果を示しているものの、接着力評価においては実施例のものよりも劣っており、また、比較例2、3のものはバリアー層に硬化剤を含有していないため、バリアー層は十分な耐水性を発現することができず、接着力評価及び印字画像評価のいずれにおいても実施例のものより劣っている。
【0042】
【表1】
Figure 0004540028
【0043】
【発明の効果】
本発明の溶融型熱転写記録用ラベルは、耐有機溶剤性および耐水性に優れており、また、このラベルに印字して得られる印字画像は耐有機溶剤性、耐水性、耐摩擦性に優れたものとなる。

Claims (4)

  1. 支持体紙上に、熱により溶融または軟化したインクを受容するインク受容層を有し、裏面に粘着付与層を設けた溶融型熱転写記録用ラベルにおいて、前記インク受容層が内部に気体を有する中空粒子と水に不溶な熱可塑性物質とを主成分としてなり、前記水に不溶な熱可塑性物質がポリエステル樹脂であり、前記中空粒子を島、前記熱可塑性物質を海とする海島状に形成しており、前記支持体紙と受容層との間及び又は支持体紙と粘着付与層との間に、水性樹脂とその硬化剤とを主成分とするバリアー層を設けたことを特徴とする溶融型熱転写記録用ラベル。
  2. 前記バリアー層の水性樹脂がポリビニールアルコール樹脂及び/又は変性ポリビニールアルコ−ル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の溶融型熱転写記録用ラベル。
  3. 前記インク受容層の中空粒子の中空率が75%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の溶融型熱転写記録用ラベル。
  4. 熱により溶融または軟化するインクを有する溶融型熱転写記録媒体であって表面層の主成分がポリエステル樹脂である溶融型熱転写記録媒体を用いて、請求項1〜の何れか一つに記載の溶融型熱転写記録用ラベルに熱印字することを特徴とする溶融型熱転写記録方法。
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