JP3336760B2 - 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法 - Google Patents

感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法

Info

Publication number
JP3336760B2
JP3336760B2 JP20769894A JP20769894A JP3336760B2 JP 3336760 B2 JP3336760 B2 JP 3336760B2 JP 20769894 A JP20769894 A JP 20769894A JP 20769894 A JP20769894 A JP 20769894A JP 3336760 B2 JP3336760 B2 JP 3336760B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
layer
thermosensitive
active energy
energy ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20769894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0872397A (ja
Inventor
俊一郎 向吉
哲 山佐
靖人 田井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP20769894A priority Critical patent/JP3336760B2/ja
Publication of JPH0872397A publication Critical patent/JPH0872397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336760B2 publication Critical patent/JP3336760B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録後の改竄を防止で
きる感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体
の記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱により複数の発色物質を接触させて記
録像を得るようにした各種感熱記録方法を利用した感熱
記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的
安価であり、また、記録機器がコンパクトで、且つその
保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録
媒体としてのみならず巾広い分野において使用されてい
る。
【0003】その利用分野の一つとして、例えばPOS
(point of sales)システム用の感熱記録ラベル、タグ、
カード等が挙げられるが、同システムの拡大に伴って、
感熱記録体自身が通貨と同じ働きを持つ場合も増加して
来ている。このような用途では、特に記録体の偽造防止
のための対策が行われることが要求される。その一例と
してエンボス加工を施した感熱記録紙の要求がある。現
在、凹凸形状の図柄、マーク、ロゴ乃至模様等の型付け
を紙、高分子フィルム等のシートに施す方法は以下のよ
うにおこなわれるのが普通である。予め金属性のロール
又は平判に凹凸形状を直接刻印し、これを該シートに連
続的又は周期的に押し付け、シート面に凹凸形状として
写し取る方法である。尚、以後、凹凸形状の図柄、マー
ク、ロゴ乃至模様等を簡単に略して凹凸形状という。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法によって
感熱記録紙に型付けを施した場合、凹凸形状のエッジ部
分とサーマルヘッドとの密着性が低下し、発色不良部分
(線切れ部)が生じるという記録適性上の問題があっ
た。又、あらかじめ感熱記録紙の基紙に型付けする方法
がとられる場合もあるが、水性塗料を塗抹した際に基紙
の伸縮により付けられていた型がうすくなったり、最悪
の場合消失してしまう場合もあり、型の安定性に問題が
あった。
【0005】本発明は、以上のような発色不良部分(線
切れ部)による記録適性上の問題が無く、かつ型の安定
性に優れた感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱
記録体の記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録体は、
支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料と該染料と接
触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発色記録層、活
性エネルギー線硬化型樹脂層及び該活性エネルギー線硬
化型樹脂層との界面から剥離可能な凹凸形状を有する型
付シートを順に備える。
【0007】感熱発色記録層と活性エネルギー線硬化型
樹脂層の間に、水系組成物より成る中間層を少なくとも
1層備えると良い。型付シート上に、顔料を含む層を備
えると良い。この層は最上層になる場合もあれば型付シ
ートのすぐ上の層になる場合もあり、型付シート上に形
成される他の層の構成状況によってどの位置にくるかは
変化する。感熱発色記録層を型付シート側に更に備える
と良い。この層も最上層になる場合もあれば型付シート
のすぐ上の層になる場合もあり、型付シート上に形成さ
れる他の層の構成状況によってどの位置にくるかは変化
する。顔料を含む層が感熱発色記録層の機能を有するこ
ともできる。
【0008】本発明の感熱記録体の製造方法は、支持体
上に、無色ないし淡色の塩基性染料と該染料と接触して
呈色し得る呈色剤を含有する感熱発色記録層を設け、更
に水系組成物より成る中間層を必要に応じ設け、感熱発
色記録層又は中間層と型付シートを、活性エネルギー線
硬化型樹脂層を介して貼り合わせた後、活性エネルギー
線を照射して以上の記録体を製造できる。
【0009】本発明の感熱記録体の記録方法は型付シー
ト側から情報を熱記録後、型付シートを剥がすことを特
徴とする。
【0010】
【作用】感熱記録体の記録面に型が直接付いている状態
では、記録面に凹凸があるので、凹面やエッジ部分で記
録ヘッドとの接触が悪くなるので、発色不良部分(線切
れ部)等が発生する。これに対して本発明では型付シー
トの凹凸形状が活性エネルギー線硬化型樹脂層の側だけ
