JPH088802B2 - トラクタ用の行程作動ブレース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の技術分野〕 本発明は、トラクタ用の行程作動ブレースに関するも
のである。より詳しくは、駆動機構により上下動作され
る前記ブレースが、前記駆動機構の作動アームに固定さ
れた第１接続端部と、前記下部ステアリング部材に固定
された第２接続端部と、前記第１接続端部と前記第２接
続端部とを連結し、且つ、前記ブレースの長さ調整を行
うよう把持カラーを介して回転可能な調整カラーとを有
する形式の駆動機構を介して上下動できるトラクタ装着
装置の下部ステアリング部材用としての長さ可変性行程
作動ブレースに関するものである。

〔従来の技術〕

把持カラーは調整カラーと堅く接続している。把持カ
ラーの作動により長さ変更が行なわれ得る。US-A305645
8からもすでに、行程作動ブレースが伸縮嵌入式に構成
されている行程作動ブレース付き三点装着装置が知られ
ている。伸縮自在性以外にねじを介しての調整力も与え
られている。無原則な伸縮自在性は排除され得る。安全
確保のために装着連結機構が用意されていて、この機構
が一定の制動位置において相互に対向して両接続端を確
保する。

〔発明が解決すべき課題〕

本発明の基本課題は、相互に調整可能なリンクとの関
連でできる限り短かくした構造長さを備え、しかも作動
が改善されて、更に特殊な固定機構を具備せずに必要な
長さに達した際に制動が可能となる行程作動ブレースを
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によれば、上記の課題は、前記調整カラーに対
する前記第１接続端部の連結端と前記第２接続端部の連
結端とが、相互に逆向きのねじ部を有しかつ調整カラー
両端部のねじ部にそれぞれ接続されており、前記調整カ
ラーの一端が外ねじ部を有し、その他端が内ねじ部を有
しており、前記第２接続端部が、該調整カラーの外ねじ
部に螺合される内側ねじ部を有するねじカラーを具備し
ており、前記第１接続端部が、該調整カラーの前記内ね
じ部に螺合する外側ねじ部を有するジャーナルを具備し
ており、前記把持カラーが、その全長にわたって軸方向
に伸びる孔部を有しており、前記調整カラー及び前記ね
じカラーを共にを非回転状態で係合するよう前記把持カ
ラーが軸方向において摺動可能となるように、前記調整
カラーが前記把持カラーの孔部を貫通しており、前記調
整カラーと前記ねじカラーとが、それぞれ、その外面か
ら半径方向に突出した少なくとも１つの歯を有してお
り、前記把持カラーが、その孔部内に、前記少なくとも
１つの歯を受容する少なくとも１つの軸方向に伸長した
溝を有しており、さらに、前記溝が、前記調整カラーの
前記歯を越えて非係合状態の自由回転位置から係合状態
の非回転位置に摺動可能であり、前記把持カラーが、前
記ねじカラーに向き合った端面を有し、さらに、該把持
カラーが前記溝に対して周方向に偏位した前記端面から
突出する前記調整カラーの歯と係合可能な少なくとも１
つのストッパを具備することによって解決される。

本発明の別の特徴点によれば、前記ねじカラー及び前
記調整カラーが、周方向で反対に向き合った２つの歯を
それぞれ有し、さらに、前記把持カラーが、相互に直角
に位置をずらされた４つの溝を有している。本提案は、
把持カラーが調整カラーに誘導され得るような把持位置
の個数を更に増すことを意図して行なわれる。

また、本発明の別の特徴によれば、前記調整カラーの
前記少なくとも１つの歯が、前記調整カラーに接続され
たプレート状の十字型部材に設けられていることも可能
である。

さらに、もう１つの特徴によれば、把持カラーの位置
を安定確保するために、把持カラーが、ねじカラーとは
反対の前端面に、前記把持カラーの軸方向移動を規制す
るストッパフランジを具備しており、また、該ストッパ
フランジが前記溝の領域にそれぞれ１つの空隙を有して
いる。

行程作動ブレースをほぼ垂直に配備することによりス
トッパフランジは、把持カラーが、調整カラーおよびね
じカラーに対して正しい位置に確保されるよう機能す
る。

把持カラーの把持位置確保の融通性を最適化するた
め、２つの溝の間にはそれぞれ１つの突起が用意されて
いる。従って全体として４つの突起および４つの溝が用
意されていて、従って把持位置については高安定性が得
られる。

