JPH0882788A - 表示体の枠体構造及びそれを用いた表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一種類のプラスチックフレームを幾多のサイ
ズの表示パネルに対して対応させるような表示装置のプ
ラスチックフレームを提供する。 【構成】 表示装置におけるプラスチックフレームを、
各方向で多分割することにより、基本寸法のものについ
ては従来通りプラスチックフレームを一体のものとして
扱い、その他のサイズの異なるものについては分割した
状態で扱う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワードプロセッサー、
パーソナルコンピューター、あるいは電子手帳等に用い
られる表示装置に関するものであり、さらに詳しくは、
表示パネルの表示面周縁を位置決め保持する枠体を改良
した表示体の枠体構造及びそれを用いた表示装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の表示装置、例えば液晶表示装置に
おける代表的な構成を示した分解斜視図を図１１ａに示
す。また、図１１ｂは、図１１ａの完成斜視図である。

【０００３】その構成は、上下一対の基板間に液晶が封
入されて構成される液晶表示パネルに、ＴＣＰ（Ｔａｐ
ｅ Ｃａｒｒｉｅｒ Ｐａｃｋａｇｅ）型ＬＳＩ１１を
介して回路基板１０を接続した液晶表示セル８を、予め
エッジライトシステムが組み込まれたプラスチックフレ
ーム（以下「Ｐシャーシ」と称す）１８と、これらを一
体固定するための金属製枠体（以下「ベゼル」と称す）
９とで挟み込み、ビス７で締め付けて支持固定するか、
或いは図１２のように該ベゼル９の外周縁部に予め設け
られた爪を折り曲げて支持固定するというものである。

【０００４】このうちＰシャーシ１８は、上記のエッジ
ライトシステムを保持するという機能を有するととも
に、図１３に示すような突起２１により液晶表示セル８
を位置決め保持するという機能も有するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来より液
晶表示パネルは、例えば６４０×４８０ドット表示と６
４０×４００ドット表示のように、いずれか一方のドッ
ト数が同じで他方のドット数が異なるような液晶表示装
置も多数存在し、このような場合、多額の費用と多くの
設計日数をかけて各々専用の部品設計するとともに、専
用金型を製作していた。

【０００６】また、例えば全く同じ６４０×４８０ドッ
ト表示といえども、液晶表示パネルはドットフォーマッ
ト（ドットサイズ及びドットピッチ）のバリエーション
が非常に多く存在しているため、液晶表示パネルのサイ
ズが微妙に異なり、結果としてそれぞれの条件に合わせ
た専用設計を行っていた。

【０００７】このことより、前述の液晶表示装置の構成
部品であるベゼル、Ｐシャーシ等の枠体についても、そ
れぞれの液晶表示パネルに合わせて設計を専用化させる
必要があり、また、特にこれらの部品は、パネルサイズ
の異なるそれぞれの液晶表示パネル用に専用の金型を製
作する必要があったため設計開発などに手間と労力を要
していた。

【０００８】その結果、表示装置としてのコストがアッ
プするとともに、その開発手番に多くの時間を費やすと
いう問題があった。

【０００９】本発明はこのような背景の下に成されたも
のであり、基本となる一つのサイズの表示体の枠体をパ
ネルサイズの異なる複数種類の表示体に対して共用化可
能とする表示体の枠体構造、及びそれを用いた表示装置
のコストダウンを図るとともに開発手番を短くすること
を目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の表示体の枠体構
造は、表示体を、該表示体の上下両側から２枚の枠体で
位置決め保持してなる表示体の枠体構造において、上記
表示体の枠体のうちの少なくとも一方が、複数に分割可
能に形成されていることを特徴としており、そのことに
より上記目的が達成される。

【００１１】また、本発明の表示装置は、表示体と、該
表示体を上下両側から位置決め保持する２枚の枠体とか
ら構成される表示装置において、上記表示たの枠体のう
ちの少なくとも一方が、複数に分割可能に形成されてい
ることを特徴としており、そのことにより上記目的が達
成される。

【００１２】

【作用】本発明によれば、例えば長辺の寸法が同一で短
辺の寸法が異なるような複数の種類の表示体に於いて
は、短辺の寸法が短いものを基本とし、逆に、長辺の寸
法が異なり短辺の寸法が同一である複数の種類の表示体
に於いては、長辺の寸法が短いものを基本として、それ
ぞれ各方向において枠体を分割することにより、基本寸
法（分割辺の寸法の短いもの）のものについては枠体を
一体のものとして扱い、サイズの異なるものについては
分割して扱うことによって、一種類の枠体で多数の表示
体に対して対応させることができる。

