JPH08854B2 - 高嵩密度ポリカーボネート粉末の製造方法 - Google Patents

高嵩密度ポリカーボネート粉末の製造方法

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JPH08854B2
JPH08854B2 JP3057267A JP5726791A JPH08854B2 JP H08854 B2 JPH08854 B2 JP H08854B2 JP 3057267 A JP3057267 A JP 3057267A JP 5726791 A JP5726791 A JP 5726791A JP H08854 B2 JPH08854 B2 JP H08854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート粉末の
製造方法に係り、特に嵩密度の高いポリカーボネート粉
末の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】ポリカーボネートの製造方法としては溶融
重縮合法(エステル交換法)と界面重縮合法(ホスゲン
法)とがあり、工業的にポリカーボネートを製造する方
法としては界面重縮合法が好ましく使用されている。界
面重縮合法に基づくポリカーボネートの製造方法におい
ては、界面重縮合反応により得られたエマルジョン溶液
に洗浄、分離操作を施して、ポリカーボネートの有機溶
媒溶液(溶媒は一般に塩化メチレン)をまず得る。次い
で、得られた有機溶媒溶液からポリカーボネートを粉末
や粒体として分離(回収)する。この後、必要に応じ
て、得られたポリカーボネートをペレット状等に成形す
る。
【0003】ポリカーボネートの有機溶媒溶液からポリ
カーボネートを粉末として回収する簡便な方法として
は、ジェットノズル(混合ノズル)にポリカーボネート
の有機溶媒溶液とスチームとを導入し、ジェットノズル
から噴射された混合物を配管を通して分離器に導入し、
この分離器によりポリカーボネート粉末を回収する方法
が知られている(特公昭63−1333号公報、特公平
2−6561号公報、米国特許第3508339号明細
書)。そして、この方法によりポリカーボネート粉末を
回収するにあたっては、スチームの重量(W)とポリ
カーボネートの有機溶媒溶液中の有機溶媒の重量
(W)との比率(W/W)を1/5よりも大きく
して、スチームと有機溶媒溶液とを混合ノズルに導入し
ている。この方法は、ポリカーボネートの有機溶媒溶液
に貧溶媒を添加する方法(特公昭42−14474号公
報)や、ポリカーボネートの有機溶媒溶液の結晶化を利
用したニーダーによる破砕方法(特公昭53−1589
9号公報)、あるいはポリカーボネートの有機溶媒溶液
を温水に投入する方法(特願昭60−115625号公
報)等に比べて、残存溶媒量の少ないポリカーボネート
粉末を簡便に回収することができるという利点を有して
いる。
【0004】しかしながら、混合ノズルにポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液とスチームとを導入し、混合ノズル
から噴射された混合物からポリカーボネートを粉末とし
て回収する従来方法により得られるポリカーボネート粉
末は糸屑状であり、その嵩密度は0.05〜0.35と
低い。このため、得られたポリカーボネート粉末の乾燥
あるいは貯留等の後処理に使用する処理機器の容積効率
も低くなり、これらの処理機器として大型の処理機器を
使用するか、使用する処理機器の容積に見合った生産調
整を行わなければならないという難点があった。さら
に、嵩密度の低いポリカーボネート粉末では、各種の添
加剤との混合性が低く、かつこの粉末をペレットにした
ときに緻密なペレットが得られない。
【0005】本発明者らは、このような難点の解決を可
能とする嵩密度の高いポリカーボネート粉末の製造方法
として、ポリカーボネートの有機溶媒溶液とスチームと
を混合ノズルに導入し、この混合ノズルから噴射された
混合物からポリカーボネートを粉末として回収すること
により粉末状ポリカーボネートを製造するにあたって、
前記有機溶媒溶液としてポリカーボネートの濃度が3〜
40重量%である有機溶媒溶液を用い、導入時の前記ス
チームの重量(W)と前記有機溶媒溶液中の有機溶媒
の重量(W)との比率(W/W)を1/10〜1
/5とすることを特徴とする粉末状ポリカーボネートの
製造方法を既に提案している(特願平3−5314号。
以下、先願方法という。)。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、混合ノズルを用いた従
来方法および先願方法を改良することにより、従来方法
および先願方法でそれぞれ得られるポリカーボネート粉
末よりも嵩密度が高いポリカーボネート粉末を、残存溶
媒量の増加をもたらすことなく簡便に得ることを可能と
する、高嵩密度ポリカーボネート粉末の製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の高嵩密度ポリカーボネート粉末の製造方法は、ポリ
カーボネートの濃度が3〜40重量%である有機溶媒溶
液とスチームとを混合ノズルに導入し、この混合ノズル
から噴射された混合物を前記混合ノズルから直接または
配管を介して動的ミキサーに導入し、この動的ミキサー
から排出された混合物を配管を介して気固分離器に導入
し、この気固分離器によりポリカーボネート粉末を回収
