JPH0882882A - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 - Google Patents
ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法Info
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- JPH0882882A JPH0882882A JP21750894A JP21750894A JPH0882882A JP H0882882 A JPH0882882 A JP H0882882A JP 21750894 A JP21750894 A JP 21750894A JP 21750894 A JP21750894 A JP 21750894A JP H0882882 A JPH0882882 A JP H0882882A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 カブリが少なく、硬調な写真特性を有し、か
つカバーリングパワーの高いハロゲン化銀乳剤を安定に
製造する方法を提供する。 【構成】 保護コロイドとして低分子量ゼラチンを使用
するハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法で、ベンゾトリア
ゾールもしくはその誘導体を少なくとも一種含有させる
ことを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
つカバーリングパワーの高いハロゲン化銀乳剤を安定に
製造する方法を提供する。 【構成】 保護コロイドとして低分子量ゼラチンを使用
するハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法で、ベンゾトリア
ゾールもしくはその誘導体を少なくとも一種含有させる
ことを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真乳剤
に関するものであり、特に低分子量ゼラチンを使用する
ハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法に関するものである。
に関するものであり、特に低分子量ゼラチンを使用する
ハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真乳剤の製造過程
において、低分子量ゼラチンが用いられることが多くな
っている。低分子量ゼラチンを用いた乳剤混合について
は、例えば平行双晶面を有する平板状粒子の核形成過程
の分散媒として、また、双晶面を有しない無双晶粒子の
核形成過程の分散媒として用いられる。これらに関して
は特開平1−158426号、同1−213637号、
同2−838号、同2−146033号、同3−163
433号、同4−34544号、同4−110934
号、同4−125627号、同4−184329号、同
5−40322号公報の記載を参考にすることができ
る。またさらに低分子量ゼラチンは予め微粒子乳剤を調
整し、該微粒子乳剤を添加し反応溶液中の種晶を結晶成
長させる結晶成長方法における、該微粒子乳剤製造用分
散媒としても用いられる。これに関しては特開平2−1
66442号、同4−34544号、同4−11093
4号、同4−125627号、同4−184329号公
報の記載を参考にすることができる。
において、低分子量ゼラチンが用いられることが多くな
っている。低分子量ゼラチンを用いた乳剤混合について
は、例えば平行双晶面を有する平板状粒子の核形成過程
の分散媒として、また、双晶面を有しない無双晶粒子の
核形成過程の分散媒として用いられる。これらに関して
は特開平1−158426号、同1−213637号、
同2−838号、同2−146033号、同3−163
433号、同4−34544号、同4−110934
号、同4−125627号、同4−184329号、同
5−40322号公報の記載を参考にすることができ
る。またさらに低分子量ゼラチンは予め微粒子乳剤を調
整し、該微粒子乳剤を添加し反応溶液中の種晶を結晶成
長させる結晶成長方法における、該微粒子乳剤製造用分
散媒としても用いられる。これに関しては特開平2−1
66442号、同4−34544号、同4−11093
4号、同4−125627号、同4−184329号公
報の記載を参考にすることができる。
【0003】一方、近年の印刷分野においては、印刷物
の複雑さ、スキャナーの発達などにより、返し作業工程
の能率向上が要望されており、そのために従来から使用
されてきた返し用フィルムに比べて10-3〜10-5程度
の超低感度の写真フィルムが開発され、明室(紫外線を
除いた白色蛍光灯下)で取扱いが可能な返しフィルム、
即ち明室用感光材料として実用されている。このような
明室感光材料に要求される性能は、硬調で十分な最大濃
度を有し、明室で長時間の取扱いが可能であり、プリン
ター光源に対しては高い感度を有していること、さまざ
まな環境の下で使われてもその性能に変化が少ない等で
ある。
の複雑さ、スキャナーの発達などにより、返し作業工程
の能率向上が要望されており、そのために従来から使用
されてきた返し用フィルムに比べて10-3〜10-5程度
の超低感度の写真フィルムが開発され、明室(紫外線を
除いた白色蛍光灯下)で取扱いが可能な返しフィルム、
即ち明室用感光材料として実用されている。このような
明室感光材料に要求される性能は、硬調で十分な最大濃
度を有し、明室で長時間の取扱いが可能であり、プリン
ター光源に対しては高い感度を有していること、さまざ
まな環境の下で使われてもその性能に変化が少ない等で
