JPH0881485A - 新規ルテニウム−錯体、その製造法およびその錯体を 含有する不斉水素化触媒 - Google Patents
新規ルテニウム−錯体、その製造法およびその錯体を 含有する不斉水素化触媒Info
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- JPH0881485A JPH0881485A JP24703394A JP24703394A JPH0881485A JP H0881485 A JPH0881485 A JP H0881485A JP 24703394 A JP24703394 A JP 24703394A JP 24703394 A JP24703394 A JP 24703394A JP H0881485 A JPH0881485 A JP H0881485A
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- solvent
- ruthenium complex
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式(I)
【化1】
(式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表される新規ルテニウム−錯体。 【効果】 本発明により、不飽和脂肪ケトンの不斉水素
化物であって高い光学純度を有するものを、簡単にしか
も効率よく調製することができた。
は溶媒を示す。)にて表される新規ルテニウム−錯体。 【効果】 本発明により、不飽和脂肪ケトンの不斉水素
化物であって高い光学純度を有するものを、簡単にしか
も効率よく調製することができた。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式(I)にて表され
るルテニウム−錯体、その製造法、およびその錯体を含
有する不斉水素化触媒に関するものである。
るルテニウム−錯体、その製造法、およびその錯体を含
有する不斉水素化触媒に関するものである。
【0002】
【従来技術】医薬品、食品香料などの種々の有用な化合
物の中間体として、各種の光学活性アルコールが知られ
ている。これら光学活性アルコールを製造する方法とし
て、天然物から調製する方法、微生物を利用する方法、
不斉水素化触媒を利用する方法が代表的な方法として挙
げることができる。その中でも、不斉水素化触媒を用い
る方法は、反応の制御の容易性、原料入手の容易性、価
格の有利さなどから最も注目されている。
物の中間体として、各種の光学活性アルコールが知られ
ている。これら光学活性アルコールを製造する方法とし
て、天然物から調製する方法、微生物を利用する方法、
不斉水素化触媒を利用する方法が代表的な方法として挙
げることができる。その中でも、不斉水素化触媒を用い
る方法は、反応の制御の容易性、原料入手の容易性、価
格の有利さなどから最も注目されている。
【0003】不斉水素化触媒として、ロジウム原子と光
学活性ホスフィンを配位子とする錯体を選択使用し、光
学純度の高い不斉水素化物を調製することが報告されて
から、遷移金属原子と光学活性ホスフィンとから構成さ
れる錯体を不斉水素化触媒とする研究報告が数多く報告
されている。例えば、特開昭63−310847 号公
報には、2、2’− ビス(ジフェニルホスフィノ)−
1、1’−ビナフチル)−ルテニウム錯体(以下、BI
NAP−Ru触媒という)を使用し、ケト酸類を不斉水
素化して、光学活性アルコールを製造する技術が開示さ
れている。この方法は、光学純度が高いアルコールを従
来の方法よりも温和な条件にて調製されることができる
ので、有用性が高いものであるが、水素圧が5−40気
圧下、数十時間反応させるものである。
学活性ホスフィンを配位子とする錯体を選択使用し、光
学純度の高い不斉水素化物を調製することが報告されて
から、遷移金属原子と光学活性ホスフィンとから構成さ
れる錯体を不斉水素化触媒とする研究報告が数多く報告
されている。例えば、特開昭63−310847 号公
報には、2、2’− ビス(ジフェニルホスフィノ)−
1、1’−ビナフチル)−ルテニウム錯体(以下、BI
NAP−Ru触媒という)を使用し、ケト酸類を不斉水
素化して、光学活性アルコールを製造する技術が開示さ
れている。この方法は、光学純度が高いアルコールを従
来の方法よりも温和な条件にて調製されることができる
ので、有用性が高いものであるが、水素圧が5−40気
圧下、数十時間反応させるものである。
