JPH0889337A - 棒状化粧品用サンプル容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧品の充填工程を極めて少なくすることが
できるため製造が容易で、しかも、部品数も極力少な
く、構造も簡単で、安価に製造でき、また、キャップの
着脱の際等に化粧品を破損する等の不都合を生じること
のない優れた棒状化粧品用サンプル容器を提案する。 【構成】 基筒２上端に棒状化粧品先端部形成用の柱状
空間を画成する型筒部11を有する内キャップ３を嵌着
し、また、その外周を被覆する外キャップ４を基筒２に
着脱可能に嵌合させ、各キャップを装着した基筒２開口
より溶融化粧品を注入固化して基筒２に棒状化粧品を形
成可能に構成し、また、外キャップ４を回動させること
により、内キャップ３が上昇し、最上昇位置において、
外キャップに係止される如く構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は棒状化粧品用サンプル容
器に関し、詳しくは、口紅等の棒状化粧品を試供品とし
て配付する際の簡易な容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種容器として、図５に示す如
く、上端部を縮径した縮径部50a を有する筒体50と、該
筒体の下端に嵌着させた底板51と、縮径部50a 外周に下
端部を着脱可能に嵌合させたキャップ52とからなるもの
が知られている。そして、棒状化粧品53は、筒体50の大
径筒部分内上端部から縮径部分内に基端部を固定し、上
端部を縮径部分上方に突出させている。

【０００３】従来のこの種容器では、棒状化粧品を充填
するに当たり、図６に示す如き棒状化粧品の先端形状を
形成するためのカバー体54を用いている。即ち、このカ
バー体54は、その下部内周が筒体50の縮径部50a 外周に
嵌合可能に構成されており、また、上端部内面が棒状化
粧品の先端形状、例えば先端が球面状をなす円錐状をな
し、このカバー体54を被着した筒体50の下端開口より溶
融状化粧品を注入して固化し、次いでカバー体54を外し
た後底板51及びキャップ52を装着して上記容器を形成し
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の容器では、
充填に当たり上記カバー体54を必要とし、このカバー体
54は化粧品充填後廃棄するため無駄であり、また、その
充填工程も、カバー体の装着、化粧品の充填、固化、カ
バー体の取り外し、底板の取り付け、キャップの装着と
いう様に極めて多くの工程を必要とする。

【０００５】本発明は上記した従来のこの種容器の欠点
を解消するもので、充填工程を極めて少なくすることが
できるため製造が容易で、しかも、部品数も極力少な
く、構造も簡単で、安価に製造できる容器を提案するこ
とを目的とするものである。

【０００６】また、本発明の目的の一つは、上記目的に
加えて、型筒部の離脱或いはキャップ着脱の際に棒状化
粧品の露出部分を破損する等の不都合を生じることがな
い優れた容器を提案することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本請求項１発明の容器は
上記課題を解決するため、大径筒部5a上端縁より内方へ
フランジ６を延設するとともに、該フランジ内周縁より
上方へ小径筒部5bを立設してなる基筒２と、上記小径筒
部5b外周に上下動が可能で且つ回動不能に周壁10を嵌合
させるとともに、上記基筒２上端開口部周縁上面に下端
面を密接させ且つ内部に棒状化粧品先端部形成用の柱状
空間を有する下端面開口で有頂の型筒部11を上端に延設
してなる内キャップ３と、上記フランジ６に設けた段部
７の垂壁面に周壁15下端を着脱可能に嵌合させて装着す
るとともに、周壁15内周面に穿設した螺溝18に内キャッ
プ周壁10外面より突設した摺動突起17を摺動可能に嵌合
させた外キャップ４とを備え、上記外キャップ４を回動
することにより上昇した内キャップ３の最上昇位置で、
内キャップ３を外キャップ４に係止可能に構成してなる
ことを特徴とする棒状化粧品用サンプル容器として構成
した。

【０００８】また、請求項２発明の容器は、上記螺溝18
内上端部に突設した係止突起20に上記摺動突起17を乗り
越え係止させることで内キャップ３を外キャップ４に係
止可能に構成した請求項１記載の棒状化粧品用サンプル
容器として構成した。

【０００９】

【作用】図１の状態から基筒２を持って外キャップ４を
回動させると、内キャップ３の摺動突起17が外キャップ
４の螺溝18に案内されて上昇する。一方、内キャップ周
壁10は基筒２の小径筒部5bに対して上下動は可能である
が回動は不能であるため、上記螺溝18の案内による摺動
突起17の上昇に伴い内キャップ３は真上へ上昇する。従
って、内キャップ３内面と棒状化粧品外面とが化粧品を
損傷することなく離間して、以後のキャップ（外キャッ
プ及び内キャップ）の着脱時には内キャップ３が化粧品
と常時離間した状態となる。

