JPH0881636A - カチオン染料及びそれを用いる基材の染色方法 - Google Patents

カチオン染料及びそれを用いる基材の染色方法

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JPH0881636A
JPH0881636A JP6242387A JP24238794A JPH0881636A JP H0881636 A JPH0881636 A JP H0881636A JP 6242387 A JP6242387 A JP 6242387A JP 24238794 A JP24238794 A JP 24238794A JP H0881636 A JPH0881636 A JP H0881636A
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JP
Japan
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dyeing
dye
cationic dye
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JP6242387A
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Mitsumasa Yamazaki
三正 山崎
Masayoshi Kondo
正義 近藤
Yasuyoshi Nakamura
泰良 中村
Nobuo Suzuki
信夫 鈴木
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Hodogaya Chemical Co Ltd
Original Assignee
Hodogaya Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙、パルプ、アクリル繊維等の染色にあたっ
て染着率がきわめて優れたカチオン染料を提供する。 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を
表わし、R3 はシアノ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
ルボニル基を表わし、Y- はアニオンを表わす。)で表
わされるカチオン染料及びこの染料を用いた基材の染色
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然材料または合成材
料、例えば紙、パルプ或いはアクリル等の繊維を着色す
るのに有用なカチオニック染料及び染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維材料、皮革、紙、パルプ等基材の染
色及び捺染には数多くの染料(例えば特公昭48−26
369,特開昭53−123431公報など)が使用さ
れている。しかしながら染色特性(染色速度、染着率
等)において満足できるものは少ない。特に紙及びパル
プ等で鮮明な染色物を得るにあたって、従来の染料は染
色速度および染着率等が悪い為、染色効率上問題があ
り、加えて染色物の水堅ろう度においても満足する結果
が得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】染色時間の短縮及び環
境保全の点から染着速度及び染着率が高く染色廃水が無
色に近くなり、また得られた染色物の水堅ろう度が良好
である染料の開発が望まれてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】基材例えば、繊維材料、
皮革、紙、パルプ等の染色速度が高く、高い染着率を示
し優れた水堅ろう度をもつ鮮明な染料を見いだすべく鋭
意研究した結果、本発明に至ったものである。すなわち
本発明は、下記一般式(1)
【0005】
【化3】 (式中、R、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を
表わし、R3 はシアノ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
ルボニル基を表わし、Y- はアニオンを表わす。)で表
わされるカチオン染料およびそれを用いる基材の染色方
法を提供するものである。
【0006】本発明による染料の構造的特徴は一般式
(1)で示される様に、第4級窒素原子に染料構造を持
つ成分が2分子連結している為、染料自身が大変安定
で、パルプへの染着力も増強され、染着率、染着速度の
性能を飛躍的に改善することが出来た。
【0007】本発明の一般式(1)で表わされるカチオ
ン染料は、一般式(2)で表わされるアルデヒド化合物
【0008】
【化4】 (式中、R、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を
表わす。)と一般式(3)で表わされる化合物
【0009】
