JPH088367B2 - P―n接合太陽電池用電極の形成方法 - Google Patents

P―n接合太陽電池用電極の形成方法

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JPH088367B2
JPH088367B2 JP60061745A JP6174585A JPH088367B2 JP H088367 B2 JPH088367 B2 JP H088367B2 JP 60061745 A JP60061745 A JP 60061745A JP 6174585 A JP6174585 A JP 6174585A JP H088367 B2 JPH088367 B2 JP H088367B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、特に半導体基板すなわち太陽電池上に形成
される電極の形成方法に関する。
「従来の技術」 従来のスクリーン印刷太陽電池は、製造の単純性と、
これに関連する製造原価の安さといった主要な利点を有
しているが、反面、数々の不利益も有している。
ところで、従来、太陽電池表面に形成されている溝
は、一般に、その幅が深さより大きく形成されている。
例えば、標準のスクリーン印刷電極は、一般的に150ミ
クロンの幅と20ミクロンの深さとを有している。
そうすると、太陽電池表面は、たとえば約12%もの領
域が電極となってしまうので、受光面積が少なくなるの
を防止するために、少なくとも電極の間隔は約3〜4mm
間隔に配置されなければならない。
「発明が解決しようとする課題」 しかし、このような広い間隔で配置された電極の場合
には、半導体基板の横方向の抵抗が大きくなるために、
シリコン表面の不純物のドーピング量を多くして、不純
物拡散層の導電度を増加させ、拡散不純物層を通過する
発電電荷キャリア用の横方向の抵抗を減少させる。
いっぽう、不純物のドーピング量を多くすると、短波
長に対する太陽電池の応答性が悪化する。これは、エネ
ルギーの高い短波長光が、ドープ領域の表面近傍に1組
の電子−正孔対を形成するが再結合し、電流の発生に寄
与しないからである。
また、低エネルギーの長波長光は、高いエネルギーの
短波長光と異なって、基板の深層部にまで達するが、表
面のP−N接合からは遠く離れているので、表面のp−
N接合に達することなく電子−正孔対に吸収されてしま
い、電流の発生に寄与しない。
また、表面上部に形成される不純物拡散層を有する太
陽電池は、バルク成分のキャリア寿命が長くない限り、
長波長光に対する応答性が悪くなる。
本発明はこれらの問題とは別に、電極領域がシリコン
表面と電極金属との間に高抵抗が生じることの問題およ
び不純物拡散層の汚染の問題を解消することを目的とし
ている。
「問題点を解決するための手段及び作用」 本発明は、半導体基板の上表面に反対の導電性タイプ
の半導体層を形成する工程と、 反対の導電性タイプの半導体層上に絶縁層を形成する
工程と、 絶縁層の上面に反射防止層を形成する工程と、 一定の間隔を有するとともに、前記反射防止皮膜から
半導体基板に延出し、幅よりも大きな深さを有する複数
の溝を形成する工程と、 前記溝の内壁に反対の導電性タイプの不純物を導入す
る工程と、 前記溝内に導電性物質を実質的に充填する工程とを具
備し、 前記導電性物質は、前記溝内に閉じこめられかつ実質
的に溝を満たすことを特徴とするP−N接合太陽電池用
電極の形成方法である。
本発明の電極は、さらに次の要素を具備している。
(1)溝は、深さが幅より相当大きくなるように形成さ
れる。したがって、従来の溝とは対照的に、金属が充填
される溝は、断面積で30ミクロンの幅と100ミクロンの
深さとを必要とするが、従来と比べて電極の幅領域が5
分の1である。本発明によるこのファクターによって、
平面視で櫛状になる埋設電極を有する太陽電池は、約8
%の出力電力を増加させることができる。
(2)溝は、レーザ光線掘削器が用いられた場合に、所
定の幅毎に相当柔軟に深さを設定できる。この結果、
