JP4561943B2 - 繰り出し容器の内蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納した棒状内容物を、必要時に繰り出し消費する繰り出し容器の容器本体に対して、内容物を所望形状に成形すると同時に、組付け収納するのに使用する、型枠としての内蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
棒状の内容物を昇降変位可能に収納する収納筒部を設けた収納筒体と、内容物を搭載しながら、収納筒部内に昇降変位可能かつ回動変位不能に組付く保持筒片に螺筒を垂下設した受皿体と、収納筒体に回動可能かつ昇降変位不能に組付き、受皿体の螺筒の螺合して、指先で回動操作される操作体と、から構成される繰り出し容器の容器本体が知られている。
【0003】
この繰り出し容器の内、容器本体の収納筒体の上端開口部を、棒状内容物の成形型枠として機能する内蓋で密閉し、倒立した容器本体の底開口部から、収納筒体と受皿体と内蓋とで形成された型空間内に、溶融化内容物を注入充填し、そのまま内容物を冷却固化させて、内容物の成形と容器本体への組付け固定とを達成するものがある。
【0004】
このものは、容器本体の一部を内容物の成形型枠として利用できるので、内容物成形のための型枠装置に要する経費を大幅に低減させることができ、また内容物の成形と同時に容器本体に対する内容物の適正で強固な組付けを達成できるので、きわめて優れた生産作業性を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、内容物成形時における、容器本体に対する内蓋の密なる組付きを強固に確保すべく、容器本体に対する内蓋の組付きを、容器本体の収納筒体の上端開口端縁に対して、内蓋を内外から密嵌合させた構成となっているため、内容物成形後における、容器本体からの内蓋の取外しに、内容物の内蓋に対する密着と、内蓋の収納筒体に対する密組付きとが、大きな抵抗として作用し、このため内蓋の容器本体からの取外しがきわめて困難となる、と云う問題があった。
【0006】
すなわち、内蓋に対する取外し力の一部が、容器本体の収納筒体に密に外嵌している内蓋部分を収納筒体に押し付ける力として作用するので、収納筒体と内蓋との間の摩擦抵抗が強大となり、この強大化する摩擦抵抗力により内蓋の取外しが困難となるのである。
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、容器本体の収納筒体に対する内蓋の密な組付きを強固に達成維持したままで、内容物成形後における内蓋の容器本体からの取外しを簡単に達成できるようにすることを技術的課題とし、もって内容物の成形を安全に達成することができると共に、使用開始時における内蓋の取外しを簡単にかつ安全に達成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
棒状の内容物を昇降変位可能に収納する収納筒部を有する収納筒体と、この収納筒体の収納筒部内に昇降変位可能かつ回動変位不能に組付く保持筒片に螺筒を垂下設した受皿体と、収納筒体に回動可能かつ昇降変位不能に組付くと共に、受皿体の螺筒に螺合する、指先での回動操作が可能な操作体と、から成る容器本体の収納筒体の収納筒部の上端開口部を密に塞いで、受皿体および収納筒体の収納筒部と組合さって、内容物の成形型を構成する内蓋であること、
球弧殻状のドーム頂壁の周端縁から、収納筒体の収納筒部の上端面に搭載する周鍔片を周設し、この周鍔片の下面内周端から、収納筒体の収納筒部の上端開口部に密嵌入する短筒片状の内筒片を、また周鍔片の下面外周端から、収納筒体の収納筒部の上端部に外嵌する短筒片状の外筒片を垂下設すること、
この外筒片の前後に対向した部分に、指先で押圧し易い挟持垂下片を垂下設すること、
この挟持垂下片および外筒片の内周面のそれぞれに、収納筒体の収納筒部外周面に突出端を圧接させる小突片を突設すること、
にある。
【0009】
収納筒体の収納筒部の上端開口部に内蓋を密に組付け、かつ受皿体を下降限に位置させた状態で、容器本体と内蓋との組合せ物を倒立させ、開口している受皿体の螺筒の下端開口部(倒立しているので、上方に位置している)から、収納筒体の収納筒部と受皿体と内蓋とで形成された成形空間内に、加熱により溶融化している内容物を注入充填し、これを冷却固化して内容物を成形する。
