JPH0882556A - 温度測定装置における測温センサーエレメント - Google Patents

温度測定装置における測温センサーエレメント

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JPH0882556A
JPH0882556A JP6244696A JP24469694A JPH0882556A JP H0882556 A JPH0882556 A JP H0882556A JP 6244696 A JP6244696 A JP 6244696A JP 24469694 A JP24469694 A JP 24469694A JP H0882556 A JPH0882556 A JP H0882556A
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俊幸 北浦
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 熱電対を用いた温度測定装置における測温セ
ンサーエレメントにおいて、絶縁性に優れ、しかも、ア
センブリーが簡単容易であるエレメントを提供する。 【構成】 耐熱性の保護管2に熱電対3を内装して成る
測温手段4と、前記保護管の基端から延出する熱電対素
線の延長部6aに接続された接点部7aを有する補償導
電手段8aと、前記測温手段と補償導電手段を相互に連
結保持する保持手段9とから成り、保護管の基端部と補
償導電手段とを保持手段に対向配置せしめた状態で保持
すると共に、該保持手段の収納室14aに熱電対素線の
延長部と補償導電手段の接点部を収納せしめた状態で、
該収納室に充填剤20を充填硬化せしめることにより、
該充填剤中に保護管の基端と熱電対の延長部と補償導電
手段の接点部とを埋入固定して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱電対を用いた温度測
定装置における測温センサーエレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱電対を用いた温度測定装置にお
ける測温センサー手段は、耐熱性の保護管に熱電対を内
装して成る測温手段と、前記保護管の基端から延出する
熱電対素線の延長部の一対にそれぞれ接続される接点部
を有する一対の補償導電手段とから構成されている。前
記補償導電手段は、電気コネクタの接続端子を構成する
サポートピンから成るのが一般的である。
【0003】ところで、前記温度センサー手段を温度測
定装置において実施するためには、保護管と補償導電手
段とを相互に固定しなければならない。両者が相互に自
由に遊動自在であると、熱電対素線の延長部が容易に断
線してしまうからである。
【0004】また、熱電対素線の一対の延長部を相互に
離間した状態で固定しなければならない。細い素線の一
対が露出したまま自由状態であると、素線が屈曲して相
互に接触し、短絡する虞れがあるからである。
【0005】このため、従来、例えば、セラミック等の
耐火物により成形したカップ状のハウジング内に前記温
度センサー手段を内装し、該ハウジングに耐火セメント
を充填している。即ち、サポートピンから成る補償導電
手段をハウジング底部の挿入孔に挿入保持し、ハウジン
グ内に補償導電手段の接点部を臨ませ、熱電対素線の延
長部を前記接点部に接続した状態で、ハウジングの開口
より耐火セメントを流入し固化せしめる。この際、保護
管は、基端部を耐火セメントに埋入される。これによ
り、保護管と補償導電手段は、耐火セメントにより固定
され、ハウジングに一体化される。保護管から延出した
熱電対素線の延長部は、該延長部が接続された補償導電
手段の接点部と共に、耐火セメント中に埋入固定され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術に用いら
れる耐火セメントは、水を溶媒とするので、熱電対素線
の延長部及び補償導電手段の接点部の絶縁を確保するた
めには、強制乾燥を行うことにより耐火セメント中の水
分を放出せしめなければならず、製造工程が煩雑であ
る。