【００１３】また、上記分割した枠体の各隙間にスペー
サ部材を介して作製することにより強度の低下を補うこ
ともできる。

【００１４】従って、上記条件を満たす多数の表示体に
適合する枠体は、設計、製作の共用化が図れるため、設
計コスト及び金型製作コストの削減が達成でき、同時に
表示装置全体のコストの削減、及び開発手番の短縮を図
ることが可能となる。

【００１５】

【実施例】以下本発明の実施例について説明する。 （実施例１）図１ａは、本発明の実施例に基づいて製作
されたＰシャーシ（枠体）の分解斜視図であり、図１ｂ
は、図１ａのＡ部分を拡大した分割部分の拡大図であ
る。図に於いて、分割したＰシャーシ１，２の分割部分
には、互いに嵌合するように形成された突起１ａ，２ｂ
と、窪み２ａ，１ｂがそれぞれ設けられている。本実施
例に於いては、このＰシャーシを用いて、６４０×４８
０ドット表示及び７２０×４８０ドット表示の液晶表示
装置を作製した。以下作製の手順について説明する。

【００１６】まず、６４０×４８０ドット表示の液晶表
示装置については、図２に示すように、最初に突起１
ａ，２ｂと窪み２ａ，１ｂをそれぞれ嵌合して分割Ｐシ
ャーシ１，２を一体とした後、陰極管５、ホルダー６、
導光板３及び拡散シート４を組み込み、それらをビス７
で固定してバックライトシステムを有するＰシャーシ２
２を作製した。そして、図３ａ，図３ｂに示すように上
記Ｐシャーシ２２上に、上下一対の基板間に液晶が封入
された液晶パネルに、ＴＣＰ（Ｔａｐｅ Ｃａｒｒｉｅ
ｒ Ｐａｃｋａｇｅ）型ＬＳＩ１１を介して回路基板１
０を接続した液晶表示セル８をのせて、上面からこれら
を一体固定するための金属製枠体からなるベゼル９をか
ぶせた後、ビス７で締めたり、該ベゼル９の外周縁部に
予め設けられた爪を図１２のように折り曲げたりして固
定することにより完了する。

【００１７】次に、７２０×４８０ドット表示の液晶表
示装置については、図４に示すように分割Ｐシャーシ
１，２の導光板エッジ部に両面テープ２０を貼付け、分
割Ｐシャーシエッジ部を向かい合わせた状態で導光板３
を貼り付けた後、前述と同様な手順で陰極管５、ホルダ
ー６、拡散シート４を組み込み、さらに、図５ａに示す
ように上記分割Ｐシャーシ１，２上に液晶表示セル８を
のせて、上面からベゼル９をかぶせた後、該ベゼル９に
予め設けられている爪を折り曲げて固定することにより
図５ｂに示すような液晶表示装置が完成する。

【００１８】このようにして短手方向の寸法が同一で、
長手方向の寸法が異なる複数の種類の液晶表示装置に於
けるＰシャーシの共用化を達成した。

【００１９】（実施例２）実施例１で製作した液晶表示
装置に於いて、図４に示すような上記分割Ｐシャーシは
長手方向中央部分で分割されていたが、図６に示すよう
に分割位置を中央より互いに逆方向にずらして互い違い
とすることにより分割部分に集中しがちな応力の緩和を
図ることができた。また、このような場合における液晶
表示装置の製造方法は、実施例１と全く同様である。

【００２０】（実施例３）図７は、本発明の実施例に基
づいて製作された分割Ｐシャーシ１，２（短手方向で分
割した例）を含んだバックライトシステムの組み立てを
説明した分解斜視図である。本実施例に於いて、この分
割Ｐシャーシ１，２を用いて上記実施例１と同様な組み
込み方法によって、６４０×４８０ドット表示の液晶表
示装置と６４０×４００ドット表示の液晶表示装置を作
製した。尚、この例では６４０×４００ドット表示の液
晶表示装置を基本としてＰシャーシを設計し、従って６
４０×４００ドット表示の液晶表示装置の場合には分割
Ｐシャーシ１，２を嵌合させて作製し、６４０×４８０
ドット表示の液晶表示装置については分割Ｐシャーシ
１，２を分割した状態で作製し、長辺の寸法が同一で、
短辺の寸法が異なる複数の種類の液晶表示装置に於ける
Ｐシャーシの共用化を達成した。

【００２１】（実施例４）実施例３で製作した液晶表示
装置に於いて、上記分割Ｐシャーシは短手方向中央部分
で分割されていたが、図８に示すように分割位置を中央
より互いに逆方向にずらして互い違いとすることにより
分割部分に集中しがちな応力の緩和を図ることができ
た。また、このような場合における液晶表示装置の製造
方法においても、実施例１と全く同様である。

【００２２】（実施例５）実施例１〜４に示したよう
に、本発明では基本サイズでない液晶表示装置を作製し
た場合には分割Ｐシャーシ間に隙間が生じてしまい、強
度の低下を招く恐れがあるが、図９に示すように分割Ｐ
シャーシ１，２の隙間にスペーサ１９を介して作製する
ことにより強度の低下を補うことができる。

