JPH0881537A - ポリウレタン組成物の製造方法 - Google Patents
ポリウレタン組成物の製造方法Info
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- JPH0881537A JPH0881537A JP6220336A JP22033694A JPH0881537A JP H0881537 A JPH0881537 A JP H0881537A JP 6220336 A JP6220336 A JP 6220336A JP 22033694 A JP22033694 A JP 22033694A JP H0881537 A JPH0881537 A JP H0881537A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性、耐熱水性等の諸性能に優れたポリウ
レタン組成物、特に繊維化した場合に効果を発揮するポ
リウレタン組成物の製造方法を提供する。 【構成】 高分子ジオ−ル、有機ジイソシアネ−トより
得られるポリウレタン組成物であり、分子量160以下
の低分子ジオ−ル成分の含有量が1.5モル%以下であ
る高分子ジオ−ルを用いることを特徴とするポリウレタ
ン組成物の製造方法。
レタン組成物、特に繊維化した場合に効果を発揮するポ
リウレタン組成物の製造方法を提供する。 【構成】 高分子ジオ−ル、有機ジイソシアネ−トより
得られるポリウレタン組成物であり、分子量160以下
の低分子ジオ−ル成分の含有量が1.5モル%以下であ
る高分子ジオ−ルを用いることを特徴とするポリウレタ
ン組成物の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン組成物、
特に繊維化により優れた性能を示すポリウレタン組成物
の製造方法に関する。
特に繊維化により優れた性能を示すポリウレタン組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタンは、高い弾性回
復性を有する点、耐油性に優れる点等多くの特長を有す
ることから、ゴム、並びにプラスチックの代替材料等と
して注目されており、繊維化も広く行なわれている。ポ
リウレタンとしては、ポリエステル系、ポリエ−テル
系、ポリカ−ボネ−ト系ポリウレタン等が知られ、一般
に、高分子ジオ−ル、有機ジイソシアネ−ト、及び必要
に応じて1,4−ブタンジオ−ル、ヘキサメチレンジア
ミンなどの鎖伸長剤を混合して重合することにより製造
されている(特開昭62−22817号公報、特開平2
−20514号等)。高分子ジオ−ルがソフトセグメン
ト、鎖伸長剤等がハ−ドセグメントを構成し、かかるハ
−ドセグメントとソフトセグメントが分子間で凝集して
相分離を起こすことにより、優れた伸度と弾性回復率が
得られる。
復性を有する点、耐油性に優れる点等多くの特長を有す
ることから、ゴム、並びにプラスチックの代替材料等と
して注目されており、繊維化も広く行なわれている。ポ
リウレタンとしては、ポリエステル系、ポリエ−テル
系、ポリカ−ボネ−ト系ポリウレタン等が知られ、一般
に、高分子ジオ−ル、有機ジイソシアネ−ト、及び必要
に応じて1,4−ブタンジオ−ル、ヘキサメチレンジア
ミンなどの鎖伸長剤を混合して重合することにより製造
されている(特開昭62−22817号公報、特開平2
−20514号等)。高分子ジオ−ルがソフトセグメン
ト、鎖伸長剤等がハ−ドセグメントを構成し、かかるハ
−ドセグメントとソフトセグメントが分子間で凝集して
相分離を起こすことにより、優れた伸度と弾性回復率が
得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、ハ−ドセグメントとソフトセグメントの相分
