JP3519854B2 - 溶融金属容器のライニング構造 - Google Patents
溶融金属容器のライニング構造Info
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Description
シュなどの溶融金属容器におけるライニング構造に関す
る。
では、ライニングが一般にパーマライニング(裏張り)
とワークライニング(内張り)の二層構造をなしてい
る。パーマライニングは缶体容器内側の鉄皮上に耐火レ
ンガを貼付けた構造が一般的であり、ワークライニング
はパーマライニング上に耐火レンガ又は不定形耐火物を
施工した構造が一般的である。レンガによる施工は、築
炉工がレンガを一枚一枚貼付けることによって行われる
ため、施工までに長時間を要するほか、施工には熟練と
かなりな労力を要する。その上、ワークライニングの修
理解体時、パーマ材として使用されたレンガ自体は健全
で再使用が可能であっても、ワーク材と共にパーマレン
ガも脱落し易い。ことにタンディッシュのように缶体容
器内側の鉄皮が平坦面ないしほゞ平坦面を有するような
場合、レンガ同志の迫りがないため、レンガが脱落し易
い。以上のようにパーマライニングが再使用できない
と、ワークライニング修理時の作業負荷が増大すると共
に施工日数が延び、耐火物のコストアップをもたらすほ
か、パーマライニング材解体による産業廃棄物量も増加
する。
マライニングを不定形耐火物で施工することも一部で行
われている。不定形耐火物の施工は一般に、レンガの施
工に比べ、労力が軽減されるうえ、施工に熟練を要さ
ず、施工が短時間で行えて作業性が向上する利点がある
が、施工後養生し、乾燥するまでに長時間を要するこ
と、レンガのように差替えによる部分補修ができないこ
と、大型のミキサーや中枠などの施工設備や乾燥設備が
必要であることなど不利な点もある。
体を提供するために、ライニング材を事前に成形し、最
適な昇温曲線による乾燥を完了させた一体物のプレキャ
ストブロックを缶体容器の内側にセットする方法も知ら
れ、特開平7−303957号には缶体容器の内側に適
当な大きさに成形した分割プレキャストブロックを配設
したのち、ブロック間の隙間に不定形耐火物を施工した
ものが開示されている。
−303957号に記載される分割プレキャストブロッ
クは、一体物の大型プレキャストブロックに比べ、成形
が容易で歩留りも高く、部分補修も可能であり、取付け
箇所が変形していても、変形を吸収して取付け可能であ
るが、分割プレキャストブロック同志をブロック間の隙
間に流し込んだ不定形耐火物によって固定しているた
め、ブロックの固定が弱く、これによりパーマライニン
グを施工した場合、ライニング材補修のためワーク材を
解体する際、パーマブロックが脱落し易い。タンディッ
シュのように缶体容器内側が平坦である場合、とくにそ
うである。すなわち取鍋のように円形であると、ブロッ
クが互いに干渉して内方へ迫り出しにくゝなるが、タン
ディッシュのように平坦面ないし平坦面に近い面を有し
ている場合、迫り出しに対する拘束力がないためブロッ
クが脱落し易い。
ックは、縦方向には一体物のブロックを使用しなければ
ならず、缶体容器のサイズに応じて高さを変えられない
ため、缶体容器によっては寸足らずとなったり、丈が長
過ぎたりし、缶体容器ごとに容器のサイズに適合した高
さのブロックを用意しなければならない。本発明は、分
割プレキャストブロックによる上記の問題を解消した溶
融金属容器のライニング構造を提供することを目的とす
る。
トブロックに凹所と、該凹所に通ずるボルト通し孔を設
け、缶体容器内側の鉄皮に固着したボルトにボルト通し
孔を嵌挿したのち凹所内に突出するボルト端にナットを
捩込んで固定してなるもので、各ブロックは鉄皮に直接
止金具によって固定され、固定力が強いためワーク材を
解体する際も脱落しにくゝ、再使用が可能であり、また
各ブロックは個々に固定されるため、縦方向に分割する
こともでき、したがって縦方向に組合せられる分割ブロ
ックの数を変えることによって高さを段階的に変えるこ
とができる。
マライニングを施工したのち、ワークライニングが施工
されるが、ワークライニングはレンガにより施工されて
もよいし、不定形耐火物によって施工されてもよく、ま
たプレキャストブロックより構成してもよい。いづれに
してもワーク材の亀裂やその他の原因によってパーマ材
表面に侵入した溶融金属がパーマ材の分割プレキャスト
