JPH0886574A

JPH0886574A - 不定形耐火物の施工方法

Info

Publication number: JPH0886574A
Application number: JP24857194A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Kochigami; 和宏東風上
Original assignee: Kawasaki Refractories Co Ltd
Current assignee: JFE Refractories Corp
Priority date: 1994-09-16
Filing date: 1994-09-16
Publication date: 1996-04-02

Abstract

(57)【要約】【目的】溶湯処理容器に座屈や亀裂、あるいは剥離な
どが発生しないように不定形耐火物を施工することが可
能な不定形耐火物の施工方法を提供する。【構成】溶湯処理容器に不定形耐火物を施工する際
に、溶湯処理容器の高さ方向に、施工体の水平方向の膨
張を吸収するための膨張代を設ける。また、溶湯処理容
器の高さ方向に膨張代を設けるための突起状部材を備え
た中子を溶湯処理容器にはめ込み、中子と溶湯処理容器
の隙間に不定形耐火物を注入、充填する。さらに、不定
形耐火物を施工することにより設けた膨張代にモルタル
状の耐火材料を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、耐火物の施工方法に関
し、詳しくは、タンディッシュなどの溶湯処理容器に、
不定形耐火物を座屈や亀裂あるいは剥離などが発生しな
いように施工するための不定形耐火物の施工方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】タンディッシュなどの溶銑、溶鋼容器
（以下、単に「溶湯処理容器」ともいう）に耐火物の内
張りを行う方法としては、不定形耐火物を流し込みや吹
付けなどの方法によって施工する方法が主流になりつつ
ある。

【０００３】図５は、従来の流し込み施工法により溶湯
処理容器に不定形耐火物（内張り耐火物）を施工した状
態を示す図である。図５に示すように、溶湯処理容器５
１に不定形耐火物（内張り耐火物）を施工する場合、熱
間での膨張による座屈や亀裂あるいは剥離など（以下、
単に「座屈など」ともいう）の防止を目的として、施工
体５２の上端５２ａと押え金物５３の間に膨張代５４を
設けることが多い。なお、図５では、永久張り５５にア
ンカー５６を埋め込み、その上から不定形耐火物５２を
施工した状態を示している。

【０００４】そして、この膨張代５４により、施工体５
２の熱間での垂直方向の膨張が吸収され、座屈などの発
生がそれだけ抑制される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、施工体５２の
熱間における膨張は、垂直方向のみではなく、水平方向
にも存在し、かつ、タンディッシュなどの場合において
は、高さ方向より水平方向の寸法（距離）が大きいた
め、施工体５２の上端５２ａと抑え金物５３の間に膨張
代５４を設けるだけでは、施工体の膨張による座屈など
の発生を十分に抑制、防止することができず、施工体に
損傷が生じるという問題点がある。

【０００６】本発明は上記の問題点を解決するものであ
り、溶湯処理容器に座屈や亀裂あるいは剥離などが発生
しないように不定形耐火物を施工することが可能な不定
形耐火物の施工方法を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の不定形耐火物の施工方法は、溶湯処理容器
に不定形耐火物を施工する際に、溶湯処理容器の高さ方
向に、施工体の水平方向の膨張を吸収するための膨張代
を設けることを特徴としている。

【０００８】なお、本発明の不定形耐火物の施工方法
は、前述の従来の施工方法のように、施工体の高さ方向
の膨張を吸収するための水平方向の膨張代を設けること
を妨げるものではなく、容器の高さ方向と水平方向に膨
張代を設けて、施工体の両方向への膨張をそれぞれ吸収
するように構成することも可能である。

【０００９】また、溶湯処理容器の高さ方向に膨張代を
設けるための突起状部材を備えた中子を溶湯処理容器に
はめ込み、中子と溶湯処理容器の隙間に不定形耐火物を
施工することを特徴としている。