ある。
【0004】明室用感光材料用のハロゲン化銀乳剤とし
ては、特開昭56−125734号、特開昭56−14
9031号、特開昭58−190943号公報に記載さ
れているが如き、主として塩化銀からなるハロゲン化銀
乳剤にその乳剤の感度を約1/300〜1/500に減
少させる量のロジウム塩を使用するものがある。しかし
ながら、硬調化、感度低下のためにロジウム塩を大量に
添加した塩化銀乳剤は、明室光下で取り扱うとカブリ易
い、湿度の高い条件では著しい感度上昇がみられる、な
どの問題があった。
ては、特開昭56−125734号、特開昭56−14
9031号、特開昭58−190943号公報に記載さ
れているが如き、主として塩化銀からなるハロゲン化銀
乳剤にその乳剤の感度を約1/300〜1/500に減
少させる量のロジウム塩を使用するものがある。しかし
ながら、硬調化、感度低下のためにロジウム塩を大量に
添加した塩化銀乳剤は、明室光下で取り扱うとカブリ易
い、湿度の高い条件では著しい感度上昇がみられる、な
どの問題があった。
【0005】明室用感光材料用のハロゲン化銀乳剤に対
して、低感度でかつ硬調であり、かつ十分な最大濃度を
得るためにはハロゲン化銀の微粒子化が有効である。し
かし、塩化銀を主体としたハロゲン化銀粒子は、その溶
解度が高いため、粒子サイズを小さくするためには、A
gBrやAgIなどの比較的溶解度の低い核を使用した
り、粒子形成時の温度を下げたり、物理抑制剤などの添
加剤を用いたり、銀塩溶液、ハロゲン塩溶液の添加速度
を速めるなどにより粒子形成を行う必要がある。
して、低感度でかつ硬調であり、かつ十分な最大濃度を
得るためにはハロゲン化銀の微粒子化が有効である。し
かし、塩化銀を主体としたハロゲン化銀粒子は、その溶
解度が高いため、粒子サイズを小さくするためには、A
gBrやAgIなどの比較的溶解度の低い核を使用した
り、粒子形成時の温度を下げたり、物理抑制剤などの添
加剤を用いたり、銀塩溶液、ハロゲン塩溶液の添加速度
を速めるなどにより粒子形成を行う必要がある。
【0006】しかしながら、ハロゲン化銀乳剤粒子の微
粒子化に対する方法として、AgBr、AgIの添加量
を増加させることは、カブリの増加、軟調化を引き起こ
すなど、その添加量に限界がある。また物理抑制剤等の
添加剤については、微粒子化に対しては大量の添加剤が
必要であり、その場合、粒子形状を不規則なものとした
り、現像抑制を起こすなど写真性に問題を起こす。更
に、銀塩溶液、ハロゲン溶液の添加速度の増加は設備的
な制約や単分散性のよい乳剤を得ることが難しいなどの
問題がある。
粒子化に対する方法として、AgBr、AgIの添加量
を増加させることは、カブリの増加、軟調化を引き起こ
すなど、その添加量に限界がある。また物理抑制剤等の
添加剤については、微粒子化に対しては大量の添加剤が
必要であり、その場合、粒子形状を不規則なものとした
り、現像抑制を起こすなど写真性に問題を起こす。更
に、銀塩溶液、ハロゲン溶液の添加速度の増加は設備的
な制約や単分散性のよい乳剤を得ることが難しいなどの
問題がある。
【0007】そこで、ハロゲン化銀乳剤粒子形成におけ
る反応温度を下げる方法があるが、保護コロイドとして
従来の写真用ゼラチン(平均分子量約10万)を用いた
場合、35℃以下特に30℃以下ではゼラチンの粘度が
高くなって攪拌効率を低下させると同時に、ゼラチンの
ゲル化が起こり、溶液として乳剤を得ることが不可能と
なってしまうという問題が生じる。また、粘度増加に伴
い、泡の発生が激しくなり、物理熟成の次の工程である
脱塩工程(凝集沈澱工程および水洗工程を含む)におけ
る泡による脱塩効率低下という問題も生じる。
る反応温度を下げる方法があるが、保護コロイドとして
従来の写真用ゼラチン(平均分子量約10万)を用いた
場合、35℃以下特に30℃以下ではゼラチンの粘度が
高くなって攪拌効率を低下させると同時に、ゼラチンの
ゲル化が起こり、溶液として乳剤を得ることが不可能と
なってしまうという問題が生じる。また、粘度増加に伴
い、泡の発生が激しくなり、物理熟成の次の工程である
脱塩工程(凝集沈澱工程および水洗工程を含む)におけ
る泡による脱塩効率低下という問題も生じる。
【0008】これに対して、低分子量ゼラチン溶液が従
来の写真用ゼラチンに比べ、低温においてゲル化が起こ
りにくいという性質を利用して、低温におけるハロゲン
化銀乳剤混合の保護コロイドとして用いられるようにな
っている。低温混合に関しては特開昭63−11928
号公報の記載を参考にすることができる。この方法にお
いても低分子量ゼラチンの利用が有効であると記載され
ている。広く知られるようになった低分子量ゼラチンと
低温混合という技術を用いることにより、明室用感光材
料用に必要とされるような低感度でカバーリングパワー
の高い乳剤として微粒子乳剤を製造することが可能にな
っている。このように、低分子量ゼラチンの製造技術の
発展と共に、ハロゲン化銀乳剤の製造過程に低分子量ゼ
ラチンが用いられることが多くなっている。
来の写真用ゼラチンに比べ、低温においてゲル化が起こ
りにくいという性質を利用して、低温におけるハロゲン
化銀乳剤混合の保護コロイドとして用いられるようにな
っている。低温混合に関しては特開昭63−11928
号公報の記載を参考にすることができる。この方法にお
いても低分子量ゼラチンの利用が有効であると記載され
ている。広く知られるようになった低分子量ゼラチンと
低温混合という技術を用いることにより、明室用感光材
料用に必要とされるような低感度でカバーリングパワー
の高い乳剤として微粒子乳剤を製造することが可能にな
っている。このように、低分子量ゼラチンの製造技術の
発展と共に、ハロゲン化銀乳剤の製造過程に低分子量ゼ
ラチンが用いられることが多くなっている。