【0007】また、本発明者らが知見したところによる
と、従来の耐火セメントは、強制乾燥により耐火セメン
ト中の水分を完全に放出した場合でも、その後、製品を
輸送したり保管している間に、大気中の湿気を吸収し、
水分を含有してしまう。このため、補償導電手段の間の
絶縁が低下して起電力が安定せず、測温精度に限界があ
る。
【0008】更に、前記従来技術は、カップ状のハウジ
ングに耐火セメントを流入しながら保護管の基端部を埋
入せしめるものであるため、保護管の位置決めが困難で
あるばかりか、耐火セメントが固化するまで保護管を治
具等により固定保持しておかなければならない。
【0009】この点に関して、例えば、ハウジング内に
保護管の位置決め部材を設け、該位置決め部材に保護管
の基端部を挿入保持した状態で、ハウジング内に耐火セ
メントを流入すれば前記問題を解決し得ることが推考さ
れる。然しながら、この場合、耐火セメントの流れが位
置決め部材により妨げられ、ハウジングの隅々にまで充
填され難く、巣を生じる虞れがある。また、例えば、位
置決め部材を可撓性のない硬質のプラスチック材等によ
り形成した場合、保護管を位置決め部材に好適に挿入保
持し得ない事態を生じる虞れがある。保護管は、一般的
に石英管から形成されており、製造上の公差に基づき形
状及び寸法等に若干のバラツキがあるからである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決した温度測定装置における測温センサーエレメントを
提供するものである。
【0011】本発明によれば、測温センサーエレメント
は、耐熱性の保護管に熱電対を内装して成る測温手段
と、前記保護管の基端から延出する熱電対素線の延長部
に接続された接点部を有する補償導電手段と、前記測温
手段と補償導電手段を相互に連結保持する保持手段とか
ら成り、前記保持手段は、一端に保護管を挿入せしめる
保持孔を設け、他端に補償導電手段を挿入せしめる挿通
孔を設け、該保持孔と挿通孔を相互に連通せしめる収納
室を形成したブロック体を構成すると共に、該ブロック
体を実質的に吸湿性及び含水性のない素材により形成し
て成り、前記保持孔に挿入した保護管の基端を収納室内
に突出せしめ、前記挿入孔に挿入した補償導電手段の接
点部を収納室内に突出せしめ、該収納室内で熱電対素線
の延長部を接点部に接続せしめた状態で、収納室に実質
的に吸湿性及び含水性のない充填剤を充填硬化せしめる
ことにより、該充填剤中に保護管の基端と熱電対素線の
延長部と補償導電手段の接点部とを埋入固定することに
より構成されている。
【0012】従って、本発明によれば、従来のような耐
火セメントを用いないので、上述したような水分を放出
するための強制乾燥工程が不要になる。このため、製造
容易かつ低コストである。しかも、保持手段を構成する
ブロック体は、実質的に吸湿性及び含水性のない素材に
より形成され、前記収納室に充填される充填剤は、実質
的に吸湿性及び含水性を有しないので、絶縁性に優れ、
安定した起電力を得ることができる測温精度の高い測温
センサーエレメントが提供される。
【0013】また、本発明によれば、熱電対を内装した
耐熱性の保護管と、補償導電手段とを、ともに保持せし
める保持手段を備えている。この保持手段は、ブロック
体から成り、一端の保持孔に保護管の基端を挿通保持せ
しめ、他端の挿通孔に補償導電手段を挿通保持せしめる
ことにより、組付作業に際し、保護管と補償導電手段の
プリアセンブリーを可能とする。このため、各構成部材
の位置決めが容易である。そして、前記ブロック体は、
保護管の基端と補償導電手段の接点部とを、ともに突出
した状態で臨ましめる収納室を形成しており、該収納室
に充填剤を充填し、硬化せしめることにより、測温セン
サーエレメントを構成する。従って、保護管と補償導電
手段は、硬化した充填剤により、相互に強固に固定され
る。また、熱電対素線の延長部と、該延長部を接続した
補償導線の接点部は、硬化した充填剤に埋入固定され、
保護される。そこで、ブロック体は、実質的に吸湿性及
び含水性のない素材により形成されており、充填剤は、
実質的に吸湿性及び含水性のない硬化樹脂から成るの
で、絶縁性に優れた測温センサーエレメントが提供され