することを特徴とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明に用いられるポリカーボネートの有機溶媒溶液(以
下、単に有機溶媒溶液ということがある)について説明
する。この有機溶媒溶液におけるポリカーボネートの濃
度は、前述したように3〜40重量%(以下、重量%を
wt%と略記する)である。ここで、ポリカーボネートの
濃度を3〜40wt%に限定する理由は、3wt%未満では
高嵩密度ポリカーボネート粉末の生産性が低くなり過ぎ
るからであり、一方40wt%を超えると有機溶媒溶液の
流動性が低下し過ぎて混合ノズルへの導入が困難となる
からである。特に好ましい濃度は、10〜30wt%であ
る。上記のポリカーボネートの種類は特に限定されるも
のではなく、2価フェノールとホスゲンまたは炭酸エス
テル化合物との反応により得られた種々のポリカーボネ
ートを使用することができる。ここに2価フェノールお
よび炭酸エステル化合物を例示すると、以下の通りであ
る。
【0009】2価フェノール 2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロ
ピルフェニル)メタン、ジフェニル−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1−ナフチル−1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニ
ル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−
メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1−エチル−1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
3,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4−メチル
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ノナン、1,10−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)デカンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロドデカン等のジヒドロキシアリールアル
カン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホンおよびビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類;ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルおよびビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4′−ジ
ヒドロキシベンゾフェノンおよび3,3′,5,5′−
テトラメチル−4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等
のジヒドロキシアリールケトン類;ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィドおよびビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のジヒド
ロキシアリールスルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホ
キシド類;4,4′−ジヒドロキシジフェニル等のジヒ
ドロキシジフェニル類;ヒドロキノン、レゾルシノール
およびメチルヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン
類;1,5−ジヒドロキシナフタレンおよび2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
等。
【0010】炭酸エステル化合物 ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、
ジメチルカーボネートやジエチルカーボネート等のジア
ルキルカーボネート等。
【0011】また有機溶媒の種類も、ポリカーボネート
を溶解させるものであってスチームにより蒸発除去でき
るものであれば特に限定されるものではない。このよう
な有機溶媒としては塩化メチレンが好ましいが、塩化エ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等を使用することもできる。これらの有
機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、混合物と
して使用してもよい。本発明においては、上述した有機
溶媒溶液とスチームとポリカーボネート粉末とを混合ノ
ズルに導入し、この混合ノズルから噴射された混合物を
動的ミキサーに導入する。ここで、混合ノズルに導入す
るスチームとしては、圧力(混合ノズル導入時の圧力)
1〜100kg/cm2 、温度100〜310℃のものを使
用することが好ましい。また、混合ノズルへのスチーム
の導入量は、先願方法と同量すなわち混合ノズルに導入
される有機溶媒溶液中の有機溶媒の重量の1/10〜1
/5倍としてもよいし(以下、この場合を先願方法との
