JPH0889772A - 液体処理方法および液体処理装置 - Google Patents

液体処理方法および液体処理装置

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JPH0889772A
JPH0889772A JP6318199A JP31819994A JPH0889772A JP H0889772 A JPH0889772 A JP H0889772A JP 6318199 A JP6318199 A JP 6318199A JP 31819994 A JP31819994 A JP 31819994A JP H0889772 A JPH0889772 A JP H0889772A
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大 松井
Hiroe Satou
洋江 佐藤
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光夫 平松
Shinichiro Aoshima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液相への気体の効率的な溶解方法、および液
相へ気体を効率良く溶解させることが可能な気体溶解装
置を提供する。 【構成】 バブリング等により、液相中に気体(酸素
等)からなる気泡を形成し、向かい合う振動波(超音波
等)の衝突を利用して該気泡を圧縮することにより、上
記気体を液相に効率的に溶解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水耕産業等の気体溶解
を用いる分野に広く利用可能な液体処理方法および液体
処理装置に関し、より詳細には、向い合う振動波の衝突
に基づく気泡の圧縮を利用して、気体の溶解、或いは液
相の改質を行なう方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水耕産業、養殖産業、化学工業、酵素工
業、水処理、燃料、排ガス処理等の分野においては、種
々の気体を液相中に溶解させることが行われている。例
えば、酸素を液相中に溶解した場合、水耕栽培の高効率
化、水槽内への生物の酸素供給の効率化、あるいはビー
ル、ウイスキー、日本酒、醤油、パン、豆腐等の発酵を
伴う食品の発酵時間の短縮化等が可能である。
【0003】気体を液相中に溶解させる最も典型的な方
法としては、気体を散気管から放出させて液相中にバブ
リングする方法が知られている。このバブリング方法の
気体溶解効率を向上させるために、気泡に超音波を照射
して微泡化することが提案されている(特開昭61−2
27824号公報)。
【0004】また、特開平5−115898号公報に
は、未処理水に対して、超音波処理、磁化処理、遠赤外
線処理、を順に施す水の処理方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このうち、前者の散気
管を用いた方法、及び超音波によって気泡を微泡化する
方法においては、液相中で気泡の自然溶解を行っている
ため、液相中の気体溶解量が飽和量に近づくにつれて該
気体の溶解速度が低下し、気体溶解量が飽和量に達する
までに長い時間を必要とするという欠点があった。
【0006】また、後者の水の処理方法では、超音波に
よる処理については、何等具体的に開示されていない。
【0007】したがって、本発明の目的は、液相に対し
て気体を効率的に溶解させる液体処理方法およびその装
置を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、超音波による
効率のよい水の改質方法およびその装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、向かい合う振動波の衝突により気泡を瞬間的に圧
縮することが、液相への気体の溶解効率を著しく向上さ
せることを見出した。さらに、振動波衝突により、液中
の気泡を高圧圧縮し、その際に生じる高温・高圧場によ
って、周辺の水に改質作用が働くことを見出した。
【0010】本発明の液体処理方法は、上記知見に基づ
くものであり、より詳しくは、液相中に気体からなる気
泡を形成し、向かい合う振動波の衝突を利用して該気泡
を圧縮することにより、上記気体を液相に溶解させるこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、本発明にかかる他の液体処理方法
は、液相中に気体からなる気泡を形成し、この液相中に
おいて振動波を衝突させて該気泡を圧縮することによ
り、その際に生じる高温・高圧場を利用して、この液相
を改質することを特徴とするものである。
【0012】本発明によれば、更に、液体を収容するた
めのチャンバーと、前記液体に振動波を与えるための振
動子と、前記液体中に気体からなる気泡を形成するため
の気泡形成手段とを備え、このチャンバー内における振
動波の衝突に基づき気泡を圧縮して、前記気体を前記液
体中に溶解させることを特徴とする液体処理装置が提供
される。
【0013】本発明によれば、更に、液体に振動波を与
えるための振動子を含み、液体を収容可能としたチャン
バーと、この液体中に気体からなる気泡を形成するため
の気泡形成手段とを備え、前記チャンバー内における振
動波の衝突に基づき気泡を圧縮して、この気体を液体中
に溶解させることを特徴とする液体処理装置が提供され
る。
【0014】さらに、本発明によれば、液体を収容する
ためのチャンバーと、この液体に振動波を与えるための
振動子と、この液体中に気体からなる気泡を形成するた
めの気泡形成手段とを備え、チャンバー内における振動
波の衝突に基づき気泡を圧縮することにより、その際に
生じる高温・高圧場を利用して、チャンバー内の液体を
改質することを特徴とする液体処理装置が提供される。
【0015】また、本発明よれば、液体に振動波を与え
るための振動子を含み、液体を収容可能としたチャンバ
ーと、この液体中に気体からなる気泡を形成するための
気泡形成手段とを備え、チャンバー内における振動波の
衝突に基づき気泡を圧縮することにより、その際に生じ
る高温・高圧場を利用して、チャンバー内の液体を改質
することを特徴とする液体処理装置が提供される。
【0016】
【作用】一般に、超音波等の振動波は液相中の溶存ガス
を放出することに用いられる。これに対して、本発明に
おいては、振動波の衝突による瞬間的な高圧状態を利用
して気泡を強制的に液相中に溶解させているため、従来
法より短時間で液相中に気体を溶解させる(例えば、飽
和量まで溶解させる)ことが可能となる。
【0017】以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。図1および図2は、振動波衝突
による気泡圧縮の原理と気泡の動きを説明するための模
式断面図である。図1を参照して、左右2個の振動子が
距離Lだけ離れて対向して配置されている。これらの振
動子間に気泡が存在すると、この気泡は振動子の1回の
振動毎に、瞬間的に次式で示される圧力(移動圧力)P
(左振動子から右振動子へ向かう方向を、「圧力が正」
の方向とする)を受ける。
【0018】 P=A exp(−kx)−A exp{−k(L−x)} ・・・(1) 上記(1)式中、Aは振動子から出た直後の振動波の振
幅、kは振動波の減衰定数、xは左振動子からの気泡の
位置(x座標)を示す。