【００１０】また、内キャップ３の最上昇位置では、例
えば、摺動突起17が螺溝18内の係止突起20を強制的に乗
り越えて係止され、その状態で内キャップ３が外キャッ
プ４に係止される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１２】図１乃至図４は本発明の一実施例を示すも
ので、図中１は棒状化粧品用サンプル容器を示す。該容
器１は、基筒２と、内キャップ３と、外キャップ４とを
備えている。

【００１３】基筒２は、下部の大径筒部5a上端縁より内
方へフランジ６を延設し、該フランジ６内周縁より小径
筒部5bを立設している。上記フランジ６の上面外周縁に
上記外キャップ４下端縁を嵌合させるための段部７を周
設している。また、上記フランジ６内周縁下面からは垂
下後内方へ突設する断面鉤型をなす突条８を周設して、
充填した棒状化粧品９をより確実に基筒２に固定できる
如く構成している。

【００１４】内キャップ３は、上記小径筒部5b外周に上
下動が可能で且つ回動不能に周壁10を嵌合させるととも
に、上記基筒上端開口部周縁上面に下端面を密接させ、
且つ内部に棒状化粧品先端部形成用の柱状空間を有する
下端面開口で有頂の型筒部11を上端縁に延設している。

【００１５】本実施例では、基筒２の小径筒部5b外周左
右に各々所定間隔をあけて複数の縦突条12を縦突設さ
せ、また、内キャップ周壁10内面の左右に、各々所定間
隔をあけて複数の縦突条13を縦設し、一方の縦突条間に
他方の縦突条を略ピッタリ嵌合させて、内キャップ３が
基筒２に対して上下動は可能であるが、回動は出来ない
ように構成している。

【００１６】また、周壁10上端縁より内方へフランジ14
を延設し、該フランジ内周縁より上方へドーム状の型筒
部11を延設している。

【００１７】上記型筒部11は、その中に溶融化粧品を充
填して固化させ、型通りの棒状化粧品先端部を形成させ
るとともに、使用時にはキャップの一部を構成するもの
であり、その内部の柱状空間の形状は本実施例の如き先
端が半球状をなす円柱状に限られず、内キャップ３を上
方へ移行させた際に、棒状化粧品９に損傷を及ぼさない
形状であれば良く、例えば、形成される化粧品先端部の
形状が円柱状、多角柱状等の柱状になる形状が採用出来
る。しかしながら、内キャップ３の離脱に際し、化粧品
の損傷防止をより図るためには、形成される化粧品の先
端部が上方へ縮径するテーパ柱状になる如く構成するこ
とが好ましい。

【００１８】外キャップ４は、上記段部７に連続した垂
壁部分外周に下端縁を着脱可能に嵌合させた周壁15上端
縁より頂壁16を延設してなる下端面開口の円筒状をな
し、周壁15内面には内キャップ周壁10外周に突設した摺
動突起17を案内する螺溝18を穿設している。

【００１９】本実施例に於いて上記摺動突起17は、内キ
ャップ周壁10外面上部の約１８０°離間位置に一対突設
しており、また、螺溝18は、図４の展開図に示す如く、
外キャップ周壁15内面下端縁の略１８０°離間位置にそ
れぞれ基端を発して上方所定位置まで立ち上る一対の垂
直溝19上端よりそれぞれ延設している。

【００２０】そして、上記外キャップ４を回動すること
により、各摺動突起17が各螺溝18に案内されて上昇し、
それに伴って基筒２の縦突条12及びそれと係合する内キ
ャップの縦突条13とにより内キャップ３が真上へ上昇す
るとともに、最上昇位置での内キャップ３を外キャップ
４に係止可能に構成している。

【００２１】この係止機構として、種々の方法が可能で
あり、例えば螺溝18の上端部分を摺動突起17の幅と略ピ
ッタリの幅に狭め（その他の部分は摺動突起17が螺動上
昇し易い様に若干のクリアランスを設けている）、摺動
突起17を強制的にこの幅狭部分に嵌合することにより内
キャップ３を外キャップ４に係止させることができる。

【００２２】本実施例ではより確実な外キャップ４への
内キャップ３の係止を可能成らしめるために、この係止
機構として、螺溝18の上端部に上記摺動突起17が強制的
に乗り越え可能な係止突起20を突設することにより構成
している。この係止突起20の形状は種々採用できるが、
螺溝18の長手方向下方の面は摺動突起17が乗り越え易
く、また、長手方向上方の面は摺動突起17が乗り越え難
く構成することが好ましく、例えば螺溝18の長手方向下
方に傾斜面を有する断面三角形状が採用できる。