【化5】 (式中、R3 はシアノ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
ルボニル基を表わす。)を水溶性有機溶媒中で塩基性触
媒、又は酸性触媒の存在下、縮合反応によって得られ
る。
【0010】反応に使用される水溶性有機溶剤の例とし
ては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール、ジオキサン、酢酸、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ブチルラク
トン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
【0011】反応に使用される塩基性触媒の例として
は、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピペラ
ジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。
【0012】又、反応に使用される酸性触媒の例として
は、ギ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸
等が挙げられる。
【0013】縮合反応終了後この新規カチオン染料は場
合によっては反応触媒から分離される。また必要によっ
ては一般式(1)のカチオン染料のアニオンは公知の方
法(例えば特公昭39−4879号公報)により水溶解
性良好な他のアニオンに置換えることもできる。
【0014】次に本発明の一般式(1)のカチオン染料
による基材の染色法について述べる。この新規カチオン
染料は、繊維材料、皮革、パルプおよび紙の染色に用い
る染料として、またそれら基材の捺染に用いるカラーイ
ンキの調整のため色素材料として使用でき、更にガラス
あるいは透明な合成樹脂フィルム上に設けられたゼラチ
ン、カゼイン等の天然蛋白質あるいは含窒素光硬化性樹
脂の薄膜を着色するためにも用いることができ、それら
はカラーフィルターとしても有用である。ゼラチン、カ
ゼイン等の天然蛋白質あるいは含窒素光硬化性樹脂から
なる薄膜は常法により例えばギ酸、酢酸、塩酸等で酸性
に調製された水性浴から30〜100℃の温度で着色
(染色)される。
【0015】繊維材料としてはカチオン染料で染色でき
る材料、例えばアクリルニトリルのホモ重合体および混
合重合体、酸改質されたポリエステルおよびポリアミド
などの天然含窒素繊維、セルローズを含む材料例えば木
綿、再生セルローズ繊維、ポリビニルアルコール繊維、
さらにはガラス繊維等があげられる。
【0016】本発明の新規カチオン染料によるこれら繊
維材料の染色は常法により好ましくは中性ないし酸性水
媒質中からの常圧又は加圧による吸収染法あるいは水性
インキによるスプレー塗工、パデイングおよびプリント
などの連続染色によって実施される。
【0017】さらに本新規カチオン染料の好ましい用途
は各種のパルプおよび紙、とくに漂白または未漂白でサ
イジングされていないまたはサイジングされた紙類の染
色である。この新規カチオン染料はサイジング処理を施
していないパルプおよび紙(ナプキン、テーブルクロ
ス、衛生紙など)に対しても非常に大きい染着速度なら
びに非常に高い染着率を示す。この高い染着はその染色
廃水を無色に近いものとし、廃水規制および環境保全上
からもきわめて大きな利点といえる。
【0018】染色はpH値4〜8、ことに5〜7、染色
温度10〜50℃、好ましくは15〜30℃で行われ
る。そして得られた染色物は高いカラーバリューでかつ
鮮明であり、すぐれた染色堅ろう性を示す。とくに耐光
堅ろう度については、たとえば染色された紙と湿潤した
白紙を常温下で加圧接触させても染色紙から白紙に転染
(にじみ出し)はほとんどみられず、ミョーバン、アル
カリ、酸、アルコールに対してもすぐれた堅ろう性を示
すことから、ナプキン、テーブルクロスおよび衛生紙な
ど色のにじみ出しのとくに心配される紙の用途分野にき
わめて好適である。本新規カチオン染料による染料は紙
に対しきわめて高い親和性を有しかつ染着速度も大きい
ことから、紙の連続染色およびジェットプリンター用イ
ンキにも適用でき、なをかつ、皮革の染色(スプレー、
ハケ塗り、浸漬など)にも使用できる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、これに限定されるものではない。
【0020】実施例1
【化6】 の合成 出発原料として次式
【化7】 で表わされるアルデヒド化合物4.32g(0.01モ
ル)とマロノニトリル1.65g(0.025モル)を
エタノール50mlに溶解し、酢酸1.0mlを加え、
80℃で10時間反応を行った。冷却後、エタノールを
回収した。残渣に水100mlと食塩5gを加え、析出
した黄色染料をろ過乾燥すると、上記構造式で示される
最大吸収波長(λmax)430.0nm(ジメチルホ
ルムアミド)の黄色染料5.01gを得た。赤外分析結
果、−CN 2,218cm-1
【0021】実施例2
【化8】 の合成 実施例1で出発原料として用いたアルデヒド化合物4.