にあり、記録ヘッドと接触する側に凹凸がない場合に
は、型付シート側から記録をする時には記録面は滑らか
な平面であるので記録ヘッドとの接触は一様になるので
発色不良部分(線切れ部)等が発生することはない。
又、例えば型付シートが非常に薄い場合は、記録ヘッド
と接触する側にも凹凸ができることは避け難くなるが、
このような場合は、型付シート上に、顔料を含む層を塗
布する際に凹凸が埋まり、更に、その際のカレンダー処
理等によって、記録ヘッドと接触する顔料を含む層の表
面を平滑にすることによって、型付シート側から記録を
する時の記録面を滑らかな平面にさせることができ、発
色不良部分(線切れ部)等が発生させることはない。
【0011】いずれにしても、活性エネルギー線硬化型
樹脂層の側には型付シートの凹凸があるので、活性エネ
ルギー線硬化型樹脂層は、その凹凸を埋める様に形成さ
れている。従って、記録ヘッドによって記録後、活性エ
ネルギー線硬化型樹脂層との界面から型付シートを剥離
すると、型付シートの凹凸面が活性エネルギー線硬化型
樹脂層の表面に転写されて形成されることになる。この
ように型付シート剥離後、表面が凹凸形状の活性エネル
ギー線硬化型樹脂層で覆われた状態の感熱記録体に、記
録を改竄するような目的で、更に記録ヘッドによって記
録をしても、表面に凹凸があるので線切れ等が発生して
満足に記録できなくなる。
【0012】その上、剥離する型付シート側に感熱記録
層を更に備えておけば、この型付シートを別に保存する
ことによって、改竄がおこなわれたか否かを照合チェッ
クすることも可能になる。さらに、活性エネルギー線硬
化型樹脂層を比較的耐熱性の弱い樹脂で構成すると型付
シートを剥離後の改竄目的等の記録の際に、この耐熱性
の弱い樹脂層が直接感熱ヘッドと接触するのでスティッ
キングが発生しやすくなり、この状況に表面の凹凸が作
用して、更にスティッキングを助長させることになり、
ますます型付シートを剥離後の記録が困難になる。尚、
このように比較的耐熱性の弱い活性エネルギー線硬化型
樹脂層を使用しても、型付シートの上から記録する際に
は型付シートに耐熱性のあるフィルムを使用しておけば
全く問題はない。
【0013】本発明における感熱記録体の支持体として
は可とう性のあるシート状の物であれば特に限定するも
のではなく、例えば一般に公知の各種コーテッド紙、上
質紙、合成紙、金属化紙、着色紙等の紙シート類;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のプラスチックフィルム類;銅、鉄、アルミニウム
等の金属箔類;布類等或いはこれらの貼り合わせ体、積
層体等が適宜用いられる。画質の点では、上記のうち表
面平滑性、及び断熱性やクッション性に優れるものを選
択するのが好ましく、支持体と感熱発色層の間に、適当
な下塗り層を設けたり、表面平滑性、及び断熱性やクッ
ション性に優れる合成樹脂フィルムを用いたりすること
も効果的である。特に、内部に微多孔を有するポリオレ
フィン系やポリエステル系の合成樹脂フィルムが有用で
ある。このような合成樹脂フィルムの商品例としては例
えば、王子油化合成紙株式会社製のユポ、日清紡株式会
社製のピーチコート、東洋紡株式会社製のトヨパール、
クリスパー等が挙げられる。
【0014】本発明では先ず、上記の如き支持体上に、
感熱発色記録層を設ける。感熱発色記録層に含有される
無色ないし淡色の塩基性染料と、有機ないし無機の呈色
剤の組み合わせについては特に限定されるものではな
く、熱によって両者が接触して呈色反応を起こすような
組み合わせなら何れも使用可能である。例えば無色ない
し淡色の塩基性染料としては各種のものが公知であり、
例えば下記が挙げられる。
【0015】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−p−ジメチ
ルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタ
ン系染料、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン等のジフェニルメタン系染料、ベンゾイルロイ
コメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレ
ンブルー等のチアジン系染料、3−メチル−スピロ−ジ
ナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、
3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル
−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト(6′
−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピ
ロ−ジベンゾピラン等のスピロ系染料、ローダミン−B
−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリ
ノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラク
タム等のラクタム系染料、3−(N−エチル−N−i−
ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルア
ミノ−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニル
アミノフルオラン等のフルオラン系染料。その他特開平
3−79387 号に記載の無色ないし淡色の塩基性染料が挙
げられる。
【0016】また塩基性無色染料と接触して呈色する無
機ないし有機の酸性物質も各種のものが公知であり、例
えば、活性白土、酸性白土、アタパルジャイト、ベント
ナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機
酸性物質、4−ヒドロキシ−4' −イソプロポキシジフ
ェニルスルフォン、4,4’−イソプロピリデンジフェ
ニール(ビスフェノールA)、4−tert−ブチルフェノ
ール、4−ヒドロキシジフェノキシド、4−ヒドロキシ
アセトフェノール、4−(3−p−トリルスルホニルプ
ロピルオキシ)サルチル酸の亜鉛塩等の他、特開平3−
79387 号に記載の呈色剤が挙げられる。
【0017】本発明において、記録層中の塩基性染料と
酸性物質の使用比率は種類に応じて適宜選択する。一般
に塩基性染料1重量部に対して1〜50重量部、好ましく
は1〜10重量部程度の酸性物質が使用される。これらの
物質を含む塗布液の調成には、一般に水を分散媒体と