離が不十分であるため、十分な性能を有するポリウレタ
ン組成物及びポリウレタン弾性繊維は得られていなかっ
た。すなわち、高分子ジオ−ルを重合する際には、平衡
反応に伴って低分子ジオ−ルが生成するため、一般に使
用される高分子ジオ−ルには10数モル%もの低分子ジ
オ−ル成分が含まれている。
方法では、ハ−ドセグメントとソフトセグメントの相分
離が不十分であるため、十分な性能を有するポリウレタ
ン組成物及びポリウレタン弾性繊維は得られていなかっ
た。すなわち、高分子ジオ−ルを重合する際には、平衡
反応に伴って低分子ジオ−ルが生成するため、一般に使
用される高分子ジオ−ルには10数モル%もの低分子ジ
オ−ル成分が含まれている。
【0004】従って、かかる高分子ジオ−ルより得られ
るポリウレタン組成物は、所期のハ−ドセグメント及び
ソフトセグメント(量・比率等)とは異なったものとな
り、さらに、鎖伸長剤(ジオ−ル、ジアミン)とは異な
った分子、即ち平衡反応により生じた低分子ジオ−ル成
分がハ−ドセグメントとして組み込まれるため、ハ−ド
セグメントの凝集性が低下して耐熱性等の諸物性の低下
を招く原因となる。本発明者等は、鋭意研究の結果、諸
性能の低下の原因を究明し、高分子ジオ−ル成分中の低
分子ジオ−ル成分の含有率を制御することにより、諸性
能に優れたポリウレタン組成物が得られることを見いだ
した。本発明によれば、諸物性(耐熱性、耐熱水性等)
に優れたポリウレタン組成物、特に繊維化した場合に優
れた効果が得られるポリウレタン組成物を提供すること
ができる。
るポリウレタン組成物は、所期のハ−ドセグメント及び
ソフトセグメント(量・比率等)とは異なったものとな
り、さらに、鎖伸長剤(ジオ−ル、ジアミン)とは異な
った分子、即ち平衡反応により生じた低分子ジオ−ル成
分がハ−ドセグメントとして組み込まれるため、ハ−ド
セグメントの凝集性が低下して耐熱性等の諸物性の低下
を招く原因となる。本発明者等は、鋭意研究の結果、諸
性能の低下の原因を究明し、高分子ジオ−ル成分中の低
分子ジオ−ル成分の含有率を制御することにより、諸性
能に優れたポリウレタン組成物が得られることを見いだ
した。本発明によれば、諸物性(耐熱性、耐熱水性等)
に優れたポリウレタン組成物、特に繊維化した場合に優
れた効果が得られるポリウレタン組成物を提供すること
ができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子ジオ−
ル、有機ジイソシアネ−トより得られるポリウレタン組
成物において、分子量160以下の低分子ジオ−ル成分
の含有量が1.5モル%以下の高分子ジオ−ルを用いた
ことを特徴とするポリウレタン組成物の製造方法に関す
る。分子量160以下の低分子ジオ−ルの含有量は1.
5モル%以下、好ましくは1.0モル%以下とする必要
がある。ハ−ドセグメントとしての挙動を示す低分子ジ
オ−ルの分子量を厳密に求めることは困難であるが、分
子量160以下の低分子ジオ−ルは確実にハ−ドセグメ
ントの凝集を乱す原因となっていると考えられる。従っ
て、分子量160以下の低分子ジオ−ルが多量に含まれ
ている高分子ジオ−ルを用いた場合には、ハ−ドセグメ
ントとソフトセグメントの凝集(相分離)が阻害され、
得られるポリウレタンの性能は劣化する。なお、高分子
ジオ−ル成分中の低分子ジオ−ル成分の定量は、高速液
体クロマトグラフィ−のピ−ク面積比から算出すること
ができる。
ル、有機ジイソシアネ−トより得られるポリウレタン組
成物において、分子量160以下の低分子ジオ−ル成分
の含有量が1.5モル%以下の高分子ジオ−ルを用いた
ことを特徴とするポリウレタン組成物の製造方法に関す
る。分子量160以下の低分子ジオ−ルの含有量は1.