【0019】上記(1)式に示したように、気泡の位置
が0<x<(L/2)の場合では該気泡にかかる圧力が
P>0となるため、気泡は右側に移動し、一方、気泡の
位置が(L/2)<x<Lの場合では、該気泡にかかる
圧力がP<0となるため、気泡は左側に移動する。気泡
の位置がx=L/2の場合には、P=0となり、気泡は
停止するが、その際に気泡は左右からA exp(−kL/
2)の圧縮圧力を受ける。
【0020】図2に、中心対称で円周上に複数の振動子
a〜e、および振動子a〜eに対して対称な位置で向い
合う振動子a´〜e´を配置した場合の模式平面図を示
す。これらの振動子a〜eおよびa´〜e´間に気泡
(小さい白丸で示す)が存在する場合、この気泡は式
(1)に示した圧力を各振動子の対から受けるため、円
の中心Mに吸い込まれるように(図中、矢印で示した方
向に)移動する。中心M付近では、各振動波(振動子a
〜e、a´〜e´からの振動波)の重なり合いに基づい
て、極めて大きな強振動波が作られる。このため、極め
て大きい圧力が気泡に加わり、気泡をより高速に液相中
に溶解させることが可能となる。また、中心M付近の気
泡は、強振動波の衝突により、高温・高圧場を形成し、
その周辺で効率よく、液体を改質させる。
【0021】複数の振動子を中心対称に球上に配置した
場合(球状のチャンバーが共鳴して該チャンバー全体が
振動している場合と等価である)、気泡は球中心部に引
き込まれ、より高い圧力で圧縮されて液相中に高速度で
溶解する。
【0022】上記図1においては、2つの振動子から出
る振動波を用いて説明したが、一つの振動子から出る振
動波とその反射波との衝突を利用すれば、1つの振動子
から出る振動波を用いても、本発明における気泡の圧縮
を行うことが可能である。
【0023】(液相)気体の溶解において対象となる液
相(ないし液体)は、気体を溶解する際の温度において
液体である限り、特に制限されない。このような液相と
しては、例えば、水等の無機液体;ガソリン、軽油、ア
ルコール等の有機液体ないし有機溶媒;、酵素工学ない
し発酵工学における培養液;排水処理における活性汚泥
混含有液;排ガス処理におけるSOx、NOx吸収用ア
ルカリ液;気体の吹き込み反応における媒体;あるいは
これらの混合物・組成物等が好適に使用可能である。
【0024】この場合、液相の温度として、該液相の融
点から沸点付近までが使用可能であり、気体溶解時の安
定性・再現性の点からは、(融点より約0℃以上高い温
度)から(沸点より約20℃以上低い温度)の温度範囲
(すなわち、水の場合、0℃から80℃までの温度範
囲)であることが好ましい。沸点付近には、通常、振動
波(超音波等)による気泡の発生量と、本発明の方法に
よる気泡の溶解量とが均衡する温度がある。
【0025】(溶解させる気体)上記した液相に溶解な
いし吸収させる気体(気泡を構成する気体)は、液相に
溶解する際の温度において気体である限り、特に制限さ
れない。このような気体としては、例えば酵素工業や排
水処理における空気あるいは酸素等の空気を構成する気
体;排ガス処理におけるSOx、NOx等の無機気体;
化学反応の試薬として供される各種の気体;殺菌処理等
に用いられるオゾン等が好適に使用可能である。
【0026】また、特に液相への飽和溶解度が比較的小
さい気体を用いる場合に特に有用である。このような気
体としては、20℃における液相1cm3 への飽和溶解
度が0.2cm3 以下(更には0.1cm3 以下)の気
体が好ましい。液相が水の場合、このような気体として
は、例えば酸素、オゾン等の酸素原子を含む気体;アル
ゴン、クリプトン等の不活性ガス;エチレン等の有機化
合物ガス、窒素等が挙げられる。
【0027】(改質)高温・高圧場の環境においては、
液体(特に水)の集合状態が変化したり、或いは水分子
のO−Hボンドの結合が切断され、OHや過酸化水素な
どの活性酸素種が生成される。そこで、「液体の改質」
を評価するために、本発明では、液体が改質されたか否
かの評価を、液体中において生成された活性化学種の量
を基準に行なうこととした。この評価は、活性酸素種等
の活性化学種の定量によく用いられるルミノール発光試
験によって得られた結果を基に行うこととする。
【0028】この測定方法は、酸化物の定量測定に広く
利用されている方法であり、ルミノールが酸化される際
に光を放つ性質を利用するものである。具体的には、一
定量のサンプル液とルミノール溶液とを暗室の中で混合
し、その際に放出される光の量をフォトンカウンターを
用いて測定する。また、上述したように「液体の改質」
の際には液体中に酸化物が生成されるが、改質の際に生
じる酸化物の種類は特定できていない。このため、この
酸化物の濃度を、同等の酸化能力を持つ過酸化水素の濃
度に換算することとした。具体的な換算手法として、ま
ず、各濃度の過酸化水素についてルミノール発光量を測
定しておき、この測定結果を基に、改質された液体から
検出されたルミノール発光量に対応する、過酸化水素の
濃度を求めるものである。
【0029】本発明では、後述するような実験結果、そ
の他の評価結果などを勘案して、ある液体中に存在する
活性化学種の量が、過酸化水素に換算した量で少なくと
も3×10-5mol/l程度であれば、その液体は改質
された液体であると評価した。
【0030】(改質に用いる気体)対象となる気体の種
類としては、特に限定されない。例えば、空気、酸素、
窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン等が挙げられる。
図11に気体の種類別の水の改質速度比を示す。改質速
度は、高温・高圧場で生じる酸化物の量を、ルミノール
化学発光試験によって定量することで求めた。改質速度
比とは、チャンバーの内径;D=5cm、処理時間;T
=1時間、導入ガス;酸素、処理温度;Tm=22℃に
おける改質速度を1(基準)とする改質速度の比であ
る。なお、基準値となる改質速度1における活性化学種
の量は、過酸化水素に換算した量で、3×10-5M/時
間 (M=mol/l)である。気体化学反応物質の混
入を避ける観点から、高温・高圧場でも化学的に安定な
希ガスが望ましい。また、改質速度の観点から、溶解度
の大きい希ガスほど好ましい。
【0031】(気泡)気泡の発生方法としては、公知の
気泡発生方法が特に制限なく使用可能である。より具体
的には例えば、散気管(ノズルないし細管を含む)を用
いて気体を液相中に注入して気泡を発生させる方法、液
柱を液相の液面に衝突させて気泡を発生させる方法など
を用いることができる。
【0032】ここで、液体を改質するにあたり、この液
体中に気泡を導入することによる作用を説明する(図2
参照)。前述したように、気泡(小さい白丸で示す)を
導入すると、この気泡は、振動波による圧力を受けて中
心Mに向かって移動する。中心M付近では、各振動波の
重なり合いによって、極めて大きな強振動波が作られ
る。従って、中心M付近に運ばれた気泡は、強振動波の
衝突によって極めて高い圧力で圧縮される状態となり、
その結果、気泡内部の気体分子は、高運動エネルギーを
持ったものになる。このように高運動エネルギーを持っ
た気体分子が、気泡の界面において液体と衝突した際
に、その液体の分子結合が切られ、これにより液体の改
質が進むものと推測される。
【0033】なお、気泡を一切導入しないで、前述の図
11と同じ測定条件で改質速度を測定した。このときの
改質速度は、2.5 ×10-8M/時間(M=mol/l)
