JPH088660Y2 - 移動棚装置における支柱取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、床面等に敷設されたレールに沿って移動可
能に設置される移動棚装置における支柱の取付構造に関
するものである。

〔従来の技術〕 通常、この種の移動棚装置は、例えば第１図に示す如
く、移動棚１を床面等に敷設された複数のレール２…に
沿って移動可能に設置されている。前記移動棚１は基板
３、天板４、左右の側板5,5、及び前記基板３と天板４
間に段設された複数段の棚板６…等からなり、前記両側
板5,5間には適宜間隔で支柱７…が立設されている。

前記支柱７は、移動棚１における基板３下面に位置す
るベースフレーム８に立設されるものであり、このベー
スフレーム８は第２図に示すように、前後のフレーム8
1,82と、この前後フレーム81,82間を連結してなる複数
の縦フレーム83…から構成されている。そして、支柱７
はこのベースフレーム８における縦フレーム83の位置に
立設されている。又、この移動棚１をレール２上に移動
可能に支持してなる車輪９は、前記前後フレーム81,82
間に架設された一対の車輪ビーム10,10間に回動可能に
軸着されている。通常前記支柱７の取付部の構造は例え
ば第７図の如くである。即ち、断面略コ字型の前後フレ
ーム81,82をその開放面を対面させた状態で対向配置
し、この前後フレーム81,82間に直交する方向に縦フレ
ーム83で連結してなり、この縦フレーム83における前後
端部と前後フレーム81,82の重合位置及び縦フレーム83
の前後方向の中間位置には、その上面に支柱挿通孔84,8
5,86を形成し、これらの支柱挿通孔84…へ上方からから
支柱７下端部を挿入するとともに、縦フレーム83の底辺
83aに適宜溶接等により固着した支柱固定部材87へ支柱
７の下端開口部を外嵌することによりベースフレーム８
上に支柱７を立設してなるものである。又、前記車輪９
のベースフレーム８への取付けは、同じく第７図に示し
たように、前後フレーム81,82間に一対の車輪ビーム10,
10を架設し、両車輪ビーム10,10間に車輪９を回動自在
又は適宜駆動手段に関係付けた状態で軸着される。

前記移動棚１における支柱７の取付位置は、移動棚１
の幅や用途に応じて必要とされる強度等を考慮して予め
所定の間隔に設定されている。又、前記車輪９も移動棚
１の幅、強度やバランス等を考慮することにより決定さ
れるレール２の数及び位置に応じて取付られる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前記ベースフレーム８上で支柱７を立設す
る縦フレーム83と車輪ビーム10とは同じ位置に取付ける
ことできず、しかも前記第７図に示す如く、車輪９は一
対の車輪ビーム10,10間に取付られており、両ビーム10,
10間は上下方向に開放されているため、この車輪９を取
付けた前後両フレーム81,82の中間位置には支柱７を立
設できない。このため、移動棚１における幅や必要とさ
れる強度を考慮して決定される支柱７とレール２の位置
が、第８図（イ）〜（ハ）の如く互いに重なってしまう
場合、第８図（ニ）〜（ヘ）の如く支柱７の位置を外し
てレール２を敷設しなければならない。このため、レー
ル２の敷設数は、実際には移動棚１の構造上で必要とさ
れる本数以上に必要となり、移動棚１の設置コストが高
くなる、といった問題がある。

本考案は上記の点に鑑み、レール上に車輪を介して移
動可能に設置される移動棚装置において、車輪取付位置
においても支柱を取付可能としてレールの数を最小限に
抑えることにより、これら移動棚装置の設置コストの合
理化を達成することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る移動棚における支柱取付構造は上記の目
的を達成するために、前後のフレームと、前記前後フレ
ーム間を連結する複数の縦フレームとでベースフレーム
を構成し、前記前後フレーム間に架設した一対の車輪ビ
ーム間に車輪を軸着するとともに、該車輪ビームの前後
方向における中間位置の下面に両車輪ビームにわたって
支柱受金具を取付けるとともに、上面には両車輪ビーム
間に支柱を挿通する挿通孔を形成してなる支柱支持金具
を取付けて構成してなる。

〔作用〕

本考案に係る移動棚装置における支柱取付構造は上記
のとおり構成してなり、移動棚を床面等に敷設したレー
ル上に設置するに際して、レールと支柱を取付けるべき
位置が一致した場合には、この車輪を取付てなる一対の
車輪ビーム間に支柱受金具と支柱支持金具と取付け、こ
れに支柱を立設する。