5モル%以下、好ましくは1.0モル%以下とする必要
がある。ハ−ドセグメントとしての挙動を示す低分子ジ
オ−ルの分子量を厳密に求めることは困難であるが、分
子量160以下の低分子ジオ−ルは確実にハ−ドセグメ
ントの凝集を乱す原因となっていると考えられる。従っ
て、分子量160以下の低分子ジオ−ルが多量に含まれ
ている高分子ジオ−ルを用いた場合には、ハ−ドセグメ
ントとソフトセグメントの凝集(相分離)が阻害され、
得られるポリウレタンの性能は劣化する。なお、高分子
ジオ−ル成分中の低分子ジオ−ル成分の定量は、高速液
体クロマトグラフィ−のピ−ク面積比から算出すること
ができる。
【0006】高分子ジオ−ルから低分子ジオ−ルを除去
する方法としては、通常の真空蒸留、薄膜蒸留等のいず
れの方法で行ってもよいが、薄膜蒸留(分子蒸留)がよ
り望ましい。蒸留は、110〜200℃、特に120〜
180℃で行なうのが好ましく、真空蒸留の場合は数時
間、薄膜蒸留の場合は数分行なうのが好ましい。低分子
ジオ−ルの含有量(モル%)は、蒸留の温度及び時間等
により設定することができ、薄膜蒸留の場合には、低分
子ジオ−ルの除去を短時間に行なうことができる。
する方法としては、通常の真空蒸留、薄膜蒸留等のいず
れの方法で行ってもよいが、薄膜蒸留(分子蒸留)がよ
り望ましい。蒸留は、110〜200℃、特に120〜
180℃で行なうのが好ましく、真空蒸留の場合は数時
間、薄膜蒸留の場合は数分行なうのが好ましい。低分子
ジオ−ルの含有量(モル%)は、蒸留の温度及び時間等
により設定することができ、薄膜蒸留の場合には、低分
子ジオ−ルの除去を短時間に行なうことができる。
【0007】本発明にいう高分子ジオ−ルとは、ポリエ
ステルジオ−ル、ポリカ−ボネ−トジオ−ル、ポリエ−
テルジオ−ル等を示し、何等限定されるものではない
が、特にポリエステル系高分子ジオ−ルを用いた場合に
顕著な効果が呈される。ポリエステル系ポリウレタン
は、ポリウレタン弾性繊維として広く使用されている
が、力学的性能に優れている反面、耐水性、耐摩耗性な
どの耐久性に劣る問題がある。これは、ポリエステル系
高分子ジオ−ルが、重合時の平衡反応において生成する
低分子ジオ−ルが多く、その低分子ジオ−ルに起因する
性能劣化が著しいためと考えられる。従って、ポリエス
テル系高分子ジオ−ルを用いた場合は、一層顕著な効果
を得ることができる。
ステルジオ−ル、ポリカ−ボネ−トジオ−ル、ポリエ−
テルジオ−ル等を示し、何等限定されるものではない
が、特にポリエステル系高分子ジオ−ルを用いた場合に
顕著な効果が呈される。ポリエステル系ポリウレタン
は、ポリウレタン弾性繊維として広く使用されている
が、力学的性能に優れている反面、耐水性、耐摩耗性な
どの耐久性に劣る問題がある。これは、ポリエステル系
高分子ジオ−ルが、重合時の平衡反応において生成する
低分子ジオ−ルが多く、その低分子ジオ−ルに起因する
性能劣化が著しいためと考えられる。従って、ポリエス
テル系高分子ジオ−ルを用いた場合は、一層顕著な効果
を得ることができる。
【0008】ポリエステル系高分子ジオ−ルを製造する
ためのジカルボン酸は、炭素数5〜12の脂肪族または
芳香族ジカルボン酸が好ましく、具体的には、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバチン酸,フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等が挙げられる。また、ジオ−ル成分は、特に限定さ
れるものではないが、具体的には、1、4−ブタンジオ
−ル、1、6−ヘキサンジオ−ル等が挙げられ、3−メ
チル−1、5−ペンタンジオ−ルが好ましい。特に、ア
ゼライン酸と3−メチル−1、5−ペンタンジオ−ルか
らなるポリエステル系高分子ジオ−ルが好適に使用でき
る。高分子ジオ−ルの分子量としては、1000〜30
00、特に1500〜2500が好ましい。有機ジイソ
シアネ−トとしては、イソシアネ−ト基を分子中に2個