32g(0.01モル)とシアノ酢酸メチルエステル
1.49g(0.015モル)をn−ブタノール50m
lに溶解し、ピペリジン0.1mlを加え、90〜95
℃で8時間反応を行った。冷却後、n−ブタノールを回
収した。残渣に水100mlと食塩5gを加え、ジクロ
ルメタンで染料部分を抽出した。活性炭を加え、不溶分
を除去し、ジクロルメタンを回収した。回収残渣にアセ
トニトリル30mlを加え、ろ過乾燥して、上記構造式
で示される最大吸収波長(λmax)405.6nm
(メタノール)の黄色カチオン染料3.01gを得た。
赤外分析結果、−CN 2,210cm-1 >C=O
1,715cm-1
【0022】なお、実施例1及び2での出発原料のアル
デヒド化合物の合成は下記の方法により得ることができ
る。ジメチルホルムアミド21.93g(0.3モル)
を5℃以下に冷却しながら、オキシ塩化リン11.04
g(0.072モル)を滴下した。滴下終了後、同温度
で良く攪拌を行いながら、次式
【化9】 で表わされる化合物11.28gとジメチルホルムアミ
ド10mlを添加した。添加後、徐々に加温して60℃
で2時間反応を行った。冷却後、氷水500mlに注
ぎ、24%苛性ソーダ水35mlを加え、50℃まで加
温した。室温に戻し、希塩酸水で弱酸性とした。析出し
た結晶をろ過、乾燥して実施例1で構造式で示したアル
デヒド化合物7.76g(収率74.5%)を得た。
【0023】実施例3 未漂白亜硫酸パルプ50%および機械パルプ50%から
なる乾燥材料をビーター(Beater)中で水を用い
て40SRフリーネス(Freeness)にこう解
し、パルプ含有量が3%になるよう水で調製する。この
調製液100部に実施例1で得られたカチオン染料0.
03部および酢酸0.02部を加える。この混合物を約
5分間攪拌しロジンサイズ0.03部および結晶硫酸ア
ルミニウム0.06部を加え、ひき続き5分間攪拌し、
更にこの液に水1400部を加えて希釈し、これをシー
ター(sheeter)上で常法により抄紙した。この
場合、抄紙廃水の染料による着色はほとんどみとめられ
ず得られた着色紙はきわめて鮮明な黄色を示し、良好な
耐光及びすぐれた耐光堅ろう度を示した。
【0024】比較例1 使用染料に実施例1で得られたカチオン染料の代りに次
【化10】 で示される染料を使用する以外は実施例3と同様の方法
で抄紙染色したが、抄紙廃水にかなりの着色が見られ、
着色紙も薄い着色であった。
【0025】実施例4 実施例2で得られたカチオン染料の0.25%水溶液を
酢酸にてpH4に調整し、60℃に昇温した染浴中に、
厚さ1μmのゼラチン層を載置したガラス板を侵漬し静
かな攪拌下に5分間保った後、引上げ水洗後乾燥する。
ゼラチンは鮮明な黄色に着色され、透明性と耐光性の優
れたカラーフィルムが得られた。
【0026】以下実施例5〜11で得られたカチオン染
料を表1に示す。カチオン染料の構造、紙を染色した時
の色相、およびλmaxを示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によって得られたカチオン染料
は、基材に対する染着速度および染着率がきわめて高
く、かつ得られた染色又は着色基材の水堅ろう度が良好
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 信夫 東京都北区神谷三丁目7番6号 保土谷化 学工業株式会社東京工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を
    表わし、R3 はシアノ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
    ルボニル基を表わし、Y- はアニオンを表わす。)で表
    わされるカチオン染料。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、R、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を
    表わし、R3 はシアノ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
    ルボニル基を表わし、Y- はアニオンを表わす。)で表
    わされるカチオン染料を用いることを特徴とする基材の
    染色方法。
JP6242387A 1994-09-12 1994-09-12 カチオン染料及びそれを用いる基材の染色方法 Pending JPH0881636A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012101946A1 (ja) * 2011-01-25 2012-08-02 株式会社Adeka 新規化合物、染料及び着色感光性組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012101946A1 (ja) * 2011-01-25 2012-08-02 株式会社Adeka 新規化合物、染料及び着色感光性組成物
US9029434B2 (en) 2011-01-25 2015-05-12 Adeka Corporation Colored photosensitive composition

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