程度であり、気泡を導入した場合の約1/1200であ
った。この結果からも、液体中に気泡を導入した方が、
液体を効率的に改質し得ることが確認できる。
【0034】(チャンバー)チャンバー(ないし容器)
の形状は、その内部に液相を収容可能である限り特に制
限されないが、共鳴現象の利用により振動波の振幅を増
大させることができ、また、振動波の重ね合わせによっ
て局所的な強振動波場が形成できる点からは、該チャン
バーは共鳴可能な形状を有していることが好ましい。こ
のような「共鳴可能な形状」としては、例えば平行平面
を有する形状(直方体状等)、円柱状、球状が挙げられ
る。中心部附近で気泡を効率的に圧縮・溶解させる点、
および、局所的に強振動波場を形成できる点からは、球
状チャンバーを用いることが特に好ましい。
【0035】本発明においては、上記した個々のチャン
バーが複数連結されていてもよい。例えば球状チャンバ
ーが複数直列に重なっていてもよい。このように複数の
チャンバーを用いることは、液相を流しながら気体を溶
かす観点、および、処理液体の量を増加させる観点から
好ましい。
【0036】チャンバーの大きさは、用いる液相、振動
波の振幅・周波数等の条件によっても異なるが、通常は
(縦、横、厚さのうち)最大の寸法が、1〜10cm程
度(更には2〜7cm程度)であることが好ましい。チ
ャンバーが大き過ぎると振動子と中心部との距離が長く
なり、中心部附近における振動の減衰が顕著となる。一
方、チャンバーが小さすぎると外部から液相に振動を与
える表面積が小さくなり、中心部附近の振動波の集中度
が低下する。
【0037】より具体的には例えば、球状チャンバー
で、液相として水を用いた場合、該球状チャンバーの直
径は2〜7cm程度が好ましい。
【0038】図12に、チャンバー内径に対する改質速
度比を示す。チャンバーの大きさは、使用する振動子の
性質によって異なるが、この場合には、3〜7cm程度
(特に、4〜6cm程度)が好ましい。チャンバー直径
が大きいと、振動波が気泡に到達するまでの距離が長く
なるため、振動波の減少により高温・高圧場を効率よく
形成できない。一方、チャンバー直径が小さすぎると、
チャンバーの共鳴周波数は高くなり、振動子振幅を大き
くすることが困難となる。
【0039】チャンバーの材質は、その内部に気体を溶
解させるべき液相を収容可能である限り特に制限されな
いが、振動子をチャンバー外部に配置する場合には、チ
ャンバーの材質は振動波(特に、超音波)を効率良く透
過する材質であることが好ましい。チャンバーの材質と
しては、より具体的には例えば、ガラス、石英、金属、
セラミックス、プラスチック等が使用可能である。
【0040】チャンバーの厚さは、振動により壊れない
厚さである限り、できるだけ薄いことが、振動波の振幅
の低減を極力抑える点から好ましい。より具体的には、
例えば、材質がガラスの場合、チャンバーの厚さは1m
m程度が好ましい。
【0041】(振動子)振動子の材質、形状、構造等
は、液相に振動波を与えることが可能である限り特に制
限されない。振動子の個数は1個でも可能であるが、安
定した強い振動波を作る観点からは、2以上の偶数(例
えば、4以上、更には6以上の偶数)であることが好ま
しい。2以上の振動子を配置する場合、これらのうち何
れか2個の振動子が互いに中心対称の位置になるように
配置することが好ましい。
【0042】上記したチャンバー自身を振動子で形成し
てもよく、またチャンバーの一部分が振動子自体であっ
てもよい。振動子をチャンバーの外部又は内部に配置す
る場合、該振動子の配置ないし取り付けの位置は、チャ
ンバー外壁、チャンバー内壁、あるいは液相中のいずれ
であってもよい。
【0043】振動子の駆動電圧の波形は、特に制限され
ない。すなわち、パルス状、正弦波、方形波、三角波等
のいかなる波形を用いてもよい。複数の振動子を配置す
る場合には、これらの振動子全部に同時に同一の駆動電
圧を印加することが好ましい。
【0044】(溶解における振動波)振動波の振幅は、
気泡が振動波によって捕捉された際に(その捕捉位置に
おいて)溶解を開始する振幅以上であることを必要とす
る。また、振動波振幅が大きいほど気体の溶解速度は高
速になるが、液相および/又は気相の種類によっては振
動波による気泡の発生量と溶解量と均衡する(平衡状態
となる)ため、通常、振動子振幅には上限がある。
【0045】振動波の周波数は、向い合う振動波の対称
性の点から、少なくとも対になる振動子に関しては、同
一とすることが好ましい。更には、配置された振動子の
全部に関して、該周波数を同一とすることが望ましい。
振動波の周波数は、通常1Hz〜1GHz(ギガヘル
ツ)程度とすることが可能であり、更には10kHz〜
10MHz(メガヘルツ)程度(特に20kHz〜1M
Hz程度)とすることが好ましい(通常、周波数15k
Hz以上の不可聴音波は超音波であり、これ未満の周波
数のものは音波である)。液相が水の場合、周波数は2
0kHz〜70kHz程度であることが好ましい。
【0046】チャンバーの共鳴による大振動波を利用す
る場合、振動波の周波数は、下記式で示される共鳴振動
数f(チャンバーの内径と、液相の振動波伝搬速度とで
決定される)の整数倍であることが望ましい。
【0047】 f=V/D (Hz) ・・・(2) (上記式中、Vは液相の振動波伝播速度(m/sec)
を示し、Dはチャンバーの内径(m)を示す。) 本発明において、気体溶解の効率化ないし消費エネルギ
ー低減の点からは、振動波の共鳴現象を用いることが好
ましい。ここに、「共鳴」とは、振動系に加わる周期的
外力の振動数が該振動系の固有振動数に近くなったとき
に、振動系の振幅が急激に増大する現象をいう。本発明
において、チャンバーの振動振幅は、例えば、該チャン
バーに配置したマイクロフォンや圧電素子等の検出器か
らの電圧でモニターすることが可能である。最適の共鳴
状態となると、該検出器からの電圧が最大となり、振動
子に流れる電流が最小となる。
【0048】(圧力)液相に対する気体の溶解度は、圧
力が高いほど大きくなる。本発明において、気泡はチャ
ンバーの中心部に近いほど(振動波の重なりあいに基づ
き)大きな圧縮圧力を受ける。この圧縮圧力は、気体が
液相に溶解し難い条件下(例えば、飽和状態、液相の温
度が高い状態)において、圧縮された気泡の気泡径を測
定した際の圧縮比から求めることが可能である。このよ
うな気泡径は、例えば、レーザー光(好ましくは、波長
400〜700nm程度)の散乱に基づき測定すること
が可能である。本発明者の知見によれば、後述する実施
例においては、最大で数千気圧程度までの圧縮圧力であ
ることが求められている。
【0049】(液体処理装置:気体溶解用)図3(a)
に本発明の液体処理装置の一実施態様の模式側面断面図
を示す。図3(b)にはA部(細管部)の拡大図、図3
(c)には振動子(ピエゾ素子等)の拡大図を示す。
【0050】図3(a)を参照して、この液体処理装置
は、液体を収容するためのチャンバーと、該チャンバー
の側面に2個配置され、上記液体に振動波を与えるため
の振動子と、該液体中に気泡を生じさせるための細管
(気泡形成手段)とからなる。このような液体処理装置
においては、上記チャンバー内における振動波の衝突に
基づき気泡が圧縮され、この気泡を構成する気体が液体
中に溶解される。
【0051】液体に溶け込んだ気体の体積は、例えば、
この気体を収容するシリンジ目盛りの変化から測定する