し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・
粉砕機により塩基性染料と酸性物質とを一緒に又は別々
に分散し、塗液として調成される。
【0018】かかる塗液中に用いられる接着剤(バイン
ダー)の水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂としては下
記の物質が例示される。水溶性樹脂として;デンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ア
ラビアゴム、ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸
共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレ
ン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。
【0019】水分散性樹脂としては;スチレン・ブタジ
エン共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−塩化ビニル−
エチレン共重合体エマルジョン等が挙げられる。バイン
ダー全体の使用量は全固形分の10〜40重量%、好ましく
は15〜35重量%程度用いられる。尚、耐水性を充分に付
けるためには水分散性樹脂をバインダー中に50重量%以
上含有させるのが好ましい。
【0020】さらに、塗液中には各種の助剤を添加する
ことができ、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン酸
塩、脂肪酸金属塩等の分散剤、ベンゾフェノン系、トリ
アゾール系等の紫外線吸収剤、その他消泡剤、螢光染
料、着色染料等が挙げられる。
【0021】また必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバ
ロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑
剤、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成
クレー、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活
性白土等の無機顔料、及びステアリン酸アミド、ステア
リン酸メチレンビスアミド、オレイン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、抹香オレイン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミ
ド等の脂肪族酸アミド、1,2−ジフェノキシエタン、
1,2−ビス(3−メチルフェノキシン)エタン、1,
2−ビス(4−メチルフェノキシン)エタン等のエーテ
ル類、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステ
ル、ジベンジルラレフタレート、シュウ酸ジベンジル、
シュウ酸ビス(p−クロロベンジル)、p−ベンジルオ
キシ安息香酸ベンジル等のエステル類、p−ベンジルビ
フェニル、m−ターフェニル等の芳香族化合物や各種公
知の熱可融性物質を増感剤として添加することもでき
る。
【0022】感熱発色記録層の塗布方法は特に限定され
るものではなく、従来から周知慣用の技術に従って形成
することができ、例えばバーコーティング、エアーナイ
フコーティング、ロッドブレードコーティング、ピュア
ーブレードコーティング、ショートドゥエルコーティン
グ等により塗液を塗布・乾燥する方法等によって形成さ
れる。なお、支持体としてプラスチックフィルムを使用
する場合等では、表面にコロナ放電、電子線照射等の処
理を施すことによって、塗布効率を高めることもでき
る。また塗液の塗布量についても特に限定されるもので
はないが、通常乾燥重量で2〜20g/m2 、好ましく
は3〜15g/m2 程度の範囲である。
【0023】本発明の感熱記録体では、かくして得られ
た感熱発色記録層面と型付シートを、活性エネルギー線
硬化型樹脂を用いて貼り合わせるが、活性エネルギー線
硬化型樹脂に対するバリヤー性を付与するため感熱発色
記録層上に中間層を設けることが好ましい。中間層は、
感熱発色記録層のカブリや発色性低下を防ぐために、水
系塗布組成物より形成される必要がある。この水系塗布
組成物は、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂、及び必
要に応じ顔料を主成分とする。ここで水溶性樹脂及び/
又は水分散性樹脂としては下記の物質が例示される。
【0024】水溶性樹脂として;完全ケン化または部分
ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールと
ジケテンを反応させる等によってアセトアセチル基を導
入したアセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水イタコン酸等の多価カルボン酸との反応
物あるいはこれらの反応物のエステル化物、さらには酢
酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、アクリル酸、メタアクリル酸等のエチレン性不飽
和カルボン酸との共重合体のケン化物として得られるカ
ルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとエチ
レンスルホン酸、アリルスルホン酸等のオレフィンスル
ホン酸あるいはその塩との共重合体のケン化物として得
られるスルホン酸変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニ
ルとエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテ
ン、α−ドテセン、α−オクタドデセン等のオレフィン
類との共重合体をケン化して得られるオレフィン変性ポ
リビニルアルコール、酢酸ビニルとアクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のニトリル類との共重合体のケン
化物として得られるニトリル変性ポリビニルアルコー
ル、酢酸ビニルとアクリルアミド、メタクリルアミド等
のアミド類との共重合体をケン化して得られるアミド変
性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとN−ビニルピロ
リドンとの共重合体をケン化して得られるピロリドン変
