JPH088801B2 - ロ−タリ−作業機のリヤカバ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はロータリー作業機におけるロータリー爪を上
方から覆うメインカバーの後端に取り付けられて中央の
部材と左右の部材とに三分割された弾性を有する撓曲自
在なリヤカバーに関する。

（従来の技術） 農用トラクタに連結されるロータリー作業機において
は、一般にロータリー爪を上方から覆うメインカバーの
左右端にサイドカバーが取り付けられ、またメインカバ
ーの後端には弾性を有する撓曲自在なリヤカバーが前端
で取り付けられる。

そして中央の部材と左右の部材とに三分割されたリヤ
カバーを採用したものがあり、この場合においては、中
央のリヤカバー部材と左右のリヤカバー部材とを突き合
わせたり、重ね合わせたりし、更にリヤカバー使用時の
垂れ下がりを良くする等のため、個々のリヤカバー部材
の後端に錘となるプレート等を取り付けてリヤカバー後
端を連結していた。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、中央のリヤカバー部材と左右のリヤカバー
部材とを単に突き合わせただけでは、使用状態でのリヤ
カバーの連動が困難であり、突き合わせ部分に大きな隙
間が生じて土がこぼれる。また重ね合わせても、曲率の
変化に個々のリヤカバー部材が追従しにくく、部分的に
たるみを生じやすいので、その隙間から土がこぼれやす
いという問題があった。

そこで本発明の目的は、三分割式のリヤカバーを採用
した場合において、個々のリヤカバー部材の曲率変化の
追従を良くして突き合わせ部分におけるたるみを生じに
くくし、隙間の発生を最小限に抑えて土のこぼれを抑止
するようにしたロータリー作業機のリヤカバーを提供す
るにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題を解決して目的を達成すべく本発明は、ロ
ータリー爪を上方から覆うメインカバーの後端に中央の
部材と左右の部材とに三分割された弾性を有する撓曲自
在なリヤカバーを前端で取付けたロータリー作業機にお
いて、中央及び左右の各リヤカバー部材の後端に、該各
リヤカバー後端部を後方より挟み込み固定する断面略Ｕ
字状のプレート部材を設け、 各リヤカバー部材の突き合せ部分における一方のリヤ
カバー部材後端に取り付けたプレート部材の端部に隣り
合う他方のリヤカバー部材の後端側部も挟み込んで固定
したことを特徴とする。

（作用） 単に中央のリヤカバー部材62と左右のリヤカバー部材
65との突き合わせ部分に下側への重ね合わせ片63を延出
しただけでなく、個々のリヤカバー部材62,65の後端に
上下二股状の挟着プレート84,86をそれぞれ設け、特に
各リヤカバー部材62,65の突き合わせ部分における一方
のリヤカバー部材62後端に取り付けた挟着プレート84の
端部84aで隣り合う他方のリヤカバー部材65の後端側部6
5aも挟着する構造なので、単純なリヤカバー61後端の連
結に止まらず、挟着プレート84によって各リヤカバー部
材62,65の突き合わせ部分後端間をも挟着して保持でき
る。これにより個々のリヤカバー部材62,65の曲率変化
の追従性を良くすることができ、突き合わせ部分におけ
るたるみが生じにくくなり、各リヤカバー部材62,65の
突き合わせ部分後端のめくり上がりを防止でき、従って
隙間の発生を最小限に抑えて土のこぼれを抑止すること
ができる。

（実施例） 以下に添付図面を基に実施例を説明する。

第１図は農用トラクタ後部を含むロータリー作業機の
側面を示し、トラクタ１のフレーム２後部にはヒッチ
３、リフト装置４、動力取出軸５が備えられ、ロータリ
ー作業機６は一対の連結プレート７をヒッチ３及びリフ
ト装置４に、入力軸８を動力取出軸５に接続してトラク
タ１後部に連結される。入力軸８の回転は第２図の如く
ギヤ11、中間軸12、ギヤ13,14等を経て左右方向の出力
軸15の回転に変換され、ギヤケース９及び連結プレート
７の左右にはパイプ16,17が固設され、左側のパイプ16
端部にはチェーンケース18が、右側のパイプ17端部には
支持プレート19が連結される。

