JP3067047B2 - ポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維

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JP3067047B2 JP3285720A JP28572091A JP3067047B2 JP 3067047 B2 JP3067047 B2 JP 3067047B2 JP 3285720 A JP3285720 A JP 3285720A JP 28572091 A JP28572091 A JP 28572091A JP 3067047 B2 JP3067047 B2 JP 3067047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐加水分解性、耐熱性
および低温雰囲気下における弾性回復性に優れたポリウ
レタン弾性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタンは、高分子ポリ
オールとポリイソシアナートを原料とし、また所望によ
っては更に活性化水素を2個以上有する低分子化合物を
原料としている。高分子ポリオールとしては、例えばコ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸等の脂肪族ジカルボン酸等のジカルボン酸成分
と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール等のグリコール成分とを重縮合させ
て得られるポリエステルポリオール、またはポリカプロ
ラクトンポリオールなどが使用されている。〔岩田敬治
著「ポリウレタン樹脂」〕
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子ポリオールとし
て上記ポリエステルポリオールを用いて製造されるポリ
ウレタンを用いた弾性繊維は、耐加水分解性、耐熱性お
よび低温雰囲気下における弾性回復性を同時に満足する
ことはできない。この種のポリウレタン弾性繊維の耐加
水分解性を向上させるためには該ポリウレタン中に高分
子ポリオール残基として存在するポリエステルポリオー
ル残基のエステル基濃度を小さくすることが効果的であ
る。そのためには、炭素数の大なるグリコールおよびジ
カルボン酸から得られるポリエステルポリオールの使用
が好ましい結果を与える。
【0004】しかしながら、かかるポリエステルポリオ
ールを用いて得られるポリウレタン弾性繊維は耐加水分
解性に優れているものの、結晶化傾向が大きく、該ポリ
ウレタンを例えば−20℃のような低温雰囲気下での弾
性回復性が著しく低下する。一方、低温雰囲気下におけ
る弾性回復性を向上する方法として、直鎖グリコールと
ネオペンチルグリコールの混合グリコールおよびジカル
ボン酸から得られるポリエステルポリオールを用いる方
法があるが、耐加水分解性、耐熱性が低下する欠点があ
る。
【0005】本発明の目的は、優れた耐加水分解性、耐
熱性および低温(例えば−20℃)雰囲気下において優
れた弾性回復性を有するポリウレタン弾性繊維を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明は、ポリエステ
ルポリオール、低分子鎖伸長剤およびポリイソシアナー
トより得られるポリウレタンからなる弾性繊維であっ
て、該ポリエステルポリオールとして1,6−ヘキサン
ジオール、1,4−ブタンジオールおよび化2で示され
る低分子ポリオールの混合物とジカルボン酸とを反応さ
せて得られる分子量1000〜3500のポリエステル
ポリオールを用い、該混合物における各ジオールの割合
が1,6−ヘキサンジオールのモル数をp、1,4−ブ
タンジオールのモル数をqおよび化2で示される低分子
ポリオールのモル数をrとしたときに下記(1)および
(2)式の条件を満足することを特徴とするポリウレタ
ン弾性繊維である。
【0007】
【化2】 (式中R1はメチル基、エチル基等の低級アルキル基を
示し、nは1〜5の整数を表わす。)5≦100r/(p+q+r)≦50 (1) (ただし、100r/(p+q+r)=50の場合を除
く) 20≦100q/(p+q+r)≦60 (2)
【0008】化2で示される低分子ポリオールとして好
ましくは、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール等の直鎖炭素数3
〜5のジオールが挙げられる。更に、直鎖炭素数が7〜
11の場合は、ソフトセグメントの結晶性を低下させる
ために側鎖アルキル基としてエチル基、プロピル基等を
有するものを用いるのが好ましい。なかでも3−メチル
−1,5−ペンタンジオールを用いた場合に耐加水分解
性、耐熱性および低温雰囲気下における物性が非常に優
れたポリウレタンを得ることができる。
【0009】(1)式において、rの割合がこの範囲よ
り高い場合は耐加水分解性、耐熱性が低下する。(2)
式において、qの割合がこの範囲より低い場合は耐熱性
が低下し、逆に高い場合は耐加水分解性が低下する。
【0010】本発明において使用されるポリエステルポ
リオールを製造するためのジカルボン酸としては、炭素
数が5〜12の脂肪族または芳香族ジカルボン酸が好ま
しい。中でも脂肪族ジカルボン酸が好ましい。脂肪族ジ
カルボン酸の例としてはグルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸等が挙
げられ、また芳香族ジカルボン酸の例としてはフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。耐加
水分解性、低温雰囲気下における弾性回復性が特に優れ
るポリウレタンを得るためにはアジピン酸、アゼライン
酸またはセバチン酸の使用、とりわけアジピン酸、アゼ
ライン酸の使用が好ましい。これらのジカルボン酸は単
独で使用しても2種以上を併用してもよい。本発明にお
いて使用されるポリエステルポリオールの分子量は10
00〜3500が好ましい。これより分子量が大きいと
ソフトセグメントの結晶性の増加のために低温雰囲気下
における特性が低下する。
【0011】本発明において使用されるポリイソシアナ
ートとしては、イソシアナート基を分子中に2個以上含
有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族有機ポリイソシア
ナート、特に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート、p−フェニレンジイソシアナート、トルイレンジ
イソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナー
ト、キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4’
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート等のジイソ
シアナート、トリメチロールプロパンまたはグリセリン
1モルに3モルのトリレンジイソシアナートが付加した
トリイソシアナート等が挙げられる。
【0012】また本発明において、所望により適当な鎖
伸長剤を使用してもよく、該鎖伸長剤としては、イソシ
アナートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有す
る分子量400以下の低分子化合物、例えばエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、キシリレングリコ
ール、カテコール、ネオペンチルグリコール、3,3’
−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ジ
ヒドラジド、トリメチロールプロパン、グリセリン等が
挙げられる。
【0013】ポリウレタンを得るための操作方法に関し
ては、公知のポリウレタン化反応の技術が用いられる。
例えば、高分子ポリオールまたはこれと活性水素を有す
る低分子化合物との混合物を約40〜100℃に予熱し
た後に、これら化合物の活性水素原子数とイソシアナー
ト基の比が約1:1となる割合の量のポリイソシアナー
トを加え、短時間強力にかき混ぜた後、約50〜150
℃で放置することによりポリウレタンが得られる。また
ウレタンプレポリマーを経由してポリウレタンを得る方
法を用いることもできる。普通水分などの影響を受ける
ため、ポリイソシアナートはごくわずか過剰に用いられ
る。これらの反応をジメチルホルムアミド、ジエチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトア
ミド、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ベンゼ
ン、トルエン、エチルセロソルブ、トリクレン等の1種
または2種以上からなる溶媒中で行うこともできる。こ
の場合、ポリウレタンの溶媒濃度は10〜40重量%の
範囲内で行うと、高分子量のものを得るのに好都合であ
る。
【0014】得られるポリウレタンの平均分子量は一般
に5,000〜500,000、好ましくは10,00
0〜300,000の範囲にあるのが好ましい。
【0015】上記方法で得られたポリウレタンから弾性
繊維を得るための紡糸方法に関しては、公知の湿式、乾
式、溶融紡糸などの紡糸方法により弾性繊維とすること
ができる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
用いた化合物は略号で示した。略号と化合物の関係を表
1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】なお、得られたポリウレタンの評価は以下
の方法によった。 <ポリウレタンの耐加水分解性>ポリウレタン弾性繊維
を100℃の熱水中で1週間加水分解促進テストを行
い、該テストの前後の該ポリウレタン溶液のジメチルホ
ルムアミド/トルエン(重量比7/3)混合溶媒溶液の
粘度を測定し、テスト前の対数粘度に対するテスト後の
対数粘度の保持率で評価した。
【0019】<低温雰囲気下における柔軟性>0.2
の厚さのポリウレタンフィルムより試験片を作り、東洋
測器 製直読式動的粘弾性測定器バイブロンModel
DDV−II(11.0Hz)によるTαを測定するこ
とにより、さらに低温(−20℃)雰囲気下におけるポ
リウレタン弾性繊維の弾性回復率(200%伸長)によ
り評価した。
【0020】<ポリウレタンの耐熱性>ポリウレタン弾
性繊維を100%伸長した状態で加熱(昇温速度:3℃
/min)していき、糸の切断したときの温度により評価
した。
【0021】実施例1〜、比較例1〜4 表2に示す組成の高分子ジオールとBDとから成る80
℃に加熱された混合物と50℃に加熱溶融したMDIと
を定量ポンプにより二軸押し出し機に連続的に供給し
(高分子ジオール/BD/MDIのモル比=1/2/
3)、連続溶融重合を行い、生成したポリウレタンをス
トランド状に水中に押し出し、カットしてペレットとし
た。このペレットを80℃で20時間真空乾燥した。
【0022】
【表2】
【0023】これらのペレットを80℃で20時間真空
乾燥し、単軸押し出し機の紡糸機で紡糸温度230℃、
紡糸速度500m/分で紡糸(ストレート油剤使用)
し、40dr×2fのポリウレタン弾性繊維を得た。こ
の繊維を80℃で48時間熟成した。このポリウレタン
弾性繊維を用いて諸物性を測定した。結果を表3に示し
た。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように本発明に
より、優れた耐加水分解性、耐熱性及び低温雰囲気下に
おける優れた弾性回復性を示すポリエステルポリウレタ
ン弾性繊維を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルポリオール、低分子鎖伸長
    剤およびポリイソシアナートより得られるポリウレタン
    からなる弾性繊維であって、該ポリエステルポリオール
    として1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオ
    ールおよび化1で示される低分子ポリオールの混合物と
    ジカルボン酸とを反応させて得られる分子量1000〜
    3500のポリエステルポリオールを用い、該混合物に
    おける各ジオールの割合が1,6−ヘキサンジオールの
    モル数をp、1,4−ブタンジオールのモル数をqおよ
    び化1で示される低分子ポリオールのモル数をrとした
    ときに下記(1)および(2)式の条件を満足すること
    を特徴とするポリウレタン弾性繊維。 【化1】 (式中R1はメチル基、エチル基等の低級アルキル基を
    示し、nは1〜5の整数を表わす。)5≦100r/(p+q+r)≦50 (1) (ただし、100r/(p+q+r)=50の場合を除
    く) 20≦100q/(p+q+r)≦60 (2)
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