以上含有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族ジイソシア
ネ−トを用いることができる。特に、4、4´−ジフェ
ニルメタンジイソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシ
アネ−ト、トルイレンジイソシネ−ト等が好ましい。
ためのジカルボン酸は、炭素数5〜12の脂肪族または
芳香族ジカルボン酸が好ましく、具体的には、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバチン酸,フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等が挙げられる。また、ジオ−ル成分は、特に限定さ
れるものではないが、具体的には、1、4−ブタンジオ
−ル、1、6−ヘキサンジオ−ル等が挙げられ、3−メ
チル−1、5−ペンタンジオ−ルが好ましい。特に、ア
ゼライン酸と3−メチル−1、5−ペンタンジオ−ルか
らなるポリエステル系高分子ジオ−ルが好適に使用でき
る。高分子ジオ−ルの分子量としては、1000〜30
00、特に1500〜2500が好ましい。有機ジイソ
シアネ−トとしては、イソシアネ−ト基を分子中に2個
以上含有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族ジイソシア
ネ−トを用いることができる。特に、4、4´−ジフェ
ニルメタンジイソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシ
アネ−ト、トルイレンジイソシネ−ト等が好ましい。
【0009】高分子ジオ−ルは、例えば、ポリエチレン
テレフタレ−トまたはポリブチレンテレフタレ−トの製
造で用いられる公知の方法と同様の方法、すなわちエス
テル交換または直接エステル化とそれに続く溶融重合縮
合反応にて製造可能である。反応促進のためにエステル
化触媒、特にチタン触媒を用いて合成するのが好まし
い。例えば、チタン酸、テトラアルコキシチタン化合
物、チタンアシレ−ト化合物、チタンキレ−ト化合物
等、具体的には、テトライソプロピルチタネ−ト、ポリ
ヒドロキシチタンステアレ−ト、チタンアセチルアセト
ネ−ト等が好適な例として挙げられる。
テレフタレ−トまたはポリブチレンテレフタレ−トの製
造で用いられる公知の方法と同様の方法、すなわちエス
テル交換または直接エステル化とそれに続く溶融重合縮
合反応にて製造可能である。反応促進のためにエステル
化触媒、特にチタン触媒を用いて合成するのが好まし
い。例えば、チタン酸、テトラアルコキシチタン化合
物、チタンアシレ−ト化合物、チタンキレ−ト化合物
等、具体的には、テトライソプロピルチタネ−ト、ポリ
ヒドロキシチタンステアレ−ト、チタンアセチルアセト
ネ−ト等が好適な例として挙げられる。
【0010】しかしながら、エステル化触媒を含む高分
子ジオ−ルをそのまま用いた場合には、ウレタン化反応
速度定数が大きいため、エステル−ウレタン交換反応も
同時に促進される。従って、ハ−ドセグメントとソフト
セグメントの比率が設計とは異なり、またブロック凝集
性も低下するために、所望の性能が得られない場合が生
じる。逆に、ウレタン化反応速度定数が低すぎる場合に
は、ウレタン化反応自体が十分に進行しにくい場合や、
紡糸性が低下する場合が生じる。以上の点から、高分子
ジオ−ルの90℃におけるウレタン化反応速度定数k
(以下単にkと称す)は、0.05〜0.20が好まし
く、0.15以下がより好ましい。kは下記式より求め
ることができる。
子ジオ−ルをそのまま用いた場合には、ウレタン化反応
速度定数が大きいため、エステル−ウレタン交換反応も
同時に促進される。従って、ハ−ドセグメントとソフト
セグメントの比率が設計とは異なり、またブロック凝集
性も低下するために、所望の性能が得られない場合が生
じる。逆に、ウレタン化反応速度定数が低すぎる場合に
は、ウレタン化反応自体が十分に進行しにくい場合や、
紡糸性が低下する場合が生じる。以上の点から、高分子
