JP2009236921A - 微粒子標識を使用した分析物アッセイ - Google Patents

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コーン,デビット・イー
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Abstract

【課題】試料中の1つ以上の分析物の特異的な検出法を提供する。
【解決手段】この方法は、試料中の1つ以上の任意の分析物を、散乱光の検出が可能な粒子と特異的に会合させる段階と、前記粒子から散乱光が生じ、かつ1個以上の該粒子から散乱した光を、電子増幅せずに500倍未満の倍率で肉眼検出し得る条件下で、該分析物と会合した任意の粒子に光を照射する段階とを含む。この方法はまた、このような任意の粒子によってそれらの条件下で散乱された光を、分析物の存在の目安として検出する段階をも含む。
【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、1996年4月25日出願のYguerabide他の「微粒子標識を使用した分析物アッセイ(Analyte Assay Using Particulate Labels)」という名称の米国特許仮出願第60/016,383号に対する優先権を主張し、図面を含むその全体を参照により本明細書の一部とする。
発明の背景
以下は既存の関連検出法の概略である。また、特許請求された発明の詳細を読者が理解するのを補助する、関連科学技術の概要でもある。引用した技術はいずれも、本特許請求の先行技術であることに対する自認と解するべきではない。引用した技術は、本発明の実施に使用する、その技術の一般的な手順および方法を本明細書に再び書く必要がないようにするために、参照により本明細書の一部とするものである。特に、出願人は「結合対(binding-pair)」法の一般的な方法と光散乱の測定法に関係する各項を本明細書の一部とする。
高感度分析物アッセイ
結合対(リガンド−受容体、分子認識結合法等の名でも知られている)技術は、生物医学的分析の多くの応用で重要な役割を果たし、環境科学、獣医学、製剤研究、食品および水質の管理等の分野で重要性が高まりつつある。低濃度(約1ピコモル分析物/分析試料体積未満)の分析物の検出では、蛍光標識、発光標識、化学発光標識または電気化学発光標識と、それらの検出法が使用されることが多い。
診断分野での低濃度分析物検出用として、化学発光と電気化学発光が普及しつつある。化学発光法と電気化学発光法によると、発光分子数もしくは光子発生事象の数が増幅され、次いで得られた「シグナル増幅」により低濃度分析物を検出することができる、低濃度分析物の検出手段が得られる。
さらに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法とその他の関係する技法も、試料中の核酸分析物数の増幅に広く使用されるようになった。適切な酵素と試薬を添加し、温度サイクル法を追加することにより、よく知られているほとんどの検出法によって分析物を検出し得るように核酸分析物数が増幅される。新しいシグナル発生検出システムの開発、ならびにシグナル増幅と分析物分子増幅を利用した新型の検査キットおよび検査機器の開発での実用化作業が活発なことは、高感度検出法の重要性と、それに対する必要性の証左である。
しかしながら、上述のシグナル増幅と分析物分子増幅には限界が伴い、それにより、これらの方法による分析物の検出が複雑で、使い方が簡単でなく、時間とコストがかかるものとなる。化学反応または酵素反応の干渉、汚染、複雑で段階の多い手順、単段階「同種」(非分離)方式への適合性の限界、コストがかかり高度な機器使用などの問題は、当業者が絶えず改善を試みている分野である。
したがって、使い方が簡単で、定量的で、多分析物に対応し、廉価な、分析物検出のための手順および機器に対する途方もない必要性がある。このような手順、検査キット、機器によると、現行のシグナル増幅と分析物増幅の各方法の欠点と限界が克服され、研究と個々の診療現場(医務室、救急室、野外等)で有用となり、高処理量の検査用途に有用となるであろう。
本発明の目的は、試料中の1つ以上の分析物を従来可能であったよりも容易に低濃度まで検出できる、新しい手段を提供することである。本発明は、シグナル増幅も分析物分子増幅も必要とせずに、低濃度の分析物を検出し得る。
本発明は、手順を簡単にし、段階と試薬の数量と種類を削減し得る、分析物検出用のシグナル検出システムを提供する。本発明は、試料中の単一または複数の分析物の定量的検出に対応する。本発明はまた、様々な検査の数と分析対象の試料物質量の大幅な削減に対応する。個々の検査をこのように削減すると、コストが削減され、かつ廃棄物、特に処理の必要な医療関係の廃棄物が減少する。
光散乱の検出法と光散乱粒子の特性
粒子による光散乱現象と、診断的アッセイでの微粒子標識の使用と、診断的アッセイでの光散乱法の使用に関しては大量の情報があり、次に、以下の関連技術に関する考察のなかで呈示するが、この関連技術は何ひとつとして、係属中の特許請求の範囲に対する先行技術であることを自認するものではない。この技術は、特許請求された発明の新規性と有用性を理解するための背景として提供する。一般的な光散乱研究には、極めて大きな分野が含まれる。光散乱現象は、過去およそ100年かそこらにわたって精力的に研究されており、人間活動の様々な側面への光散乱知識の応用は、幅広く多様である。
小さく、均一で、光を吸収せず、サイズが入射放射線波長の約20分の1以下の球状粒子による光散乱の古典的理論は当初、Rayleighにより展開された。その後、任意のサイズおよび組成の均一な球状粒子による光散乱の、より一般的な現象学的理論がMieにより展開された。Mieの理論は、光吸収粒子と光非吸収粒子の両方に適用される。また、Rayleighの式は、粒子が入射光よりもはるかに小さければ、光を吸収する粒子に適用されるように容易に一般化し得ることも、Mieの理論から明らかにされた。Mieの理論と一般化されたRayleighの理論とは、これらの直径の小さな粒子に対て同様の結果を与える。光散乱(弾性)は、古典的ないし量子力学的な観点から考察し得る。古典的観点を通じて優れた定量的説明が得られる。
歴史的背景ならびに散乱光とその他の電磁放射の基礎理論の記載が次の参考文献に提供されている:「小粒子による光の吸収と散乱(Absorption and Scattering of Light By Small Particles)」(1983),C.F.Bohren,D.R.Huffman,John Wiley and Sons、および「光の散乱とその他の電磁放射(The Scattering of Light and Other Electromagnetic Radiation)」(1969),M.Kerker,Academic Press。
散乱現象のさらなる背景情報が以下の各出版物に見られる。
Zsigmondy,「コロイドと限外顕微鏡:コロイド化学と限外顕微鏡の手引き(Co lloids and the Ultramicroscope‐A Manual of Colloid Chemistry and Ultramicroscopy)」,1914,John Wiley & Sons,Inc.は、金粒子と他のタイプの粒子の様々な光散乱特性が記載されている。
Hunter,「コロイド科学の基礎(Foundation of Colloid Science)」,Vol.I,105,1991は、粒子の観察での光学顕微鏡、限外顕微鏡、電子顕微鏡の使用を記載している。
Shaw他著,「コロイド化学・界面化学入門(Introduction to Colloid and Surface Chemistry)」は、コロイドの光学的特性と、電子顕微鏡と例えば暗視野顕微鏡などの限外顕微鏡の使用を記載している。
Stolz,SpringerTracts,Vol.130は、時間分解光散乱法(time resolve light scattering methodologies)を記載している。
KleinおよびMetz,5「写真の科学と工学(Photographic Science and Engineering)」5-11,1961は、ゼラチン中のコロイド状銀粒子を記載している。
EversoleおよびBroida,15 Physical Review 1644-1654,1977は、銀、金、銅などの様々な金属粒子からの散乱光に及ぼすサイズと形状の影響を記載している。
KreibigおよびZacharias,231 Z.Physik 128-143,1970は、小さな球状の銀粒子および金粒子での表面プラズマ共鳴を記載している。
Bloemer等,37 Physical Review 8015-8021,1988は、マイクロメートル未満のサイズの銀針の光学的特性を記載し、このような針の使用はBloemerの米国特許第5,151,956号に記載され、その中には、導波管内を伝搬する光を偏光にする、金属小粒子の表面プラズモン共鳴が記載されている。
Wiegel.,136 Zeitschrift fur Physik,Bd.,642-653,1954は、コロイド状銀の色と、電子顕微鏡の使用を記載している。
粒子、光散乱および他の分析物検出法の使用
過去およそ35年間にわたり、多種多様のタイプの分析および/または診断の応用におけるコントラスト増強剤あるいは光吸収標識の両方として、金と銀を含む金属粒子が使用されてきた。これらの応用の大多数は、細胞構造、細胞下構造または組織構造を研究するためのマーカーとして金粒子あるいは銀増強金粒子を使用する、細胞免疫化学的研究の範疇に入る。これらの研究では通常、走査型、透過型、BEI(後方散乱電子映像)を含む電子顕微鏡により金属粒子が検出、位置確認される。この方法では、金属の高電子密度性ないし金属の高い原子番号を利用して、高密度の金属によって生成された多数の二次電子および後方散乱電子の力で、金粒子の検出を容易にしている(Hayat,「免疫金−銀染色(Immunogold-silver staining)」参照ページ1および第1章、第6章、第13章、Hayat,「コロイド金(Colloid Gold)」参照章:第1章、第5章、第7章他参照)。
光学顕微鏡的研究に金粒子と銀増強金粒子を使用した報告は少ない。例えば、1978年に免疫金染色として金粒子が光学顕微鏡による検出と共に使用された。1995年に発表された光学顕微鏡検査法での金粒子の使用に関する総説(Hayat,「免疫金−銀染色(Immunogold-Silver Staining)」参照ページ3参照)は、この1978年の研究を考察し、次の分析を提示している。
「Geoghehan等(1978年)は、コロイド状金ゾルの赤色ないしピンク色を、パラフィン切片を用いた光学顕微鏡法の免疫金染色に初めて使用した。やや薄い樹脂切片中では、せいぜい14ナノメートルの大きさの金粒子から散乱された光の赤い色が光学顕微鏡法で高濃度の標識抗原を含む細胞オルガネラ中に見られた(LucocqおよびRoth,1984年)。光学顕微鏡法での免疫金染色の感度は、他の免疫細胞化学技法に比較して劣り、前者は一般に受け入れられなかった。金付着物のピンク色は視覚化が困難なのである。」
この節には、診断研究および分析研究向けの金粒子と他の金属粒子の光散乱特性の理解の現状を示す箇所である。この節は、「やや薄い樹脂切片中では、せいぜい14nmの大きさの金粒子からの散乱光の赤い色が光学顕微鏡の中の高濃度の標識抗原を含む細胞オルガネラ中に見られた。」と具体的に述べている。
しかしながら、白色光を照射すると、14nmの金粒子からの散乱光はほとんど緑色になる。光学顕微鏡法では粒子が赤色になるので、このことから、純粋な光散乱の他に何らかの相互作用が検出されていることが分かる。光学顕微鏡法で観察される赤色は、大部分が透過光であり、散乱光ではない。細胞、組織切片、あるいは他の何らかの表面の中の標的部位に金粒子が十分に蓄積されると、透過光による赤色が見られる(J.Roth(1983)Immunocytochemistry 2 p217と、BullockおよびPetrusz編「免疫化学の技法(Techniques in Immunochemistry)」第2巻(Academic Press)の中のDewaele他(1983年)の章,ページ1も参照)。
上記引用文に述べられているように、光学顕微鏡法での免疫金染色の感度は他の方法より劣ると信じられていたらしく、光学顕微鏡検出用マーカーとしての金粒子の使用は一般に受け入れられなかった。1995年の概観書のGaoおよびGaoによる第12章198ページは、同テーマに関する次の引用文である。
「コロイド状金(colloidal gold)は当初、その高電子密度性と二次電子放出特性ゆえに、電子顕微鏡法(EM)のマーカーとしてのみ使用されていた(Horisberger,1979年)。光学顕微鏡法(LM)でのコロイド状金の直接視覚化は限られたものであった。高濃度の免疫金を使用すると、細胞がこの試薬によって赤く染色されるのであるが、コロイド状金のサイズは光学顕微鏡のレベルで検出するには小さすぎる(Geoghegan等,1978年、Roth,1982年、Holgate等,1983年。」
上記の両方に述べられているように、光学顕微鏡法によるコロイド状金の検出感度は低いと信じられていた。認識されたこの弱点を克服するため、金粒子の銀増強法が開発された。以下は、1995年の概観書からの別の引用文である。
「光学顕微鏡法向けの免疫金染色の真の飛躍的進歩は、5ミクロンのパラフィン切片中の、免疫グロビン(immunoglobin)と結合したコロイド状金粒子(20nm)の銀増強導入と共に訪れた(Holgate等,1983年)。この手法により、光学顕微鏡での抗原検出能の感度、効率、確度が著しく向上した。IGSSを使用すると、直径がせいぜい1nmの金粒子を光学顕微鏡で視覚化し得る。また、IGSSに供した薄切片も、特に位相差コントラスト照射もしくはエピ偏光照射を使用することにより、光学顕微鏡で見ることができる(Stierhof等,1992年)。」
金粒子の銀増強法は広く使用されている。この増強法は、マーカー金粒子を寸法がミクロン・オーダー以上のより大きな金属粒子、あるいはさらに大きな構造物に変える。これらの構造物は主に銀で構成され、このような大きくされた粒子は、明視野光学顕微鏡で即座に目視検出できる。大きくされた個々の粒子は、高分解能レーザ共焦点光学顕微鏡およびエピ偏光光学顕微鏡によって視覚化が行なわれてきた。文献識別番号:26および203。
しかしながら、銀増強技法を使用しても、他の方法の感度と特異性が達成されないことを当業者は示唆している。例えば、Vener,T.I.等,Analytical Biochemistry 198,p308-311(1991)の出版物の中で、著者等はラテックス・ハイブリダイゼーション・アッセイ(LHA)と呼ばれる新しい高感度分析物検出法を論じている。その方法では、強力な蛍光色素分子を分析物トレーサーとして充填した、直径1.8ミクロンの大きなポリマー粒子を使用する。以下の抜粋は、この出版物からのものである。
「LHAのメリットを評価するため、我々の技法を文献に記載されている他の2つの間接的非放射能技法と比較した。比較に最適な技法は、ハイブリダイゼーション・シグナルの銀増強によるストレプトアビジン・コロイド金法であるが、それは、これが粒子技術に匹敵するからである。しかしながら、この方法は、さらなる銀増強の段階によってもそれほど高感度とならず、ナイロン膜上のLHAにより0.6ピコグラムないし2×104個の分子が検出されるのに比べ、この方法によると8ピコグラムのλ−ファージDNAが検出される。」
Stimpson等,92 Proc.Natl.Acad.Sci,USA 6379-6383,July 1995、DNAハイブリダイゼーション検出のための実時間検出法が記載されている。著者等は、標的DNA上の微粒子標識の使用を記載し、この標識は「導波管の減衰波を照射すると光散乱源」の役割を果たし、
「表面に結合した標識のみがシグナルを発生する。・・・導波管により生み出される減衰波は、導波管表面に配置された複数のDNA捕捉帯で吸着された微粒子標識からの光を散乱させるのに使用される。減衰波は、導波管表面から数百ナノメートルまでしか達しないので、未結合標識/解離標識は光を散乱せず、洗浄段階が必要とされない。シグナルの強さは表面結合の測定を可能とするのに十分であり、光散乱標識の脱着を実時間で検討し得る。すなわち、検出は速度制限的ではない。チップ上のハイブリダイゼーション・パターンは視覚的に評価することができ、あるいは定量分析用に、1秒の1/30の8ビット・ビデオ・フレーム・グラバー搭載の標準的なCCDカメラを使用することによって得ることもできる。」
直径70ナノメートルの金粒子と直径200ナノメートルのセレニウム粒子で実験が行なわれた。セレニウム粒子の方が強いシグナルが観察された。その著者等は、
「4nmから40nmの間のDNAで単一塩基の識別に十分な導波管シグナルが発生し、したがって蛍光シグナル・システムに匹敵する。」
と示唆している。
この方法は、導波管と減衰型の照射を使用している。この方法はさらに、現行の蛍光に基づく検出システムとほぼ同等の感度である。直径70nm以上の粒子が好ましいと言われている。
Schutt他の米国特許第5,017,009号は、異種方式のリガンドまたはリガンド結合相手検出用のイムノアッセイ系を記載している。この系は、
「免疫反応によって界面に運ばれるコロイド状金標識の存在によって妨害される減衰波からの後方散乱光」の検出に基づいている。
「・・・臨界角を超えた背面角で検出器を配置すると、優れたSN比が保証される。
著者等は、記載されたイムノアッセイ系が散乱された全内面反射率、すなわち減衰波の伝搬を利用していると説明している。コロイド状金の存在によって減衰波の伝搬が混乱し、その結果、散乱光が生じ、光電子倍増管またはその他のセンサーによって検出されて応答シグナルを発生する。彼らは、自らの発明の重要な側面とは検出器の物理的位置である、と示唆している。
「検出器は、臨界角より大きな角度である位置に配置し、これにより光源方向から後方に散乱される光だけが検出されるようにするのが理想的である。それによって、この配置によりバルク液体媒質中の上位散乱光(superior scattered light)の検出が理想的に回避される。」
入射ビームの全内面反射を使用して減衰波様式の照射が生み出され、光透過性の表面上で検出が行なわれる。専用の装置を使用することが好ましい。
Leuveringの米国特許第4,313,734号は、「金属、金属化合物、あるいは直径少なくとも5nmの金属または金属化合物で被覆されたポリマー核の水分散液の」カップリング粒子によって得られる標識成分の使用による特異的な結合蛋白質の検出法を記載している。この方法は特に、ハプテン、抗原、抗体などの免疫化学成分の推定に適するとされる。金属粒子は、電子顕微鏡法でのコントラスト増強標識としてすでに使用されていると言われているが、イムノアッセイでのその使用は
「今まで報告されていず、しかもそれが可能なことが意外にも立証された。
***
金属ゾル粒子、すなわち本発明による進歩した免疫化学的技法は、公知の放射性免疫技術および酵素免疫技術よりも高感度であるばかりか、これによると、様々な化学的組成のゾル粒子を標識に利用することにより、被検媒質中の1つ以上の免疫成分を同時に実証、測定することがさらに可能ともなる。」
金属としては、例えば白金、金、銀および銅、あるいはそれらの塩などがある。
「反応混合物のある種の相中の物理特性および/または金属の濃度および/または形成された金属含有凝集物の測定は、それ自体公知の非常に多くの技法を用いて行なわれる。これらの技法の例としては、何らかの分散液の非常に濃い色が使用され、物理化学的変化でさらに変色する比色定量法、金属ゾルが着色しているという上記の事実に照らして、すでに定性的測定に適用し得ることが多い上記の視覚法、同時定量を可能にする、フレーム放射分光測光法または他のプラズマ放射分光測光法と、高感度フレームレス原子吸収分光測光法の使用などが挙げられる。」フレーム放射分光測光法または他のプラズマ放射分光測光法を使用することにより、試料中の2つ以上の分析物が好ましく検出される。最高感度の好ましい検出法は、フレームレス原子吸収分光測光法によるものである。」
Swope他の米国特許第5,350,697号は、臨界角より小さな角度で光を試料に指向させるように光源を配置することにより、散乱光を測定する装置を記載している。検出器は、臨界角の包絡線の外側に配置される。
Craig他の米国特許第4,480,042号は、屈折率の高い試薬の光散乱イムノアッセイでの使用を記載している。好ましい粒子はポリマー材料から構成されたものである。粒子凝集または凝集抑制による濁度の変化を測定することにより、生物学的に興味のある化合物の濃度が測定された。好ましい粒子は、直径およそ0.1gより小さく0.03gより大きなものである。「340nmなどの比較的短い波長は、400nmなどの比較的長い波長よりも大きなシグナルの差をもたらす。」
Cohen他の米国特許第4,851,329号は、光パルス粒子サイズ分析もしくは光学的流動粒子分析器の使用による、凝集粒子の検出法を記載している。これらのシステムは、抗原濃度または抗体濃度の測定に有用とされる。これらの方法は、高度な装置と専用のシグナル処理手段を使用している。好ましい粒径は、Cohenの方法に対しては直径約0.1ないし1ミクロンであり、Hansenの方法に対しては約0.5ないし7.0ミクロンである。
Okano等,202 Analytical Biochemistry 120,1992は、倒立光学顕微鏡で計数し得るミクロ粒子を利用した、同種サンドイッチ式イムノアッセイを記載している。このミクロ粒子は直径およそ0.76であり、アクリレートから作成されたカルボキシ化ミクロ粒子であった。
他の粒子検出法がBlockの米国特許第3,975,084号、Kurodaの米国特許第3,274,431号、Ford,Jr.の米国特許第5,305,073号、Furuyaの米国特許第5,257,087号、Taniguchi他の米国特許第5,311,273号によって記載されている。
Geoghegan等,7 Immunological Communications 1-12,1978は、他の抗体の間接的検出用のウサギ抗ヤギIgG標識のためのコロイド状金の使用を記載している。光学顕微鏡と電子顕微鏡を使用して標識粒子が検出された。この金粒子は、平均サイズが18〜20ナノメートルであり、明視野光学顕微鏡が使用された。電子顕微鏡法には、アラルダイト銀−金薄切片が使用された。免疫蛍光検査法とコロイド状金明視野法とで、同様の割合の表面標識細胞が認められた。電子顕微鏡法により細胞あたり1〜5個の粒子が検出されたが、その著者等は、「このような小量の標識は、かつては蛍光または明視野顕微鏡法によって検出されなかったものであり、これは、GADとGAMで処理した細胞上に低濃度の表面免疫グロブリン(S.Ig)がある場合に、非特異的にFeと結合したGADとGAMのいずれをも表し得る。」と述べている。
Hari他の米国特許第5,079,172号は、抗体反応での金粒子の使用および電子顕微鏡によるその粒子の検出を記載している。15ナノメートルの金粒子が例示された。好ましい方法では、電子顕微鏡法が使用される。
DeMey他の米国特許第4,420,558号は、金標識抗体で標識された細胞を計数するための明視野光学顕微鏡法を記載している。この方法は、明視野配置構成とした光学顕微鏡を使用し、油浸レンズによる500倍以上の倍率を用いて金標識ペルオキシダーゼ陰性細胞を計数した。標識表面の視覚化は金粒子の凝集性に基づいており、示唆された状況下では、金粒子は大規模な斑点形成をこうむるが、細胞表面のこれらの斑点は、記載した方法によって識別し得る。40ナノメートルの金によって最適な結果が得られることが分かった。
De Mey他の米国特許第4,446,238号は、組織切片中の赤色マーカーとしてのコロイド状金標識免疫グロブリンを位置決定するための、同様の明視野光学顕微鏡免疫細胞化学法を記載している。その著者等により記載された免疫金染色(IGS)法は、
「両方の手順とも、最終生成物は抗原含有領域を覆う多数の金粒体の集積物であり、これにより、コロイド状金ゾルの典型的な赤い色が生じる。」
DeBrabander他の米国特許第4,732,367号は、明視野顕微鏡法またはエピ偏光照射顕微鏡法とビデオ・カメラによるコントラスト増強を使用することによる、直径200nmより小さな個々の金属粒子を検出する方法を記載している。その発明者等は、
「典型的な場合では、上記の手順では、用いた金属粒子は約10nmから約100nmの直径を有する。これは、一般に200nmあたりとされている明視野顕微鏡法の解像限界より、かなり小さい。したがって、従来知られていたすべての目視光学顕微鏡法が、固定化集合体の検出への応用が限られていたのは、全くもって理にかなったことである。個々の粒子は、限外顕微鏡技法、特に電子顕微鏡法によってのみ観察することが可能であった。
全く意外なことに、得られる像を電子コントラスト増強に供すれば、今では明視野光学顕微鏡法もしくはエピ偏光顕微鏡により、直径200nmより小さな個々の金属粒子を可視スペクトルの形ではっきり目視できるようにし得ることが分かった。」
と述べている。その著者等は、続く項で
「ゾル粒子免疫アッセイに基づく既存の診断法と比較すると、本法はずっと高い感度を有する。実際、既存の方法は一般に、吸収金属粒子または懸濁金属粒子による光の吸収もしくは散乱に基づいている。例えばブロッティング媒質などの色の観察には、膨大な数の粒子が存在している必要がある。それとは対照的に、本法は単一粒子の観察と計数を可能にするものである。それ故に、本法によると、例えば目視技術や比色技術などの既存の技法では感度が低すぎる応用、例えば肝炎の検出向けなどの応用のための既存の診断的ブロットの進歩が大いに促進されるであろう。」と述べている。
Schafer等,352 Nature 444-448,1991は、ビデオ増強微分干渉コントラスト顕微鏡法を用いて観察される、ナノメートル・サイズの金粒子の使用を記載している。直径40ナノメートルの金粒子が使用された。
DeBrabander等,6 Cell Motility and the Cytoskeleton 105-113,1986(および米国特許第4,732,367号)は、顕微鏡で見えないほど小さな金粒子と明視野ビデオ・コントラスト増強の使用を記載している。具体的には、直径5〜40ナノメートルの金粒子を用い、明視野ビデオ・コントラスト増強顕微鏡法によって細胞が観察された。彼らはまた、
「ガラスまたは細胞の下に吸着した、あるいは細胞内に微量注射されたプラス/マイナス100ナノメートルより小さなサイズを有する個々の金粒子は、光学顕微鏡では見えない。しかしながら、コントラストを電子的に増強するビデオカメラを使用すると、容易に視覚化される。」
と述べている。その著者等は、偏光と反射光の集光による、もしくは「より簡単で、明らかにより高感度の様式」と簡単なカメラの使用による、エピ照射の使用を記載している。その著者等は、位相差コントラスト顕微鏡法により、金粒子を容易に検出し得ることを示唆している。
「比較的大きな金(通常は20〜40nm)で可能であるのとは異なり、5nmの金は、例えば微小管などの構造物上にある、その稠密な集積物ですら光学顕微鏡で見ることができない。それらは、検出が可能な赤色を呈しない。これは最近、粒子サイズを大きくして容易に見える黒染色とする、銀塩による物理的進歩によって是正された。
***
我々は、リガンドをほとんど分子レベルで位置決定する方法を記載した。この方法は、背景の構造物から明白に識別し得る、とびとびの個々のマーカーにより、光学顕微鏡で初めてこれを行ない得るようにするものであるから、新しい。生細胞にも適用できるので、個々の蛋白質の動的挙動を追跡し得る。この方法は、2つの十分に進歩した技術、すなわち金標識とビデオ顕微鏡法とを結びつける。ほとんどの応用は、ほとんどの優れた倍率100倍の油浸対物レンズよりも値段が安く、廉価なビデオ装置によって行ない得る。これを現代のディジタル画像処理と組み合わせると、もっと多くの可能性が生まれる。追加の利点のなかには、なんら価値のないものもある。標識は、個々のとびとびのマーカーから成るので、手による計数も自動的(コンピュータ援用)計数も両方とも容易なうえに信頼できる。マーカーのサイズが小さなことから、浸透と拡散の問題が最小となる。マーカーの荷電をほとんど自在に変化させ得ることは、任意の特定の応用における非特異的な結合を減らすのに役立つであろう。」
この方法は、その著者等によって「ナノ粒子ビデオ限外顕微鏡法ないしナノビッド限外顕微鏡法」と命名された。同様の技術が「Geerts等,351 Nature,763-766,1991に記載されている。
光散乱法の現況技術に関する先の考察と、光散乱粒子と診断分野の方法の使用とは、現行の分析物検出法の限界と本発明の新規性および際立った有用性を明確に示している。本発明の目的は、光散乱に基づく診断的アッセイの今日の限界と欠点を克服するだけではなく、シグナルおよび分析物分子の増幅などの他の非光散乱法の限界と欠点を克服することである。本明細書に記載する本発明は、従来可能であったよりも、使い方が簡単で、高い検出感度を有し、広い分析物濃度範囲にわたって分析物を測定し得る。本発明は、分析物検出用のシグナル発生検出システムとして、ほとんどの試料のタイプとアッセイ方式に幅広く応用することができる。
本発明は、試料中の1つ以上の分析物の検出と測定のための新しい方法を特徴とする。この方法は、特定の組成、サイズおよび形状の、ある種の粒子の使用と、この粒子の1つ以上の光散乱特性の検出および/または測定に基づく。粒子の1つ以上の光散乱特性の検出および/または測定は、試料中の1つ以上の分析物の存在および/または量、あるいは欠如と相互に関連する。本発明は融通性があり、試料中の1つ以上の分析物を検出、測定するために、1つまたは別の形態で実用性がある。
本発明は、照射光の波長よりサイズの小さな、少なくとも1つの検出可能な光散乱粒子とそれらの分析物を結合することによる、試料中の1つ以上の分析物の検出のための方法を特徴とする。この粒子は、粒子によりビームから散乱された光が500倍より低倍率で肉眼検出できる条件下で、光ビームによって照射される。次いで、粒子から散乱された光は上記の条件下で、それらの1つ以上の分析物の存在の目安として検出される。出願人は意外にも、単に適切な照射を保証し、かつ特異的な散乱光の最大の検出を保証することにより、極めて高感度の検出法が得られることを突き止めた。この光照射検出法は、出願人によって「DLASLPD」(もっぱら被検出粒子からの散乱光に向けて角度を付けた直接光)と命名されている。
この方法とそれに付随する装置は、粒子からの散乱光だけの検出を最大限にするように設計され、それにより、蛍光体の使用、あるいは上記の方法でのこのような粒子の使用より、何倍も高感度である。このような粒子は、低倍率の顕微鏡(2倍ないし500倍、例えば10倍ないし100倍拡大するもの)を使用することにより、シグナルの電子増幅をなんら必要とせずに検出される。さらに、顕微鏡も映像システムも必要がない代りに、液相試料または固相試料を通じて光が散乱され、この試料に関して1つ以上の光散乱特性が検出される方法が提供される。これらの散乱光の特性を使用して、任意の特定試料中の分析物の有無、もしくは量が測定される。
一般に、光源はいかなる特別の仕方(例えば偏光、もしくはレーザまたは高輝度など)で処理する必要もなく、粒子からの散乱光が検出可能となるように向きを合わせる必要があるだけである。非特異的な光散乱の低減を保証するのに空間周波数フィルタリングを使用し得る。このようなフィルタリングは、他の機器構成装置と迷光を低減する試料チャンバとにより補足し得る。
直接光は、多色光でも単色光でも、定常状態でもパルス化しても、コヒーレント光であってもコヒーレント光でなくてもよい。必ずしも偏光である必要はなく、発光ダイオード(LED)や12ワットの白熱電球等の低出力の光源から発生させ得る。Stimpson(前出)により記載されているように、この光は減衰光ではない。この光は、粒予によって散乱される場合を除き、直接光自体が検出器によって観察されないような角度で、粒子を含む試料に向けられる。この方法と装置は、このような散乱が臨界角の範囲内、好ましくは照射角の範囲内で、眼によって観察し得る点でSwopeのものと異なる。しかしながら、このような散乱は、臨界角より大きな角度でも、散乱光前方の強さの包絡線外でも検出し得る。例えば顕微鏡などの映像装置と共に使用する場合、本方法は、試料平面に対して垂直な検出器を優先的に使用する。
「発明の背景」に記載した診断技術とは異なり、出願人は、従来よりも使い方が簡単でコストがかからない方法と装置により、特定のタイプの粒子を非常に低濃度まで、高度の特異性で、広い濃度範囲にわたって検出、測定し得ることを見出した。本発明は、公知の分析物検出法よりも使い方が簡単で、高感度で、高感度で、特異性が高く、コストがかからない分析物の検出に対応する。
出願人は、理論モデル法と物理学実験により、被覆された金属様の粒子が被覆されていない金属様の粒子と比較して同様の光散乱特性を有することを突き止めたが、これらの粒子は両方とも非金属様の粒子と比較して優れた光散乱特性を有する。「金属様の」粒子とは、金属、金属化合物、金属酸化物、半導体(SC)、超伝導体から構成される任意の粒子または粒子様の物質、あるいは少なくとも0.1重量%の金属、金属化合物、金属酸化物、半導体、超伝導体を含む混合組成物から構成される粒子をいう。「被覆された」粒子とは、粒子がその表面に付加物質の層を有することをいう。この層は、様々な試料環境中の粒子を化学的に安定させるため、かつ/あるいは分子認識手段により特定の分析物を結合させるためにある。このような被覆は、例えば無機化合物および/または有機化合物、ポリマー、蛋白質、ペプチド、ホルモン、抗体、核酸、受容体等である。「非金属様の」粒子とは、金属、金属化合物、金属酸化物、半導体、超伝導体から成っていない粒子、あるいは少なくとも.0.1重量%の金属、金属化合物、金属酸化物、半導体、超伝導体を含む混合組成物から成っていない粒子をいう。
出願人はまた、次のことを突き止めた。(1)金属様化合物の1つ以上の特異的な光散乱特性の検出および/または測定により、試料中の1つ以上の分析物を検出、測定し得る。光散乱特性としては、散乱光の強さ、波長、色、偏光、角度依存性、RIFSLIW(散乱光の強さおよび/または波長の回転性個別変動(rotational individual fluctuations))などがある。これらの粒子散乱光の1つ以上の特性を使用して、試料中の分析物に関する情報を提供し得る。(2)種々の組合せの金属様の粒子のサイズ、および/または形状および/または組成を変化させることにより、より容易に検出、測定し得る散乱光シグナルを発生するように、1つ以上の光散乱特性を調整し得る。(3)DLASLPDにより、あるサイズ、形状、組成の金属様の粒子を照射、検出すると、高感度で使い方が簡単な、光散乱特性による金属様の粒子の検出測定法が得られる。この方法は、使い方が簡単で、廉価な装置手段による単一粒子の検出に対応する。(4)DLASLPD法は、広い濃度範囲の粒子の検出および測定に対応するために、粒子計数および/または積算した光の強さの測定と共に使用し得る。(5)屈折率増強法の使用は、粒子の光散乱特性の増強、および/または非特異的な光バックグラウンドの低減に対応する。(6)DLASLPDビデオ・コントラスト増強法は、多種多様のタイプの試料中と診断的アッセイ方式で、より高感度の検出に対応し得る。(7)通常マイクロアレイ方式とアレイチップ方式で使用される、小さな固相領域中の分析物を高感度で検出するには、他の粒子ではなく、ある種のタイプの金属様の粒子を使用することが好ましい。マイクロアレイ方式とアレイチップ方式の金属様の粒子は、DLASLPD法を使用することにより、最も容易かつ廉価に検出される。これらの方式のこのような粒子はまた、レーザ走査共焦点顕微鏡法、明視野顕微鏡法またはエピ偏光顕微鏡法、反射コントラスト顕微鏡法および微分干渉コントラスト顕微鏡法によっても検出し得る。しかしながら、これらの方法および装置は、DLASLPDの方法および装置による検出ほど、使い方が簡単でも廉価でもない。(8)特異的な検査キットに有用な装置および粒子のタイプを構築し得る。これらの様々な検査キットと付随する装置は、民生用と、携帯野外用と、医務室、診療所、救急室等の診療現場と、研究室と、集中高処理量検査の各用途に有用である。本発明の上記の観点は、多種多様のタイプの試料中の1つ以上の分析物の検出と診断的アッセイ方式に対応する。
以下でさらに詳細に論じるが、粒子、光源、光検出機構のタイプには多くの変形がある。さらに、使用するタイプの粒子に関しても、多くの変形物を作成し得る。
好ましい態様では、粒子が、散乱光特定の波長、色、偏光、角度依存性およびRIFSLIWを有し、かつ眼または光検出手段によって検出可能な特定の光散乱シグナルを生成するのに適したサイズ、組成および形状を有し、粒子濃度の目安として粒子計数法および/または散乱光の強さ測定法が検出に含まれ、粒子が金属様の材料から作成されるか、非金属様の材料を含む混合組成物から作成され、粒子が球状、卵形、あるいは非対称(非対称とは、形状がほぼ球状なものを除外した形状であることをいう)であり、粒子が結合剤、ポリマー、反応性化学基、基礎材料分子、無機化合物および有機化合物で被覆され、アッセイ方式で2個以上の粒子を互いに密着させたときの散乱光の特性の変化が使用され、金属様の材料から成り、結合剤との結合に適した基礎材料分子で被覆された粒子試薬が使用され、2個以上の粒子を互いに十分に接近させて2個以上の粒子の光散乱特性が単一粒子から識別可能となるようにしたアッセイ方式が使用され、互いに近接して保持した2個以上の粒子を引き離していずれか1個の粒子の光散乱特性を変化させるようにしたアッセイ方式が使用され、粒子を一体保持する分子間相互作用を分断すると1個以上の粒子が分子間相互作用から解放されるように、1つ以上の分子間相互作用によって2個以上の粒子を互いに連結したアッセイ方式が使用され、化学的もしくは生物学的な架橋剤を使用して2個以上の粒子を互いに架橋することにより、分析物の、増幅された検出が達成されるアッセイ方式が使用され、粒子が電界、磁界、もしくは関係する電磁界(EMF)中で配向し得るように追加材料から構成され、粒子が磁気特性または強誘電特性をもつ他の粒子に付着し、照射光ビームが他の波長と比較してバックグラウンドを低減するように選択した波長を有する。別の態様では、照射光が定常状態であるかパルス化し、照射光がコヒーレントであるかコヒーレントでなく、照射光が偏光ないし非偏光であり、同一光源もしくは2種類以上の様々な光源からの2種類以上の様々な波長が試料の照射に使用され、散乱光シグナルが検出される。別の態様では、眼または光検出手段により検出し得る、各々1つ以上の散乱光の特性を有する複数の様々な粒子を使用することがこの方法に含まれ、かつ/あるいは複数の異なる粒子が照射または検出の段階で使用され、屈折率増強法を使用して非特異的な光バックグラウンドが低減され、検出器が試料および光ビーム散乱光の前方の包絡線外の角度に配置され、空間周波数フィルタリング法が使用され、非特異的なバックグラウンド光を低減するためにカットオフ・フィルターや狭周波数帯域通過フィルタなどの光学フィルターが検出段階で使用される。さらに別の態様では、検出前に同種金属組織学により粒子サイズが大きくされ、照射光ビームが赤外線を欠き、分析物が血清中に存在し、検出前に粒子が溶液中に放出され、検出前に粒子が濃縮されて小量もしくは固相領域とされ、表面への時間依存性結合により、あるいは検出器または検出器セットを通って粒子を流すことにより粒子が検出され、マイクロアレイ中の固相上で複数の分析物が検出され、マイクロアレイが液体で覆われるか乾燥し、細胞表面、溶解産物、もしくは染色体調製物上で単一または複数の分析物が検出され、照射光ビームが多色白色光もしくは単色光であり、分析物が溶液または固相中に存在し、あるいは顕微鏡スライド、マイクロタイタープレートまたは他のプラスチック容器の上に存在し、粒子が、1nmから500nmの間のサイズを有する金または銀の粒子であり、検出段階に電子手段による散乱光の増幅が含まれず、照射光ビームがプリズムその他の導光システムによって粒子に配向される。