【0009】しかし低分子量ゼラチンを用いたハロゲン
化銀乳剤粒子の製造過程においては、通常の写真用ゼラ
チンを用いた場合と比較して低分子量ゼラチンの保護コ
ロイド性が劣る点を理由として、乳剤粒子の凝集が起こ
り易く、特に脱塩・水洗処理工程(凝集沈澱工程および
水洗工程)においては、その凝集が起こり易く、時には
その凝集から引き続いて粒子成長も起こってしまうこと
がある。さらに低分子量ゼラチンはその水に対する溶解
性から、脱塩・水洗処理工程時にかなりの割合で水中に
溶出してしまい、さらに保護コロイド性を低下させてし
まい、前述の凝集、粒子成長が起こり易くなる。またそ
の脱塩・水洗工程において広く実用化されているフロキ
ュレーション法を用いた場合、水洗効率及びハロゲン化
銀乳剤の濃縮率をあげる目的で、有機ゼラチン凝集剤な
どを用いてその沈澱凝集物の嵩をなるべく低く抑えられ
るために前述の凝集は起こり易くなる。
化銀乳剤粒子の製造過程においては、通常の写真用ゼラ
チンを用いた場合と比較して低分子量ゼラチンの保護コ
ロイド性が劣る点を理由として、乳剤粒子の凝集が起こ
り易く、特に脱塩・水洗処理工程(凝集沈澱工程および
水洗工程)においては、その凝集が起こり易く、時には
その凝集から引き続いて粒子成長も起こってしまうこと
がある。さらに低分子量ゼラチンはその水に対する溶解
性から、脱塩・水洗処理工程時にかなりの割合で水中に
溶出してしまい、さらに保護コロイド性を低下させてし
まい、前述の凝集、粒子成長が起こり易くなる。またそ
の脱塩・水洗工程において広く実用化されているフロキ
ュレーション法を用いた場合、水洗効率及びハロゲン化
銀乳剤の濃縮率をあげる目的で、有機ゼラチン凝集剤な
どを用いてその沈澱凝集物の嵩をなるべく低く抑えられ
るために前述の凝集は起こり易くなる。
【0010】これら凝集した乳剤粒子、粒子成長を起こ
したサイズの大きい粒子あるいは変形した粒子を含む乳
剤は、感度の変動やカブリ濃度の増加などの原因とな
り、その取り扱い安全性に悪影響を及ぼすなど、必要と
される写真性能が得られないという問題があった。
したサイズの大きい粒子あるいは変形した粒子を含む乳
剤は、感度の変動やカブリ濃度の増加などの原因とな
り、その取り扱い安全性に悪影響を及ぼすなど、必要と
される写真性能が得られないという問題があった。
【0011】前記の特開平1−158426号、同1−
213637号、同2−838号、同2−146033
号、同3−163433号、同4−110934号、同
4−125627号、同4−184329号、同4−3
4544号、同5−40322号、同2−166442
号、同4−34544号公報には製造した乳剤粒子の凝
集についての記載はなく、カブリ濃度についての記載も
ない。特開4−110934号には低分子量ゼラチンと
カブリなどの写真性能とを関連づけた記載がなされてい
るが、乳剤粒子の凝集についての記載はない。特開平4
−125627号には微粒子乳剤の濃縮化により凝集の
ない微粒子乳剤が得られると記載されているが、分散媒
含有率も高くなり、その後の乳剤塗布工程、あるいは塗
布物の処理過程において硬膜度の低下などの悪影響を及
ぼすという問題が生じる。同4−184329号では低
分子量ゼラチンと高分子量ゼラチンの複合分散媒を用い
ているが、粘度の増加などの悪影響が考えられる。
213637号、同2−838号、同2−146033
号、同3−163433号、同4−110934号、同
4−125627号、同4−184329号、同4−3
4544号、同5−40322号、同2−166442
号、同4−34544号公報には製造した乳剤粒子の凝
集についての記載はなく、カブリ濃度についての記載も
ない。特開4−110934号には低分子量ゼラチンと
カブリなどの写真性能とを関連づけた記載がなされてい
るが、乳剤粒子の凝集についての記載はない。特開平4
−125627号には微粒子乳剤の濃縮化により凝集の
ない微粒子乳剤が得られると記載されているが、分散媒
含有率も高くなり、その後の乳剤塗布工程、あるいは塗
布物の処理過程において硬膜度の低下などの悪影響を及
ぼすという問題が生じる。同4−184329号では低
分子量ゼラチンと高分子量ゼラチンの複合分散媒を用い
ているが、粘度の増加などの悪影響が考えられる。
【0012】以上のように、低分子量ゼラチンを用いて
ハロゲン化銀乳剤を混合することにより、低分子量ゼラ
チンの特性を生かしたハロゲン化銀乳剤粒子を得られた
としてもカブリ濃度や調子などの写真性について必ずし
も満足するものではなかった。
ハロゲン化銀乳剤を混合することにより、低分子量ゼラ
チンの特性を生かしたハロゲン化銀乳剤粒子を得られた
としてもカブリ濃度や調子などの写真性について必ずし
も満足するものではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カブ
リが少なく、硬調な写真特性を有し、かつカバーリング
パワーの高いハロゲン化銀乳剤を安定に製造する方法を
提供することにある。
リが少なく、硬調な写真特性を有し、かつカバーリング
パワーの高いハロゲン化銀乳剤を安定に製造する方法を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、保護コロイドとし
て低分子量ゼラチンを使用するハロゲン化銀乳剤粒子の
製造方法において、該低分子量ゼラチンの平均分子量が
5000〜70000のであり、かつ、ベンゾトリアゾ
ールもしくはその誘導体を少なくとも一種含有させるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤において上記目的
が達成されることを見いだした。