組合わせという)、従来方法と同量すなわち混合ノズル
に導入される有機溶媒溶液中の有機溶媒の重量の1/5
倍よりも多い量としてもよい(以下、この場合を従来方
法との組合わせという)。混合ノズルへのスチームの導
入量が1/10倍未満では、溶媒の蒸発が不十分とな
る。一方、多量のスチームを混合ノズルに導入しても嵩
密度および生産量が低下する。このため、混合ノズルへ
のスチーム導入量は、混合ノズルに導入される有機溶媒
溶液中の有機溶媒の重量の1/10〜1/1倍であるこ
とが特に好ましい。
【0012】上述したスチームおよび前述した有機溶媒
溶液が導入される混合ノズルとしては如何なる形式のも
のも使用することができるが、特に、エジェクター構造
を有するものが好ましい。この混合ノズルから噴射され
た混合物が導入される動的ミキサーの具体例としては、
特殊機化工業(株)製のパイプラインホモミクサーやホ
モミックラインフロー、佐竹化学工業(株)製のマルチ
ラインミキサー、小松ゼノア(株)製のコマツスルーザ
ーディスインテグレーター等が挙げられる。
【0013】動的ミキサーの配置位置は、混合ノズルか
ら気固分離器までの流路長をLとし、混合ノズルから
的ミキサーまでの流路長をlとしたときに、L/lが5
以上、特に10以上となる位置が好ましい。L/lが5
未満の位置に動的ミキサーを配置した場合には、L/l
が5以上の場合に比べて、得られるポリカーボネート粉
末における嵩密度向上の効果が低い。なおLは、混合ノ
ズルにおける噴出口の外側端面から気固分離器における
流入口の外側端面までの流路長を意味する。またlは、
混合ノズルにおける噴出口の外側端面から動的ミキサー
における吸入口の内側端面までの流路長を意味する。ま
た、動的ミキサーの翼先端速度は50〜2500m/
分、特に100〜1500m/分とすることが好まし
い。翼先端速度が50m/分未満では、50〜2500
m/分の場合に比べて、得られるポリカーボネートにお
ける嵩密度向上の効果が低い。また、2500m/分を
超える速度で駆動せても嵩密度のさらなる向上は認めら
れない。
【0014】本発明の高嵩密度ポリカーボネート粉末の
製造方法においては、この動的ミキサーから排出された
混合物を配管を介して気固分離器に導入し、この気固分
離器によりポリカーボネート粉末を回収する。気固分離
器によるポリカーボネート粉末の回収は、気固分離サイ
クロンに代表される通常の気固分離器を用いて常法によ
り行うことができる。本発明の高嵩密度ポリカーボネー
ト粉末の製造方法においては、混合ノズルと動的ミキサ
とを配管により結ぶ場合の前記配管および動的ミキサ
と気固分離器とを結ぶ配管は、それぞれ直管でも曲管
でもよいが、各配管の管径(内径)Dは5mm〜25cmで
あることが好ましく、かつ、この管径Dに対する前記流
路長Lの比(L/D)は100〜10000であること
が好ましい。この比が100未満では有機溶媒の蒸発が
不十分であり、10000を超えると圧力損失が大きく
なるために混合ノズルに導入するスチームとして高圧の
スチームが必要となる。
【0015】このようにして得られるポリカーボネート
粉末(高嵩密度ポリカーボネート粉末)は顆粒状を呈
し、混合ノズルを用いた従来方法あるいは先願方法によ
り得られるポリカーボネート粉末よりも嵩密度の高いも
のである。また、この高嵩密度ポリカーボネート粉末に
おける残存溶媒量は、前記従来方法や先願方法により得
られるポリカーボネート粉末における残存溶媒量と実質
的に同等である。
【0016】なお本発明は、界面重縮合法によりポリカ
ーボネートを製造する際の工程の一部として適用するこ
ともできる。この場合には、混合ノズルに導入する有機
溶媒溶液として、界面重縮合反応により得られたエマル
ジョン溶液に洗浄、分離操作を施して得たポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液を用いる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1(先願方法との組合わせ) 図1に示すように、ポリカーボネートの塩化メチレン溶
液(図中にはPCMと略記)とスチームとが導入される
混合ノズル1と、この混合ノズル1から噴射された混合
物が配管10を通して導入される動的ミキサー11と、
この動的ミキサー11から排出された混合物が配管12
を介して導入されるサイクロン13と備えた装置を用
い、以下の要領で高嵩密度ポリカーボネート粉末を製造
した。
【0018】まず、ポリカーボネート(以下、PCとい
う)として出光石油化学(株)製のタフロンA2500
(商品名)を用い、このPCを、有機溶媒である塩化メ
チレン[広島和光純薬(株)製、特級。以下、MCとい
うことがある]に溶解させて、濃度が13wt%であるP
Cの塩化メチレン溶液(以下、PCMという)を調製し
た。次いで、このPCMと、圧力が14kg/cm2 で温度
が195℃のスチームとを、それぞれ215.5kg/h
r、25kg/hrの割合(フィード速度)でダイヤフラム
型ポンプを用いて混合ノズル1に同時に導入した。この
ときの混合ノズル1へのスチームの導入量(単位時間あ
たりの重量。以下同じ。)は、この混合ノズル1へ導入
されたPCM中のMCの重量(単位時間あたりの重量。
以下同じ。)の1/7.5倍である。
【0019】なお、混合ノズル1としては図2に示す構
造の混合ノズルを用いた。この混合ノズル1は、噴出口