出力軸15に連結した動力伝達軸21は左側のパイプ16内
を挿通して端部にスプロケット22を備え、スプロケット
22とチェーン23で連動するスプロケット24にロータリー
軸25の一端部が連結され、ロータリー軸25の他端部は支
持プレート19に軸承される。ロータリー軸25上には多数
のロータリー爪26…が備えられ、また第１図の如く連結
プレート９から後方にはパイプ27が突設され、このパイ
プ27には左右の尾輪29を支持するアーム28が長さ調節可
能に連結される。

ロータリー爪26…は上方から第３図に示すメインカバ
ー31にて覆われ、メインカバー31は一対のブラケット36
上にボルト37等にて中央で連結プレート７に固設され、
メインカバー31の左右端にはボルト38、ナット39等にて
サイドカバー41が固設される。サイドカバー41上部はメ
インカバー31上方に突出し、第４図及び第５図のように
メインカバー31の後端上には一対の支持片32が、サイド
カバー41の後端上部には支持パイプ42が内側に突設され
る。

またサイドカバー41の後端下部及びその上方にはボル
ト43,44が外側に突設され、下部のボルト43にリヤサイ
ドカバー51がナット53にて前端下部で回動可能に枢着さ
れ、上方のボルト44にリヤサイドカバー51の長孔52を係
合してナット54が螺着される。更にサイドカバー41後端
上部には上方から切り欠いたフック状の係合部45が形成
される。

そしてメインカバー31の後端には弾性を有する撓曲自
在なリヤカバー61が取り付けられ、第３図のようにリヤ
カバー61は三枚に分割された略方形をなす中央の軟質ゴ
ム板62及び左右の軟質ゴム板66から成り、特に中央の軟
質ゴム板62の左右両端縁には前後端を除いて側方に延出
する重ね合わせ片63が形成されている。

斯かるリヤカバー61の前端にはホルダ71が固着され
る。ホルダ71も三枚に分割された上下二股をなす中央の
挟着プレート72及び左右の挟着プレート75から成り、各
挟着プレート72,75の前端に左右方向のパイプ73,76が、
下面には二本づつフォーク状のリヤカバーストッパ74,7
8が溶着され、更に左右のパイプ76の内端には連結ピン7
7が溶着される。各挟着プレート72,75内に各軟質ゴム板
62,65の前端を差し込んでボルト66、ナット67にて固着
し、メインカバー31後端上の一対の支持片32間に中央の
パイプ73を臨ませる。左右のパイプ76内端の連結ピン77
を支持片32に貫通して中央のパイプ73の左右端に挿入
し、サイドカバー41後端上部の支持パイプ42から枢着ピ
ン48を左右のパイプ76に挿入して割りピン49で抜け止め
する。これにより三枚の軟質ゴム板62,65を突き合わせ
て成るリヤカバー61が前端でメインカバー31後端に回動
自在に枢着されている。

更にリヤカバー61の後端には左右方向に延在する棒部
材81が固着される。棒部材81も三個に分割された中央の
パイプ82及び左右のパイプ85から成り、各パイプ82,85
に前記と同様に上下二股状、即ち、断面略Ｕ字状、若し
くはコ字状のプレート部材である挟着プレート84,86が
溶着される。第６図の如く中央の挟着プレート84の左右
端はパイプ82より突出し、パイプ82の左右端には連結ピ
ン83が溶着され、第７図の如く左右のパイプ85の左右端
は挟着プレート86より突出する。ここで、中央の挟着プ
レート84の左右幅は中央の軟質ゴム板62後端の左右幅よ
り大きく、また両側の挟着プレート86の左右幅は両側の
軟質ゴム板65の左右幅よりも小さくなっている。

その組み付けは以下の如くで、各軟質ゴム板62,65の
後端を各挟着プレート84,86内に差し込んでボルト68、
ナット69にて固着し、中央のパイプ82両端の連結ピン83
を左右のパイプ85に挿入する。この時、第８図に示すよ
うに中央の軟質ゴム板62の両側に設けた重ね合わせ片63
を左右の各軟質ゴム板65の下側に重ねるとともに、中央
の挟着プレート84の左右両端部84a内に両側の各軟質ゴ
ム板65の後端内側部65aも挟着して保持する。

斯くしてリヤカバー61の後端に棒部材81が一体化して
取り付けられ、リヤカバー61を使用しない場合は、リヤ
カバー61の後半部を前半部上に折り曲げて後端の棒部材
81の左右端をサイドカバー41後端上部のフック状係合部
45に掛止する。