性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、アラ
ビアゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱
粉、エステル化澱粉等の澱粉類等がある。
【0025】水分散性樹脂として;スチレン−ブタジエ
ン共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−塩化ビニル−エ
チレン共重合体エマルジョン、メタクリレート−ブタジ
エン共重合体エマルジョン等がある。顔料の具体例とし
ては炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二
酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム、硫酸亜鉛、タルク、カオリン、クレー、焼成ク
レー、コロイダルシリカ等の無機顔料、スチレンマイク
ロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、
尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒等の有機顔料
等が例示される。この中でもとりわけカオリンが耐水
性,バリアー性が優れているため好ましい。
【0026】さらに中間層を形成する塗液中には必要に
応じてグリオキザール、メチロールメラミン、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二
鉄、塩化マグネシウム、硼酸、塩化アンモニウム等の硬
化剤を添加してもよく、必要に応じてステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド、ポ
リエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワック
ス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム
塩、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ベン
ゾフェノン系、トリアゾール系等の紫外線吸収剤、消泡
剤、螢光染料、着色染料等の各種助剤を適宜添加するこ
ともできる。
【0027】中間層を形成するための塗液は、一般に水
性系塗液として調成され、必要に応じてミキサー、アト
ライター、ボールミル、ロールミル等の混合・撹拌機に
よって十分混合分散された後、各種公知の塗布装置によ
り感熱記録層上に塗布される。塗布後、紫外線や電子線
を照射して硬化乾燥することもできる。なお、硬化剤を
併用する場合には、硬化剤を中間層を形成する塗液中の
みならず、中間層を形成する塗液とは別に塗布すること
もでき、別に塗布する場合には塗液のポットライフを懸
念する必要がなく、強力な硬化剤を選択できる利点があ
る。
【0028】中間層を形成する塗液の塗布量は、特に限
定されるものではないが、0.1g/m2 未満では所望
の効果を充分に得ることができず、また、10g/m2
を超すと感熱記録体の記録感度を低下させる恐れがある
ため、一般には乾燥重量で0.1〜10g/m2 、好ま
しくは0.5〜5g/m2 程度の範囲で調節される。上
記の如くして形成された中間層の平滑度はベック平滑度
で200〜20000秒程度の範囲が好ましい。200
秒以下では、記録濃度や画質或いはバリヤー性の点で不
充分と成りやすく、20000秒以上では貼り合わせる
活性エネルギー線硬化型樹脂層との密着性が低下する恐
れがある。このような平滑度の範囲に調節するため、必
要に応じスーパーカレンダー等で表面平滑化処理を施し
ても良い。
【0029】かくして得られた感熱発色記録層面、或い
は中間層面と型付シートを、活性エネルギー線硬化型樹
脂を用いて貼り合わせる。貼り合わせた後、この活性エ
ネルギー線硬化型樹脂層に活性エネルギー線を照射して
硬化させる。この際に、活性エネルギー線硬化型樹脂層
と接触する型付シートの凹凸形状面が活性エネルギー線
硬化型樹脂層面に転写されることになる。この凹凸形状
としてはエンボス、図柄、マーク、ロゴ乃至模様等を含
むものである。
【0030】また、型付シートと活性エネルギー線硬化
型樹脂層の界面からの剥離性が良い必要があり、少なく
とも型付シートを剥がした際、活性エネルギー線硬化型
樹脂層が感熱発色記録層或いは中間層に残るようにする
ため、型付シートと活性エネルギー線硬化型樹脂層との
間の接着力Aを、活性エネルギー線硬化型樹脂層と感熱
発色記録層或いは中間層との間の接着力Bより小さくす
る必要がある。
【0031】このようにするためには、1)活性エネル
ギー線硬化型樹脂との接着力が弱い型付シートを選択す
るか、2)型付シートに対して接着力の弱い活性エネル
ギー線硬化型樹脂を選択することが考えられるが、2)
の型付シートに対して接着力の弱い活性エネルギー線硬
化型樹脂の場合、一般に感熱発色記録層或いは中間層に
対しても接着力が弱いことが多く、1)の方法がより好
ましい。ここで型付シートとしてポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンフィルム等のフィルムを考えると、これらのフィルム
では特別に表面に粗面加工や易接着処理(コロナ放電処
理、プラズマ放電処理、アンカーコート処理)等を施さ
ない限り、一般の活性エネルギー線硬化型樹脂に対して
弱い接着力を示す。もちろん、このような接着力Aを制
御する上で、型付シートの凹凸形状の凹凸の深さ、形
状、面積、分布等の型の設計要素が大きな影響を及ぼす
ことはいうまでもない。
【0032】また、感熱発色記録層或いは中間層上にコ
ロナ放電処理等の接着性を高める処理を施し、活性エネ
ルギー線硬化型樹脂層と感熱発色記録層或いは中間層と
の間の接着力Bを高めることも有効である。さらに型付
シートの活性エネルギー線硬化型樹脂層と貼り合わせる
面に、シリコーン化合物やフッ素化合物等の離型剤を塗
工し、型付シートと活性エネルギー線硬化型樹脂層との
間の接着力Aを弱くすることも可能である。
【0033】さらに、型付シートとしては、感熱ヘッド
によるスティッキング防止の点で耐熱性のあるものが好
ましい。このような型付シートとしては、例えばポリエ
チレンテレフタレートフィルムやポリイミドフィルム等
が挙げられる。これらのフィルムに型付を施すためには
一般的には、予め金属性のロール又は平判に凹凸形状を
直接刻印し、これらを必要に応じて加熱状態でフィルム
に連続的又は周期的に押し付け、フィルム面に凹凸形状
として写し取る方法等がある。