【００２３】（実施例６）実施例１〜５はいずれもＰシ
ャーシを２つに分割にして液晶表示装置を作製したもの
であるが、図１０に示すようにＰシャーシを４つに分割
にすることで、基本寸法よりも大きな機種についてより
多く対応することが可能となった。尚、この場合の作製
の方法としては、実施例１と同様に導光板３を軸にして
導光板エッジとＰシャーシエッジとを位置決めし、これ
らを両面テープ２０を介して貼り付けることにより、後
は実施例１と同様な組み込み方法によって液晶表示装置
を作製することができ、また、分割Ｐシャーシの各隙間
に実施例５と同様なスペーサを４つ介して作製すること
により強度の低下を補うこともできる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、前述のように表示体のドット
フォーマットのバリエーションが数多く存在するがゆえ
に、多くの労力及び多額の費用をかけてユーザーニーズ
に応えてきている現状を鑑み考えられたものであり、本
発明の表示体の枠体構造のように表示体の枠体を複数に
分割することにより、複数の寸法をもつ表示体における
相互の基本骨格である枠体の共用化を図ることができ、
ひいては表示装置のコスト及び金型費用の削減を図るこ
とができる。

【００２５】また、例えば表示体の枠体を点対称に分割
することにより、左右あるいは上下に分割された枠体の
形状をそれぞれ同一に形成することができる。これは即
ち、枠体の金型加工を半分に削減することができるた
め、更なる金型コストの削減を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１ａは、本発明の実施例１に基づいて製作さ
れたＰシャーシの分解斜視図である。図１ｂは、図１ａ
のＡ部分を拡大したＰシャーシの分割部分の拡大図であ
る。

【図２】図２は、本発明の実施例１に基づいて製作され
た分割Ｐシャーシを含んだバックライトシステムの組み
立てを説明した分解斜視図である。

【図３】図３ａは、本発明の実施例１に基づいて作製さ
れた液晶表示装置の分解斜視図である。図３ｂは、図３
ａの完成斜視図である。

【図４】図４は、本発明の実施例１に基づいて製作され
た分割Ｐシャーシを含んだバックライトシステムの組み
立てを説明した分解斜視図である。

【図５】図５ａは、本発明の実施例１に基づいて作製さ
れた液晶表示装置の分解斜視図である。図５ｂは、図５
ａの完成斜視図である。

【図６】図６は、本発明の実施例２に基づいて製作され
たＰシャーシの分解斜視図である。

【図７】図７は、本発明の実施例３に基づいて製作され
た分割Ｐシャーシを含んだバックライトシステムの組み
立てを説明した分解斜視図である。

【図８】図８は、本発明の実施例４に基づいて製作され
たＰシャーシの分解斜視図である。

【図９】図９は、本発明の実施例５に基づいて製作され
たＰシャーシの分解斜視図である。

【図１０】図１０は、本発明の実施例６に基づいて製作
された分割Ｐシャーシを含んだバックライトシステムの
組み立てを説明した分解斜視図である。

【図１１】図１１ａは、従来の液晶表示装置における代
表的な構成を示した分解斜視図である。図１１ｂは、図
１１ａの完成斜視図である。

【図１２】図１２は、図３ａ及び図１１ａのＢ部分を拡
大したベゼル爪の折り曲げ拡大図である。

【図１３】図１３は、Ｐシャーシに形成されたセル位置
決め突起の形成を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 分割Ｐシャーシ １ａ 分割Ｐシャーシの嵌合突起 １ｂ 分割Ｐシャーシの嵌合窪み ２ 分割Ｐシャーシ ２ａ 分割Ｐシャーシの嵌合窪み ２ｂ 分割Ｐシャーシの嵌合突起 ３ 導光板 ４ 拡散シート ５ 陰極管 ６ ホルダー ７ ビス ８ 液晶表示セル ９ ベゼル １０ 回路基板 １１ ＴＣＰ型ＬＳＩ １８ 従来型Ｐシャーシ １９ 補強用スペーサ ２０ 両面テープ ２１ 位置決め突起 ２２ 嵌合した分割Ｐシャーシ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示体を、該表示体の上下両側から２枚
   の枠体で位置決め保持してなる表示体の枠体構造におい
   て、 上記表示体の枠体のうちの少なくとも一方が、複数に分
   割可能に形成されていることを特徴とする表示体の枠体
   構造。
2. 【請求項２】 表示体と、該表示体を上下両側から位置
   決め保持する２枚の枠体とから構成される表示装置にお
   いて、 上記表示体の枠体のうちの少なくとも一方が、複数に分
   割可能に形成されていることを特徴とする表示装置。