さらに、検出には少なくとも10倍の対物レンズによって粒子を観察することも含まれ、DLASLPDビデオ・コントラスト増強法が使用され、光ファイバー照射検出が使用され、明視野、レーザ共焦点走査、反射コントラスト、または微分干渉コントラスト式の各顕微鏡検出法が使用され、組合せ合成分子の検出および精製が行なわれ、組合せ合成分子その他の合成分子の固相合成担体として粒子および/または特殊被覆が使用され、特別設計の試料チャンバが使用され、光学的構成部品または試料上の反射防止膜が使用され、野外用途、医務室、診療所、病院の治療室向けの装置が使用され、適切な検査キットの形で特定の粒子タイプが提供される。
本発明の高感度で使い方が簡単なシグナル発生検出システムとは、当業者が廉価な手段により、シグナル(標識)または標的分析物分子増幅法を必要とせずに試料中の1つ以上の分析物を検出、測定し得ることをいう。
本発明での様々な粒子タイプからの特異的な光散乱シグナルとは、当業者が試料中の1つ以上の分析物を高度の特異性で検出、測定し得ることをいう。
本発明での2種類以上の様々な粒子タイプの高光学識別性とは、複雑な装置を必要とせずに試料中の非常に簡単な多分析物(すなわち2種類以上の分析物)の検出が可能なことをいう。
出願人が広い用途をもつ新規の方法および装置を発見したことを、当業者なら認識するであろう。本発明は、分析物の定量し、かつ/もしくは有無を検出するアッセイ系の一部として、シグナル発生検出システムを使用することが望ましいほとんどの状況に対して、1つまたは別の形態で応用し得る。このような分析物としては、すべてのタイプの工業用化合物および薬物、蛋白質、ペプチド、ホルモン、核酸、脂質、炭化水素、並びにすべての種類の生物細胞および有機体などがある。
本発明の1つまたは別の実施態様は、すべての種類の診断的アッセイで通常用いられる、ほとんどのアッセイ方式に適する。これらには、例えばサンドイッチ型、凝集型、間接式もしくは直接式等の異種アッセイ方式および同種アッセイ方式などが含まれる。
本発明の他の特徴と利点とは、以下の好ましい実施例の説明と特許請求の範囲とから明らかとなろう。
好ましい実施例の説明
先ず、図面を簡単に説明する。
第1図は、下からの試料の照射を図示する。Lはレンズ、Dはレンズの口径、Oは検出される表面Sの面積、CはLが集光する角度を示す円錐である。 第2図は、レンズの集光角度を図示する。Dはレンズの口径、fは焦点距離、Oは検出される面積、θHは集光円錐の平面半角である。 第3図は、表面での反射と屈折を表すのに使用する角度を明確にする線図である。Sは表面、niとntはそれぞれ入射媒体と表面媒体の屈折率、RFRBとRFLBはそれぞれ屈折光ビームと反射光ビーム、IBは入射光ビーム、θi、θrおよびθtは光ビームの入射角、反射角および屈折角である。 第4A図、第4B図および第4C図は、様々な出典から得られたni<ntに対する光反射グラフである。 第5A図および第5B図は、様々な出典から得られたni>ntに対する光反射グラフである。 第6図は、空気中の乾燥表面上の粒子の照射に関与する屈折と反射を図示する。 第7図は、n2=1.5+n3=1に対するθi2対θi1のプロットのグラフである。 第8図は、表面アーチファクトまたは粒子によって散乱された光の角度分布を図示する。破線は粒子によって散乱された光を表し、矢印の付いた実線は入射白色光ビームと、表面アーチファクトによる散乱光の1本のビームであり、円は前方に散乱された光の強さの包絡線である。 第9図は、顕微鏡スライド状にあり、カバーグラスで覆われた薄膜状の水の形の試料を示す。照射ビームはS1(空気−ガラス)、S2(ガラス−水),S3(水−ガラス)、S4(ガラス−空気)の4つの媒体境界面に行き当たる。粒子は表面S2上のOにあるか、表面S2上を自由に移動する。入射光は表面Sに当たる。 第10図は、上からの試料の照射を示す。Lはレンズ、Cは集光円錐である。 第11図は、プリズム配置構成を使用した照射を示す(下からの照射)。S1は光が入射するプリズム表面、S2およびS3はそれぞれプラスチック片基材の下面と上面である。 第12A図、第12B図、第12C図、第12D図および第12E図は、それぞれポアプリズム(12A)、等辺プリズム(12B)、自家製プリズム(12Cおよび12D)、および平面凸レンズを表す。 第13図は、ローダミン・プラスチック・ブロックによって見た照射光ビームを示す。 第14図は、第15図を説明する目的の表面および関連した平面を示し、S1は光透過性または光非透過性の固体基板であり、SP2は表面S1の平面上の3次元空間である。SPI平面の表面S1またはその付近に光散乱粒子または光散乱物質がある。 第15図は、様々なDLASLPD照射検出法をまとめたものである。 第16図は、被覆された直径100nmの金粒子と、被覆されていない直径100nmの金粒子の実験的に測定した散乱光の強さ対入射光波長スペクトルを示す。 第17図、第18図、第19図は、非特異的な光バックグラウンドのレベルを低減する種々の試料チャンバの設計を示す。これらの試料チャンバは、液体試料と固定化試料を両方とも検査し得る。第17図では、S1は光ビームが試料チャンバに当たる表面であり、S2は(固定化試料について)光散乱物質を含む表面である。S3は別の斜面であり、表面S1と表面S3とは、照射角度に応じて約20度から70度の角度で傾斜し、表面S1の面は光ビームがS1に垂直に対して0度の角度で当たるように角度を付けるべきである。S4は開口部があってもなくてもよい光透過性の表面であり、S5は表面S2の反対側である。チャンバが密閉されている(すなわちS4が開口部のない固体である)場合、必要に応じ、試料導入と洗浄のため小さな開口部が設けられる。 第18図は、傾斜した側面が湾曲した側面に置き換わったことを除いて第17図と同様に設計されている。他のすべては第17図と同一である。 第19図は、S1が平坦で傾斜した光透過性の表面であり、光ビームが試料チャンバに当たる。表面S1の面は、光ビームが0度の角度でS1に当たるように角度を付けるべきであり、S2は光散乱物質が固定化されている場合にその物質を含む表面であり、S3は別の湾曲もしくは傾斜した表面である。S4は密閉された試料チャンバ用の光透過性の表面である。あるいは別法として、S4は試料の導入および洗浄と検出用の種々のサイズおよび形状の開口部を有し、S5は表面S2の反対側である。チャンバが密閉されている場合、導入および/またはのため、洗浄表面の1つに小さな開口部が必要となる。 第20図は、粒子の偏光との相互作用を表わすのに使用する座標系である。光はy軸に沿って進み、z軸方向に偏光される。Dは散乱光の強さの検出器である。γは観察の方向である。θおよびψはそれぞれコア角と偏光角である。 第21図は、液体試料分析用の機器の概略図である。フィラメントないし放電灯がレンズL1に代表されるレンズ系によりモノクロメーターの入口スリット上に合焦され、モノクロメーターに存在する単色光がレンズL2により集光され、レンズL3により透明な試料キュベット(ST)上に合焦され、試料キュベットが蛍光性分子の溶液または光散乱粒子の懸濁液を含み、試料キュベットの側壁から反射された光が下方に回折して光検出器から遠ざかるように試料キュベットに角度を付けるか傾斜させ、試料により散乱もしくは放射された光が、平面Mに試料キュベットと液体内容物の拡大像を結ぶレンズ14によって集光され、液体によりキュベットの中心で放射もしくは散乱された光は光検出器に到達させるが試料キュベットの側壁により放射もしくは散乱された光は遮蔽するように平面Mに小さな開口部を配置し、液体内容物の中心のMにある拡大像が、傾斜した試料キュベットの屈折率効果により、レンズL4の光軸から移動し、それにより放射もしくは散乱された光が検出され、移動した液体中心の像が開口部と光検出器の上に位置するように光検出器と開口部がレンズL4の光軸の片側に配置され、光学フィルターおよび/または偏光子を照射光および散乱光の光路へ導入するためのホルダー(H1,H2)が設けられ、光検出器の前部に光シャッターが配置される。光検出器が小さな感光領域を有する場合、レンズL5を使用して、感光領域に向かってMで開口部を横切る光に焦点が合わされる。単色光の必要がない場合、モノクロメーターは容易に取り外すことができ、フィラメントまたは放電灯からの光をレンズL1、L2およびL3によって直接試料容器に送ることができる。 第22図、第23図、第24図は、具体的な検査キットおよび装置に結びつくPD法の概略を示す。 第25図は、装置およびアッセイの開発プロセスの概略を示す。 第26A図、B図、C図、D図、E図およびF図は、それぞれ直径10nmの球状の金、銀、アルミニウム、銅、セレニウム、ポリスチレン粒子に対する散乱光の強さの計算値対入射波長のプロフィルを示す。Lkは波長、Cscaは断面を横切る光である。 第27A図、B図、C図、D図、E図、F図は、種々のサイズの金に対する散乱光の強さの計算値対入射光の波長を示す。A、B、C、D、E、Fはそれぞれ直径10、20、40、60、80および100nmの球状金粒子に対応する。REL CSCAは相対光散乱断面積であり、WAVE,NMは波長である。 第28図は、球状の被覆された粒子の線図である。(1)は粒子表面上のポリマー、結合剤その他の物質の被覆であり、(2)はコア粒子である。 第29A図、B図、C図は、MSLP(処理が可能な光散乱粒子)混合組成粒子の線図を示す。A(1)は、(2)所望の光散乱材料で被覆された、コアの磁性材料または強誘電性材料であり、Bは、(3)磁性材料または強誘電性材料で被覆された、(4)光散乱材料のコアを示し、Cは(5)光散乱材料の(6)磁性材料または強誘電性材料との混合物を示す。 第30A図、B図、C図は、それぞれ適応可能なMLSP粒子のための二量体、四量体、またはそれよりも高次の粒子構造体を示す。(1)は光散乱の検出が可能な粒子であり、(2)は磁性粒子または強誘電性粒子である。直線(3)は粒子を互いに結合して多粒子構造体とする化学結合、イオン結合、あるいは他の結合である。
以下の略語が本明細書で使用される。
E−EMR:放射電磁放射線
I−EMR:入射電磁放射線
EMF:電磁界
SC:半導体
Sec:秒
r:蛍光量子収量
Iabs:入射光吸収(吸収光量子/秒)
Io:入射光の強さ(光量子/秒)
M:モル濃度(モル/リットル)
ml:ミリリットル
mM:ミリモル
g:グラム
mg:ミリグラム
mm:ミリメートル
μl:マイクロリットル
pI:等電点
Eまたはe:モル吸光係数(M-1cm-1
C:モル濃度(M)
X:光路長(cm)
f:蛍光の強さ(光量子/秒)
eff:粒子の散乱効率
abs:吸収断面積(cm2
CSR:粒子の物理的断面積に対する粒子の吸収断面積の比
sca:散乱断面積(cm2
CSR:粒子の物理的断面積に対する粒子の散乱断面積の比
a:粒子の半径
ext:粒子の散乱消衰断面積(cm2
I:溶液厚さXを通過した後に溶液から出る1秒あたりの光量子
N:粒子濃度(粒子/cm3
t:懸濁液の濁度
Is:散乱強さ(Scattering Intensity)(光量子/秒)
2:物質の屈折率
2Rel:n2の真の成分
2Im:n2の仮想成分
1:媒体の屈折率
m:媒体屈折率に対する粒子材料屈折率の比
o:入射光波長(nm)
RI:屈折率係数
Refmed:媒体の屈折率(n1
m:媒体の誘電率
m:媒体の屈折率
a:被覆された粒子の分極率を決定する
nm:ナノメートル
cm:センチメートル
μ:ミクロン
発明の詳細な説明
本発明は、試料中の1つ以上の分析物の検出と測定のための方法を特徴とする。この方法は、特定の組成、サイズおよび形状の、特定のタイプの粒子の使用と、この粒子の1つ以上の光散乱特性の検出および/または測定に基づく。
本発明は、従来可能であったよりも、使い方が簡単で、高い検出感度を有し、広い分析物濃度範囲にわたって分析物を測定し得る。本発明は、シグナルの増幅と標的分析物の増幅を使用する方法(例えば化学ルミネセンスやPCRなど)、蛍光標識および蛍光法、ならびに粒子に基づく従来のアッセイおよび光散乱法に対し、多くの利点を有する。この方法は融通性があり、診断学の分野ならびに他の分野に広く応用されている。この方法は、液相、混合相、固相中の各試料向けの、イムノアッセイや核酸アッセイ等の、すべてではないにせよ、ほとんどの標準的な結合対タイプのアッセイと、固相マイクロアッセイ方式で使用し得る。
明確な例示によって広い用途を説明するかわりに、当業者が、すべてではないにせよ、ほとんどの分析物検出のニーズに合うように本発明を実施し得るように、出願人は主な要素と考察を記載する。このような実施によると、具体的な装置および検査キットが得られる。
本明細書中に呈示する開示によると、当業者は本発明を多種多様な形態で実施して、所望の分析物または粒子の検出能を達成し、すべてではないにせよ、ほとんどの試料のタイプ、分析物のタイプ、診断的アッセイ方式のタイプ、および装置のタイプに適合させることが可能となる。本発明は、非常に融通性があるため、野外(実験室から離れた場所)、小さな臨床検査室または分析室、臨床、救急室、特殊な病院治療室(心臓治療室、集中治療室、外傷治療室等)、研究室などで1つ以上の分析物を検出するために、あるいは1日で多数の試料を処理する能力、実施し得る。様々なタイプの廉価な装置と検査キットを特定の分析診断の必要性に適する、ある形態または別の形態での本発明の実施により作成し得る。
種々の互いの組合せで実施すると、本発明の具体的な実施のための分析物の検出能を規定する、本発明の数種類の観点がある。これらの観点のうち2つは、(1)規定されたアッセイ方式および試料タイプで高度に測定、検出が可能な光散乱特性をもつ、特定の粒子タイプの使用と、(2)DLASLPD照射の好ましい方法による特定の粒子タイプの使用である。ある種の応用では、屈折率増強法およびDLASLPDビデオ・コントラスト増強法も使用する。
金属様の粒子の有用な光散乱特性の決定
以下は、特許請求された発明の完全な理解に役立つ情報を提供する。これらの公式は、本発明の実施と最適化に有用であるが、特許請求の範囲の先行技術と自認するものではない。
本発明の分析物検出用の新規のシグナル発生検出システムの開発において、様々な粒子タイプの種々の光散乱属性を蛍光パラメータの形で評価し得る、新しい公式を開発することが有用であることが分かった。これによると、ε、Qf、蛍光と励起の各スペクトル、放射された光の強さの観察角度依存性、放射された光の偏りの状態など(これらは以下で定義する)を検討し得る。これらの新規の公式によると、当業者は、診断的アッセイもしくは他の任意の応用で使用するときに望ましい光散乱特性を具現するために、組成、サイズ、形状などの個別の粒子パラメータを選択し得る。読者が式8から式15の新しい定式化を理解するように、式1から式7を背景情報として提示する。記載した公式または光散乱パラメータはいずれも、本特許請求の範囲に対する先行技術であることに対する自認と解するべきではない。
出願人は、サイズ、形状、組成、均一性の様々なパラメータをもつ多種多様のタイプの粒子を評価して、粒子パラメータの、どの具体的な構成によると、分析的アッセイと診断的アッセイで容易に検出、測定し得る、望ましい光散乱シグナルが得られるかを決定するために、当技術分野で知られているRayleighとMieの各光散乱理論の、ある種の修正に基づく分析法を開発した。
蛍光パラメータの定義
蛍光材料に対しては、式1によって示すように、毎秒吸収される光子の数と、吸収された光子のうち、光として再び放射される光子の数(Qf)との積によって、蛍光の強さが求められる。
abs(λ)=2.303Io(λ)e(λ)Cx (1)
式中、Io(λ)は波長λ入射光の強さ(光子/秒)であり、I(λ)は波長λのときのモル吸光係数(単位:M-1cm-1)であり、Cは蛍光体のモル濃度(単位:M)であり、xは光路長(cm)である。
入射波長λf、励起波長λeでの積算蛍光の強さI(λf)(毎秒全方向に放射される光子の合計)は(低い蛍光体濃度に対して)、
I(λf)=2.303Io(λe)Qf(λf)e(λf)Cx (2)
アッセイ応用での蛍光化合物の有用性の、列挙したパラメータによる評定は、よく知られている手順である。蛍光分子と蛍光技法の使用は、蛍光分子の光安定性と、高レベルの非特異的な蛍光、燐光、および散乱光がある試料中の特定の蛍光放射シグナルを検出する能力とによって限定されている。蛍光分子、あるいは蛍光染料で取り囲んだ粒子などの他の蛍光物質を高感度で検出するには、さらに高度な機器を使用する必要がある。
光散乱パラメーターの定義
粒子の吸収断面積(C abs
波長λの単色光ビームを照射した粒子を考える。粒子の吸収断面積Cabsは、この範囲に当たる光子が不可逆的に吸収されるように粒子を取り巻く面積(通常cm2またはμ2の単位で表す)として定義される。Cabsの値は、粒子のサイズ、組成、形状および均一性に依存する。また、この値は光の波長にも依存し、Cabsの波長に対するプロットから粒子の純粋な吸収プロフィルが得られる。組成が均一な任意の球状粒子のCabsの波長に対するプロフィルは、RayleighまたはMieの理論によって計算し得る。我々の用語では、Cabsは不可逆的光吸収と関係がある。Cabsの性質は、我々が消衰(extinction)断面積Cextを定義する以下の項を参照することによって、さらによく理解し得る。
相対吸収断面積A csr
相対吸収断面積Acsrは、粒子のCabsを粒子の物理的断面積πa2で割った比として定義され、ここでaは粒子の半径であり、すなわちAcsr=Cabs/πa2である。Acsrは、粒子を取り巻く面積に当たる光子を非可逆的に吸収する、粒子の能力の目安を提供する。Acsrは、粒子の組成、形状およびサイズと光の波長に依存して、0から6の範囲の値を有し得る。1よりも大きな値は、粒子がその物理的寸法を超えて到達し、光子をそれに引きつけ、吸収することを意味する。物理学の文献では、Acsrを粒子の吸収効率因子と呼ぶ。この命名法は、Acsrが効率に似つかわしくない、1より大きな値を持ちうるので、誤解を招きかねない。
粒子の光散乱断面積(C sca
散乱粒子によって吸収された(ここで、「吸収された」には可逆的吸収と非可逆的吸収とが含まれる)光の光子が、吸収された光子と同一の波長で再び放射される、有限の可能性がある(量子力学的な観点)。再び放射された光子は、入射光子の方向と異なった方向に放射され得る。すなわち、入射光子は吸収と再放射によって散乱される。入射波長での粒子の散乱断面積(Csca)は、その範囲に当たる光子(量子力学的な観点では、吸収され、次いで再び放射される)が散乱されるように粒子を取り巻く面積として定義される。Cscaは通常、cm2またはμ2の単位で表され、粒子の組成、形状、サイズおよび均一性と波長に依存する。光散乱プロフィルCsca対波長は、RayleighまたはMieの理論を使用して、組成が均一な任意の球状粒子に対して計算し得る。
粒子の物理的ないし幾何学的断面積に対するC sca の比(S csr
粒子のCscaを粒子の物理的ないし幾何学的断面積で割った比πa2(ここで、ここでaは粒子の半径である)によると、光子を引きつけ、吸収し、粒子を取り巻く面から再び放射する、粒子の能力に対する目安が得られる)。すなわち、Sscr=Csca/πa2である。物理学の文献では、Scsrを散乱効率因子と呼ぶ。
実験的結果と理論的結果によると、Scsrの値は、粒子の組成、形状、均一性およびサイズと光の波長に依存して、1から5以上の範囲にあり得る。1より大きなScsr値は、粒子がその物理的寸法を超えて到達し、光子をそれに引きつけ、吸収し、次いで光子を再び放射することを意味する。これが可能なのは、粒子の半径よりも大きな距離では、光子の電磁波との粒子の電気的な相互作用が起き得るからである。一般に、Scsrは粒予サイズが大きければ大きいほど大きくなる。小さな粒子(約40nm未満)に対しては、Scsrは1より小さく、それより大きな粒子に対しては、Scsrは1以上であり、それより大きな粒子に対しては5の値に達し得る。
粒子の消衰断面積(C ext
光散乱粒子の消衰断面積Cextは、散乱断面積(Csca)と粒子の吸収断面積(Cabs)の和として定義される。
ext=Csca+Cabs (3)
extは通常、cm2またはμ2で表す。
任意の粒子の消衰断面積Cextは、通常の吸収分光計により、与えられた任意の波長で即座に測定し得る。Io(光子/秒)を濃度がN粒子/cm3の粒子の懸濁液に当たる光ビームの強さとする。X(cm)は、溶液の濃さであり、I(光子/秒)は距離xを横断した後に溶液から出る光の量である。この強さは、Cextとの間に式
(λ)=I(λ)-Next(λ) x (4)
の関係がある。この式は、これらのパラメータがλに依存することを明確に示す。光検出器は散乱光を検出しないように設置されていると仮定している。
粒子が純粋な散乱体である場合、すなわちいかなる光も非可逆的に吸収しない場合、Cext=Cscaであり、上記の式は
I=Io-NC sca x (5)
=Io-tx (6)
と書かれる。
ここで、t=NCscaは、懸濁液の濁り度(turbidity)である。
モル吸光係数
化学の分野では、与えられた波長で溶液中の物質が光を吸収する強さは、M-1cm-1の単位をもつモル吸光係数eで示される(Mはモル/リットルを表わす)。この係数は、実験的に決定される吸光度と下記式の相関がある。
(λ)=e(λ)Cx (7)
出願人により開発された粒子光散乱パラメータ研究用の公式
次に、出願人は自身の理論的方法を簡単に提示する。当業者は、以下の方法を使用してサイズ、形状、および均一性の特定の粒子パラメータを評価、修正および調整して、容易に検出、測定し得る、1つ以上の望ましい光散乱特性を導き出すことができる。試料のタイプ、診断方式、および装置手段の限界に関して考慮する必要がある。例えば、1つの応用では、高い非特異的光バックグラウンドを含む固相試料について処理能力の高い検査装置によって多分析物の検出が行なわれるが、別の応用では溶液中の単一分析物の検出が医務室で行なわれる。
出願人の主な関心は、粒子のタイプを分析的アッセイおよび診断的アッセイ用に最適化することにあった。粒子は、種々の媒質中で適切な化学的安定性を付与するため、これらの応用のほとんどでポリマー、蛋白質等の高分子物質で被覆する必要がある。これは当技術分野では知られている。出願人はまた、抗体、受容体、ペプチド等の結合剤を粒子の表面に配置して、被覆された粒子を分析または診断の方式で使用し得るようにする。いくつかの応用では、この結合剤は、溶液中の粒子を安定化し、かつ分析物と結合する特異的な認識結合成分を提供する点で、二元機能を果たす。抗体のようなタンパク質による粒子の被覆はこの技術分野では既知である。しかしながら、出願人は、いくつかの場合ではサイズおよび/または形状および/または組成が類似した、様々なタイプの粒子の光散乱シグナルの1つ以上の個別のパラメータを測定することに関心があったが、被覆された粒子の1つ以上の特異的な光散乱特性の、このような光学分割能(optical resolvability)が可能であるかどうかは不明であった。
出願人は、これらのタイプの材料によって被覆されていないタイプの粒子に対しては、表面上の結合剤、非光吸収ポリマー(スペクトルの可視領域で)、または他の材料の薄い被覆が存在しても、光散乱特性は、それと気付くほどには変更されないことを物理実験と理論モデリングによって突き止めた。「薄い被覆」とは、粒子の表面を覆う、様々な量および組成の上記の材料の単分子層をいう。
出願人は、被覆された、あるいは被覆されていない粒子の懸濁液について、任意の波長で吸光度を測定することによって、その波長におけるモル吸光係数を求め得ることを突き止めた。
このとき、その波長におけるモル吸光係数は、式(7)と、粒子濃度をN(粒子/cm3)からC(M)へ変換する次式とによって計算し得る。
C(M)=1000N(粒子/cm3)/6.03×1023 (8)
モル吸光係数は、消衰断面積Cextとの間に(逆もまた同じ)式
e(M-1-1
=[Cext(cm2/粒子)6.03×1023]/2.303×1000 (9)
=2.63×1020ext(cm2/粒子) (10)
または
ext(cm2/粒子)
=2.303(M-1-1)×1000/6.03×1023 (11)
=3.82×10-21e(M-1-1) (12)
の関係がある。
式(9)または式(10)によると、Cextからeを計算し得る。
前に記載したように、粒子に対しては、消衰断面積(Cext)が散乱断面積と(Csca)と吸収断面積(Cabs)の和と等しいことが当技術分野でよく知られている。吸光係数eは、光子の入射ビームからの非可逆的な吸収ならびに散乱(吸収および再放射)による損失を反映する。後に示すように、出願人は、実験的に、あるいは計算によって、消衰断面積から値を求めた粒子のモル吸光係数を使用して、粒子の吸収能を、例えば蛍光体の吸収能と比較し得ることを突き止めた。
光散乱効率(S eff
出願人は、被覆された、もしくは被覆されていない粒子に対し、蛍光効率Qrからの類推により、粒子によって吸収された光(可逆的吸収+非可逆的吸収)のうち、散乱光として再び放射される光子の割合として、光散乱効率Seffを定義し得ることを突き止めた。数学的には、出願人は散乱効率を式
eff=Csca/Cext (13)
=Csca/(Csca+Cabs
によって定義する。
純粋な散乱体である粒子、すなわち光子を非可逆的に吸収するが、吸収して再び放射するにすぎない材料から構成される粒子に対しては、Sabsは0に等しくSeffは1に等しい。小さなポリスチレン粒子は、スペクトルの可視領域では純粋な散乱体として挙動し、これらの粒子に対しては、Seffは1に等しい。可逆的に非可逆的に光子を吸収する材料から構成されている粒子に対しては、Seffは1より小さい。金粒子は、スペクトルの可視領域で後者のタイプの挙動を示す。
粒子により散乱された光の強さ
出願人は、被覆された、もしくは被覆されていない粒子によって散乱された光の強さは、毎秒(可逆的に、および非可逆的に)吸収される光子の数と吸収された光子のうち、再び放射される光子の割合との積によって求め得る(量子力学的な観点)ことを突き止めた。光散乱強さの測定は通常、吸収される光の量、Iabs(毎秒吸収される光子)が式
Iabs=Io 2.303eCx (14)
で与えられる希薄溶液中で行なわれる。Ioは入射光の強さ(光子/秒)、εはM-1cm-1で表したときの粒子のモル吸光係数、粒子のCはモル濃度、xは単位cmの光路長である。
出願人はさらに、照射光の強さの合計Is、すなわち全光散乱角にわたって積分した強さは、式
Is=2.303Io(λ)eff(λ)(λ)Cx (15)
[式中、Io(λ)は照射光の強さである]によって与えられることに気付いている。この式は、蛍光体に対する式(2)に匹敵する。
scaとCextによって表したεとSeffに対する式を上式に挿入すると、その結果から、散乱光の強さが散乱断面積(Csca)の大きさに正比例する上、それによって完全に決定されることが分かることに注意する。これは、様々な粒子の相対散乱強さを、その散乱断面積から予測し得ることを意味する。
粒子の特異的な光散乱特性
次いで出願人は、多種多様のアッセイ方式を用いて種々の試料タイプ中の分析物を検出するのに使用し得る、最も重要な光散乱特性のいくつかを簡単にまとめる。測定した光散乱特性で検出されたものは、次のうちの1つまたはそれ以上である。散乱光の強さ、波長、色、偏光、角度依存性、およびRIFSLIW(散乱光の強さおよび/または波長の回転性個別変動)。
被覆された金属様の粒子と被覆されていない金属様の粒子とは、同様の光散乱特性を有し、両方とも、非金属様の粒子と比較して優れた光散乱特性を有する。出願人はさらに、1つまたは別の形態で、種々の試料タイプ中の金属様の粒子から光散乱属性を測定し得るように、サイズ、形状、組成、および均一性を変動させることにより、金属様の粒子における光散乱特性のタイプを調整することが従来よりも簡単であることを突き止めた。
金属様の粒子を極めて高い感度で検出し得る。個々の粒子は、廉価で使い方が簡単な装置により、DLASLPD照射検出法を用いて、単一粒子の限界まで測定される。
DLASLPDタイプの照射検出法による白色光ないし同様の広帯域照射の下で色を測定することにより、1つ以上の金属様の粒子が試料中で検出される。例えば、直径が40nm,60nm,80nmのほぼ球状の金の粒子(例えば結合剤で被覆したもの、分析物と結合したもの、溶液中に放出されたもの、もしくは固相と結合したものなど)と、直径約30nmの銀の粒子は、各粒子の散乱光の個々の固有色によって各粒子のタイプを確認し、かつ強さを測定することによって試料中で容易に検出、定量し得る。これは、マイクロタイターのウェルやマイクロアレイ・チップなどの固相上で、あるいは溶液中で行ない得る。溶液中での測定は、固相方式の場合のようには粒子が空間的に識別されないため、それよりも複雑である。例えば、スペクトルの様々な波長または色の領域を測定するように設置した一連の検出器を通り過ぎるように溶液を流すことにより、溶液中の様々なタイプの粒子を検出することができ、これらの様々な波長における強さが測定される。別法として、フロー・システムの有無に関わらず、一連の様々な照射波長および/または検出を使用して様々な粒子のタイプを検出し得る。
固相の分析的応用に対して、粒子の濃度によっては、粒子計数法から積分光強度測定(integrated light intensity measurements)に切り替えることにより、極めて広範囲の濃度の金属様の粒子を検出し得る。極めて低い粒子密度から極めて高い粒子密度までにわたって粒子を検出し得る。
他のアッセイ的応用では、pH、イオン強度、または他の液体特性を調整することにより、ビーズ、ウェル底部などの表面等の固体基材と結合した粒子を溶液中に放出させ得る。屈折率が高めの液を添加することが可能であり、そうすれば粒子の光散乱特性が溶液中で測定される。同様に、光散乱特性を測定する前に、種々の手段によって溶液中の粒子を濃縮して小量もしくは小さな面積とし得る。ここでも、測定する前に屈折率が高めの液を添加することが可能である。
理論的な評価と物理学実験の両方によると、直径が上は約120nmまでであって幾分大きめの、任意の組成の球状の粒子に対し、割合の粒子によって散乱された光が、散乱光前方の強度包絡線の外側に放射される(第8図参照)。出願人は、散乱光前方の強度包絡線外の角度での散乱光の検出および測定が、光ビームと他の光散乱性の構成部品と検査対象物からの非特異的な散乱光をかなり低減することに対応することを突き止めた。これは、多くの試料に対して、特異的な光散乱シグナル/非特異的な光散乱シグナルの比をかなり上昇させる。
様々な方向にある粒子によって散乱される光の強さと散乱光の偏りの状態とは、波長と入射光の偏りとに依存し、また粒子のサイズ、形状および均一性に依存する。以下で我々は、ある種のタイプの粒子によって様々な方向に放射された光の強さと偏りの状態に関する最も重要な事実のいくつかをまとめる。
球状の形状の小さめの(小さめのとは、光の波長と比較して約1/20以下をいう)粒子は、同位体双極性の散乱体または放射体として振舞う、すなわち光が大きく偏っている。これは、通常は直線双極性放射体として振舞う蛍光分子にとって極めて異様である。例えば、このような粒子は、偏っていない光を照射すると、φ=0、θ=90(図20参照)の方向へ散乱された光は、100%直線偏光である(P=1)。この特性によると、多種多様なタイプの試料において、光散乱特性を特異性と感度が蛍光分子のものよりも高い、分析物の検出が可能となる。
さらに大きな(光の波長の1/20より大の)粒子では、サイズが大きくなるに従って偏光度Pが小さくなり、波長依存性も高くなる、ある範囲の粒子サイズが存在する。粒子が非常に大きくなるに従い、θ=0、φ=90°の方向で偏光度が0に近づく。偏光の変化が最も大きくなる、すなわち偏光度対サイズの傾きが最大となる、あるサイズの範囲が存在するらしい。この傾きが変化する領域は、ある種の分析的応用で、例えば、試料中の1つ以上の分析物を検出、測定するアグルチネーション凝集(agglutination)またはアグリゲーション凝集(aggregation)のタイプのアッセイなどで使用される。
例えば、第20図を参照すると、直径約200nmないし約1.2ミクロンなどの、あるサイズ範囲の大きめの球状の粒子に対して、(単色入射光について)θ=0に対し、角度φが−90°から90°までの間で変化するにつれて、1ないし0の相対値の間で光の強さが変動する(oscillates)。すなわち、散乱光を水平面内(θ=0)で見る場合、眼がθ=90°から−90°まで動くに連れて、光の強さが明から暗まで変動する。白色光を照射すると、この光は、眼がθ=90°から−90°まで動くに連れて色を変える。すなわち、粒子は回折格子として振舞う。このような光散乱特性は、多種多様のタイプの試料中の1つ以上の分析物を、より特異的に、より高い感度まで検出するのに極めて有用である。
小さな非球状の粒子は、粒子の長軸に沿った吸収および放出のモーメントをもつ、やや直線双極性の散乱体として振舞う。出願人は、DLASLPDの照射および検出条件の下で、通常の光学顕微鏡によって以下を観察した。
照射光が直線的に偏っている場合、非球状の粒子は、回転するに連れてちらつく。粒子は、その配向が、その長軸が偏光の方向に配向するようにしたときに最も強く、モーメントがこの方向と直角のときに最小となる。これに対し、小さな球状の粒子は、偏光を照射してもちらつかない。ある組成の非球状の粒子に対し、散乱光の色は(白色光を照射すると)非対称度に応じて変化する。非対称性が大きくなるに従い、色はより長波長の方向へシフトする。例えば、通常の光学顕微鏡により、DLASLPD様の条件下で観察したところ、粒子が溶液中で回転するに従って銀の非対称粒子が色を変えるのが出願人によって観察された。出願人によって「RIFSLIW」(散乱光の強さおよび/または波長の回転性個別変動)と命名されたこの特性は、本発明の多種多様の観点において、試料中の1つ以上の分析物を、より特異的に、より高感度に検出または測定するのに使用される。
出願人はまた、金属様の材料から作成された粒子と、非金属様の材料および金属様の材料から作成された粒子との、ある種の混合組成物が、追加の光散乱特性および/または追加の物理特性に対応することをも突き止めた。これらの特性には、起電力(EMF)場を印可することによって粒子を操る能力などが含まれる。粒子のこの特性は、本発明の1つ以上の観点の粒子について、多種多様の様式で使用し得る。次いで出願人は、粒子依存性の光散乱特性と、試料中の1つ以上の分析物を検出するための、これらの特性の使用とに関し、さらなる例示的な考察を提供する。
先ず、様々なサイズと組成の、均一な球状の粒子によって本発明を説明することが有用であろう。しかしながら、本発明の基本的な観点は、当業者なら突き止め得るように、非球状の粒子に対しても適用し得る。さらに、本発明を300nmないし700nmの入射光の波長によって説明することも有用であろう。しかしながら、本発明の基本的な観点は、ほぼすべての波長の電磁放射に対しても適用し得る。「光」とは、紫外線、可視光線、近赤外線、赤外線、およびマイクロ波の周波の電磁放射線をいう。種々のタイプの非金属様の粒子を代表させるため、ポリスチレン粒子を使用して本発明を説明することは、さらに有用であろう。他の非金属様の粒子のタイプとしては、ガラスその他の多くのポリマー化合物から構成されるものなどがある。このような粒子は、ポリスチレンとほぼ同様の光散乱特性を有する。
同一の強さと波長の入射光を照射した様々な粒子からの散乱光の相対的な強さは、それらのCscaを比較することにより、直接比較し得る。Cscaが高ければ高いほど、散乱力(光散乱の強さ)が強くなる。以下の項で、我々は「散乱力」の語をCscaないし散乱光の強さを意味するものとして使用する。
我々は、300ないし700ナノメートル(nm)の範囲を超えた入射波長に対して、水中の、サイズが均等で組成の異なった小さい球状の粒子の散乱力を計算した。これらの計算では、標準的なハンドブック中に真空中の様々なバルク材料に対して表にしてある屈折率対波長の値を使用した。
いくつかの粒子組成に対し、散乱力は300から700nmまで連続的に低下するが、その一方で、他の組成に対しては、散乱力対波長のプロフィルはピークまたはバンドを示す。これらのピークまたはバンドがスペクトルの可視領域にあると、入射光が白色光である場合、粒子によって散乱された光は発色する。
例示的な目的で、我々は以下の表のいくつかで、様々なタイプの直径10nmの粒子の光散乱特性の種々の比較を示す。これらの10nmの粒子に対して示される、散乱光の相対的な振幅および波長一般的な傾向は通常、上は約100nmまでの大きめの粒子について同一である。例えば、表1の計算は、直径10ナノメートルの粒子に対して行なった。しかしながら、小さな粒子(光の波長の約1/20)に対し、光散乱の強さ対波長のプロフィルは、小さな粒子の限界にとどまる限り、粒子サイズが大きくなっても形状は変化しない。粒子のサイズが大きくなることによる見かけの効果は、プロフィルのグラフの幅を大きくすることである。小さな粒子の散乱力が半径の6乗で強くなることが理論物理学と光散乱の技術分野でよく知られている。直径10nmの粒子に対して得られる値から、直径10nmの粒子の光散乱力に(d/10)6(ここでdの単位はnmである)を掛けることにより、直径dの任意の小さな粒子の相対的な散乱力を当業者なら計算し得る。この方法は、当業者なら、分析物の存在を検出するために粒子の散乱光の強さが使用される、種々の診断的アッセイの応用において、ある種の粒子の有用性を求めるために使用し得る。
我々の理論的、物理学的実験から、我々は、この一般的な関係がまた、Rayleigh限界の範囲外の、より大きな粒子、すなわち直径が約30nmより大きな粒子ににも適用し得ることを見出して驚嘆した。
表1に、粒子が光を最も強く散乱する可視領域におけるCscaの計算値(光散乱力)と、その相対的な波長の近似値を提示する。表1のデータによると、金属様の粒子は、例えばポリスチレン粒子よりもはるかに強力な光散乱体であることが示唆される。
第26図に、ある種のタイプの10nmの球状の粒子に対する、光散乱強度対波長のプロフィルの選択された計算値を示す。金または銀から構成される小さな粒予は、可視波長領域で極めて顕著な散乱ピークと吸収ピークを示し、その一方で銅の粒子は、この領域で小さな散乱ピークと吸収ピークを示す。金と銀によって散乱された光の極大は、それぞれ約530nmと380nmで起きる。光散乱の極大から遠く外れた入射光波長でも、金、銀、および他の金属様の粒子の光散乱力は、同じサイズの非金属様のポリスチレン粒子よりもずっと強い。
表2に、入射(照射)波長がずっと長い波長の方向へシフトしたときの、直径10nmの金属様の粒子とポリスチレン(非金属様の)光散乱力(Csca)の計算値を示す。多種多様の分析物および診断的アッセイでは、より長波長で作業することが好ましい。表2に、分析法または診断法への応用に対し、当業者がずっと長い波長で照射波長を使用し得ることと、金属様の粒子が、例えばポリスチレンなどの非金属様の粒子よりもずっと優れていることを示す。例えば、金粒子に対する530nmの光散乱の極大からはるかに外れた波長である、入射光波長700nmでは、このデータによると、金粒子の散乱光の強さは、同様のサイズと形状のポリスチレン粒子の約220倍である。我々は、スペクトルの可視波長領域にわたって、金属様の粒子の光散乱力(強さ)が非金属様の粒子よりもずっと大きいことを実験で実際に観察した。
これらの結果から、金属様の粒子は、サイズと形状が匹敵する非金属様の粒子よりもずっと大きな光散乱力を有し、シグナル発生検出システムが望ましい、ほとんどの分野での使用に対して、分析、診断の追跡子として広く応用し得ることが示唆される。例えば、分析物の有無を検出するように設計された任意のアッセイでも、粒子からの散乱光を検出することによって応用し得る。