【0034】以上を総合的に観て、凹凸形状の加工性、
剥離性、耐熱性、強度、コストの兼ね合いからポリエチ
レンテレフタレートフィルムが最も好ましいものであ
る。ここで、型付シートの厚さは、3〜50μm好まし
くは6〜30μmが適当である。3μmより薄いと、貼
り合わせの際、皺になり易く製造上問題となる場合があ
り、更に剥離の際、破け易くなる場合がある。また、5
0μmより厚いと感熱ヘッドからのエネルギーが伝わり
難くなり、発色感度が著しく低下しやすい。
【0035】型付シートは片側、すなわち活性エネルギ
ー線硬化型樹脂層と貼り合わせる面すなわち接触する面
側だけに凹凸形状があるほうが、記録を行う際のヘッド
の接触面を平らにする上で好ましい。しかし、記録を鮮
明に行う上では熱の損失を減らす上で型付シートをでき
るだけ薄くすることが好ましい。しかし、型付シートが
薄くなると記録ヘッドと接触する側にも凹凸形状ができ
ることが避けられなくなる。このような場合には後述の
型付シート上に設けられる顔料を含む層をそのような凹
凸形状の目止め層としての役割を奏させるように使用す
れば良い。すなわち、顔料を含む層を形成する際の塗布
工程でもこのような目止め作用が期待でき、更に、この
層の仕上げにカレンダー処理等を施すことによって顔料
を含む層の表面を平滑化する時にも目止め作用が期待で
きる。このようにして、顔料を含む層が凹凸形状の目止
め層としての役割と本来のスティッキング防止の役割と
の二つを果たすことになる。
【0036】型付シートは透明である方が記録直後の記
録面の確認の際には好ましい。しかし、不透明であって
も記録後、型付シートをはぎとれば良いので問題はな
い。また完全に不透明な型付シートや記録面の発色と同
じ色に着色した透明な型付シートを使用した場合は、記
録を型付シートをはぎとるまで隠蔽できるという効果が
得られる。
【0037】また、型付シート上には、スティッキング
防止の効果を更に向上させるため、顔料を含む層を設け
ることが好ましい。顔料を含む層は、型付シートを貼り
合わせる前に予め設けておいても良いし、貼り合わせた
後で設けても良い。顔料を含む層としては、スティッキ
ングを効果的に防止できるものであれば特に限定するも
のではないが、無機や有機の顔料等の微粒子や滑剤を含
有する組成物を塗工すると良い。具体的には、上述した
中間層に用いた様な水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂
及び顔料を主成分とする水系塗布組成物や、下述する活
性エネルギー線硬化型樹脂及び顔料を主成分とする活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物等が挙げられる。
【0038】また、型付シート側に感熱発色記録層を更
に備え、必要に応じて型付シートとその感熱発色記録層
の間に中間層を備えても、また、その感熱発色記録層の
上に顔料を含む層を備えてもよい。また顔料を含む層が
感熱発色記録層をかねても良い。このように感熱発色記
録層を更に備えると、型付シートを剥離後、記録の控え
として保存しておくことができ、万一、支持体上の感熱
記録面に更なる記録を行って改竄等を試みても、この控
えと照合チェックすることも可能になり、2重の改竄防
止効果が得られることになる。尚、このような感熱発色
記録層を更に設けることや中間層を設けることは先に説
明したような感熱発色記録層や中間層と同様の方法で設
けることができる。
【0039】貼り合わせに用いる活性エネルギー線硬化
型樹脂は、活性エネルギー線照射により硬化するもので
あれば特に限定するものではないが、加熱による感熱発
色層の発色や、基材のぼこつき、カールがないという観
点から、乾燥工程を伴わないことが好ましく、この為に
は無溶剤のものが好ましい。また樹脂の粘度は、10〜
10000cps程度が、更に好ましくは100〜50
00cps程度が適当である。10cpsより低いと、
貼り合わせの際、樹脂がしみだしたり、感熱発色層また
は中間層に含浸し、貼り合わせが不充分となったり、感
熱発色層の発色や減感が生じる恐れがあり、10000
cpsより高いと、塗工面が不均一になり、均一な貼り
合わせ面が得られ難くなる場合がある。
【0040】貼り合わせに用いる活性エネルギー線硬化
型樹脂の塗布量は、特に限定されるものではないが、
0.1g/m2 未満では所望の効果を充分に得ることが
できず、また、15g/m2 を超すと感熱記録体の記録
感度を低下させる恐れがあるため、一般には乾燥重量で
0.1〜15g/m2 、好ましくは0.5〜10g/m
2 程度の範囲で調節される。活性エネルギー線硬化型樹
脂は、例えば、下記に示すようなモノマーやオリゴマー
或いはこれらの混合物が用いられる。 (A)ラジカル重合性単官能モノマー アクリル酸、アクリル酸エチル、ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキ
シエチルアクリレート、トリロキシエチルアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルオキシエチルアクリレート、1、3−ジオ
キソランアクリレート、フェノキシジエチレングリコー
ルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシク
ロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリ
レート、グリシジルアクリレート、カルビトールアクリ
レート、イソボルニルアクリレート等。 (B)ラジカル重合性多官能モノマー 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ジシクロペンタニルジアクリレート、ブチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プ
ロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変
性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート等。 (C)ラジカル重合性オリゴマー(プレポリマー) ポリエステル(ポリ)アクリレートやウレタン(ポリ)
アクリレート、エポキシ(ポリ)アクリレート、ポリオ
ール(ポリ)アクリレート等。
【0041】更に、2−クロロエチルビニルエ−テル、
2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、4−ヒドロキシ
ブチルビニルエ−テル、トリエチレングリコールジビニ