る。
【0014】この際、本発明によれば、保持手段は、ゴ
ム又は可撓性プラスチック等の変形復元自在な素材によ
り形成されている。従って、該保持手段に設けた保持孔
に対して、常に保護管の基端を容易に挿入保持せしめる
ことが可能である。即ち、保護管が製造上の公差に基づ
く形状及び寸法上のバラツキを有する場合でも、柔軟性
のある保持孔に好適に挿入保持せしめることができる。
【0015】しかも、本発明によれば、前記ブロック体
から成る保持手段が、熱電対素線の延長部の一対をそれ
ぞれ分けて収納せしめる第一の収納室と第二の収納室を
構成し、第一の収納室及び第二の収納室のそれぞれにお
いて、熱電対素線の各延長部と第一の補償導電手段及び
第二の補償導電手段の接点部を収納し、各収納室に充填
した充填剤を硬化せしめている。従って、熱電対素線の
一対の延長部が第一及び第二の収納室に個別に収納さ
れ、そこで個別に充填剤により固められるので、充填剤
の充填圧等により一対の素線延長部が屈曲して相互に接
触し、短絡する虞れはない。
【0016】また、本発明によれば、前記収納室は、ブ
ロック体の一側部を凹入せしめることにより形成された
有底凹部により構成しているので、充填剤の充填作業が
容易である。即ち、該凹部の開口部より底部に向けて充
填剤を充填し、その後、充填剤を硬化せしめれば良い。
【0017】更に、本発明によれば、一対の脚部を備え
たほぼU形の耐熱性保護管に熱電対を内装してなるU形
測温手段を組付けることができる。この際、保持手段を
構成するブロック体の一端から第一の収納室及び第二の
収納室の間に向けて延びるスリットを設けた構成である
から、U形保護管の一対の脚部をブロック体の一対の保
持孔に挿入することが容易になる。即ち、U形の保護管
が製造上の公差に基づいて一対の脚部の間隔寸法にバラ
ツキを有したり、一対の脚部の間にねじれを有している
場合でも、前記スリットを介してブロック体を撓ませる
ことができるので、U形保護管の両脚部を一対の保持孔
に容易に挿入せしめることができる。
【0018】このように本発明によれば、保護管と補償
導電手段を保持した保持手段は、変形復元自在な可撓性
を有するが、収納室に充填硬化された充填剤により、保
護管の基端と、保護管から延出した熱電対素線の延長部
と、該延長部を接続した補償導電手段の接点部とを、埋
入一体化せしめ、この埋入一体化部分において剛体を成
すものであるから、測温センサーエレメントの全体とし
ては充分な剛性を確保できる。このため、例えば、補償
導電手段を、電気コネクタのソケット側の接続端子を構
成するサポートピンとした場合、該ソケットに他方の電
気コネクタのプラグを差し込む際に、該サポートピンに
外力が加えられても、熱電対素線の断線等を生じること
はない。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の好ましい実施
例を詳述する。
【0020】(第1実施例)図1及び図2は、本発明の
第1実施例を示しており、測温センサーエレメント1
は、石英管等の耐熱性保護管2に熱電対3を内装して成
る測温手段4と、該保護管2の基端5から延出する熱電
対素線の延長部6に接続される接点部7を有する補償導
電手段8と、前記測温手段4と補償導電手段8を相互に
連結保持する保持手段9とから成る。
【0021】本実施例において、測温手段4を構成する
保護管2は、一対の脚部10a、10bを備えたほぼU
形に形成され、両脚部の基端5a、5bから熱電対素線
の一対の延長部6a、6bを延出している。これに対応
して、補償導電手段8は、第一の補償導電手段8a及び
第二の補償導電手段8bから構成され、それぞれの接点
部7a、7bに熱電対素線の延長部6a、6bを接続し
ている。補償導電手段8a、8bは、補償導線により構
成しても良いが、図示のような電気コネクタのソケット
側の接続端子を構成するサポートピンを構成することが
好ましい。
【0022】保持手段9は、実質的に吸湿性及び含水性
のない素材で、かつ、ゴム等の弾性材又は可撓性プラス
チック等の可撓材のような変形復元自在な素材により成
形されたブロック体11から成る。このブロック体11