ことができる。図3(a)においては、振動子はチャン
バーの横側に中心対称に1組(2個)だけ取り付けられ
ている。この振動子には、発振器(振動波発生手段)で
発生され、アンプで増幅され、且つQ回路で特定の周波
数が強められた振動電流が供給される。チャンバーの底
面には、振動波の検出手段たるマイクロフォンが配置さ
れ、このマイクロフォンで検出された振動波の波形(お
よびQ回路から振動子に供給される振動電流の波形)
は、オシロスコープでモニターされている。
【0052】図3(a)の装置において、チャンバー径
Dと水の振動波伝搬速度Vから決定される共鳴周波数f
(f=V/D)で振動子を動作させると、振動波の共鳴
によりチャンバー内に強い振動波が生じ、細管先端から
浮上していた気泡は球の中心方向へ小さくなりながら引
き込まれる。細管は、チャンバーが共鳴すると同様に振
動し、通常より小さい気泡を液相に供給することが可能
となる。球状チャンバーの中心付近においては、チャン
バー内壁から生じた振動波が局所的に重なり合うため
に、極めて強い圧縮圧力が気泡に加わり、気体は高速度
で溶解される。気泡が球状チャンバーの中心方向に引き
込まれるため、気泡の移動によりチャンバー内が撹拌さ
れ、溶液全体における気体の溶解密度を均一にする方向
に作用する。
【0053】図6(a)に本発明の液体処理装置の他の
実施態様の模式側面断面図を示す。また、図6(b)に
はA部(細管部)の拡大図、図6(c)には振動子(ピ
エゾ素子等)の拡大図を示す。
【0054】図6を参照して、この液体処理装置におい
ては、液相に気泡を発生させる手段として、同一又は異
なる液体(連続的な液柱状でも、断続的な液滴状でもよ
い)を、液相の液面に衝突させて気泡を発生させている
以外は、図3に示した液体処理装置と同様の構成となっ
ている。このような液体打ち込み法を用いた際には、小
さい気泡(微気泡)が容易に得られるという利点があ
る。
【0055】図10(a)に本発明の液体処理装置の、
更に他の実施態様の模式側面断面図を示す。図10
(b)にはA部(細管部)の拡大図、図10(c)には
振動子(ピエゾ素子等)の拡大図を示す。
【0056】図10を参照して、この液体処理装置にお
いては、図3のオシロスコープに代えて周波数最適化演
算装置を配置し、この周波数最適化演算装置とQ回路と
の間に、このQ回路から振動子に供給される振動電流を
検出するための電流プローブを設けている。その他の構
成は、図3の装置と同様の構成である。この装置では、
チャンバーの振動振幅と、振動子に流れる電流とをモニ
ターして、共鳴の条件を常に満たす方向に振動子の振動
周波数を制御するフィードバック機能を付加している。
【0057】上記チャンバーが共鳴状態になると、チャ
ンバーの振動振幅が最も大きくなり、且つ振動子に流れ
る電流は最も小さくなるので、これらを検出して調整す
ることにより、共鳴状態を維持することができる。図1
0の態様においては、液相の温度や気体溶存量等によっ
て液相の振動波伝搬速度が変化しても、常に共鳴状態を
保持するように制御可能となっている。
【0058】(改質における振動波)振動波の振幅は、
最低でも圧縮された気泡周辺で酸化物の生成が確認でき
る程度の振幅が必要である。
【0059】図13に、振動周波数に対する改質速度比
を示す。これは、図12の結果から、前出の(2)式を
用いて算出したものである。その結果、振動周波数は、
25kHz〜55kHz程度の範囲、特に30kHz〜
40kHzの範囲が好ましいことが判明した。
【0060】高圧・高温場を形成する際に必要なエネル
ギーの効率の観点から、振動波の共鳴現象を用いること
が好ましい。ここに、「共鳴」とは、振動系に加わる周
期的外力の振動数が振動系の固有振動数に近くなった時
に、振動系の振幅が、急激に増大する現象をいう。
【0061】この場合も、チャンバーの振動振幅は、例
えば、チャンバーに配置したマイクロフォンや圧電素子
などの検出器で検出し、得られた電圧をもとにモニター
することが可能である。最適の共鳴状態になると、検出
器から出力される電圧が最大となり、また、振動子に流
れる電流は最小となる。
【0062】図14に、D:5cm、酸素導入、T:1
時間、Tm:22℃の条件下において、振動周波数を変
化させた際の改質速度比特性を示す。この結果より、チ
ャンバーの共鳴が観測される領域で改質速度比が極めて
高くなり、チャンバーの共鳴を利用することが、極めて
効率的であることが実験的に明らかになった。
【0063】(改質における処理温度)図15に、処理
温度に対する改質速度比を示す。この結果より、改質速
度比は、処理温度Tm=4℃で最大となり、温度を高く
すると次第に改質速度比が低下することが判明した。従
って、液体の処理温度は、0℃〜10℃程度が好まし
く、4℃程度に設定することが最も好ましいことが判明
した。
【0064】(改質における処理時間)図16に処理時
間に対する改質量の変化を示す。改質量は、処理時間に
比例しており、長時間処理をする水ほど改質された水の
割合が高くなることが分る。
【0065】(液体処理装置:液体改質用)図17
(a)に水の改質装置の一実施態様を示す。また、図1
7(b)にはA部(細管部)の拡大図、図17(c)に
は振動子(ピエゾ素子)の拡大図を示す。
【0066】この装置は、液体を収容するためのチャン
バーと、液体振動を与えるための2個の振動子と、液体
中に気泡を生じさせるための細管(気泡形成手段)と、
水処理部全体を一定の低温度に保つチャンバー冷却装置
(温度制御装置)から構成される。
【0067】液体内の気泡形成手段は、細管や散気管か
ら気泡を放出する方法等のいかなる方法でもよいが、図
18のように定常波を乱し難く、且つ小さい気泡を容易
に供給できる観点から、ポンプで液体をくみあげ、A部
の細管から放出する方法が好ましい(連続的な液柱状で
も、断続的な液滴状でもよい)。
【0068】処理水の冷却方法は、図17(a)のよう
に水処理部全体を冷却する方法、図19のように処理水
をポンプで循環させて水だけを冷却する方法、図18の
ように気泡導入するための循環水を冷却する方法のいず
れでもよい。
【0069】図17(a)においては、振動子はチャン
バーの横側に中心対称に1組(2個)だけ取り付けてい
る。この振動子には、振動数発生手段で発生され、アン
プで増幅され、;且つ変圧器で昇圧された振動電圧が供
給される。チャンバーの底面には、振動波の検出手段た
るマイクロフォンが配置され、このマイクロフォンで検
出された振動波の波形(もしくは振動子に供給される振
動子駆動電圧)は、オシロスコープによってモニターす
る。
【0070】図17(a)の装置において、チャンバー
径Dと水の振動波伝搬速度Vから決定される共鳴周波数
f(f=V/D)で振動子を動作させると、振動系の共
鳴によりチャンバー内に強い振動波が生じ、気泡は球の
中心方向へ引き込まれる。中心部付近で気泡圧縮で形成
された高温・高圧場により、効率よく水の改質が行え
る。
【0071】図20を参照して、この液体処理では、図
17(a)のオシロスコープに代えて周波数最適化演算
装置を配設すると共に、振動子と変圧器との間に、変圧
器から振動子に供給される振動電流を検出するための電
流プローブを設けている。その他の構成は、図17
(a)の装置と同様の構成である。この装置では、マイ
クロフォンから検出されるチャンバーの振動振幅と、振
動子に流れる電流との双方をモニターして、共鳴条件を
常に満たす方向に振動子の振動周波数を制御するフィー