〔実施例〕

以下本発明による実施例を示す添付図面を参照して本
発明を詳述する。

第１図に示されたトラクタ１はその車輛後尾において
三点取付け機構を有する。本三点取付け装置は双方の下
部ステアリング部材２を有するが、そのうちの一方のみ
が図解されている。というのも第２のステアリング部材
は第１のステアリング部材に対して間隔をおいて配備さ
れているからである。双方の下部ステアリング部材２
は、トラクタ１の長さ方向軸に対して横方向に位置づれ
している。下部ステアリング部材２は、トラクタ１の図
示されていない動力機構を介して上下動できる。これに
は２つの作動アーム４が用意されていて、この作動アー
ムにはそれぞれ一個の下部ステアリング部材２が行程作
動ブレース３を介して接続されている。上部接続端９は
例えば玉継手として構成されていて、他方、下部接続端
14は、下部ステアリング部材２をフォーク状に跨いで伸
長していると共に下部ステアリング部材２に接続されて
いる。行程作動ブレース３は、ボルト接続部を介して、
関節のような結合となるように、下部ステアリング部材
２および作動アーム４と接続されている。

行程作動ブレース３は、図面２から９までに基き詳細
に説明されている。行程作動ブレース３は管状の調整カ
ラー６を有し、本調整カラーは一端に外ねじ部分７を、
他端に内ねじ部分８を有する。内ねじ部分８には玉継手
を有する接続端９が対応配備している。接続端９の玉継
手には、調整カラー６の孔部内の内ねじ部分８中にねじ
込まれているねじジャーナル10が接続している。調整ね
じ６の両ねじ部分7,8のねじ切り方向は相互に逆向きで
ある。ねじジャーナルのねじ部分は11で示されている。
本ねじジャーナルには、玉継手に向けて円筒部12が接続
している。調整カラー６に対しては密閉キャップ13が対
応配備していて、この密閉キャップは、接続端９の円筒
部12に気密性を備えて接している。上記密閉キャップ内
には、例えばねじジャーナル10の、および孔部内に用意
される内ねじ部分８の嵌合ねじの双方に潤滑剤を供給す
る潤滑ニップルが形成され得る。

調整カラー６の外ねじ部分には、行程作動ブレース３
の第２接続端14がねじ締めされている。第２接続端14が
接続フォークを有し、接続フォークは下部ステアリング
部材２に接続される。更に第２接続端14がねじカラー15
を有し、ねじカラーの孔部が内ねじ16を有している。こ
の内ねじ16によりねじカラー15は調整カラー６の外ねじ
部分７にねじ締めされている。ねじカラー15の外面か
ら、直径上で相互に向き合った２つの歯17が径方向へ突
出する。外ねじ部分７に対して間隔をおいて調整カラー
６の周辺には、プレート状に構成した回転十字型部材18
が強固に取付けられている。回転十字型部材18は、ねじ
カラー15の歯17に対応する２組の歯19を有する。なお、
歯17及び19の形状は、同一の断面形状を有している。

ねじカラー15および回転十字型部材18の歯17、19の構
成は、第５図および第６図の断面において詳細に確認で
きる。

調整カラー６の外面20には把持カラー21が滑走できる
ように配備されている。把持カラー21の外側面からは、
特に第７図から第９図までの一連の図から判るように２
つの直径上相互に向き合った把持部22が径方向に突出し
ている。この把持部は調整カラー６を旋回すべく手によ
り把持を行なうよう機能する。把持カラー21は更に孔部
23を有し、孔部23中には周辺に分散する４つの軸方向に
走った溝24が存在している。溝24および孔部23の直径
は、把持カラーが、回転十字部材18の歯19とねじカラー
15の歯17を介して、並びに、ねじカラーの輪郭を介し
て、移動可能なように形成されている。更に、把持カラ
ー21はねじカラー15に対して反対側の位置を採る前端面
29において、径方向内側に向けて孔部23の輪郭中に突出
したストッパフランジ25を有する。このストッパフラン
ジ25は同様に孔をあけられている。本孔部は26を以て示
されている。この孔部は、調整カラー６において把持カ
ラー21の把持カラーの軽快な滑走性が与えられているよ
うに、調整カラー６の外径に一致したものになってい
る。溝24の領域には前端面29内には空隙27が用意されて
いて、この空隙は、溝24において汚れが除かれて、およ
びこうした汚れが歯19を介しての把持カラー21の滑走時
において空隙27を通過して外部へ放出され得るよう、機
能する。

把持カラー21の、ねじカラー15に向き合った前端面28
から突起30が軸方向に突出する。特に全体としては４個
の突起30が用意されていて、これ等は溝24に対して周辺
方向に位置をずらして配備されている。周辺方向に順次
並ぶ２個の溝24の間にそれぞれ突起30が用意されてい
る。