は、一端に保護管2の一対の脚部10a、10bを挿入
せしめる第一の保持孔12a及び第二の保持孔12bを
設け、他端に前記一対の補償導電手段8a、8bを挿入
せしめる第一の挿通孔13a及び第二の挿通孔13bを
設けており、第一の保持孔12aと第一の挿通孔13a
を相互に連通せしめる第一の収納室14aと、第二の保
持孔12bと第二の挿通孔13bを相互に連通せしめる
第二の収納室14bを設けている。
【0023】前記第一の保持孔12a及び第二の保持孔
12bは、ブロック体11の一端部に開口する開口縁に
拡開状のテーパ部15a、15bを形成しており、更
に、図2に示すように、両保持孔12a、12bを拡開
変形容易ならしめるために、各保持孔12a、12bの
周壁を分断する切溝16a、16bを、各収納室14
a、14bから各保持孔12a、12bの軸方向に向け
て設けている。
【0024】また、前記第一の挿通孔13a及び第二の
挿通孔13bは、ブロック体11の他端部に開口する径
大部17a、17bを形成している。
【0025】前記第一の収納室14a及び第二の収納室
14bは、ブロック体11の一側部を凹入せしめること
により形成された有底凹部により構成されており、両収
納室14a、14bの少なくとも一方の底部から起立す
る位置決めストッパー18を備えている。
【0026】更に、ブロック体11は、一端から第一の
収納室14a及び第二の収納室14bの間に向けて延び
るスリット19を形成している。
【0027】上記の構成に基づいて、測温センサーエレ
メント1は、次のようにしてアセンブリーされる。
【0028】第一の補償導電手段8a及び第二の補償導
電手段8bは、それぞれ第一の挿通孔13a及び第二の
挿通孔13bに挿通され、接点部7a、7bを収納室1
4a、14bの内部に突出せしめる。上述のようにブロ
ック体11をゴム又は可撓性プラスチック等の変形復元
自在な素材により形成しているので、補償導電手段8
a、8bをサポートピンにより構成した図例の場合、該
サポートピンは挿通孔13a、13bに抱持される。
【0029】測温手段4を構成するほぼU形の保護管2
は、一対の脚部10a、10bを第一の保持孔12a及
び第二の保持孔12bに挿通せしめられる。挿入に際
し、テーパ部15a、15bをガイドとして、脚部10
a、10bを保持孔12a、12bに容易に挿入するこ
とができる。また、保持孔12a、12bは、切溝16
a、16bを介して拡開変形容易であるから、保護管2
が製造上の公差に基づき外径寸法にバラツキを有する場
合でも、保持孔12a、12bに容易に挿入することが
できる。更に、スリット19を介してブロック体11を
撓ませることにより一対の保持孔12a、12bの間隔
寸法や位置を調整できるので、保護管2が製造上の公差
に基づき一対の脚部10a、10bの間隔寸法にバラツ
キを有したり、一対の脚部10a、10bが平行でなく
僅かなねじれを有している場合でも、両脚部10a、1
0bを保持孔12a、12bに挿入することが容易であ
る。挿入後、一方の脚部10aの基端5aが位置決めス
トッパー18に当接すると、U形保護管2の挿入位置が
定まる。この位置決め状態で、両脚部10a、10bの
基端5a、5bは、それぞれ第一収納室14a及び第二
収納室14bの内部に突出せしめられ、脚部10a、1
0bは保持孔12a、12bに抱持される。
【0030】熱電対素線の延長部6a、6bは、それぞ
れ収納室14a、14bに導かれ、そこでそれぞれの接
点部7a、7bに接続されている。
【0031】このように保護管2と補償導電手段8a、
8bを保持手段9によりプリアセンブリーした状態で、
収納室14a、14bに、実質的に吸湿性及び含水性の
ない充填剤20を充填し、硬化せしめる。この充填剤2
0は、例えば、硬化性樹脂を用いることができる。充填
剤20が硬化すると、保護管2の基端5a、5bと、熱
電対素線の延長部6a、6bと、接点部7a、7bと
は、硬化した充填剤20中に埋入一体化され、この埋入
一体化部分において剛体を構成する。即ち、第一の収納
室14a内では、基端5aと、延長部6aと、接点部7
aとが充填剤20により一体化される。また、第二の収
