JPH0881678A - 無機蛍光体および特異的結合物質 - Google Patents

無機蛍光体および特異的結合物質

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JPH0881678A
JPH0881678A JP24490494A JP24490494A JPH0881678A JP H0881678 A JPH0881678 A JP H0881678A JP 24490494 A JP24490494 A JP 24490494A JP 24490494 A JP24490494 A JP 24490494A JP H0881678 A JPH0881678 A JP H0881678A
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phosphor
particle size
inorganic phosphor
inorganic
emission
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JP24490494A
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Yoshikazu Okumura
美和 奥村
Masaaki Tamaya
正昭 玉谷
Keiko Arubesaaru
恵子 アルベサール
Naohisa Matsuda
直寿 松田
Hirotami Koike
紘民 小池
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Toshiba Corp
Topcon Corp
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Toshiba Corp
Topcon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒径が小さいにもかかわらず十分な発光効率
を有し、かつ残光が短い無機蛍光体を提供する。 【構成】 組成式Ln2 3 :Pr(ただし、LnはY
およびGdからなる群より選択される少なくとも1種の
元素)で表され、粒径が1nm〜1μmであり、単斜晶
系で緑色発光を示すかまたは立方晶系で赤色発光を示す
無機蛍光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機蛍光体、およびこの
無機蛍光体で標識した特異的結合物質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、医学・生物学分野では、ウイ
ルスや酵素の反応の研究あるいは臨床検査に、有機物分
子からなる蛍光物質を標識として用い、紫外線照射した
ときに発する蛍光を光学顕微鏡あるいは光検出器で測定
する方法がとられている。このような方法としては、例
えば、抗原−抗体蛍光法などがよく知られている。この
方法では、蛍光を発する有機蛍光体が結合した抗体(こ
れを特異的結合物質と呼ぶ)が用いられる。抗原−抗体
反応は非常に選択性が高いため、蛍光強度分布から抗原
の位置を知ることができる。
【0003】ところで、この分野においては、近年、1
μm程度より小さいものを観察し、より精密な抗体分布
を研究したいとする要求が強い。そしてこれを実現する
ためには、電子顕微鏡に頼らざるを得ない状況にある。
電子顕微鏡による観察では、検体の電子線反射率あるい
は透過率の差を利用して像を観察する。このため、電子
顕微鏡で抗体を観察する場合には、現時点では、原子量
の大きい鉄やオスミウムを含む分子、または1〜100
nm程度の大きさの金コロイドが抗体の標識として用い
られている。例えば、金コロイドを標識として用いる場
合、抗体にプロテインAと金コロイドとの複合体を結合
させる。この抗体は、抗原−抗体反応により対応する抗
原に結合するので、検体上の金コロイドの位置を測定す
ることにより、抗原の局在部位を明らかにすることがで
きる。さらに、複数種の抗体に大きさの異なる2種以上
の金コロイドを結合させれば、複数の抗原を同時に観察
することも可能である。しかしながら、この方法では、
測定時にコロイドが重なる可能性もあり、コロイド数を
測定するだけでは定量的な判定が困難であるという欠点
を有している。
【0004】一方、上述した有機蛍光体を標識として用
い、カソードルミネッセンス像を観察することも困難で
ある。すなわち、有機蛍光体は、元来発光効率が低いこ
とに加えて、電子線照射により染料の分子結合が容易に