第２図に示された位置において、把持カラー21は自由
旋回位置に存在する。把持カラー21はこの位置では調整
カラー６上において手動により自由に旋回でき、把持カ
ラー21の突起30が回転可能な回転十字型部材18の歯19と
が当接する正位置に把持カラー21を案内移動することを
確実なものとする。この正位置において、調整カラー６
を回転させ、ねじ向きが相互に逆のねじ部分７及び８を
基づいた行程作動ブレース３の長さ調整が行われる。特
に、第５図より明らかなように、把持カラー21のすべて
の突起30は、回転十字型部材18の歯19とが当接するよう
に構成されている。なお、本発明は、上記実施例の突起
30に代えて、把持カラー21が回転十字型部材18に対して
非回転接続されるように把持カラー21の溝24を利用する
ことも可能である。行程作動ブレース３の長さ調整が終
了した場合、即ち、所望の長さが得られた場合には、回
転十字型部材18の歯19をねじカラー15の歯17に対して直
線上に並べ、溝24を有する把持カラー21を、回転十字型
部材18の歯19及びねじカラー15の歯17を介して、回転十
字型部材18及びねじカラー15に対して非回転となる位置
に移動させる。トラクタ１において行程作動ブレーキ３
を装着している際に下方への滑りは、把持カラー21のス
トッパフランジ25が回転十字型部材18に接するに至るま
で続けられる。行程作動ブレース３は基本的には垂直に
配備されているので、把持カラー21はその自重により、
ストッパフランジ25を回転十字型部材18と接続するよう
な位置にも確保される。第４図は、把持カラー21が回転
十字型部材18及びねじカラー15に対して非回転となる位
置に移動された状態を示している。ネジカラー15並びに
接続フォークを有する接続端14は下部ステアリング部材
２と回転不能に接続されているので、調整カラー６とね
じカラー15とが相互に把持カラー21を介して拘束された
状態にあり、長さの変更は不可能となっている。また、
接続端９のさらなる回転も不可能となっている。

〔発明の効果〕

本発明の利点は、把持カラー端部に形成されたストッ
パと調整カラーの歯とが係合可能となっているので、調
整カラーに対する把持カラーの旋回により、ねじカラー
および調整カラーの相対的な軸方向移動が行われ、依っ
て、行程作動ブレースの長さ変動が確保される。それと
同時に、把持カラーの独立した自由な軸方向摺動および
旋回運動が可能であるので、必要に応じ、オペレータに
とって最も都合のよい把持位置での操作が確保され得
る。

また、調整カラーおよびねじカラーの歯を共に把持カ
ラーの溝内に嵌入することによって両カラーの拘束が保
証され、その結果、調整カラーとねじカラーとの相対旋
回は固定され、依って、行程作動ブレースの長さも確定
する。

他の利点は、拘束位置にある把持カラーが調整カラー
外ねじ部分を被覆することによって、当該外ねじ部分を
外部からの障害から保護するという点にある。

また、調整カラーの各端部に螺設された外ねじ部分と
内ねじ部分との組合せによって、行程作動ブレースが最
短の状態においても把持カラーは最大の滑動性が得られ
るといった利点が生ずる。

更に、調整カラーは全長にわたり空胴となっているの
で、第１接続端部を備えたねじジャーナルが相当な部分
にわたって内部に埋設可能であり行程作動ブレースの自
由度を高めると言った効果を生じた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、三点取付け機能を有するトラクタ後尾を図解
したものであり、 第２図は、自由走行位置に存在する把持カラーにおける
行程作動ブレースの長さ方向断面を示し、 第３図は、調整位置に存在する把持カラー具備の第２図
に対応する長さ方向断面を示し、 第４図は拘束位置に存在する把持カラーにおける第２図
による長さ方向断面を示し、 第５図は第３図における線分Ｂ−Ｂで切った断面図であ
り、 第６図は第４図における線分Ａ−Ａで切った断面図であ
り、 第７図は縦方向に部分カットした、個別部品としての把
持カラーを示したものであり、 第８図は突起を有する第７図による把持カラー前端面に
対する正面図であり、 第９図はストッパフランジを有する把持カラー前端面に
対する正面図である。 〔図中の符号〕 １……トラクタ,2……下部ステアリング部材,3……行程
作動ブレース,4……作動アーム,5……上部ステアリング
部材,6……調整カラー,7……調整カラーの外ねじ部分,8
……調整カラーの内ねじ部分,9……玉継手を有する接続
端,10……ねじジャーナル,11……ねじ,12……ねじジャ
ーナルの円筒部分,13……密閉キャップ,14……接続フォ
ークを備えた第２接続端,15……ねじカラー,16……ねじ
カラーの内ねじ,17……ねじカラー外側面における歯,18
……回転十字型部材,19……調整カラーの回転十字型部
材における歯,20……調整カラー外側面,21……把持カラ
ー,22……把持部,23……把持カラー内孔部,24……把持
カラー内溝部,25……ストッパフランジ,26……ストッパ
フランジ内の孔部,27……空隙,28……（ねじカラーに向
き合った）把持カラー前端面,29……（ねじカラーに向
き合った）把持カラー前端面,30……突起。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンス・ユールゲン・ランゲン ドイツ連邦共和国 フレヒェン、セント・ マクダレーネンシュトラーセ 28 (56)参考文献 特開 平１−252204（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−285106（ＪＰ，Ａ)