(1)の実施例の他に、30ミクロン幅の溝が150ミクロ
ンあるいは200ミクロンの深さに容易に製造できるため
に、従来の電極より相当十分に低い電極抵抗が得られ
る。これにより、従来の太陽電池を越えた1〜2%の出
力電力の向上が得られる。
(3)シリコンおよび溝の電極金属との間の接触面積が
大きくなるので、接触抵抗を減少させる。しかし、従来
の太陽電池の接触抵抗が重大なファクターとなっている
わけではない。
(4)本発明による電極を有する太陽電池の他の重大な
利点は、櫛状の電極の間隔を容易に狭く配置できる点で
ある。
すなわち、本発明は、電極が大きな表面積を伴わない
ので、電極の間隔を狭くしても受容面積を確保すること
ができる。電極の間隔が狭ければ、シリコン表面への不
純物のドーピング量を少なくすることができ、短波長光
に対する良好な応答を有する。従って、出力電力の増加
は、これのみでも、従来のスクリーン印刷太陽電池より
5〜10%である。以上の(1)〜(4)の結果による合
計の出力電力の増加は、15〜20%である。
(5)埋設電極の形成は、ゴムローラを介して金属ペー
ストを塗布することが最も簡単である。これは、スクリ
ーン印刷時の、高価な真空蒸発装置および位置合わせ装
置の必要性がないので好ましい。また、溝形成方法は多
くの方法が存在するが、最も単純なものが太陽電池を分
離しながら同時に溝の形成を行うことができるレーザ光
線による溝形成である。
(6)更に、本発明による埋設電極は、長波長の光に対
する応答性がよくなることから、出力向上に寄与する。
すなわち、本発明のように、溝内の埋設電極の周囲には
P−N接合が形成されているので、従来のように、電池
の表面で失われるはずの発電電荷キャリアを溝の内周に
形成されたP−N接合によって吸収して電流を取り出す
ことができる。
(7)本発明による太陽電池が有益であるのは、溝内の
P−N接合は、収集セルとして機能するから、金属電極
が大きな面積を占めずに大電流を伝搬できる。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を太陽電池1の断面図である
第1図に基づいて説明する。
この太陽電池1は、N型半導体で形成されるウエーハ
上面10と、背面金属電極11と、P型半導体の電池本体12
とを有している。この上面10には、複数の溝13が形成さ
れている。溝13の内周面には、N型半導体層が形成され
ている。溝13の内部には、前記N型半導体層と電気的接
触を有する導電性物質である金属電極14が設けられてい
る。
この溝13は、レーザ光線掘削器、化学エッチングある
いは機械的侵食で形成されてもよい。電極金属は、溝13
に金属ペーストを押し付けてウエーハ表面をゴムローラ
あるいは等価手段の掃引工程で塗布することにより溝13
の上面まで実質上充填される。また、電極金属は、ハン
ダ浸し工程および電解メッキ工程を含む種々の置換手段
で溝13に充填できる。これら後者の技術は、最初にチタ
ンのような金属薄膜が真空蒸着器によって各溝13の底に
形成されることが要求される。前述のどの工程でも溝形
成用あるいは金属電極形成用に最適な光学的位置合わせ
工程に関連して実施してもよい。
溝電極の形成は、特に異方性の小結晶群が溝領域に強
度を形成する多結晶基板に行うことが好ましい。しか
し、溝は、100ミクロン深さの浅い溝が要求された場合
に単結晶基板内でも形成できるが、600ミクロンのよう
な厚い基板の場合には工程中に十分な注意が要求され
る。深さに対する溝の幅の比は、代表的には、1:2から
1:7までである。
本発明による埋設電極型太陽電池を設計する場合に考
慮される種々のパラメータは、次の通りである。
(1)短波長に対する電池の応答は、単位面積抵抗Psが
60Ω/□以下では急速に悪化するので、60Ω/□以上が
好ましい。
(2)溝幅Wgは、基板の溝壁に不純物拡散物質層を形成
するために、25ミクロン以上が好ましい。同時に溝幅Wg
は、電流の発生に寄与しない部分(影領域)が広がりす
ぎないように、100ミクロン以下でなければならない。