ルドバック機能が付加されている。
【0072】チャンバーが共鳴状態になると、マイクロ
フォンから検出されるチャンバーの振動振幅が最も大き
くなり、かつ、振動子に流れる電流は最も小さくなる。
従って、これらを検出して調整することにより、共鳴状
態を維持することができる。図20に示す構成を採用す
ることにより、液体の温度等によって振動波伝搬速度が
変化しても、常に共鳴状態を保持することが可能であ
る。
【0073】また、共鳴状態を維持する方法としては、
例えば、以下に示す2通りの方法がある。1つは、対向
する振動子から同時に振動波を発生させ、共鳴状態を維
持する方法である。もう1つの方法は、一方の振動子か
ら振動波を発生させ、対向する他方の振動子で到達する
振動波を検出すると共に、検出された後、できるだけ短
時間で、この振動波が到達した振動子に駆動電圧を印加
する方法である。なお、この他の方法であっても、共鳴
状態を維持することは、勿論可能である。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0075】実施例I−1 図3の液体処理装置を用いて、気体の溶解実験を行っ
た。図3を参照して、本実施例においては、チャンバー
はガラス製で外径40mm、内径38mmの球状のもの
を使用した。振動子はチャンバーの横側に中心対称に1
組(2個)だけ取り付けた。
【0076】上記チャンバー内に溶存ガスを含まない純
水を入れ、循環ポンプにより細管(内径500μm)か
らガスを純水中に放出して気泡を発生させた。溶け込ん
だガスの体積は、ガスを収容したシリンジの目盛りの変
化から測定した。振動子駆動電圧は、発振器から、アン
プ(180W)、Q回路を経て2個の振動子に印加し
た。振動子の駆動電圧300Vp-p の場合、発振器の出
力電圧2Vp-p 、アンプ出力電圧60Vp-p であった。
【0077】図3の装置において、チャンバーの径D
と、水の振動波伝搬速度Vとから決定される共鳴周波数
f(f=V/D)で振動子を動作させたところ、チャン
バー内に強烈な振動波が生じ、細管先端から浮上してい
た気泡は球の中心方向へ小さくなりながら引き込まれ
た。この細管は、チャンバーが共鳴すると同様に振動
し、通常(共鳴がない場合)より小さい気泡を液相に供
給することができた。球状チャンバーの中心付近は、チ
ャンバー内壁から生じた振動波が局所的に重なり合うた
めに、気泡に極めて強い圧縮圧力が加わり、気体は高速
度で溶解した。このように気泡が球状チャンバーの中心
方向に引き込まれたため、チャンバー内の撹拌が行わ
れ、溶液全体の気体の溶解密度は均一化された。
【0078】図4のグラフに、水に対するアルゴンの溶
解量特性を示す。実験した溶解方法は、本実施例の方
法、バブリング法(気泡径1mm)、および超音波法
(特開昭61−227824号公報;超音波洗浄器とし
て、BRANSON社製のB−72Jを使用)の3つで
あった。上記超音波法においては、上記公報の実施例で
記載されているパワー密度(0.33W/cm2 以上)
より小さい0.24W/cm2 で実験を行った。
【0079】各溶解方法の溶解し易さを比較するため、
気体の溶解速度を、「飽和溶解量の95%まで気体が液
相に溶解するまで必要な時間」で評価した。水の場合で
はV=1500m/sであり、チャンバー内径が38m
mのため、振動周波数をf=39.5kHz(f=15
00000mm/38mm=39.47kHz〓39.
5kHz)で、球状チャンバーは共鳴を起こした。
【0080】その結果、図5に示したように、本実施例
の溶解方法では溶解速度が2.5分、超音波法では13
分、バブリング法では20分であった。バブリング法に
おいては、飽和量の半分程度を溶かすことは比較的短時
間に可能であったが、これを越える溶解量を得るために
は、かなり多くの時間が必要であった。これに対して、
本実施例の溶解方法においては、上記したようにバブリ
ング法の溶解速度の8倍の速度が得られ、極めて短時間
に飽和量まで気体を溶解することができた。
【0081】また、本実施例の溶解方法においては、上
記したように超音波法と比べて約5倍の溶解速度が得ら
れ、投入エネルギーもはるかに小さかった(超音波法の
約1/10)。
【0082】次いで、アルゴンより飽和溶解量の多い炭
酸ガス(飽和溶解量がアルゴンの25.9倍)の溶解量
特性を、上記と同様に測定した。得られた結果を図5の
グラフに示す。
【0083】図5に示したように、本実施例の方法で
は、バブリング法と比べてやや溶解速度が速かったが、
ある程度液相にガスを溶解した際には、ガス排出効果が
生じて気体溶解量は、飽和溶解量の88%程度が限界で
あった。本実施例の方法を用いた場合、飽和溶解量の多
い気体では、酸素やアルゴンの場合のように優位な溶解
速度差は得られにくい傾向があり、振動波振幅が必要以
上に大きい場合には、飽和溶解量より低い段階に止まる
場合があった。本発明の方法で飽和量まで溶かすことが
困難な場合、バブリング法等を組合わせることにより、
飽和量まで溶解させることが可能である。
【0084】下記表1にバブリング法と本発明方法とに
おける各気体の溶解速度を示す。
【0085】
【表1】
【0086】上記表1に示したように、本実施例の方法
を用いた場合、バブリング法における溶解速度に比べ
て、酸素、アルゴンおよび窒素で8倍程度、エチレンで
3倍程度、炭酸ガスでほぼ同等の溶解速度が得られた。
以上の結果から、本実施例の方法においては、液相への
飽和溶解量の小さい気体ほど、溶解速度向上に効果があ
ることが実験的に確認された。
【0087】実施例I−2 図6の液体処理装置を用いて気体溶解実験を行った。本
実施例においては、液相に気泡を送り込む方法として、
液柱を水面に衝突させ微気泡を得る方式を採用した(液
柱打ち込み法)。液柱は、液柱径300μm、液柱速度
80cm/sであった。振動子の駆動電圧は300V
p-p 、温度は22℃として以下の実験を行った。
【0088】得られた結果を下記表2に示す。サンプル
ガスとしては、酸素、アルゴン、および窒素を用いた。
【0089】
【表2】
【0090】上記表2に示したように、本実施例の液柱
打ち込み法を用いた場合、細管によるバブリング法より
細かい気泡が多く生成でき、バブリング法より速い溶解
速度が得られた。本実施例(I−2)においては、実施
例(I−1)における細管(気泡形成手段)の振動によ
る微泡化効果がないため、溶解速度向上の効果は実施例
1に比べてやや小さかったが、それでもバブリング法に
比べて溶解速度で3〜5倍の優位な差があった。
【0091】次いで、液相を水からオクタンに代え、ア
ルゴンガスの溶解を試みた。振動子駆動電圧が300V
p-p の場合では、オクタンから気泡が放出されたため、
振動子駆動電圧が200Vp-p で実験を行った。図7の
グラフに、本実施例で得られたオクタンに対するアルゴ
ンの溶解特性を示す。各方法の溶解速度は、本実施例の
方法で10分、液柱打ち込み法(液相に振動波を与えな
い)で20分であった。また、本実施例の方法では、気
体の溶解量は、飽和溶解量の95%まが限界であった。
100%の飽和溶解量が必要とされる場合には、本実施
例の方法で飽和溶解量の95%まで気体を溶解させ、そ
の後は液柱打ち込み法を用いることが好ましい。
【0092】さらに、有機溶媒に対する溶解の実施例と
して、軽油および重油を用いて溶解処理を実施した。処
理チャンバーは直径Dが4cmであり、溶解ガスとして