表1
Figure 2009236921
表2
Figure 2009236921
表3は、直径が異なる球形の金粒子についてのモル10進(decadic)吸光係数(ε)の計算値と実験的に測定して求めた値との比較を示すものである。
本発明者は最大値の波長におけるε値を前記の表現を用いて計算した。測定ε値は、光の吸収を、標準的な分光光度計で、計算された最大吸収波長において測定することにより得られた。計算で求めたε値と実験的に測定して求めたε値との間の一致は、完全ではないが、極めて良好である。観察結果と結果結果との間に認められる約2倍の相違は金粒子の規定直径が不正確であったことを反映している可能性がある。実験法の詳細は実施例の部分に与えられる。
表3
Figure 2009236921
入射光の可視波長において、金属様粒子の光散乱力(即ち、CSCA)はポリスチレンのような比較用の非金属様粒子のそれよりはるかに大きい。金属様粒子の光散乱性と非金属様粒子の光散乱性との間のもう1つの重要な相違は、金属様粒子の場合、同じ組成を持つが、サイズが様々である金属様粒子の散乱光強度−対−入射光波長の分布が全く異なっていてもよいと言うことである。これは非金属様粒子とは対照的な点であって、非金属様粒子の場合は、直径約10nm乃至数百nmのサイズ範囲でその分布は同じである。これらの相違は、各種試料中の金属様粒子をより明確にかつより敏感に検出するのに極めて有用である。銀、金、銅及びアルミニウムの色々な直径の粒子で最大の光散乱が起こる入射波長を表4に示す。
図16は、ポリエチレン化合物(MW=20,000)により被覆したものとポリエチレン化合物なしの、直径100nmのほぼ球状の金粒子についての、実験的に測定した散乱光強度対入射光波長のプロファイルである。データは、被覆したまたは被覆していない直径100nmの金粒子の波長依存性光散乱強度特性が非常に類似していることを示す。
図27は、直径を変えた球状金粒子の、散乱光強度対入射光波長スペクトルのプロファイルの計算値を示す。金粒子のサイズが増加するにしたがって、散乱光強度ピークの波長はより長い波長にシフトする。直径40、60、80、100nmの被覆したまたは被覆していない金粒子のこれらの光散乱特性を直接観察した。これらは、溶液中で白色光源で照射したときに、またはDLASLPD照射法を用いる光学顕微鏡下で、緑色、黄緑色、橙色、および赤橙色の粒子として見える。小さい球状銀粒子は青色に見える。したがって、種々の種類の結合剤で被覆した金属様粒子を、分析的アッセイにおいて多くの方法で用いることができる。種々の種類の金属様粒子の散乱光の色特性により、多数分析物の可視検出が可能となる。例えば、それぞれ異なる種類の結合剤で被覆した直径40、60、80および100nmの球状金粒子および直径20nmの銀粒子を同じ試料中で用いて、試料中の5つの異なる分析物を検出することができる。一つのフォーマットにおいては、5つの異なる種類の細胞表面レセプター、または細胞表面に存在する他の表面構成物を検出し可視化することができる。これは、細胞の表面に結合した、異なるように被覆された粒子の散乱光色を、白色光照射で光学顕微鏡を用いてDLASLPD条件で検出することにより可能である。分析物の数および種類は、検出された緑色、黄色、橙色、赤色および青色の粒子の数により識別される。同様に、染色体および遺伝分析、例えばインサイチオ(in situ)ハイブリダイゼーション等もまた、上述した方法を用いて、異なる種類の金属様粒子を「染色体塗料」として用いて、試料中の異なる種類の核酸配列、核酸結合蛋白質、および他の同様の分析物を、異なる種類の金属様粒子の散乱光の色により識別することにより行うことができる。これらの例は、例証として提供されるものであり、当業者は、異なる種類の金属様粒子の散乱光の色を、単一または多数分析物の検出のための多くの異なるアッセイフォーマットにおいて用いうることを認識するであろう。
したがって、特定の種類の球状金属様粒子のサイズを調節することは、その散乱光の色および/または他の特性を用いることにより種々の試料における検出可能性を高める有用な方法である。白色光源を用いることにより、2つまたはそれ以上の異なる種類の粒子を非常に低い濃度まで容易に検出することができる。
表5は、金粒子サイズの適度の増加が、粒子の光散乱力(light scattering power)(Csca)を大きく増加させることを示す。最大Cscaのための入射波長は、粒子サイズにしたがって顕著に増加し、散乱光強度の大きさは顕著に増加する。例えば、直径40nm、100nmおよび140nmの金粒子について、最大Cscaのための入射波長は、それぞれ約535nm、575nmおよび635nmである。白色光により照射したとき、40nmの金粒子は約535nmの波長を強くかつ選択的に散乱し、粒子は緑色に見えるが、100nmの粒子は赤橙色に見え、140nmの粒予は赤色に見える。これはさらに、白色光で照射したとき、同一の組成であるが異なるサイズのある種の金属様粒子を、同じ試料中で散乱光の色により互いに区別しうることを示す。散乱光強度の相対的な大きさを測定し、散乱光の色または波長依存性とともに使用して、高い非特異的光バックグラウンドを有する試料中においてさえも、同じ試料中で異なる粒子をより特異的にかつ高い感度で検出することができる。
これに対し、非金属様粒子については、これらの粒子はこのような特定の種類の光散乱特性を有さず、したがって、ほとんどの種類の試料媒体中において、非金属粒子を検出することは金属様粒子と比較してより困難である。
表4
Figure 2009236921
表5
Figure 2009236921
入射光の光路に対して直角方向における光散乱強度を比較することによって、同等の形状及び寸法であるが異なる組成の粒子の相対的な光散乱力を実験的に直接比較することができる。本発明者らは、入射光の光路に対して直角方向における散乱光を測定するような設計で本発明者らが作成し、他の文献においても記載している光散乱装置を用いて、同等の寸法及び形状の金及びポリスチレン粒子の相対的な光散乱力を実験的に比較した。表6は、両方の粒子のタイプを同等の入射可視波長において比較すると、金からなる粒子の実験的に測定された散乱力は、ポリスチレンからなる粒子の散乱力よりも遥かに大きいことを示す。表6の実験的に測定された値は、算出された値よりも2又は3のファクターで低い。この違いのより大きな部分は、算出された値に対して、金粒子の実験的に測定されたモル吸光係数について約2倍低い値が得られたことに帰することができる(表3参照)。更に、粒径においてある程度の不確実性がある(例えば、ポリスチレン粒子の調製は21nm±1.5nmであり、実際の寸法は、約1.5nm大きいか又は小さい可能性がある)。この不確実性により、定量値が、ポリスチレン及び金粒子の両方に関してより不確実なものになるが、相対的な光散乱力に関する基本的な結論は変わらない。最も大きな不確実性のレベルにおいても、表6は、最小で、金粒子の散乱力は、同等の寸法及び形状のポリスチレン粒子のものよりも100〜200倍大きいことを示している。
表7において、可視光の異なる波長における、同等の寸法及び形状の球状の金及びポリスチレン粒子の相対的な光散乱力を比較する。表7は、最大光散乱強度の波長から遥かに離れた光波長においても、金粒子の光散乱力は、同等の寸法及び形状のポリスチレン粒子のものよりも遥かに大きいことを示す。これらの実験結果は、本発明者らの算出結果と合致するものである(表2参照)。
表8は、白色入射光照明条件を用いた場合、球状の金粒子の実験的に測定された光散乱力は、同等のポリスチレン粒子のものよりも遥かに大きいことを示す。
全体的に、本発明者らの算出した結果とここで示される実験的に測定された結果との一致は、極めて良好である。これにより、潜在的に有用な粒子材料及び組成を同定するために且つかかる粒子の光散乱特製の有用性を評価するために算出結果及び算出法を用いることが確認される。多色及び/又は単色光、定常状態及び/又はパルス光、並びにコヒーレント光又は非コヒーレント光を生成する光源の殆どのタイプを、照明のために用いることができる。本発明者らの結果によって、同等の寸法及び形状の非金属様粒子と比較して、より明確で強い光散乱信号を金属様粒子から得ることができることが示される。本発明者らの結果によって、本発明は、従来可能であったよりも、より少ない量の粒子を検出し、より少ないか又はより多い量の粒子をより特定して検出する手段を提供することが示される。
表6
Figure 2009236921
表7
Figure 2009236921
表8
Figure 2009236921
螢光と比較した粒子の光発生力
螢光は、現在、分析物の存在又は不存在を検出するためにデザインされた多くのアッセイに用いられている。
フルオレセインは、最も良く理解されかつ最も広く使用されている螢光化合物である。できるだけ微量のフルオレセイン分子を検出しようと、多くの研究が行われてきた。フルオレセインは、高いモル吸光係数(約6×104-1cm-1)を有し、約0.8の非常に高い螢光量子収率を有する。
表9は、一定の粒子のシグナル発生力の計算値をフルオレセインと比較したものである。明らかに、単独の金又は銀の粒子が、単独のフルオレセイン分子よりもずっと強い光源である。理想的条件下で適切な光学フィルターを用いると、良好な螢光計では、約10-10M〜10-11Mの低い濃度のフルオレセインを検出することができる。表9に示した比較は、この同じ螢光計で、約10-15M〜10-16Mの低い濃度の60nm金粒子を検出できる筈であることを示している。本発明者らは、これら知見を実験的に証明した。
表9は、単独の60nm金粒子からの全散乱光出力が約350,000のフルオレセイン分子の出力に等しいことを示している。1個のフルオレセイン分子は光学顕微鏡で直接見ることはできないが、個々の金属様粒子を、多くの異なるタイプのサンプル及びアッセイ形式で、直接見ることはできる。粒子から散乱した光が目又は光検出器によって最大限に可視化又は測定されるような角度で光をサンプルに向ける。本発明者らが分析及び診断用途での使用のために1つの形態又は他の形態において開発したこの広く適用可能な照射及び検出方法は、DLASLPD(direct light angled for scattered light of particle only to be detected;検出すべき粒子の散乱光だけのために角度を合わせた直接光)と呼ばれる。これら方法は、ほかでより詳細に説明されている。これは、単独の粒子の検出を可能にし、そして、画像分析、光子相関分光分析、光学顕微鏡及び他の方法を包含する粒子計数法によるそのような粒子の定量を可能にする。対照的に、DLASLPD法を用いる光学顕微鏡では、非常に大きな粒子のポリスチレンしか見えない。
表10は、白色光照射を用いて実験的に測定した種々の大きさのフルオレセイン及び金の粒子の相対的シグナル発生力を比較した結果を示すものである。これら結果は、表8に示した結果と類似しており、金粒子の光発生力がフルオレセイン分子よりもずっと大きいことを示している。例えば、39.9nm及び59.6nmの直径の金粒子は、白色光を照射したときに、それぞれ約2×104及び約2.3×105のフルオレセイン分子により与えられる光度と等しい光度を発する。
白色光を照射された金粒子により発せられる散乱光は、入射白色光中に存在する全ての波長から構成されるが、いずれかの特定の波長で散乱する光の効率は、1又はそれを越えるバンドの散乱光波長がより強く散乱できるように変動する。白色入射光を用いるときに得られる現実の波長組成及び散乱光波長vs散乱光光度プロフィールは、用いられる光源のタイプ及び光検出の方法を包含する多くの変数に依存する。表10の結果は、2,800°ケルビンの色温度の白熱光源で得られたものであり、そして、その光をサンプルに通す前に赤外成分を少なくするため簡単なフィルターに通した。散乱光光度は、標準的な光電子倍増管で測定した。表10の結果は、光電管又は光源の特性について補正されていない。そのような補正は、ここでなされる結論に影響を及ぼさないであろう。
表9
Figure 2009236921
フルオレセイン及び異なるサイズのおおよそ球形の金粒子の、単色入射光で照らしたときの相対的信号発生力の測定の結果を表11に示す。フルオレセインの試料は入射波長(490nm)の単色光で照らされ、そして生じた放射光は単色でも偏光されてもいなく、そしてフルオレセイン放射の波長特性を含んでいた。異なるサイズの球形金粒子は、入射光の最大散乱が起こる入射波長の単色光で照らされ、そして生じた散乱光は、粒子のサイズに依存して、完全または部分的のいずれかに偏光されていた。
表10
Figure 2009236921
表11
Figure 2009236921
表11は、入射単色光で照らされた種々のサイズの個々の金粒子から生じた散乱光信号強度が、単一のフルオレセイン分子からの光信号強度に対してはるかに強いことを示す。これらの結果はさらに、例えば入射単色光で照らされたときの金粒子のように個々の金属様粒子が非常に低い濃度まで検出できることも示す。そのような検出力は、診断検査及び分析用途における極端に感度の高い光散乱標識のような適切な検出法と共にそのような粒子を使用することのために極めて有用である。
例えば内部に組み込まれた数百〜数千の高度に蛍光性の分子を有するポリスチレンのような非金属様粒子は本技術において周知である。そのような粒子の例は110nmの直径の粒子で、その中にそれぞれ490nm及び515nmの励起及び放射最大波長(これはフルオレセインに類似している)を有する蛍光化合物が組み入れられたものである。各粒子は平均4400の高度に蛍光性の分子を含んでおり、そしてそのような粒子の体積は約7×10-16cm3であり、そしてその粒子内の蛍光分子濃度は約10-5Mである。表12は110nm直径ポリスチレン、多くの高度に蛍光性の化合物分子が負荷されたポリスチレン粒子及び100nm直径の金粒子の、光発生力についての試験的に測定された結果を示す。これらの光発生力を、同じ光発生力を与えるフルオレセインの溶液と直接比較した。110nmのポリスチレン粒子単独からの全散乱光が約12000のフルオレセイン分子からの光信号に等しいことに注目することが興味ぶかい。ポリスチレン粒子中の蛍光分子の存在は全光信号を粒子の約1.5倍増すだけである。この粒子からの蛍光信号は、試料と検出器との間に、入射光波長を排除しかつ蛍光放射の波長特性を通過させる適切なフィルターを使用することによって光散乱信号から分離できる。そのようなフィルターは約3000のフルオレセイン分子と等しい、この粒子が生み出す蛍光信号強度を生じる。100nmの直径の金粒子は明らかに、これらの粒子に比較して放射光発生力においてはるかに優れていた。
表12
Figure 2009236921
混合した組成粒子
混合した組成の球形粒子を、種々の診断および分析用途にそれらが利用できるかを評価するために理論的および物理学的実験により評価した。理論的評価については、種々の厚さの銀で被覆した金の「コア」粒子および種々の厚さの金またはポリスチレンで被覆した銀コア粒子を検討した。「コア」という用語の意味は球形粒子を言い、その上に異なる光散乱物質の追加の層または厚さを配し、その結果、一定割合の混合した組成をもたらす。直接の物理学的実験は、混合組成から構成される粒子についてなされ、ここで、銀の追加の厚さが直径16nmのコア金粒子に加えられた。これらの例証例では、金および銀が金属様物質の代表例であり、ポリスチレンが非金属様物質の代表例である。これらの例は、一以上の異なる金属様物質および/または非金属様物質の混合物から構成される粒子を含む多くの異なる可能性のある組み合わせのうちのほんの少しである。
上記例証例の光散乱特性についての計算結果を表13および14に示す。表13のセクションAは、金のコア上に銀被覆の割合を徐々に増加させるような構成とした一連の直径10nm粒子について、光散乱特性が純金粒子に一層類似する特性に徐々に変化することを示す。最も重要なことは、一定割合の銀被覆金粒子が、このおおまかな寸法の純金粒子と純銀粒子の特性のものに接近した入射波長において二種類の強い最大光散乱を示すことがこれらの計算および物理学的実験により観察されたことである。
白色光照明を使用するDLASLPD条件下で単一光の顕微鏡を用いた直径16nmの銀で被覆した金粒子の直接実験観察は、純金粒子調製物または純銀粒子調製物では以前見られなかった新しい色の散乱光がこれらの粒子から観察されたことを示す。これらの粒子の多くは明るい紫色〜赤紫色の散乱光を示した。
表13のセクションBは、直径10nm金球体に種々の厚さの銀で被覆した構成の混合組成粒子についての計算結果の比較を示す。この結果は、金に対する銀の割合の変化に応じて、これらの混合組成の光散乱特性について、表13セクションAで見られたと同様の傾向を示す。追加の計算(表14)では、銀コア粒子が種々の厚さの金で被覆された場合、光散乱特性は、表13に示されている金と銀の割合の変化に応じてそれらの変化に同様の傾向を示す。
表13
Figure 2009236921
理論的および物理的実験の組み合わせから次のように決定した。金属様物質の一定混合組成、例えば、金および銀の混合組成から構成される粒子について、多くの異なる試料のタイプにおいてそして特異的診断および分析用途に有用である新規な光散乱特性が発現する。高い光散乱強度の二以上の光学的に別個の解像可能な波長をもつ粒子は、金属様物質の組成を変化させることにより製造できる。
対照的に、非金属様物質と金属様物質との混合組成から構成される粒子は、概して、金属様物質に対して非金属様物質が等しいかより少ない割合の金属様物質に類似の光散乱特性を示す。金属様物質に対する非金属様物質の割合が非常に高いときにおいてのみ、表14セクションBの結果が示すように、混合組成粒子の光散乱特性が非金属用物質のそれに似ている。
混合銀−金組成および銀−ポリスチレン組成の双方とも、純金属様物質から構成される粒子の特性である高い光散乱力および可視波長散乱バンドを示す。一定の混合組成の粒子は、散乱強度ピークの一方または双方から、およびまたはこれらの混合組成タイプの粒子の色(一色または複数色)より散乱光を特異的に検出することにより検出できる。このような混合組成タイプの粒子は、より少ない量の粒子を検出する能力を、より詳細には、以前可能であったよりもより少ない量の粒子およびより大きな量の粒子を検出する能力を増強する。
非対称粒子
光線を基準とした非対称粒子の物理的配向は、付加的な散乱光の性質をこれらの粒子の検出に用いることを可能にする。RIFSLIWの性質を本発明の多くの異なる態様に用いて、試料中の一つ以上の分析物又は粒子をより特異的にかつより敏感に検出し及び/又は測定することができる。例えば、散乱光の強度の不安定さ及び/又は色の変化は、どの粒子が表面に結合し、どの粒子が結合しないかを知るための付加的な検出手段を与える。これは非分離式分析(同種)の開発を可能にする。必要であることの全ては、変動しない及び/又は色を変化させない粒子を粒子計数、強度測定等によって検出することである。溶液中の非結合粒子は変動し及び/又は色を変化させるが、表面に結合した粒子は変動しない及び/又は色を変化させない。例えばビデオレコーダーのような、付加的な画像処理手段が非対称粒子と球状粒子(対称粒子)に対して付加的な検出手段を用いることを可能にする。例えば、分離又は非分離フォーマットのいずれかにおいて、結合粒子は、集光レンズの焦点を表面に合わせて、ある時間にわたって一定である単位面積当たりの散乱光シグナルのみを記録することによって検出される。ブラウン運動又は他の種類の運動を経験する溶液中の自由粒子が、これらの粒子に対する単位面積当たり単位時間当たりの可変散乱光強度を生じる。結合した光散乱粒子は空間に固定され、運動しない。画像処理法を用いて、"運動"光散乱粒子を"結合"光散乱粒子から分離することによって、結合粒子量を測定し、試料中の分析物の量に相関させる。当業者は、表面に結合した粒子と、溶液中の非結合球状又は非対称粒子とを区別するために用いることができる多くの他の画像処理方法が存在することを理解するであろう。
光散乱粒子に関連しない付加的な物理的特性を与えるための、粒子の表面又はコアへの他の物質の添加
ある一定の用途では、ある一定の種類の組成物を用いて、粒子の表面に"コート"することが、粒子をさらに化学的に安定化するために、又は分析的な診断アッセイへの特定の用途に非常に重要でありうる付加的な表面結合特性を加えるために有用でありうる。例えば、銀が迅速に酸化することは周知である。銀粒子又は、銀を含有する混合組成物の粒子の使用に関して、銀がその化学的安定性に環境の影響をもはや受けないように金又は他の物質の薄い被膜を表面に与えることによって、銀含有粒子を化学的に安定化させることができる。
他の例では、例えば、特異的に結合した結合剤を含有するポリマー又は結合剤を取り付けるために有用な他の物質又は粒子に対する結合剤自体のような、他の物質によって表面を被覆することを望むことができる。これらの例の各々において、これらの"薄い"被膜はコア物質の光散乱特性を有意に変化させることはない。"薄い"被膜とは、粒子の表面上の単層又は同様な種類の被膜を意味する。
操作可能な光散乱粒子(MLSP)は、1種類以上の望ましい光散乱特性を有する他に、これらの粒子はEMPの施用によって一次元、二次元又は三次元空間において操作されることもできる粒子である。MLSP粒子は多くの種々な方法によって製造することができる。例えば、小直径"コア"強誘電性、磁性又は同様な物質を望ましい光散乱特性を有する、非常に大きな割合の物質で被覆することによってMLSP粒子を製造する、例えば、磁性又は強誘電性物質の10nm直径コアを50、70又は100nm直径粒子を製造するために充分な金で被覆する。これは図29Aに示す。
このような粒子を製造する他の方法は、望ましい光散乱特性を有する物質を磁性又は強誘電性物質の薄い被膜で被覆することである。例えば、約50nmの金又は銀粒子を磁性又は強誘電性物質の1〜2nm厚さの被膜で被覆する。これは図29Aに示す。
或いは、適当な割合の光散乱性の望ましい物質と強誘電性又は磁性物質とを、粒子が形成されるときに、適当な割合の光散乱性の望ましい物質の、粒子当たりの強誘電性又は磁性物質に対する比率が得られるように、混合することによってMLSP粒子を製造する。これは図29Cに示す。
上記MLSP粒子の代替えは、望ましい光散乱特性を有する1種類以上の粒子を、EMFによって運動させられうる1個以上の粒子と連結させる又はアセンブルさせることである。この場合に、このような多重粒子構造体はMLSPと同様な性質を有することができる。例えば、磁性又は強誘電性物質の小粒子を、その光散乱特性が検出される1個以上の粒子に結合させる。この結合は、安定な多重粒子構造体を生じるイオン的、化学的又は他の手段によっておこなわれる。例えば、適当な割合で混合したときに、異なる種類の個別粒子が一緒に架橋することによって、個別の多重粒子構造体の明確な分布が得られるように、異なる粒子を適当なポリマーで被覆する。粒子を一緒に連結させて、望ましい多重粒子構造体を得るための多くの種々な方法が存在する。例示のために、若干の可能な多重粒子構造体を図30に示す。図30A、B及びCは、それぞれ、配向可能なMLSP粒子のダイマー、テトラマー及びより高次の粒子構築体を示す。当業者は、これらが可能な多くの異なる種類の多重粒子構造体の若干例にすぎず、このような構造体を製造するための非常に多くの方法が存在することを理解するであろう。
1種類以上の物質の混合物から成る粒子のこれらの例は、可能である種々な物質の非常に多くの異なる組成物の若干例にすぎず、このことは当業者に自明であろう。
粒度と形状の均一性
粒子の光散乱特性の検出方法に依存して、粒子集団における粒度の大体の大きさと分布は特に重要であると考えられる。例として、商業的に入手可能な金粒子製剤の多くは約<10〜約<20%あたりの変動係数の粒度分布を見積もっている。%変動係数は、粒子製剤の平均値によって分割された粒度分布の標準偏差として定義される。したがって、20%の変動係数を有する60nm粒子製剤に関して、1つの標準偏差単位は約±12nmである。これは、粒子の約10%が48nmより小さいか又は72nmより大きいことを意味する。寸法のこのような変動は散乱光の強度と散乱光の色とに、製剤中の粒子の大体の"平均"寸法に依存して有意な影響を及ぼす。
本発明者等は、商業的に入手可能な粒子よりも狭い粒度分布を与えるように思われる粒子成長方法を開発した。この方法は最初に"種子"金粒子の製剤を製造して、次に、この"種子"金粒子製剤を用いて、化学的方法によって異なる寸法の金粒子(実施例11と15参照)又は銀粒子(実施例13参照)を"成長させる"。例えば、16nm直径金粒子を"種子"粒子として用いて、適当な試薬を加えることによって、より大きい直径の金粒子を製造する(実施例15参照)。この方法は混合組成粒子を製造するためにも非常に有用である。
粒子均一性−個々の粒子の散乱光の色による分析物の検出
ある一定の用途では、個々の粒子の色を用いて、特定の種類の分析物を同定し、定量する。例えば、画像サイトメトリー用途では、細胞表面に付着した種々な種類の粒子の数と色とを検出することによって、種々な種類の細胞表面抗原を同定し、計数することが重要でありうる。このために又は任意の他の関連した種類の多重分析物を検出するために、種々な粒子の粒度分布をできるだけ緊密に保持する必要がある。粒子製剤の平均粒子直径は、同じ用途に用いられて、散乱光の異なる色を生じる小さい粒子と大きい粒子との平均粒度の寸法中点に密接する平均値又は"平均"粒度を用いて、白色光照明下で所望の色の散乱光を生じるように選択されるべきである。この方法で、種々な種類の粒子の散乱光の色によるそれらの分解可能性(resolvability)が最大化する。
粒子均一性−積分光強度の測定
他のセクションでは、粒度が増大又は減少したときに散乱光の強度がどのように大きく変化しうるかを説明した。特に、積分光(integrated light)強度測定をおこなうときに、この強度変化を考慮しなければならない。20%変動係数を有する上記60nm粒子製剤を用いる場合には、このことは、粒子の10%が60nmよりも約3倍大きい又は小さい強度を有することを意味する。さらに、この集団の残りの90%における粒子は全く異なる強度を有する。測定される多くの粒子が存在する用途では、"平均"積分光強度は60nm粒子に接近しなければならない。しかし、低濃度の粒子では、このような変化の統計学(statistics)が試料毎の読み取り値の正確さに影響を与える可能性があり、修正アルゴリズムが必要になる可能性がある。できるだけ狭い粒子分布を用いることによって、正確で、容易な測定が促進される。
それらの吸光色による分析物の検出に有用な金属様粒子
数種類の分析物アッセイのために、分析物は、吸光特性による分析物の検出が実現可能であるような濃度で存在する。例えば、イムノクロマトグラフィーアッセイ等の分野における現在の問題は、典型的に用いられる大きさ(4〜50nm直径)の金粒子の使用が、それらの吸光色によって光学的に分解されることができない粒子を生成するにすぎないことである。これらの粒子はフィルターペーパー又は同様な診断アッセイ固相媒体上で観察したときにピンクから赤色までを有する。銀粒子及び他の金属様粒子の大きさ及び/又は形状を変えることによって、多くの異なる吸光色を得ることができる。吸光による粒子のこれらの異なる色を用いて、粒子の吸光色によって異なる分析物を検出することができる。肉眼によって検出することができるこれらの色は例えばイムノクロマトグラフィー流動アッセイ、パネル型の及びマイクロアレイ又は大きい固相の単独又は多重分析物アッセイのような、多くの種類の固相アッセイに非常に有用である。銀の球状及び非対称粒子と、他の金属様粒子のある一定の混合組成物とは吸光による広範囲な色を可能にする。
粒子の光散乱特性のオートメタログラフィー(autometallography)強化
オートメタログラフィーと関連技術を用いて既存の金属様粒子の大きさを小さい率(factor)又は大きい率で拡大することができる。金属及び/又は半導体物質から成る粒子の吸光力、特に金粒子及び銀粒子の吸光力は、肉眼又は吸光度を測定するように設定された機器を用いて、これらの粒子の存在を定量及び/又は検出するためにしばしば利用されている。このような方法は、メタログラフィーによって拡大された少数の粒子を検出するその能力において、本発明の光散乱検出方法に劣っている。
例として、1ナノメーター直径の金粒子をメタログラフィー方法によって、1nm直径金粒子を銀によって被覆することによって約20分間で約110nmの平均直径にまで拡大したことが報告されている(Immunogold−Silver Staining,Principles,Methods and Applications,CRC Press,1995 M.A.Hayat編集)。この製剤中の粒子は約40nmから200nm直径までの大きさの範囲であり、形状において大体球状であった。意外にも、本発明者等の計算は、1nmコアトレーサー粒子の直径を110nmにまで拡大すると、大体1010の散乱力の増加が生ずるが、吸光力は大体105だけ増加するにすぎないことを示す。
小粒子の直径の増加によって、最大の光散乱が生ずる入射波長は、同じ物質の小コア粒子に比べて、非常に長い波長にシフトする。したがって、拡大粒子は拡大粒子からの光散乱シグナルを測定することによって小さい1nm粒子の存在又は不存在下で容易に検出される。拡大粒子に関して最大散乱が生ずる波長の入射光を拡大粒子の検出に用いることは、非特異的な光散乱バックグラウンドの主要なソース(source)を成す小粒子に比べて、拡大粒子のより大きく特異的な検出を可能にする。
表14
Figure 2009236921
表15は、メタログラフィー方法又は関連方法によって大きさが増大した小粒子の光散乱特性に関連した付加的データを示す。本発明者等の算出したデータは、粒子の大きさの拡大が粒子の吸光力に比べて粒子の光散乱力をより大きく増加させることを実証する。例えば、粒子直径の20%増加が小粒子の光散乱力を(1.2)6倍又は約3倍増加させる。小粒子直径の2倍及び10倍の増加は、それぞれ、約64倍及び100万倍を生じるが、吸光力はそれぞれ8倍及び1000倍増加させるにすぎない。
したがって、本発明の方法を用いて、メタログラフィー(即ち、金属様又は非金属様物質から成る小直径上への金属様物質の被膜の付着)によって拡大された粒子の存在を定量及び/又は検出するときに、少量のこのような粒子を検出することができ、今まで可能であったよりもより大きく特異的に、少量のこのような粒子を検出することができる。
上記は、コア上への金属様被膜の付着による金属様粒子コアのメタログラフィー拡大とその後の本発明の方法による拡大粒子の検出との組合せの説明である。このような方法を溶液中の自由な粒子及び/又は表面に付着した粒子を拡大するために用いることができる。上記例は、光散乱による粒子の検出のために本明細書に述べた多様な対策及び方法の使用と、コア及び被覆組成物の種々な組合せと、種々な拡大度とを包含する、この組合せの多様な変形の1つに過ぎない。これらの代替え組合せは当業者に容易に明らかであろう。このような組合せアプローチは、分析物を検出するためにシグナル発生と検出系とを用いることが望ましい、殆ど如何なる状況にも適用可能である。
表15
Figure 2009236921
屈折率強化方法
光学顕微鏡検査、テレコミュニケーション及び他の関連分野における屈折率マッチング方法(matching technique)は当該技術分野において周知である。この方法は一般的に、光線が1つの媒質又はデバイスから他の媒質又はデバイスヘ、例えば1つの物質の表面から他の異なる物質の表面へ通過するときに生ずる、非特異的な光散乱と反射とを減ずるために用いられる。
特異的種類の粒子の光散乱力(Csca)が粒子が存在する媒質によって影響されることが判明した。媒質の屈折率を変えると、粒子の光散乱特性に変化が生ずる。
表16は、選択された粒子に対する媒質屈折率効果の具体的な例を与える。10nm直径の金、銀、及びポリスチレン球状粒子に対する算出された屈折率媒質効果を提示する。
媒質の屈折率のこの効果は、表16が示すように、金属様粒子に対しては非金属様粒子に比べて全く異なる。例えば金のような金属様粒子に対する媒質の屈折率が増加すると、粒子から散乱される光の強度と最大波長との増加が生ずるが、例えばポリスチレンのような非金属様粒子に関しては、光散乱力は減少する。
試料媒質の屈折率効果として、非金属様粒子に比べた金属様粒子の特有の光散乱特性を用いて、高い非特異的光散乱バックグラウンドを有する試料を含めた試料中の金属様粒子をより大きく特異的にかつより大きな感度で検出することができる。このことは多くの異なる種類の診断分析アッセイのために重要である。
表16
Figure 2009236921
多くの種類の試料と診断アッセイフォーマットにおいて、試料容器及び非分析物試料成分から非特異的な散乱され、反射される光及び他のバックグラウンド光の問題は周知である。これらの非特異的光バックグラウンドは、粒子の散乱光特性の検出及び/又は測定による分析物の敏感〜超敏感な検出をおこなうことを不可能でないとしても困難にする。
屈折率強化方法を用いる場合に、金属様粒子を非金属様粒子に比べて非常に大きな特異性かつ感度で検出することができることが判明した。この方法を次に説明する。散乱光強度に対する粒子及び媒質の屈折率の効果は下記式を用いることによって評価することができる(RIは屈折率ファクター(refractive index factor)である:
Figure 2009236921
式中、refmedは媒質の屈折率であり、mは粒子の屈折率/refmedに等しい。mは絶対的に波長に依存するが、正確な依存性は粒子組成及び媒質によって変化する。色を有さない大抵の溶媒の屈折率は通常、少なくともスペクトルの可視領域において、波長に依存しない。
屈折率の如何なる値が大きい光散乱強度を生ずるかを判定することは、高感度アッセイにおける光散乱粒子の使用にとって重要である。このことは式(16)の屈折率ファクター(RI)から判明する。このファクターは式(16)の分母が零であるときにその最高値を有する。この条件に関して、屈折率ファクターは無限大を有する。したがって、高い光散乱のための条件は、
2+2=0 (17)
である。上記式をmに関して解くと、
m=√−2 (18)
=1.41i (19)
が得られ、式中、i=√−1である。上記式は、屈折率が1.41の値を有する純粋な虚数であるときに、屈折率ファクターがその最高値を有し、粒子からの光散乱が最大になることを示す。表16に提示した算出データは予想された傾向に従わない。さらに、屈折率強化方法は、最大光散乱が金属様粒子に関して生ずる入射波長からはるかに移動した入射波長において非常に良好に作用する。
屈折率強化方法の使用の具体例を次に提供する。例えば、高レベルの非特異的光散乱バックグラウンドが存在する試料のような高度散乱試料において、金属様粒子と屈折率強化方法とを次のように用いる。
当業者は、例えば、乾燥した又は湿った試料の上に水又は他の液体のフィルムを置いて、試料媒質の屈折率を高める。これは媒質の屈折率を高める。他の例では、血清又は他の種類の高散乱試料を、媒質の屈折率を実質的に高める高屈折率液体によって希釈する。
上記例に関して、下記プロセスが生ずる。試料の屈折率が増加すると、金属様粒子の特異的光散乱シグナルが増加し、非特異的光散乱バックグラウンドが減少する。表16において実証されるように、試料媒質の屈折率が金属様粒子の屈折率に近づくと、粒子光散乱/非特異的散乱バックグラウンド比率の最大の増加が得られる。このことは、適当な媒質屈折率値において血清タンパク質又は同様な成分(constituent)からの非特異的光散乱が有意に減少するか又は除去されて、粒子の特異的光散乱強度は増加する。このことは、金属様粒子の光散乱特性を分析トレーサーとして用いるときに、優れた検出シグナル/バックグランド比率をもたらす。これらの方法は例えば乾燥した表面、溶液によって覆われた表面又は溶液のような試料に適用されることができる。
これらの屈折率マッチング方法を、金属様粒子に対して長い波長で用いて、特異的な光散乱シグナル/非特異的散乱バックグラウンド比率をさらに高めることもできる。表16は金粒子と銀粒子に関する効果のみを示すが、他の金属様物質から構成される粒子を用いても、既述した方法によって少量の粒子を検出することができる。本明細書に述べる屈折率強化方法の説明は、本発明のこの実施の多くの可能な変形の若干例のみを示すにすぎない。この方法の多くの他の変形は当業者に明らかであろう。これらの変形のいずれかを大抵の診断フォーマットに効果的に用いて、分析物の有無を判定することができる。本発明のこの態様は少量の粒子を検出する手段、及び少量の粒子をより特異的に検出する手段、及び今までに可能であったよりも少量又は多量の粒子をより特異的に検出する手段を提供する。
屈折率強化を、前述したナローバンドパスフィルター(narrow band pass filter)アプローチと組み合わせる本発明の方法は、今までに可能であったよりも少量又は多量の粒子を検出するために大きな有用性を有する。これらのアプローチは有望である。屈折率強化方法を用いて、非特異的光散乱バックグラウンドを減ずることができ、ナローフィルターを用いて、例えば蛍光等のような非特異的な光バックグラウンドの他のソースを減ずる又は最小にすることができる。これらの方法の組合せは高度に最適化された粒子特異的散乱シグナル/非特異的光バックグラウンド比率を生じて、粒子のより特異的かつより高感度の検出を可能にする。
上記例はこの組合せ方法の多くの可能な変形の1例にすぎない。他の変形は当業者に明らかであろう。
高度散乱性試料及び蛍光試料−血清中の光散乱粒子の検出
哺乳動物の血清は多くの医学的に重要な物質を含有しており、これらの物質の定量及び/又は存在は臨床実験室その他の所で測定されている。血清中のこれらの分析物の存在を測定するために多くの異なるシグナル発生及び検出系が用いられており、これらには、例えば蛍光、光散乱及び化学発光のような光シグナル発生方法と、直接標識方法とシグナル増幅方法の両方を含むフォーマットに用いられる比色方法がある。天然の血清は、蛍光、化学発光又は光散乱機構のいずれかによって非特異的光シグナルを生成することができる多様な物質を含有する。さらに、血清はしばしば、トレーサー実体(entity)からの特異的光シグナルの発生及び/又は検出を妨害する物質を含有する。これらの問題は、純粋な又は殆ど純粋な血清試料中で分析物検出をおこなうことを不可能でないとしても困難にする。
血清分析物を検出するための既存の試験系の全部ではないとしても殆どを効果的に用いるために、血清を何らかの方法で前処理して、血清を試験に適したものにすることが殆ど常に必要である。多くのこのような血清処理方法が存在し、最も簡単なものは恐らく血清を希釈して、通常は本質において水性である、何らかの適当な溶液を形成することである。他の一般的に用いられるアプローチは、特異的な光発生トレーサーの存在を測定する前に好ましくない血清成分を除去するような、やり方で実際の試験をおこなうことである。費用と労力の見地から、試験をおこなうために必要な努力と試薬とが少なければ少ないほどよい。試料を全く前処理しないことが非常に望ましい。このような能力は試験の実施にとっても有利でありうる。本発明の方法は、殆ど純粋な血清中でこのような分析物試験をおこなうための手段を提供し、今までに可能であったよりも高濃度の血清中で少量又は多量の粒子をより特異的に検出するための手段を提供する。
例えば、フルオレセインのような蛍光トレーサーによって血清を分析する前に血清試料を約5%血清の最終濃度に希釈することが一般におこなわれる。血清試料に490nmの単色光を照射して、非特異的散乱光バックグラウンドを最小にするために光学フィルターを用いる。非特異的光シグナルは、10-8M〜10-9Mのフルオレセインを含有するフルオレセインの液体試料と同等である。したがって、5%血清試料中では、シグナル対ノイズ比率2において10-8M〜10-9Mのフルオレセインを検出することができる。95%血清試料中では、フルオレセイン検出の下限は約19倍高い、又は約1.9x10-7M〜1.9x10-8Mであると考えられる。したがって、光学フィルターによる95%血清中では、フルオレセイン検出の下限は約1.9x10-7M〜1.9x10-8Mであり、この量のフルオレセイン光シグナルが約2〜1の(総光シグナル)/(非特異的光シグナル)比率を生じる。