【００１０】さらに、不定形耐火物を施工することによ
り設けた膨張代にモルタル状の耐火材料を充填すること
を特徴としている。

【００１１】

【作用】溶湯処理容器に不定形耐火物を施工する際に、
溶湯処理容器の高さ方向（縦方向）に形成された膨張代
（溝など）が、施工体の水平方向の膨張を吸収する。

【００１２】したがって、タンディッシュなどのよう
に、高さ方向より水平方向の寸法が大きい溶湯処理容器
などの場合には、特に水平方向の膨張を効率よく吸収し
て、座屈や亀裂あるいは剥離などの発生による施工体の
損傷を抑制、防止することが可能になる。

【００１３】なお、前記溶湯処理容器の高さ方向の膨張
代は、施工時に、鉄板などにより容器の高さ方向に仕切
壁を設ける方法などによって形成することが可能であ
る。

【００１４】また、溶湯処理容器の高さ方向に膨張代を
設けるための突起状部材を備えた中子を用い、これを溶
湯処理容器にはめ込み、中子と溶湯処理容器の隙間に不
定形耐火物を施工することにより、溶湯処理容器の高さ
方向の膨張代を効率よく形成することが可能になる。

【００１５】さらに、不定形耐火物を施工することによ
り設けた膨張代にモルタル状の耐火材料を充填すること
により、モルタル状の耐火物が目地の働きをして施工体
を保持するとともに、施工体の膨張を吸収するため、施
工体の損傷をさらに効率よく防止することが可能にな
る。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を示してその特徴とす
るところをさらに詳しく説明する。なお、この実施例で
は、流し込み施工法により、タンディッシュの内張りを
行う場合を例にとって説明する。

【００１７】なお、図１はタンディッシュの概略構造を
示す斜視図、図２はこの実施例で用いた中子を示す図で
あって、(ａ)は平面図、(ｂ)は正面図、(ｃ)は側面図、
図３はこの実施例の不定形耐火物の施工方法の一工程を
示す平面断面図、図４はこの実施例の不定形耐火物の施
工方法により形成された施工体を示す図であって、(ａ)
はその要部を示す平面断面図、(ｂ)は形成された内張り
耐火物の施工面を示す図である。

【００１８】まず、不定形耐火物を施工する際に用い
る中子として、図２に示すように、タンディッシュ１
（図１）の内部形状に略対応する形状を有し、かつ、側
面２の外側に、不定形耐火物の施工時に膨張代（溝）８
（図３，図４）が形成されるように、該膨張代（溝）８
の形状に対応する形状の突起状部材４が配設された中子
５を用意する。なお、この実施例においては、突起状部
材４は厚み３mmの鉄板であり、１ｍの間隔をおいて側面
２の外側に複数配設されている。なお、突起状部材が取
り付けられていない中子を用い、これをタンディッシュ
にセットした後、別途、突起状部材を所定の位置に設置
するように構成することも可能である。

【００１９】そして、この中子５をタンディッシュ１
（図１）にセットし、図３に示すように、中子５とタン
ディッシュ１の永久張り６の間に高アルミナ質キャスタ
ブル（不定形耐火物）７を流し込み施工する。なお、こ
のとき、例えば、施工体７の上端側に水平方向に膨張代
（図示せず）が形成されるように施工することも可能で
ある。

【００２０】施工した不定形耐火物（施工体）７が硬
化した後、中子５を取り外す。

【００２１】それから、施工体７に形成された膨張代
（縦方向の溝）８に、モルタル状の耐火材料として高ア
ルミナ質モルタル９を注入、充填する（図４）。

【００２２】２４時間養生後、乾燥を行う。なお、乾
燥は、タンディッシュの予熱を兼ねて行うことも可能で
ある。

【００２３】上記実施例の方法によって内張りを行うこ
とにより、施工体の水平方向の熱膨張を、施工体に形成
された縦方向の膨張代（溝）及び膨張代に充填された高
アルミナ質モルタルにより吸収して、施工体に座屈や亀
裂あるいは剥離などが発生することを効果的に防止する
ことができる。