【0010】
この収納筒体の収納筒部に対する内蓋の密なる組付きは、収納筒部の上端開口部に対する内蓋の内筒片の密嵌入が主体となって達成されるのであるが、外筒片および挟持垂下片に設けた小突片が収納筒部に圧接して、この収納筒部の上端開口部を内筒片とで強力に挟持するので、この挟持が内蓋の内筒片による密組付きを安定して強力に維持することになる。
【0011】
容器本体からの内蓋の取外しは、指先により、内蓋の両挟持垂下片部分を摘まみ、そのまま引き上げることにより達成される。
【0012】
この内蓋の取外しに際して、従来と同様に、取外し力の一部が、挟持垂下片および外筒片を収納筒体の収納筒部外周面に押し付ける力として作用するのであるが、収納筒体の収納筒部外周面に対する挟持垂下片および外筒片の接触は、小突片を介しての略線接触であるので、挟持垂下片および外筒片に押し付け力が作用しても、収納筒部との間の摩擦抵抗が大幅に強大化することはなく、これにより指先により内蓋を簡単に取り外すことができるのである。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、内蓋および収納筒体の収納筒部の平面形状を、前後に短径の略長円形状とした、ことを加えたものである。
【0014】
この請求項2記載の発明にあっては、両挟持垂下片が短径な前後部分に位置しているので、指先による挟持が行い易く、それだけ内蓋の取外しを、簡単にかつ円滑に達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による内蓋1の一実施例を組付けた、繰り出し容器の一構成例を示す半縦断正面図で、図2は、その半縦断側面図である。
【0016】
この図示した繰り出し容器の容器本体8は、棒状(固形)内容物Nを収納保持する収納筒体9と、内容物Nを載置保持する受皿体18と、収納筒体9内で受皿体18を昇降変位させる操作体23とから構成されている。
【0017】
収納筒体9は、内容物Nを収納すると共に、内容物Nの成形型枠の一部として機能する、前後に短径の長円状筒形状をした収納筒部10の下端に、内鍔状の底段部12を介して円筒状の脚筒片13を垂下設して構成され、図示実施例の場合は、外装筒体14を外装組付けしている。
【0018】
外装筒体14は、収納筒部10の外周面に膨出設された組付け部11に、外筒部15の上端部をアンダーカット結合させ、脚筒片13の下端に、内筒部16を外嵌させて収納筒体9に組付いており、外筒部15と内筒部16との間に、下方に開放した凹部を形成する凹陥底壁17を連設している。
【0019】
受皿体18は、収納筒部10内に、摺接しながら回動不能かつ昇降変位可能に組付く保持筒片19の下端に、中央を開口させたリング底壁20を連設して、内容物Nを載置保持する受皿部分を構成し、リング底壁20の中央開口縁から外周面に螺溝22を刻設した円筒状の螺筒21を垂下設した構成となっており、リング底壁20の上面には、内容物Nを支える数個の保持リブが起立設されている。
【0020】
操作体23は、脚筒片13と螺筒21との間に回動自在に嵌装した円筒形状の嵌装筒部24の下端に、鍔片を介して拡径した短円筒形状の摘み筒片26を連設して構成され、嵌装筒部24を、脚筒片13に、回動変位自在かつ昇降変位不能にアンダーカット結合させると共に、嵌装筒部24の内周面上端に突設した螺合突片25を、螺筒21の螺溝22に螺合させており、摘み筒片26には、内容物Nの充填成形後に、容器本体8の底開口部を塞ぐ底筒片27が嵌着される。
【0021】
28は、収納筒部10の組付け部11に着脱自在にアンダーカット結合する外蓋で、この外蓋28の長径側の内周面上端部には、収納筒部10に組付いた内蓋1の組付きを押さえ保持する押さえ突片29が設けられている。
【0022】
本発明による内蓋1は、長円球弧殻状となったドーム頂壁2の周端に、収納筒部10の上端面に載置する周鍔片3を周設し、この周鍔片3の下面の内周端縁から、収納筒部10に密嵌入する短長円筒状の内筒片4を垂下設すると共に、周鍔片3の下面の外周端縁から、長円筒状の外筒片5を垂下設し、この外筒片5の短径方向となった前後部分に、半円弧状の挟持垂下片6を垂下設し、この挟持垂下片6の内面および外筒片5の内周面に、複数の突出高さの低い縦突条状の小突片7を突設した構成となっている。