ルエ−テル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビ
ニルエーテル等のカチオン重合性モノマー又は/及びオ
リゴマーも使用することができる。尚、カチオン重合性
モノマー又は/及びオリゴマーを配合する場合には、カ
チオン重合開始剤が必要である。このようなカチオン重
合開始剤とは、活性エネルギー線照射により、カチオン
重合を開始させる物質であれば特に限定するものでない
が、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム
塩、メタロセン化合物等があげられる。尚、これらのカ
チオン重合開始剤の添加量は、カチオン重合性モノマー
又は/及びオリゴマー100重量部に対し、0.1〜1
0重量部程度が好ましく、0.1重量部より少ないと重
合開始能が不十分となりやすく、10重量部より多い
と、効果が飽和となるばかりか、カチオン重合開始剤の
溶解性が悪くなり、塗膜の透明性が劣る等の悪影響が生
じる可能性がある。
【0042】貼り合わせの方法としては、1)活性エネ
ルギー線硬化型樹脂を感熱発色記録層面或いは中間層面
上に塗布し、型付シートと貼り合わせる、2)活性エネ
ルギー線硬化型樹脂を型付シート上に塗布し、感熱発色
記録層面、或いは中間層面と貼り合わせる、3)活性エ
ネルギー線硬化型樹脂を感熱発色記録層面或いは中間層
面上と型付シート上の両方に塗布し、貼り合わせる方法
が挙げられる。
【0043】尚、型付シート上に感熱発色記録層を設け
る場合は、イ)感熱記録体と型付シートを貼り合わせた
後設ける、ロ)予め型付シート上に感熱発色記録層を設
けた後、感熱記録体と貼り合わせる方法のいずれを採用
しても良い。尚、型付シートをかなり薄くする場合、型
付シート上に予め感熱発色記録層を設けると皺やボコツ
キの発生を起こし易く、操業上困難となる場合があり、
このような場合イ)の方法を採用すると、安定して操業
でき易いという利点がある。また、耐熱性や強度の非常
に高いフィルムを用いたり、ある程度の厚みのある基材
を用い型付シート上に予め感熱発色記録層を設けること
が、操業上問題がない場合は、ロ)の方法の方が、ロス
が少なくまた、同じ感熱記録体を用い、支持体や支持体
側の感熱発色記録層を替えた商品を製造したい場合等の
多品種小ロットの生産に対応し易い。
【0044】貼り合わせる際の装置としては特に限定す
るものではないが、通常、適当な圧力をかけた2本のロ
ール(ニップロール)間を通すことにより行われる。該
活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布する方法は特に限定
されず、例えばバーコーター、ロールコーター、エアー
ナイフコーター、グラビアコーター、オフセットグラビ
アコーター等の通常の塗布手段が適宜使用される。な
お、塗布面及び貼り合わせ面を、予めコロナ放電処理、
放射線処理、プラズマ処理等によって前処理して、活性
エネルギー線硬化型樹脂の濡れ性や密着性をコントロー
ルすることも可能である。
【0045】前述した活性エネルギー線硬化型樹脂中に
は、必要に応じて、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散
剤、帯電防止剤、レベリング剤、滑剤等の各種助剤を所
望の効果を阻害しない範囲で適宜添加することができ
る。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X
線、γ線等が挙げられるが、取扱い易さや、安全性の点
から紫外線、電子線が好ましい。特に電子線の場合、透
過性に優れ不透明基材側からの照射も可能である、熱の
発生が少なく感熱発色層のカブリ(熱による発色のため
の白色度低下)が少ない、光ラジカル重合開始剤を配合
する必要がなく、臭気が少ない、耐光性、塗布組成物の
保存安定性に優れる、生産性が高い等の種々の長所を有
する為、特に好ましい。
【0046】電子線を使用する場合、照射する電子線の
量は、吸収線量として1〜200kGy程度の範囲で調
節するのが望ましい。1kGy未満では十分な照射効果
が得られず、200kGyを超えるような照射は紙類や
ある種のプラスチックフィルム等の基材を劣化させる恐
れがあるため好ましくない。電子線の照射方式として
は、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブ
ロードビーム方式等が採用され、電子線を照射する際の
加速電圧は、照射する側の基材の厚さによりコントロー
ルする必要があるが、150〜300kV程度が適当で
ある。
【0047】活性エネルギー線として紫外線を使用する
場合、塗布組成物中に光ラジカル重合開始剤を配合する
必要があり、例えばチオキサントン、ベンゾイン、ベン
ゾインアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサント
ン、ベンゾフェノン、アントラセン、ベンジル、2,2 −
ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケター
ル、ジフェニルジスルフィド、アントラキノン、1−ク
ロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−
ter −ブチルアントラキノン、N,N’−テトラエチル
−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1 −ジクロロ
アセトフェノン等のラジカル重合開始剤の一種以上が適
宜配合される。なお、光ラジカル重合開始剤の使用量は
組成物全体の0.2 〜10重量%、好ましくは 0.5〜 5重量
%程度の範囲で調節するのが望ましい。紫外線照射用の
光源としては、1〜50個の紫外線ランプ(例えば数mmHg
から約10気圧までの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧
水銀ランプ)、キセノンランプ、タングステンランプ等
が用いられる。尚、紫外線を使用する場合は、不透明基
材は透過しにくいため、透明な型付シートを使用する場
合に適用でき、型付シート側から照射する必要がある。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて、図1を参照しながら
更に詳述するが、勿論これに限定されるものではない。
図1はこの発明の感熱記録体の一実施例の構成を示す断
面図である。なお、例中の部は重量部を示す。
【0049】実施例 下記に示すA液45部、B液80部、20%酸化澱粉水
溶液50部、水10部を混合、攪拌して調製した塗液
を、支持体となる80g/m2 の合成紙1(商品名;ユ