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、保護コロイドとし
て低分子量ゼラチンを使用するハロゲン化銀乳剤粒子の
製造方法において、該低分子量ゼラチンの平均分子量が
5000〜70000のであり、かつ、ベンゾトリアゾ
ールもしくはその誘導体を少なくとも一種含有させるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤において上記目的
が達成されることを見いだした。
【0015】ベンゾトリアゾール化合物は、従来から当
業者で知られるがごとく、カブリ防止剤として作用す
る。低分子量ゼラチンを保護コロイドとして用いてハロ
ゲン化銀乳剤を混合した場合、特に脱塩・水洗工程にお
いてハロゲン化銀乳剤粒子の凝集、それに引き続いて起
こる粒子成長や変形が起こりやすく、それらの粒子がカ
ブリの原因になると考えられる。一方、本発明者らは、
ベンゾトリアゾール化合物をハロゲン化銀乳剤の製造工
程において乳剤に添加することにより、脱塩・水洗工程
におけるハロゲン化銀乳剤粒子の凝集を抑制し、さらに
/または再分散の効率を上げることを見いだした。すな
わち、本発明において、ベンゾトリアゾール化合物はカ
ブリ防止剤として作用すると同時に、あるいはカブリ防
止剤としては作用せずに、ハロゲン化銀乳剤粒子凝集抑
制剤としての作用を示している。その結果として、凝集
が抑制された、そして/あるいは凝集に引き続いて起こ
り得る粒子成長や変形が抑制された乳剤粒子を得ること
が出来るようになり、乳剤自体が保有する特性を十分に
生かすことができるハロゲン化銀感光材料を製造するこ
とが可能となる。
業者で知られるがごとく、カブリ防止剤として作用す
る。低分子量ゼラチンを保護コロイドとして用いてハロ
ゲン化銀乳剤を混合した場合、特に脱塩・水洗工程にお
いてハロゲン化銀乳剤粒子の凝集、それに引き続いて起
こる粒子成長や変形が起こりやすく、それらの粒子がカ
ブリの原因になると考えられる。一方、本発明者らは、
ベンゾトリアゾール化合物をハロゲン化銀乳剤の製造工
程において乳剤に添加することにより、脱塩・水洗工程
におけるハロゲン化銀乳剤粒子の凝集を抑制し、さらに
/または再分散の効率を上げることを見いだした。すな
わち、本発明において、ベンゾトリアゾール化合物はカ
ブリ防止剤として作用すると同時に、あるいはカブリ防
止剤としては作用せずに、ハロゲン化銀乳剤粒子凝集抑
制剤としての作用を示している。その結果として、凝集
が抑制された、そして/あるいは凝集に引き続いて起こ
り得る粒子成長や変形が抑制された乳剤粒子を得ること
が出来るようになり、乳剤自体が保有する特性を十分に
生かすことができるハロゲン化銀感光材料を製造するこ
とが可能となる。
【0016】本発明に用いられるベンゾトリアゾール化
合物のうち、好ましい化合物は次の化1で表される。
合物のうち、好ましい化合物は次の化1で表される。
【0017】
【化1】 (式中、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
シル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アシ
ルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シア
ノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、Yは水素原
子、ハロゲン原子、アシル基を示す。)
シル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アシ
ルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シア
ノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、Yは水素原
子、ハロゲン原子、アシル基を示す。)
【0018】以下に化1で表わされるベンゾトリアゾー
ル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
ル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】本発明の化1で表される化合物は、ハロゲ
ン化銀乳剤粒子製造工程において任意の段階で添加する
ことができるが、脱塩工程(凝集沈澱工程および水洗工
程を含む)よりも前の段階、即ち粒子形成時あるいは粒
子形成直後の段階で添加されることが好ましい。
ン化銀乳剤粒子製造工程において任意の段階で添加する
ことができるが、脱塩工程(凝集沈澱工程および水洗工
程を含む)よりも前の段階、即ち粒子形成時あるいは粒
子形成直後の段階で添加されることが好ましい。
【0025】本発明における粒子形成とは、保護コロイ
ド溶液中で銀塩溶液とハロゲン溶液とを反応させてハロ
ゲン化銀核を発生、成長させることによりハロゲン化銀
粒子を形成する工程である。
ド溶液中で銀塩溶液とハロゲン溶液とを反応させてハロ
ゲン化銀核を発生、成長させることによりハロゲン化銀
粒子を形成する工程である。
【0026】添加量としては、特に制限はないが、ハロ
ゲン化銀1モル当り5×10-5〜5×10-2モルの範囲
が実際上有用であり、より好ましくは1×10-4〜3×
10-2モルの範囲がよい。
ゲン化銀1モル当り5×10-5〜5×10-2モルの範囲
が実際上有用であり、より好ましくは1×10-4〜3×
10-2モルの範囲がよい。
【0027】本発明における低分子量ゼラチンとしては
平均分子量5000〜70000、好ましくは1000
0〜50000、より好ましくは10000〜3000
0である。平均分子量5000以下の場合、該乳剤の粘