2を有する第1ノズル3と、この第1ノズル3の噴出嘴
の内部壁に噴出嘴の外壁を当接させて配置された第2ノ
ズル4とを備えている。そして、第1ノズル3の噴出嘴
の内部空間には、混合室5が形成されている。また、第
1ノズル3における噴出嘴には混合室5に連通する貫通
孔6が設けられており、この貫通孔6は、PCM供給管
7と連通している。なお、第1ノズル3の噴出嘴の外径
aは50mm、混合室5の最大径bは30mm、第2ノズル
4の先端から混合室5における噴出口2側の端面までの
距離cは50mm、第2ノズルの内部空間における最狭部
の径dは5mmである。この混合ノズル1において、PC
M供給管7および貫通孔6を介して混合室5に導入され
たPCMは、第2ノズル4を介して混合室5に導入され
たスチームと混合され、混合物となって噴出口2から噴
射される。
【0020】混合ノズル1から噴射された混合物は、内
径Dが10mmの配管10を通して動的ミキサー11に導
入した。動的ミキサー11としては、特殊機化工業
(株)製の動的ミキサー(商品名:T.K.パイプライ
ンホモミクサーSL型、内容積50cc、4枚タービン
翼、4枚タービン翼の差し渡し径4cm)を用い、翼先端
速度を約754m/分(6000rpm )として使用し
た。そして、動的ミキサー11から排出された混合物
は、内径Dが10mmのステンレス製配管12を通して内
容積が0.3m3 のサイクロン13に導入し、このサイ
クロン13によりPC粉末を分離(回収)するととも
に、MCおよびスチームをコンデンサー14により凝縮
して回収した。なお、本実施例1における混合ノズル1
からミキサー11までの流路長lは0.5m、混合ノズ
ル1から気固分離器(サイクロン13)までの流路長L
は10mであり、L/lは20である。
【0021】図1に示した装置を1時間運転した後、サ
イクロン13の下部より目的の高嵩密度PC粉末を得
た。得られた高嵩密度PC粉末の嵩密度およびMCの残
存量(以下、残存MC量という)を表1に示す。
【0022】実施例2(先願方法との組合わせ) 混合ノズル1へのPCMの導入量を258.6kg/hrと
した以外は実施例1と同様にして、図1に示した装置に
より高嵩密度PC粉末を得た。なお表1に示すように、
PCMの導入量を変更したことに伴って、混合ノズル1
へのスチームの導入量(=25kg/hr)は混合ノズル1
へ導入されたPCM中のMCの重量の1/9倍になっ
た。得られた高嵩密度PC粉末の嵩密度および残存MC
量を表1に示す。
【0023】実施例3(先願方法との組合わせ) PCの濃度が8wt%のPCMを用い、このPCMの混合
ノズル1への導入量を203.8kg/hrとした以外は実
施例1と同様にして、図1に示した装置により高嵩密度
PC粉末を得た。なお表1に示すように、混合ノズル1
へのスチームの導入量(=25kg/hr)は混合ノズル1
へ導入されたPCM中のMCの重量の1/7.5倍であ
り、この値は実施例1と同じである。得られた高嵩密度
PC粉末の嵩密度および残存MC量を表1に示す。
【0024】実施例4(先願方法との組合わせ) PCの濃度が25wt%のPCMを用い、このPCMの混
合ノズル1への導入量を250kg/hrとした以外は実施
例1と同様にして、図1に示した装置により高嵩密度P
C粉末を得た。なお表1に示すように、混合ノズル1へ
のスチームの導入量(=25kg/hr)は混合ノズル1へ
導入されたPCM中のMCの重量の1/7.5倍であ
り、この値は実施例1と同じである。得られた高嵩密度
PC粉末の嵩密度および残存MC量を表1に示す。
【0025】実施例5(先願方法との組合わせ) 翼先端速度を約1130m/分(9000rpm )にして
動的ミキサー11を使用した以外は実施例1と同様にし
て、図1に示した装置により高嵩密度PC粉末を得た。
得られた高嵩密度PC粉末の嵩密度および残存MC量を
表1に示す。
【0026】実施例6(先願方法との組合わせ) 翼先端速度を約126m/分(1000rpm )にして動
的ミキサー11を使用した以外は実施例1と同様にし
て、図1に示した装置により高嵩密度PC粉末を得た。
得られた高嵩密度PC粉末の嵩密度および残存MC量を
表1に示す。
【0027】次に従来方法との組合わせの実施例を説明
する。
【0028】実施例(従来方法との組合わせ) 混合ノズル1へのPCMの導入量を57.5kg/hrとし
た以外は実施例1と同様にして、図1に示した装置によ
り高嵩密度PC粉末を得た。なお表1に示すように、P
CMの導入量を変更したことに伴って、混合ノズル1へ
のスチームの導入量(=25kg/hr)は混合ノズル1へ
導入されたPCM中のMCの重量の1/2倍になった。
得られた高嵩密度PC粉末の嵩密度および残存MC量を
表1に示す。
【0029】比較例1〜5(先願方法および従来方法) 動的ミキサー11を使用せず、混合ノズル1とサイクロ
ン13とが内径10mm長さ10mのステンレス製配管で
直接結ばれてなる以外は図1に示した装置と同様の装置
を用いて、他はそれぞれ実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4または実施例8と同様にして、PC粉末を
得た。得られたPC粉末の嵩密度および残存MC量を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、先願方法をベー
スにして動的ミキサーを併用した実施例1〜実施例
得られた各高嵩密度PC粉末の嵩密度は0.53〜0.