破壊されて発光能力が低下するため、一度の走査で著し
く発光が弱まり、実用に耐えるものではない。また、こ
れら有機蛍光体は、保存時の安定性にも欠け、劣化を生
じる。有機物分子からなる蛍光体としては、分子状の有
機蛍光体染料のほかにも、数十nmの粒径を有し赤色、
緑色または青色の発光を呈するポリスチレン球が知られ
ているが、上記と全く同様な問題がある。
【0005】これに対して、無機蛍光体は、紫外線照射
ならびに電子線照射に安定で劣化が少ない。しかし、T
V用あるいはランプ用で工業化されている蛍光体は通常
1μm以上の大きさであるため、抗原−抗体反応用の蛍
光体としてそのまま用いることはできない。そこで、粒
径を小さくするために、蛍光体を粉砕したり酸でエッチ
ングすることが考えられるが、これらの方法では個々の
粒子表面を覆う非発光層の占める割合が多くなるため発
光効率が著しく低下してしまう。
【0006】また、電子顕微鏡でカソードルミネッセン
ス像を観察する際に、カラーで鮮明な画像を得るために
は、3原色についてそれぞれ残光の短い無機蛍光体が求
められる。しかし、現状では高効率かつ短残光の緑色用
蛍光体は知られておらず、通常のシュウ酸塩共沈および
焼成により、特に粒径の小さいものを得ることも困難で
ある。一方、発光中心としてEuを添加した希土類酸化
物からなる赤色蛍光体(例えばY2 3 :Eu)は製造
が比較的容易で発光効率が高いが、残光時間が〜ミリ秒
で比較的長いためカソードルミネッセンス像がぼやけて
しまう。
【0007】さらに、医学分野以外例えば蛍光インクの
分野でも、有機蛍光物質が用いられているが、やはり長
時間たつと劣化して退色してしまうという問題がある。
そこで劣化しにくい無機蛍光体が求められているが、蛍
光インクに利用できる粒径も1μm以下であり、上述し
た通りこのように小さな粒径で発光効率のよい無機蛍光
体は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、電子顕
微鏡を用いて抗原−抗体反応を調べるための標識剤や、
蛍光インクには、粒径が小さく電子線で励起した際に残
光時間が短い無機蛍光体が要求されている。
【0009】本発明は、電子線や紫外線などの照射下や
保存時の劣化が少ないという特性を維持しつつ、粒径が
小さいにもかかわらず十分な発光効率を有し、かつ残光
が短い無機蛍光体を提供し、さらにそれを用いた標識特
異的結合物質を提供することを目的とする。特に、カラ
ーのカソードルミネッセンス像を得るのに好適な赤色発
光または緑色発光を示す無機蛍光体を得ることを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の無機蛍光
体は、組成式Y2 3 :Prで表され、結晶系が単斜晶
系のものである。
【0011】本発明の他の無機蛍光体は、組成式Ln2
3 :Pr(ただし、LnはYおよびGdからなる群よ
り選択される少なくとも1種の元素)で表され、粒径が
1nm〜1μmのものである。
【0012】本発明の他の無機蛍光体は、組成式Ln2
2 S:Pr(ただし、LnはYおよびGdからなる群
より選択される少なくとも1種の元素)で表され、粒径
が1nm〜1μmである。
【0013】また、本発明の特異的結合物質は、上述し
た無機蛍光体で標識されたものである。
【0014】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】本発明の無機蛍光体としては、単斜晶Y2
3 :Prが挙げられる。なお、Pr濃度は0.05〜
10%に設定される。この蛍光体の粒径は1nm〜1μ
mであることが好ましい。これは、粒径が1nm未満で
あると電子線を照射した場合に発光効率が減少する傾向
があり、1μmを超えるとインクなどで用いる場合に大
きすぎて実用的でないためである。また、医学用標識剤
として用いるためには、蛍光体の粒径は100nm以下
であることが好ましい。この蛍光体は紫外線または電子
線の照射により緑色の発光色を呈し、発光スペクトルに
おいて490〜530nmにピークを有する。
【0016】本発明において、組成式Ln2 3 :Pr
で表される無機蛍光体としては、単斜晶Y2 3 :Pr
のほかにも、単斜晶Gd2 3 :Prが挙げられる。こ
の蛍光体についても、好ましいPr濃度範囲および粒径
の限定理由は上記の場合と同様である。
【0017】本発明において、組成式Ln2 2 S:P
rで表される無機蛍光体としては、単斜晶Y2 2 S:
Prのほか、Gd2 2 S:Prが挙げられる。この蛍