【0023】
両挟持垂下片6は、その外面をわずかに湾曲状に窪ませており、この挟持垂下片6の窪んだ外面には、取外しのための操作部分であることを示す、上向きの矢印が刻設されている。
【0024】
図示実施例の場合、小突片7は、両挟持垂下片6の内面にそれぞれ一対と、外筒片5の長径側内周面部分に一つの、合計六個設けられており、この小突片7を設けた部分では、図8および図9に示すように、収納筒部10と外筒片5との間に、常に隙間が形成され、これにより収納筒部10と外筒片5との間に大きな摩擦抵抗が発生するようなことはない。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求能1記載の発明にあっては、収納筒体の収納筒部の外周面に対する内蓋側の接触が、複数の小突片により略線接触状に保持されるので、内蓋に対する取外し力の作用により、収納筒部と内蓋との間の摩擦抵抗が大きく強大化することがなく、通常の力による取外し操作により、内蓋を簡単にかつ確実に容器本体から取り外すことができる。
【0026】
また、各小突片は、収納筒部の外周面に圧接した状態となるので、収納筒部の内周面に対する内蓋の内筒片の密接を強固に維持させることになり、これにより容器本体に対する内蓋の強固で確実な組付きを、安定して維持する。
【0027】
請求項2記載の発明のあっては、両挟持垂下片が、短径部分である前後側に位置しているので、指先による摘み操作が行い易く、もって内蓋の取外しを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を組付けた繰り出し容器の一構造例を示す、半縦断正面図。
【図2】図1に示した構造例の、半縦断側面図。
【図3】本発明の内蓋の一実施例を示す、やや下方からの全体斜視図。
【図4】図3に示した実施例の、半縦断正面図。
【図5】図3に示した実施例の、半縦断側面図。
【図6】図3に示した実施例の、全体平面図。
【図7】図3に示した実施例の、全体底面図。
【図8】図2に一部を拡大した、要部拡大断面図。
【図9】図1に一部を拡大した、要部拡大断面図。
【符号の説明】
1 ; 内蓋
2 ; ドーム頂壁
3 ; 周鍔片
4 ; 内筒片
5 ; 外筒片
6 ; 挟持垂下片
7 ; 小突片
8 ; 容器本体
9 ; 収納筒体
10; 収納筒部
11; 組付け部
12; 底段部
13; 脚筒片
14; 外装筒体
15; 外筒部
16; 内筒部
17; 凹陥底壁
18; 受皿体
19; 保持筒片
20; リング底壁
21; 螺筒
22; 螺溝
23; 操作体
24; 嵌装筒部
25; 螺合突片
26; 摘み筒片
27; 底筒片
28; 外蓋
29; 押さえ突片
N ; 内容物
Claims (2)
- 棒状の内容物(N)を昇降変位可能に収納する収納筒部(10)を有する収納筒体(9)と、前記収納筒部(10)内に昇降変位可能かつ回動変位不能に組付く保持筒片(19)に螺筒(21)を垂下設した受皿体(18)と、前記収納筒体(9)に回動可能かつ昇降変位不能に組付くと共に、前記螺筒(21)に螺合する、指先での回動操作が可能な操作体(23)と、から成る容器本体(8)の前記収納筒部(10)の上端開口部を密に塞いで、前記受皿体(18)および収納筒部(10)と組合さって、前記内容物(N)の成形型を構成する内蓋(1)であって、球弧殻状のドーム頂壁(2)の周端縁から、前記収納筒部(10)の上端面に搭載する周鍔片(3)を周設し、該周鍔片(3)の下面内周端から、前記収納筒部(10)の上端開口部に密嵌入する短筒片状の内筒片(4)を、また前記周鍔片(3)の下面外周端から、前記収納筒部(10)の上端部に外嵌する短筒片状の外筒片(5)を垂下設し、該外筒片(5)の前後に対向した部分に、指先で押圧し易い挟持垂下片(6)を垂下設し、該挟持垂下片(6)および外筒片(5)の内周面のそれぞれに、前記収納筒部(10)の外周面に突出端を圧接させる小突片(7)を突設して成る繰り出し容器の内蓋。
- 内蓋(1) および収納筒部(10)の平面形状を、前後に短径の略長円形状とした請求項1記載の繰り出し容器の内蓋。
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