(3)溝深さTgは、溝形成後の基板が余り弱くならない
ように、ウエーハの厚さの半分より小さくすることが好
ましい。
好ましくは、TgおよびWgの単位がミクロンで、スクリ
ーン印刷銀ペーストを用いた場合に、 Tg>5000/Wg あるいは、TgおよびWgの単位がミクロンで、銀メッキ
を用いた場合に、 Tg>1700/Wgである。
これは、銀導体の最適断面領域を形成する。
(4)電極(フィンガー)の間隔は、PsおよびWgによっ
て形成される電極に依存するが、1.5〜2.5mmが好まし
い。
(5)電極領域およびバス(母線)の傾斜は、スクリー
ン印刷銀の場合に、銀内の電流密度を1000A/cm2以下に
保つために好ましい。
本発明の実施例は、1.8mmの電極(フィンガー)間隔
と、45〜50ミクロンの電極(フィンガー)幅と、100〜1
50ミクロンの電極(フィンガー)深さのものを用いてい
る。この結果、配線に要する電極領域が3.5〜4.0%であ
り、必要なシート抵抗が約80Ω/□である。また、上部
拡散層の電力損失は2%の値である。全ての溝が銀ペー
ストで埋められたと仮定すると、電極は約6000立方ミク
ロンになり、その結果、特定の電流密度を越えないで10
cmの長さの電極を用いることができる。
本発明による電極形成方法を説明する前に、まず基本
的な電極の形成方法を示す。
処理順序A 処理順序Aの概略は次の通りである。すなわち、P型
半導体基板を一部除去することにより深さが幅よりも長
い溝を形成し、上記溝の壁とP型半導体基板の表面に反
対のN型不純物を導入し、N型半導体層に電気的に接触
するように、導電性物質である金属ペーストを溝の上面
まで充填して電極を形成するようになっている。
(1)レーザーによる溝の掘削(P型半導体基板に溝を
形成) (2)Hclで洗浄後、水酸化ナトリウムエッチ (3)脱イオンリンスおよび乾燥 (4)スピンオン燐拡散(N型不純物) (5)拡散(半導体上部表面と溝内にN型不純物を拡
散) (6)背面電極形成および熱処理 (7)酸化燐のフッ化水素酸による除去 (8)脱イオンリンスおよび乾燥 (9)銀ペーストの加入および熱処理(溝内に導電性ペ
ーストの充填) (10)端部分離 (11)反射防止皮膜形成 (12)電気検査 処理順序には、反射防止皮膜と同時に形成されるプラ
ズマエッチングも含まれる。処理順序内のプラズマエッ
チングの位置は、処理順序Aの通りでよく、あるいは背
面電極形成の前、あるいは銀ペーストの形成後に挿入さ
れてもよい。
次に、本発明による電極形成方法を示す。追加の拡散
段階および高品質酸化成長を含む処理順序Bによって、
高効率が得られる。
処理順序B 基本的には、処理順序Aと同様に行われるが、異なる
点は、P型半導体基板表面にN型不純物層を形成すると
ともに、このN型不純物層の上に絶縁層および反射防止
皮膜を形成した後に、幅よりも深さの大きい溝を形成
し、溝の内壁にN型不純物をドーピングし、その後に溝
に導電性物質を溝の上面まで充填して電極を形成する点
である。
(1)裁断部のエッチング (2)スピンオンおよび拡散(P型半導体基板の表面に
N型層を形成) (3)フッ化水素酸での化学洗浄 (4)高品質酸化成長(絶縁層の形成) (5)窒化シリコン反射防止皮膜 (6)レーザによる溝加工(溝を形成) (7)溝外の水酸化ナトリウムエッチ (8)スピンオンおよび溝拡散(溝の内壁にN型層を形
成) (9)背面電極形成および熱処理 (10)前面電極形成および熱処理 (11)端部分離 (12)電気検査 処理順序Aの詳細 (1)溝の形成(P型半導体基板に溝を形成) レーザによってシリコンに形成される溝形状は、溝が
次工程の水酸化ナトリウムエッチを通して最も効果的に
形成されるので、さして重要でない。しかし、レーザが
実施しなければならない好ましい数項目がある。まず、
溝幅は35ミクロン以下、好ましくは約25ミクロンが必要
である。第二に、レーザの電力は、溝の深さに均一性を
形成するために、一貫性が必要である。第三に、レーザ
電力は、シリコンを少なくとも100ミクロンの深さに掘
削し、好ましくはオプションとして約200ミクロンの深