光体についても、好ましいPr濃度範囲および粒径の限
定理由は上記の場合と同様である。
【0018】上述した結晶系が単斜晶系である無機蛍光
体またはLn2 2 S:Prで表される無機蛍光体を調
製する方法としては、高周波熱プラズマ法を含むガス中
蒸発法、プラズマ溶射法、スパッタリング法、スプレー
法を挙げることができる。このような方法により調製さ
れた無機蛍光体は、上述した範囲の粒径を有する微粒子
または超微粒子となり、電子線および紫外線の照射にも
安定で発光色が著しく変化することがないという無機蛍
光体が本来有する特性を損なうことなく、しかも十分な
発光を示す。
【0019】本発明において、組成式Ln2 3 :Pr
で表される無機蛍光体としては、上述した単斜晶系のも
ののほかにも、立方晶系のY2 3 :PrおよびGd2
3:Pr蛍光体が挙げられる。これらの立方晶系の蛍
光体は紫外線または電子線の照射により赤色の発光色を
呈する。これらの立方晶系の蛍光体は、上述した方法に
より調製された単斜晶系の蛍光体を800〜900℃で
焼成することにより得ることができる。したがって、上
述した単斜晶系の蛍光体のPr濃度および粒径はほぼ維
持される。
【0020】本発明において特異的結合物質とは、抗
原、抗体、レセプターに対するリガンド、プローブ、プ
ライマーなどを意味し、具体的にはプロテインA−無機
蛍光体の複合体を抗体に結合させたものが挙げられる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0022】比較例1 緑色発光を示すZnS:Cu蛍光体を粉砕することによ
り平均粒径100nmの微粒子を得た。得られた微粒子
蛍光体に254nmの紫外線または加速電圧10kVの
電子線を照射して発光効率を測定したところ、実施例1
と比べて1%と非常に低かった。
【0023】比較例2 平均粒径10nmの赤色蛍光性ポリスチレン球(Duk
e社製、製品名バイオクリーン蛍光マイクロビーズAR
100)について、実施例1と同様の条件でカソードル
ミネッセンス像を観察した。その結果、1回の観察で発
光強度が1/10に低下した。
【0024】実施例1 シュウ酸塩共沈法により平均粒径3μmのY2 3 :P
r蛍光体(Pr濃度0.1モル)を調製した。この蛍光
体を高周波熱プラズマ法で気化した後、冷却して微粒子
を得た。得られた微粒子の一次粒径は10〜500nm
であった。次に、この蛍光体を水中に懸濁させて静置し
た後、浮遊部分のみを選択する分級処理を行い、粒径が
100nm以上の粒子を除去した。この蛍光体の透過電
子顕微鏡写真を図1に、X線回折パターンを図2に示
す。X線回折パターンから、この蛍光体は原料の立方晶
蛍光体が一部残ってはいるが、単斜晶蛍光体になってい
ることがわかる。
【0025】この蛍光体は254nmの紫外線照射下で
も、加速電圧10kVの電子線照射下でも緑色の発光を
呈するが、一部赤色の発光を呈する部分も混ざってい
た。一方、処理前の蛍光体は同じ照射下で赤色の発光色
だけを呈していた。加速電圧10kVの電子線照射下の
発光スペクトルを図3に示す。中心発光波長は512n
mであった。
【0026】この蛍光体の発光効率は従来の蛍光体を粉
砕して得られた微粒子蛍光体(比較例1)に比べて5倍
程度高かった。
【0027】また、この蛍光体を用いてカソードルミネ
ッセンス像を観測したところ、ポリスチレン有機蛍光体
(比較例2)が1回の観測で発光しなくなる条件下で、
10回以上繰り返し観測しても発光出力の低下は見られ
なかった。
【0028】実施例2 シュウ酸塩共沈法により平均粒径3μmのGd2 3
Pr蛍光体(Pr濃度0.1モル%)を調製した。この
蛍光体は254nmの紫外線または加速電圧10kVの
電子線を照射すると赤色の発光色を呈した。
【0029】この蛍光体を高周波熱プラズマ法で気化し
た後、冷却して微粒子を得た。得られた微粒子の一次粒
径は10〜800nmであった。次に、この蛍光体を水
中に懸濁させて静置した後、浮遊部分のみを選択する分
級処理を行い、粒径が100nm以上の粒子を除去し
た。X線回折パターンから、この蛍光体は単斜晶系であ
ることがわかった。この蛍光体は254nmの紫外線ま
たは加速電圧10kVの電子線を照射すると緑色の発光
色を呈した。
【0030】この蛍光体の発光効率は従来の蛍光体を粉
砕して得られた微粒子蛍光体(比較例1)に比べて5倍
程度高かった。
【0031】また、この蛍光体を用いてカソードルミネ
ッセンス像を観測したところ、ポリスチレン有機蛍光体
(比較例2)が1回の観測で発光しなくなる条件下で、