【0004】また、Tetrahedron Let
t.,vol.34,2351−2354(1993)
には、ルテニウム原子に2、2’− ビス(ジシクロヘ
キシルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1、1’−
ビフェニル(以下、BICHEPということがある)と
p−シメンとを配位させた錯体を用いて、不斉水素化反
応により光学活性アルコールを調製する技術が報告され
ている。
t.,vol.34,2351−2354(1993)
には、ルテニウム原子に2、2’− ビス(ジシクロヘ
キシルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1、1’−
ビフェニル(以下、BICHEPということがある)と
p−シメンとを配位させた錯体を用いて、不斉水素化反
応により光学活性アルコールを調製する技術が報告され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、不斉水
素化反応の機作を明らかにすることにより、有用な不斉
水素化技術を開発すべく鋭意研究しているさなか、ルテ
ニウム原子にp−シメンとBICHEPとを配位させた
錯体とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとを
等モルにて反応させたところ、前記錯体とN−t−ブチ
ルフェニルグリオキシルアミドとが1対1の割合で配位
した構造を有する錯体が単離され、しかも該化合物が不
斉水素化反応の触媒として有用であることを見いだし
た。そこで、不斉水素化反応に関与する触媒作用を有す
る新規な化合物を提供することが本発明の目的である。
素化反応の機作を明らかにすることにより、有用な不斉
水素化技術を開発すべく鋭意研究しているさなか、ルテ
ニウム原子にp−シメンとBICHEPとを配位させた
錯体とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとを
等モルにて反応させたところ、前記錯体とN−t−ブチ
ルフェニルグリオキシルアミドとが1対1の割合で配位
した構造を有する錯体が単離され、しかも該化合物が不
斉水素化反応の触媒として有用であることを見いだし
た。そこで、不斉水素化反応に関与する触媒作用を有す
る新規な化合物を提供することが本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記ルテ
ニウム原子にp−シメンとBICHEPとを配位させた
錯体とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとの
錯体が不斉水素化反応触媒に有用であるとの知見に基づ
き研究を重ね、ついに本発明に到達した。すなわち、本
発明は次のとおりである。 1) 一般式(I)
ニウム原子にp−シメンとBICHEPとを配位させた
錯体とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとの
錯体が不斉水素化反応触媒に有用であるとの知見に基づ
き研究を重ね、ついに本発明に到達した。すなわち、本
発明は次のとおりである。 1) 一般式(I)
【0007】
【化4】 (式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体。 2) N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドと
(2、2’− ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−
6,6’−ジメチル−1、1’−ビフェニル)−ルテニ
ウム−錯体とを溶媒中反応させることを特徴とする一般
式(I)
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体。 2) N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドと
(2、2’− ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−
6,6’−ジメチル−1、1’−ビフェニル)−ルテニ
ウム−錯体とを溶媒中反応させることを特徴とする一般
式(I)
【0008】
【化5】 (式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体の製造
法。 3) 一般式(I)