さに掘削できるに十分な出力が必要である。第四に、レ
ーザ速度は製造品質のために最適である事が必要であ
る。最後に、レーザQスイッチおよびシャッタのソフト
ウエア制御が必要である。このソフトウエア制御は、機
械的シャッタを一定に開口させるために必要である。各
切削を開始するためには、シャッタは、レーザ光線がXY
テーブルの移動時に事実上瞬間的に放射されるように、
Qスイッチを介してレーザ光線を遮断した状態で既に開
口していることが必要である。もし、これらが同期して
いない場合、レーザ光線が放射される前にウエーハが移
動し、あるいは最悪時に、ウエーハが静止中にレーザ光
線が放射されて、ウエーハを直角に貫通する穴を形成す
ることになる。
(2)Hclで洗浄後、水酸化ナトリウムエッチ 加熱水酸化ナトリウムは、同時に洗浄と、溝のばり取
りと、ウエーハ表面の損傷の回復を行う。これらのエッ
チング状態は、特定の溝形状が要求された場合に非常に
重要である。例えば、もし第2a図に示すようV字状の溝
が要求された場合には、約2%の低濃度水酸化ナトリウ
ム90〜95度Cの温度で使用される。これは、NaOH溶液が
溝の底まで侵食することを許容し、更に、高温に起因す
る高反応速度が表面近傍に過度の乱流を作り出し、従っ
て、溶液の補充によって上部表面部に早い腐食速度を実
現する。溝の底では溶液の補充がゆっくりでエッチング
速度もゆっくりである。溝の底から表面にかけては、エ
ッチング速度が徐々に早くなり、従ってV字状の滑らか
な斜面が形成される。他の実施例は、U字状溝が第2b図
に示される。これら急勾配の壁は、65〜70度Cの低温で
約30%の高濃度水酸化ナトリウム溶液を用いて得られ
る。
これらの状態の結論は、溶液が溝の底を侵食せず、エ
ッチングが溝の深さに無関係に一定速度で進行すること
である。溝の最大断面が得られる点で、U形状が好まし
い。しかし、スピンオン拡散源でこのような溝の急勾配
壁を実現しようとすると複雑な工程が必要となるので、
第2c図に示すような形状になる。95〜110度Cの高温で
高濃度の水酸化ナトリウム溶液を用いてエッチングした
場合、溝の幅の拡張は底部よりも上部表面に近付くほど
大きい。勿論、処理時間は、溝の全幅を決定するので、
重要な変数である。
最終的に、溝のエッチングに関して、水酸化ナトリウ
ムがシリコンを上部表面から下方に侵食しないので、深
さは単にレーザ光線によって決定される。
(3)脱イオンリンスおよび乾燥 溝付きウエーハの化学溶液あるいは脱イオン水による
丸洗いは、平坦ウエーハの洗浄の場合より少し丁寧に実
施することが要求される。これは、溝の中まで溶液を通
す必要があるからである。例えば、脱イオン水による平
坦ウエーハの洗浄が5分間を必要とするならば、溝付ウ
エーハには7分間が要求される。
(4)スピンオン燐拡散(N型不純物の拡散) 燐での溝付ウエーハのドーピングは、溝のないウエー
ハの場合と同様な方法でスピナー上で効果的に実施でき
る。しかし、1つの異なった事は、スピンが実際に始ま
る前に溝を埋めることが必要である。これは、スピンオ
ン物質を数滴垂らした後2〜3秒遅らせて回転させるこ
とで達成できる。これは、スピンオン物質が横方向に広
がり、毛管現象の作用で溝に充填される。この遅延が十
分でないと、回転中にスピンオン物質が溝を橋渡して、
スピンオン物質が溝に充填されない。
(5)拡散(半導体上部表面と溝内にN型不純物を拡
散) これは、平板太陽電池と同一の処理で実施される。し
かし、拡散前に、溝内の全物質を乾燥させる事が重要で
ある。検査の後、乾燥が十分でないことが発見された場
合には、乾燥温度あるいは時間が増加される。溝内の拡
散を検査するためには、繰り返される4点プローブ計測
が溝から異なった距離で、溝に平行な点で実施される。
もし、溝近傍の読みが溝から離れた部分の読みより格段
に高いならば、溝内の拡散度が余りにも浅いことを示し
ている。もし溝に最も近い場所の読みが相当低いなら
ば、溝の深い拡散度を示し、望ましい。さらに、溝近傍
の読みが溝から離れた部分の読みとほとんど変わらない