酸素を用いた。この結果を図8及び図9に示す。図8は
軽油に対する酸素ガスの溶解特性を示し、図9は重油に
対する酸素ガスの溶解特性を示す。この結果、本実施例
の装置を用いることで、バブリング方法に比べ、軽油の
場合で6倍、重油の場合で13倍速い溶解速度が得られ
た。
【0093】以上で得られた結果から、本発明の方法は
有機溶媒に対しても充分使用可能できることが実験的に
確認された。
【0094】実施例I−3 図10の液体処理装置を用いて気体溶解実験を行った。
本実施例においては、図3のオシロスコープに代えて周
波数最適化演算装置を配設し、この周波数最適化演算装
置とQ回路との間に、このQ回路から振動子に供給され
る振動電流を検出するための電流プローブを設けた。こ
の他の構成は、図3の装置と同様の構成とした。この装
置は、チャンバーの振動振幅と、振動子に流れる電流と
をモニターして、共鳴の条件を常に満たす方向に振動子
の振動周波数を制御するフィードバック機能を付加した
ものである。
【0095】上記した図10の液体処理装置を用いて実
験を行ったところ、チャンバーが共鳴状態になると、チ
ャンバーの振動振幅が最も大きくなり、且つ振動子に流
れる電流は最も小さくなった。本実施例においては、チ
ャンバーの振動振幅と、振動子に流れる電流とを検出し
て周波数最適化演算装置を用いてこれらを調整すること
により、チャンバーの共鳴状態を維持することができ
た。したがって、本実施例においては、液相の温度や気
体溶存量等によって液相の振動波伝搬速度が変化して
も、常に共鳴状態を保持するように制御することが可能
であった。
【0096】上述したように、本発明の液体処理方法な
いし液体処理装置を使用した場合には、従来法より短時
間に飽和溶解量まで気体を溶解することができた。
【0097】実施例II−1(液体の改質) 図17(a)の液体処理装置を用いて以下の実験を行な
った。チャンバーは石英製で外径54mm、内径50m
mの球状のものを使用した。振動子はチャンバーの横側
に中心対称に1組(2個)だけ取り付けた。
【0098】このチャンバー内に溶存ガスを含まない純
水を入れ、細管(直径500μm)から気泡を放出し
て、液体内に気泡を導入した。振動子の駆動電圧が 1
500VP-P の場合、発振器の出力電圧は3.2
P-P 、アンプ出力は120VP-P であった。また、処
理水の温度制御はチャンバー外壁から行った。
【0099】図17(a)の装置において、チャンバー
の直径Dと、水の振動波伝搬速度Vとから決定される共
鳴周波数(f=V/D)で振動子を動作させたところ、
チャンバー内に強烈な定常波が生じ、液体内の気泡はチ
ャンバーの中心方向へ引き込まれた。気泡を連続的に導
入することで、気泡の内在する強振動波場を定常的に形
成できた。また、この装置によれば、チャンバー内にお
ける改質された水の割合は、処理時間を増減させること
により、調整することが可能である。
【0100】実施例II−2(液体の改質) 図18に液体処理装置の他の構成を示す。この装置にお
いては、気泡を発生する手段として、ポンプにより水を
循環させて液柱を液面に衝突させて気泡を発生させてい
る点と、循環水の温度制御により処理水の温度コントロ
ールしている点が、図17の装置と異なる。このような
液体打ち込み法を用いた場合には、小さい気泡(微気
泡)が容易に得られ、冷却効率もよい利点がある。
【0101】実施例II−3(液体の改質) 図19に、液体処理装置の他の構成を示す。この装置に
おいては、処理水の温度を制御する方法が、処理水を循
環させる点で図17の装置と異なる。この装置は、図1
7の装置より冷却効率がよい利点がある。
【0102】実施例II−4(液体の改質) 図20にさらに別の液体処理装置の構成を示す。本実施
例においては、図17のオシロスコープに代えて周波数
最適化演算装置を配置し、変圧器と振動子との間に、変
圧器から振動子に供給される振動電流を検出するための
電流プローブを設けている。この他の構成は、図17の
装置と同様の構成である。
【0103】この装置は、チャンバーの振動振幅と、振
動子に流れる電流とをモニターし、かつ演算することに
より、共鳴の条件を常に満たす振動周波数を維持する機
能を付加している。
【0104】この液体処理装置を用いて実験したとこ
ろ、チャンバーが共鳴状態になると、チャンバーの振動
振幅が最も大きくなり、且つ、振動子に流れる電流は最
も小さくなった。
【0105】実験の結果、チャンバーの振動振幅と、振
動子に流れる電流とを検出し、周波数最適化演算装置で
これらを調整することにより、チャンバーの共鳴状態を
維持することができた。この結果より、液体の温度や気
体溶存量によって液体の振動波伝搬速度が変化しても、
常に共鳴状態を保持するように制御できることが確認で
きた。
【0106】実施例II−5 前述した共鳴状態を維持する方式として、図21にその
一例を示す。なお、図21(a)には装置構成を、図2
1(b)には、その概略的な工程表を示す。
【0107】この制御装置は、一つの振動子100に通
じる2つの回路、すなわち、振動波を検出するための検
出側回路と振動波を印加するための印加側回路とに、高
速に切り替える高速スイッチ101を備えている。そし
て、この振動子100に振動波が到達した際に発生され
る電圧を振動波検出器102で検出し、また、印加電圧
出力回路103によって、振動子100に駆動電圧を印
加する。この他に、タイマー1、タイマー2を備えてお
り、各タイマーによって、共鳴状態を維持できるよう
に、検出側回路と印加側回路との切り替えを短時間に行
いつつ、振動波の発生を行なっている。
【0108】ここで、制御動作について説明する。ま
ず、高速スイッチ102が検出側に切り替わっている状
態で、対向する他方の振動子から振動波を発生させ、こ
の振動波を振動子100を介して振動波検出器102で
検出する(#100)。振動波を検出したタイミング
で、タイマー1、タイマー2の動作が開始する(#10
2、#104)。また、同時に、振動波検出器102
は、高速スイッチ100に対して切り替え信号を与え、
この信号を受けた高速スイッチは、内部スイッチを印加
側に切り替える(#106)。
【0109】次に、タイマー1で設定された時間が経過
した後、印加電圧出力回路103から印加電圧が出力さ
れる(#108)。この出力電圧は、既に切り替わって
いる高速スイッチ101を介して振動子100に与えら
れ、振動子100から振動波が発せられる。
【0110】次に、タイマー2で定された時間が経過し
た後、タイマー2から与えられる切り替え信号を受け
て、高速スイッチ101は、内部スイッチを検出側に切
り替える(#110)。これによって、到達する振動波
を、再び、検出し得る状態となる。以上の制御フローを
繰り返すことにより、共鳴状態を維持することができ
る。
【0111】なお、この場合、図21(a)に示すよう
な、振動子100に対して接続される装置を、対向する
両振動子に設けた状態で、この両振動子から同時に振動
波を発生させて制御フローを開始させてもよく、或い
は、前述したように、片側の振動子から振動波を発生さ
せ、到達する振動波を対向側の振動子で検出すること
で、制御フローを開始させても良い。
【0112】実施例II−6(液体の改質) 図22(a)に液体処理装置の他の実施例を示す。この
装置は、脱気後の水を自動的に装置に導入し、改質処理
後に排出する機能を付加したものである。
【0113】以下に、この装置の動作の概略を図22