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体の製造
法。 3) 一般式(I)
【0009】
【化6】 (式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体を含有
する不斉水素化触媒。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の錯体は、一般式にて
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体を含有
する不斉水素化触媒。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の錯体は、一般式にて
【0010】
【化7】 と表される化合物である。この式において、溶媒とは、
前記錯体を調製する際に使用される溶媒を意味する。好
ましい溶媒は、有機溶媒のハロゲン化物を意味するハロ
ゲン化溶媒、あるいは非プロトン性溶媒である。それら
の中では、具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムなどの脂肪族炭化水素の塩化物、クロ
ロベンゼンなどの芳香族炭化水素の塩化物、ジエチルエ
ーテル、1、4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシエタンなどを挙げることができるが、とくにク
ロロホルム、ジクロロメタンが好ましい。
前記錯体を調製する際に使用される溶媒を意味する。好
ましい溶媒は、有機溶媒のハロゲン化物を意味するハロ
ゲン化溶媒、あるいは非プロトン性溶媒である。それら
の中では、具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムなどの脂肪族炭化水素の塩化物、クロ
ロベンゼンなどの芳香族炭化水素の塩化物、ジエチルエ
ーテル、1、4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシエタンなどを挙げることができるが、とくにク
ロロホルム、ジクロロメタンが好ましい。
【0011】本発明の錯体は、BICHEP− ルテニ
ウム錯体(以下、BICHEP−Ru錯体ということが
ある)とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドと
を溶媒中にて反応させることにより調製される。
ウム錯体(以下、BICHEP−Ru錯体ということが
ある)とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドと
を溶媒中にて反応させることにより調製される。
【0012】前記N−t−ブチルフェニルグリオキシル
アミドは、市販されたものを用いることができるが、公
知の製造方法により調製されたものを用いてもよい。と
くに、メチルフェニルグリオキシレートとベンジルアミ
ンとを反応させる方法が好適である。前記BICHEP
−Ru錯体は、ルテニウム原子にBICHEP を必
須の配位子とし、必要に応じてそのほかの配位子とから
構成される錯体である。そのほかの配位子の例として、
ベンゼンp−シメン、塩素、ヨー素、臭素などのハロゲ
ンが挙げられる。
アミドは、市販されたものを用いることができるが、公
知の製造方法により調製されたものを用いてもよい。と
くに、メチルフェニルグリオキシレートとベンジルアミ
ンとを反応させる方法が好適である。前記BICHEP
−Ru錯体は、ルテニウム原子にBICHEP を必
須の配位子とし、必要に応じてそのほかの配位子とから
構成される錯体である。そのほかの配位子の例として、
ベンゼンp−シメン、塩素、ヨー素、臭素などのハロゲ
ンが挙げられる。
【0013】このBICHEP−Ru錯体は公知の方
法、例えばTetrahedronLett.,Vo
l.,34,2351−2354(1993) に記載
された方法により調製される。該錯体の好ましい製造方
法は、[RuX2(p−シメン)]2と等モルの光学活
性なBICHEPをジクロロメタンとエタノールとの混
合溶媒中、55度(C)にて反応させる方法を示すこと
ができる。
法、例えばTetrahedronLett.,Vo
l.,34,2351−2354(1993) に記載
された方法により調製される。該錯体の好ましい製造方
法は、[RuX2(p−シメン)]2と等モルの光学活
性なBICHEPをジクロロメタンとエタノールとの混
合溶媒中、55度(C)にて反応させる方法を示すこと
ができる。
【0014】かくして調製されたBICHEP−Ru錯
体とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとを反
応させて、本発明の錯体を調製するが、その製造条件は
下記のとおりである。まず、BICHEP−Ru錯体と
N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとの反応時
の量割合は、当該錯体1モルに対して、N−t−ブチル
フェニルグリオキシルアミド1ないし5モルとなるよう
設定する。より好ましくは、前者1モルに対して後者を
1ないし3モル、更に好ましくは前者1モルに対して後
者を1ないし1.2モルとする。また、反応温度と時間
は5−60度(C)、0.1ないし20時間、好ましく
は10−40度(C)、0.5−10時間、より好まし
くは10−30度(C)、1−8時間である。なお、前
記錯体、N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミド、
溶媒などの添加順序は、初期の目的を達成する範囲にお
いて自由に変えることができる。
体とN−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとを反
応させて、本発明の錯体を調製するが、その製造条件は
下記のとおりである。まず、BICHEP−Ru錯体と
N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドとの反応時
の量割合は、当該錯体1モルに対して、N−t−ブチル
フェニルグリオキシルアミド1ないし5モルとなるよう
設定する。より好ましくは、前者1モルに対して後者を
1ないし3モル、更に好ましくは前者1モルに対して後
者を1ないし1.2モルとする。また、反応温度と時間
は5−60度(C)、0.1ないし20時間、好ましく
は10−40度(C)、0.5−10時間、より好まし
くは10−30度(C)、1−8時間である。なお、前
記錯体、N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミド、
溶媒などの添加順序は、初期の目的を達成する範囲にお
いて自由に変えることができる。
【0015】かくして得られた錯体を水素ガス雰囲気中
に放置すると、N−t−ブチルフェニルグリオキシルア
ミドの部分が不斉水素化され、水素添加物が得られる。
本発明の錯体の不斉水素化は、1ないし10気圧(水素
分圧)、10−30度(C)、1分ないし1時間にて行
われることが好ましい。
に放置すると、N−t−ブチルフェニルグリオキシルア
ミドの部分が不斉水素化され、水素添加物が得られる。
本発明の錯体の不斉水素化は、1ないし10気圧(水素
分圧)、10−30度(C)、1分ないし1時間にて行
われることが好ましい。
【0016】また、本発明の錯体をケトンの不斉水素化
反応の触媒として使用することがとくに有利である。ケ
トンとしては、グリオキシルアミド誘導体あるいはケト
酸、そのエステル誘導体などを例示できる。具体的に
は、N−エチルフェニルグリオキシルアミド、N−ブチ
ルフェニルグリオキシルアミド、N−t−ブチルフェニ
ルグリオキシルアミド、N−フェニルフェニルグリオキ
シルアミド、N−ベンジルフェニルグリオキシルアミ
ド、N−フェニルプロピルグリオキシルアミド、N−ベ
ンジルブチルグリオキシルアミド、フェニルグリオキシ
ル酸、ピルビン酸メチル、フェニルグリオキシル酸メチ
ル、2−オキソ−4−フェニルブタン酸メチルを挙げる
ことができ、とくにN−t−ブチルフェニルグリオキシ
ルアミドが好適である。
反応の触媒として使用することがとくに有利である。ケ
トンとしては、グリオキシルアミド誘導体あるいはケト
酸、そのエステル誘導体などを例示できる。具体的に
は、N−エチルフェニルグリオキシルアミド、N−ブチ
ルフェニルグリオキシルアミド、N−t−ブチルフェニ
ルグリオキシルアミド、N−フェニルフェニルグリオキ
シルアミド、N−ベンジルフェニルグリオキシルアミ
ド、N−フェニルプロピルグリオキシルアミド、N−ベ
ンジルブチルグリオキシルアミド、フェニルグリオキシ
ル酸、ピルビン酸メチル、フェニルグリオキシル酸メチ
ル、2−オキソ−4−フェニルブタン酸メチルを挙げる
ことができ、とくにN−t−ブチルフェニルグリオキシ
ルアミドが好適である。
【0017】この不斉水素化の条件について以下説明す
る。前記ケトンと、錯体とを溶媒中に水素雰囲気下に
て、加熱混合することにより、該ケトンの不斉水素化が
行われる。具体的な水素化条件は下記のとおりである。