ジオ−ルの90℃におけるウレタン化反応速度定数k
(以下単にkと称す)は、0.05〜0.20が好まし
く、0.15以下がより好ましい。kは下記式より求め
ることができる。
【0011】
【数1】
【0012】kは、高分子ジオ−ル合成後にエステル化
活性触媒を除去、又は触媒活性を低下させることにより
調整することができる。例えば、高分子ジオ−ルに1〜
100ppmのリン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそ
れらのエステル化合物を1〜100ppmを加え、10
0〜200℃で撹拌することにより触媒活性及びkを低
下させることができる。工程性等の点から、水によりエ
ステル化触媒を失活させるのがさらに好ましい。水の添
加量は、処理に付する高分子ジオ−ルの種類、使用した
エステル触媒の種類、量によって適宜選択することがで
きる。高分子ジオ−ル重量に基づいて1〜5重量%、特
に1.5〜3重量%とするのが好ましく、水を接触させ
る際の加熱温度としては、70〜150℃、特に90〜
130℃が好ましい。触媒を失活させた後は、減圧下で
の加熱乾燥等の任意の方法により、高分子ジオ−ルから
水を除去することができる。高分子ジオ−ル中に残存す
る失活エステル化触媒は、高分子ジオ−ルを加熱すると
再賦活する場合がある。従って、水添加量及び温度等を
適宜設定することにより、kを調整することが好まし
い。
活性触媒を除去、又は触媒活性を低下させることにより
調整することができる。例えば、高分子ジオ−ルに1〜
100ppmのリン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそ
れらのエステル化合物を1〜100ppmを加え、10
0〜200℃で撹拌することにより触媒活性及びkを低
下させることができる。工程性等の点から、水によりエ
ステル化触媒を失活させるのがさらに好ましい。水の添
加量は、処理に付する高分子ジオ−ルの種類、使用した
エステル触媒の種類、量によって適宜選択することがで
きる。高分子ジオ−ル重量に基づいて1〜5重量%、特
に1.5〜3重量%とするのが好ましく、水を接触させ
る際の加熱温度としては、70〜150℃、特に90〜
130℃が好ましい。触媒を失活させた後は、減圧下で
の加熱乾燥等の任意の方法により、高分子ジオ−ルから
水を除去することができる。高分子ジオ−ル中に残存す
る失活エステル化触媒は、高分子ジオ−ルを加熱すると
再賦活する場合がある。従って、水添加量及び温度等を
適宜設定することにより、kを調整することが好まし
い。
【0013】また、本発明においては、必要に応じて適
当な鎖伸長剤を用いることができる。鎖伸長剤として
は、イソシアネ−トと反応し得る水素原子を少なくとも
2個含有する化合物を用いる。具体的には、分子量40
0以下の低分子化合物、例えばエチレングリコ−ル、1
−4´−ブタンジオ−ル、キシリレングリコ−ル、グリ
セリン等が挙げられる。耐熱性、弾性回復率等の点か
ら、有機ジイソシアネ−トの使用量が使用する高分子ジ
オ−ルと鎖伸長剤との合計に対して0.9〜1.2倍の
モル数となる量が好ましい。より好ましくは、0.95
〜1.15倍のモル比である。なお、使用する鎖伸長剤
と有機ジイソシアネ−トのモル比は、1:0.2〜4特
に1:0.5〜2.5とするのが好ましい。
当な鎖伸長剤を用いることができる。鎖伸長剤として
は、イソシアネ−トと反応し得る水素原子を少なくとも
2個含有する化合物を用いる。具体的には、分子量40
0以下の低分子化合物、例えばエチレングリコ−ル、1
−4´−ブタンジオ−ル、キシリレングリコ−ル、グリ
セリン等が挙げられる。耐熱性、弾性回復率等の点か
ら、有機ジイソシアネ−トの使用量が使用する高分子ジ
オ−ルと鎖伸長剤との合計に対して0.9〜1.2倍の
モル数となる量が好ましい。より好ましくは、0.95
〜1.15倍のモル比である。なお、使用する鎖伸長剤
と有機ジイソシアネ−トのモル比は、1:0.2〜4特
に1:0.5〜2.5とするのが好ましい。