(a)、(b)に基づいて説明する。なお、図22
(a)には装置構成を、図22(b)には、その概略的
な工程表を示す。
【0114】まず、バルブB4のみを「開」とした状態
で吸引ポンプを駆動させ、改質処理を行なうべき、水処
理部内のガス抜きを行なう(工程1)。次に、さらにバ
ルブB1を「開」とする(工程2)。これにより、脱気
処理装置によって脱気処理されたタンク内の水が、水処
理部内に導かれる。次に、水位検出装置によって、所定
量の水が水処理部に導入されたことが検出されると、水
処理部に通じる全てのバルブ(この段階では、バルブB
4、B1)を「閉」にすると共に、吸引ポンプを停止さ
せる(工程3)。
【0115】次に、バルブB3を「開」として、アルゴ
ン、酸素などの水改質用のガスを水処理部内に注入し、
振動子から与えられる振動波の共鳴を利用した改質処理
を実施する(工程4)。
【0116】次に、この処理を一定時間行なった後、振
動波の供給を停止し(工程5)、バルブB4を「開」と
し、水処理部内において改質処理された水をバルブB2
を介して排出する。
【0117】以上のフローによって、脱気後の水に対し
て、自動的に改質処理を施すことができる。なお、本実
施例における、各バルブの開閉制御、吸引ポンプの駆動
制御、タンクおよび水処理部の水位検出結果等の各処理
は、主制御装置によって行なうものである。また、この
際、前出の実施例で例示した、被処理水の温度制御、気
泡導入装置の制御等は、任意の態様を適宜選択し使用す
る。
【0118】実施例II−7(液体の改質) 図23(a)に液体処理装置の他の実施例を示す。この
装置は、水処理部において脱気処理も行う機能を付加し
ている。その他の構成及び使用態様は、実施例II−6と
同様であり、説明は省略する。なお、詳しい動作は、同
図(b)の工程表を参照されたい。
【0119】実施例II−8(液体の改質) 図24に液体処理装置の他の実施例を示す。この装置
は、液体を連続的に流しながら処理するタイプの装置で
ある。この装置では、流量制御装置による制御の下、脱
気処理後の水を一定の流量で水処理部に流し込む。そし
て、一定時間だけ水処理部において前出の改質処理を施
し、この後、外部に排出するものである。
【0120】なお、その他の構成及び使用態様は前出の
実施例を参照されたい。
【0121】上述したように、前述した各実施例の改質
方法ないし改質装置を使用して、効率よく、水の改質を
行うことができた。
【0122】改質した水の性質 実施例II−1の装置(使用気体;酸素)で処理した水の
性質を調べた。溶存気体の影響も考慮し、効果の比較に
は酸素飽和させた純粋(溶存ガスを脱気してから、酸素
を飽和させた水)を使用した。水は、イオン交換後に蒸
留処理した超純水(比抵抗:18MΩ・cm)を用い
た。
【0123】性質1: 乳酸菌増殖への影響 各水(5cc)と牛乳(15cc)とを混合し、直径9
cmのシャーレに入れ、中心部にヨーグルト(3cc)
をドロップした。この滴下したヨーグルトは、直径2.
0〜2.1cmの円形状に拡がった。ヨーグルトの直径
は乳酸菌の活動によって増えるため、この状態で放置
し、ヨーグルトの成長を観察した。水の改質処理は、処
理時間;T=1時間、使用ガス;O2 、振動子駆動電
圧;V=800VP-P 、チャンバー内径;D=5cmの
条件で実施した。
【0124】この結果を図25に示す。この結果より、
改質処理を施した水を混合させると、乳酸菌の活動が活
発になることが判明した。
【0125】性質2: 大豆吸水性への影響 各水に大豆を一定時間だけ浸し、大豆の重量変化から吸
水量を測定した。大豆は15個(6.2g)使用し、で
きる限り大きさも揃えた。水の改質処理は、処理時間;
T=1時間、使用ガス;O2 、振動子駆動電圧;V=8
00VP-P 、チャンバー内径;D=5cmの条件で実施
した。その結果を図26に示す。改質処理を施した水の
方が、吸水性が良いことが実験的に判明した。
【0126】性質3: 大豆成長への影響 170×75×30mmの容器に60gのバームキュラ
イト(無菌性の土)を入れ、各水を給水(200g)さ
せた後、30粒の大豆を置いた。7日後に各水を100
g吸水させた以外は、25℃の暗室に保管した。10日
後、各水の大豆成長度合いを「長さ」、「太さ」の分布
より求めた。水の改質処理は、処理時間;T=1時間、
使用ガス;O2 、振動子駆動電圧;V=800VP-P
チャンバー内径;D=5cmの条件で実施した。
【0127】この結果は、図27、図28に示すよう
に、改質処理を施した水を用いた方が、大豆の成長度合
の良いことが実験的に判明した。
【0128】性質4: 皮膚保水性への影響 各水(3cc)と化粧水(0.1cc)とを混合し、手
の甲の皮膚に1分間塗布して、皮膚水分の経時変化を求
めた。皮膚水分は、皮膚抵抗から水分を求める装置を使
用した。水の改質処理は、処理時間;T=1時間、使用
ガス;O2 、振動子駆動電圧;V=800VP-P 、チャ
ンバー内径;D=5cmの条件で実施した。その結果
は、図29に示すように、改質処理を施した水を用いた
方が、皮膚保水性の高いことが実験的に判明した。
【0129】性質5: 切り花の花保ちへの影響 バラの茎を垂直に切り、各水に茎を浸した後、花びらの
様子を観察した。水の改質処理は、処理時間;T=1時
間、使用ガス;O2 、振動子駆動電圧;V=800V
P-P 、チャンバー内径;D=4.5cmの条件で実施し
た。その結果、未処理水を用いた場合、7日後には花び
らが落ちてしまったが、改質処理を施した水を使用した
場合では、12日後でも花びらが落ちなかった。
【0130】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、液相中
に気体からなる気泡を形成し、向かい合う振動波の衝突
を利用して該気泡を圧縮することにより、この気体を液
相に溶解させる液体処理方法が提供される。
【0131】また、本発明によれば、液体を収容するた
めのチャンバーと、液体に振動波を与えるための振動子
と、液体中に気体からなる気泡を形成するための気泡形
成手段とを備え、チャンバー内における振動波の衝突に
基づき気泡を圧縮して、気体を液体中に溶解させる液体
処理装置が提供される。
【0132】従って、本発明によれば、水耕産業、養殖
産業、化学工業、酵素工業、水処理、燃料、排ガス処理
等の気体の溶解を必要とする広い分野において、種々の
気体を液相中に効率的に溶解させることが可能となる。
したがって本発明を用いれば、酸素供給による水耕栽培
の高効率化、水槽内への生物への酸素供給の効率化、あ
るいは酒類等の発酵を伴う食品の発酵時間の短縮化等が
可能となり、これらの分野における設備費の節減、処理
効率の向上、反応速度の向上等が可能となる。
【0133】一方、本発明方法によって、改質処理した
水は、未処理の水と異なる性質を示すことが実験的に示
された。従って、本発明によれば、振動波の重なりによ
る強振動波が気泡上で衝突して形成された高温・高圧場
を利用し、その周辺で効率よく水の改質を行うことので
きる方法が提供される。
【0134】また、本発明によれば、液体を収容するた
めのチャンバーと、液体に振動波を与えるための振動子
と、液体中に気体からなる気泡を形成するための気泡形
成手段と、水処理の温度制御装置を含み、且つ、振動波
の重ね合わせで作られた強振動場を気泡上で衝突させて
高温・高圧場を形成し、その周辺で水の改質を効率よく
行うことができる装置が提供される。