度が低すぎるために攪拌を止めるとハロゲン化銀粒子が
ゆっくり沈降する時があり、適さない。
平均分子量5000〜70000、好ましくは1000
0〜50000、より好ましくは10000〜3000
0である。平均分子量5000以下の場合、該乳剤の粘
度が低すぎるために攪拌を止めるとハロゲン化銀粒子が
ゆっくり沈降する時があり、適さない。
【0028】本発明で用いられる低分子量ゼラチンは、
一般のゼラチンを、ゼラチン分解酵素により酵素分解す
る方法、加水分解する方法、超音波照射により架橋を切
断する方法などにより得ることができる。一般に用いら
れているゼラチンの他、変性ゼラチンから作製してもよ
い。ゼラチンの分子量分布及び平均分子量は一般的な方
法、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)法
などで求めることができる。
一般のゼラチンを、ゼラチン分解酵素により酵素分解す
る方法、加水分解する方法、超音波照射により架橋を切
断する方法などにより得ることができる。一般に用いら
れているゼラチンの他、変性ゼラチンから作製してもよ
い。ゼラチンの分子量分布及び平均分子量は一般的な方
法、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)法
などで求めることができる。
【0029】本発明で用いられる低分子量ゼラチンの濃
度としては、0.05〜15重量%が好ましく、さらに
好ましくは0.05〜10重量%である。
度としては、0.05〜15重量%が好ましく、さらに
好ましくは0.05〜10重量%である。
【0030】本発明においてハロゲン化銀乳剤粒子製造
工程における、乳剤混合工程以外の工程で添加されるゼ
ラチンは、従来の写真用ゼラチン(例えばアルカリ法ゼ
ラチン、酸性法ゼラチン、脱塩、低カルシウムゼラチ
ン)を用いることができる。さらにフタル化ゼラチンの
ような修飾ゼラチンなども用いることができる。またさ
らに低分子量ゼラチンを添加することもできる。
工程における、乳剤混合工程以外の工程で添加されるゼ
ラチンは、従来の写真用ゼラチン(例えばアルカリ法ゼ
ラチン、酸性法ゼラチン、脱塩、低カルシウムゼラチ
ン)を用いることができる。さらにフタル化ゼラチンの
ような修飾ゼラチンなども用いることができる。またさ
らに低分子量ゼラチンを添加することもできる。
【0031】本発明のハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀
粒子の平均粒子サイズは、目的に応じて選ぶことができ
る。該粒子の平均サイズを調節する方法としては、温度
による方法が好ましく、低分子量ゼラチンは低温におい
てもゲル化が起こりにくいという性質を生かして、5℃
以上の広い温度範囲で使用することができる。ここで粒
子サイズは通常行われている電子顕微鏡を用いた方法で
決定でき、粒子サイズの平均値は個数平均で決定され
る。
粒子の平均粒子サイズは、目的に応じて選ぶことができ
る。該粒子の平均サイズを調節する方法としては、温度
による方法が好ましく、低分子量ゼラチンは低温におい
てもゲル化が起こりにくいという性質を生かして、5℃
以上の広い温度範囲で使用することができる。ここで粒
子サイズは通常行われている電子顕微鏡を用いた方法で
決定でき、粒子サイズの平均値は個数平均で決定され
る。
【0032】本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法にお
ける特に好ましい態様は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造
工程において、そのハロゲン化銀乳剤粒子の粒子形成の
反応温度条件を5〜30℃とすることである。好ましく
は5〜25℃である。
ける特に好ましい態様は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造
工程において、そのハロゲン化銀乳剤粒子の粒子形成の
反応温度条件を5〜30℃とすることである。好ましく
は5〜25℃である。
【0033】本発明のハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀
には特に限定はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、
沃臭化銀、臭化銀などを用いることができるが、沃臭化
銀または塩沃臭化銀を用いる場合には、沃化銀の含有量
は5モル%以下であることが好ましい。
には特に限定はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、
沃臭化銀、臭化銀などを用いることができるが、沃臭化
銀または塩沃臭化銀を用いる場合には、沃化銀の含有量
は5モル%以下であることが好ましい。
【0034】本発明のハロゲン化銀乳剤の乳剤粒子は内
部と表層が均一な層から成っていても、異なる層から成
っていてもよい。異なる層から成る場合には、コア・シ
ェル構造でも、エピタキシャル構造でも、どちらでもよ
い。
部と表層が均一な層から成っていても、異なる層から成
っていてもよい。異なる層から成る場合には、コア・シ
ェル構造でも、エピタキシャル構造でも、どちらでもよ
い。
【0035】本発明のハロゲン化銀乳剤の乳剤粒子の粒
子サイズ分布は基本的には制限がないが単分散である方
が好ましい。ここでいう単分散とは、全粒子の90%以
上が平均サイズ±40%の範囲の粒径を有するもので、
さらに好ましくは±20%以内である。
子サイズ分布は基本的には制限がないが単分散である方
が好ましい。ここでいう単分散とは、全粒子の90%以
上が平均サイズ±40%の範囲の粒径を有するもので、