【0014】ポリウレタンを得るための操作方法は、公
知のポリウレタン化反応の技術が用いられる。例えば高
分子ジオ−ル又はこれと活性水素を有する低分子化合物
との混合物を約40〜100℃に予熱した後に、これら
化合物の活性水素原子数とイソシアネ−ト基の比が1:
1となる割合の量の有機ジイソシアネ−トを加え、短時
間強力に攪拌した後、約50〜150℃で放置すること
によりポリウレタンが得られる。なかでも実質的に無溶
媒下で溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュ
−型押出機を用いる連続重合が好ましい。またウレタン
プレポリマ−を経由してポリウレタンを得ることもでき
る。溶融重合温度は、200〜260℃が好ましく、ポ
リウレタンの分子量は1000〜3000,特に150
0〜2500が好ましい。
知のポリウレタン化反応の技術が用いられる。例えば高
分子ジオ−ル又はこれと活性水素を有する低分子化合物
との混合物を約40〜100℃に予熱した後に、これら
化合物の活性水素原子数とイソシアネ−ト基の比が1:
1となる割合の量の有機ジイソシアネ−トを加え、短時
間強力に攪拌した後、約50〜150℃で放置すること
によりポリウレタンが得られる。なかでも実質的に無溶
媒下で溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュ
−型押出機を用いる連続重合が好ましい。またウレタン
プレポリマ−を経由してポリウレタンを得ることもでき
る。溶融重合温度は、200〜260℃が好ましく、ポ
リウレタンの分子量は1000〜3000,特に150
0〜2500が好ましい。
【0015】本発明のポリウレタンは、公知の湿式、乾
式、溶融紡糸などの公知の紡糸方法により弾性繊維とす
ることができる。一度ペレット化した後溶融紡糸する
か、あるいは溶融重合したポリウレタンを溶融状態のま
まで直接紡糸口金を通して紡糸(重合直結紡糸)するの
が好ましい。溶融紡糸する場合には、紡糸温度は200
〜250℃、特に200〜230℃が好ましく、チ−ズ
などに巻取後、60〜150℃の温度で1〜48時間の
熱処理により固相重合を行なうのが好ましい。好適に
は、均質姓等の点から該繊維中の水分が500ppm以
下の条件で加熱熟成を行なう。
式、溶融紡糸などの公知の紡糸方法により弾性繊維とす
ることができる。一度ペレット化した後溶融紡糸する
か、あるいは溶融重合したポリウレタンを溶融状態のま
まで直接紡糸口金を通して紡糸(重合直結紡糸)するの
が好ましい。溶融紡糸する場合には、紡糸温度は200
〜250℃、特に200〜230℃が好ましく、チ−ズ
などに巻取後、60〜150℃の温度で1〜48時間の
熱処理により固相重合を行なうのが好ましい。好適に
は、均質姓等の点から該繊維中の水分が500ppm以
下の条件で加熱熟成を行なう。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。 [HD100:耐熱性] 100%伸長下での乾熱溶融切断温度を測定した。 [染め上げセット率:耐熱水性] 糸長L0 の糸条を200%伸長し(3L0 )、プレセッ
トを140℃で2分間行い、更に130℃で30分間熱
水処理を行う。風乾後に糸長Lを測定し、次式により染
め上げセット率を求める。 染め上げセット率(%)=(L−L0 )/(2L0 )×
100 [平均分子量]所定量のポリエステル系高分子ジオ−ル
を過剰の無水フタル酸によりエステル化し、次いで水酸
化カリウム溶液で中和滴定することによりフタル酸の残
存量を求め、高分子ジオ−ルの水酸基価(mgKOH/
g)から平均分子量を換算して求めた。 [低分子ジオ−ルの含有率]高速液体クロマトグラフィ
−のピ−ク面積比から算出した。
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。 [HD100:耐熱性] 100%伸長下での乾熱溶融切断温度を測定した。 [染め上げセット率:耐熱水性] 糸長L0 の糸条を200%伸長し(3L0 )、プレセッ