納室14b内では、基端5bと、延長部6bと、接点部
7bとが充填剤20により一体化される。従って、保持
手段9自体はフレキシブルであるが、充填剤20を硬化
せしめたアセンブリー完了後は、保護管2と補償導電手
段8a、8bが相互に強固に固定され、しかも、熱電対
素線の延長部6a、6bが接点部7a、7bに接続され
た状態で充填剤20に絶縁状態で埋入される。
【0032】本発明の第1実施例に基づく測温センサー
エレメント1は、そのまま測温対象物に張り付けて使用
することができる。例えば、炉壁温度を測定する場合
は、複数の測温センサーエレメント1が炉壁の所望個所
に張り付けられる。或いは、ガス配管等の配管温度を測
定する場合は、複数の測温センサーエレメント1が配管
の所望個所に張り付けられる。補償導電手段8a、8b
には、起電力モニター手段から延びる電気配線の端子が
接続される。
【0033】或いは、本発明の第1実施例に基づく測温
センサーエレメント1は、図示省略しているが、適宜の
被覆材により被覆した構成としても良い。例えば、測温
センサーエレメント1をシェルモールドに入れて焼成し
ても良く、或いは、耐水性の紙を主材とする紙粘土のよ
うな塑性物により測温センサーエレメント1の回りを被
覆せしめ成形しても良い。この場合、焼成されたシェル
モールドや、成形された紙から成る被覆材には、一端か
ら保護管2が露出され、他端から補償導電手段8a、8
bが露出される。
【0034】(第2実施例)図3ないし図5は、本発明
の第2実施例を示しており、測温センサーエレメント1
を含む測温カートリッジ21を構成し、溶融金属の温度
測定用プローブ22に装備せしめている。
【0035】測温センサーエレメント1の構成は、上記
第1実施例と同様であり、同一符号で示している。
【0036】測温センサーエレメント1における保持手
段9の尾端には、差込み部23が形成され、コネクタソ
ケット24のフランジ部25に挿着されている。コネク
タソケット24の筒部26は、割溝27により拡縮変形
可能に形成され、補償導電手段8a、8bを該筒部26
の内面に沿わしめている。
【0037】コネクタソケット24のフランジ部25
は、薄板金製の筒状ハウジング28に挿着され、該ハウ
ジング28は、保持手段9を包囲すると共に、測温手段
4の中間部にまで延びる。このハウジング28には、耐
火セメント29が充填され、測温手段4の一部分と共に
保持手段9を埋入せしめている。
【0038】このような測温センサーエレメント1とコ
ネクタソケット24とハウジング28から成る測温カー
トリッジ21は、プローブ22のボディーを構成する紙
管等のケーシング30に内装され、プローブ22の先端
より測温手段4を突出せしめている。
【0039】プローブ22は、サブランス等の昇降装置
を介して溶融金属中に浸漬せしめることにより使用さ
れ、溶融金属の温度を測定する。
【0040】(第3実施例)図6及び図7は、本発明の
第3実施例を示しており、測温センサーエレメント1を
含むカーボン測定カートリッジ31を構成し、溶融金属
の採取用プローブ32に装備せしめている。
【0041】測温センサーエレメント1の構成は、上記
第1実施例と基本的に共通し、共通部分は同一符号で示
しているが、若干異なる部分があるので、相違部分だけ
を説明する。
【0042】測温手段4を構成する保護管2aは、石英
管等から成り、先端を閉塞したストレートなチューブを
構成し、該保護管2aに内装した熱電対素線の延長部6
a、6bを該保護管2aの基端5より延出せしめてい
る。従って、保持手段9を構成するブロック体11の一
端には、保護管2aの基端部を挿入する一つの保持孔1
2を設けており、該保持孔12を拡開変形容易ならしめ
るために該孔12の周壁を分断する切溝16を設けてい
る。一対の延長部6a、6bと補償導電手段8a、8b
の接点部7a、7bを収納する一対の収納室14a、1
4bは、相互に隔壁33により概ね区成されているが、
該隔壁33の先端部にストッパー壁34を形成し、該ス
トッパー壁34の先端に位置して保持孔12に臨むと共
に一対の収納室14a、14bを連通せしめる連通路3
5を形成している。このため、保護管2aを保持孔12