【0135】従って、本発明によれば、チャンバー、液
体、気体、振動子、及び温度制御装置だけで液体の改質
処理を効率よく行うことができ、改質する量も振動波振
幅、処理時間、処理温度、導入ガスの種類等で調整する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体処理方法の原理を説明するための
模式側面断面図である。
【図2】複数の振動子を配置した場合における本発明の
液体処理方法の原理を説明するための模式平面断面図で
ある。
【図3】本発明の液体処理装置の一実施態様を示す模式
側面断面図である。
【図4】実施例I−1で得られたアルゴンガスの液相へ
の溶解特性を示すグラフである。
【図5】実施例I−1で得られた炭酸ガスの液相への溶
解特性を示すグラフである。
【図6】本発明の液体処理装置の他の実施態様を示す模
式側面断面図である。
【図7】実施例I−2で得られたアルゴンガスのオクタ
ン(液相)への溶解特性を示すグラフである。
【図8】軽油に対する酸素ガスの溶解特性を示すグラフ
である。
【図9】重油に対する酸素ガスの溶解特性を示すグラフ
である。
【図10】本発明の液体処理装置の更に他の実施態様を
示す模式側面断面図である。
【図11】各気体の種類に対する水の改質速度比特性を
示すグラフである。
【図12】チャンバー内径に対する水の改質速度比特性
を示すグラフである。
【図13】共鳴周波数に対する水の改質速度比特性を示
すグラフである。
【図14】振動周波数に対する水の改質速度比特性を示
すグラフである。
【図15】処理温度に対する水の改質速度比特性を示す
グラフである。
【図16】処理時間に対する水の改質速度比特性を示す
グラフである。
【図17】(a)は本発明にかかる改質処理用の液体処
理装置の一実施態様を示す模式側面断面図、(b)は細
管部の拡大図、(c)は振動子の側面図である。
【図18】本発明にかかる改質処理用の液体処理装置の
他の実施態様を示す模式側面断面図である。
【図19】本発明にかかる改質処理用の液体処理装置の
他の実施態様を示す模式側面断面図である。
【図20】本発明にかかる改質処理用の液体処理装置の
他の実施態様を示す模式側面断面図である。
【図21】(a)は共鳴状態を維持する制御装置を示す
ブロック図、(b)はこの制御装置の処理フローを示す
フローチャートである。
【図22】(a)は改質処理用の他の液体処理装置の装
置構成を示すブロック図、(b)はその処理工程を示す
工程図表である。
【図23】(a)は改質処理用の他の液体処理装置の装
置構成を示すブロック図、(b)はその処理工程を示す
工程図表である。
【図24】改質処理用の他の液体処理装置の装置構成を
示すブロック図である。
【図25】滴下したヨーグルトの直径の経時変化を示す
グラフである。
【図26】各水における大豆吸水特性を示すグラフであ
る。
【図27】茎部の長さに基づいて分類した、各水におけ
る大豆の成長度の調査結果を示すグラフである。
【図28】茎部の太さに基づいて分類した、各水におけ
る大豆の成長度の調査結果を示すグラフである。
【図29】各水の皮膚保水特性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 光夫 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 青島 紳一郎 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相中に気体からなる気泡を形成し、向
    かい合う振動波の衝突を利用して該気泡を圧縮すること
    により、上記気体を液相に溶解させることを特徴とする
    液体処理方法。
  2. 【請求項2】 液相中に気体からなる気泡を形成し、こ
    の液相中において振動波を衝突させて該気泡を圧縮する
    ことにより、その際に生じる高温・高圧場を利用して、
    この液相を改質することを特徴とする液体処理方法。
  3. 【請求項3】 前記改質処理を施すべき液相の温度を、
    0℃〜10℃程度に維持することを特徴とする請求項2
    記載の液体処理方法。
  4. 【請求項4】 前記液相中に気泡を形成した後、振動波
    により、該振動波が重なり合う圧縮領域に該気泡を移動
    させて圧縮する請求項1〜3のいずれかに記載の液体処
    理方法。
  5. 【請求項5】 前記液相を収容するチャンバー内で、液
    相の振動波伝搬速度に基づく該チャンバーの基本共鳴振
    動数fの整数倍の周波数を有する振動波を液相に与える
    請求項1〜3のいずれかに記載の液体処理方法。
  6. 【請求項6】 前記チャンバーを共鳴させて振動波の振
    幅を増大させる請求項5記載の液体処理方法。
  7. 【請求項7】 前記チャンバー内に気泡放出管を配置
    し、該気泡放出管を前記振動波を利用して振動させて、
    気泡放出管から小さい径を有する気泡を放出させる請求
    項1〜3のいずれかに記載の液体処理方法。
  8. 【請求項8】 前記気泡放出管が細管又はノズルからな
    る請求項7記載の液体処理方法。
  9. 【請求項9】 液体を収容するためのチャンバーと、 前記液体に振動波を与えるための振動子と、 前記液体中に気体からなる気泡を形成するための気泡形
    成手段とを備え、 前記チャンバー内における振動波の衝突に基づき気泡を
    圧縮して、前記気体を前記液体中に溶解させることを特
    徴とする液体処理装置。
  10. 【請求項10】 液体に振動波を与えるための振動子を
    含み、液体を収容可能としたチャンバーと、 前記液体中に気体からなる気泡を形成するための気泡形
    成手段とを備え、 前記チャンバー内における振動波の衝突に基づき気泡を
    圧縮して、前記気体を前記液体中に溶解させることを特
    徴とする液体処理装置。
  11. 【請求項11】 液体を収容するためのチャンバーと、 前記液体に振動波を与えるための振動子と、 前記液体中に気体からなる気泡を形成するための気泡形
    成手段とを備え、 前記チャンバー内における振動波の衝突に基づき気泡を
    圧縮することにより、その際に生じる高温・高圧場を利
    用して、前記チャンバー内の液体を改質することを特徴
    とする液体処理装置。
  12. 【請求項12】 液体に振動波を与えるための振動子を
    含み、液体を収容可能としたチャンバーと、 前記液体中に気体からなる気泡を形成するための気泡形
    成手段とを備え、 前記チャンバー内における振動波の衝突に基づき気泡を
    圧縮することにより、その際に生じる高温・高圧場を利
    用して、前記チャンバー内の液体を改質することを特徴
    とする液体処理装置。
  13. 【請求項13】 前記チャンバー内に収容された前記液
    体を所定の温度範囲に維持するための液温調節手段をさ
    らに備えることを特徴とする請求項11又は12記載の
    液体処理装置。
  14. 【請求項14】 前記振動子から、液体の振動波伝搬速
    度に基づく前記チャンバーの基本共鳴振動数fの整数倍
    の周波数を有する振動波を液体に与えて定常波をチャン
    バー内に生じさせることを特徴とする請求項9〜13の
    いずれかに記載の液体処理装置。
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