ケトンと錯体との量割合は、錯体1モルに対して、ケト
ン100−5000モルとすると好ましい結果をもたら
す。水素化反応時の温度は0−50度(C)、とくに2
0−40度(C)が好ましい。この水素化反応に際し
て、用いられる溶媒は、前述したものを採用できるが、
とくにメタノールが好ましい。溶媒の使用量はケトン1
モルに対して、1ないし10倍量である。この不斉水素
化により、R体の不斉水素化物、あるいはS体の不斉水
素化物を自由に調製することができ、しかも、その光学
純度も90%以上のもの、さらに95%以上のものを容
易に得ることができる。
る。前記ケトンと、錯体とを溶媒中に水素雰囲気下に
て、加熱混合することにより、該ケトンの不斉水素化が
行われる。具体的な水素化条件は下記のとおりである。
ケトンと錯体との量割合は、錯体1モルに対して、ケト
ン100−5000モルとすると好ましい結果をもたら
す。水素化反応時の温度は0−50度(C)、とくに2
0−40度(C)が好ましい。この水素化反応に際し
て、用いられる溶媒は、前述したものを採用できるが、
とくにメタノールが好ましい。溶媒の使用量はケトン1
モルに対して、1ないし10倍量である。この不斉水素
化により、R体の不斉水素化物、あるいはS体の不斉水
素化物を自由に調製することができ、しかも、その光学
純度も90%以上のもの、さらに95%以上のものを容
易に得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の数字は特に説明のない限り重量基準であ
る。
るが本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の数字は特に説明のない限り重量基準であ
る。
【0019】[実施例1] 「[RuI((R)−BICHEP)(p−シメン)]
I 錯体の調製」 [RuI2(p−シメン)]2269 mg(0.27
4 m molo)と(R)−BICHEP316mg
(0.549 m mol)とをメタノール20ml中
に溶解する。10mlのジクロロメタンを加え、還流温
度下、4時間加熱反応させる。反応混合液中から溶媒を
減圧下にて除去し、10mlのジエチルエーテルを用い
て5回洗浄し、ついでジクロロメタン8ml,ジエチル
エーテル2mlからなる混合溶媒にて再結晶し、[Ru
I((R)−BICHEP)(p−シメン)]I 錯体
を調製した。
I 錯体の調製」 [RuI2(p−シメン)]2269 mg(0.27
4 m molo)と(R)−BICHEP316mg
(0.549 m mol)とをメタノール20ml中
に溶解する。10mlのジクロロメタンを加え、還流温
度下、4時間加熱反応させる。反応混合液中から溶媒を
減圧下にて除去し、10mlのジエチルエーテルを用い
て5回洗浄し、ついでジクロロメタン8ml,ジエチル
エーテル2mlからなる混合溶媒にて再結晶し、[Ru
I((R)−BICHEP)(p−シメン)]I 錯体
を調製した。
【0020】「[RuI((R)−BICHEP)(p
−シメン)]I 錯体とN−t−ブチルフェニルグリオ
キシルアミドとの錯体の調製」 [RuI((R)−BICHEP)(p−シメン)]錯
体76.0mg(0.1 m mol) 、N−t−ブ
チルフェニルグリオキシルアミド61.6 mg(0.
3 m mol)をジクロロメタン2 ml中に加え、
室温下1時間窒素ガス雰囲気にて混合する。生成する茶
褐色の分散液を液体窒素で固化させ、真空で脱気する操
作を3回繰り返したところ、紫色の溶液を得た。その溶
液の溶媒を除去した後、メタノール2mlとジエチルエ
ーテル5mlにて再結晶し、青紫色の固体35mg(
0.03 m mol)を得た(収率32%)。この化
合物のNMR 値とIR値は次のとおりであった。 1H−NMR(400 MHz,CD2Cl2); δ
−0.37−2.30(m,44H),0.92(s,
9H),2.04,2.10(s,3H),6.28
(br,.NH,(H),7.28−7.55(m,A
rH,11H),31P−NMR(162MHz,CD
2Cl2); δ,24.8ppm(d,J=37H
z),26.8ppm(d,J=36Hz),82.2
ppm(d,J=36Hz),85.7ppm(d,J
=37Hz),IR(KBr)(νCOO),165
8,1648cm−1
−シメン)]I 錯体とN−t−ブチルフェニルグリオ
キシルアミドとの錯体の調製」 [RuI((R)−BICHEP)(p−シメン)]錯
体76.0mg(0.1 m mol) 、N−t−ブ
チルフェニルグリオキシルアミド61.6 mg(0.