に挿通せしめると、基端5がストッパー壁34の先端に
当接し、位置決めされる。この状態で、保護管2aの基
端5は、一対の収納室14a、14bの連通路35内に
突出され、該基端5から延出された一対の延長部6a、
6bは、それぞれ収納室14a、14bに分けて導かれ
接点部7a、7bに接続されている。
【0043】充填剤20は、連通路35を含む収納室1
4a、14bに充填され、硬化せしめられる。従って、
硬化した充填剤20により、保護管2aの基端5と補償
導電手段8a、8bとが一体的に固定される。また、熱
電対素線の延長部6a、6bと接点部7a、7bは、そ
れぞれ収納室14a、14bにおいて充填剤20に埋入
され絶縁される。
【0044】この測温センサーエレメント1は、コネク
タソケット24と組合せることにより、カーボン測定カ
ートリッジ31を構成する。コネクタソケット24に関
する構成は、上記第2実施例について説明したところと
同様であり、同一符号で示している。
【0045】カーボン測定カートリッジ31は、プロー
ブ32のボディーを構成する紙管等のケーシング36に
内装され、測温手段4を溶融金属の採取容器37の内部
に向けて突出せしめている。尚、測温センサーエレメン
ト1の保持手段9と採取容器37との間には、セラミッ
ク板等の断熱板38が介装されている。
【0046】プローブ32は、サブランス等の昇降装置
を介して溶融金属中に浸漬せしめることにより使用さ
れ、採取容器37により溶融金属を採取する。採取され
た溶融金属は、採取容器37内で凝固するが、その時の
凝固温度を測定することにより、溶融金属のカーボン含
有量を測定する。
【0047】
【発明の効果】請求項1ないし6に記載の本発明によれ
ば、熱電対素線の延長部6a、6bと補償導電手段8
a、8bの接点部7a、7bの周囲に従来のような耐火
セメントを用いないので、従来行われていた水分を放出
するための強制乾燥工程が不要になる。このため、製造
容易かつ低コストである。
【0048】また、本発明によれば、熱電対3を内装し
た耐熱性の保護管2と、補償導電手段8a、8bとを、
ともに保持手段9により保持せしめ、保護管2の基端
と、補償導電手段8a、8bの接点部7a、7bとを、
ともに収納室14a、14bに突出して臨ましめたプリ
アセンブリー状態で、該収納室に充填剤20を充填硬化
せしめる構成であるから、製造に際して、各構成部材の
位置決めが容易である。そして、単に収納室に充填剤2
0を充填し硬化せしめる簡単な作業により、保護管2と
補償導電手段8a、8bを相互に好適に固定できると共
に、熱電対素線の延長部6a、6bと、該延長部を接続
した補償導電手段の接点部7a、7bとを、硬化した充
填剤20に埋入せしめることができる。
【0049】特に、本発明によれば、保持手段9を構成
するブロック体11は、実質的に吸湿性及び含水性のな
い素材により形成され、収納室14a、14bに充填さ
れる充填剤20は、実質的に吸湿性及び含水性を有しな
い硬化樹脂等が用いられるので、絶縁性に優れた測温セ
ンサーエレメントを提供することができる。
【0050】請求項3ないし6に記載の本発明によれ
ば、保持手段9が、ゴム又は可撓性プラスチック等の変
形復元自在な素材により形成されているので、該保持手
段9に設けた保持孔12に保護管2の基端を挿入保持せ
しめるに際し、保護管2が製造上の公差に基づく形状及
び寸法上のバラツキを有する場合でも、保持孔12の変
形を介して好適に挿入保持せしめることができる。
【0051】そして、本発明によれば、保護管2と補償
導電手段8a、8bを保持した保持手段9は、変形復元
自在な可撓性を有するが、収納室14a、14bに充填
剤20を充填し硬化せしめることにより、保護管2の基
端5と、保護管2から延出した熱電対素線の延長部6
a、6bと、該延長部を接続した補償導電手段8a、8
bの接点部7a、7bとを、充填剤20に埋入一体化せ
しめ、この埋入一体化部分において剛体を成すものであ
るから、測温センサーエレメントの全体としては充分な
剛性を確保できる。
【0052】請求項4に記載の本発明によれば、収納室
14a、14bが、ブロック体11の一側部を凹入せし
めることにより形成された有底凹部により形成されてい