ならば、溝内の拡散度が表面のどの部分と比較しても共
通であることを示している。
(6)背景電極形成および熱処理 この技術は、従来の背面金属電極の技術、例えばスク
リーン印刷、真空蒸着、メッキ等が適用される。これら
は、溝に悪影響を与えない。
(7)酸化燐のフッ化水素酸による除去 ウエーハを30秒間、10%フッ化水素酸に浸して、酸化
したスピンオン物質が除去される。しかし、30秒後にあ
る物質が溝に残っていたならば、この物質は拡散炉で十
分に酸化されていない訳である。これは、拡散源が溝内
で厚くなり、従って酸化が困難となった場合である。こ
れを避けるためには、拡散炉の酸化領域内のウエーハに
露呈される温度を上げる事(これはシート抵抗に影響し
ても僅かである)と、拡散炉の酸化領域内でのウエーハ
の滞留時間を増加させる事と、溝内により薄い膜を形成
するためにスピン塗布機の回転速度を増加させる事と、
あるいは酸化に要求される量のみを残すためにスピンオ
ン物質をイソプロパノールで希釈する事とを行う。各可
能性は、特定の変化に起因する作用効果を同様に、発生
時の問題でその成功項目の評価が要求される。
(8)脱イオンリンスおよび乾燥 (3)と同様に説明される。
(9)銀ペーストの加入および熱処理(溝内に導電性ペ
ーストの充填) ウエーハ表面に直接ゴムローラにより銀ペーストを溝
内に適切に充填する作業は困難でない。しかし、最も困
難な事は、銀ペーストの残りが基板上および周辺に散ら
ばって付着することを防止する事である。また、ゴムロ
ーラがシリコン表面に接触しないで塗布されることが好
ましく、銀ペーストがウエーハの端部から押し出される
問題が残っている。
この段階を最も効果的に実施するためには、ゴムロー
ラが常に良好状態に保たれ、完全に平坦に取付られる事
が要求される。これらの条件が守られなければ、不要な
銀ペーストのすじが表面を横断して残りがちになる。同
様に、段階(2)において、ウエーハが過剰にエッチン
グされ、このウエーハがポリシリコン物質ならば、垂直
段階が多結晶群の境界で留まり、この結果、この段階で
銀ペーストが塗布される。この状態は、顕微鏡で容易に
検査される。
この段階での他の重要な問題は、熱処理中に銀ペース
トのある領域が吹き飛ばされる事である。これには2つ
の原因がある。第1に、もし乾燥温度が余りにも高いな
らば、銀ペーストからの蒸発溶媒の迅速な揮発によっ
て、溝内の銀ペーストが溝外に出る力を十分に生じさせ
る。この場合、乾燥温度が減少させられる。150〜300度
Cの乾燥温度が全く好ましいと予想される。第二に、も
し、ウエーハが高温部を通過する時に、銀ペーストが適
切に乾燥しなかったならば、同様の結果が同様の理由で
発生する。しかし、乾燥時間の増加が要求される。
(10)端部分離 研究所においては、全端部分離が太陽電池の背部を切
削して、端部を削り取って行われる。これは、前面レー
ザ掘削端部分離に優れた結果を与え、試作されるプロト
タイプ小領域電池にとって必須である。しかし、大口径
太陽電池にとっては、端部周辺の漏れが重要でなく、従
って前面表面のみが好適に切削される。
他の変形例は、溝に金属を置くと同時にウエーハ端部
周辺に200〜300ミクロンの直角溝を切削することであ
る。その後、端部ビットは端部で割れ目が要求され、半
導体基板が水酸化ナトリウムエッチで洗浄された後に、
折り取ることが相当困難なので、十分に注意して実施さ
れる。
最終的に、プラズマエッチ端部隔離がプラズマシステ
ムにおいて太陽電池を積層して実施される。これは、種
々の商業企業で非常に効果的に使用されると信じられる
技術である。
(11)反射防止皮膜形成 これは、プラズマシステムにおいて、アンモニアガス
およびシランの存在下で実施される。これは、反射防止
被覆として優れた物質である窒化シリコンを堆積させ
る。この厚さは、700オングストローム近傍が要求さ
れ、シリコン上に堆積した時に、紫色と境界を接する濃
青色を呈する。この厚さの最適化は、このような表面が
効果的に反射しないので、ウエーハ上では実施できな
い。