表17は、非常に高い血清濃度において約2〜1の(総光シグナル)/(非特異的光シグナル)比率におけるフルオレセインの実験的に測定可能な検出限界を示す。この高い血清濃度において、散乱入射光による非特異的光シグナルを除去するための光学的濾過なしに、フルオレセインの検出下限は約6x10-7Mである。
表18は、非常に高い血清濃度において、入射光の散乱による非特異的光シグナルを除去する光学フィルターを試料と光電子増倍管との間に配置する場合のフルオレセイン検出の下限を示す。この状況において、高血清濃度におけるフルオレセインの検出の下限は約2x10-8Mである。
フルオレセインとは対照的に、表17セクションBと表18に提示した結果は、光学濾過の不存在下で95%血清中の59.6nm直径の金粒子の存在は約1.8x10-12Mの濃度において2〜1の(総光シグナル)/(非特異的光シグナル)比率で検出されることができる。血清から観察される非特異的光シグナルは、約5x10-7Mフルオレセインからの非特異的光シグナルに等しい。これらの同じ条件下で、高血清濃度中の60nm直径ポリスチレン粒子は約6x10-9Mの下限において検出されることができるにすぎない。
表17
Figure 2009236921
胎児ウシ血清はBiowhitaker(Walkerville,MD)から購入、カタログNo.14−501Fo血清は販売前に1μフィルターを通過したものであり、透明であったが、わら色であった。血清pHはpH9〜9.5に調節した。放射光の波長濾過はおこなわなかった。
(a)この場合に得られる光シグナルは1の値を表す。このシグナルは3.7x10-7Mフルオレセインに等しかった。
表18
Figure 2009236921
表19に提示した結果は、95.7%血清中の100nm直径金粒子、110nm直径ポリスチレン粒子及び粒子当たり4,400分子の高蛍光化合物を含有する110nm直径ポリスチレン粒子の相対的検出限界(約2〜1の総光シグナル/非特異的光シグナル比率において)の比較を示す。これらの結果はさらに、100nm直径金粒子が、ポリスチレンから成る又は高蛍光化合物の多くの分子を含有するポリスチレンから成る110nm直径粒子よりも非常に低い濃度で検出されうることを実証する。金粒子は血清中で他の非金属様粒子よりも約230分の1低い濃度において検出されることができる。
表20は、高濃度の血清を含有する溶液中と水のみを含有する溶液中の同じ濃度の59.6nm金粒子から、同じ照明条件下で測定された散乱光の量を比較する。これらの条件下で、1.8x10-12Mの金粒子濃度が約3のシグナル/バックグラウンド比率において検出可能である。これらの結果は、血清の存在又は任意の一般的な成分は金粒子の光散乱力に直接の影響を及ぼさないように思われる。金属様粒子の光散乱特性のこのような安定性と不活性さがこのような粒子を例えば、多くの他の成分を含有する、血清及び他の関連試料のような試料中で特に有用なものにする。
血清中の100nm直径球状ポリスチレン又は金粒子の検出は、さらに具体的な例を提供する。
哺乳動物の血清は約3.7g%のタンパク質を含有し、その約2/3が血清アルブミンである。血清中のポリスチレン粒子の検出は、血清中のタンパク質及び他の物質並びに多くの他のソースに起因する非特異的光散乱によって妨害される。ポリスチレン粒子と、血清中のタンパク質及び他の物質との光散乱強度対入射可視波長プロフィルの類似性が、血清又は任意の他の高度散乱媒質中のポリスチレン粒子を検出する能力を重度に限定する。
表19
Figure 2009236921
表20
Figure 2009236921
金粒子はそれぞれ59.6nmの実測直径を有した。95.7%血清はわら色を有し、1cm路程と543nm波長において約0.14の光学密度を有する。約5mmの内径を有する6mmx50mmガラス管中で限界散乱測定をおこなった。血清による吸光度が散乱光シグナルを約15%減ずることが推定される。
血清を照射するために300nmではなく575nmの入射波長を用いると、非特異的光散乱シグナルが約13分の1に減少するが、ポリスチレン粒子からの特異的散乱シグナルもほぼ同じ程度に減少する。ポリスチレン又は他の非金属様粒子の照射波長の増大しても、特異的シグナル/バックグラウンド比率、即ち、試料中のポリスチレン粒子の検出可能性は有意に増加しないように思われる。これに反して、照射及び/又は検出の可視波長を増大することによって、金属様粒子は非金属様粒子に比べて大きいシグナル/バックグラウンド比率まで検出される。100nm直径金粒子は水と同様な水性媒質中で約575nmの波長を中心に光を散乱させる。約575nmの波長の単色光によって試料を照射すると、金粒子からの最大光散乱シグナルが発生し、非特異的光散乱シグナルが有意に減少する。例えば、これらの条件下で、総非特異的光散乱は300nmの入射波長に関する300nmの照射波長に比べて、約13分の1に減少する。
血清試料を入射白色光と、問題の波長外の光(約575nmを中心とする特定バンドよりも小さい又は大きい)の量を最小にする適当な光学フィルターとによって照射することは、血清中のより少ない量の金属様粒子を検出するための他の手段を提供する。これらの条件下で、金粒子からの最大光散乱強度を生じる入射加視波長が用いられ、血清タンパク質及び他の物質並びに他のソースに起因する非特異的光散乱シグナルは大きく減少する。白色光(又は幾つかの異なる波長)によって、光学フィルターの適当なアレイを用いて照射するときに、多重種類の異なる金属様粒子が血清試料中で検出可能である。この方法は、最大光散乱が生ずる異なる入射波長を有する各種類の粒子を用いる。
他のアプローチは、試料からの総光シグナルを適当な偏光フィルター及び/又はバンドパスフィルターに通して濾過することを含む。適当な偏光フィルターの使用は、偏光しない蛍光バックグラウンドの有効な除去を生じるが、非特異的光散乱バックグラウンドには、これは最大に偏光するので、殆ど影響を及ぼさない。例えば、白色光のような、幅広いバンドの照射を用いる場合には、大きい波長の光学的バンドパスフィルターの使用が非特異的光散乱と蛍光バックグラウンドとを有意に減少させる。多くの金属様粒子は長い波長において高い光散乱強度を有し、この性質をバンドパスフィルター及び/又は偏光フィルターアプローチと組合せて利用することができる。例えば、300nm直径の球状金粒子は約700nmの波長においてほぼ最大の散乱効率を有し、その散乱光強度は100nm直径金粒子に比べて約6倍である。300nm粒子と、700nmに集中するバンドパスフィルターとを用いると、非特異的光自体は減少し、金粒子の散乱力は6倍に(100nm粒子に比べて)増加する。したがって、この系におけるシグナル/バックグラウンド比率は12倍に増加されている。このアプローチを非金属粒子、例えば匹敵する大きさのポリスチレン粒子に対して用いることは、シグナル/バックグラウンド比率を有意に増加させず、実際には低下させる。装置の光学的成分及び/又は試料室に非反射性被膜を用いることも、シグナル/バックグラウンド比率を改良する。多くの他のスキームとアプローチも可能であり、これらは当業者に明らかであると考えられる。
本発明のこの態様は、試験系フォーマットの一部として散乱光の検出を利用する他の方法によって可能である以上に、診断アッセイ系の特異的光散乱シグナルと非特異的光散乱バックグラウンドシグナルとの改良された識別を生じる。さらに、白色光を照射したときに異なる色を示す異なる種類の金属様粒子の利用可能性は、1種類の試料中の多重種類の粒子の存在を検出することを可能にするので、1種類の試料中の多重種類の分析物を検出するために有用性を有する。金属様粒子のうちの粒子のさらなる利点はこれらの粒子が蛍光化合物に比べて化学的に不活性であることである。このような粒子はフォトブリーチ(photobleach)せず、それらのシグナル発生能力はこのような機構によって影響されない。
上記アプローチは、粒子による特異的光散乱シグナルと、多様なソースに起因する可能性がある非特異的光散乱シグナルとの識別を改良するために金属様物質から成る粒子を用いるための多くの可能なアプローチの若干例にすぎない。例えば、用いられる粒子に関して最大光散乱が生ずる波長とは異なる波長でこのような粒子が特異的に検出される多数のスキームが可能である。多くの他のスキーム又はアプローチも可能であり、これらは当業者に明らかであると考えられる。
1種類以上の光散乱粒子の特性の検出による、固相又は関連試料中の一つ以上の分析物の検出を次に考察する。
固相検出方法
上記セクションでは、本発明者等は本発明の種々な態様を、これらが金属様粒子のある一定の光散乱特性と溶液中のこれらの粒子の検出とに関するかぎり、説明した。次には、表面に存在する又は表面に非常に接近して存在する粒子を検出するための本発明の方法を説明する。
DLASLPD照射及び検出の本発明の方法によって金、銀及び他の金属様粒子を用いることによって、単位面積当たりの非常に少量の粒子と粒子標識結合剤(被覆粒子)を検出することができ、簡単な照射及び検出手段を用いて表面又は表面近くに存在する単独粒子と、結合剤によって被覆された粒子とを検出することができることが判明した。これらの方法は光学的透過性(transmissive)又は非光学的透過性表面に対して用いることができる。
粒子と、照射及び検出方法とのある一定の組合せの使用によって、試料中の平方ミクロン(μ2)当たり約0.001〜103粒子の広範囲な粒子密度を検出すろことができることが判明した。適当な種類(単数又は複数種類)の粒子を用いることによって、同じ試料中、例えば、マイクロアレイ中で種々な種類の分析物を非常低レベルまでかつ非常に広い濃度範囲にわたって検出することができる。これは、同じ試料に対して粒子計数(低い粒子密度において)と積分光強度測定(高密度において)の両方を用いることによって、一つの装置で実施される。例えば、アレイチップ又は他の固相方法のような固相関連方法を用いることによって、試料を2種類以上の異なる分析物に関して分析すべきである場合に、種々な種類の分析物が試料中に異なる濃度で存在する。即ち、数種類の分析物は試料中の他の分析物に比べて2桁から数桁まで低い又は高い濃度で存在しうる。この方法が機能する所望の分析物検出感度と範囲とを得る上で、適当な種類の粒子の選択は極めて重要である。本明細書において説明する、本発明の方法はこのような試料中の分析物の検出を可能にする。例えばレーザーのような、より大きく強力な光源を用い、かつ例えば共焦点イメージング(confocal imaging)のようなより複雑な検出方法を本発明の基本的な照射及び検出方法に加えるならば、さらに広い検出範囲とより大きな感度が可能になる。
簡単な方法を用いて、高密度の粒子をより特異的にかつ容易に、即ち、非常に良好なシグナル/バックグラウンド比率で検出可能であることが判明した。本発明の幾つかの態様では、集光レンズ(イメージングレンズ、ミラー又は同様なデバイス)を用い、他の態様では、集光レンズを用いない。
粒子からの散乱光は、例えば光ダイオード若しくは光ダイオードアレイ、光電T増倍管、カメラ、ビデオカメラ又は他のCCDデバイス、或いは肉眼のような光検出器によって検出される。単位面積当たりの粒子数の計数によって及び/又は単位面積当たりの総積分光強度の測定によって、粒子量が測定される。検出され、測定された特異的散乱光特性は下記性質:一つ以上の波長における散乱光強度、色、偏光(polarization)、RIFSLIW及び/又は単位面積当たりの粒子散乱光の角度依存性の1種類以上である。次に、これを試料中の分析物(単数又は複数種類)の存在、不存在、及び/又は量に相関させる。
一つ以上の分析物を測定すべきである幾つかの分析では、粒子計数又は積分光強度測定の一方又は両方を用いることができる。粒子の適当な選択と、DLASLPD照射及び検出方法の使用とによって、通常多くの光学的な分解可能かつ検出可能な散乱光強度が利用可能であるので、多くの複雑な光源と、空間的及び光学的な濾過方法は不必要である。しかし、有意な量の非特異的光バックグラウンドが存在する幾つかの試料では、光学フィルター、共焦点イメージング又は他のアパーチュア(aperture)型空間濾過方法を用いて、バックグラウンドに対する最終的なシグナルを改良して、粒子散乱光シグナル(単数又は複数)/総非特異的光バックグラウンド比率を高める。
幾つかの分析及び診断用途では、本発明の基本的な方法を用いて、集光レンズ又はミラーの使用なしに散乱光強度を検出し、測定することができる。これらの試料において、散乱光の1種類以上の特性を集光レンズを用いずに上述した方法と同じ方法で検出し、測定する。これらの方法を次にさらに詳細に説明する。
集光レンズ又はミラーを用いる光散乱粒子のからの散乱光の検出
本発明者等は、粒子からの散乱光を集めるために種々な種類の光収集光学デバイスを用いることが可能であることを発見した。本発明者等は、粒子計数と強度測定(単位面積当たりの積分強度)の両方を用いて、本発明のDLASLPD照射及び検出方法によって一定面積中の粒子の特異的光散乱特性の1種類以上を検出している。本発明者等がおこなった実験の大部分において、粒子密度がμ2当たり約0.1粒子であるときに、計数測定法を用いることが一般に有用であることを本発明者等は発見しており、粒子密度がμ2当たり約0.1粒子より大きいときに、総積分光強度を測定することが有用な測定方法であることを本発明者等は発見する。しかし、約0.1粒子/μ2より大きい又は小さい粒子密度において計数測定方法又は積分光強度測定方法が使用可能であることに注目すべきである。
試料からの散乱光を収集及び/又はイメージするために、有用であることが判明している特異的種類(単数又は複数)のレンズを用いることは、測定することが重要である範囲(field)又は表面の面積、測定をおこなっている試料容器の種類、及び実際の計数によって測定されるべき粒子密度の上限に関連する。例えば、散乱光を検出するために大きい面積を測定することが重要である場合には、x10又はさらに小さい倍率の顕微鏡対物レンズ又はレンズ若しくはミラーを用いて試料からの散乱光を収集することができる。同様に、試料のより小さい面積を測定すべきである場合には、x20、x40、x100又はさらに大きい倍率の顕微鏡対物レンズ又は同様なレンズ若しくはミラーを用いて集光することができる。より大きい粒子密度において粒子計数方法を用いるべきである場合には、より大きい倍率の対物レンズが高密度における粒子のより良好な分解を可能にする。大きい対物レンズを用いる場合には、付加的な必要条件と限定が作用することに注目すべきである。例えば、作用距離(working distance)は非常に小さくなり、浸漬油を試料に加えることが必要になりうる。カメラ、ビデオカメラ又は同様なCCD型光検出器を用いる場合には、試料面積からの総散乱光が検出される。次に、この情報を簡単なハードウェア及び/又はソフトウェア手段によって処理して、散乱光測定値を分析することができる。これは、試料中の多くの種々な分析物を検出して、固相マイクロアレイ、アレイチップ、又は同様なフォーマットを用いて、定量することができるので、有力な能力である。マイクロアレイフォーマットでは、表面の小面積を、特定の分析物と特異的に結合する空間的に明確な領域において種々な種類の結合剤によってそれぞれ被覆する。固相多重分析物マイクロアレイ等への本発明の特定の適用については以下で説明する。
粒子計数方法は通常、積分光強度測定方法よりも機器的に要求が厳しい。しかし、粒子の光散乱特性の1種類以上を非常に高感度に検出するために、計数方法を用いることに多くの利点が存在する。例えば、光源又は試料室の変動及び不均等性は粒子計数測定に影響を及ぼさないが、積分光強度測定方法を用いる場合にはこれらの問題が重度な問題を惹起しうる。さらに、計数方法によって測定される粒子の品質及びシグナル/バックグラウンド比率を強化するために多くのソフトウェア及びハードウェアオプションが存在する。
集光レンズ又はミラーを用いない光散乱粒子の検出
本発明者等は、表面における又は表面近くの粒子の散乱光を検出するために集光レンズの使用が不必要である方法も開発している。この配置において、本発明者等は通常、問題の表面からの散乱光を積分光強度によって検出する。これは肉眼によって、又は既述したように光検出器によっておこなうことができる。直径が約120nm以下である金属様粒子を用いる場合には、散乱光の前方方向の包絡線(envelope)の外側の角度に本発明者等の検出器(肉眼又は光検出器)を配置することによって、粒子光散乱シグナル/総非特異的光バックグラウンド比率を有意に増大することができることを本発明者等は発見した。
シグナル/バックグラウンド比率を増大するための重要な概念
照射及び検出のDLASLPD方法を詳細に説明する前に、何らかの形式で用いた場合に、光散乱粒子を検出するためのシグナルと、シグナル/バックグラウンド比率範囲とを決定する重要な概念(key concepts)を要約することが有利であろう。これらの方法は、例えばより強力な光源、より高度な平行光源、短波長バンド光源、異なる波長の光源、より敏感な光検出器を用いるような、種々な装置要素を調節及び/又は変更することの他に、照射源と試料の間及び/又は試料と検出器の間の光学及び/又は空間的フィルター、及び/又は共焦点又は同様なイメージング方法である。これらの対策及び方法は以下で略述する。
(1)より大きい直径の金属様粒子の使用によって、粒子の光散乱力を有意に高めることができる。大きさの増大は散乱光強度対入射波長プロフィルを変えることもできる。これらの特性を調節して、散乱光特性の1種類以上が容易に検出可能であるように、任意の特定のアッセイの必要性に適合させることができる。例えば、高い非特異的光バックグラウンドを有する試料中の分析物を測定するために、直径が約80〜120nm以上の大きい金粒子が有用である。最大光散乱が生ずる最大波長が高い波長にシフトすると、散乱光の強度も40nm直径金粒子に比べて増大する。これらの2つの効果を組合わせると、40nm直径金粒子に比べて、シグナル/バックグラウンド比率が有意に増大する。
(2)散乱光の前方方向の包絡線の外側の角度で、試料の散乱光を測定することによって、に本発明者等の検出器(肉眼又は光検出器)を配置することによって、強度又は計数モードのいずれにおけるシグナル/バックグラウンド比率も有意に増大する。検出器を試料の表面の上方又は下方に並びに照射ビームが位置付けられる試料面の同じ側又は反対側に配置することができることが観察されている。これらの種々な配向(orientation)において、粒子からの特異的光散乱シグナルは散乱光の前方方向の包絡線の外側で検出され、サンプル室中の光学的異質物(aberrations)及び試料中の他の成分からの非特異的散乱光の大部分は散乱光の前方方向のこの包絡線内である。このことは粒子散乱光のより高感度で、特異的な検出を可能にする。
(3)本発明者等が前述したように、非特異的反射光も検出の感度に影響を与える。検出されるべき集光面から入射光面をできるだけ遠くに離すことによって、反射光量を実質的に減ずることができることが判明した。このことは、試料室の適当な設計を含めて、多くの種々な方法で実施することができる(以下で考察)。例えば、本発明者等は、それを通して光線が反対面上の粒子を照射するガラススライドの底部に浸漬油の薄層を配置する場合には、非常に改良された結果が観察されたことに注目した。他の実験では、その面の反対面上に結合した粒子のマイクロアレイを有するプラスチック試料室の底部に小さいプラスチック導光系(light guide)を貼付する場合に、非常に改良された結果が観察された。本発明者等は例えば等辺プリズム及び/又は他の種類のプリズム若しくは光学的導光系のような非常に大きい光学的アライメント手段をも用いて、試料容器がプリズムに干渉する表面に浸漬油を塗布した。本発明者等は、優れた結果が(i)光散乱粒子を含有する検出領域から光入射面を大きい距離離れさせること;(ii)例えばプリズム面等のような導光系の表面上に0度の入射角度(垂直を基準にして)を有すること;及び(iii)系に生じる反射光の大部分が系から導出されて、集光点から離れることの結果であると結論した。これらの方法の全てが種々な試料中の光散乱粒子を検出するためのシグナル/バックグラウンド比率を増加させるために有用である。系からの反射光を効果的に除去して、シグナル/バックグラウンドを改良することができる、幾つかの導光対策が存在する。
(4)屈折率強化方法も多くの種々な種類の試料におけるシグナル/バックグラウンド比率を高めるために極めて有用である。本発明者等はシグナル/バックグラウンドを高めるための幾つかの方法を発見しており、その若干を次に説明する。液体を用いて、粒子を含有する表面を被覆する場合に、液体の屈折率が粒子を含有する表面の屈折率に近ければ近いほど、シグナル/バックグラウンド比率は良好になる。本発明者等は、乾燥固相上の分析物を検出するために、表面の上に液体層を置くことによってシグナル/バックグラウンド比率が改良されることを発見している。例えば、約1.33の屈折率の水性緩衝溶液を試料面の被覆に用いる場合には、同じ表面上の粒子を空気中で測定することに比べて、非常に改良された結果が得られる。固相の屈折率により密接に適合する液体を用いることによって、さらに良好なシグナル/バックグラウンド比率が得られる。例えば、試料媒質中又は他の適当な反応混合物中又は緩衝剤中で結合剤で被覆された光散乱粒子を有する分析物を最初に固相に結合させることによって、アッセイをおこなうことができる。次に、試料中の溶液を固相を被覆する、選択された屈折率の溶液で希釈又は置換してから、粒子を検出する。このやり方で、非常に高感度の結果をえることができる。
上記方法の他に、ナローバンドパス光学フィルター、カットオフ光学フィルター、例えば照射ビームと試料との間及び/又は試料と光検出器若しくは肉眼との間のアパーチャーのような空間的濾過もシグナル/バックグラウンド比率を高める。共焦点イメージング方法の使用も、このような方法と装置の費用と複雑さとが問題にならないような、ある種の分析アッセイ用途において有用でありうる。光学的に濾過された又はされない長波長ソースの使用も、シグナル/バックグラウンド比率を高める方法である。過剰な光を除去するために特異的に設計された試料室を用いることによって系から過剰な非特異的光を導出することも別の有用な方法である。有用である一般的な試料室設計は以下で説明する。本発明の一つ以上の態様に関するこれらの変形の全てが、増大したシグナル/バックグラウンド比率を可能にするので、試料中の一つ以上の分析物のより大きく特異的で、高感度の検出を可能にする。DLASLPD照射及び検出方法を試料に特異的に適用することができる多様な方法が存在し、これらの方法の概要は図15に示す。図14は、図15に示したDLASLPD方法のオリエンテーションと概略の説明のためのダイヤグラムである。当業者は、この方法を固相又は同様な試料中の一つ以上の分析物を検出するために金属様粒子と共に用いる場合に、この方法が与える有用性を認識するであろう。
この方法の詳細を次に説明する。
照射と集光オプチックス
1.一般的概念
ここで説明する固相方法は、光散乱粒子の検出に適用可能である。この場合に、1種類以上の光散乱特性の検出と測定は試料中の一つ以上の分析物の存在、不存在又は濃度に相関される。これらの方法は、マイクロアレイ、アレイチップ又は同様なフォーマットを含めた既知固相分析方法の全てではないとしても殆どに適用可能である。この方法は広範囲な感度(低い感度から超高感度まで)を有するように設計される。この感度範囲は、使用の容易さと安価な装置とによって得られる。
このテクノロジーにおいて、表面上の粒子は、粒子の光散乱特性に依存する方法によって測定される。この検出系は基本的に(1)光散乱粒子パッチ又はパッチの一部の拡大像を形成する拡大レンズ(イメージングレンズ又は集光レンズとも呼ばれる)と(2)暗色バックグラウンド上の明色物体として粒子を見せる照射系とから成る(DLASLPD法)。この方法は集光レンズを必要とせずにおこなうこともできる。拡大像中の粒子数を粒子計数によって又は散乱光の強度 (粒子数又は粒子密度に比例する)の測定によって定量することができる。粒子計数は(a)肉眼(粒度に依存して、補助なし又は接眼レンズを用いて)、(b)電子イメージング系(例えば、ビデオカメラ、CCDカメラ、イメージ増倍管)又は(c)フィールドリミティングアパーチャー(field limiting aperture)と走査光線装置とを備えた感光性検出器によっておこなうことができる。散乱光強度は電子イメージング系又は感光性検出器によって測定することができる。低い粒子面密度(μ2当たり約0.1粒子未満)では、粒子計数法が好ましく、高い面密度では(特に、個々の粒子が拡大レンズの空間的分解能よりも接近する場合には)、定常的な光散乱強度測定が好ましい。このテクノロジーは、これらの2種類の検出方法の間、即ち、粒子計数と強度測定の間で容易にシフトするように設計されているので、粒子の光散乱力と検出装置の特異的なハードウェア要素とに依存して約20nmまでの粒径に対して用いることができる。
光照射系 照射系はこのテクノロジーにおける重要な要素である。照射系は、粒子パッチ又は粒子ドット群を高い光強度によって、暗色バックグラウンド上の明色物体として個々の粒子を見せるような方法で照射する。これは表面に付着した、又は表面上の流体フィルム中で自由な粒子の可視化を可能にする。自由な粒子は、付着粒子には存在しないそれらのブラウン運動によって、付着粒子と識別される。次にセクションでは、照射系の詳細と論理とを説明する。
出願人は、ウルトラコンデンサー(ultracondenser)(Zeiss)と呼ばれる高価な商業的ダークフィールドイルミネーター(dark field illuminator)を含めて、多くの種々な照射系を用いて実験した。照射の基本的な2方法と、これらの2方法の幾つかのバージョンを用いることができる。これらの方法は簡単であり、例えばウルトラコンデンサーよりも高い照射光強度を生じるように思われる。
基本的な照射方法の一般的な説明
照射系は(1)高い光強度のビームを光散乱粒子のパッチ(又はドット群)に供給し、(2)直接又は反射によって検出系に入る照射光の量を最小にするように設計される。このことは、検出系の集光角度の外側である角度に光線とその反射とを抑制することによって達成される。一つの照射方法では、集光レンズと光源とを固相面の両側に配置し(下方から照射)、他の方法では、照射光源と拡大レンズとを面の同じ側に配置する。
拡大レンズの下方から直接照射
図1は、用いる基本的照射方法の一つの概略図を示す。この方法では、光は面の下方から固相面Sに作用する。Sは透明であると想定される(但し、若干の色を帯びることもできる)。Oは、光散乱粒子を含有する表面上の領域である。拡大レンズ又は集光レンズLはSの上方に位置付けられる。Lが集光する角度は陰影つき円錐Cとして示され(レンズLの集光円錐)、その先端は表面S(光散乱粒子が位置付けられるところ)にあり、底面はレンズの直径Dによって定められる。照射光線(LB)はLの集光円錐に入らないように角度をつけられる。矢印はLBの進行方向を示す。
固相は、例えば、顕微鏡スライド、マイクロタイタープレート又は、臨床診断法に用いられる他の種類の透明な固相であることができる。光源は、例えば、フィラメントランプ、放電ランプ、LED、レーザー等のような、任意の種類の光源であることができる。光は照射光線から光学的光ファイバーと集光レンズとを用いて集められ、次に、コンデンサーレンズ(condenser lens)を用いて散乱光粒子上に焦点を合わされる。光線が表面Sと共に作る平均角度θは、上記で説明したように、光線がレンズLに入らないように調節される。角度θの調節は拡大レンズと接眼レンズ(複合顕微鏡装置)によって光散乱粒子を目視検査することによって容易におこなわれることができ、角度は暗色バックグラウンド上の明色物体として粒子が見えるように調節される。この角度は光散乱強度測定にも良好に役立つが、高い粒子密度では、焦点合わせの必要性は緊急ではない。
角度θの大きさは、拡大レンズの開口数から演繹することができる。超高感度検出のためには、顕微鏡の対物レンズが拡大レンズ又はイメージングレンズとして用いられる。顕微鏡の対物レンズは通常、そのハウジングに銘記されたその開口数を有する。開口数は図2のダイヤグラムに関して定義されることができる。この図は、Oの光散乱粒子のパッチに焦点を合わされる拡大レンズ(焦点距離f)を示す。このレンズとOとの間の距離がfに等しい。レンズ(L)はOから散乱した全ての光を、その底面がレンズの直径Dである立体円錐(solid cone)中に集める。角度θHはこの立体円錐の平面半角(planar half angle)として定義される。この円錐の開口数(N.A.)は次式:
N.A.=n sin(θH) (36)
[式中、nはレンズと点Oとの間の媒質の屈折率である]
によってθHに関連づけられる。媒質は例えば、空気(n=1)、水(n=1.33)又は浸漬油(n=1.5)であることができる。小さい値のθHに関しては、N.A.はD/2fにほぼ等しく、この場合にDはレンズの直径であり、fは焦点距離である。
下記表は、一般的に用いることができる(n=1に対して)対物レンズの開口数とθHtono典型的な値を示す。
倍率 N.A. θ H (度)
x10 0.25 14.47
x20 0.5 30
x40 0.65 40.54
x63 0.85 58.2
既述したように、励起光線が拡大レンズの集光立体円錐の外側であるように、励起光線に角度を付けなければならない。高い倍率に関しては、励起光線が固相面に作用する角度は大きくなければならない。例えば、x40対物レンズでは、人射角度は40°より大きくなければならない。表面で反射される光の割合(fraction)は入射角と共に増大するので、本発明の照射系に用いなければならない角度が反射による光の大きな損失を生じるか否かを考慮しなければならない。さらに、高い入射角において臨界反射(全内部反射)が含まれるか否かを考慮しなければならない。以下では、この照射系における反射の影響をこの後で検討するために必要な、屈折と反射の基本的法則を簡単に考察する。
Snellの屈折の法則
図3のダイヤグラムに関して、Snellの屈折の法則を説明する。この図は屈折率ni(iは入射媒質に対して)の媒質に沿って進行し、屈折率nt(tは透過媒質に対して)の媒質の表面に作用する光線を示す。入射光の一部は媒質t中に透過され、一部は反射されて(反射ビーム)、媒質i中に戻る。入射角がθiであるならば、反射ビームの角度は次式のように表されうるSnellの法則によって得られる:
ni Sin(θi)=nt Sin(θt) (37)
ni<ntであるならば、θi<θtである。ni>ntであるならば、θi>θtである。これらの角度が、表面Sに垂直であるラインを基準にして測定されることに注目のこと。反射ビームは角度θr=θiを形成する(即ち、反射角と入射角とは等しい)。
反射の法則.表面において反射される入射光の割合
種々な入射角θiに関する反射される入射光強度の割合Rは、Fresnelの反射式を用いて算出することができる(強度がこの場合に単位時間当たり、単位面積当たりのエネルギーとして定義されることを注目すべきである。強度は放射照度とも呼ばれる)。しかし、簡略化のために、Rをθiに関連づけるプロットに関して本発明者等の考察を説明する。θiへのRの正確な依存姓は、niとntの値と、入射光の偏光状態とによって決定される。反射に関する重要な事実を次に挙げる。
i.光線が低屈折率の媒質から高屈折率の媒質に進行する場合の反射率(ni<nt)
図4は、ni=1(空気)及びnt=1.5(後者はガラス又はプラスチックの屈折率に近い)である場合と、入射面に対して平行に偏光した光(rp)と垂直に偏光した光(rs)とに関するR対θiのプロットを示す。入射面は、入射光線とこの面に対して垂直なラインとを含有する面として定義される(図3参照)。偏光しない光の反射率Rは、入射面に対して平行に偏光した光と垂直に偏光した光とのグラフの平均によって与えられる。図4では、偏光しない光の反射率グラフはOrd(通常として)で標識する。図4のグラフは次のことを示す:
a.rsはωの増加と共に連続的に増加する(図3におけるωは、本明細書で用いる限りθiと同じである)。rsの増加は約70°(この場合に、反射率は約15%に過ぎない)までは小さいが、その後、非常に急激に増加して、90°では100%の反射率に達する。したがって、反射される光の割合は60°の入射角までは20%未満である。
b.rpは約57°まではωの増加と共に減少し、約57°ではrpは零になる。rp=0である角度はBrewster角又は偏光角と呼ばれる。Brewster角θbは次式によって、
Tan(θb)=nt (38)
ni=1(空気)を想定して算出することができる。nt=1.5では、上記式はθb=56.3を生じる。Brewster角において、θi+θt=90°であることに注目すべきである。したがって、nt=1.5に関して、θi=θb=56.3°かつθt=33.7°である。Brewster角より大きい角度に関しては、rpはωの増加と共に迅速に増加して、90°において100%の値に達する。
c.偏光しない光(通常の光)に関して、反射率は約70°まではωの増加と共に徐々に増加し、その後、急激に増加して、90°において100%に達する。θi<70°では、入射光の20%未満が反射される。
d.反射光と透過光との強度を加えても、入射光の強度に達しないことに注目すべきである。これはエネルギー保存の法則に反するように思われる。この見かけの違反は実際には単位時間当たり、単位面積当たりのエネルギーとしての強度の定義によるものである。屈折のために、入射光と透過光とは同じ横断面積を有さない。横断面積の差を考慮するならば、反射ビームと透過ビームとの単位時間当たりのエネルギーを加えると、入射ビームの単位時間当たりのエネルギーになる。
ii.光線が高屈折率の媒質から低屈折率の媒質に進行する場合の反射率(ni>nt)
図5は、ni=1.54及びnt=1に関する偏光の反射率対入射角(ω=θi)のプロットを示す。これらのプロットはni<ntに関する図4のプロットとは全く異なる。最大に有意な差は、約41°より大きい入射角では、全ての光が反射される(100%反射、全反射)ことである。全内部反射が生ずる最小の入射角は臨界入射角θcと呼ばれる。この角度の値はniとntの値に依存する。niとntの値からθcを算出するための式は、臨界角における入射光線と透過光線との角度を考慮することによって誘導することができる。臨界角θcでは、反射ビームは入射光の大部分を含有し、正反射の法則によって要求される表面に垂直なラインを基準にして角度θcを形成する。透過光は低い強度を有し、垂直ラインを基準にしたその角度θtは90°である。即ち、透過光線は表面に対して平行に進行する。それ故、Snellの式にθt=90°を導入することによって、θcの値を得ることができる。この導入は次式をもたらす:
nt Sin(90)=ni Sin(θc) (39)
Sin(90)=1であるので、Sin(θc)=ni/nt (40)
と表すことができる。nt=1.54かつni=1(空気)に関しては、上記式はθc=40.5°を生じる。臨界角が偏光しない光、入射面に対して垂直に又は平行に偏光した光に対して同じであることに注目すべきである。即ち、θcは光が偏光していないか又は平面偏光しているかに関係しない。
iii.光散乱粒子のパッチの照射に対する反射と屈折との影響
最初に、粒子が空気中で乾燥した顕微鏡スライドの表面上に存在する簡単な場合を考える。即ち、粒子は乾燥しており、空気が顕微鏡スライドの両面の媒質である。図6は、この場合に関与する反射と屈折の概略図を示す。最初の反射は表面S1で生ずる(ni<nt,ni=1及びnt=1.5)。図4は、70°までの入射角に対して反射される光の割合は20%未満である。それ故、S1における反射はこの照射方法において問題ではない。表面2は、光が低屈折率から高屈折率へ進行し、この表面において全内部反射が起こる可能性が存在するので、問題になる可能性がある。ni=1.5かつnt=1(空気)の表面において全内部反射が起こる臨界角は約42°である(式40によって算出)。次の問題は、表面1における入射光が大きい角度を有するときに、この臨界角が得られるか否かである。
図7は、Snell式(37)によってθt1=θt2を用いて算出したθi2[θtj]対θi1[θij]のプロットを示す。このプロットから知ることができるように、約θi1=70°まで、θi2はθi1の増加と共に急激に増加する。その後、θi2の増加は平らになり、θi1=90°までに臨界角に達しない。しかし、θi1=90°では、光はS1を通ってもはや透過されない。したがって、図4の配置に関して、θi1の実際の角度において臨界照射(critical illumination)は決して達せられないと結論される。さらに、約70°未満のθi1値に対して反射はS2上の粒子に供給される光の量を有意に減少させない。
本発明者等は上記結論を実験的に実証した。しかし、本発明者等の実験では、表面S1とS2上の汚れ、ダート(dirt)、引っ掻き傷、その他の凹凸又は人為物によって散乱した光(非特異的光散乱)がS2上の粒子による散乱光に匹敵する程度になり、そのためにバックグラウンド光を有意に高め、粒子検出の感度を有意に減ずる可能性があることが判明した。しかし、S1とS2上の人為物によって散乱した非特異的光は照射光線の前方方向に集中しているが、粒子(小粒子として)によって散乱した光はあらゆる方向に存在する。これらの効果は図8において実証される。
図8では、任意の方向θにおける表面人為物によって散乱した非特異的光の強度を起源Oから強度包絡線に達するラインの長さ(角度θによる)によって示す。粒子によって散乱する光はOからあらゆる方向に伸びるダッシュラインとして示す。非特異的光散乱が特異的光散乱の検出に及ぼす効果は、表面に60nm金粒子を含有する顕微鏡スライドを用いて、実験的に実証することができる。空気中で、これらの粒子は緑色光を散乱させ、非特異的光散乱の不存在下では、照射された粒子パッチは暗色バックグラウンド上の緑色パッチとして見える。表面人為物は白色光を散乱させ、この種類の非特異的光散乱は特異的な粒子光散乱に重ね合わされるときに、粒子パッチからの散乱光は、純粋な緑色ではなく、緑色を帯びた白色を有する。表面人為物による優先的な前方散乱の効果は、図8に示すような種々な角度θvに位置決めされた肉眼によって散乱光を目視することによって知ることができる。肉眼をθv=0に置くときには、散乱光は緑色を帯びた白色を有する。観察の角度θvは増大すると、白色が減少し、30°より大きいθvでは、金粒子の純粋な緑色のみが見られる。したがって、本発明では、30°のθvより大きい角度において肉眼によって観察する又は光検出器によって検出することが有用である。以下で示すように、表面人為物による非特異的光散乱は、例えばプリズム型の装置のような導光系を通して照射することによってさらに減ずることができる。
次には、図9に示すように、顕微鏡スライド上に存在する水の薄いフィルム中に光散乱粒子が存在して、カバーグラスによって覆われている場合を検討する。照射ビームは、屈折率の変化が生ずる四つの面、即ち、S1(空気からガラスへ)、S2(ガラスから水へ)、S3(水からガラスヘ)、S4(ガラスから空気へ)に遭遇する。上記パラグラフでおこなったように各面における反射と屈折とを考慮すると、図9の系では、反射が光散乱粒子に供給される光エネルギー量を有意に減ぜず、臨界反射が如何なる面においても生じないことが結論される。表面S1とS2上の表面の人為的結果による非特異的光散乱が図8の場合のように存在する。しかし、水の存在が表面S2とS3の非特異的光散乱を大きく減少させる。