るので、該凹部の開口部より底部に向けて充填剤20を
充填し、その後、充填剤を硬化せしめれば良く、充填剤
20の充填作業が容易である。
【0053】請求項5に記載の本発明によれば、ブロッ
ク体11から成る保持手段9が、熱電対素線の延長部6
a、6bの一対をそれぞれ収納せしめる第一の収納室1
4aと第二の収納室14bを構成し、両収納室14a、
14bのそれぞれにおいて、熱電対素線の延長部6a、
6bの各々と第一の補償導電手段8a及び第二の補償導
電手段8bの接点部7a、7bを収納し、収納室14
a、14bの各々に充填剤20を充填し硬化せしめた構
成であるから、熱電対素線の延長部6a、6bと接点部
7a、7bのそれぞれが第一及び第二の収納室14a、
14bに個別に収納され、相互に隔離した状態で充填剤
20により固められることになり、一対の素線延長部6
a、6bが接触し短絡する虞れはない。
【0054】請求項6に記載の本発明によれば、一対の
脚部10a、10bを備えたほぼU形の耐熱性保護管2
に熱電対3を内装してなる測温手段4を組付けるに際
し、保持手段9を構成するブロック体11の一端から第
一の収納室14a及び第二の収納室14bの間に向けて
延びるスリット19を設けた構成であるから、U形の保
護管2が製造上の公差に基づいて一対の脚部10a、1
0bの間隔寸法にバラツキを有したり、一対の脚部10
a、10bの間にねじれを有している場合でも、前記ス
リット19を介してブロック体11を撓ませることが容
易であり、U形保護管2の両脚部10a、10bを好適
に挿入保持せしめることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測温センサーエレメントの第1実施例
を示しており、(A)は縦断面図、(B)は(A)のX
−X線断面図である。
【図2】前記第1実施例を構成する保持手段を示す斜視
図である。
【図3】本発明の測温センサーエレメントを用いて測温
カートリッジを構成した第2実施例を示す縦断面図であ
る。
【図4】図3のY−Y線断面図であり、前記第2実施例
の横断面図である。
【図5】前記第2実施例を構成するコネクタソケットの
断面図であり、(A)は図3のP−P線断面図、(B)
は図3のQ−Q線断面図である。
【図6】本発明の測温センサーエレメントを用いてカー
ボン測定カートリッジを構成した第3実施例を示す縦断
面図である。
【図7】前記第3実施例を構成する保持手段を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 測温センサーエレメント 2、2a 保護管 3 熱電対 4 測温手段 5、5a、5b 基端 6a、6b 延長部 7a、7b 接点部 8a、8b 補償導電手段 9 保持手段 10a、10b 脚部 11 ブロック体 12、12a、12b 保持孔 13a、13b 挿通孔 14a、14b 収納室 15、15a、15b テーパ部 16a、16b 切溝 18 位置決めストッパー 19 スリット 20 充填剤 21 測温カートリッジ 24 コネクタソケット 28 ハウジング 29 耐火セメント 31 カーボン測定カートリッジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の保護管に熱電対を内装して成る
    測温手段と、前記保護管の基端から延出する熱電対素線
    の延長部に接続された接点部を有する補償導電手段と、
    前記測温手段と補償導電手段を相互に連結保持する保持
    手段とから成り、 前記保持手段は、一端に保護管を挿入せしめる保持孔を
    設け、他端に補償導電手段を挿入せしめる挿通孔を設
    け、該保持孔と挿通孔を相互に連通せしめる収納室を形
    成したブロック体を構成すると共に、該ブロック体を実
    質的に吸湿性及び含水性のない素材により形成して成
    り、 前記保持孔に挿入した保護管の基端を収納室内に突出せ
    しめ、前記挿入孔に挿入した補償導電手段の接点部を収
    納室内に突出せしめ、該収納室内で熱電対素線の延長部
    を接点部に接続せしめた状態で、収納室に実質的に吸湿