この窒化シリコンは化学的および機械的衝撃に非常に
抵抗力があり、多くの有益な特性が得られる。しかし、
金属がマスクされない場合に被覆されるので、次工程の
ハンダ付けが困難になる。この問題は、これに代わる順
序の1つが採用されたならば、勿論緩和される。
(12)電気検査 青色発色の多いスペクトルを有するクセノンアーク灯
等で太陽電池を検査することが有益である。しかし、EL
H灯は青色光が不足しているので、埋設電極太陽電池の
青色に対する応答性をテストするのは適切ではない。計
測された電流は、重拡散太陽電池のそれと匹敵するもの
(従来のスクリーン印刷太陽電池)よりかなり下回っ
た。しかし、この問題は、埋設(電極)接点太陽電池が
他のものに相対して測定したときにそれほど重要ではな
い。これは、埋設電極型太陽電池標準の校正がクセノン
アーク灯等下で実施され、ELH灯が同じ仕様書で製造さ
れる電池を監視するルーチンに好適であることを意味し
ている。
本発明の処理順序Bは、電解あるいは無電解メッキ等
で太陽電池に金属電極を埋設することである。段階
(1)から(8)までが処理順序Aと同様に説明され
る。拡散および拡散酸化膜の除去の後、ニッケルが窒化
シリコン反射防止皮膜で被覆されない領域の電池に無電
解メッキされる。好適な無電解溶液でメッキされるニッ
ケルメッキに先立つ増感が良い結果を与える。ニッケル
層の焼結後、導電層好ましくは銅が低抵抗を有する厚さ
でニッケル層上にメッキされる。溝がない場合には、線
上の金属電極が広がりを持ってしまう。しかし、溝は、
完全にメッキ金属で充填されるまで、溝内にメッキ金属
を閉じ込める。銅層は、もし電池を包む物質の反応性を
考慮したならば、他の金属の薄い無電解メッキ層で被覆
できる。
これの代わりに、ニッケルメッキ後、太陽電池がハン
ダ付けされてもよい。このハンダ付けは、メッキ領域に
優先的にセルフボンドされる。その後、溝はハンダ層の
横方向寸法で決定される。
以上説明したように、上記実施例によれば、電極の幅
を狭くすることができるので、有効な受光面積を広くす
ることができる。そのために、電極間隔が約3mmである
従来のスクリーン印刷電極のように、電極間隔を広くす
る必要がないので、半導体基板表面の不純物のドーピン
グ量を多くする必要がない。そのために、短波長光の応
答性を高くして、電流を効率的に取り出すことができ
る。
また、電極の深さを幅よりも大きくすることにより、
基板の奥深くまで達する長波長光のエネルギーにより発
生する電極近傍のキャリアを電極の下方の部分で収集す
ることができる。したがって、長波長光に対する応答性
を高くして、電流を効率的に取り出すことができる。
また、従来の垂直多接合太陽電池のように、幅よりも
深さの大きい溝の場合、垂直のP−N接合間隔が少数キ
ャリアの拡散距離の2倍以下であるために、溝と溝との
間隔が極めて狭くなる。そのために、上面と溝内に不純
物をドーピングするとドーピング量が深くかつ多くな
り、その結果、長波長光によって少数キャリアを発生さ
せることができるが、短波長光によって発生する少数キ
ャリアの再結合量が多くなって応答性が悪くなる。
また、本発明の場合には、溝内に導電性物質を実質上
満たしているので、電極が溝の底部にしか存在しない場
合に比べて、短波長光によって上面近傍で発生した少数
キャリアが再結合する前に、電極の上部に到達して電流
を取り出すことができるので効率的である。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明は、要は、半導体基板に
不純物層と絶縁層と反射防止層を形成した後に、溝を形
成し、その後溝内に不純物層を形成する工程である。
したがって、溝内に不純物を拡散する際、溝以外の部
分はすでに絶縁層と反射防止層とによってマスキングさ
れていることになり、従来のようにあらためてマスキン
グ工程を採用しなくても、溝内の不純物層の不純物の濃
度を自由にコントロールすることができる。そのため
に、溝内の不純物層と電極との間の接触抵抗を減らすに
最適な不純物濃度にコントロールすることができる。ま