ポ、王子油化合成紙製)に乾燥後の塗布量が8g/m2
となるように塗布乾燥し、感熱発色記録層2を形成し
た。 〔A液調成〕3−(N−シクロヘキシル−N−メチルア
ミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン1
0部、メチルセルロース5%水溶液5部、水30部から
なる組成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるま
で粉砕した。 〔B液調成〕4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル20部、
メチルセルロース5%水溶液5部、水55部からなる組
成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるまで粉砕
した。
【0050】次に、上記の如くして得られた感熱発色記
録層2上に、アセトアセチル化ポリビニルアルコール
(商品名:Z−200,日本合成化学社製)8%水溶液
1000部、炭酸カルシウム(商品名:ソフトン180
0、備北粉化社製)100部、水100部よりなる中間
層用組成物を、乾燥後の塗布量が3g/m2 となるよう
に塗布乾燥し、更にスーパーカレンダーで平滑化処理し
てベック平滑度が5000秒である中間層3を形成し
た。
【0051】次に、電子線硬化型樹脂(Ebecryl
810;ダイセルUCB社製)を乾燥重量で4g/m
2 になるように塗布、形成した活性エネルギー線硬化型
樹脂層4と、あらかじめ、加熱した型版を押し圧して縞
模様を凹凸形状としてつけた型付シートとなるポリエチ
レンテレフタレートフィルム5(E5001,25μm
厚、東洋紡製)とをラミネーターで貼り合わせた後、直
ちに、電子線照射装置(エレクトロカーテンCB−150 ;
ESI社製)を用いて、加速電圧175kVで吸収線量
として30kGyの電子線をポリエチレンテレフタレー
トフィルム側より照射した。
【0052】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム5上に、コロナ処理を施した後、上記の中間層と同様
の組成物を、乾燥後の塗布量が4g/m2 となるように
塗布乾燥し、スーパーカレンダー加工して顔料を含む層
6を形成した。
【0053】かくして得た記録体に昇華転写記録用の感
熱ヘッドを備えたテストプリンターを用いて、第1回目
の記録をおこなった。この後ポリエチレンテレフタレー
トフィルム5を図2に示すように剥離した。図2はこの
発明の感熱記録体の型付シートであるポリエチレンテレ
フタレートフィルム5を剥離した状態を示す断面図であ
る。ポリエチレンテレフタレートフィルム5は問題なく
スムーズに、電子線硬化型樹脂層4との界面で剥離でき
た(剥離力は100〜150g/50mmであった)。
次に通常の感熱ヘッドを備えたテストプリンターを用い
て、発明者らが改竄用の記録に想定した第1回目の記録
とは異なる第2回目の記録をおこなった。これらの第1
回及び第2回の記録像に付き下記の項目について評価
し、その結果を表1に示した。
【0054】〔発色性〕記録像の画質を目視で判定し
た。 ○ ;発色画像に型付シートの影響がみられない。すな
わち、型の部分に印字が重なった場合でもその部分に印
字不良は認められなかった。 × ;発色画像に型付シートの型の影響がみられる。す
なわち、型の部分に印字が重なった部分に印字不良が認
められた。 〔スティッキング〕 ○ ;記録ヘッドへの貼り付きが全くなく極めてスムー
ズに記録できた。 × ;記録体が記録ヘッドに貼り付き、走行不良を起こ
した。
【0055】
【表1】
【0056】〔評価〕表1の結果から明らかなように、
第1回目の記録は型付シートの型の影響が全くみられず
発色不良箇所がなかった。第2回目の記録では型付シー
トの型の縁部分で発色不良箇所が多々観察され、またス
ティッキングの影響と見られる印字の歪み等の印字不良
や発色不良箇所も見られた。従って、型付シートを剥が
した後は記録を改竄しようとしても、その際の記録に発
色不良箇所を生じさせることが避けられないので改竄が
されたことが簡単にわかる。電子線硬化型樹脂は他にも
広範囲の樹脂が選択可能である。例えば、従来の感熱記
録体ではヘッドと直接接触するオーバーコート層に電子
線硬化型樹脂を用いる場合は耐熱性を考慮する必要があ
る。しかし、この様な耐熱性に優れた樹脂は柔軟性に欠
ける場合が多く、コート量が多くなると折れ割れ等を生
じる恐れもあり、その選択には注意を要した。これに対
し、本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂層はヘ
ッドと直接接触することがないので耐熱性に大きな配慮
を払う必要が無く柔軟性、熱伝導性等にのみ配慮すれば
良い。このような性質に優れた樹脂は、もしヘッドと直
接接触するようなことがあると簡単にスティッキングが
生じるので型付シートを剥がした後の記録が不可能にな
り、より優れた改竄防止効果が得られることになる。ま
た、活性エネルギー線硬化型樹脂を適宜選択することに
より、フィルムを剥離する際の剥離力をコントロールす
ることも可能である。
【0057】記録前の保存時から記録後に型付シートを
剥がすまで、複雑な凹凸形状を有していても、その活性
エネルギー線硬化型樹脂層の表面が型付シートに覆われ
て保護される。すなわち、その間に、外部からの機械的
な力や化学的な作用を受けても型付シートが完全にそれ
らを防いだり、または若干の傷や損傷を型付シート自身
が受けることによって内部の活性エネルギー線硬化型樹
脂層の凹凸表面は守られる。具体的にはひっかき傷防止
や薬品や溶剤による発色や減感の防止を行うことができ
る。
【0058】
【発明の効果】型付シート剥離前の記録時に安定した記
録が得られ、型付シート剥離後は更なる記録を試みても
印字不良が生じるので、改竄を防止できる。更に、記録
前の保存時から記録後に型付シートを剥がすまで、凹凸
形状を有する活性エネルギー線硬化型樹脂層の表面が型
付シートに覆われて保護されるので、外部からの機械的
な力や化学的な作用を受けても凹凸形状を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の感熱記録体の一実施例の構成
を示す断面図である。
【図2】図2はこの発明の感熱記録体の型付シートであ