さらに好ましくは±20%以内である。
【0036】本発明のハロゲン化銀乳剤に対して、水溶
性ロジウム塩を用いることができる。ロジウム塩として
は、従来知られているものが用いられるが、代表的に
は、ロジウムモノクロライド、ロジウムジクロライド、
ロジウムトリクロライド、ロジウムアンモニウムクロラ
イド等を用いることができる。水溶性ロジウム塩は、一
般にはハロゲン化銀乳剤の製造工程中に用いることが好
ましいが、その後の任意の時期に用いることもできる。
水溶性ロジウム塩は、ハロゲン化銀1モル当たり1×1
0-8〜2×10-4モルの範囲が好ましいが、特にハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-7〜1×10-4モルの範囲
が好ましい。また、ロジウム塩と共に、あるいは別に独
立して、イリジウム塩の如き貴金属の塩、赤血塩などの
鉄化合物をハロゲン化銀乳剤製造工程に用いることがで
きる。
性ロジウム塩を用いることができる。ロジウム塩として
は、従来知られているものが用いられるが、代表的に
は、ロジウムモノクロライド、ロジウムジクロライド、
ロジウムトリクロライド、ロジウムアンモニウムクロラ
イド等を用いることができる。水溶性ロジウム塩は、一
般にはハロゲン化銀乳剤の製造工程中に用いることが好
ましいが、その後の任意の時期に用いることもできる。
水溶性ロジウム塩は、ハロゲン化銀1モル当たり1×1
0-8〜2×10-4モルの範囲が好ましいが、特にハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-7〜1×10-4モルの範囲
が好ましい。また、ロジウム塩と共に、あるいは別に独
立して、イリジウム塩の如き貴金属の塩、赤血塩などの
鉄化合物をハロゲン化銀乳剤製造工程に用いることがで
きる。
【0037】本発明のハロゲン化銀乳剤の調製方法は、
順混合、逆混合、同時混合などの公知の方法が使用でき
るが、同時混合法が好ましく、さらに好ましくはコント
ロールダブルジェット法がよい。均一混合するように十
分攪拌速度の高い条件で行うほうがよい。
順混合、逆混合、同時混合などの公知の方法が使用でき
るが、同時混合法が好ましく、さらに好ましくはコント
ロールダブルジェット法がよい。均一混合するように十
分攪拌速度の高い条件で行うほうがよい。
【0038】物理熟成を終えた乳剤は、過剰のハロゲン
化物等を除去し、更にハロゲン化銀乳剤を濃縮するため
に脱塩、水洗処理を施すことが好ましい。本発明におけ
る脱塩・水洗工程の方法としては、種々の方法がある
が、フロキュレーション法を用いるのが好ましい。フロ
キュレーション法として、硫酸塩法、有機溶媒法、有機
ゼラチン凝集剤法、ゼラチン誘導体法があるが、いずれ
の方法も使用することができ、またこれらを組み合わせ
て使用することもできる。
化物等を除去し、更にハロゲン化銀乳剤を濃縮するため
に脱塩、水洗処理を施すことが好ましい。本発明におけ
る脱塩・水洗工程の方法としては、種々の方法がある
が、フロキュレーション法を用いるのが好ましい。フロ
キュレーション法として、硫酸塩法、有機溶媒法、有機
ゼラチン凝集剤法、ゼラチン誘導体法があるが、いずれ
の方法も使用することができ、またこれらを組み合わせ
て使用することもできる。
【0039】物理熟成を終えた乳剤は、脱塩、水洗処理
が施された後、必要な添加剤を加えて塗布することがで
きる。またこの得られた乳剤粒子を粒子成長のハロゲン
化銀供給源としても用いることができる。この場合、脱
塩、水洗処理は省略することができる。
が施された後、必要な添加剤を加えて塗布することがで
きる。またこの得られた乳剤粒子を粒子成長のハロゲン
化銀供給源としても用いることができる。この場合、脱
塩、水洗処理は省略することができる。
【0040】本発明のハロゲン化銀乳剤に対し化学増感
を施すことができる。その化学増感は公知の方法によっ
て行うことができる。硫黄増感剤としては、例えばチオ
硫酸塩、チオ尿素、アリルイソチオシアネート、シスチ
ン、ローダニンや、米国特許1,574,944号、同
2,278,947号、同2,410,689号、同
2,440,206号、同3,187,458号、同
3,415,649号、同3,501,313号等に記
載されているような含硫黄化合物を用いることができ
る。また硫黄増感と共に、米国特許2,448,060
号、同2,540,086号、同2,556,245
号、同2,566,263号に記載されている白金パラ
ジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのような貴
金属の塩を用いる増感法を組み合わせて用いることがで
きる。また、カリウムクロロオーレート、オーリックト
リクロリド等の各種金の化合物やパラジウムクロリド等
のパラジウム化合物等による増感法を組み合わせて用い
ることができる。
を施すことができる。その化学増感は公知の方法によっ
て行うことができる。硫黄増感剤としては、例えばチオ
硫酸塩、チオ尿素、アリルイソチオシアネート、シスチ
ン、ローダニンや、米国特許1,574,944号、同
2,278,947号、同2,410,689号、同
2,440,206号、同3,187,458号、同
3,415,649号、同3,501,313号等に記
載されているような含硫黄化合物を用いることができ
る。また硫黄増感と共に、米国特許2,448,060
号、同2,540,086号、同2,556,245
号、同2,566,263号に記載されている白金パラ
ジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのような貴
金属の塩を用いる増感法を組み合わせて用いることがで