10回以上繰り返し観測しても発光出力の低下は見られ
なかった。
【0032】実施例3 市販のZnO蛍光体を高周波熱プラズマ法で気化した
後、冷却して微粒子を得た。次に、得られた微粒子をア
ルコール中で分級処理し、平均粒径50nmの粒子を得
た。この蛍光体は254nmの紫外線または加速電圧1
0kVの電子線を照射するときれいな緑色の発光色を呈
した。その発光スペクトルには520nmにピークがあ
った。また残光時間は200μsecであった。
【0033】この蛍光体の発光効率は従来の蛍光体を粉
砕して得られた微粒子蛍光体(比較例1)に比べて5倍
程度高かった。
【0034】また、この蛍光体を用いてカソードルミネ
ッセンス像を観測したところ、ポリスチレン有機蛍光体
(比較例2)が1回の観測で発光しなくなる条件下で、
10回以上繰り返し観測しても発光出力の低下は見られ
なかった。
【0035】実施例4 シュウ酸塩共沈法により平均粒径3μmのY2 3 :P
r蛍光体(Pr濃度0.1モル%)を調製した。この蛍
光体は254nmの紫外線または加速電圧10kVの電
子線を照射すると赤色の発光色を呈した。
【0036】この蛍光体をプラズマ溶射法で気化した
後、水中に放出し瞬間的に冷却して微粒子を得た。得ら
れた微粒子の一次粒径は50nm〜2μmであった。X
線回折パターンから、この蛍光体は単斜晶系であること
がわかった。この蛍光体は254nmの紫外線または加
速電圧10kVの電子線を照射すると緑色の発光色を呈
した。
【0037】この蛍光体の発光効率は従来の蛍光体を粉
砕して得られた微粒子蛍光体(比較例1)に比べて10
倍程度高かった。
【0038】また、この蛍光体を用いてカソードルミネ
ッセンス像を観測したところ、ポリスチレン有機蛍光体
(比較例2)が1回の観測で発光しなくなる条件下で、
10回以上繰り返し観測しても発光出力の低下は見られ
なかった。
【0039】実施例5 シュウ酸塩共沈法により平均粒径3μmのY2 3 :P
r蛍光体(Pr濃度0.1モル%)を調製した。この蛍
光体を高周波熱プラズマ法で気化した後、冷却して微粒
子を得た。得られた微粒子の一次粒径は10nm〜80
0nmであった。次に、この蛍光体を800〜900℃
で30分間焼成した。さらに、この蛍光体を水中に懸濁
させて静置した後、浮遊部分のみを選択する分級処理を
行い、粒径が100nm以上の粒子を除去した。X線回
折パターンから、この蛍光体は立方晶系であることがわ
かった。この蛍光体は254nmの紫外線または加速電
圧10kVの電子線を照射すると赤色の発光色を呈し
た。
【0040】この蛍光体の発光効率は従来の蛍光体を粉
砕して得られた微粒子蛍光体(比較例1)に比べて5倍
程度高かった。残光時間は200μsecであった。
【0041】また、この蛍光体を用いてカソードルミネ
ッセンス像を観測したところ、ポリスチレン有機蛍光体
(比較例2)が1回の観測で発光しなくなる条件下で、
10回以上繰り返し観測しても発光出力の低下は見られ
なかった。
【0042】実施例6 シュウ酸塩共沈法により平均粒径3μmのGd2 3
Pr蛍光体(Pr濃度0.1モル%)を調製した。この
蛍光体をプラズマ溶射法で気化した後、水中に放出し瞬
間的に冷却して微粒子を得た。得られた微粒子の一次粒
径は10nm〜500nmであった。次に、この蛍光体
を800〜900℃で30分間焼成した。さらに、この
蛍光体を水中に懸濁させて静置した後、浮遊部分のみを
選択する分級処理を行い、粒径が100nm以上の粒子
を除去した。X線回折パターンから、この蛍光体は立方
晶系であることがわかった。この蛍光体は、254nm
の紫外線照射下でも、加速電圧10kVの電子線照射下
でも、赤色の発光色を呈した。
【0043】この蛍光体の発光効率は従来の蛍光体を粉
砕して得られた微粒子蛍光体(比較例1)に比べて5倍
程度高かった。残光時間は180μsecであった。
【0044】また、この蛍光体を用いてカソードルミネ
ッセンス像を観測したところ、ポリスチレン有機蛍光体
(比較例2)が1回の観測で発光しなくなる条件下で、
10回以上繰り返し観測しても発光出力の低下は見られ
なかった。
【0045】実施例7 市販のCRT用Gd2 2 S:Pr(Pr濃度0.1モ
ル%)蛍光体を高周波プラズマ法により気化させた後、
冷却して微粒子を得た。次に、アルコール中で得られた
微粒子の分級処理を行い、平均粒径50nmの粒子を得
た。
【0046】この蛍光体は、紫外線照射および電子線照
射によって緑色の発光を呈し、粉砕によって得られた蛍
光体と比べると、それぞれ5倍および10倍の明るさで