65g/ccである。これらの値は、先願方法の例である
比較例1〜比較例4で得られたPC粉末の嵩密度の値
(0.47〜0.55g/cc、表1参照。)よりも大き
い。また、従来方法をベースにして動的ミキサーを併用
した実施例で得られた高嵩密度PC粉末の嵩密度は
0.37〜0.38g/ccである。これらの値は、従来
方法の例である比較例5で得られたPC粉末の嵩密度の
値(0.25g/cc)よりもはるかに大きい。さらに、
実施例1〜実施例で得られた各高嵩密度PC粉末の残
存MC量は90〜100wtppm と少なく、これらの値は
比較例1〜比較例5で得られた各PC粉末の残存MC量
(90〜100wtppm )と実質的に同等である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、混合ノズルを用い
た従来方法および先願方法をベースとして、更に動的ミ
キサーを併用する本発明によれば、従来方法および先願
方法でそれぞれ得られるポリカーボネート粉末よりも嵩
密度が高いポリカーボネート粉末を、残存溶媒量の増加
をもたらすことなく簡便に得ることができる。そして、
本発明により得られた高嵩密度ポリカーボネート粉末は
嵩密度が向上しているために、乾燥あるいは貯留等の後
処理に使用する処理機器の容積効率を向上させることが
可能であるとともに、緻密なペレットに容易に成形する
ことが可能である。したがって、本発明を実施すること
により、品質の高いポリカーボネート製品を高い生産性
の下に、より容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高嵩密度ポリカーボネート粉末を得るために用
いた装置の一例を示す概略図である。
【図2】実施例および比較例で用いた混合ノズルを示す
端面図である。
【符号の説明】 1 混合ノズル 2 噴出口 3 第1ノズル 4 第2ノズル 5 混合室 7 PCM供給管 10 混合ノズルと動的ミキサーとを結ぶ配管 11 動的ミキサー 12 動的ミキサーとサイクロンとを結ぶ配管 13 サイクロン 14 コンデンサー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネートの濃度が3〜40重量%
    である有機溶媒溶液とスチームとを混合ノズルに導入
    し、この混合ノズルから噴射された混合物を前記混合ノ
    ズルから直接または配管を介して動的ミキサーに導入
    し、この動的ミキサーから排出された混合物を配管を介
    して気固分離器に導入し、この気固分離器によりポリカ
    ーボネート粉末を回収することを特徴とする高嵩密度ポ
    リカーボネート粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】混合ノズルから気固分離器までの流路長
    (L)と前記混合ノズルから動的ミキサーまでの流路長
    (l)との比率(L/l)を5以上にして前記ミキサー
    を配置する、請求項1に記載の高嵩密度ポリカーボネー
    ト粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】動的ミキサーとして翼先端速度50〜25
    00m/分の動的ミキサーを用いる、請求項1または請
    求項2に記載の高嵩密度ポリカーボネート粉末の製造方
    法。
  4. 【請求項4】ポリカーボネートの有機溶媒溶液としてポ
    リカーボネートの塩化メチレン溶液を用いる、請求項1
    ないし請求項3のいずれか1項に記載の高嵩密度ポリカ
    ーボネート粉末の製造方法。
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