きる。また、カリウムクロロオーレート、オーリックト
リクロリド等の各種金の化合物やパラジウムクロリド等
のパラジウム化合物等による増感法を組み合わせて用い
ることができる。
【0041】本発明のハロゲン化銀粒子における更に特
に好ましい態様は、ハロゲン化銀乳剤の製造工程におい
て、そのハロゲン化銀乳剤粒子の粒子形成の反応温度条
件を5〜30℃にすることである。ハロゲン化銀乳剤粒
子の微粒子化を行う手段としてはいくつかあるが、前述
のように、写真性に対する大きな問題を与える場合が多
い。本発明においては、5〜30℃の低温を用いた乳剤
混合法によって、安定して微粒子乳剤を混合することが
できる。
に好ましい態様は、ハロゲン化銀乳剤の製造工程におい
て、そのハロゲン化銀乳剤粒子の粒子形成の反応温度条
件を5〜30℃にすることである。ハロゲン化銀乳剤粒
子の微粒子化を行う手段としてはいくつかあるが、前述
のように、写真性に対する大きな問題を与える場合が多
い。本発明においては、5〜30℃の低温を用いた乳剤
混合法によって、安定して微粒子乳剤を混合することが
できる。
【0042】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、むろんこの記述により本発明が制限されるもので
はない。
るが、むろんこの記述により本発明が制限されるもので
はない。
【0043】実施例1 乳剤の調製 [乳剤1−A] (比較例) 35℃に保った平均分子
量15000の低分子量ゼラチン水溶液中に2規定の硝
酸銀水溶液と同濃度の塩化ナトリウム水溶液をコントロ
ールダブルジェット法により、電位を160mVに制御
しながら、30分で混合した。ハロゲン化銀形成時にお
いても35℃に保った。その後約10分間放置した後、
有機ゼラチン凝集剤(無水マレイン酸・スチレンスルホ
ン酸共重合体)を攪拌しながら添加し、pHを3.0〜
3.4に調製し、ハロゲン化銀乳剤を凝析させる。続い
て2回水洗を行い、その後NaOHと汎用ゼラチンを加
えて再溶解し、pH6.0〜6.5になるように調製し
た。化学増感は行わなかった。乳剤粒子の平均サイズは
0.12μmであった。 [乳剤1−B] (本発明) ハロゲン化銀形成後、有
機ゼラチン凝集剤添加直前に化4の化合物を銀1モルに
対し3×10-3モル添加し、強力に攪拌する以外は乳剤
Aと同様の方法で平均粒子サイズ0.12μmの乳剤粒
子を調製した。 [乳剤1−C] (比較例) 混合温度条件を20℃と
した以外は、乳剤Aと同様の方法で平均粒子サイズ0.
08μmの乳剤粒子を調製した。 [乳剤1−D] (本発明) 混合温度条件を35℃と
し、ゼラチン溶液に5,6−シクロペンタン−4−ヒド
ロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデンを添加
し、かつ、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添
加直前に化4の化合物を銀1モルに対し3×10-3モル
添加し強力に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均
粒子サイズ0.08μmの乳剤粒子を調製した。 [乳剤1−E] (本発明) 混合温度条件を20℃と
し、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添加直前
に化4の化合物を銀1モルに対し3×10-3モル添加
し、強力に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均粒
子サイズ0.08μmの乳剤粒子を調製した。 [乳剤1−F] (本発明) 混合温度条件を20℃と
し、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添加直前
に化2の化合物を銀1モルに対し3×10-3モル添加
し、強力に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均粒
子サイズ0.08μmの乳剤粒子を調整した。 [乳剤1−G] (比較例) 混合温度条件を20℃と
し、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添加直前
に比較化合物として1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾールを銀1モルに対し3×10-3モル添加し、強力
に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均粒子サイズ
0.08μmの乳剤粒子を調整した。 尚、表1に各乳剤の概要を示した。
量15000の低分子量ゼラチン水溶液中に2規定の硝
酸銀水溶液と同濃度の塩化ナトリウム水溶液をコントロ
ールダブルジェット法により、電位を160mVに制御
しながら、30分で混合した。ハロゲン化銀形成時にお
いても35℃に保った。その後約10分間放置した後、
有機ゼラチン凝集剤(無水マレイン酸・スチレンスルホ
ン酸共重合体)を攪拌しながら添加し、pHを3.0〜
3.4に調製し、ハロゲン化銀乳剤を凝析させる。続い
て2回水洗を行い、その後NaOHと汎用ゼラチンを加
えて再溶解し、pH6.0〜6.5になるように調製し
た。化学増感は行わなかった。乳剤粒子の平均サイズは
0.12μmであった。 [乳剤1−B] (本発明) ハロゲン化銀形成後、有
機ゼラチン凝集剤添加直前に化4の化合物を銀1モルに
対し3×10-3モル添加し、強力に攪拌する以外は乳剤
Aと同様の方法で平均粒子サイズ0.12μmの乳剤粒
子を調製した。 [乳剤1−C] (比較例) 混合温度条件を20℃と
した以外は、乳剤Aと同様の方法で平均粒子サイズ0.