3 m mol)をジクロロメタン2 ml中に加え、
室温下1時間窒素ガス雰囲気にて混合する。生成する茶
褐色の分散液を液体窒素で固化させ、真空で脱気する操
作を3回繰り返したところ、紫色の溶液を得た。その溶
液の溶媒を除去した後、メタノール2mlとジエチルエ
ーテル5mlにて再結晶し、青紫色の固体35mg(
0.03 m mol)を得た(収率32%)。この化
合物のNMR 値とIR値は次のとおりであった。 1H−NMR(400 MHz,CD2Cl2); δ
−0.37−2.30(m,44H),0.92(s,
9H),2.04,2.10(s,3H),6.28
(br,.NH,(H),7.28−7.55(m,A
rH,11H),31P−NMR(162MHz,CD
2Cl2); δ,24.8ppm(d,J=37H
z),26.8ppm(d,J=36Hz),82.2
ppm(d,J=36Hz),85.7ppm(d,J
=37Hz),IR(KBr)(νCOO),165
8,1648cm−1
【0021】[応用例1] 「錯体の水素化」実施例1にて得られた錯体10.9m
g(1×10−2mol)をメタノール2mlに加え、
5気圧の水素ガス雰囲気下、室温にて水素化処理をし
た。30分後、S体のもの(光学純度は98%)が得ら
れた。
g(1×10−2mol)をメタノール2mlに加え、
5気圧の水素ガス雰囲気下、室温にて水素化処理をし
た。30分後、S体のもの(光学純度は98%)が得ら
れた。
【0022】[実施例2] 「N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミドの不斉水
素化」マグネチックスターラーをセットした50ml:
容器中に、実施例1にて得られた錯体5.5 mg
(5×10−3mol)とメタノール2 mlN とを
加え、さらに、N−t−ブチルフェニルグリオキシルア
ミド(205 mg,1m mol)を加えた。3気圧
の水素ガス雰囲気下、室温にて水素化処理をした。1時
間後、S体のもの(光学純度は98%)が得られた。
素化」マグネチックスターラーをセットした50ml:
容器中に、実施例1にて得られた錯体5.5 mg
(5×10−3mol)とメタノール2 mlN とを
加え、さらに、N−t−ブチルフェニルグリオキシルア
ミド(205 mg,1m mol)を加えた。3気圧
の水素ガス雰囲気下、室温にて水素化処理をした。1時
間後、S体のもの(光学純度は98%)が得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明により、新規な不斉水素化触媒を
提供することができた。しかも、この触媒を採用するこ
とにより、N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミド
などのケトンの不斉水素化物であって高い光学純度を有
するものを、簡単にしかも効率よく調製することができ
た。
提供することができた。しかも、この触媒を採用するこ
とにより、N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミド
などのケトンの不斉水素化物であって高い光学純度を有
するものを、簡単にしかも効率よく調製することができ
た。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体。 - 【請求項2】N−t−ブチルフェニルグリオキシルアミ
ドと(2、2’− ビス(ジシクロヘキシルホスフィ
ノ)−6,6’−ジメチル−1、1’−ビフェニル)−
ルテニウム−錯体とを溶媒中反応させることを特徴とす
る一般式(I) 【化2】 (式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体の製造
法。 - 【請求項3】一般式(I) 【化3】 (式中、XはIまたはClを、Phはフェニル基を、S
は溶媒を示す。)にて表されるルテニウム−錯体を含有
する不斉水素化触媒。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24703394A JPH0881485A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | 新規ルテニウム−錯体、その製造法およびその錯体を 含有する不斉水素化触媒 |
US08/402,692 US5556998A (en) | 1994-09-14 | 1995-03-13 | Transition metal complex, process for the preparation of the same, and asymmetric hydrogenation catalyst comprising the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24703394A JPH0881485A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | 新規ルテニウム−錯体、その製造法およびその錯体を 含有する不斉水素化触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881485A true JPH0881485A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=17157417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP24703394A Pending JPH0881485A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | 新規ルテニウム−錯体、その製造法およびその錯体を 含有する不斉水素化触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0881485A (ja) |
-
1994
- 1994-09-14 JP JP24703394A patent/JPH0881485A/ja active Pending
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