トを140℃で2分間行い、更に130℃で30分間熱
水処理を行う。風乾後に糸長Lを測定し、次式により染
め上げセット率を求める。 染め上げセット率(%)=(L−L0 )/(2L0 )×
100 [平均分子量]所定量のポリエステル系高分子ジオ−ル
を過剰の無水フタル酸によりエステル化し、次いで水酸
化カリウム溶液で中和滴定することによりフタル酸の残
存量を求め、高分子ジオ−ルの水酸基価(mgKOH/
g)から平均分子量を換算して求めた。 [低分子ジオ−ルの含有率]高速液体クロマトグラフィ
−のピ−ク面積比から算出した。
【0017】実施例1〜6、比較例1〜2 [高分子ジオ−ルの製造]3−メチル−1、5−ペンタ
ンジオ−ル(MPD)1500gとアゼライン酸(A
Z)1880gを常圧下に窒素ガスを通じつつ、約19
5℃の温度で縮合により生成した水を留去しながらエス
テル化を行なった。ポリエステルの酸価が約30以下に
なったときに触媒であるテトライソプロピルチタネ−ト
をポリエステルに対し45mg添加し、真空ポンプによ
り徐々に真空度を上げて反応を行ない数平均分子量19
00のポリメチルペンタンアゼレ−ト(PMAZ)を得
た。 [エステル触媒の失活]PMAZを100℃に加熱し、
特定量(0〜3%/ポリエステル)の水を添加後、2時
間撹拌してチタン触媒失活させ、減圧下で水を留去した
(k調整)。 [低分子ジオ−ル含有量の調整]PMAZを120℃〜
140℃で数時間真空蒸留を行い、分子量160以下の
低分子ジオ−ル成分(MPD)の含有量を調製した。な
お、実施例4のみは、薄膜乾燥機で160℃で数分処理
を行なった。 [低分子ジオ−ル成分の定量法]HPLCチャ−トのピ
−ク面積のト−タルに対する、該当成分ピ−クの面積割
合をその含有率とした。測定条件は下記の通りである。 HPLC NPC(順相クロマトグラフィ
−) 溶離液 イソプロパノ−ル:n−ヘキサ
ン=25:75 カラム TSKgel Silica−
60 試料溶解液 酢酸エチル:溶離液=1:1 流速 1ml/min カラムオ−ブン温度 35℃ 検出器 RI チャ−トスピ−ド 5mm/min
ンジオ−ル(MPD)1500gとアゼライン酸(A
Z)1880gを常圧下に窒素ガスを通じつつ、約19
5℃の温度で縮合により生成した水を留去しながらエス
テル化を行なった。ポリエステルの酸価が約30以下に
なったときに触媒であるテトライソプロピルチタネ−ト
をポリエステルに対し45mg添加し、真空ポンプによ
り徐々に真空度を上げて反応を行ない数平均分子量19
00のポリメチルペンタンアゼレ−ト(PMAZ)を得
た。 [エステル触媒の失活]PMAZを100℃に加熱し、
特定量(0〜3%/ポリエステル)の水を添加後、2時
間撹拌してチタン触媒失活させ、減圧下で水を留去した
(k調整)。 [低分子ジオ−ル含有量の調整]PMAZを120℃〜
140℃で数時間真空蒸留を行い、分子量160以下の
低分子ジオ−ル成分(MPD)の含有量を調製した。な
お、実施例4のみは、薄膜乾燥機で160℃で数分処理
を行なった。 [低分子ジオ−ル成分の定量法]HPLCチャ−トのピ
−ク面積のト−タルに対する、該当成分ピ−クの面積割
合をその含有率とした。測定条件は下記の通りである。 HPLC NPC(順相クロマトグラフィ
−) 溶離液 イソプロパノ−ル:n−ヘキサ
ン=25:75 カラム TSKgel Silica−
60 試料溶解液 酢酸エチル:溶離液=1:1 流速 1ml/min カラムオ−ブン温度 35℃ 検出器 RI チャ−トスピ−ド 5mm/min
【0018】[紡糸]80℃に加熱したPMAZと50
℃に加熱した4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネ
−ト(MDI)及び80℃に加熱した1、4−ブタンジ
オ−ル(BD)を定量ポンプにとり、2軸押出機に連続
的に供給し、240〜250℃で連続溶融重合を行なっ
た。PMAZ:MDI:BDのモル比は、1.0:3.