拡大レンズと同じ側からの直接照射
この照射方法は図10に示す。S、L、C及びLBの意味は図2と同じである。この図では、励起光線が表面の上方から表面Sに作用する。集光レンズもSの上方である。励起光線は、入射又は反射光線がレンズLの集光円錐Cに入らないように角度を付けられる。この照射方法では、ビームパス(path of the beam)中の種々な面から反射される光を、拡大レンズ又はイメージングレンズLの集光円錐C中に反射されないように維持することが必要である。各面において反射角は入射角と同じであるので、Lによる好ましくない反射光の収集は、照射光線を円錐Cの外側であるような角度に限定することによって最小化される。上記セクションにおけると同様に、反射が光散乱粒子に供給される光エネルギー量を有意に減ぜず、臨界反射が乾燥した又は水で覆われた粒子に生じないことを実証することができる。表面の人為的結果による非特異的光散乱は上記セクションで考察したとおりである。
プリズム配置を通しての照射
i.図11はプリズムのセットアップの概略図である。その最も簡単な形式の一つでは、これは、検出されるべき光散乱粒子を含有するマイクロタイター穴、ガラススライド、プラスチック又はガラス基体上のマイクロチップ等を乗せることができる三角形プリズムから成る。光散乱粒子を含有する試料室又はスライドをプリズムの上面S2に乗せ、粒子含有面をレンズLの焦点に配置する。試料室又はスライドとプリズムとの間に浸漬油を配置して、屈折率適合によって非特異的光を最小にする。粒子は空気中で乾燥状態である。S2における屈折率適合が正確又は殆ど正確であるならば、光線はS2において有意な屈折又は反射を受けない。したがって、照射光線はプリズムと、光散乱粒子を含有する面とを横切って、ほぼ直線に進行する。しかし、空気−プリズム界面S1とS3において屈折が生じる。S1に対して垂直である方向でプリズムに入る照射光線(入射角は0°である)を考え、このプリズムが45°プリズム(角度γ=45°)であると想定する。光線はS1からS3上の点Oまで直線状態で進行するので、面S1に45の角度で衝突する。光線は次に、空気からガラスへの臨界角が約42°であるので、全内部反射を受ける。したがって、プリズムなしの下方からの照射(図6参照)とは対照的に、プリズム配置は臨界反射を可能にする。プリズムの不存在下では(図6)、図6に示すようにS1における光の反射のために臨界反射を達成することができないことを思い出す(図7も参照)。例えばプリズムのような導光系を用いる場合に高エネルギー光線を供給するために、照射光線は42°未満の角度でS3に衝突するように(図11)導かれなければならない。次の問題は、S3における42°未満の入射角が、S3を出る光がレンズLの集光円錐の外側でなければならないという条件を満たすことを可能にするかどうかである。S3における入射角が35°であると想定する。Snellの法則から(ni=1.5及びnt=1による)、流出角度(exit angle)は62°であり、これは本発明の最も必要な対物レンズ、即ち、θH=41°のx40対物レンズの集光円錐の外側である。図11のプリズム配置が、暗色バックグラウンドを維持しながら、空気中の乾燥光散乱粒子への高い光エネルギーの供給を可能にすると結論される。
次に、光散乱粒子が水とカバーガラスとによつて覆われる図11のプリズム配置を考慮する。前述したように、励起光線はS1から点Oまで直線状態で進行し、点Oにおいてガラス−水界面に遭遇する。この光線は次に、水とカバーガラスとを通って進行し、最後に、カバーガラスの上面においてガラス−空気界面に遭遇する。ガラス−水界面と水−ガラス界面において生ずる反射を考慮することが重要である。空気−水界面における臨界反射の角度は62.5°に等しい(式(40)においてni=1.5とnt=1.33を用いる)。したがって、面S3における水の導入は、全内部反射を受けずに、非常に高い角度での照射を可能にする。さらに、62.5°未満の角度では、反射率はガラス−水界面において小さい。次には、カバーガラス−空気界面における反射を考慮する。S1の面に対して垂直に入る光線を考える。プリズムが45°プリズムである場合には、光線は45°の角度でS3に衝突し、そこで全内部反射を受ける。S3(ガラス〜水)における屈折は光線の角度を55°に変える。しかし、水−カバーガラス界面における屈折が光線を再び45°に曲げる。したがって、光線はカバーガラス-空気界面に45°で衝突する。水中の粒子とカバーガラスとを有するプリズム配置は光散乱粒子(面S3に付着又は水中で遊離)への光エネルギーの効果的な供給を可能にするが、入射光はカバーガラスにおいて完全に反射される。
上記考察から、水フィルム中の光散乱粒子への光エネルギーの供給に重度に影響する反射は存在しないと結論される。カバーガラス−空気界面において全反射が生ずるが、これらの反射は光散乱粒子への入射光エネルギーの供給に影響を及ぼさない。
上記考察から、プリズム配置と非プリズム配置の両方が表面付着粒子又は溶液中遊離粒子への角度を付けた照射によって効果的なエネルギー供給を可能にすることは明らかである。効果的な供給とは、光線が適当な面において全内部反射を受けずに、非特異的光の収集を最小にすることを意味する。しかし、プリズム配置は光散乱粒子に近接したガラス又はプラスチック面上の凹凸からの散乱による人為的結果を排除又はかなり減ずるので、ある種の用途ではプリズム配置によって優れた検出能力が生ずることが実験的に判明した。固相をプリズムに結合させるために用いた浸漬油はS2における凹凸からの非特異的光散乱を殆ど完全に除去する(図11)。これらの効果は屈折率適合機構によると思われる。S1における光線の入射点における非特異的光散乱は点Oにおける特異的光散乱粒子からはるかに離れているので(プリズムが充分に大きいならば)、拡大レンズによって集光される散乱光に寄与しない。さらに、特異的な光散乱粒子が水中に存在するならば、水フィルムによる屈折率適合は面S3上の非特異的散乱をかなり減じる。さらに、水とカバーガラスとの存在下では、照射光線はカバーガラス−水界面において全反射を受ける。この反射はカバーガラス−空気界面における凹凸からの非特異的散乱を、ごく少量の光エネルギーがこの面に達するに過ぎないので、かなり減ずる。さらに、全内部反射は、照射光が拡大レンズの集光円錐に直接入りうる可能性を減ずるか又は排除する。カバーガラス−空気界面において42°より大きい角度を成す粒子散乱光は完全に反射されるので、全内部反射もレンズLの集光角度に影響を与えうることに注目すべきである。しかし、この効果は重要な効果ではない。
顕微鏡観察
前節では、光散乱粒子(表面に付着しているかまたは表面のすぐ上方で遊離しているもの)への光エネルギーの効果的な供給を支配し、同時に、集められる非特異光を最小にする諸要素(反射と屈折)に重点を置いて、本発明者らの照射と検出との(拡大レンズ)系について検討した。この節では、拡大レンズLにより作られた拡大された像を、接眼レンズを通して目視観察することにより得られる実験上の詳細を提出する。
a.光源と光ファイバーとの詳細
本発明者らは、三つの各々異なるタイプの光源を以下の通り使用した。
i.Leica顕微鏡照射器
これは標準的な市販の顕微鏡照射器である。タングステンフィラメント白熱電球とレンズとを使用しており、レンズは、照射器の先端から約22mmの距離のところに5×7mmのフィラメントの集束像を作り出す。より集束した光ビームを作り出すために、本発明者らは×10対物レンズを顕微鏡に取り付けた。レンズは、照射器の先端から約6.5cmのところにある。対物レンズは、対物レンズから約7mmの距離のところに、直径約4〜5mmの集束光のスポットを作り出す。
ii.Bausch and Lomb Fiber Lite照射器
これも市販の照射器である。放物面反射体上に取り付けられている150ワットのタングステン白熱電球を使用している。反射体は、直径約25mmのほぼ平行な光を作り出す。直径11mmの光学的光導体(束ねられた多くの小さな光ファイバーからなる)を、白熱電球の近くに位置決めする。次にこの光学的光導体を二つの等しい光導体に分割し、各々は直径約5.3mmで長さ約2フィートとする。本発明者らはこの光導体の一つを使用する。集束光スポットを作り出すために本発明者らは、光ファイバーの端部から約25mmのところに位置決めされた焦点距離25mmのレンズ(直径20mm)を使用して、光ファイバーからの光を平行にする。コリメーティングレンズから約50mmのところに位置決めした×10対物レンズにより、次に平行光を集束して直径5mmの光スポットにする。コリメーティングレンズと対物レンズとは、たわまないように光ファイバーに取り付けられている小型ホルダ中にある。光ファイバーに可撓性があるため、このタイプの光源系は、たわまないLeica顕微鏡照射器よりもはるかに使い易い。
iii.特注照射器
これは、本発明者らが組み立てた照射器である。放物面反射体上に取り付けられている12V、28ワットのタングステン白熱電球を使用している。反射体は、ほぼ平行な光のビームを作り出し、この光のビームは、直径0.125インチを有する光学的導体に集束する。この光学的導体は長さ36インチである。反射体からの光は、電球の近くに位置決めされているレンズ(焦点距離23mm、直径9mm)により、光ファイバーに集束する。光導体は開口数0.55を有し、かつ、平面半角60°の光円錐を受け入れる。
光導体の他の端部から出る光を、ファイバーの端部から約17mmのところに位置決めされている焦点距離12mmのレンズ(直径11mm)により、平行にする。平行光は最終的に、×10対物レンズにより集束して、直径5mmの明るいスポットになる。対物レンズは、コリメーティングレンズから約26mmの距離のところに位置決めされている。5mmの明るいスポットは、集束レンズの端部から約12mmの距離のところにある。
b.プリズム(光導体)
図12に示すのは、例えばプリズムのような幾つかの光導体の線図であり、本発明者らは、これが本発明者らの照射系に有用であることを見い出した。こうしたものの幾つかは、古典的な意味では実際にはプリズムではく、むしろ光ガイダーまたは光導体と呼ぶことができる。光ガイダーは、光が効果的に斜めに供給されることを可能にし、同時に、反射光ビームが、入射光面に対向する面から出ることを可能にする。これは以下の理由で、何らかの最小寸法を有さなければならない。光ビームが入りかつ反射光が出るスポットは、表面の不規則性が原因で、かなりの非特異光散乱を生じ得る。こうしたスポットを、特異的光散乱粒子のパッチから十分に除去することにより、非特異的光散乱へのその寄与を最小にしなければならない。光導体を試料チャンバーと一体化して成形でき、従って光ガイダーと分析部片との間に浸漬油を使用する必要性を無くすことができる。本発明者らは、そのような装置を試作するために、小さな光導体をプラスチックチャンバーの底部に接着剤で接着した。チャンバーは、試料チャンバー穴の内部表面にコートされたストレプトアビジンスポットのマイクロアレイを有する。マイクロアレイの個々のマイクロスポットに結合している光散乱粒子の、この装置を使用した本発明者らの検出及び測定は、二つの表面間に浸漬油を用いてプリズム上に置いた試料チャンバーによる本発明者らの粒子計数による測定及び強度測定と本質的に同じである。
c.顕微鏡観察
目視顕微鏡観察用の接眼レンズを使用して、本発明者らは、粒子の明るさと、バックグラウンドの暗さと、様々なタイプの臨床アッセイ形式における有用性とに特に重点を置いて、幾つかの照射装置を評価した。良好な結果を生じる幾つかの装置が見い出された。本明細書においては、優れた結果を生じ、最も使い易く、最も高価でない装置の一つに検討を限定する。優れた結果により本発明者らが意味するのは、拡大レンズとして×10及び×40対物レンズを使用した際の暗いバックグラウンド上の明るい粒子である。
この結像系は、Edmund Scientific製の廉価な顕微鏡である。この顕微鏡は、標準的な160mm管中の対物レンズ(×10または×40)と接眼レンズとからなる。ただ単に対物レンズと接眼レンズとを使用する代わりに顕微鏡を使用する理由は、顕微鏡の微/粗焦点合わせ機構により得られる便利さである。しかしながら本発明者らは、顕微鏡のステージを修正して、本発明者らの照射方法に適合させ、かつ、図12(d)に示すように、顕微鏡コンデンサーを光導体(プリズムタイプ)に取り替えた。プリズムの下のシリンダーは、コンデンサーホルダに嵌合する。修正したステージと照射器とは、顕微鏡スライドと、マイクロタイタープレートと、他のプラスチックプレートと共に働くことができる。しかしながら×40対物レンズは、厚いプラスチックプレートと共に使用できず、というのは、この対物レンズの作動距離が小さい(約0.45mm)ためである。×40対物レンズで、より作動距離が大きいものは入手可能である。この特注照射器を、照射用に使用する。
DLASLPD方法用の顕微鏡系をセットアップするために、遊離のまたは表面結合している金粒子(カバーガラスで覆われた水の薄膜中の60nmの金粒子)を含む顕微鏡スライドを、顕微鏡ステージ上に置く。プリズムを位置決めして、その表面を顕微鏡スライドとほぼ接触させる。スライド表面とプリズム表面とを浸漬油により連結する。この照射系の×10集束対物レンズを位置決めして、照射されているプリズムの側面とレンズとがほぼ接触するようにする(図13を参照されたい)。対物レンズを傾ける結果、光は照射表面に直角をなして入り、かつ、表面S(顕微鏡スライドと接触している表面)に約45°の角度で当たる。スライド上の金粒子膜が、十分に高い濃度の粒子(約6×10’粒子/ml以上)を有する場合、粒子による光散乱のために、光が粒子膜を横切るスポットは濃い黄緑色を示す。×10集束対物レンズの位置を調整して、黄緑色のスポットを、顕微鏡(拡大)対物レンズを基準にして中央に置く。次に顕微鏡をスポット上に焦点を合わせ、その結果粒子が、接眼レンズを通して見ると、鮮明な物体として見えるようにする。次に×10照射対物レンズの位置と角度とを再度位置決めして、暗いバックグラウンド上に明るい物体を作り出す。この調整を、顕微鏡の×40対物レンズで繰り返す。×10と×40対物レンズの両方に関して、暗いバックグラウンド上に明るい物体を作り出す位置の狭い範囲がある。
照射光ビームが約42°(プラスチックまたはガラス−空気界面での全内反射の臨界角)より大きい角度でプリズム表面に当たる場合、照射光は顕微鏡スライド上方の空気間隙を透過しないという点に、注意されたい。本発明者らの装置では、入射角は45°である。これを検証するためには、顕微鏡スライド上方に一枚の白紙を置く。照射光は紙の上には当たらない。しかしながら、照射ビームを可視化して、空間内でのその形状と断面とを確認することは興味深い。これを行うには、連結用に浸漬油を使用して、スライドの上部にローダミンプラスチックブロックを置く。ローダミンブロックは、蛍光分子であるローダミンを含む透明なプラスチックブロックである。ブロックを通って進むビームは、ビームが作り出すローダミンの蛍光により見える。浸漬油は、空気間隙を取り除き、かつ、照射ビームがプラスチックブロックに入るのを可能にする。ブロック内部の蛍光により見える照射ビームの断面を、図13に示す。
いったん照射系が適切に位置決めされると、約30nmより大きい金粒子は、顕微鏡スライド上と、プラスチック穴上と、固相マイクロアレイ上またはアレイチップ上に容易に見ることができる。×10対物レンズにより、μにつき0.005個の粒子未満の粒子密度の検出が可能である。この×10対物レンズは、作動距離約8.5mmを有するので、約8mm厚さのプラスチック部片と共に使用できる。
DLASLPDビデオコントラスト強化方法
本発明者らは、DLASLPDビデオコントラスト強化方法を使用することで、試料中で金属様粒子と非金属様粒子とをより大きい感度で検出できることを確認した。この方法は、結像した非特異光バックグラウンドを電子的に調整して、結像した映像面からバックグラウンドを本質的に除去し、同時に、個々の粒子を可視に保つステップを含む。この方法は、本明細書において説明される他の諸方法と共にきわめてうまく働く。本発明者らは、この方法を使用して生じる、改良された特異性と感度とを観察した。
試料チャンバーの改良
本発明の特定の態様を取り上げ、かつ、ここでそれを、使い易さと様々な試験環境及び条件への適合可能性とに関してさらに改良するという趣旨において、本発明者らは、アッセイを行いかつ分析物を検出するために使用する試料チャンバーの設計に、本発明の幾つかの態様を実施できることを見い出した。
例えば、本発明者らの観察と概念化とに基づいて、本発明者らの原理を試料チャンバーの全般的な設計に適用できる。この試料チャンバーは分析対象となる試料を収容する容器である。こうした改良は、使い易さと、上記に簡単に概説した様々なタイプの試験及び試験条件への適用可能性とを促進できる。しかしながら、本明細書において説明する本発明は、以下の試料チャンバーの改良を使用しなくても、等しく申し分なく実施できることを明言しなければならない。こうした改良は、本明細書において他の場所で説明する、特定の試験条件と環境への本発明の実際の適用可能性を増大させるためのものである。
表面S1(入射光表面)を、測定対象となる粒子を含む領域からできる限り遠くへ動かすすなわち移動させることにより、信号/バックグラウンド比は大幅に増大することを、本発明者らは見い出した。照射ビームの表面S1への供給を方向づけるのを助けるために使用する、プリズムまたは類似の光学的光導体のような光学的配向手段の使用は前に説明した。一般的には、光導体(プリズム等)の表面と試料チャンバーの表面との間には浸漬油が使用されている。分析物試験における条件には、分析方法体系中の構成要素として浸漬油を有さない方が好ましいものが多数ある。粒子が接しているかまたは近くにある表面の厚さを増大させることにより、前に説明した非特異光のレベルは大幅に低減することを、本発明者らは確認した。
本発明者らは、これと他の態様とを、試料中の一種類以上の分析物の検出のための試料チャンバーの設計に適用した。この全般的な試料チャンバーの設計を、図17、18、及び19に図示する。図17に示すのは、斜めになった平らな側面を有する試料チャンバーである。この斜めになった側面の角度を、照射の角度と合致させることで、照射ビームが、(直角を基準にして)できる限り0度に近い角度で、斜めになった側面の面に当たるようにする。このようにして、非特異的な反射光と散乱光とを最小にする。図18に示すのは、図17で説明した平らな斜めになった側面の代わりに、湾曲した側面を有する試料チャンバーである。この試料チャンバーでは、発散している射出ビームに関しては、湾曲した表面がこの非特異光をより効果的に除去できるように配慮されている。図19に示す試料チャンバーでは、光ビームが試料に当たる入射表面を測定対象となる領域からさらに遠くへ動かすという概念と、非特異光をより効果的に除去できるように配慮されている湾曲した側面という概念との両方を利用する。従ってこの試料チャンバーは、穴の底面の下の材料厚さが増大していることと、照射用表面の平面の下の斜めになった平らな表面と、非特異光を効果的に除去できるように配慮されている、穴の底の表面平面の上の湾曲した側面とを有する。図17、18、及び19に示す試料チャンバーは、固定化された試料並びに溶液試料の測定に有用である。
分析診断アッセイのための本発明の実施−装置のタイプと試験キット
広範囲の分析物タイプがあることは従来技術において周知である。こうした分析物は、様々な試料環境中に、例えば、水、尿、血液、痰、組織、土壌、空気、及びその他同様なものの中に存在する。個々のタイプの分析アッセイの要件によって決まるが、考察の対象となっている分析物に関して半定量情報または定量情報、またはその両方を得たいことがある。条件によっては、小さく、廉価で、非常に携帯性の高い器械で分析を実行するが望ましい。例えば、消費者用、現場での使用(研究室から離れて)、または病院での臨床である。問題になっている分析物に関して、半定量及び/または定量測定値を迅速に得ることが望まれている。他の用途では、1日に数個の試料を試験するような小さな研究室で分析物を検出するためには、小さく廉価な器械で定量的結果を得られるものを有するのが望ましい。例えば、診察室、診療所、サテライト試験室、研究所及びその他同様なものである。また、高スループット試験のような、1日につき数百〜千の試料を試験したい条件もある。上記の試験条件及び環境の各々は、従って、各々異なるタイプの装置手段を必要とする。そのような装置の、使い易さとコストとの見地からの利益と不利益とは、試料中の単数または複数の分析物の試験の正確な要件が明確に定義されている際に、詳細に決定できるだけである。
特定の金属様粒子を、検出のためのDLASLPD方法の特定の変形例と共に使用することで、上述の試験環境と用途のための特定の試験キットと装置との開発に対応できることを、本発明者らは確認した。分析物と、試験環境と、試料タイプと、アッセイ形式と、分析物検出要件と、装置のコスト及び寸法要件とに関して多くの様々な組み合わせがある。平均的な当業者ならば、何らかの形態で本発明を実施することで、使い易くかつ廉価な装置と試験キットとを生じ、それにより大抵の分析試験または診断試験の必要性を解決するという点で、発明の大きな有用性を認識できよう。
一緒に使用して特異的分析物検出能力を実現できる、DLASLPD方法、粒子タイプ、及び試料タイプに関しては、多くの様々な構成と組み合わせとがある。任意の特異的診断アッセイの応用例において、単数または複数の試料タイプと、照射及び検出のための単数または複数の方法とは、通常、例えば、アッセイ形式、試料チャンバータイプ及び検出装置に関して固定している。金属様粒子は、粒子の寸法、形状、組成、及び均一性により変化するような、独特の散乱光特性を有する。粒子から検出及び/または測定できる光散乱の特定の特性は、前に述べた粒子特性と、散乱光特性を検出しかつ測定するために使用される方法及び装置とにより設定される。従って、何らかの形態での本発明の最大の有用性と実施とを実現するためには、照射及び検出手段の様々な態様と試料タイプとを、適切なタイプの光散乱粒子と組み合わせる。これにより、特定の装置と試験キットとが得られる。
当業者であれば、様々な粒子タイプと、アッセイ形式と、多くの様々な構成の装置とを使用することで、本発明の多くの様々な熊様を実施し、結果として得られる多くの様々な診断分析上の検出能力を実現できる。図22で図示するのは、特定の組み合わせで設計すると、特異的診断分析試験の必要性に適合する装置と試験キットとを生じるような、本発明の様々な態様である。結果として生じる装置と試験キットとは、方法体系/装置タイプの構成(図23)と粒子タイプの構成(図24)とから適切な構成要素を選択することにより作られる。図23に示すのは、当業者であれば、照射光源と、方法と他の装置との構成要素と、アッセイと試料とのタイプと、検出方法と装置構成要素とを選択できるということである。図24に示すのは、当業者であれば、適切な粒子組成、形状、寸法及び均一性を選択して、粒子の所望の光散乱特性を検出できるということである。図23と24とに概説し、かつ、図22の線図で要約したこうした方法により、特定の装置と試験キットとが得られる。図25の線図に示すのは、特定の診断試験の必要性のために特定の装置と試験キットとを開発するために本発明者らが使用した、全般的な方法の一つである。当業者は、何らかの形態で本発明を実施するために図25の方法を実施する必要はない。
本明細書において説明した照射及び検出のためのDLASLPD方法と金属様粒子とを組み合わせることによる、注目すべき信号発生と検出能力は、広範囲の分析物検出感度に対応している。一般的なタイプの試験環境と上記に簡単に説明した図22〜25とに関して、当業者であれば、幾つかの診断試験用途においては、検出及び/または測定用に裸眼のみを必要とするような、また、他の場合には、LED(発光ダイオード)または低出力白熱電球のような簡単な光源を使用し、かつ、フォトダイオードまたはフォトダイオードアレイを使用して信号を検出及び/または測定できるような、装置と試験キットとを容易に開発できよう。他の分析試験用途においては、レーザー、レーザーダイオード、白熱電球、またはその他同様なものを、カメラ、ビデオカメラまたは他のCCD装置(電荷結合素子)と共に使用でき、かつ、簡単な画像処理手段があれば、マイクロアレイ形式または任意の他の形式中の粒子からの散乱光を、検出しかつ測定できる。こうした例は、限定することを意図したものではなく、むしろ試料中の考察の対象となっている一種類以上の分析物を検出するための本発明の多用性と幅広い有用性とを全般的に示すことを意図したものである。
例えば、携帯用の小さな手持ち形装置で、試料中の一種類以上の分析物を測定できるものを、低出力白熱電球、LED、またはレーザーダイオードを光源として使用して組み立てることができる。フォトダイオードまたはフォトダイオードアレイを検出器として使用する。必要とする検出感度によって、特定のタイプの金属様粒子をこの装置と共に使用して、分析物検出要件を満たすことができる。試験キットを、液体または固相試料中の多数の分析物または単一の分析物の検出用に作り上げる。例えば液体試料の場合、様々な粒子タイプを、各々は容易に検出可能な異なる散乱光特性を有するが、使用する。マイクロアレイのような固相試料と形式においては、一つの粒子タイプを様々な分析物の全てに使用できるし、あるいは、粒子タイプの様々な組み合わせを使用できるかもしれない(試料中の様々な分析物の濃度によって決まる)。
別の例では、低濃度分析物まで測定できる廉価な装置と試験キットとを、以下の通りに作り上げることができる。低出力または高出力光源を、光電子増倍管、フォトダイオードアレイ、またはビデオカメラと共に使用する。レンズを使用して、粒子を含む単数または複数の表面からの散乱光を集める。マイクロプロセッサーまたは外部デスクトップコンピュータを使用して、散乱光データを収集し、かつ、分析する。多数の分析物の固相分析用の試験キットを作るために、単数または複数の適切な粒子タイプを、適切なマイクロアレイ試料チャンバーと共に使用することで、必要な濃度範囲と検出限界とを実現する。このタイプの装置と試験キットとは、研究所、診察室、サテライト診療所、環境試験室、及び高スループット試験室において有用かもしれない。
上記の例の装置と試験キットとは、実例として与えるものであり、これのみが本発明の実施と解釈するべきではない。当業者は、本発明の幅広い有用性を認識できよう。単数または複数の特定の分析物検出の必要性に適合させるために、本発明の一つ以上の態様を実施することにより、当業者は、広範囲の装置と試験キットとを作成できることを認識できよう。
分析物と特異的分析物認識試薬との相互作用により二つ以上の粒子の会合または凝集(aggregation)を伴うアッセイ
単数または複数の適切な結合剤と適切な濃度の結合剤及び分析物とを使用することにより、凝集(agglutination)、凝集(aggregation)、架橋、網目形成及び類似の結合事象が起こり得、かつ、こうした事象を使用して試料中の一種類以上の分析物を検出できることは従来技術において周知である。幾つかのイムノアッセイでは、抗原が可溶でかつ多価な場台、可視の沈殿物が形成され、一方、抗原が粒子状でかつ多価な場合、凝集(agglutinate)またはクランプした粒子が形成される。幾つかの核酸アッセイでは、一種類の特異的一本鎖プローブが、二つ以上の一本鎖標的と「架橋」して、網目を増殖できる。代わりに、二種類以上の各々異なる非反復一本鎖核酸プローブを、同一の標的一本鎖核酸上の様々な部位に結合させるために使用できる。この手法では、二つ以上の標的による架橋を成し遂げることができるか、または、単に二つの非反復プローブ配列を同一の標的に結合させることで検出できるように配慮されている。
本発明は、従来可能だったものより、より使い易く、より敏感で、より多用性のある分析物検出ができるように配慮されている。特異的アッセイ形式においては、本発明の顕微鏡で見えないレベルの粒子は、様々なタイプの凝集体を形成でき、この凝集体は、分析物に結合している遊離形態粒子を分離する必要なしに、顕微鏡中で目視によるかまたは器械により、または肉眼での観察または測定により検出できる。形成された凝集体のタイプは、単数または複数の架橋剤の寸法と結合価(valency)とによって決まり、かつ、粒子に付着している結合剤のタイプによって決まる。凝集体は、2個の粒子から多くの粒子の範囲にわたる。
同種液相凝集検出アッセイにおいて使用する粒子は、直接にまたは間接に標識できる。直接標識化アッセイにおいては、分析物に直接に結合できる試薬を信号発生粒子に付着させる。例えば、直接標識化核酸分析物アッセイにおいては、DNAプローブを光散乱粒子に付着させる。間接アッセイにおいては、分析物検出試薬は化学的基Aで標識され、粒子は、基Aを認識できる試薬で標識またはコートされる。直接または間接標識化を使用して、分析物認識結合試薬と分析物との(そして間接標識化の場合には基Aとの)相互作用が、粒子の凝集を生じるように、アッセイを構成できる。凝集体は二つ以上の粒子から構成できる。
アッセイにおいて単数または複数の凝集または架橋剤の寸法が小さいために凝集体中の粒子同士が非常に接近している場合、二つまたは多くても数個の粒子を含む凝集体は、顕微鏡中で単一粒子(顕微鏡で見えないレベルの凝集体)として見えることを、本発明者らは見い出した。しかしながら、この顕微鏡で見えないレベルの凝集体は、粒子−粒子摂動が原因で、未凝集粒子とは異なる光散乱特性を示す。粒子の組成、寸法及び形状によって、散乱光の色、強度RIFSLIW、及び偏光が変化することを本発明者らは観察した。こうした変化を使用して、分析物に結合している遊離形態粒子を分離する必要なしに、分析物の量を測定できる。顕微鏡ではこの変化を使用して、顕微鏡で見えないレベルの凝集体を非凝集粒子と識別でき、これはたとえ両者が単一粒子として見えても可能である。凝集または架橋剤の寸法が大きい場合、例えば凝集体中の粒子間の距離が顕微鏡の解像度よりも大きいような長いDNA鎖の場合、凝集体中の粒子は、一緒にとどまるか移動するという事実により、一つ一つ別々に見え、かつ未凝集粒子と識別できる。こうした顕微鏡レベルの凝集体は、わずか二個の粒子が凝集体中にある時には、顕微鏡中で容易に見える。距離が十分に大きい結果として粒子−粒子摂動が小さい場合、凝集体中の粒子はその最初の光散乱特性を保持する。また、上記に検討した二つの全般的な事例の中間にある、粒子−粒子分離距離もある。幾つか特定の場合には、顕微鏡で見えないレベルの凝集体中の粒子はその光散乱特性に摂動を起こさないことを本発明者らは観察しており、多分この理由は、これらは粒子−粒子摂動が起きるほど十分接近していないからであろう。にもかかわらず、凝集体は非凝集粒子と識別でき、というのは、その強度は非凝集粒子の場合のn倍(ここでnは凝集体中の粒子の数である)であるから及び/または粒子は互いに対して相関がある位置に「固定」しているからである。
分析物の存在により生じた凝集体が遊離の未凝集粒子とは異なる光散乱特性を有する場合、肉眼での測定または目視観察に基づいた液体の相同種アッセイを、容易に実現できることが、上記の検討から分かる。凝集体中の粒子−粒子摂動が小さいので凝集粒子及び遊離粒子の光散乱特性が類似している場合、個々の粒子及び凝集体の光散乱強度の可視化を可能にするかまたは測定を可能にする検出方法を使用して、同種アッセイはなお可能である。凝集体中の個々の粒子が見える状況では、凝集体を遊離粒子と容易に識別でき、かつ、目視観察またはコンピュータ化した画像解析により上記に説明したように定量化できる。また凝集体はフローサイトメーター中または類似の装置中で遊離粒子と識別でき、かつ、定量化でき、というのは、凝集体は、個々の粒子よりも大きい光強度を有すると思われるからである。凝集体中の個々の粒子が顕微鏡中で見えず、かつ、粒子−粒子摂動が無い状況では、遊離粒子と凝集体とは、その強度の相違により識別でき、凝集体中の粒子数は、凝集体の散乱光強度から確定できる(強度は付加的なものと仮定して)。これは、画像解析またはフローサイトメトリーにより行うことができ、かつ、これは、試料の面積または体積を空間分析できるレーザー走査または他の方法により像を作り出すことを含む。
顕微鏡で見えないレベルの凝集体の数が増大するにつれて、たとえ凝集体中の個々の顕微鏡で見えないレベルの粒子が顕微鏡により見えなくても、凝集体は拡大した粒子、または大きな粒子として見える。顕微鏡レベルの凝集体の場合には、凝集体中の粒子数の増大は、可視の網目を作り出すので、網目中の粒子を計数できる。大きな網目と粒子凝集体とが作り出す肉眼で見える実体は、裸眼で観察でき、かつ、沈殿物または凝集体(agglutinate)を形成できる。
平均的な当業者であれば、前の段落で説明した様々な凝集現象を活用して、多くの様々なタイプの同種アッセイを開発でき、その幾つかは顕微鏡または他の画像解析技術と、肉眼での観察または測定を含むその他のものとを使用することは、認識できよう。
以下のものは、同種タイプのまたは他のタイプのアッセイをどのようにして実行できるかを示す、選択された実例である。
光散乱粒子を使用するアッセイ形式の実施例
下記に与えるのは、様々なアッセイ形式における本発明の幅広い多用性と大きな有用性とを証明する、幾つかの実例である。平均的な当業者であれば、従来可能だったものより、より特異的で、より使い易い、及びより敏感な、試料中の一種類以上の分析物の検出に対応している、本発明の多くの変形例があることを認識できよう。
i.分子認識を基にした結合事象による二つ以上の粒子の会合を伴うアッセイ形式一般原理
一組の実験において、基材分子付着の方法を使用して、直径40nmの金粒子の合成物の表面をビオチン化した。遠心分離により精製し、洗浄した後、この材料の一滴をガラススライド上に置き、カバーガラスで覆い、光照射及び検出のためのDLASLPD方法を使用して光学顕微鏡で観察した。材料は均質に見え、粒子はブラウン運動により非常に速く動いており、緑色を呈していた。次にカバーガラスを除去し、一滴のストレプトアビジンの溶液をスライドの上に置いてから、カバーガラスで覆い直した。ある時間経過した後、新しく黄色−オレンジとオレンジ、及びオレンジ−白色の粒子構造が溶液中に現われ、これは緑色の粒子よりもはるかに大きな強度を有し、かつはるかにゆっくりと動いていた。こうした新たな粒子構造の幾つかはまた非対称に見え、というのは粒子は溶液中で回転するにつれ明滅したからである。しばらくの時間の後、多くの緑色の粒子は消滅しており、多くの黄色−オレンジとオレンジの粒子凝集体が存在した。顕微鏡でカバーガラスの縁部を調べた際に、縁部は、オレンジ、黄色−オレンジ、及びオレンジ−白色の非常に色の鮮やかな粒子凝集体でコートされていた。本発明者らは、類似の現象をホモポリマー核酸系において観察した。こうした観察により示されるのは、本発明の様々な形態において粒子散乱光特性の変化を使用することで、凝集体の可視化により、または「遊離」単一粒子数の減少により、または他の方法の使用によりバルク溶液中で、分子結合事象を検出できるということである。例えば、バルク溶液またはフロー系における検出のためには、適切な条件下で溶液の一部を照射しかつ溶液から発する散乱光の変化を捜すことにより、独特の散乱光特性を持つ新しい粒子形態の数の増大、及び/または、最初の特性を持つ粒子量の減少を使用できる。代わりに、フローを基にした系を使用することにより、試料中の材料をより特異的に分析できる。例えば、試料溶液の一部または全部を粒子毎に分析できるような、マイクロチャネル、毛管、またはフローサイトメトリー装置を使用する。溶液は、単数または複数の照射光源及び単数または複数の検出器のそばを流れるか、または代わりに、溶液は、マイクロチャネルまたは毛管中に捕捉され、次にマイクロチャネルまたは管の全部または一部を分析するために、試料容器、光源または検出器(またはこれらの何らかの組み合わせ)を試料の長手方向に動かす。
例えば、ある種の核酸分析物は約100核酸塩基で構成され、試料中に存在する。この核酸が一本鎖形態になるように、試料を作成する。次に二種類以上の非反復一本鎖「プローブ」核酸配列を試料中に加え、この試料中では様々なプローブ核酸が、標的鎖の様々な領域に結合する。また、こうしたプローブ核酸の各々は既に、直接または間接標識化手段により、一つ以上の粒子にも付着している。インキュベーションに続いて、試料をフローサイトメーター装置中または類似のフロー装置中に置き、この装置中で試料を含む溶液を分析できる。標的配列が存在する場合、ごく接近して共に「結合」した二つ以上の粒子が存在する。粒子同士の分離距離によって、粒子−粒子摂動は起きることがあるかまたは起きないことがある。プローブ鎖と標的鎖とのハイブリダイゼーションの結果として二つ以上の粒子を含むこうした分子構造を、前に説明した適切な手段を使用して検出する。
ii.分子実体の放出を伴うアッセイ
分子的事象、化学的事象、または他の事象の結果として、分析物の存在を検出するために本発明を使用できる、アッセイ形式の用途がある。例えば、分子内または分子間結合、連結、または他の分子構造を変化させることで、この処理の結果として分子の幾何学的形状全体を変化させるか、または、単数または複数の分子断片を解離させるようにする。例えばペプチド類、タンパク質類、核酸類、または医薬品類及びその他同様なものを、従来技術において周知の様々な手段によって、試料容器の表面に付着させることができる。こうした物質の幾つかの内部には、化学的処理、生物学的処理、または他の処理により切断または別の方法で変化させることができる一種類以上の分子内連結または結合部位がある。例えば、特定の酵素またはリボザイムの存在を検出でき、そのためには、その活性の結果として放出される切断生成物の量を監視する。単数または複数の光散乱粒子を分子構造の諸領域に直接にまたは間接に付着させる際には、切断処理への影響が最小になるようにする。溶液中の遊離粒子の存在または量を、または代わりに、試料容器にまたは他の粒子に付着している結合粒子の減少を、酵素の存在、量及び活性と関連させることができる。別の例では、全ての粒子が多価で抗体−抗原結合により結合するように、光散乱粒子を抗原性物質でコートしてから、抗体と混合する。この網目または凝集(agglutinate)材料を、試料容器中に置くかまたは希望するなら試料容器に付着させる。試料を容器中に置き、これは(同一の抗体または抗原または幾分類似した構造を持つ競合抗体または抗原であるかもしれない)分析物を含むかもしれない。試料中に存在する、抗原または抗体特異性分析物の存在と量によって、抗体と粒子にコートされた抗原との何分の一かは、競合により網目構造から解離する。存在する分析物の量を検出でき、そのためには、溶液中の粒子の量を測定する及び/または凝集(agglutinate)した網目に残っている粒子の量を測定する。粒子上に抗体をコートすることで、または、他の結合剤、例えば核酸類、ペプチド類、受容体類、医薬品類、ホルモン類及びその他同様なものを使用することで、この方法に関する変形例も使用できる。
iii.分子結合事象の検出と特徴付け
別の実例では、結合剤でコートした粒子のブラウン運動を画像解析形式に使用することで、存在する分析物の存在と量とを検出できる。またこの方法を使用して、一つのパートナーが粒子に付着し、かつ、他のパートナーは溶液中に遊離しているような結合対における、分子結合事象と特性とを研究できる。そのような能力は、抗体類、抗原類、医薬品類、受容体類及び分子結合特性が重要な任意の物質の結合特性の特徴付けにおいてきわめて重要である。例えば、40nmの金粒子合成物を、抗原、医薬品、または抗体を表面に含むように作る。こうした粒子−結合剤を次に顕微鏡スライド上に置き、DLASLPD照射及び検出方法を使用して顕微鏡上で見る。そのブラウン運動特性を定量化する。次に、粒子上に付着した結合剤に結合できる分析物を含むかもしれない試料溶液を加える。加えた溶液が結合剤パートナーを含む場合、これは粒子上に結合している結合剤に結合するので、ブラウン運動の変化が観察できる。代わりに、特徴付けの用途のために、分子特性を特徴付け中の既知の濃度の物質を、既知の濃度で滴定し、その結合特性を決定する。このようにして、大抵の任意の分子認識結合対の分子結合事象を研究できる。