ブロック間に差込み、湯洩れ事故の原因となるのを防ぐ
必要がある。
ックの接続部に凹部又は凸部を設けて隣接するブロック
同志を凹凸の嵌合によって接続するか、或いは接続部を
段状にして互いに噛み合わせることによりブロック同志
を接続させ、パーマ表面に溶融金属が侵入して来ても、
ブロック間より湯洩れを生じさせないようにしたもので
ある。
イニングの二層構造とするのは、一層構造であると、亀
裂が生じたとき溶融金属が亀裂より侵入して湯洩れを生
ずるおそれがあるのに対し、二層構造であると、両層の
境界で縁切りされ、一方の層に亀裂ができても他方の層
に伝播しないようにするためであるが、両層の縁切りを
確実にし、溶融金属の差込み防止のため或いは縁切りと
容器の保温性を向上させるために両層間に例えば塗布膜
又は薄肉のモルタル層或いは断熱材を設けるのが望まし
い。
ーマライニング層とワークライニング層の間に例えば、
既存の揆水性を有するペンキ、オイル、グリス等よりな
る塗布膜又は薄肉のモルタル層を設けたものであり、第
4の発明は両ライニング層の間に断熱材を設けたもの
で、断熱材としては、例えばセラミックボード、セラミ
ックペーパー等の既存の断熱材が使用される。本発明
は、溶融金属容器一般のパーマライニング構造に適用可
能であるが、なかでもタンディッシュのように平坦面な
いし平坦面に近い面を有する容器に適用するのに最適で
ある。平坦面ないし平坦面に近い面を有する容器では、
ブロックの迫り出しによる脱落を生じ易いが、ブロック
が止金具により鉄皮にしっかりと固定されているため、
平坦面ないし平坦面に近い面を有する容器でもブロック
の迫り出しによる脱落を生じることがない。
のような容器に適用したものである。
鉄皮2に分割プレキャストブロック3を内張りしてなる
パーマライニング層4の上に不定形耐火物よりなるワー
クライニング層5を設けてライニング層6をパーマライ
ニング層4とワークライニング層5の二層構造としたも
ので、パーマライニング層4を構成する分割プレキャス
トブロック3は側壁の上側部3aと下側部3bの接合部
が段状をなして噛み合うようにして接続されると共に、
敷部3cの接続部が段状をなしてこれに下側部3bの接
続部が嵌合して接続され、各ブロック3a、3b、3c
の適所には、図2に示すように凹所7と、凹所7を通し
て貫通するボルト通し孔8を有し、鉄皮2に固着される
ボルト9にボルト通し孔8を当てゝ嵌挿したのち、凹所
内に突出するボルト端にナット10を捩込んで各ブロッ
ク3a、3b、3cの固定を行うようになっている。
示すように、左右の一方の側端に円弧状凸部よりなる接
続部12を、他方の側端に円弧状凹部よりなる接続部1
3を有し、各接続部12、13を嵌合させることによ
り、ブロックの横方向の接続が行われるようになってい
る。パーマライニング層4の施工は、クレーンにて分割
プレキャストブロック3a、3b、3cを吊り下げて運
び、鉄皮内側にブロック同志を上述するように接続して
敷詰めていく。パーマライニング層4が施工されると、
次に、図4に示すようにその表面に保温と縁切りを目的
として断熱材14を被覆するか、或いは縁切りを目的と
して塗布膜、又は薄いモルタル層を設け、ついで型枠を
セットし、パーマライニング層4との間にワークライニ
ングである不定形耐火物を流し込んでワークライニング
層5を形成する。図1は、以上のようにして得られたタ
ンディッシュ1を示す。なお、各ブロック3a、3b、
3cの凹所7は、ブロック固定用のナット10を締め込
んだ後、プラスチック材或いは流し込み材等の不定形耐
火物11によって充填される。
うな効果を奏する。請求項1記載のライニング構造にお
けるパーマライニングは、分割プレキャストブロックを
鉄皮に直接止金具によって固定してなるもので、ブロッ
ク同志を不定形耐火物施工体によって連結する従来例に
比べ、ブロックの固定力が強いため、ワークライニング
の修理解体時に脱落しにくゝ、再使用が可能であり、し
たがってワークライニングの修理解体時の作業負荷が軽
減されると共に、施工日数が減少し、発生する産業廃棄
物の量も減少する。また各ブロックは鉄皮に個々に固定
されるところから、縦方向に分割することが可能であ
り、したがって縦方向に組合せられる分割ブロックの数
を変えることによって高さを段階的に変えることができ
る。
合によってブロック同志を接続させるようにすれば、溶
融金属が例えワーク材の亀裂等からパーマ材表面に侵入