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トラクタの装着装置の下部ステアリング部
   材用の長さ調整可能な行程作動ブレースにおいて、 駆動機構により上下動作される前記ブレース（３）が、 前記駆動機構の作動アーム（４）に固定された第１接続
   端部（９）と、 前記下部ステアリング部材（２）に固定された第２接続
   端部（14）と、 前記第１接続端部（９）と前記第２接続端部（14）とを
   連結し、且つ、前記ブレースの長さ調整を行うよう把持
   カラー（21）を介して回転可能な調整カラー（６）とを
   有しており、 前記調整カラー（６）に対する、前記第１接続端部
   （９）の連結端と前記第２接続端部（14）の連結端と
   が、相互に逆向きのねじ部（11、16）を有しかつ調整カ
   ラー両端部のねじ部にそれぞれ接続されており、 前記調整カラー（６）の一端が外ねじ部（７）を有し、
   その他端が内ねじ部（８）を有しており、 前記第２接続端部（14）が、該調整カラー（６）の外ね
   じ部（７）に螺合される内側ねじ部（16）を有するねじ
   カラー（15）を具備しており、 前記第１接続端部（９）が、該調整カラー（６）の前記
   内ねじ部（８）に螺合する外側ねじ部（11）を有するジ
   ャーナル（10）を具備しており、 前記把持カラー（21）が、その全長にわたって軸方向に
   伸びる孔部（23）を有しており、 前記調整カラー（６）及び前記ねじカラー（15）が共に
   非回転状態で係合するよう前記把持カラー（21）が軸方
   向において摺動可能となるように、前記調整カラー
   （６）が前記把持カラーの孔部（23）を貫通しており、 前記調整カラー（６）と前記ねじカラー（15）とが、そ
   れぞれ、その外面から半径方向に突出した少なくとも１
   つの歯（17、19）を有しており、 前記把持カラー（21）が、その孔部（23）内に、前記少
   なくとも１つの歯（17、19）を受容する少なくとも１つ
   の軸方向に伸長した溝（24）を有しており、 さらに、前記溝（24）が、前記調整カラー（６）の前記
   歯（17、19）を越えて非係合状態の自由回転位置から係
   合状態の非回転位置に摺動可能であり、 前記把持カラー（21）が、前記ねじカラー（15）に向き
   合った端面（28）を有し、 さらに、該把持カラーが前記溝（24）に対して周方向に
   偏位した前記端面（28）から突出する前記調整カラーの
   歯（19）と係合可能な少なくとも１つのストッパ（30）
   を具備していることを特徴とする行程作動ブレース。
2. 【請求項２】前記ねじカラー（15）及び前記調整カラー
   （６）が、周方向で反対に向き合った２つの歯（17、1
   9）をそれぞれ有し、さらに、前記把持カラー（21）
   が、相互に直角に位置をずらされた４つの溝（24）を有
   していることを特徴とする特許請求項１に記載の行程作
   動ブレース。
3. 【請求項３】前記調整カラー（６）の前記少なくとも１
   つの歯（19）が、前記調整カラー（６）に接続されたプ
   レート状の十字型部材（18）に設けられていることを特
   徴とする特許請求項１または２に記載の行程作動ブレー
   ス。
4. 【請求項４】把持カラー（21）が、ねじカラー（15）と
   は反対の前端面（29）に、前記把持カラー（21）の軸方
   向移動を規制するストッパフランジ（25）を具備してい
   ることを特徴とする請求項１に記載の行程作業ブレー
   ス。
5. 【請求項５】前記ストッパフランジ（25）が前記溝（2
   4）の領域にそれぞれ１つの空隙（27）を有することを
   特徴とする請求項４に記載の行程作業ブレース。
6. 【請求項６】隣り合う２つの前記溝（24）の間にそれぞ
   れ１つの前記ストッパ（30）が配備されていることを特
   徴とする特許請求項１または２に記載の行程作動ブレー
   ス。