05:2.0であった。生成したポリウレタンをストラ
ンド状に水中に押し出しカットしてペレット(N率=
3.2%,−NCO/−OH=1.04)とした。この
ペレットを、2軸押し出し機を用いて紡糸温度220
℃、紡糸得度500m/minで溶融紡糸し、40dの
モノフィラメントを得た。この糸条を露点−50℃の空
気中で24時間熟成し、さらに25℃、50%RHの空
気中で2週間追加熟成を行った。得られた糸条の性能
を、表1に示す。
℃に加熱した4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネ
−ト(MDI)及び80℃に加熱した1、4−ブタンジ
オ−ル(BD)を定量ポンプにとり、2軸押出機に連続
的に供給し、240〜250℃で連続溶融重合を行なっ
た。PMAZ:MDI:BDのモル比は、1.0:3.
05:2.0であった。生成したポリウレタンをストラ
ンド状に水中に押し出しカットしてペレット(N率=
3.2%,−NCO/−OH=1.04)とした。この
ペレットを、2軸押し出し機を用いて紡糸温度220
℃、紡糸得度500m/minで溶融紡糸し、40dの
モノフィラメントを得た。この糸条を露点−50℃の空
気中で24時間熟成し、さらに25℃、50%RHの空
気中で2週間追加熟成を行った。得られた糸条の性能
を、表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】低分子ジオ−ルを多く含む高分子ジオ−ル
を用いた場合(比較例1、比較例2)は、耐熱性、耐熱
水性の低いポリウレタン弾性繊維しか得られなかった。
一方、本発明のポリウレタンを用いたものは、優れたポ
リウレタン弾性繊維が得られており、なかでも、分子量
160以下の低分子ジオ−ルを実質的に含まない高分子
ジオ−ルを用いた場合には(実施例4)、耐熱性等が一
層向上していることがわかる。本発明のポリウレタンか
らなる繊維はいずれも優れたものであるが、k値が0.
90〜0.50の高分子ジオ−ルを用いた場合(実施例
1〜実施例4)には、耐熱水性がさらに高まっている。
を用いた場合(比較例1、比較例2)は、耐熱性、耐熱
水性の低いポリウレタン弾性繊維しか得られなかった。
一方、本発明のポリウレタンを用いたものは、優れたポ
リウレタン弾性繊維が得られており、なかでも、分子量
160以下の低分子ジオ−ルを実質的に含まない高分子
ジオ−ルを用いた場合には(実施例4)、耐熱性等が一
層向上していることがわかる。本発明のポリウレタンか
らなる繊維はいずれも優れたものであるが、k値が0.
90〜0.50の高分子ジオ−ルを用いた場合(実施例
1〜実施例4)には、耐熱水性がさらに高まっている。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性、耐熱性、耐熱
水性等の諸性能に優れたポリウレタン組成物、特に繊維
化した際に優れた効果を呈するポリウレタン組成物を得
ることができる。
水性等の諸性能に優れたポリウレタン組成物、特に繊維
化した際に優れた効果を呈するポリウレタン組成物を得
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 高分子ジオ−ル、有機ジイソシアネ−ト
より得られるポリウレタン組成物において、分子量16
0以下の低分子ジオ−ル成分の含有量が1.5モル%以
下である高分子ジオ−ルを用いることを特徴とするポリ
ウレタン組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220336A JPH0881537A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | ポリウレタン組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220336A JPH0881537A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | ポリウレタン組成物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881537A true JPH0881537A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16749557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6220336A Pending JPH0881537A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | ポリウレタン組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0881537A (ja) |
-
1994
- 1994-09-14 JP JP6220336A patent/JPH0881537A/ja active Pending
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