するようなことがあっても、ブロック間に差込んで湯洩
れ事故が生ずるのを防ぐことができる。請求項3記載の
ように、パーマライニング層とワークライニング層の間
に塗布膜又は薄肉のモルタル層を設ければ、両層が確実
に縁切りされ、一方の層に亀裂等が発生しても他方の層
に伝播するようなことがない。
層とワークライニング層の間に断熱材を設ければ、両層
の縁切りと容器の保温性を向上させることができる。請
求項5記載のタンディッシュのような平坦面ないし平坦
面に近い面を有する容器では、分割プレキャストブロッ
クを不定形耐火物により連結し固定した場合、ブロック
の迫り出しによる脱落を生じ易いのに対し、各ブロック
を止金具により個々に固定すれば、ブロックの迫り出し
による脱落を生じない。
ィッシュの断面図。
イニング層 5・・ワークライニング層 6・・ライニン
グ層 7・・凹所 8・・ボルト通
し孔 9・・ボルト 10・・ナット 11・・不定形耐火物 12、13・・
接続部 14・・断熱材
Claims (5)
- 【請求項1】溶融金属容器の鉄皮に分割プレキャストブ
ロックを内張りしてなるパーマライニング層の上にワー
クライニング層を設けて、ライニング層をパーマライニ
ング層とワークライニング層の二層構造としたライニン
グ構造において、上記プレキャストブロックは凹所と、
該凹所を通して貫通するボルト通し孔を有し、鉄皮に固
着されるボルトにボルト通し孔を当てて嵌挿したのち、
凹所内に突出するボルト端にナットを捩込んで分割プレ
キャストブロックを固定してなるライニング構造。 - 【請求項2】上記分割プレキャストブロックの接続部に
凹部又は凸部を設けて隣接するブロック同志を凹凸の嵌
合によって接続するか、或いは接続部を段状にして互い
に噛み合わせることによりブロック同志を接続させるこ
とを特徴とする請求項1記載のライニング構造。 - 【請求項3】パーマライニング層とワークライニング層
の間に塗布膜又は薄肉のモルタル層を設けたことを特徴
とする請求項1又は2記載のライニング構造。 - 【請求項4】パーマライニング層とワークライニング層
の間に断熱材を設けたことを特徴とする請求項1又は2
記載のライニング構造。 - 【請求項5】溶融金属容器は、タンディッシュである請
求項1ないし4記載のいづれかの請求項に記載のライニ
ング構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04255996A JP3519854B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 溶融金属容器のライニング構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04255996A JP3519854B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 溶融金属容器のライニング構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09234557A JPH09234557A (ja) | 1997-09-09 |
JP3519854B2 true JP3519854B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04255996A Expired - Fee Related JP3519854B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 溶融金属容器のライニング構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3519854B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111561502A (zh) * | 2020-04-10 | 2020-08-21 | 河北华丰能源科技发展有限公司 | 耐材固定结构及方法 |
-
1996
- 1996-02-29 JP JP04255996A patent/JP3519854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09234557A (ja) | 1997-09-09 |
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