iv.分析物の増幅された検出
ある種の分析及び診断アッセイでは、粒子の散乱光特性の検出可能性を増大させ、その結果非常に簡易化された検出器械を必要とするかまたは検出器械を必要としない方が好ましいことがある。適切な分子認識結合対と粒子とを使用することにより、検出レベルすなわち感度を大幅に増大させることが可能である。一本鎖ホモポリマー配列類、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチン、及び他の結合対系を使用して、多くの粒子を「連鎖」させ「組み立て」できる。例として、サンドイッチ状の抗体−抗原−抗体構造が形成される固相アッセイを設計する。一つの抗体は固相に付着しているので、抗原分析物が捕捉される。次にビオチン基を含む追加の抗体を加える。さらに、ストレプトアビジンをコートした粒子と遊離ビオチンとを溶液に加える。(固相−抗体)−抗原−(抗体−ビオチン)から、複合体は成長して、...(ストレプトアビジン−粒子)−ビオチン−(ストレプトアビジン−粒子)−...構造になり、この構造は、共に結合している多くの粒子を含む。そのような粒子凝集体または網目構造は、一つの粒子よりもはるかに検出が容易な高レベルの強度を生じる。別の例として、ポリデオキシアデニル酸(Poly dA)及びポリチミジル酸(Poly dT)または他のホモポリマー一本鎖核酸類を使用でき、ここでPoly dAホモポリマー配列は、一本鎖「プローブ」分子のある領域に組み込まれる。粒子を、このホモポリマーに相補的なdT配列でコートしてから、追加の「遊離」dA一本鎖類と共に試料に加え、多くの粒子を含む構造を作り出す。上記の例は例示を目的としており、普通の当業者であれば、分析及び診断の条件と要件とによって、本発明のこの態様の多くの変形例が可能であることを認識できよう。
改良された粒子−結合剤試薬
抗体のようなタンパク質性結合剤の、金属様及び非金属様粒子及び他の表面への、吸着の方法による付着は、従来技術において周知ある(M.Horisberger,Scanning Electron Microscopy(1981),2,p9-31を参照されたい)。吸着の方法を、例えば、抗体分子と共に使用して、結合特性を有する物質を粒子に付着できる。抗体の場合には、抗体分子の粒子への付着はまた、粒子に部分的な化学的安定性を与える。吸着条件を注意深く制御すれば、抗体分子のなかには、その各々の抗原に対してなお結合活性を所有するものもある。金属粒子の化学的安定化剤としての特定の合成ポリマーまたは生物学的ポリマーの使用も、従来技術において周知である(Heller et al.(1960),Journal of Polymer Science,47,p203-217を参照されたい)。粒子への及び他の表面への物質の吸着の方法は、本明細書において参考のために引用する。
粒子への及び他の表面への物質の吸着に関しては、その正確な機構と性質とは、十分に理解されているわけではない。抗体分子が粒子または他の表面に吸着される際に、吸着された抗体の密度と配向とは、結合活性のレベルと関連しているようである。吸着方法の制御ができないために、多分、多くの結合している抗体分子は、分子構造の分子認識領域が変化するような方法で付着しており、その結果、結合活性は大幅に低減するかまたは全く活性を所有しないようである。
吸着の方法は、タンパク質性結合剤類と分析物アッセイに有用かもしれないかまたは有用でないかもしれない他の物質との粒子への付着に対応できるが、分析物試験及び他の分野において興味深いかもしれない幾つかのタイプの物質を付着することは困難である。例えば、核酸類と、より小さいタンパク質及びペプチド類のようなタンパク質様物質類と、低分子量抗原性物質類、ホルモン類、医薬品類及びその他同様なもののような他の非タンパク質性物質類とは、吸着方法では粒子に有効に付着できない。吸着技術をさらに限定するものは、各タイプの物質に独特の吸着条件があり、これを注意深く制御しなければならないことである。そのような手順に厳密に従った場合でさえも、タンパク質の量と表面に吸着された物質の完全性及び結合特性とには、著しい変動があり得る。多くの場合には、吸着された結合剤の結合活性(親和性と特異性)は、未吸着形態と比較して大幅に低減する。
吸着の方法を使用した、抗体などの様々なタンパク質性結合剤の粒子表面への付着に関する本発明者らの経験から、結果として生じる粒子−結合剤材料の結合特性と安定性とには大きな可変性があることが示された。吸着された抗体または他の結合剤の結合親和性は、標識化条件に非常に敏感であり、かつ、バッチ毎に大幅に変動し得る。粒子に吸着されている抗体類、アビジン、ストレプトアビジン及び他の結合剤類の結合活性の大幅な減少は、共通のものである。こうした合成物の幾つかにおいては、吸着された結合剤の何分の一かは、粒子から解離する傾向があるようだ。これは、深刻な問題を提起し得る、というのは、この解離した材料は、分析または診断アッセイにおいて、分析物に関して粒子−結合剤と競合するからである。
上述のように付着方法の制御ができないことと、結合活性の可変性があることと、吸着方法により粒子に付着できる物質のタイプに関して限定があることとは、分析及び診断のためのそのような材料の生産と使用とに多くの問題を提起する。ことによると最も重要なことに、吸着技術により作成された粒子−結合剤複合体は、超または極超低濃度の分析物を検出している多くの分析用途にとって十分な品質がないかもしれない。
様々な寸法と組成とを持つ結合剤類を含む任意のタイプの物質を、粒子または表面に特異的に付着できる方法であり、かつ、付着した物質の結合活性への影響が最小になるような方法があれば、技術上非常に有用であろう。また、粒子(または一般に任意の表面)毎に試薬の所望の密度を実現するための方法があれば、技術上非常に有用であろう。加えて、こうした方法が、複数のタイプの試薬の結合を可能にすれば望ましいだろう。製造とコストとの見地からは、同一の基本的な手順を使用して、様々な異なるタイプの物質を粒子に付着できるので、合成手順の実行が容易でかつ廉価であれば、非常に有用性があろう。
本発明者らが開発した新たな諸方法は、結合剤類と大抵の他の物質とを、金属様粒子と他の表面とに特異的に付着できるように配慮されている。こうした新たな諸方法により作られる粒子試薬類は、非常に安定であり、かつ、高い結合親和性と低い非特異的結合特性とを所有する。こうした新たな諸方法は、従来技術の吸着手順の多くの限定を解決し、かつ、その手順は、実行が容易で低コストであるという追加の恩典を有する。幾つかの実施例では、こうした新たな諸手順は、多くの同一の材料と手順とを使用して、ほぼ任意のタイプの物質を迅速にかつ簡単に粒子または表面に付着できるような、普遍的なリンカー化学基盤に対応している。これは、分析物試験に使用するための上述の粒子−結合剤試薬類を日々製造する際には、きわめて重要である。
以下の手順は、例えば抗原類、抗体類、レクチン類、炭水化物類、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、核酸類、ペプチド類及びタンパク質類、受容体類、医薬品類及びその他同様なもののような結合剤類または他の物質を含む任意の物質に適用される。この諸方法を使用して、大抵の物質を、金属、金属様、及び何らかの非金属様粒予と肉眼で見える表面とに付着できる。例えば、非金属様表面及び粒子としては、例えばガラス、プラスチック類、及びその他同様なもののような有機または無機材料で構成できる材料が挙げられる。
5.粒子や他の表面への物質の結合方法
基材(base material)分子法
粒子や他の表面に物質を結合させるこの方法には、基材分子の使用を含む2工程法か用いられる。適切な基材分子は、吸着や他の化学的プロセスにより、表面に接近して、それと相互作用することができ、またたとえば結合剤のような補助物質を結合させることができる接近容易な官能基を有する物質である。基材分子は、粒子に化学的安定性を与える付加的性質を有することもできる。概して、基材分子は高分子形状(分子量サイズが1000以上)を有するがそれより小さい場合もあれば、はるかに大きい場合もあり得る。好ましい基材分子は、高親和力で粒子に結合し、該粒子にあるレベルの物理的安定性を与え、またほとんどいかなる物質をも容易に接合させる接近容易な化学基を有するものである。化学基は化学結合、共有結合、または非共有結合によって、結合剤または他の物質を結合させることができる。たとえば共有結合は光化学結合または化学結合を含むことができよう。非共有結合は、ストレプタビジンのような分子との、または疎水性、水素結合もしくは静電相互作用による架橋を含むことができよう。基材分子は、適当な化学薬剤または架橋剤を用いて、いくつかの基本単位分子を一緒に、粒子表面のいたるところで架橋させるのに用いることができる1種以上の化学基を含有することもできる。
下記は、極めて安定で、その結合する物(entity)に対して高度の結合親和力を有し、またほとんどいかなる物質をも粒子や他の表面に結合させる極めて適応性があり、使いやすく、コストの安い方法を提供する粒子−結合剤試薬を生成させるために、基材分子結合法をいかに使用することができるかの選択例である。当業者は、ほとんどいかなる目的にも向く粒子−結合剤試薬を合成する一般的方法には多くの変形があることを理解するであろう。この新規方法を用いて、抗体、ペプチド、タンパク質、核酸、薬剤およびほとんどいかなる物質も、極めて制御され、かつ予測がつくように、粒子に結合させることができる。
1例として、我々は分子量が約20,000のポリエチレングリコール化合物の誘導体を使用した。この分子(ビス(ポリオキシエチレンビス(3−アミノ-2−ヒドロキシプロピル)))の性質は、基材分子としての使用を可能にする。このポリマーの各分子は補助物質を接合させるための結合サイト(site)として働くことができる4個のアミン基を有する。ポリエチレン誘導体の疎水性主鎖は粒子と相互作用し、吸着または二三の他のプロセスによって粒子表面に結合する。この相互作用は、我々が標識化ならびに分析および診断測定に用いた後に、この物質がいずれも粒子表面から解離することを検知しなかったように、極めて強固である。アミン基は粒子表面と相互作用するようには思われず、また、たとえば結合剤のような補助物質を結合させるための結合サイトとして接近容易である。このポリマーを基材分子として用いて、我々は2種類の粒子−結合剤試薬を調製した。1つの試薬は結合剤としてビオチン基を含み、他の粒子−結合剤試薬には結合剤として一本鎖の核酸を含有させた。結合のために使用したビオチンは、アミン基に共有結合する化学的に修飾された形態であった。核酸の場合には5’末端が、アミン基と化学的に反応するように化学的に修飾された。種々の測定フォーマットにおいてこれら試薬を使用する場合に、我々は、これら粒子−結合剤試薬のいずれも低および高濃度の塩類水溶液においてすぐれた結合活性とともに高度の安定性を示すことを認めた。粒子−ビオチン試薬を用いた実験では、結合親和力に及ぼす効果は検知されなかった。これは、懸濁液中に6×10-14Mの濃度の粒子−ビオチン試薬を入れ、この溶液中にアビジンを被覆したプラスチックの固相を浸漬することによって確められた。2,3時間の保温後、固相を取り出して、洗った。照明および検出のDLASLPD法を用いて、光学顕微鏡で調べると、アビジン被覆固相に明確に結合した粒子が検出され、一方対照の固相(アビジンを含まない)は粒子の結合を示さなかった。粒子−結合剤のこの作用濃度において、粒子に結合したビオチンの結合性が著しく低下したならば、結合は明らかではなかったであろう。
他の例では、基材としてゼラチンを用い、脱着の機会をできるだけ少なくするように、クロメートイオンまたは他の架橋剤を用いてゼラチンを粒子表面に架橋させることができる。次いで結合剤または他の物質を、結合を達成させることができる接近容易なアミン、カルボキシルまたは他の化学基に結合させるために、適当な接合成分(chemistries)を用いて粒子に結合させる。
他の例では、ストレプタビジンまたはアビジンを基材として用いることができる。結合剤等のような物質を、少なくとも1個のビオチン基を含む分子の化学的修飾変形を用いて粒子に結合させる。
別の例では、ポリマー様物質およびポリマー様の性質を有する、たとえば炭水化物、ポリアミノ酸、タンパク質等のような他の物質を、適当な条件下で粒子表面において完全に溶解状態のコポリマー単位から重合させることもできる。
上記例のすべてにおいて、まず結合剤または他の物質を基材に接合させた後、基材と一緒の化学的架橋があろうとなかろうと、この物質を粒子表面に適用することもできる。さらに、2種類以上の基材分子または1個以上の基材分子を、接合に有効な化学的反応基の量および粒子−結合剤接合体の化学的安定性をほとんどいかなる分析上の要望にも合わせるために調整できるように、他の化学安定剤分子とともに使用することができる。
上記例において、基材分子として使用するのに有効な物質を用い、かつ選択した。当業者は、粒子や他の表面へ物質を結合させるための、その使用をさらに最適にするように新種の基材分子を合成することができる。下記の改良は、化学的にさらに安定な粒子−結合剤試薬および結合された結合剤または他の物質の結合親和力に関してすぐれた性能を有する接合プロセスの最適化を可能にする。たとえば、基材分子の粒子表面に対する結合安定性を高める補助化学基をポリマーの主鎖構造に加えることができる。末端またはその近傍に適当な反応性化学基を有する種々な長さのリンカーアーム(linker arm)を、結合剤または他の物質が結合されて、最終的に存在する粒子からの距離を増大させるように加えることができる。種々の種類の反応性化学基を、粒子表面のいたるところで個々の基材分子を一緒に架橋もしくは結合させる能力をさらに高めるために、基材に加えることができる。
ii金属表面に吸着する化学基による粒子または他の表面への物質の直接結合
我々は、結合剤を含む多種類の物質の、金属および金属様粒子ならびに表面への直接結合を可能にする特別な方法を開発した。物性物理学および関連分野の技術では、ある種の小分子(分子量1000未満)を金属表面等に結合させることが可能なことは公知である。大抵のこれら小分子には、小分子の一部は金属表面に結合することはできるが他の部分は表面に結合しない分子内の特定位置の或る種の化学基がある。たとえば、チオールおよびジスルフィド含有物質、ならびにn−アルコン酸およびある洗浄剤分子のような両親媒性物質の金属表面への吸着が物性物理学の分野では公知である(Nuzzoら,(1983),Journal of the American C hemical Society,105,p4481-4483;Allaraら,(1984),Langmuir,,p45-52;およびBainら,(1989),Journal of the American Chemical Society,111,p321-335参照)。物質の金属表面への吸着法はこれによって参照として本明細書に組み入れられる。したがって、上記物質の結合を可能にする性質は、適当な薬品、結合させようとする物質の分子構造内の特定位置に組み込むことによって結合剤および他の物質に与えることができる。ある種の物質は他の物質よりもこの方法が容易である。たとえば、分子構造が電荷を有するかまたはイオン化し、もしくは分子構造の一端において疎水性であるが他端では親水性であるように分極している物質が概してこの方法の特定変形に有効である。
たとえば、核酸は高負電荷を含有するホスフェート主鎖を含む。一本鎖の核酸は3’または5’末端においてチオールまたはジスルフィドで末端標識化され、分子の同じ領域に補助疎水基が組み込まれる場合もあればそうでない場合もある。この修飾された核酸は該基で標識化された末端で金属表面または粒子に結合する。核酸のイオン性部分は、明確に結合できるほとんどいかなる物質との分子相互作用に対して接近容易となるように核酸分子構造の主鎖を表面から遠ざけるように保持する。
ビオチン、ペプチド、薬剤、ポリマー等のような他の物質を、この方法を用いて粒子に結合させることができる。この方法は、本来の形では粒子または表面と顕著には相互作用しないほとんどの物質に対して概ね有効である。粒子または表面と相互作用することができる物質に対しては、補足的方法が必要である。たとえば、ある小分子、タンパク質等は、結合活性を減じるように粒子または表面と相互作用することができる。この方法の1つの変形では、粒子をまず、たとえば、ポリマー安定剤で標識化する。この標識化の結果、小分子物が結合できる粒子の表面に通常開放領域(open areas)がある。次に適当に修飾された物質を、所望の結合活性または他の性質を与えるために、化学的に安定した粒子に添加する。もしくは、粒子または表面と混合する以前に、化学安定剤と化学的に修飾された結合剤を所望の比率で一緒に混合することができる。これらの方法を用いて、粒子または表面に結合させる物質の量および種類を、所望の化学安定性および結合活性特性を有する被覆表面または粒子を生成するように制御することができる。
種々の長さおよび組成のリンカーアームを分子構造内に組み入れることもできる。たとえば、分子構造を、粒子または表面との結合、所望の配向および高レベルの結合活性を有するほとんどあらゆる物質と粒子または表面との結合を最適化する場合には小分子量の基材分子を使用することができる。1例として、長さが20アミノ酸の線状ポリペプチドは、ジスルフィドまたはチオール化学基の添加によって、一端において化学的に修飾される。生来のポリペプチドは、化学的に修飾された末端による以外はポリペプチド鎖が表面と相互作用しないように、アミノ酸から構成される。他の末端においては遊離アミノ基が存在するか、あるいはまた、この位置においてほとんどすべての物質が結合できるように所望の接合プロセスのために化学的に修飾されている。この低分子量基材分子は、本明細書に記載する方法の1つ以上の変形において使用される。
本明細書に記載される基材分子接合法および直接結合法は、粒子や他の表面と結合することができる物質の量、種類および配向をさらに特定的に制御することを可能にする。別の利点は、これらの方法が結合した結合剤の結合親和力が依然として高レベルにある粒子−結合剤試薬の合成を提供するということである。
小分子量または大分子量の基材分子を利用する基材分子法の重要な特徴は、基材分子の適切な選択および利用によって、基材分子が、ほとんどすべての物質を粒子または表面に結合させることができるユニバーサルリンカープラットホーム(universal linker platform)として役立つことができるということである。この特性は分析物を試験するための粒子を主成分とする試薬の日々の製造に極めて重要となる。当業者は、使用される化学基、分子量、分子構造、標識化反応条件および接合化学の種類(すなわち、架橋、共有結合等)を変えることによって行うことができるこれら新規結合法の種々の変形を理解するであろう。
光散乱粒子を用いるミクロアレイ(microarray)またはミクロパターン (micropattern)測定
分析のミクロアレイ法またはミクロパターン法は、固相の個々の空間的にアドレス可能な領域を用いて、異種の分析物を検出する。たとえば、各空間的にアドレス可能な領域すなわちミクロスポット(microspot)は異種の抗体、受容体、核酸等を含むことができる。固相における空間的にアドレス可能な領域の配列は、用いられる固相の大きさ、分析物または異なる領域の数、および検出方法によって指令される。特定種類の結合剤を含有するそれぞれの空間的にアドレス可能なミクロスポットは、ミクロアレイをつくるのに用いられる方法によって角形、円形または任意のパターンとして形成させることができる。その寸法は数平方ミクロンから数ミリメートルまたはそれ以上であることができる。ミクロアレイ法は、単一の分析物検出に用いられ、また固相に結合する分析物の量に関連する固相シグナルを測定することによって最終定量化が行われる多くの固相フォーマットのいずれか1つを用いて実行させることができる。実際には、ミクロアレイ法の一般的分析工程は次の通りである。ミクロアレイを分析物試料、たとえば血清に曝露し、適当な保温時間後、アレイを洗って、第2の分析物結合物に曝露する。1つのフォーマットでは、光散乱性を検出する光散乱粒子に、第2の分析物結合物を結合させる。その上各ミクロスポットに結合した光散乱粒子の数は各ミクロスポット中に存在する分析物の数の尺度であり、試料中の分析物の濃度と相関させることができる。別のフォーマットでは、第2の特定分析物結合物を光散乱粒子に結合させない。この後者のフォーマットでは、第2の特定結合物に明確に結合する第3の物を光散乱粒子に結合させる。この第3の物は、たとえば第2の物と共有結合したビオチンと明確に結合するストレプタビジンであることができる。光散乱粒子に結合させた第3の物を用いて、第2の物を検出するために用いることができる多くの他の測定法がある。これらいずれのフォーマットにおいても、各ミクロスポットに結合した分析物の量は、各ミクロスポットに結合した光散乱粒子の数に関連する光散乱シグナルを測定することによって決定される。
ミクロアレイ中の各ミクロスポットにおける光散乱粒子の数を検出するのに種々の方法を用いることができる。各スポットに結合した分析物の量は、最終測定工程において各スポットに結合した光散乱粒子の数から決定される。概して、ある種の画像診断系が、アレイ中の異なる領域からの光散乱シグナルを分離するために必要である。画像診断および粒子定量化には多種類のフォーマットを用いることができる。選択する方法は、必要な精度および1日当り分析すべき試数数によって決まる。必要な精度は、単に正か負かの答だけが必要な場合のような低度の精度から数パーセントの精度で分析物の量を求めなければならない場合のような高度の精度にわたることができる。次に異なる画像診断および粒子定量化、フォーマットの例を説明する。
任意の画像診断法のためのミクロアレイに特別の特長を導入することができる。たとえばアレイ中の若干のミクロスポットの成分をバックグラウンドシグナル(background siqnal)を得るために配合するか、またはアレイ中の若干のミクロスポットの成分を既知量の分析物を含む校正スポットとして役立つように配合することができる。これらのスポットからのシグナルは、1つの試料と次の試料との入射光強度、多重ミクロスポットアレイキャリヤ間の光透過率、集光効率および光検出器感度の変動を修正するために用いることができる。
次にミクロアレイおよびアレイチップに適用するための二三の特定画像診断および光散乱粒子定量化法を述べる。
a.単純な光学顕微鏡を用いるDLASLPD法
i.スポット上の粒子の表面低密度(1μ 2 当り粒子が0.1未満)
測定すべき試料の数が多くない場合には、各スポットにおける粒子の数を、各スポットにおける粒子数の視覚的または他の計数法によって求めることができる。バックグラウンドの計数も行う。計数は液体被覆または乾燥ミクロアレイにおいて行うことができる。正と考えられるミクロスポット当りの粒子の数は従来の供試実験によって明確にされる。多くの試料を試験しようとする場合には、単純なビデオ検出器および対象計数ソフトウェアを用いて自動的に行うことができる。
ii.スポット上の粒子の表面高密度(1μ 2 当り粒子が0.1以上)
正のタイプかまたは負のタイプの分析かによって、視覚観察または光検出法によって各スポットからの強度を検出することができる。強度がバックグラウンドの強度よりも強い場合には結果は正である。定量的な結果が必要で、試験する試料があまり多くない場合には(たとえば臨床(bedside)、現場、小規模の臨床、または研究実験室試験)、2個の観察窓付き顕微鏡による手動方式を次のように用いることができる。単一のミクロスポットは狭い光ビームで照射する。ビームは1つの観察窓からの視覚観察によってスポット上に位置ぎめし、迷光シグナルのレベルにより、空間的フィルター開口部があろうとなかろうと、感光デバイスによって強度を定量的に測定する。各スポットからの散乱光強度を、ビームによって各スポットを手動走査することにより測定する。もしくは、ビームは手動で走査できようし、また各スポットから検出される光は、検出器領域を照射スポットと共焦点に保つ大面積の光検出器または小面積の検出器により検出することができよう。これは自動化することもできよう。多くの試料を分析しようとする場合には、ミクロアレイを幅広い光ビームで照射して、ミクロスポットアレイの像をビデオカメラおよびフレームグラバー(frame grabber)によって定量化することができる。次にソフトウェア画像分析によって各ミクロスポットの強度を求める。我々は、これらの方法が極めて鋭敏で、試料中の幅広い濃度の1つ以上の分析物を検出できることを確めた。当業者はこの方法の多くの他の変形が可能であることを理解するであろう。
分析物のミクロアレイおよびアレイチップ検出におけるある種の金属様粒子の使用
ミクロアレイに関する我々の研究において、金属様粒子が好ましい光散乱粒子であることを見出した。特定のミクロアレイ用途に用いられる粒子種の大きさ、形状、組成および均一性は主として次のものによる:試料中の非特定光バックグラウンドの量;ミクロアレイが乾燥しているかまたは液体で被覆されているかどうか;個々の固相結合領域の寸法;検出される分析物の量および濃度範囲;肉眼または光検出器による検出;ならびに粒子計数測定および/または強度測定。
1例として、我々は容易に、BSA−ビオチンで被覆された個々の直径60nmの金粒子と、緩衝溶液で被覆されたミクロアレイフォーマット中のプラスチック固相におけるストレプタビジンを含有する直径80ミクロンのスポットとの結合を検出することができた。我々は、DLASLPD条件による特注照明器および我々が開発した安価な顕微鏡系を使用した。BSA−ビオチンで被覆された低密度の結合60nm直径金粒子を有するミクロアレイストレプタビジンミクロスポットにおいて、結合粒子の数を計測した。高密度においては、個々のストレプタビジンミクロスポットに結合した粒子から生じる散乱光の強度を測定した。我々は、13というシグナル対バックグラウンド比において、1μ2当り約0.06個までの粒子の粒子密度を検出した。これは、この種の測定では、約3というシグナル対バックグラウンド比において、1μ2当り約0.015個までの粒子の密度を検出できることを意味する。極めて高密度の結合粒子も検出された(直径80ミクロンの個々のミクロスポット当り有効結合サイトの飽和)。乾燥形態(液体で被覆されていない)の同様のミクロアレイ測定を行うためには同じ感度を得るのに、さらに大きな光散乱力を有する直径のさらに大きい金粒子または他の金属様粒子の使用が必要である。また、約600nmを上回る照度および空間的フィルターを有するHeNeレーザーのような長波長の光源を用いることも有効であろう。
小型の手動式または他の種類のポータブルデバイスを用いて試料を検出する場合には、そのようなデバイスでは典型的に当業者は低出力の光源を用いなければならないので、必要な感度レベルによってはさらに大きな粒子を使用することが必要であろう。
ミクロアレイフォーマットにおける多重分析物検出の場合には、異なる濃度の差が1,000ないし1,000,000またはそれ以上というように極めて異なるレベルの濃度の異種分析物が存在することがある。このような場合には、光散乱力および粒子の相対的な大きさが極めて重要になる。たとえば、個々の個別的結合領域が約100平方ミクロンである場合に、アレイチップまたはミクロアレイにおいて多重分析体を測定するならばこの100平方ミクロンの面積に結合できる粒子の数は、使用する粒子の大きさに高度に依存する。たとえば、40nmの粒子を用いると、結合飽和において、この領域に約79,600個の粒子を結合させることができる。しかし、120nmの粒子を用いると、わずか約8,800個の粒子をこの領域に結合させることができるだけである。非特定光バックグラウンドおよび粒子の非特定結合の量によって、信頼できる測定のために、該領域に結合させなければならない粒子の最少数はさまざまであることができる。たとえば、ある場合には、正の検出結果を得るために、ミクロアレイにおいて結合サイト面積に結合させるには数千以上の粒子が必要であるかもしれない。このように大きな粒子を用いると、分析物の検出能が押えられる。寸法の小さなサイト面積の結合において、使用可能で適切なシグナル/バックグラウンド比を示す最小の粒子を使用すべきである。さらに、光学的および空間的フィルター、共焦点像、さらに強力な光源ならびに他の機器部品を、検出限度を高めるために、最適化することができる。同様に、2種以上の分析物が極めて異なる濃度で存在する場合には、適切な大きさと光散乱力を有する異種の粒子を用いることが必要かもしれない。
これらの例は限定するためのものではなくて、種々の用途において、ある種の金属様粒子の選択が、いかにして、多重分析物のミクロアレイ測定および検出用の特定試験キット(kits)をもたらすかを示すためのものである。当業者はアレイチップおよびミクロアレイにおいて多重分析物を検出するために本発明の方法の多くの他の変形があることを理解するであろう。
他の照明および検出法を用いる本発明のある態様の使用
この発見は、本発明が開示したような最適の光および検出法を用いないときでさえも、当該技術の既存の診断検出法において本発明の種々の態様を使用できることを意味する。たとえば、レーザー共焦点顕微鏡検査法、明視野およびエピ照射(epi-illumination)顕微鏡検査法ならびに反射コントラストおよび示差干渉コントラスト顕微鏡検査法を、ある種の金属様粒子とともにミクロアレイチップにおける多重分析物の測定等に用いることができる。
たとえば、Ekinsが米国特許第5,432,099号(本明細書に参照として組み入れてある)に記載しているような共焦点顕微鏡を使用することができる。概して、該共焦点顕微鏡は視域照射よりも点照射に依存し、通常エピ照射とともに蛍光モードで動作する。検出しようとするシグナルは極めて弱いので検出器は通常光電子増倍管である。光源はレーザーであることが多い。本発明においては、たとえシグナルが極めて大きく(通常の共焦点顕微鏡に比べて)、また光源がレーザーである必要がないにしても、共焦点顕微鏡のような複雑な装置を依然として使用することができる。このような装置の使用が、我々が見出したように本発明において述べた粒子のさらに高精度の検出をもたらし、また迷光問題を極少化することは明らかである。
したがって、別の例において、Fodorらが364 Nature 555,1993に記載した生物学的チップを用いる標的分子の検出に関する方法論を利用することもできる。
これらの方法を、本発明の1つ以上の態様の使用と組み合わせると、方法および装置のコストや使いやすさが重要な関係にはない、あるミクロアレイ分析法に有効である。我々は、金属様粒子とこれら前記の当該技術の既存の方法および/または屈折率増大法(refractive index enhancement)および/またはオートメタログラフィー(autometallography)および/または本発明の他の態様を用いた人を誰も知らない。したがって我々は、本発明の1つ以上の態様とともにこれら前記の当該技術の既存の検出法の使用をクレームする。
ミクロアレイに適用するための本発明の他の適合性
本発明の方法はミクロアレイフォーマットを用いて1つ以上の分析物を検出するためのすぐれた手段を提供する。次の方法は、ある分析用途において有用な補足的変形を提供する。
我々は照明および検出法を小型化して、単一または多重光ファイバーを基盤とする装置をつくることができる。これは検出するためにイメージ化法を用いる方法に代りうる方法を提供する。
二次元アレイまたは他のタイプの固相の空間的にアドレス可能なシステムを用いる際の1つの問題は、異なる領域のミクロアレイ間のシグナル妨害の問題である。妨害、閃光や他の類似問題が、いくつかの原因、たとえば(1)光散乱または蛍光物質を含む個々の領域が互いに接近しているので1つの領域として見えること、または(2)1つの領域は多量の光散乱粒子または蛍光物質を含むが他の近接領域は極めて小量の光散乱粒子または蛍光物質を含むことから生じる場合がある。領域が相互にいかに近接しているかによって、非常に強烈な領域から来る光の一部分は低強度の光が来る領域中の検出器によって捕捉される。
技術的に1つの可能な解決策は、走査法を用いて、各空間的にアドレス可能な固相サイトを別々に照射し、照射しているときに、各空間的にアドレス可能なサイトから来る光シグナルを別々に記録することである。これは照射ビームまたは試料を動かすことによって一度に1個所の異なる領域を走査することによって達成することができる。しかしこの走査機構は通常複雑であって、分析法に途方もなく多額のコスト及び複雑な手順を加え、また臨床検査実験室や極めて活動的な研究室の日々の苛酷な作業に対してはあまりにコストがかかりすぎるかもしれず、またそれに耐えられるほど丈夫ではないかもしれない。
本発明の別の変形の一例を次に説明する。一端の光ファイバーを、適当な角度に傾斜をつけ、測定しようとする領域に近接させる場合に、その領域から放射される蛍光または散乱光を試料表面の反対側から検出するように個別的照明として使用する。この構造は領域の特定照射を可能にし、上記の妨害問題を解消させる。またビデオカメラのようなイメージ化検出器に対する必要性を無くして、任意の種類の光検出器を用いることができる。一例として、測定しようとする24個のミクロスポットすなわち別個の領域のアレイの場合には、24個の個々の照射ファイバーを各スポットに1つずつ使用する。必要なことは、個々のスポットを相対的に異なるときに照射することだけである。このようにして、光ファイバーの直径の約1/2までのいくつかの空間的にアドレス可能な小領域を測定することができる。
エピ照射または類似の方法の使用が望ましい、たとえば共焦点イメージ化のようなこの方法の別の態様では、光ファイバー端部に極めて小さい結像レンズを置いた後、ミクロアレイの所望の領域からの散乱光または蛍光を測定できる共焦点状態を得ることによって、このシステムを小型化することができよう。ミクロアレイ表面において測定しようとするいかなる領域においても、入射光を送出し、検出しようとする放射された蛍光または散乱光を集めるミクロレンズとともに、単一の光ファイバーが用いられる。一度に表面の2つ以上の領域を検出しようと望むならば、前記のように多重光ファイバーを使用することができよう。
当業者は前記の具体例が本発明の可能な多くの変形の極く二三に過ぎないことを理解するであろう。
組合せ合成分子ライブラリーのスクリーニング
重要な分子の現在成長しつつある組合せ(combinatorial)合成分野における恐るべき問題は、新たに合成された組合せ分子の数コピー(copies)を検出するための高感度の実際的で使いやすいシグナルおよび検出技術ならびに測定フォーマットの欠除である。
我々は、2次元アレイまたは空間的にアドレス可能な固相のような空間的にアドレス可能なサイトを含む固相において我々のシグナルおよび検出技術が容易に用いられることを確認した。したがって、何らかの形の我々の方法は、この種のフォーマットにおいて1種もしくは2種以上の組合せまたはバイオ組合せ(biocombinatorial)分子のスクリーニングおよび検出に直接適用可能である。測定法は当該技術分野における任意の公知の方法であることができる。
我々が本明細書で述べるように、本発明は、空間的にアドレス可能な固相における1個以上の特定組合せ、バイオ組合せ、または他の合成分子を検出して定量化するのに用いることもできる。たとえば、「分割合成」法、「平行合成」法および類似の方法(これらの方法はすべて本明細書に組み入れられる)を用いることによって、さまざまなバイオ組合せおよび組合せ分子を合成できることは当該技術分野では周知である。典型的には、各粒子または基質片が特異な一群の組合せ合成分子を含む小粒子または他の固体基質片においてさまざまな組合せ分子が合成される。当該技術分野には、合成分子の「活性」群を含む前記片または粒子を同定して精製するという問題がある。
我々のシグナルおよび検出システムを利用して、これら特定の望ましい組合せ生成物を検出するいくつかの方法がある。一つの測定法では、結合剤(所望の分析物に特異の)を、選択した種類の金属様粒子に被覆する。被覆された粒子を試料に添加すると、それは分析物に結合する。もしくは、ビオチン標識化結合剤の使用を含む間接的方法がまず分析物を結合し、検出以前にストレプタビジン被覆金属様粒子を加えることによって次に分析物が検出される。合成固相上に存在する関心のある所望の分析物に光散乱粒子をなんらかの形で結合させる。こうして、濾過、遠心分離、透析や他の当該技術分野で公知の方法によって、試料から所望の分子を同定し、単離し、さらに精製する。もしくは、特定分子含有合成粒子と金属様粒子との間に、凝集体または網状組織を形成させるように、結合剤を被覆した粒子で標識化した結合剤を加えることができる。上記と同様な手段が所望の分子を同定して精製するのに用いられる。
異なる組合せ合成分子のための多重分析物分析は、異なる種類の結合剤をそれぞれ被覆した2種以上の金属様粒子を用いることによって達成される。屈折率の増大およびDLASLPDビデオ強調コントラスト法を使用することもできる。
別の測定法では、反応容器に加えられたEMFを用いることにより金属様粒子を三次元空間で処理できるように、該粒子は、さらに強誘電性または磁性組成の組成物を含有する。こうして、「活性」組合せ分子を含有する基質粒子は容易に精製され、他のすべての物質から検出することができる。特定粒子の強誘電性または磁性または他の金属様組成の混合組成物は診断測定を含む多くの他の分野、ならびに所望の分子の単離および精製に極めて有効でもあることに留意すべきである。上記の方法と組合せた屈折率増大の使用は検出感度を増大させる。
固相合成支持体として用いられる金属様粒子
金属様粒子は、適切な物質を被覆すると、たとえば組合せ合成のような化学合成または生化学合成を行うためのすぐれた基質になる。金属様粒子の特定被覆は、たとえばポリマー、抗体、タンパク質、核酸、アミノ酸、反応性化学基等より成ることができる。たとえば、金属様粒子は化学的に反応性あるアミン基を含むポリエチレングリコールで被覆される。次に、金属様被覆粒子表面に多数あるこれらアミン基において合成が開始される。明確に活性化されうる他の反応性化学基をアミン基の代りに用いることができる。別の例では、アミノ酸または小さなペプチドを、金属または金属様粒子表面に直接被覆するか、または金属様粒子表面に被覆されるポリマーまたは他の種類の高分子に化学結合させる。次いで金属様被覆粒子において合成が開始される。さらに他の例では、反応基を金属様粒子表面に結合させて、タンパク質、核酸、化学または生化学合成を行うことができる。粒子表面の反応基の数は次のように変えることもできる。反応性アミン基(または他の反応基)があろうとなかろうと、ポリエチレングリコール化合物(分子量20,000)の混合物を、適当な比率で混合して、粒子当り表面上の所望の数の反応基を達成させる。こうして、金属様粒子を、金属様粒子当り特定量の化学合成サイトまたは結合サイトで被覆する。サイトの特定数および反応基の種類は、たとえば次の化学合成または臨床試薬用のような特定必要性に合うように変えることができる。たとえば、臨床用の用途には、金属様粒子当り控え目な数の特定結合剤分子を加えることが所望の測定性能を得るのに重要であろう。さらに、上記ポリエチレン化合物について記載したと同じアプローチを用い、所望の物質(すなわち種々の結合剤または化学基等)を適当な比率で混合することによって2種類以上の反応性合成または結合サイトの特定量を同じ金属様粒子上に置くことができる。このような被覆粒子は、たとえば同じ粒子を用いて2種類以上の分子を単離し、精製し、さらに検出するのに有効であることができる。高密度(グラム/cm3)の多種類の金属様粒子は、関心のある分子の精製、単離および同定にも多くの利点を与える。MLSP型粒子は媒質内で粒子がさらに容易に処理される別の利点を与える。上記の例はこの方法の多くの可能な変形のわずか数例にすぎない。当業者には他の変形が明らかであろう。