【００２４】なお、上記実施例では、タンディッシュの
内張り施工を行う場合を例にとって説明したが、本発明
は、これに限らず、その他の種々の溶湯処理容器に内張
りを行う場合に広く適用することが可能である。

【００２５】また、上記実施例では、不定形耐火物とし
て、高アルミナ質キャスタブルを用いた場合について説
明したが、本発明においてもちいることが可能な不定形
耐火物はこれに限られるものではなく、スピネル質、マ
グネシア質、ジルコン質、アルミナ・マグネシア質その
他の種々の不定形耐火物を用いる場合にも適用すること
が可能である。

【００２６】さらに、上記実施例では、膨張代（溝）
に、モルタル状の耐火材料として高アルミナ質モルタル
を注入、充填した場合について説明したが、膨張代
（溝）に注入、充填する材料としては、これに限られる
ものではなく、マグネシア質、ジルコン質、ロー石粘土
質その他の種々のモルタル状の耐火材料を用いることが
可能である。

【００２７】なお、本発明の不定形耐火物の施工方法
は、その他の点においても上記実施例に限定されるもの
ではなく、膨張代の具体的な形状（すなわち、中子の突
起状部材の具体的な形状）などに関し、発明の要旨の範
囲内において種々の応用、変形を加えることが可能であ
る。

【００２８】

【発明の効果】上述のように、本発明の不定形耐火物の
施工方法は、溶湯処理容器に不定形耐火物を施工する際
に、溶湯処理容器の高さ方向に、施工体の水平方向の膨
張を吸収するための膨張代を設けるようにしているの
で、溶湯処理容器の高さ方向に形成された膨張代により
施工体の水平方向の膨張を効率よく吸収して、座屈や亀
裂あるいは剥離などによる施工体の損傷を確実に抑制、
防止することが可能になる。

【００２９】また、溶湯処理容器の高さ方向に膨張代を
設けるための突起状部材を備えた中子を用い、これを溶
湯処理容器にはめ込み、中子と溶湯処理容器の隙間に不
定形耐火物を施工することにより、溶湯処理容器の高さ
方向の膨張代を効率よく形成することが可能になり、施
工時の作業性を向上させることができる。

【００３０】さらに、不定形耐火物を施工することによ
り設けた膨張代にモルタル状の耐火材料を充填すること
により、モルタル状の耐火物が目地の働きをして施工体
を保持するとともに、施工体の膨張を吸収するため、施
工体の損傷をさらに効率よく防止することが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】タンディッシュの概略構造を示す斜視図であ
る。

【図２】本発明の一実施例において用いた中子を示す図
であり、(ａ)は平面図、(ｂ)は正面図、(ｃ)は側面図で
ある。

【図３】この実施例の不定形耐火物の施工方法の一工程
を示す図である。

【図４】この実施例の不定形耐火物の施工方法により形
成された施工体を示す図であって、(ａ)はその要部を示
す平面断面図、(ｂ)は形成された内張り耐火物の施工面
を示す図である。

【図５】従来の流し込み施工法により内張りを行った溶
湯処理容器の要部を示す断面図である。

【符号の説明】

１タンディッシュ２中子の側面４突起状部材５中子６タンディッシュの永久張り７施工体（不定形耐火物）８膨張代（溝）９高アルミナ質モルタル（モルタル状の耐
火材料）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】溶湯処理容器に不定形耐火物を施工する
際に、溶湯処理容器の高さ方向に、施工体の水平方向の
膨張を吸収するための膨張代を設けることを特徴とする
不定形耐火物の施工方法。
【請求項２】溶湯処理容器の高さ方向に膨張代を設け
るための突起状部材を備えた中子を溶湯処理容器にはめ
込み、中子と溶湯処理容器の隙間に不定形耐火物を施工
することを特徴とする請求項１記載の不定形耐火物の施
工方法。
【請求項３】不定形耐火物を施工することにより設け
た膨張代にモルタル状の耐火材料を充填することを特徴
とする請求項１又は２記載の不定形耐火物の施工方法。