〔実施例〕

以下、図示した実施例に基づき本考案を更に詳細に説
明する。

第１図に示したような移動棚１は第２図に示すような
前後のフレーム81,82とこの前後フレーム81、82間を連
結してなる縦フレーム83…から構成したベースフレーム
８上に支柱７…を立設し、これに基板３、側板5,5及び
天板４等を取付け、又、基板３と天板４との間に複数の
棚板６…を段設して構成される。

前記支柱７はベースフレーム８における縦フレーム83
の取付位置に立設され、又、ベースフレーム８の幅方向
に所定の間隔をおいて一対の車輪ビーム10,10が架設さ
れ、両車輪ビーム10,10間の前後に車輪９が回動自在又
は適宜駆動手段に関係付けた状態で軸着される。

そして第２図に示したベースフレーム８における幅方
向中央位置では、レール２と支柱７とが重なり合い、支
柱７と車輪９とがベースフレーム８の幅方向における同
位置に取付けられている。この支柱７と車輪９との取付
部の構造は第３図〜第６図に示される。

即ち、ベースフレーム８を構成する前後フレーム81,8
2間に一対の車輪ビーム10,10が所定間隔を隔てて架設さ
れ、この両車輪ビーム10,10間の前後には車輪9,9が回動
自在、或いは駆動手段に関係付けて軸着される。そし
て、前記前後フレーム81,82における車輪ビーム10,10間
の上面には支柱挿通孔84,86が形成されており、この各
支柱挿通孔84,86の上方から挿入した支柱７の下端開口
部を前後フレーム81,82の下辺81a,82a上に溶着等された
支柱固定部材87へ外嵌することにより、支柱７をベース
フレーム８上に立設してなる。そして前記車輪ビーム1
0,10の前後方向の中間位置には、上面に両車輪ビーム1
0,10間に位置し支柱７の下端開口部に内嵌する支柱固定
部材14が溶接等により固着された支柱受金具11がネジ12
等にて両車輪ビーム10,10間の下面に固着されている。
又、両車輪ビーム10,10間の上面には両車輪ビーム10,10
間の位置に支柱挿通孔15を形成してなる支柱支持金具16
がネジ12にて固着されている。そして、前記支柱支持金
具16の上方から支柱挿通孔15へ支柱７の下端部が支柱受
け金具11へ当接するまで挿入し、その下端開口部を支柱
固定部材14に外嵌することで両車輪ビーム10,10間に支
柱７を立設してなる。

〔考案の効果〕

上記のような本考案に係る支柱取付構造によれば、移
動棚における従来の車輪ビームをそのまま用い、この車
輪ビーム間に支柱受金具と支柱支持金具とをネジ等で取
付けるだけで移動棚における支柱取付部の構造を改造す
ることなく車輪の取付位置に重合して支柱を取付けるこ
とができ、レールと支柱との取付位置が重なり合う場合
にも、レールの敷設位置を変更する必要がなく、レール
の敷設本数を増やす必要がなく、必要最低限のレールを
敷設することで移動棚の設置コストの上昇を招くことが
ない。又、季節のレール上に移動棚を設置するときに移
動棚における支柱の位置とレール位置とが重なりあった
場合でも、レール位置を変更したり、新たにレールを増
設したりすることなく移動棚を設置することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動棚装置の実施例斜視図、第２図は前記移動
棚装置の移動棚のベースフレームの平面図、第３図は本
考案に係る支柱取付構造の縦断面図、第４図はその平面
図、第５図はその正面図、第６図は前記支柱取付構造の
斜視図、第７図は従来の移動棚のベースフレームにおけ
る支柱及び車輪取付構造の斜視図、第８図（イ）〜
（ヘ）はそれぞれベースフレームにおける支柱とレール
との位置関係を示す簡略平面図であり、（イ）〜（ハ）
はレールと支柱の位置が重合する場合を示し、（ニ）〜
（ヘ）はレールと支柱との位置をずらして取付けた場合
を示すものである。 1:移動棚、2:レール、3:基板、4:天板、5:側板、6:棚
板、7:支柱、8:ベースフレーム、9:車輪、10:車輪ビー
ム、11:支柱受金具、12:ネジ、14:支柱固定部材、15:支
柱挿通孔、16:支柱支持金具、81:前フレーム、82:後フ
レーム、83:縦フレーム、84,85,86:支柱挿通孔、87:支
柱固定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前後のフレームと、前記前後フレーム間を
   連結する複数の縦フレームとでベースフレームを構成
   し、前記前後フレーム間に架設した一対の車輪ビーム間
   に車輪を軸着するとともに、該車輪ビームの前後方向に
   おける中間位置の下面に両車輪ビームにわたって支柱受
   金具を取付けるとともに、上面には両車輪ビーム間に支
   柱を挿通する挿通孔を形成してなる支柱支持金具を取付
   けてなる移動棚装置における支柱取付構造。