分析診断分野以外の本発明の種々の態様の実施
本発明は、粒子の散乱光性能の検出によって、試料中の1つ以上の分析物を検出する方法を特徴とする。本明細書に開示する本発明の種々の態様は、診断分野以外の多くの他の特定用途に直接適用することができることに留意すべきである。当該技術または光学情報および貯蔵、映像形成および処理、電気光学的シグナル変換およびスイッチ、電気通信、情報変換器や多くの他の関連用途のような分野の技術の熟練者はこの開示によって、分析診断測定以外の分野のとりわけ問題を解決して新製品を生成させる本発明の種々の態様を実施することを可能にした。
他の分野への適用に極めて有効な本発明の1つの態様は、特定金属様粒子の、該粒子の特徴となるある大きさ、形状、組成、および特異の光学的徴候による均一性を同定する能力である。非常に小さい構造物中にこのような特異の光学的徴候を含有させることによって、これら粒子のシグナル剤を多くの分野で用いることができる。たとえば、該シグナル剤は、粒子を含有する生成物、材料、物質または物体を同定または追跡する工業的品質管理、マーカーまたはラベルに用いることができる。何らかの形の粒子を、当該業界で公知の「バーコード」法に類似の同定等の手段として使用することができる。たとえばコーティングを含有する1種以上の粒子を、確実性、日付、または他の適切な情報を確認するために消費者製品に適用することができる。同様に、紙幣、株券、債券証書等に、対象物の確実性を確定するために検出することができるある粒子種を紙材料自体の表面に塗布または中に包含させることができる。他の例には、薬剤の痕跡を証明するために処方箋があるかまたはない薬剤の中に少量の特定種類の粒子を入れることが含まれる。さらに、流体、材料等の性質のような系の物理的性質を検討するために、粒子を環境的、工業的、薬学的または生物学的トレーサーとして用いることができる。当業者は、これらが多くの可能性の極くわずかであることを理解するであろう。
他の分野に直接適用可能な本発明の他の態様は、電気、磁気、または関連分野によって物理的に操作することができる光散乱粒子の使用である。我々はこの粒子を操作可能な光散乱粒子(MLSP)と名づけ、該粒子については後に詳しく述べる。このようなMLSP粒子は、磁界、電界、または関連電磁界(EMF)を用いることによって一次元、二次元または三次元空間内に種々の配列で配向させることができる。このようにして、粒子の特異な光散乱性を用いて、あるパターン、像、または色を生成させることができる。1つ以上のMLSP粒子の特定配向を用いて、個々の粒子の光散乱性による情報、または得られた光散乱情報、すなわち特定配向に並んだ2つ以上の粒子の光学的徴候を貯蔵または転換させる。たとえば、青色、赤色および緑色光を散乱させる3種類の粒子を、二次元アレイ中に特定数のピクセル(pixel)を含むスクリーン中の「ピクセル」のような小さい面積または容積中に置く。スクリーンに白色光を照射すると、スクリーンは有色または黒色または白色の像、もしくはテレビの像、ビデオの像、画像の像等の出現に類似の動く画を生成する。各ピクセルまたはピクセル群は、適切なEMFをかけることによって、青色、赤色および緑色光を散乱する個々の粒子を、適切に照射するときにある色相と強度を有する特定な色を生じるように配向させるために電界または磁界(EMF)によって空間的にアドレス可能にされる。たとえば、1つの負荷EMFにおいて、赤色と緑色粒子を極めて小さいスポットに集中させ、一方青色散乱粒子はピクセルの内容積中に自由に分散させる。このときこのピクセルは青く見える。次に異なるEMFを適用して、赤色または緑色光散乱粒子に同様の効果を生じさせる。このようにして、各ピクセル中の異なる粒子を明確に配向させることによって、所望色の像を生成させる。この方法および装置は本ブラウン管を基盤とする画像形成技術等に多くの魅力的な利点を与える。
別の例では、EMFを適当に調節することによって、MLSP粒子をある特定配向から他の配向に変換させる。たとえば絶色または赤色散乱光を生じ、かつ/または異なるレベルの強度の散乱光を有することがてきる非対称銀粒子は次のように用いられる。1つ以上の粒子を、該粒子が回転、すなわち自己再配向可能な液状または固状の物質中の特定位置に置いて、該粒子を含有する物質またはデバイスに電磁界をかける。いかに多くの粒子を用いるかおよびデバイスの所望の機能によって、粒子の異なる配向は異なる種類の情報を意味する。たとえば、1つの配向において、非対称MLSP粒子の光散乱性は2進法において「閉」すなわち数字0を示すが、配向の異なるパターンでは光散乱性は2進法において「開」すなわち数字1を示す。非対称MLSP粒子の配向は、EMFを、物質またはデバイス中の粒子の所望の配向を得るように変えることによって変えられる。特定配向において光が粒子と相互作用すると、散乱光の性質は前記のように特定種類の情報を示す。このように、電気通信および関連分野に有効な単一および多重成分光学スイッチをつくることができる。同様に、これら一連のスイッチを、さらに複雑な情報を貯蔵し、処理するために直列または並列状に組み込むことができる。
種々の種類および/または配向の光散乱粒子およびMLSP粒子を用いることによる情報の暗号化または貯蔵によって、新しいタイプの情報貯蔵デバイスをつくることができる。たとえば、「コンパクトディスク」または「CDロム」ディスク等のような当該業界で公知のものに類似する光学貯蔵ディスクをつくることができる。表面から上方に突出する隆起を用いて情報をコード化する代りに、光散乱粒子が使用される。粒子の光散乱性を検出できる物質上または内部に粒子を置くことができる。このようにして、はるかに多くの情報および高密度の情報の貯蔵が可能になる。
当業者は、特定用途に種々の光散乱性粒子を用いてつくることができる多種類のデバイスを理解するであろう。上記の例は多くの方法の極く僅かにすぎず、このような金属様およびMLSP粒子は分析や診断検出分野以外に用いられる。これらの適用は本明細書の開示によって可能であり、これにより、出願人は本明細書に記載する本発明の種々の部分の、診断分析測定分野以外の分野における実施について正当にクレームする。
液体試料用SpectraMetrix分光光度計機器の説明と操作理論
SpectraMetrix光度計は励起光ビームに対して直角の散乱または放射光である光の強度を測定する直角光度計である。該機器の略図を図21に示す。光源は顕微鏡照明器または他の種類の光源である。この機器はモノクロメーターがあろうとなかろうと使用することができる。光度計には異なる光源を接続するアダプターが備えてある。光電子増倍(PM)管によって散乱または放射光を検出する。光度計には、試料を交換する間、光がPM管に届かないようにする手動光シャッターがある。必要に応じて入射または放射光路に光学フィルターまたは偏波器を挿入する。試料キュベットとして種々の直径の円筒形キュベット(たとえば試験管)を使用する。しかし、適当なホルダーを有する任意の種類の光透過性試料容器を使用することもできる。直径6mmで長さ50mmの試験管を使用し、本明細書に記載したデータを得るのに、赤外線(熱)フィルターのついた顕微鏡照明器を使用した。
照明器は直接またはモノクロメーターを介して分光光度計に接続することができる。本明細書に記載した測定に使用したモノクロメーターは回折格子モノクロメーターである。照明器は6ボルト、3アンペアの調整された直流電源によって電力を供給される。
このパラグラフにおいて、我々はモノクロメーターを操作せずに使用した機器のオプチックス(optics)について述べる。10倍の対物レンズが照明器から試料管までの光を焦点に集める。励起光ビームに対して直角に配設される(試料キュベットの中心から約1.5インチ)集光レンズ(焦点距離23mm、直径19mm)が試料管の中心から約106mmの距離に、試料管の像を合焦する。この距離は、集光レンズとPM管の間に光シャッターとフィルターホルダーを置くこと#を可能にする。直径3.25mmの孔を有するダイアフラム(20ドリルビット作製)を映像面に置く。PM管をダイアフラムの背後に置く。ダイアフラムはキュベット壁から反射した光を阻止し、試料容量の中心から散乱した光だけをPM管に到達させる。ダィアフラムは、PM管に到達する散乱光の量を減少させながら、シグナル対バックグラウンド比を最大にする。試料管から反射した光の検出をさらにできるだけ少なくするために、反射光が集光レンズに達しないように管を垂直方向に対して約40−50°の角度に位置ぎめする。この角度と屈折率の影響によって、管から入る光は集光レンズの中心軸を進行せず、また映像面の散乱光ビームは集光レンズの中心軸から下方にずれる。これにより、3.25mmの開口部とPM管を集光レンズの軸から下方に移動させることが必要となる。この機器は、下方への移動を、もっとも効果的な散乱光検出のために手動で調整できるようにつくられている。
モノクロメーターを用いる場合には、10倍の対物レンズとモノクロメーター出口スリットとの間に補助レンズ(焦点距離23mm、直径19mm)を配設する以外、オプチックスは前記と同様である。対物レンズは試料キュベットの中心から4インチのところにある。モノクロメーターの出口スリットは試料キュベットの中心から5.6インチのところにある。照明器はモノクロメーター入口スリットにおいてアダプターに接続されている。
分光器オプチックスの調整
a.6×50mmの培養管中の60nm、4×10-12Mの金ゾルを分光器の試料ホルダーに入れる。管の角度を垂直に対して40ないし50°になるように調節する。焦点に合わせた励起光ビームがキュベットの中心を横切るように角度をつけた管を位置ぎめする。励起光を管の前面(集光レンズに対する面)に当てないようにする。これは検出システムの方に反射する光の量が増すからである。
b.試料管の中心からの集光レンズの距離を、管の中心から106mmの距離に該管壁の鮮明な像を形成するように調節する。散乱光ビームおよび試料管壁の像は、管の中心から約106mmの距離に置いた一枚の白紙上に明瞭に見ることができる。管の像は映像面において約8ないし10mmの直径を有する。レンズはキュベット壁の鮮明な像が得られるように位置決めしなければならない。散乱光ビームは、有限幅(finite width)のために映像面において少し縁がぼやけて見える。レンズの最良の位置は試料キュベットの中心から約1.5インチのところにある。励起ビームは散乱液を横切るので明瞭に見ることができる。
c.集光レンズ位置ぎめの前記調整は、シャッター、フィルターホルダー、およびダイアフラムホルダーを含む構造物を機器から取り外して行う。レンズを正しく位置決めすると、前記構造物を元の場所に戻して、開口部が3.25mmの光阻止ダイアフラムを挿入する。PM管を所定の位置に挿入する。
d.a、bおよびc工程後、開口部の位置を集光レンズオプチックスに対して次のように調節する。PMを挿入するときに、PM光電陰極面を位置ぎめする場所に一枚の白紙を置く。試料隔室内の光散乱金粒子を用いて、PM管に、最大量の光が見えるまで開口部の位置を調整する。開口部が適切に位置ぎめされると、紙上の光は直径約0.32インチ(8mm)のスポットとして見える。
実施例
実施例1から10の全ては、粒子からの散乱光、若しくは蛍光性分子からの放射(emitted)光、又はその両方の測定を含有する。かかる光信号を測定するために使用された計器は、前記したスペクトラ メトリクス社製の光度計である。
実施例1から3の全てにおいて、前記の測定において使用されたポリスチレン粒子は、ドゥーク サイエンティフィック社(パロアルト、カルフォルニア)より購入した、NISTによって追跡できることが保証されたナノ粒子である。金粒子は、ブリティッシュ バイオセル インターナショナル社(カーディフ、イギリス)の卸売業者であるゴールドマーク バイオロジカル社(フィリプスバーグ、ニュージャージー)より購入した。
実施例4から10の全てにおいて、フルオレセインはモレキュラー プローブ社(ウージェン、オレゴン)から、金粒子はブリティッシュ バイオセル インターナショナル社(カーディフ、イギリス)の卸売業者であるゴールドマーク バイオロジカル社(フィリプスバーグ、ニュージャージー)から、及びポリスチレン粒子はインターフェイシャル ダイナミクス社(ポートランド、オレゴン)から購入した。
同じ形状とサイズであるが組成の異なる粒子の相対的な光散乱のパワーは、入射光の光路に対して直角における光散乱の強度を比較することによって直接比較することができる。対象となる各々の粒子からなる既知の濃度の光散乱の強度測定が直角にて行われた場合、同じサイズ及び形状であるが異なる組成の粒子からなる同一の濃度に対する光散乱強度を直接比較すること、及び異なる粒子の相対的な総光散乱強度を決定することが可能である。
実施例1、2、3−比較できるポリスチレン粒子及び金粒子の相対的散乱パワーの計算値及び実測値
結果を表6、7及び8に示す。計算は既知の光散乱相関、及び前記した我々が新規に定義した相関を用いて行った。水中の粒子に対する実験的測定は、スペクトラ メトリクス社製の光度計を用いて、所定の照度及び所定の波長における溶液中に遊離している粒子が散乱する光を検出することにより行った。下記の工程を行った;
(a)対照粒子試料及び比較できるサイズの粒子試料に、同じ組成及び強度の入射光を照射する
(b)水を含み、かつ、粒子を含まない対照チューブから放射される光信号を測定する
(c)既知の濃度の粒子を含むチューブから放射される光信号を測定する
(d)(c)の光信号値から(b)の対照光信号値を減ずる
(e)等濃度の金粒子及びポリスチレン粒子から得られる光信号を比較する
実施例4−フルオレセイン粒子及び金粒子の信号発生パワーの相対的実測値−白色光の照射
結果を表10に示す。同様の光検出方法を、6mm×50mmのガラスチューブ内の全ての試料から放射される光信号を測定するために実行した。金粒子又はフルオレセインの両方から由来する光信号の測定において、光学フィルターは用いなかった。
全ての測定を水中で行った。フルオレセインを含有する溶液のpHは8−9であった。水のみを含有するチューブの光信号値を、フルオレセイン又は金粒子からのみ由来する光信号を得るために、金粒子又はフルオレセインの値から減じた。
粒子からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
A(a)同じ組成及び強度の入射光を全ての試料に照射する
(b)水を含み、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(c)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(d)(c)の光信号値から(b)の対照光信号値を減ずる
フルオレセインからの光信号を測定するために下記の工程を行った;
B(a)上記と同じ強度及び組成の入射光を試料に照射する
(b)対照チューブから放射される光信号を測定する
(c)既知の濃度のフルオレセインを含有するチューブから放射される光信号を測定する
(d)(c)の光信号値から(b)の対照光信号値を減ずる
C(a)既知濃度の粒子及びフルオレセイン分子から得られた光信号を比較する
実施例5−フルオレセイン粒子及び金粒子の信号発生パワーの相対的実測値−単色光の照射
結果を表11に示す。かかる結果は入射光強度の違いに対して補正されていない。最大光放射(490nm)がフルオレセインから生じる波長及び最大散乱光が金粒子から生じる波長の単色入射光を用いた。490nmにおける入射光強度は、金粒子に対して用いられた強度と比較して幾分低強度のものであり、520nmにて約86%の強度乃至565nmにて約80%の強度の範囲内である。一方、光電子増倍管の量子効率はフルオレセインの一次放射波長(520nm)において0.34乃至560nmにおいて0.18の範囲内である。
入射波長を除いて、同様の光検出方法を6mm×50mmのガラスチューブ中の全ての試料に対して用いた。金粒子及びフルオレセインの両方に由来する光信号の測定において、光学フィルターを用いなかった。
全ての測定を水中で行った。フルオレセインを含有する溶液のpHは8-9であった。水のみを含有するチューブの光信号値を、フルオレセイン又は金粒子からのみ由来する光信号を得るために、金粒子又はフルオレセインの値から減じた。
粒子からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
A(a)水を含有し、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
フルオレセインからの光信号を測定するために下記の工程を行った;
B(a)対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度のフルオレセインを含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
C(a)既知濃度の粒子及びフルオレセイン分子から得られた光信号を比較する
実施例6−フルオレセイン、ポリスチレン粒子、ポリスチレン−フルオレセイン化合物粒子、及び金粒子の信号発生パワーの相対的実測値−単色光の照射
結果を表12に示す。かかる結果は入射光強度の違いに対して補正されていない。
全ての試料に単色入射光を照射した。粒径が100nmである金粒子には、粒子からの最大光散乱が発生する近傍の波長の入射単色光を照射した。ポリスチレン−フルオレセイン化合物粒子の試料には、最大フルオレセイン励起光が発生する波長(490nm)の単色入射光を照射した。かかるフルオレセイン化合物に対する最大フルオレセイン放射は515nmで発生する。490nmにおける入射光強度は555nmにおける入射光強度の約80%であった。光電子増倍管の555nmにおける量子効率は515nmにおける量子効率の約60%であった。
入射波長を除いて、同様の光検出方法を、6mm×50mmのガラスチューブ内の全ての試料について用いた。金粒子若しくはフルオレセイン粒子両方からの光信号を測定する際に、光学フィルターは用いなかった。全ての測定を水中で行った。ポリスチレン粒子又は金粒子由来の光信号のみを得るために、金粒子若しくはポリスチレン粒子の光信号値から水のみを含有するチューブの光信号値を減じた;
A(a)水を含有し、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
フルオレセインからの光信号を測定するために下記の工程を行った;
B(a)対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度のフルオレセインを含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
C(a)既知濃度の粒子から得られた光信号を比較する
実施例7−高血清濃度における59.6nm粒径の金粒子及びフルオレセインの検出
結果を表17に示す。血清はバイオウィッタカー社(ウォーカービル、メリーランド)から購入した。かかる血清は、購入の前に1ミクロンのフィルターを通してろ過されており、わら色の外観であった。フルオレセインの測定に対して、血清をpH9乃至はpH9.5に調節した。金粒子を含有する溶液に、粒子からの最大光散乱が発生する波長である、543nmの単色入射光を照射した。フルオレセインを含有する溶液に、最大フルオレセイン励起が発生する490nmの入射光を照射した。
入射波長を除いて、同様の光検出方法を、6mm×50mmのガラスチューブ内の全ての試料について用いた。金粒子若しくはフルオレセイン粒子両方からの光信号を測定する際に、光学フィルターは用いなかった。
測定は、一定濃度の血清中で行った。フルオレセイン又は金粒子由来の光信号のみを得るために、フルオレセイン若しくは金粒子の光信号値から適切な濃度の血清のみを含有するチューブの光信号値を減じた。
粒子からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
A(a)適切な濃度の血清を含有し、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる フルオレセイン溶液からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
B(a)対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度のフルオレセインを含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
C(a)既知濃度の粒子から得られた光信号を比較する
実施例8−92.8%血清濃度におけるフルオレセイン、金粒子及びポリスチレン粒子の検出低限界
結果を表18に示す。フルオレセインの測定に対して、フルオレセイン含有試料から放射された光信号を、光電子増倍管に衝突させる前に、コダック社製No.16ラッターフィルターに透過させた。フルオレセイン溶液からの最大光強度は、入射単色波長が498nmの場合に観測され、金粒子からの最大光散乱は554nmの場合に観測された。金粒子又はポリスチレン粒子からの光信号を測定する際には、光学フィルターを用いなかった。フルオレセインの測定に対して、血清のpHを約pH9に調節した。
入射波長を除いて、同様の光検出方法を、6mm×50mmのガラスチューブ内の全ての試料について用いた。血清については実施例7に記載した。
測定は、一定濃度の血清中で行った。フルオレセイン又は金粒子由来の光信号のみを得るために、金粒子若しくはフルオレセインの光信号値から適切な濃度の血清のみを含有するチューブの光信号値を減じた。
粒子からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
A(a)適切な濃度の血清を含有し、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
フルオレセイン溶液からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
B(a)対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度のフルオレセインを含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
C(a)既知濃度の粒子から得られた光信号を比較する
実施例9−高血清濃度におけるポリスチレン粒子、ポリスチレン−フルオレセイン化合物粒子、及び金粒子の検出限界
結果を表19に示す。測定は、一定濃度の血清中で行った。ポリスチレン又は金粒子由来の光信号のみを得るために、金粒予若しくはポリスチレンの光信号値から適切な濃度の血清のみを含有するチューブの光信号値を減じた。光学的ろ過は行わなかった。 粒子からの光信号を測定するために下記の工程を行った;
(a)適切な濃度の血清を含有し、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(b)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(c)(b)の光信号値から(a)の対照光信号値を減ずる
(b)既知濃度の粒子から得られた光信号を比較する
入射波長を除いて、同様の光検出方法を、6mm×50mmのガラスチューブ内の全ての試料について用いた。血清については実施例7に記載した。
実施例10−低濃度の金粒子血清は金粒子の光散乱特性に影響を与えない
結果を表20に示す。95.7%濃度の血清は透明なわら色であり、1センチメートルの透過長、543nmの入射光波長において、0.14の吸光度を有する。光散乱測定は、内径5mm、6mm×50mmのガラスチューブ中で行った。波長が543nmの入射光及び散乱光両方の吸収の差を基準として、血清試料中に存在する金粒子からの光散乱信号は、水中に存在する同じ濃度の金粒子からの信号のおよそ80%であった。本実施例において光学フィルターは用いなかった。
下記の実施例を行った;
(a)全ての試料に同じ組成と強度の入射光を照射した。
(b)水又は適切な濃度の血清を含有し、かつ、粒子を含有しない対照チューブから放射される光信号を測定する
(c)既知の濃度の粒子を含有するチューブから放射される光信号を測定する
(d)(c)の光信号値から(b)の対照光信号値を減ずる
(d)既知濃度の金、血清及び水から得られた光信号を比較する
実施例11−16nm金粒子の懸濁液の調製
2.5mlの滅菌した水を0.1グラムのHAuCl4・3H2Oに加えて4%のHAuCl4・3H2O溶液を形成した。かかる溶液を遠心分離器にかけ粒子物質を除去した。別のフラスコにおいて、10mlの滅菌した水を0.1グラムのクエン酸ナトリウムに加えて1%のクエン酸ナトリウム溶液を形成した。かかるクエン酸塩溶液を0.4μのポリカーボネイト膜フィルターを通してろ過し、粒子物質を除去した。非常にきれいな250mlの三角フラスコに、100mlの滅菌水と0.25mlの4%HAuCl4・3H2Oを加えた。かかるフラスコを、設定を4にした熱攪拌器上に置き、100mlのビーカーで覆った。混合物が沸騰を始めたときに、2mlの1%のクエン酸ナトリウムを加えた。かかる溶液は、クエン酸塩を加えた後、1分以内に黒変した。かかる溶液は続いて紫色へと変化し、最終的には濃赤色となった。かかる赤色への変化は、クエン酸塩を加えた後、約2分後に達成された。かかる混合物の溶液をさらに30分間攪拌し、続いて室温へと冷却し、並びに総体積を100mlにするために滅菌水を加えた。最終的な金濃度は約0.005%であり、並びに粒子濃度は、全ての金の塩が金粒子に変換されたと仮定して、1.2×1012粒子/mlであった。
実施例12−ポリエチレン化合物による金属粒子の安定化
1グラムのPEG化合物(MW 20000)を100mlの滅菌水に加えて1%のPEG化合物溶液を形成し、かかる溶液を50mlの注射器を用いて0.4μのポリカーボネイト膜でろ過した。所定の体積の粒子を安定化させるために、かかる体積の粒子溶液を1%のPEG化合物溶液に加え、最終的なPEG濃度を0.1%にした。
実施例13−5nm粒径の金粒子からの30nmの銀被覆粒子の調製
10mlの滅菌水を30mlのビーカー中で沸騰させる。次に2ミリグラムのゼラチンをゆっくりと加え、かかる溶液を攪拌しながら全てのゼラチンが溶解するまで煮沸を続けた。かかる溶液を次に室温へと冷却した。2mlの47%クエン酸塩pH5緩衝液を加えた。5nm金粒子を含有する0.18mlの溶液(約0.005%の金濃度、3.8×1013金粒子/ml)を、3mlの5.7%ヒドロキノン溶液の添加によって流し込むことにより加えた。かかる混合物を良く混合した後、滅菌水を加えることによって最終的な体積を20mlとした。50μlの4%乳酸銀溶液を10μlずつ加え、かかる混合物を手で素早く攪拌した。最終的な銀濃度は約0.005%であり、最終的な銀被覆粒子濃度は約3.4×1011粒子/mlであった。添加した全ての銀が各々の金粒子に等しく被覆したと仮定すると、粒径は30nmであると計算される。最後の添加の後、かかるゾルは室内光の下で明るい黄色を呈色する。バルク溶液において、6mm×50mmのガラスチューブ中の少量のゾルによって散乱された光は、白色光の狭いビームによって照射された場合、青色を呈色する。10倍の対物レンズと12.5倍の接眼レンズを用いて、DLASLPD条件下、スペクトラ メトリクス社製顕微鏡で、銀のゾル希釈液をを顕微鏡的に試験した場合、異なる色の明るい粒子の混合物が容易に観測された。かかる粒子の内で多数を占めるのは、紫がかった青色の粒子であった。黄色、緑色及び赤色の粒子もまた存在した。本明細書中の実施例において用いられている粒径5nmの金粒子の濃度を調節することにより、粒径が20nm乃至100nmの範囲の銀被膜粒子を調製した。
実施例14−顕微鏡のガラススライド上で形成され調べられた非球形銀粒子の散乱光特性
実施例13に記載されている希釈された銀粒子のゾルの小滴(small drop)のを顕微鏡ガラススライドの上に置き、カバーガラスで覆うことにより、カバーガラスと顕微鏡スライドとの間に非常に薄いゾルのフィルムを形成した。薄い銀のゾルフィルムのスポットを非常に狭い光のビームによって照射し、入射光が目に入らない角度から肉眼で観察した場合、照射スポットに青色の散乱光が認められる。次に銀のゾルフィルムを、DLASLPD条件下、10倍の対物レンズと12.5倍の接眼レンズを用いて光学顕微鏡で顕微鏡的に調べた。数分の間に、ほとんどの粒子がガラススライド及びカバーガラスに付着し固定されるのが観測された。青色の粒子の量が最も多かった。次に、細い探針の先端でカバーガラス上の点を加圧した場合、加圧された領域の粒子の色が、元来の青色から永続的に変化した(散乱光検出)。加圧された領域の中心においては、粒子は赤色であった。かかる中心点は、複数の異なる色の同心円によって囲まれていた。中心から外に向かって、赤色から緑色、黄色、青色へと変化していた。赤色、緑色及び黄色の粒子は非常に明るい色であった。我々が行った理論計算によると小さい銀粒子が青色を呈色することが示唆されている。加圧の効果は、粒子の形状を変化させることであると思われる。我々の結果は、それゆえに、小さい銀粒子はその形状を変えることによって、元来の青色の散乱光色を他の散乱光色へと変換することができるということを示すものである。カバーガラスを除去することにより、加圧された領域の色の異なる粒子を液相へと分散させることができることを見出した。かかる液相において、かかる粒子はブラウン運動を行い、緑色及び赤色の粒子によって散乱される光は明滅するが、この事実からかかる粒子は非球形粒子であることが期待される。
実施例15−粒径16nmの粒子からのより大きい粒径の金粒子の調製
24mgのヒドロキシルアミンを1mlの滅菌水へ加え、混合し、次に10mlの注射針に取り付けられている4μのポリカーボネイト膜フィルターを通してろ過することにより、ヒドロキシルアミン塩酸塩の2.4%溶液を調製した。2.5mlの滅菌水を試験管中の0.1gのHAuCl4・3H2Oに加え、混合し、次に遠心分離器にかけて粒子物質を除去することにより、4%のHAuCl4・3H2O溶液を調製した。25mlの滅菌水を250mlの三角フラスコに加え、続いて表1に示してある望ましい粒径における体積の16nmの金粒子を加えた。次に、表1に記載されている体積の4%HAuCl4・3H2O溶液を加えた。最後に総体積を100mlにするために滅菌水を加えた。ここで、表1に記載されている体積のヒドロキシルアミン塩酸塩溶液を素早く手で攪拌しながら加え、かかる混合物を30分間放置した。ヒドロキシルアミン塩酸塩溶液を加えて数分の内に、透明でわずかにピンク色であった溶液の色は、最終的な透明な赤色又はくすんだ茶色へと粒径によって変化した。より小さい粒径が赤色の溶液を与える。
Figure 2009236921
より大きい粒径の粒子を、前記の方法と同じ方法に従い、しかしながら表2に記載の溶液の体積を用い、及び16nmの金の溶液の代わりに100nmの粒径の金粒子溶液を用いて調製した。
Figure 2009236921
実施例16−16nm金粒子からの銀被覆粒子の調製
25mlの滅菌水を250mlの三角フラスコに加え、続いて6.4mlの0.005%16nm金粒子のゾルを加え、生じた溶液を混合した。0.234mlの40mg/mlであるL(+)乳酸銀溶液を次に加えた。深い紫色がただちに観測された。続いて十分な量の滅菌水を加えて総体積を100mlにした。手で素早く攪拌している間に、1.25mlの24mg/mlであるヒドロキシルアミン塩酸塩溶液を加えると、生じたゾルの色は銀色がかったラベンダー色であった。少量のゾルをガラススライド上にのせ、DLASLPD条件下で光学顕微鏡を用いて試験した。赤色、緑色、紫色、及び黄色の粒子が観測された。試験管中のかかる粒子の希釈溶液中における白色光照射による散乱光は、氷のような青であった。
実施例17−BSA被覆ガラススライドの調製
種々の組み合わせの粒子についての信号及び検出媒介変数、並びに、固相アッセイのように固相上の粒子検出するための照射方法及び検出方法を調査するために、モデルシステムを設定した。
かかるシステムは、第一に牛の血清アルブミン(bovine serum albumin(BSA))によるガラススライドの被覆、及び次に、媒介変数を調査するための前記の領域における異なる量の金粒子の沈着(deposit)を含む。本実施例中において、スライドをBSAによって被覆するために用いた方法について議論する。
1.5gのBSAを15mlの滅菌した超純水に加え、混合し、次に0.44mmのポリカーボネイト膜でかかる溶液をろ過することにより10%のBSA水溶液を調製した。20μlの10%BSA溶液を10mlの滅菌水に加え及びかかるBSA溶液を0.4mmのポリカーボネイト膜でろ過することにより、0.02%のBSA(200μg BSA/ml)溶液を調製した。
通常の顕微鏡ガラススライドは、メタノールに浸したブラシでこすり洗いをすることにより洗浄した。かかるスライドは、ブラシをかけた後、洗浄びんを用いて滅菌水をかけることにより続いて洗浄した。ガラススライドは、スライドを0.02%のBSAを含有するビーカー内の滅菌水中にに沈め、1時間インキュベートすることにより、BSAで被覆した。次にスライドをビーカーから取り出し、洗浄びんの滅菌水ですすいだ。スライドの両方の面をすすいだ。次に、かかるスライドを滅菌水で満ちた150mlのビーカーに約10分間沈めた。かかるスライドを滅菌水で再びすすいだ。遊離のBSAは被覆したスライドに金属粒子が結合するのを妨げるため、スライドから遊離のBSAを除去するのは最も大切なことである。次に、かかるBSA被覆ガラススライドを乾燥し、清潔なプラスチックの箱の中で保管する。
実施例18−BSAスライドへの金粒子の沈着
小さな円を(直径約8mm)、金粒子が沈着する領域を印づけるために、ダイアモンド画線器を用いてBSA被覆ガラススライド上に刻んだ。望ましい金粒子濃度の無保護金粒子溶液3μlを、スライド上の一つの印づけた領域に沈着させる。かかる金粒子溶液を、金粒子と刻んだ印との相互作用を防ぐために、実際に刻んだ印の反対側に沈着させる。
金粒子密度が規則正しく減少している金粒子の一連のパッチをガラススライド上に調製するために、スライドの中心線上に一連のパッチを作ることが望ましい。かかる配列を達成するために、自家製のホルダー上にスライドを置くことによって、正しい配列で金のパッチを沈着させることができる。かかるパッチは室内灯では観測できないと言うことを言及しておかなければいけない(つまり、粒子密度が低いために室内灯の下では呈色しないのである)。そこで、パッチの位置を認識するために、スライドの横に印し付けをする。かかる印は、粒子を沈着させる際に付けられる。粒子のパッチを形成するために、望ましい金粒子濃度に希釈された無保護金溶液3μlを沈着させる。次に、かかるスライドを密閉されたプラスチックの箱の中に所定の時間インキュベートする。かかる箱の内壁と底を、スライド上の金のゾルが蒸発するのを防ぐために、湿ったペーパータオルで覆っておく。かかるスライドを取り出し、パスツールピペットを用いて滅菌水ですすぐ。スライド上のBSAに対する金粒子の最も効果的な結合を達成するために、金粒子溶液のpHはBSAのpI(pI=4.58−5.45)に対して調節するべきであるということが分かった。
実施例19−マイクロアレイ分析的アッセイ−プラスチック基盤上の不連続で個別な80ミクロン粒径のねじれアビジンに対するBSA−ビオチンで被覆された60nm粒径の金粒子の結合
下記の溶液を調製した。2mgのBSA−ビオチンを2mlの滅菌水に加え500ml三角フラスコ中の蒸留した水に対して数時間室温で透析することによって1mg/mlのBSA−ビオチン溶液を調製した。かかる水を四回交換した。最後の交換には滅菌水を用いた。20mMのトリスサリン、0.1%のPEG化合物、0.02%のアジ化ナトリウムpH7.4緩衝液もまた調製した。全ての溶液を0.4μポリカーボネイト膜フィルターを通してろ過した。ポリスチレン試験管を、洗浄びんを用いて滅菌水でしっかり洗浄し、60mm粒径の金の粒子溶液4mlで満たし、医療用遠心分離器で30分間遠心分離した。
次にかかる粒子を前記の方法で洗浄した。柔らかいペレットを10mlの滅菌水に再懸濁させた。
金粒子溶液のpHを下記のように調節した:1%PEG化合物の溶液100μlをきれいなポリカーボネイトチューブに加えた。かかるチューブに、60nmの金のゾル1mlを加え、2分間そのままにしておいた。0.02MのK2CO3を、pH6.6が達成されるまで2μlずつ金のゾルに加えた。pHを調節するために必要な0.02MのK2CO3のμl数を、残りのml数の金のゾルに0.02MのK2CO3を加えるために計算して加えたが、この場合は80μlであった。pH6.6の金のゾル9.5mlを、ポリカーボネイト中の1mg/mlのBSA−ビオチン溶液1.15mlに加え、室温にて5分間インキュベートした。次にかかる溶液を医療用の遠心分離器で30分間遠心分離し、上澄みを取り出した。生じた柔らかいペレットを3mlの滅菌水に再懸濁させ、次に前記した方法で遠心分離し、上澄みを取り出し、並びに0.1%のPEG化合物溶液に再懸濁させ、再び遠心分離した。上澄みを取り出し、ペレットを20mMのトリスサリン、0.1%のPEG化合物溶液に再懸濁し遠心分離した。次に上澄みを取り出すと、200μlの柔らかいペレットが得られた。50μlのかかる溶液を、80μ粒径のねじれアビジン(streptavidin)のスポットを含有するプラスチックのくぼみ(well)に加え、かかるくぼみを湿気のある箱の中で一晩インキュベートした。次に、かかるくぼみを、くぼみから水を流しとるために、パスツールピペットを用いて滅菌水で数回洗浄した。顕微鏡で検出するために、かかるくぼみを60μlの滅菌水で満たした。
実施例20−80ミクロン粒径のねじれアビジンが被覆した結合部位スポットに結合している、BSA−ビオチンが被覆した60nm粒径の金粒子の検出
BSA−ビオチン−金結合剤(60nm粒径の金粒子)を、くぼみの底表面に80μm粒径ねじれアビジンのスポットからなるマイクロアレイを含有するプラスチックのくぼみに加えた。適切なインキュベート時間の後、かかるくぼみを洗浄し、及び我々が開発した光学顕微鏡システムを用いてDLASLPD条件下で観測した。BSA−ビオチン−金で標識された粒子が個々の80μ個別スポットと結合しているのを観察した。粒子を添加する前は見えなかった80μねじれアビジンスポットが、明るいはっきりとした円形のスポットとして現れた。BSA−ビオチン−金粒子の異なる表面密度で含有する個々のスポットを、異なるインキュベート時間又は異なるBSA−ビオチン−金濃度を用いることによって得た。約200倍の倍率で我々の顕微鏡を用いることにより、低結合密度でねじれアビジンスポットに結合している個々の粒子を、容易に肉眼で検出することができた。カウント、及び個々の80μスポットからの積分光強度の測定を自動化するために、ビデオ画像処理ソフトウェアの使用を試み、かかるソフトウェアはサンディエゴのとある会社から24時間契約で借りた。ビデオ画像の取り込みは廉価な白黒ビデオカメラ、ビデオフレーム取り込み器及び単純なデスクトップコンピューターの画像を用いて行い、かかる画像はアレイデバイスくぼみ中の25の個々のスポットを含有する。かかるソフトウェアは、個々のスポットの積算光強度を測定できただけではなく、個々のスポットあたりの粒子の数も測定できた。例えば、低密度のBSA−ビオチン−金結合材で標識された一つのねじれアビジンスポットを、粒子カウントモードを用いてビデオ画像システムで分析することができた。バックグラウンドの信号についていくらかの情報を得るために、ねじれアビジンで被覆されていない固相領域の80μ粒径のスポットを、バックグラウンドを決定するために分析した。かかる予備的なモデルシステムにおいて、信号/バックグラウンド比は、スポット上の標識密度が約0.06粒子/μm2で、最適化されていない照射条件及び検出条件の場合において、317/25−13であった。かかる最適化されていない予備的なデータに基づいて、かかるデータは、信号/バックグラウンド比が3/1の場合、0.015粒子/μm2の粒子密度が検出可能であるということを示す。より最適化された条件下において、より低い感度レベルがさらに低くなるかもしれない。