た、溝内に電極を重電する場合にも、絶縁層等がマスク
の役割を果たすので、従来のマスキング工程を省くこと
ができ、生産性が高くなる。
さらには、溝を形成してから基板表面と溝内全体に不
純物を拡散させる場合には、後工程の熱処理時などによ
って、不純物層が汚染されたり不純物の濃度変化が生じ
たりするが、本発明の場合には、基板表面に不純物層
と、絶縁層と、反射防止皮膜とを形成してから溝の形成
や熱処理を行うことになるので、基板表面の不純物層が
汚染されたり所望の濃度が変化することなく安定した品
質のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による埋設電極型太陽電池の概略断面
図、第2a図、第2b図および第2c図は本発明による埋設電
極を収容する溝の実施例を示す図である。 1……太陽電池、10……、11……背面電極、12……半導
体基板、13……溝、14……電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーテイン アンドリユー グリーン オーストラリア国 ニユーサウスウエール ズ,ウエーバーレイ,ブランドフオード アベニユー 10 (56)参考文献 特開 昭50−39483(JP,A) 実開 昭57−12551(JP,U)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ある導電性タイプの半導体基板を有するP
    −N接合太陽電池用電極の形成方法において、 半導体基板の上表面に反対の導電性タイプの半導体層を
    形成する工程と、 反対の導電性タイプの半導体層上に絶縁層を形成する工
    程と、 絶縁層の上面に反射防止層を形成する工程と、 一定の間隔を有するとともに、前記反射防止皮膜から半
    導体基板に延出し、幅よりも大きな深さを有する複数の
    溝を形成する工程と、 前記溝の内壁に反対の導電性タイプの不純物を導入する
    工程と、 前記溝内に導電性物質を実質的に充填する工程とを具備
    し、 前記導電性物質は、前記溝内に閉じこめられかつ実質的
    に溝を満たすことを特徴とするP−N接合太陽電池用電
    極の形成方法。
  2. 【請求項2】前記溝を充分満たすまで、無電解メッキま
    たは電解メッキを継続して行うことにより、実質上選択
    的に上記溝に金属を沈澱させる特許請求の範囲第1項記
    載のP−N接合太陽電池用電極の形成方法。
  3. 【請求項3】無電解メッキまたは電解メッキにより前記
    溝に導電性物質を充填させ、その後電池をはんだに浸
    し、そのはんだは前記メッキされた溝に対して選択的に
    付着している特許請求の範囲第1項記載のP−N接合太
    陽電池用電極の形成方法。
  4. 【請求項4】前記溝がレーザー掘削によって形成されて
    いる特許請求の範囲第1項に記載のP−N接合太陽電池
    用電極の形成方法。
  5. 【請求項5】前記溝が機械的な剥離によって形成されて
    いる特許請求の範囲第1項に記載のP−N接合太陽電池
    用電極の形成方法。
  6. 【請求項6】前記導電性物質が銀ペーストであることを
    特徴とする特許請求の範囲第5項に記載のP−N接合太
    陽電池用電極の形成方法。
  7. 【請求項7】前記メッキされた導電性物質がニッケルペ
    ーストである特許請求の範囲第6項に記載のP−N接合
    太陽電池用電極の形成方法。
  8. 【請求項8】前記メッキされた金属は、ニッケル層の後
    に銅層が形成された金属である特許請求の範囲第7項に
    記載のP−N接合太陽電池用電極の形成方法。
  9. 【請求項9】前記メッキされた金属が、ニッケル層の後
    に銅層が形成され、次いで他の金属からなる層が形成さ
    れてなることを特徴とする特許請求の範囲第7項に記載
    のP−N接合太陽電池用電極の形成方法。
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