    性及び含水性のない充填剤を充填硬化せしめることによ
    り、該充填剤中に保護管の基端と熱電対素線の延長部と
    補償導電手段の接点部とを埋入固定して成ることを特徴
    とする温度測定装置における測温センサーエレメント。
  2. 【請求項2】 補償導電手段が電気コネクタの接続端子
    を構成するサポートピンから成ることを特徴とする請求
    項1に記載の温度測定装置における測温センサーエレメ
    ント。
  3. 【請求項3】 保持手段を構成するブロック体がゴム又
    は可撓性プラスチック等の変形復元自在な素材により形
    成されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    温度測定装置における測温センサーエレメント。
  4. 【請求項4】 収納室がブロック体の一側部を凹入せし
    めることにより形成された有底凹部により構成されて成
    ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の温度測
    定装置における測温センサーエレメント。
  5. 【請求項5】 保持手段が熱電対素線の延長部の一対を
    それぞれ収納せしめる第一の収納室と第二の収納室を構
    成し、第一の収納室及び第二の収納室のそれぞれに臨ん
    で第一の補償導電手段及び第二の補償導電手段を挿入せ
    しめる第一の挿入孔及び第二の挿入孔を設けて成ること
    を特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の温度測定
    装置における測温センサーエレメント。
  6. 【請求項6】 一対の脚部を備えたほぼU形の耐熱性保
    護管に熱電対を内装して成る測温手段と、前記脚部の基
    端から延出する熱電対素線の延長部の一対にそれぞれ接
    続された接点部を有する第一の補償導電手段及び第二の
    補償導電手段と、前記測温手段と第一及び第二の補償導
    電手段を相互に連結保持する保持手段とから成り、 前記保持手段は、一端に前記保護管の一対の脚部を挿入
    せしめる第一の保持孔及び第二の保持孔を設け、他端に
    前記一対の補償導電手段を挿入せしめる第一の挿通孔及
    び第二の挿通孔を設け、第一の保持孔と第一の挿通孔を
    相互に連通せしめる第一の収納室並びに第二の保持孔と
    第二の挿通孔を相互に連通せしめる第二の収納室を形成
    したブロック体を構成すると共に、該ブロック体を実質
    的に吸湿性及び含水性のないゴム又は可撓性プラスチッ
    ク等の変形復元自在な素材により形成し、該ブロック体
    の一端から第一の収納室及び第二の収納室の間に向けて
    延びるスリットを設けて成り、 前記第一の保持孔に挿入した保護管の第一の脚部を第一
    の収納室内に突出せしめ、前記第一の挿入孔に挿入した
    第一の補償導電手段の接点部を第一の収納室内に突出せ
    しめ、該第一の収納室内で熱電対素線の第一の延長部を
    接点部に接続せしめた状態で、第一の収納室に実質的に
    吸湿性及び含水性のない充填剤を充填硬化せしめること
    により、該充填剤中に保護管の第一の脚部と熱電対素線
    の第一の延長部と第一の補償導電手段の接点部とを埋入
    固定すると共に、 前記第二の保持孔に挿入した保護管の第二の脚部を第二
    の収納室内に突出せしめ、前記第二の挿入孔に挿入した
    第二の補償導電手段の接点部を第二の収納室内に突出せ
    しめ、該第二の収納室内で熱電対素線の第二の延長部を
    接点部に接続せしめた状態で、第二の収納室に実質的に
    吸湿性及び含水性のない充填剤を充填硬化せしめること
    により、該充填剤中に保護管の第二の脚部と熱電対素線
    の第二の延長部と第二の補償導電手段の接点部とを埋入
    固定して成ることを特徴とする温度測定装置における測
    温センサーエレメント。
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