このように三分割されたリヤカバー61において、単に
中央の軟質ゴム板62と左右の軟質ゴム板65,65との突き
合わせ部分に下側への重ね合わせ片63,63を延出しただ
けでなく、個々の軟質ゴム板62,65,65の後端に上下二股
状の挟着プレート84,86,86をそれぞれ取り付け、特に中
央の挟着プレート84の左右両端部84a,84aで左右の軟質
ゴム板65,65の後端内側部65a,65aを挟着しているため、
単純なリヤカバー61後端の連結構造に止まらず、中央の
軟質ゴム板62後端に設けた挟着プレート84によって左右
の軟質ゴム板65,65後端をも挟着して保持した構造とな
る。

即ち個々の軟質ゴム板62,65,65の後端突き合わせ部分
が中央の挟着プレート84により挟着状態で連結されてい
るため、左右の重ね合わせ片63,63の各軟質ゴム板65,65
下面とのフリクションによる左右方向へのずれ防止作用
に加えて、各軟質ゴム板62,65,65の曲率変化の追従性を
高めることができ、これにより突き合わせ部分における
たるみを生じにくくして隙間の発生を最小限に抑えるこ
とができ、各軟質ゴム板62,65,65の突き合わせ部分後端
のめくり上がりを防止でき、従って突き合わせ部分から
土がこぼれるのを効果的に抑止することができる。

尚、重ね合わせ片は左右の軟質ゴム板に形成しても良
く、また左右の挟着プレートでリヤカバー突き合わせ部
分後端間を挟着保持しても良い。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、ロータリー作業機にお
いて、三分割式のリヤカバーを採用しても、単に中央の
リヤカバー部材と左右のリヤカバー部材との突き合わせ
部分に下側への重ね合わせ片を延出しただけに止まら
ず、個々のリヤカバー部材の後端に上下二股状の挟着プ
レートをそれぞれ取り付けるとともに、各リヤカバー部
材の突き合わせ部分における一方のリヤカバー部材後端
に取り付けた挟着プレートの端部で隣り合う他方のリヤ
カバー部材の後端側部も挟着したため、単純にリヤカバ
ー後端を連結するだけでなく、挟着プレートで各リヤカ
バー部材の突き合わせ部分後端間をも挟着して保持した
構造となり、これにより個々のリヤカバー部材の曲率変
化の追従性を良くすることができるので、突き合わせ部
分におけるたるみが生じにくくなり、各リヤカバー部材
の突き合わせ部分後端のめくり上がりを防止でき、従っ
て隙間の発生を最小限に抑えて土のこぼれを抑止するこ
とができる。

又、各リヤカバー後端にプレート部材を設けているの
で、このプレート部材が耕地の均平性を出す錘りとして
機能し、耕耘後の耕地の均平性が非常に良くなり、その
後の植え付け作業が楽になるとともに見た目も良くなる
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は農用トラクタ後部を含むロータリー作業機の側
面図、第２図はロータリー作業機の概略破断背面図、第
３図はカバー構成部品の分解斜視図、第４図と第５図は
メインカバー及びサイドカバーの側面図と背面図、第６
図（ａ）及び（ｂ）は棒部材の中央部品の平面図と側面
図、第７図（ａ）及び（ｂ）は棒部材の左右部品の平面
図と側面図、第８図はリヤカバーの平面図である。 尚、図面中、１は農用トラクタ、６はロータリー作業
機、26はロータリー爪、31はメインカバー、61はリヤカ
バー、62は中央の部材、63は重ね合わせ片、65は左右の
部材、65aはその後端側部、71はホルダ、81は棒部材、8
4は中央の挟着プレート、84aはその端部、86は左右の挟
着プレートである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ロータリー爪を上方から覆うメインカバー
   の後端に中央の部材と左右の部材とに三分割された弾性
   を有する撓曲自在なリヤカバーを前端で取付けたロータ
   リー作業機において、 中央及び左右の各リヤカバー部材の後端に、該各リヤカ
   バー後端部を後方より挟み込み固定する断面略Ｕ字状の
   プレート部材を設け、 各リヤカバー部材の突き合せ部分における一方のリヤカ
   バー部材後端に取り付けたプレート部材の端部に隣り合
   う他方のリヤカバー部材の後端側部も挟み込んで固定し
   たことを特徴とするロータリー作業機のリヤカバー。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、 前記中央のリヤカバー部材と前記左右のリヤカバー部材
   との突き合せ部分には下側への重ね合わせ片が延出され
   ていること、 を特徴とするロータリー作業機のリヤカバー。