08μmの乳剤粒子を調製した。 [乳剤1−D] (本発明) 混合温度条件を35℃と
し、ゼラチン溶液に5,6−シクロペンタン−4−ヒド
ロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデンを添加
し、かつ、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添
加直前に化4の化合物を銀1モルに対し3×10-3モル
添加し強力に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均
粒子サイズ0.08μmの乳剤粒子を調製した。 [乳剤1−E] (本発明) 混合温度条件を20℃と
し、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添加直前
に化4の化合物を銀1モルに対し3×10-3モル添加
し、強力に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均粒
子サイズ0.08μmの乳剤粒子を調製した。 [乳剤1−F] (本発明) 混合温度条件を20℃と
し、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添加直前
に化2の化合物を銀1モルに対し3×10-3モル添加
し、強力に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均粒
子サイズ0.08μmの乳剤粒子を調整した。 [乳剤1−G] (比較例) 混合温度条件を20℃と
し、ハロゲン化銀形成後、有機ゼラチン凝集剤添加直前
に比較化合物として1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾールを銀1モルに対し3×10-3モル添加し、強力
に攪拌する以外は乳剤Aと同様の方法で平均粒子サイズ
0.08μmの乳剤粒子を調整した。 尚、表1に各乳剤の概要を示した。
【0044】
【表1】
【0045】これらの乳剤に界面活性剤、硬膜剤を添加
して、ポリエステルフィルム上に硝酸銀として3g/m
2となるように塗布し、乾燥した。
して、ポリエステルフィルム上に硝酸銀として3g/m
2となるように塗布し、乾燥した。
【0046】これらの試料(塗布直後のもの)を、大日
本スクリーン社製明室プリンターp−627−FMを用
いてセンシトメトリー用露光を施した後、三菱製紙社製
MRA−CD−111現像液、三菱製紙社製MRA−C
F−711定着液で、38℃20秒現像、定着、水洗、
乾燥を自動現像機(大日本スクリーン社製LD221Q
T)を用いて行った。現像処理した試料は、マクベス透
過濃度計(RD917)で透過濃度を測定し、写真特性
を算出した。
本スクリーン社製明室プリンターp−627−FMを用
いてセンシトメトリー用露光を施した後、三菱製紙社製
MRA−CD−111現像液、三菱製紙社製MRA−C
F−711定着液で、38℃20秒現像、定着、水洗、
乾燥を自動現像機(大日本スクリーン社製LD221Q
T)を用いて行った。現像処理した試料は、マクベス透
過濃度計(RD917)で透過濃度を測定し、写真特性
を算出した。
【0047】その結果を表2に示した。特性曲線の足切
れについての評価は以下のようにして行った。 足切れ={log(最小濃度+0.03を与える露光量)−log
(濃度1.0を与える露光量)}
れについての評価は以下のようにして行った。 足切れ={log(最小濃度+0.03を与える露光量)−log
(濃度1.0を与える露光量)}
【0048】
【表2】
【0049】表2に示されるように、低分子量ゼラチン
を用いたハロゲン化銀乳剤製造において、化1で示され
る化合物を添加してを調整した乳剤の方が、カブリが低
く、かつ硬調であり、粒子サイズが0.1μm以下の微
粒子乳剤においては、乳剤自体が保有する硬調でかつカ
バーリングパワーが高い特性を十分に生かすことができ
ることがわかる。さらに本発明において、低温における
ハロゲン化銀乳剤製造を行った方が特に好ましいことが
わかる。
を用いたハロゲン化銀乳剤製造において、化1で示され
る化合物を添加してを調整した乳剤の方が、カブリが低
く、かつ硬調であり、粒子サイズが0.1μm以下の微
粒子乳剤においては、乳剤自体が保有する硬調でかつカ
バーリングパワーが高い特性を十分に生かすことができ
ることがわかる。さらに本発明において、低温における
ハロゲン化銀乳剤製造を行った方が特に好ましいことが
わかる。
【0050】
【発明の効果】本発明により、カブリが少なく、硬調な
写真特性を有し、かつカバーリングパワーの高いハロゲ
ン化銀乳剤を安定に製造する方法を提供することができ
た。
写真特性を有し、かつカバーリングパワーの高いハロゲ
ン化銀乳剤を安定に製造する方法を提供することができ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 保護コロイドとして低分子量ゼラチンを
使用するハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法において、該
低分子量ゼラチンの平均分子量が5000〜70000
であり、かつ、ベンゾトリアゾールもしくはその誘導体
を少なくとも一種含有させることを特徴とするハロゲン
化銀写真乳剤の製造方法。 - 【請求項2】 ハロゲン化銀写真乳剤粒子の製造工程に
おいてハロゲン化銀乳剤粒子の粒子形成を5〜30℃で
行うことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真
乳剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21750894A JPH0882882A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21750894A JPH0882882A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0882882A true JPH0882882A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16705338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21750894A Pending JPH0882882A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0882882A (ja) |
-
1994
- 1994-09-12 JP JP21750894A patent/JPH0882882A/ja active Pending
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