あった。この蛍光体の残光時間は短く、明確なカソード
ルミネッセンス像が得られた。
【0047】実施例8 市販のCRT用Y2 2 S:Pr(Pr濃度0.1モル
%)蛍光体を高周波プラズマ法により気化させた後、冷
却して微粒子を得た。次に、アルコール中で得られた微
粒子の分級処理を行い、平均粒径50nmの粒子を得
た。
【0048】この蛍光体は、紫外線照射および電子線照
射によって緑色の発光を呈し、粉砕によって得られた蛍
光体と比べると、それぞれ5倍および10倍の明るさで
あった。この蛍光体の残光時間は短く、明確なカソード
ルミネッセンス像が得られた。
【0049】実施例9 実施例1で得られた蛍光体微粒子を水に懸濁し、これに
プロテインAを混合した後、遠心沈降を行い、プロテイ
ンA−無機蛍光体の複合体を作製した。次に、プロテイ
ンA−無機蛍光体複合体を抗体に結合させて蛍光体標識
抗体を作製した。
【0050】この蛍光体標識抗体と抗原を有する検体と
の抗原−抗体反応を行った後、カソードルミネッセンス
像を観測することができた。また、繰り返し観測して
も、有機蛍光体を用いた場合のように発光出力が低下す
ることはなかった。
【0051】実施例2〜8の蛍光体を用いた場合にも、
同様な結果が示された。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、電
子線や紫外線などの照射下や保存時の劣化が少ないとい
う特性を維持しつつ、粒径が小さいにもかかわらず十分
な発光効率を有し、かつ残光が短い、カラーのカソード
ルミネッセンス像を得るのに好適な赤色発光または緑色
発光を示す無機蛍光体を提供できる。さらに、これらの
無機蛍光体を用いた標識特異的結合物質を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において製造された無機蛍光
体の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真。
【図2】本発明の実施例1において製造された無機蛍光
体のX線回折パターンを示す図。
【図3】本発明の実施例1において製造された無機蛍光
体の加速電圧10kVの電子線照射下の発光スペクトル
を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルベサール 恵子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 松田 直寿 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 小池 紘民 東京都板橋区蓮沼町75番1号 株式会社ト プコン内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式Y2 3 :Prで表され、結晶系
    が単斜晶系である無機蛍光体。
  2. 【請求項2】 組成式Ln2 3 :Pr(ただし、Ln
    はYおよびGdからなる群より選択される少なくとも1
    種の元素)で表され、粒径が1nm〜1μmである無機
    蛍光体。
  3. 【請求項3】 組成式Ln2 2 S:Pr(ただし、L
    nはYおよびGdからなる群より選択される少なくとも
    1種の元素)で表され、粒径が1nm〜1μmである無
    機蛍光体。
  4. 【請求項4】 粒径が1nm〜1μmであり、紫外線あ
    るいは電子線の照射による発光スペクトルにおいて49
    0〜530nmにピーク波長を有する発光バンドが観察
    される無機蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4いずれか記載の無機蛍光
    体で標識された特異的結合物質。
JP24490494A 1994-09-14 1994-09-14 無機蛍光体および特異的結合物質 Pending JPH0881678A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007263974A (ja) * 1996-04-25 2007-10-11 Invitrogen Corp 微粒子標識を使用した分析物アッセイ。
JP2010121062A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Nec Lighting Ltd 蛍光体及びこれを用いた発光装置

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