【００２３】上記の如き容器１に棒状化粧品９を装着す
るには種々の方法が採用できるが、例えば、まず内キャ
ップ３を基筒２に嵌合する。その際、基筒２の各縦突条
12と内キャップ３の各縦突条13とを係合して相互に回動
不能に嵌合させるとともに、内キャップ３の型筒部11下
面が基筒２の小径筒部5b上面に密接する如く嵌合させ
る。次いで、各垂直溝19下端より各摺動突起17を挿通嵌
合して各摺動突起17が各螺溝18基端部分に位置する所ま
で周壁15を押し下げるとともに、周壁15下端内面を上記
段部７の垂壁面に嵌合させて外キャップ４を装着する。

【００２４】次いで、各キャップを装着した基筒２を倒
立させて、その大径筒部5a開口より溶融状の化粧品を注
入して固化し、棒状化粧品９を充填装着することができ
る。

【００２５】尚、上記各実施例において化粧品以外の部
材は全て合成樹脂により形成すると良い。

【００２６】

【発明の効果】以上説明した如く本発明容器は、棒状化
粧品を充填する際に特別のカバー体を必要とせず、内外
キャップを装着した基筒の下端開口より溶融化粧品を充
填して固化することにより棒状化粧品を充填装着するこ
とができるため、製造工程が極めて少なく、また、構造
も簡単であるため、この種サンプル容器に最も要求され
る低コストでの製造が可能である。

【００２７】また、基筒を押さえて外キャップを回動さ
せることで内キャップを棒状化粧品より離間させること
ができ、しかも、内キャップは基筒小径筒部外周に案内
されて上方へ真っ直ぐ抜け出すため、型筒部の抜き出し
に際して棒状化粧品を損傷するという不都合を生じるこ
とがなく、また、一旦上昇した内キャップは上昇状態で
外キャップに係止されるため、キャップ（内キャップ及
び外キャップ）の着脱時には内キャップが化粧品と常時
離間した状態となり（当然外キャップも）キャップの着
脱に際して棒状化粧品を損傷するという不都合を生じな
い。

【００２８】また、請求項２記載の発明の如く螺溝の上
端部に係止突起を突設したものは、外キャップに対して
相対的に上昇した内キャップの係止をより確実に行うこ
とが出来、振動等により内キャップが螺動下降してしま
う等の不都合を生じることはない。また、係止突起を摺
動突起が乗り越えることでクリック感を得られ、内キャ
ップが所定の位置まで上昇したことが感触で即座に判断
できるため便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す半断面図である。

【図２】 同実施例の内キャップを上昇させた状態の半
断面図である。

【図３】 同実施例の分解斜視図である。

【図４】 同実施例の螺溝を説明する外キャップの展開
略図である。

【図５】 従来のこの種容器の一例を示す半断面図であ
る。

【図６】 従来のこの種容器の充填時に使用するカバー
体の半断面図である。

【符号の説明】

２…基筒，３…内キャップ，４…外キャップ，５…筒
壁，5a…大径筒部，5b…小径筒部，６…フランジ，10…
内キャップ周壁，11…型筒部，15…外キャップ周壁，17
…摺動突起，18…螺溝，20…係止突起

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 大径筒部5a上端縁より内方へフランジ６
   を延設するとともに、該フランジ内周縁より上方へ小径
   筒部5bを立設してなる基筒２と、上記小径筒部5b外周に
   上下動が可能で且つ回動不能に周壁10を嵌合させるとと
   もに、上記基筒２上端開口部周縁上面に下端面を密接さ
   せ且つ内部に棒状化粧品先端部形成用の柱状空間を有す
   る下端面開口で有頂の型筒部11を上端に延設してなる内
   キャップ３と、上記フランジ６に設けた段部７の垂壁面
   に周壁15下端を着脱可能に嵌合させて装着するととも
   に、周壁15内周面に穿設した螺溝18に内キャップ周壁10
   外面より突設した摺動突起17を摺動可能に嵌合させた外
   キャップ４とを備え、上記外キャップ４を回動すること
   により上昇した内キャップ３の最上昇位置で、内キャッ
   プ３を外キャップ４に係止可能に構成してなることを特
   徴とする棒状化粧品用サンプル容器。
2. 【請求項２】 上記螺溝18内上端部に突設した係止突起
   20に上記摺動突起17を乗り越え係止させることで内キャ
   ップ３を外キャップ４に係止可能に構成した請求項１記
   載の棒状化粧品用サンプル容器。