実施例21−薄いフィルム中の金粒子の検出感度
60nmの金のゾルを10倍に希釈し、及び各々20μlの希釈液をスポットとしてBSA被覆スライド上に沈着させた。次に、カバーガラスをかけていないかかるスライドをポロプリズム上に浸積油と共にのせた。各々の金のゾルスポットの直径は約4mmであった。下記の表に各々のスポットにおける適切な情報を記載する。
Figure 2009236921
下記の表は、ユニットとして臨床アッセイ応用においてより意義深い上記のデータを説明するものである。スポット中の液体の高さは下記の式によって計算できる。
h=V/A
ここでVはスポット中の液体の体積を表し(20ml=0.02cm3)、Aはスポットの面積(単位はcm2)を表す。A=1.2cm2を用いると、h=0.016cm=160nmとなった。かかる高さは、肉眼又は電気的及び光学的検出方法の深さの範囲より小さいため、各々のスポットはあたかも全ての粒子がスライドの表面にあるかのようにふるまい(幾何学の視点から)、並びに、表において報告されている感度は、表面に沈着した粒子に対する感度と類似するものである。
Figure 2009236921
実施例22−BSA被覆ガラススライドの表面上に沈着した60nm金粒子
一連の60nm金粒子溶液の希釈液を形成し、3μlの各々の希釈液を小さなスポットとしてBSA被覆スライド上に沈着させた。かかるスポットは同一のスライド上で一列に並んでいた。かかるスライドを湿気のある箱の中に6.5時間インキュベートし、続いて滅菌水ですすいだ。各々のスポット上の粒子密度を、DLASLPD条件下で光学顕微鏡を用いて粒子をカウントすることにより決定し、かかる顕微鏡は較正された網線のある接眼レンズを備えていた。下記の表に結果を示す。
Figure 2009236921
6.5時間後、かかるスライドの各々の金含有領域を、滅菌水を用いて丁寧に流し洗った。かかるスライドをヒートガンの冷風にて乾燥させた。乾燥させたスライドをDLASLPD条件下光学顕微鏡を用いて観測し、並びに各々の領域における粒子密度を、粒子/(網線のますめ)をカウントするために接眼レンズ中の較正された網線を用いることによって、決定した。下記の表に結果を示す。
Figure 2009236921
実施例23−60nmの金粒子からなる小さな液体スポットからの光強度に対する視覚検出感度
2組のの3.4×10-12M(0.005%の金)60nmの金のゾルの希釈液を調製し、各々の希釈液2mlをガラススライド上の個別のスポット中に沈着させた。各々のスポットの直径は約4mm(領域=6.28×1062)であった。異なるスポットを、同じスライド上の中央に一列に並べて位置づけた。各々のスポットの粒子濃度及び密度を下記の表に示す。
Figure 2009236921
肉眼で検出できる散乱光強度における最低粒子密度を決定するために、浸積油を用いてスライドをポロプリズム上に置いた。まだ液体状態である各々のスポットに、ファイバーの末端に10倍の対物レンズを有するボシュロム社製の照明器からの光を連続的に照射した。照射器によって作られたスポットの直径は約4mmであった。暗室において、夜において、0.0385の密度まで観測することができたが、後者の場合はかすかに見ることができたのみであった。
実施例24−イムロンプラスチックマイクロタイターくぼみ中の異なる濃度における60nm金粒子(懸濁状態)の光ダイオード検出に対する感度
60nmの金のゾルの異なる希釈液を、異なるイムロンくぼみ(Immulon Wells)中に置いた(各々のくぼみ中に200μl)。散乱光強度を測定するために、くぼみの底を、10倍の対物レンズを装備しているレイカ社製の顕微鏡照射器で照射した。かかるくぼみの底は対物レンズから数nmの距離にあった。対物レンズからの光は、くぼみの中心に焦点を合わせられたビームを生じさせる。かかるビームの、焦点における直径は約5mmであった。散乱光を、くぼみの横壁からの光を検出するように位置づけられた光ダイオードによって検出した(直角における検出)。散乱光を、バックグラウンドの光検出を制限するために光ダイオードの前に位置づけられた小さな穴(直径約1mm)を通して検出した。異なる金のゾルの希釈液を含有するくぼみをお互いに結びつけ、並びに各々のくぼみを、照射光路及び検出光路において連続した位置に位置づけることができた。光ダイオードの出力を、電流モードにおいて作用する演算増幅器を用いて測定した。演算増幅器のフィードバック抵抗は増幅器の感度を決定する。光ダイオードは光起電力モードで作用された。2組の60nmの金の希釈液を調製し、光ダイオードを用いてその強度を測定した。
a 一組目の希釈液
原液(3.8×10-11M)を2倍ずつ希釈した。以下の記録が得られた。演算増幅器のフィードバックループ中の5メガオーム抵抗器を用いて記録が行われた。
Figure 2009236921
b 第二組目の希釈液
11倍の希釈液(3.4×10-11)を2倍ずつ希釈した。結果を下記に示す。
Figure 2009236921
上記の結果により、くぼみ中では、60nmの金粒子を1.9×10-11乃至1×10-13の範囲で検出できることが分かった。より上の範囲も測定できるかもしれない。
実施例25−BSA被覆ガラススライドに沈着させた60nm金粒子の沈着及び視覚検出の再現性(統合された散乱光強度)
0.005%金(60nm)溶液の2倍希釈液3μlを、BSA被覆スライド上の5個のスポット各々に沈着させた。かかるスライドを5分間インキュベートし、次に150mlの蒸留水を含有するビーカーへ導入した。かかる水により、結合していない金がスライドから洗い除かれた。次に、我々が開発した照射器(スペクトラ メトリクス社製白光照射器)を用いて、スポットに照射を行った。各々のスポット中の金粒子は、環を形成し(すなわち、粒子は均一に分散するのではなく環の範囲に閉じこめられた)、かかる環は緑色光を散乱し、暗室においても肉眼ではっきりと観測することができた。
金のドットをインキュベートしている間、金粒子スポット中の液体を攪拌するために指を用いてスライドの横側を静かにたたくという点を除いて、新規に被覆したBSAスライドを用いて繰り返して実験を行った。5分後、かかるスライドをビーカー中の150mlの滅菌水へと導入し、各々のスポットによって散乱される光を、順番にスペクトラ メトリクス社製白光照射器を用いて観測した。かかる照射器は、スライド上に直径約5mmである光の点を生じさせた。金のゾルが沈着した場所の散乱光を通して、金のスポットをはっきりと観測することができた。水につけたスライドについてのスポットを観測すると、スライドの不完全性により散乱光は減少していた。全てのスポットは緑色光を散乱し、視覚検出による評価においてほぼ同じ強度であった。小さい、光を散乱しない点(暗点)が各々のスポットの中心に現れた。
実施例26−異なる金粒子濃度の60nmの金のゾルによって散乱された光の色
6個の8mm×50mm(1.6ml)ポリスチレンチューブを、洗浄びん中の滅菌水ですすぐことにより洗浄した。過剰の水を、チューブを振ることにより各々のチューブから除去したが、チューブの乾燥は行わなかった。次に、金粒子溶液(60nm、0.005%)を連続的に1、2、4、8、16及び32倍に希釈した。各々のチューブは500mlの金粒子溶液を有した。かかる希釈された金のゾルはポリスチレンチューブ中で安定であった(散乱光の色が放置しておいても変化しなかった)。凝集(aggregation)が起こったという証拠は見受けられなかった。異なる希釈液から散乱される光の色は下記の様であった。金粒子を非安定化させると思われる塩(かかる塩は金のゾルを形成するために用いられた)を取り除くために、滅菌水を用いて、かかる観測に用いられた金のゾルを数回洗浄した。
Figure 2009236921
実施例27−BSAによる金粒子の安定化
1%のNaClによって引き起こされる凝集(aggregation)に対して、1mlの60nm、0.005%の金のゾルを安定化させるために、900mgのBSAが必要であることを見出した。
実施例28−BSA被覆ガラススライド上への高粒子密度での60nm金粒子の沈着
本実施例において、異なる表面密度(25粒子/μ2乃至100粒子/μ2)の金粒子をガラススライド上に沈着する方法を示す。本実施例中のスポットは、実施例30及び31において、裸眼及びDLASLPD法を用いて光学顕微鏡で観測される、かかるスポットから散乱される光(白色光散乱)の強度、色及び均一性を決定するために用いられる。
60nmの金のゾル(0.005%、3×1010粒子/ml)4mlを、医療用の遠心分離器を用いて、最大速度にて、全ての金粒子がチューブの底に沈降するまで(約30分間)遠心分離した。上澄みを取り除き、柔らかいペレットを1、2、及び4倍に希釈した。かかる柔らかいペレットは、3×1011粒子/mlの粒子濃度を有すると見積もられた。各々の希釈液4mlをBSA被覆ガラススライド上の個別のスポットに沈着させ、各々のスポット中の液体を室温にて蒸発させた。各々のスポットに沈着した粒子の数(1倍希釈の金のゾルが3×1011粒子/mlであると仮定した)を下記の表に示す。ここで、60nm粒子(粒子で飽和した単層)によって達成されうる最大粒子密度が、354粒子/μ2であることを言及しておかなくてはならない。
Figure 2009236921
溶媒を蒸発させた後、各々のスポットの呈色について、室内灯下及びDLASLPD照射下で試験を行った(肉眼で観測した)。DLASLPD照射は、10倍の対物集束レンズを装備し、及び対物レンズから10mmの距離の小さいスポットに焦点を合わせた光のナロービームを生じさせる、レイカ社製顕微鏡照射器によって行われた。かかるスポットを、DLASLPD法を用いており、2.5倍、10倍、25倍及び40倍の対物レンズ並びに追加として1.25倍、1.6倍及び2倍の拡大を有する光学顕微鏡によって試験した。各々のスポット上の粒子表面積密度を決定するために、所定の領域において顕微鏡で観測された粒子をカウントし、かかる数値を領域面積で割り算した。かかる領域面積は、顕微鏡の接眼レンズ中に設置された網線を用いて決定され、かかる網線はスライド顕微鏡によって較正されていた。例として、粒子のカウントを、40倍の対物レンズ並びに追加の1.25倍及び2倍の拡大(接眼レンズの前)を用いて行った場合、粒子の測定に用いた接眼レンズの網線中の単位面積は、それぞれ6.25μ×6.25μ(領域の面積=39.1μ2)及び10μ×10μ(領域の面積=100μ2)であった。かかる領域は対象平面中の領域である。
実施例29−空気中における高表面密度の金粒子スポットの観測
本実施例において、実施例29に記載の方法で調製された金粒子スポットを、DLASLPD照射を用いて視覚的及び顕微鏡的に試験する。かかるスポットは乾燥されており、金粒子はそれゆえに空気中にさらされている。
a 1倍希釈スポット
室内灯下において、スポットは暗い紫色を呈色し、粒径1mm未満のより明るいスポットを中心に有する。DLASLPD照射下において、かかるスポットはかなり均一な白っぽいオレンジ色を呈色した。かかるスポットは非常に濃色であった。顕微鏡のDLASLPD条件下では(10倍の対物レンズ、特別な2倍拡大、12.5倍の接眼レンズ)、接眼レンズを通して観測されるスポットは、非常に濃いオレンジ色を呈色した。個別の粒子を容易に観測することができた。幾つかの粒子は、互いに非常に近接した位置に存在するか、又は重なり合っていた。大多数の粒子はオレンジ色であるが、緑色の粒子も存在する。顕微鏡の空間的分解能未満で互いに離れている2つ又は3つ以上の粒子は、1つの粒子として観測された。粒子間の空間がその光散乱特性を摂動させるほど十分に近接している場合、かかる粒子群は、1つの粒子が呈色する色とは異なる色を呈色する1つの粒子に見える。粒子密度が高い場合、理論計算から、多くの粒子が顕微鏡の分解能より小さい距離しか離れずに分散されるであろうことが期待される。10倍又は20倍の対物レンズで観測する限り、スポットの観測のされ方に大きな相違はなかった。スポットの外側であるスライド上の領域(バックグラウンド)は、濃色のスポットと比較して非常に暗かった。2.5倍の対物レンズを用いると、スポット全体を観測することができた。かかるスポットは濃いオレンジ色であり、その周囲には小さな緑色の輪が見受けられた。スポットの色は、オレンジ色の領域中においてかなり均一であると観測されるが、幾つかのパッチが他のパッチより明るく見受けられる。緑色の輪における粒子の表面密度は、オレンジ領域の密度よりかなり低い。
b 2倍希釈スポット
室内灯下において、スポットは中程度の濃度の紫色を呈色し、粒径約2mmの濃い紫色のスポットを中心に有する。DLASLPD照射下において、かかるスポットはかなり均一な白っぽい黄色を呈色した。かかるスポットは非常に濃色であった。光学顕微鏡においてDLASLPD条件下では(10倍及び20倍、の対物レンズ、特別な2倍拡大、12.5倍の接眼レンズ)、接眼レンズを通して観測されるスポットは、非常に濃いオレンジ色を呈色したが、かかる色は1倍希釈における色ほど均一ではなかった。緑色がかったパッチが見受けられる。非常に近接した位置に存在する粒子が観測された。大多数の粒子はオレンジ色であるが、緑色のパッチ中に多量に存在する緑色の粒子もいくらか見受けられた。10倍又は20倍の対物レンズで観測する限り、スポットの観測のされ方に大きな相違はなかった。スポットの外側の領域は、濃色のスポットと比較して非常に暗かった。2.5倍の対物レンズを用いると、スポット全体を観測することができた。かかるスポットは濃いオレンジ色であり、その周囲には小さな緑色の輪が見受けられた。スポットの色は、オレンジ色の領域中においてかなり均一に見受けられるが、幾つかのパッチが他のパッチより明るく見受けられる。かかる非均一性は、最適化されていない照射システムの不均一性に幾分影響を受けている。
c 4倍希釈スポット
室内灯下において、スポットは非常に明るい紫色を呈色し、小さな暗いスポットを中心に有する(粒径約1mm)。DLASLPD照射下において、かかるスポットはかなり均一な白っぽい緑色を呈色した。かかるスポットは非常に濃色であった。光学顕微鏡においてDLASLPD条件下では(10倍の対物レンズ、特別な2倍拡大、12.5倍の接眼レンズ)、接眼レンズを通して観測されるスポットは、非常に非均一であり、かかる非均一性はおそらく非一様な溶媒の蒸発に由来するものである。スポットの中心においては、非常に濃いオレンジ色又はラベンダー色が見受けられる。かかる中心領域において、粒子は非常に近接した位置に存在するか又は重なり合っており、ここでほとんどの粒子はオレンジ色を、及び幾らかの粒子は緑色を呈色している。中心から離れると、スポットは緑色を呈色するようになり、多数の緑色の粒子と幾らかのオレンジ色の粒子が見受けられるようになった。中心から外周へ向かっていくと、緑色と黄色の別の輪が存在する。スポットの外側は(バックグラウンド)、濃色のスポットと比較して非常に暗い。2.5倍の対物レンズを用いることにより、スポット全体を観測することができる。かかるスポットは卵形の外観であり、中心にオレンジ色又はラベンダー色のスポット(直径約1.5mm)を有する。かかる中心は、別の緑がかった黄色及び緑色の濃色の輪によって囲まれている。外周の小さな輪の色はさほど濃くなく(しかしそれでも濃い)、はっきりとした緑色である。かかる外周領域において、ほとんど全部の粒子が緑色の粒子であり、40倍の対物レンズ及び特別な2倍拡大を用いてカウントすることができた。緑色粒子領域における粒子表面密度は、約20粒子/39.1μ2又は約0.5粒子/μ2であった。ほとんど外周に近くなると、粒子カウントは急速に減衰し、約7粒子/100μ2又は約0.07粒子/μ2しか観測されなかった。かかるスポットにおける粒子の傾斜によって、約1粒子/μ2のカウント限界まで粒子をカウントすることができた。
空気中に固定した粒子に対する結論
a 上記に記載の方法により、小さい(4mm)スポット上に高表面密度で金粒子を沈着させることができる。スポットを形成する際に用いる蒸発工程から期待されるように、室内灯で観測した場合、沈着は完全に均一にはならない。
b 光学顕微鏡におけるDLASLPD条件下において、1倍及び2倍の希釈液スポットはかなり均一である。4倍の希釈液に対しては、スポットは幾分不均一性を示す。
c スポットの粒子密度は、粒子カウントを意義のあるものにするには高すぎるようである(個々の粒子を識別するには粒子同士が近すぎる)。しかしながら、4倍希釈スポットの外周においては、粒子をカウントすることができ、かかる領域における密度はおよそ0.5粒子/μ2であった。かかる粒子密度は、我々の顕微鏡の分解能でカウントしうる最大粒子密度に近いものである。
実施例30−水中の高表面密度金粒子スポットに対する観察
ビーカー中の150ml無菌水に実施例30で使用するスライドを沈めた。粒子はスライドからはがれないようであった。10倍の対物レンズを備えた顕微鏡の照明を使用して、沈めたスライド中の金スポットが狭いビームの光で各々別々に照射できた。スポットの色は(肉眼で観察して)空気から水に入って行っても変化しないように見えた。ガラススライドをビーカーの水から取りだし、カバーガラスで覆った。水の薄膜が金粒子を囲んだ。顕微鏡により、次のように観察された。
a.1倍希釈スポット
対物レンズ2.5倍、補助拡大レンズ1.25倍および接眼レンズ12.5倍にした光学顕微鏡を用いてDLASLPD条件下で観察すると、スポットはほぼ均一のオレンジラベンダー色の外観であった。スポットの周囲は明るい、黄緑色の粒子を含んでいた。周囲の粒子は、10倍〜40倍の対物レンズで容易に観察できた。粒子の表面密度はスポット全体にわたって非常に高く、周囲においてさえ高かったが、縁際の非常に細い環の部分では個々の粒子が明るい対象物として容易に観察できる。
b.2倍希釈スポット
2.5倍の対物レンズおよび1.25倍の補助拡大レンズを使用して12.5倍の接眼レンズにより、全体のスポットを観察できた。スポットは全体にわたって非常に強力な黄色であり、ほぼ均一に見えた。スポットのほとんどは黄色であったが、縁に向かってスポットは黄緑色となった。40倍の対物レンズおよび1.25倍の補助拡大レンズを用いて、非常に高表面密度の粒子を観察できた。粒子のほとんどは黄緑色であった。少数は緑色〜赤色であった。スポットは、縁では粒子密度が非常に急速にゼロに落ちる(暗色の背景)以外は非常に顕著に均一な強度であった。間に暗色空間がある個々の粒子は、粒子表面密度が低い縁において容易に観察でき、計数できた。
c.4倍希釈スポット
全体スポットを、2.5倍対物レンズと1.25倍補助拡大レンズを用いて観察できた。スポットは非常に強烈な黄緑色であり、色は非常に均一であり、スポットが多くの緑色の斑点であった空気中の観察と対照的であった。個々の粒子は、40倍の対物レンズおよび1.25倍の補助拡大レンズを用いて容易に観察できた。水中の粒子は空気中よりも強力または鮮明であった。周囲の粒子は主要部分が緑色でないが、しかし水中で最も多い粒子が黄緑色であり、いくらかが赤色およびオレンジ色であった。スポットの大部分は、非常に強烈な黄色であった。個々の粒子は40倍の対物レンズを用いて観察できたが、しかし、粒子は非常に緻密であり重なっていた。スポットの最も強力な領域では、40倍の対物レンズおよび2倍の補助拡大レンズを用いて観察される粒子は、約25個の粒子/39.1μ2すなわち約0.6個の粒子/μ2の密度であった。この数は、顕微鏡の解像限界のため真の粒子表面密度を表さないかもしれない。
水により覆われた固定化粒子についての結論
水中に金スポットを置くと、スポットに一層均一な外観を与えるように見える。スポットの2倍および4倍希釈は、DLASLPD条件下で光学顕微鏡の照明を用いて肉眼により観察するとき(プリズム上にスライド設置し、浸漬油でプリズムに付着されている)双方とも黄色であるようである。1倍希釈スポットは眼で見てオレンジ色であるようである。
実施例31−60nm金−BSA−ビオチン試薬のマグネチックビーズへの結合
この実施例は、懸濁物中の光散乱強度測定により金粒子のマグネチックビーズへの特異的な結合を検出し定量化しそしてDLASLPD条件下で光学顕微鏡によりマグネチックビーズに結合されている個々の金粒子を検出する能力を示す。
ビオチンで共有結合により標識したBSAで60nmの金粒子を被覆した(BSA−ビオチン−金)。500mlの0.1%BSA溶液を含有するリン酸塩緩衝液(pH7.4)を、5本の微量遠心管にそれぞれ入れた。これらの遠心管に0,1,2,3,4と標識を付けた。3.8×10-11Mの金粒子濃度のBSA−ビオチン−金の溶液を各遠心管に入れ、これらの遠心管を振とうした。追加量のBSA−ビオチン−金溶液を加えて、各遠心管の金−BSA−ビオチン粒子を8×10-13Mの濃度にした。各遠心管に、0.1%BSAおよび0.02%NaN3を含有するリン酸塩緩衝液(PBS;pH7.4)に溶解させた6.7×108Dynaビーズ/ml(10mg/ml)または約1×10-12Mビーズモル濃度を含有する下記の量(μl)のDynaビーズM280 Streptavidin(ビーズの表面に共有結合したストレプトアビジンを有する直径2.8μのビーズ)懸濁物を加えた。
Figure 2009236921
遠心管を室温で30分間インキュベートし、次いで、遠心管番号0から開始し一度に一つずつMPC−E/E−1マグネチック粒子濃縮機中に入れ、マグネチックビーズを溶液から分離した。2分後、磁選機(magnetic separator)中にある遠心管から上澄み溶液を注意深く取る。1mlの微量培養管中に上澄み液を入れた。5分間、遠心管5をマグネチック濃縮機中に入れて置き、一方、他の遠心管を2分間入れた置いた。下記の設定で上澄み液の散乱光の強度を、SpectraMetrix光度計中で測定した。レジスターPMアウト(out)=0.1メグオウム、励起側上のフイルター=オレンジフイルターCS 3−67、10倍濃度フイルター減光器=アウト(out)
下記の散乱光強度が測定された。
Figure 2009236921
マグネチックビーズを含む各遠心管に上澄み液を戻し、さらに2時間インキュベートした。2時間後、遠心管を上述したように処理し、上澄み液について下記の散乱光強度を得た。
Figure 2009236921
2時間追加のインキュベートは、マグネチックビーズに対する金BSA−ビオチンのより強い結合をもたらさなかった。
金粒子が結合したマグネチックビーズの一滴を、顕微鏡のガラススライド上に載せ、カバーガラスで覆った。次いで、光学顕微鏡を用いてDLASLPD条件下でスライドを試験した。マグネチックビーズは、強く散乱する対象物として容易に観察できたが、ビーズ上の金粒子は、大きなマグネチックビーズによる強い散乱のため、観察がより困難であった。しかし、水媒質を、屈折率約1.4〜1.5の浴用媒質に置換すると、粒子はよりはっきりと観察できた。また、スライドに対して垂直の線に関して高い角度で照射光ビームを傾斜させた場合、金粒子はよりはっきりと観察できた。
実施例32−核酸−標識40nm直径金(Au)粒子を用いる核酸ハイブリダイゼーションの検出
1.化学的に活性化したポリエチレングリコール−アミン被覆Au粒子の製造 核酸のAu粒子への結合のための反応性アミン基を次のようにして得た。実施例12に記載した方法を使用して、40nmAu粒子をビス(ポリオキシエチレンビス[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル])ポリエチレン化合物で被覆した。これにより、核酸の粒子への結合のためのいくつかの化学反応性アミン基を有するポリエチレン化合物の薄い被覆を有する直径40nmのAu粒子を得る。
2.直径40nmAu粒子に結合するための核酸の調製
ポリシチジル酸(ポリ(C))およびポリイノシン酸(ポリ(I))のホモポリマーを次のように化学修飾させた。0.8mgおよび1.3mgのポリ(I)およびポリ(C)を別の管に入れた。各々の管に、イミダゾール緩衝液(pH8.5)中の1−エチル−3,3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(CDI)の0.1M溶液1.0mlを加え、1時間インキュベートした。次いで、核酸を、エタノール析出により析出させ、ハイブリダイゼーション緩衝液(20mMトリス−HCl,100mMNaCl,1mMEDTA pH7.6)中に再懸濁させた。
3.活性化核酸の活性化Au粒子への結合
ポリ(I)およびポリ(C)の双方の調製に同じプロトコールを使用した。50μlの核酸溶液に20μlの40nm−Au−PEG活性化粒子溶液および100μlのHepes 0.2M、pH8.0を加え、50℃で1時間インキュベートした。反応に続いて、ポリ(C)およびポリ(I)40nmAu−核酸結合体を遠心分離により採取し、洗い、ハイブリダイゼーション緩衝液中に再懸濁させた。
4.ハイブリダイゼーション実験
核酸−40nmAu粒子結合体のハイブリダイゼーション特性(40nm直径金粒子と当該粒子のポリマー被覆表面に共有結合した核酸)を次のようにして検討した。DLASLPD法を使用する光学顕微鏡を使用した。図9に示されているようなガラススライド−液体カバー片(slip)からなる実験用構成を使用した。ポリ(C)−Au粒子結合調製物の一滴をスライド上に載せ、カバー片で覆った。顕微鏡コンデンサー上に一滴の浸漬用油を載せ、次いでコンデンサーの一番上にスライドを載せた。10倍の対物レンズを使用した。溶液はほぼ均一に見え、ポリ(C)−Au粒子結合体は視野中に浮遊しているように見えた。それらのブラウン運動は、核酸で標識されていない40nmAu粒子について先に観察されたものよりも少ないようであった。少量のポリ(C)−Au粒子がガラススライドの表面に貼り付いているようであった。殆どが2〜4個のポリ(C)−Au粒子の少数の凝集体のポリ(C)−Au粒子であった。これらの凝集体構造は、それらが視野中を浮遊したとき、一単位として移動した。スライドの表面に付着したポリ(C)−Au粒子の粒子密度は、数分間このスライドを観察するにつれて上昇したことに気がついた。ポリ(C)−Au粒子からもたらされる散乱光の色は緑色であった。カバースライドを取り外し、次いで、ポリ(C)−Au滴を含むスライドの湿った領域の隣に一滴のポリ(I)−Au調製物を載せた。この2スポット間の接触は、ポリ(I)−Au滴からポリ(C)−Auを含むスライドの湿った部分まで液体の線を引く金属プローブを使用することにより行った。次いで、カバースライドを上に載せ、それから、そのスライドを顕微鏡上に戻し、観察した。時間を経過すると、多数ポリ(I)−Au−ポリ(C)−Au粒子凝集体の数の増加形成が観察された。約20分後、スライドを走査させ、非常に少数が単独の粒子であり、粒子の殆どが数個の粒子の凝集状態であり、それらの内の多くがガラススライドに貼り付いていたことが観察された。凝集体は、明瞭な形態、すなわち、特有の方向性があるように見え、これらの粒子凝集体は会合され、あるものは無作為に一巻きに巻かれたひも状として見え、その他のものは枝分かれした鎖の網目状態として見えた。これらの多凝集体の外観は、対照ポリ(C)−Auスライドで観察される少数の凝集体と比較して非常に異なった。40倍の対物レンズに代え、そして、いくつかの凝集体では、粒子のいくつかが緑色ではなくてより黄色であった。次いで、ポリ(Au)−ポリ(I)−Au反応体を含有するスライドのカバー片を取り、このスライド上に一滴の10-5M臭化エチジウムを加え、カバー片で覆った。スライド上の粒子の凝集体からくる淡いオレンジ色を観察した。すなわち、その色は緑色と同様に見え、粒子の黄緑色は淡いオレンジ色の背景上に位置されていた。凝集体から離れた領域ではオレンジ色は観察されなかった。この淡いオレンジ色は、粒子凝集体付近およびその中に核酸の二重鎖構造があったことを示した。我々はこれをポリ(C)−Au結合体とポリ(I)−Au結合体のハイブリダイゼーションであると解釈した。このスライドを除き、一滴のポリ(I)−Auを含む対照スライドを顕微鏡で観察した。このポリ(I)−Au調製物がポリ(C)−Au対照スライドと比べて多くの小さい凝集体として約2倍有するように見えた以外、対照ポリ(C)−Auスライドと比較して同じような観察であった。散乱光の色は緑色を呈し、いくらかの凝集体は黄緑色を呈した。
この特有の方法では、相補的鎖の双方が金粒子で標識された。相補的鎖ハイブリダイズとして、より多くの粒子凝集体が出現した。核酸の結合が、金または類似の粒子からの散乱光を検出することにより検出できた。さらに、二個以上の金粒子が互いに近接状態にあるとき、散乱光の色が変化し得るように思える。この散乱光の色の変化は結合事象の検出方法としても使用できる。Au粒子、または光を充分に散乱するその他のいずれの粒子も、核酸の結合または分離もしくは非分離分析方法におけるその他のリガンド−レセプター対の検出のための多くの方法に使用できる。
実施例33−ポリスチレン大ビーズに対する金粒子の結合の検出
ビオチンで被覆された直径約2ミクロンの球形ポリスチレン粒子の溶液一滴を顕微鏡用ガラススライド上に載せ、DLASLPD条件下で光学顕微鏡中で観察した。ポリスチレン粒子は明るい白色光点源として容易に観察された。次いで、ポリスチレン粒子滴上にストレブトアビジンで被覆した60nm金粒子調製物一滴を載せ、この調製物を顕微鏡中で観察した。明るい白色ポリスチレン粒子が観察され、黄緑色の弱いハローがポリスチレン粒子の周りに観察された。スライドから溶液を蒸発させ、次いで、調製物上に一滴の顕微鏡用浸漬油を載せ、それから顕微鏡で観察した。個々の金粒子および黄緑色金粒子の大きな円環領域を容易に観察できた。ポリスチレン粒子は、黄緑色のハローすなわち環により囲まれた殆ど暗色〜黒色のスポットとして見えた。この方法は、固体粒状物質およびガラスやその他のビーズのような小さな固相、ならびに生物学的細胞等の表面に結合した金粒子もしくはその他の金属様粒子を検出するのに使用できる。
実施例34−ポリエチレン化合物で被覆した金粒子の光散乱特性
クエン酸塩法により製造した直径約100nmの金粒子を使用した。この溶液の一部を別々の容器に入れ、他の箇所に記載した方法を使用してポリエチレングリコール化合物(MW=20,000)で金粒子を被覆した。
被覆および未被覆粒子の光散乱比較について、各溶液が桃色がかった赤色の淡い色合いとなるまで水で試料を希釈した。試料についての散乱光強度対入射波長形態をSpectraMetrix Photometerを使用してまとめた。
これらの測定に対して、光源と試料散乱光との間にモノクロメーターを置き、モノクロメーターの設定を調節することにより400nm〜700nmで10nm増分のデータを集めた。データは、12nmシリカ粒子を使用することにより作成した校正グラフを使用して波長の関数として波長依存のモノクロメーターおよび光検出器変動について補正した。データーを校正グラフを使用して分析した。図16にデータを示す。
データは、被覆および未被覆100nm金粒子が非常に類似した散乱光強度対入射波長形態を有することを示す。したがって、抗体、核酸、レセプターのような巨大分子物質の多くの異なる種類または類似物が、粒子の表面に散乱光特性の有意な変化をさせることなく被覆できる。
その他の実施態様は次の請求の範囲内にある。

Claims (48)

  1. 試料中の1つ以上の分析物の特異的な検出法であって、
    前記試料中の前記1つ以上の分析物に散乱光が検出可能な粒子を特異的に会合させる段階と、
    前記粒子から散乱光が生じ、かつ1個以上の前記粒子から散乱した光を電子増幅せずに500倍未満の倍率で肉眼検出し得る条件下で、前記分析物と会合した前記粒子に光を照射する段階と、
    前記条件下で前記粒子によって散乱された前記光を、前記1つ以上の分析物の存在の目安として検出する段階と
    を含む方法。
  2. 前記肉眼で観察し、白色光を照射すると、前記粒子が特定の有色光を生じるのに適したサイズを有する、請求の範囲第1項の方法。
  3. 前記特定の有色光の色により、前記1つ以上の分析物の存在または量の目安が提供される、請求の範囲第2項の方法。
  4. 前記検出が、前記1つ以上の分析物の濃度の測定値として散乱光強度の測定を含む、請求の範囲第1項の方法。
  5. 前記検出が、前記1つ以上の分析物の濃度の測定として散乱光の色の測定を含む、請求の範囲第1項の方法。
  6. 前記肉眼で観察し、白色光を照射すると、前記粒子が特定の有色光を生じるのに適した組成を有する、請求の範囲第1項の方法。
  7. 前記粒子が固相結合分析物と会合した、請求の範囲第1項の方法。
  8. 前記検出段階の間前記粒子が液相中にある、請求の範囲第1項の方法。
  9. 前記分析物が固相と結合した、請求の範囲第1項の方法。
  10. 前記分析物が溶液中に遊離した、請求の範囲第1項の方法。
  11. 前記試料が、前記1つ以上の分析物を各々含んだ別個の領域を含むマイクロアレイまたはアレイチップである、請求の範囲第1項の方法。
  12. 前記光が多色白色光である、請求の範囲第1項の方法。
  13. 単色光照射光源を用いて前記光を供給する、請求の範囲第1項の方法。
  14. 前記方法が、前記肉眼で観察すると各々異なる視覚的外観を有する複数の異なる粒子を提供する段階を含む、請求の範囲第1項の方法。
  15. 前記粒子を同種(homogeneous)アッセイの中で用い、2個以上の粒子を互いに十分に接近させていずれか1個の粒子の光散乱特性を変化させるようにし、前記変化が前記1つ以上の分析物の存在の目安となる、請求の範囲第1項の方法。
  16. 前記粒子をアッセイの中で用い、2個以上の粒子を互いに十分に接近させて2個以上の粒子の光散乱特性が単一粒子から識別可能となるようにし、前記光散乱が前記1つ以上の分析物の存在の目安となる、請求の範囲第1項の方法。
  17. 前記粒子を同種アッセイの中で用い、2個以上の粒子を互いに十分に接近させて2個以上の粒子の光散乱特性が単一粒子から識別可能となるようにし、前記光散乱が前記1つ以上の分析物の存在の目安となる、請求の範囲第1項の方法。
  18. 前記粒子を同種アッセイの中で用い、互いに近接して保持した2個以上の粒子を引き離していずれか1個の粒子の光散乱特性を変化させるようにし、前記変化が前記1つ以上の分析物の存在の目安となる、請求の範囲第1項の方法。
  19. 前記粒子を同種アッセイの中で用い、1つ以上の分子間相互作用により2個以上の粒子を互いに連結した方法であって、粒子を粒子を一体保持する分子間相互作用を分断して1個以上の粒子を分子間相互作用から解放し、前記解放が前記1個以上の粒子の存在の目安となる、請求の範囲第1項の方法。
  20. 前記粒子が金粒子または銀粒子である、請求の範囲第1項の方法。
  21. 前記粒子が1から500ナノメートルの間のサイズを有する、請求の範囲第1項の方法。
  22. プリズムまたはその他の導光系により前記光を前記粒子に指向させる、請求の範囲第1項の方法。
  23. 少なくとも1種類の光散乱物質から作成された特異的に検出し得る金属様の光散乱粒子の集団であって、前記粒子が、化学的安定性ならびに分析物と結合する能力を前記粒子に付与する、少なくともさらに1種類の材料をその表面に含み、前記粒子の集団が十分なサイズ均一性をもつのに適し、したがって前記集団中の個々の粒子の光散乱特性が粒子相互間で類似する集団。
  24. 前記粒子を金属、金属化合物、金属酸化物、半導体、超伝導体から成るグループから選択される材料から形成する、請求の範囲第23項の粒子。
  25. 金属様の材料を組成物の一部として含む混合組成物で前記粒子を形成する、請求の範囲第23項の集団。
  26. 金属、金属化合物、金属酸化物、半導体、超伝導体から成るグループから選択される少なくとも1つの材料から形成され、直径1から500ナノメートルの特異的に検出可能な光散乱粒子試薬であって、前記粒子試薬が粒子表面と結合するのに適し、かつ結合試薬と結合するのに適した基礎分子を含み、前記粒子試薬が分析物と結合し得る光散乱粒子試薬。
  27. 前記粒子がポリマー、無機材料、有機材料、蛋白質材料、基礎分子材料、結合剤から成るグループから選択される被覆を有する、請求の範囲第23項または第26項の集団または粒子。
  28. 前記粒子が球状である、請求の範囲第23項または第26項の集団または粒子。
  29. 前記粒子が卵形または楕円体である、請求の範囲第28項の集団または粒子。
  30. 前記粒子が非対称である、請求の範囲第29項の集団または粒子。
  31. 前記粒子が変動係数5%未満の粒度分布を有する、請求の範囲第23項または第26項の集団または粒子。
  32. 前記粒子が変動係数10%未満の粒度分布を有する、請求の範囲第23項または第26項の集団または粒子。
  33. 前記粒子が変動係数15%未満の粒度分布を有する、請求の範囲第23項または第26項の集団または粒子。
  34. 前記粒子が金を含む、請求の範囲第23項の集団。
  35. 前記粒子が金と銀の混合組成物を含む、請求の範囲第23項の集団。
  36. 前記粒子が銀と磁性材料または強誘電性材料から構成される、請求の範囲第23項の集団。
  37. 前記粒子が金と磁性材料または強誘電性材料から構成される、請求の範囲第23項の集団。
  38. 前記粒子が金属様の材料と磁性材料または強誘電性材料との混合物から構成される、請求の範囲第23項の集団。
  39. 前記粒子がポリマー、蛋白質、核酸、無機化合物および有機化合物、基礎材料分子、結合剤から成るグループから選択される表面被覆を有する金から成り、前記粒子が10から50ナノメートルの間の直径を有し、白色光を照射すると緑色散乱光を生じる、請求の範囲第23項の集団。
  40. 前記粒子がポリマー、蛋白質、無機化合物および有機化合物、基礎材料分子、結合剤から成るグループから選択される表面被覆を有する金から成り、前記粒子の直径が50から70ナノメートルの間であり、白色光を照射すると黄緑色ないし黄色の散乱光を生じる、請求の範囲第23項の集団。
  41. 前記粒子がポリマー、蛋白質、無機化合物、有機化合物、基礎材料分子、結合剤から成るグループから選択される表面被覆を有する金から成り、前記粒子が約70から120ナノメートルの間の直径を有し、白色光を照射すると橙色ないし橙赤色の散乱光を生じる、請求の範囲第23項の集団。
  42. 前記粒子がポリマー、蛋白質、無機化合物、有機化合物、基礎材料分子、結合剤から成るグループから選択される表面被覆を有する金から成り、前記粒子が120ナノメートルより大きく1ミクロンより小さい直径を有し、白色光を照射すると橙色ないし橙赤色の散乱光を生じる、請求の範囲第23項の集団。
  43. 前記粒子がポリマー、蛋白質、無機化合物、有機化合物、基礎材料分子、結合剤から成るグループから選択される表面被覆を有する銀から成り、前記粒子が5から50ナノメートルの間の直径を有し、白色光を照射すると青色散乱光を生じる、請求の範囲第23項の集団。
  44. 光が前記試料に届き、かつ前記試料と結合した粒子からの散乱光が最大限に検出できるような角度に向けた光源を含む固相試料分析用の装置であって、前記粒子から散乱光が生じ、かつ1個以上の前記粒子から散乱した光を電子増幅せずに500倍未満の倍率で肉眼検出し得る条件下で、前記試料と会合した前記粒子に前記光を照射し得るように、前記装置を組み立て配置した装置。
  45. 前記試料からの散乱光前方の強度包絡線外に集光レンズ検出器を置いた、請求の範囲第44項の装置。
  46. 前記散乱光を検出できるように構成、配置された、必要なコンピュータ・ソフトウェアまたはファームウェアを有する粒子計数器を備えた、請求の範囲第44項の装置。
  47. 前記試料を載せる表面に対してほぼ垂直となるように前記装置の中に集光レンズを設けた、請求の範囲第44項の装置。
  48. マイクロアレイの測定ができるように前記装置を組み立て配置し、前記マイクロアレイが10立方ミクロンから1立方ミリメートルの間の寸法を有する、請求の範囲第44項の装置。
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