るポリエチレンテレフタレートフィルム5を剥離した状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 感熱発色記録層 3 中間層 4 活性エネルギー線硬化型樹脂層 5 型付シート 6 顔料を含む層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−117352(JP,A) 特開 平6−135139(JP,A) 特開 平2−63787(JP,A) 特開 平7−61172(JP,A) 特開 平7−76165(JP,A) 特開 平7−76166(JP,A) 特開 平7−101150(JP,A) 特開 平7−137446(JP,A) 特開 平8−90927(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/18 - 5/24 B42D 15/10 501

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発
    色記録層、活性エネルギー線硬化型樹脂層及び該活性エ
    ネルギー線硬化型樹脂層との界面から剥離可能な凹凸形
    状を有する型付シートを順に備えた感熱記録体。
  2. 【請求項2】感熱発色記録層と活性エネルギー線硬化型
    樹脂層の間に、水系組成物より成る中間層を少なくとも
    1層備えた請求項1記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】型付シート上に、顔料を含む層を備えた請
    求項1又は2記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】感熱発色記録層を型付シート側に更に備え
    た請求項1〜3のいづれか1項に記載の感熱記録体。
  5. 【請求項5】顔料を含む層が感熱発色記録層となる請求
    項3記載の感熱記録体。
  6. 【請求項6】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱発
    色記録層を設け、更に水系組成物より成る中間層を必要
    に応じ設け、感熱発色記録層又は中間層と型付シート
    を、活性エネルギー線硬化型樹脂層を介して貼り合わせ
    た後、活性エネルギー線を照射する請求項1〜5のいづ
    れか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
  7. 【請求項7】型付シート側から情報を熱記録後、型付シ
    ートを剥がすことを特徴とする請求項1〜5のいづれか
    1項に記載の感熱記録体の記録方法。
JP20769894A 1994-08-31 1994-08-31 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法 Expired - Fee Related JP3336760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20769894A JP3336760B2 (ja) 1994-08-31 1994-08-31 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20769894A JP3336760B2 (ja) 1994-08-31 1994-08-31 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0872397A JPH0872397A (ja) 1996-03-19
JP3336760B2 true JP3336760B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=16544092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20769894A Expired - Fee Related JP3336760B2 (ja) 1994-08-31 1994-08-31 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3336760B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4489542B2 (ja) * 2004-09-08 2010-06-23 大日本印刷株式会社 記録シート

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0872397A (ja) 1996-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6875726B2 (en) Heat-sensitive recording material and process for production of the same
JP3614931B2 (ja) 記録シートおよび偽造検知方法
JPH10268772A (ja) 偽造防止シート及び偽造防止粘着ラベル
JPH10250228A (ja) 偽造防止シート及び偽造防止粘着ラベル
JP3336760B2 (ja) 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録方法
JP2007253369A (ja) 感熱記録体の製造方法
JPH0761126A (ja) 感熱記録体
JPH0890927A (ja) 感熱記録体及びその製造方法並びにその感熱記録体の記録 方法
JPH0789236A (ja) 複合感熱記録体
JPH0872401A (ja) 二重感熱記録体及びその製造方法
JPH09234957A (ja) 感熱記録体およびその製造方法
JP3204803B2 (ja) 感圧記録シート
JP2002248861A (ja) 感熱記録体
JP3204788B2 (ja) 感圧記録シートおよびその製造方法
JP3019229B2 (ja) 記録材料
JP2000025335A (ja) 感熱記録体
JP2008080568A (ja) 感熱記録材料及び感熱記録材料積層体
JP2886303B2 (ja) 感熱記録体
JP2837475B2 (ja) 感熱記録体
JP2965619B2 (ja) 感熱記録体の製造方法
JPH08230316A (ja) 感圧記録体及びその製造方法並びにその記録方法
JPH08183248A (ja) 自己発色性感圧記録シート及びその製造方法並びにその自己発色性感圧記録シートの記録方法
JP2015030237A (ja) 感熱紙
JPH0958120A (ja) 記録シートおよび偽造検知方法
JPH0924669A (ja) 感熱記録体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees