JPH0881438A - 新規物質tmc−1及びその製法 - Google Patents

新規物質tmc−1及びその製法

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JPH0881438A
JPH0881438A JP21774694A JP21774694A JPH0881438A JP H0881438 A JPH0881438 A JP H0881438A JP 21774694 A JP21774694 A JP 21774694A JP 21774694 A JP21774694 A JP 21774694A JP H0881438 A JPH0881438 A JP H0881438A
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JP
Japan
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tmc
formula
substance
medium
chloroform
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Pending
Application number
JP21774694A
Other languages
English (en)
Inventor
Saburo Komatsubara
三郎 小松原
Hoten Uchida
奉典 内田
Noriyuki Nakanishi
憲之 中西
Kimio Kono
公雄 河野
Jun Kono
順 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、Rは 【化2】 を表す。)で示される新規物質TMC−1。 【効果】 この化合物はヒト腫瘍細胞の増殖を抑制し、
抗腫瘍剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍活性を有する新
規物質TMC−1及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種抗腫瘍活性物質が発見、
開発され、臨床において使用されている。しかしなが
ら、さまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも
十分でなく、より優れた新規な抗腫瘍活性物質が望まれ
ている。
【0003】微生物代謝産物から単離され、抗腫瘍活性
を有する物質のうち、ストレプトマイセス属微生物の代
謝産物から単離された物質としては、マニュマイシン類
〔ジャーナル・オブ・オーガニックケミストリー (J.
Org. Chem.)、第58巻、6583頁 (1
993年)〕やUCF−1 (特開平4−18087号公
報)が知られている。これら化合物は主としてシクロヘ
キセノン骨格の5,6位でオキシラン骨格を形成してい
ることを特徴とする化合物である。また、シクロヘキセ
ノン骨格の5,6位にオキシラン骨格をもたないマニュ
マイシン類としては、マニュマイシンDがあげられる
が、この化合物は2位に炭素数13のアルケノイルアミ
ノ基側鎖を有する化合物である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは広く微生
物代謝産物をスクリーニングすることにより、すぐれた
新規抗腫瘍活性物質を見出し、本発明を完成した。即
ち、本発明は優れた抗腫瘍活性を有する新規物質TMC
−1を提供するものである。また、本発明はこのような
新規物質TMC−1の製法をも提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト腫瘍
細胞に対する増殖阻害作用を指標に、広く微生物代謝産
物をスクリーニングしたところ、高知県高知市で採取し
た土壌試料中から発見した微生物(この菌株をA−23
0と称する)を培地で培養した際の培養物中に抗腫瘍活
性を有する物質が生産されることを見出した。この物質
を単離、精製し、その理化学的性質を調べた結果、新規
物質であることが判明し、TMC−1と命名した。
【0006】TMC−1は、一般式〔I〕
【0007】
【化15】
【0008】(式中、Rは
【0009】
【化16】
【0010】で示される基であるか、
【0011】
【化17】
【0012】で示される基であるか、
【0013】
【化18】
【0014】で示される基であるか、或いは
【0015】
【化19】
【0016】で示される基を表す。)で示される化合物
である。
【0017】また、式
【0018】
【化20】
【0019】で示される化合物をTMC−1A、式
【0020】
【化21】
【0021】で示される化合物をTMC−1B、式
【0022】
【化22】
【0023】で示される化合物をTMC−1C、式
【0024】
【化23】
【0025】で示される化合物をTMC−1Dと称す
る。
【0026】本発明の目的物〔I〕にはシクロヘキセノ
ン骨格上における不斉炭素原子、または、2位アミノ基
の置換基Rに存在する不斉炭素原子により様々な立体異
性体、光学異性体が存在しうるが、本発明はこれら立体
異性体、光学異性体及びこれら混合物のいずれをも含む
ものである。
【0027】本発明の目的化合物〔I〕は遊離の形で
も、また、薬理的に許容しうる塩の形でも医薬用途に使
用することができる。
【0028】本発明の目的物〔I〕は、経口的にも非経
口的にも投与可能であり、経口もしくは非経口投与に適
した賦形剤、滑沢剤等と混合し、医薬製剤として用いる
ことができる。また、医薬製剤は、経口投与する場合
は、軟・硬カプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤の
如き固形製剤であってもよく、溶液、乳液、懸濁液の如
き液体製剤であってもよい。更に、非経口投与する場合
は、注射剤、点滴剤、座剤の形で用いることも、また軟
膏剤、クリーム剤、液剤、パップ剤、テープ剤として粘
膜吸収又は経皮吸収が維持できるような製剤を用いるこ
ともできる。
【0029】本発明の目的物〔I〕の投与量は、投与方
法、患者の年齢、体重、状態によっても異なるが、経口
投与の場合は、通常、一日当たり1〜200mg/k
g、とりわけ10〜100mg/kgであるのが好まし
く、非経口投与の場合は、通常、一日当たり0.5〜1
00mg/kg、とりわけ5〜50mg/kgであるの
が好ましい。
【0030】本発明のTMC−1を生産する菌株A−2
30は、前述のとおり高知県高知市で採取した土壌試料
中から発見した微生物であり、次のような菌学的性質を
有している。
【0031】1.形態学的特徴 A−230株はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌糸を
形成し、菌糸の分断及び気菌糸の輪生分岐は認められな
い。気菌糸上には胞子の長い連鎖(10個から30個も
しくはさらに多数)を作り、その形態はらせん状であ
る。胞子に運動性は認められない。菌核や胞子嚢等の特
殊な器官は観察されない。
【0032】2.各種培地上の生育状態 各種寒天平板培地において27℃、14日間培養した結
果を第1表に示す。なお、気菌糸及びコロニー裏面の色
の判定には「色の標準」(日本色彩研究所1954年発
行)を使用した。
【0033】なお、表中、ISPとは国際ストレプトマ
イセス プロジェクト(International Streptomyces P
roject)を表すものである。
【0034】
【表1】
【0035】3.生理学的性質 A−230株の生理学的性質を第2表に、また炭素源の
資化性を第3表に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】4.細胞壁組成 LL−ジアミノピメリン酸が検出された。
【0039】以上の菌学的諸性質より、A−230株は
放線菌ストレプトマイセス属に属すると考えられる。し
たがって、A−230株をストレプトマイセス エスピ
ーA−230(Streptomyces sp. A-230)と称すること
にした。該菌株は工業技術院生命工学工業技術研究所に
受託番号FERM P−14460として寄託されてい
る。
【0040】一般的に放線菌はその性質が変異しやす
く、自然変異以外に、紫外線、コバルト60等の照射な
ど人工的な処理で容易に変異するが、本発明において
は、このストレプトマイセス エスピー A−230株
から取得される自然的変異株および遺伝子工学的方法を
含む人工的変異株であっても新規物質TMC−1を生産
できる菌株であれば、すべて生産菌として使用すること
ができる。本発明では、これら菌株をもTMC−1生産
菌のなかに包含する。
【0041】本発明のTMC−1は以下のようにして製
造される。
【0042】TMC−1生産菌の培養は、一般の放線菌
における培養方法に準じて行うことができるが、TMC
−1生産菌を好気的条件下に利用しうる炭素源および窒
素源を含有する栄養培地中において生育させることが好
ましい。
【0043】その具体的手段としては、液体培地中での
振盪培養、深部培養あるいは通気攪拌培養等によるのが
好ましい。また、工業的には、TMC−1生産菌の胞子
懸濁液又は培養液を培地に接種し、通気攪拌培養を行う
ことが好ましい。
【0044】培地の栄養源は、特に限定されることはな
く、微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素源、そ
の他を培地中に含有させ、これらを栄養源とすることが
できる。
【0045】培地成分としては、炭素源として、たとえ
ばグルコース、ガラクトース、マルトース、ラクトー
ス、イノシトール、マンニトール、糖蜜、グリセリン、
デキストリン、でんぷん、大豆油、綿実油等が用いら
れ、特にグリセリン、グルコース、でんぷんが好まし
い。
【0046】また、窒素源としては、たとえば大豆粉、
落花生粉、綿実カス、魚粉、コーンスティープリカー、
ペプトン、肉エキス、酵母、酵母エキス、麦芽、米ぬ
か、ふすま、アスパラギン、硝酸ソーダ、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、NZアミンTypeA(商品
名、和光純薬工業製)等が用いられ、特に大豆粉と綿実
カスが好ましい。
【0047】また、無機塩としては、食塩、リン酸塩、
炭酸カルシウム、塩化カルシウム、微量金属塩(たとえ
ば、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、鉄、ホウ酸、コ
バルト、セレン、バナジウム、ヨウ素等の硫酸塩、リン
酸塩、塩酸塩、硝酸塩等)等が必要に応じて適宜添加さ
れる。液体培養に際しては、シリコン油、植物油、動物
油、鉱油、液体パラフィン、界面活性薬等が消泡薬とし
て適宜使用される。
【0048】培地のpHは、中性ないし微アルカリ性、
特にpH7付近が好ましく、培養温度は25〜30℃、
特に28℃前後が好ましい。
【0049】培養の経過に伴って生産されるTMC−1
の生産量の経時的変化は、ヒト結腸腫瘍細胞株HCT−
116の増殖阻害活性によって測定することができる。
通常、72〜120時間の培養でTMC−1の生産量は
最高に達する。
【0050】TMC−1は、培養終了後、微生物代謝産
物をその培養物から単離精製するために常用される方法
によって単離精製することができる。例えば、培養物を
ブタノール、アセトン又は酢酸エチル等によって抽出
し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー、さらに逆
相系樹脂やゲル濾過用樹脂を使用したカラムクロマトグ
ラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を用いて精製
することにより、TMC−1を得ることができる。
【0051】このようにして得られるTMC−1の物理
化学的性質は以下のとおりである。
【0052】1)TMC−1A (1) 物質の性状 : 淡黄色粉末 (2) 分子量 : m/z 513(M+H、FABマス
のスペクトルによる) (3) 分子式 : C28362 7 (4) 融点 : 95℃付近で分解 (5) 比旋光度 : [α]24 D =−55°±3°(c=
0.1 、クロロホルム) (6) 紫外部吸収スペクトル(メタノール溶液) λmax
、nm (ε):304(43,400) 、262(38,800) (図1参
照) (7) 赤外部吸収スペクトル(KBr打錠)cm-1:339
5、2955、2925、1670、1620、1515、1370、1005(図2
参照) (8)1H核磁気共鳴スペクトル(400 MHz、CDC
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :0.88(3
H,t)、1.02(3H,d)、1.2-1.4(6H,m) 、1.91(3H,bs) 、2.
50(1H,m)、2.56(4H,m)、2.75(1H,dd) 、2.88(1H,bs) 、
2.90(1H,dd) 、3.34(1H,bs) 、4.11(1H,m)、6.05(1H,
d)、6.05(1H,d)、6.23(1H,dd) 、6.38(1H,dd) 、6.52-
6.61(2H,m) 、7.32(1H,dd) 、7.56(1H,dd) 、7.58(1H,b
s) 、8.27(1H,s)、13.52(1H,bs)(図3参照) (9) 13C核磁気共鳴スペクトル(100 MHz、CDCl
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :12.6(q)
、14.0(q) 、20.2(q) 、22.8(t) 、25.7(t) 、29.7(t)
、32.2(t) 、33.3(d) 、36.6(t) 、40.6(t) 、71.9(d)
、73.6(s) 、115.0(s)、121.4(d)、126.0(d)、129.3
(s)、131.4(d)、131.5(d)、132.2(s)、138.6(d)、139.7
(d)、143.6(d)、144.7(d)、165.4(s)、168.1(s)、191.8
(s)、197.3(s)(図4参照) (10)溶解度:メタノール、エタノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、
ジクロロメタン、ジメチルスルホキシドに可溶。
【0053】n−ヘキサン、水に不溶。
【0054】(11)呈色反応:ヨウ素、硫酸に陽性。ニン
ヒドリンに陰性。
【0055】(12)薄層クロマトグラフィー: 吸着剤;シリカゲル( メルク社製、キーゼルゲル60使
用) 展開溶媒;クロロホルム:メタノール( 9:1) Rf= 0.29。
【0056】2)TMC−1B (1) 物質の性状 : 淡黄色粉末 (2) 分子量:m/z 513(M+H、FABマスのス
ペクトルによる) (3) 分子式 : C28362 7 (4) 融点:75℃付近で分解 (5) 比旋光度:[α]24 D = 0°(c=0.03、クロロホ
ルム) (6) 紫外部吸収スペクトル(メタノール溶液)λmax 、
nm( ε) :304(38,500)、280(34,400) 、262(35,600)
(図5参照) (7) 赤外部吸収スペクトル(KBr打錠)cm-1:338
5、2960、2925、1670、1620、1515、1380、1005(図6
参照) (8)1H核磁気共鳴スペクトル(400 MHz、CDC
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :0.88(3
H,t)、0.89(3H,d)、1.1-1.5(5H,m) 、1.90(3H,bs) 、2.
19(2H,m)、2.57(4H,m)、2.75(1H,dd) 、2.82(1H,bs) 、
2.89(1H,dd) 、3.20(1H,bs) 、4.11(1H,m)、6.04(1H,
d)、6.05(1H,d)、6.39(1H,dd) 、6.44(1H,dt) 、6.53-
6.61(2H,m) 、7.32(1H,dd) 、7.54(1H,bs) 、7.55(1H,
d)、8.26(1H,s)、13.51(1H,bs)(図7参照) (9) 13C核磁気共鳴スペクトル(100 MHz、CDCl
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :11.3(q)
、12.4(q) 、19.0(q) 、25.6(t) 、26.3(t) 、29.3(t)
、32.1(t) 、34.2(d) 、35.4(t) 、40.6(t) 、71.8(d)
、73.6(s) 、114.9(s)、121.4(d)、125.9(d)、130.7
(s)、131.4(d)、131.5(d)、132.3(s)、138.6(d)、139.0
(d)、139.7(d)、143.6(d)、165.4(s)、168.0(s)、173.8
(s)、191.8(s)(図8参照) (10)溶解度:メタノール、エタノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、
ジクロロメタン、ジメチルスルホキシドに可溶。
【0057】n−ヘキサン、水に不溶。
【0058】(11)呈色反応 : ヨウ素、硫酸に陽性。
ニンヒドリンに陰性。
【0059】(12)薄層クロマトグラフィー: 吸着剤;シリカゲル( メルク社製、キーゼルゲル60使
用) 展開溶媒;クロロホルム:メタノール( 9:1) Rf= 0.29。
【0060】3)TMC−1C (1) 物質の性状:淡黄色粉末 (2) 分子量:m/z 539(M+H、FABマスのス
ペクトルによる) (3) 分子式:C30382 7 (4) 融点:106 ℃付近で分解 (5) 比旋光度:[α]24 D = +116 °±1°(c=0.1
、クロロホルム) (6) 紫外部吸収スペクトル(メタノール溶液) λmax
、nm( ε) :306(肩47,800) 、285(52,700) 、265(肩4
9,500) (図9参照) (7) 赤外部吸収スペクトル(KBr打錠)cm-1:3420
〜3380、2950、2920、1660、1615、1515、1350、1005
(図10参照) (8)1H核磁気共鳴スペクトル(400 MHz、CDC
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :0.87(3
H,t)、0.98(3H,d)、1.2-1.4(6H,m) 、1.78(3H,s)、2.52
(1H,m)、2.55(4H,m)、2.74(1H,bd) 、2.89(1H,bd) 、2.
84(1H,bs) 、4.10(1H,m)、4.54(1H,bs) 、5.70(1H,d)、
5.86(1H,d)、6.04(1H,d)、6.14(1H,d)、6.34(1H,m)、6.
50-6.60(2H,m) 、7.24(1H,d)、7.27(1H,m)、7.57(1H,b
s) 、7.98(1H,s)、8.11(1H,bs) 、13.78(1H,bs)(図1
1参照) (9) 13C核磁気共鳴スペクトル(100 MHz、CDCl
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :12.5(q)
、14.1(q) 、20.5(q) 、22.8(t) 、25.7(t) 、29.7(t)
、32.2(t) 、33.3(d) 、36.9(t) 、40.7(t) 、71.9(d)
、73.6(s) 、115.3(s)、117.5(d)、121.5(d)、127.2
(d)、131.0(s)、131.3(d)x2、132.0(s)、138.8(d)、13
9.8(d)、143.4(d)、148.5(d)、149.4(d)、165.7(s)x2、
192.0(s)、197.7(s)(図12参照) (10)溶解度:メタノール、エタノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、
ジクロロメタン、ジメチルスルホキシドに可溶。
【0061】n−ヘキサン、水に不溶。
【0062】(11)呈色反応:ヨウ素、硫酸に陽性。ニン
ヒドリンに陰性。
【0063】(12)薄層クロマトグラフィー: 吸着剤;シリカゲル( メルク社製、キーゼルゲル60使
用) 展開溶媒;クロロホルム:メタノール( 9:1) Rf= 0.29。
【0064】4)TMC−1D (1) 物質の性状:淡黄色粉末 (2) 分子量:m/z 541(M+H、FABマスのス
ペクトルによる) (3) 分子式:C30402 7 (4) 融点:89℃付近で分解 (5) 比旋光度:[α]24 D =+16°±2°(c=0.1
、クロロホルム) (6) 紫外部吸収スペクトル(メタノール溶液)λmax 、
nm( ε) : 304(42,700)、278(40,200) 、263(40,700)
(図13参照) (7) 赤外部吸収スペクトル(KBr打錠)cm-1:337
5、2955、2920、1670、1620、1515、1370、1005(図1
4参照) (8)1H核磁気共鳴スペクトル(400 MHz、CDC
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :0.85(3
H,d)、0.88(3H,t)、1.04(3H,d)、1.13(2H,m)、1.2-1.3
(6H,m) 、1.38(1H,m)、2.44(1H,m)、2.56(4H,m)、2.74
(1H,dd) 、2.89(1H,dd)、3.24(1H,bs) 、3.92(1H,bs)
、4.10(1H,m)、5.86(1H,d)、6.04(1H,d)、6.08(1H,
d)、6.37(1H,dd) 、6.50-6.62(2H,m) 、6.77(1H,dd) 、
7.31(1H,dd) 、7.58(1H,bs) 、7.78(1H,bs) 、7.89(1H,
s)、13.63(1H,bs)(図15参照) (9) 13C核磁気共鳴スペクトル(100 MHz、CDCl
3 、内部標準;テトラメチルシラン)δppm :14.2(q)
、19.4(q) 、20.4(q) 、23.0(t) 、25.7(t) 、29.1(t)
、30.4(d) 、32.2(t) 、34.2(d) 、37.1(t) 、40.6(t)
、43.9(t) 、71.8(d) 、73.5(s) 、115.0(s)、121.5
(d)、121.7(d)、126.8(d)、131.3(d)、131.4(d)、132.0
(s)、138.6(d)、139.7(d)、143.5(d)、153.2(d)、165.0
(s)、165.5(s)、174.3(s)、191.7(s)、197.6(s)(図1
6参照) (10)溶解度:メタノール、エタノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、
ジクロロメタン、ジメチルスルホキシドに可溶。
【0065】n−ヘキサン、水に不溶。
【0066】(11)呈色反応:ヨウ素、硫酸に陽性。ニン
ヒドリンに陰性。
【0067】(12)薄層クロマトグラフィー: 吸着剤;シリカゲル( メルク社製、キーゼルゲル60使
用) 展開溶媒;クロロホルム:メタノール( 9:1) Rf= 0.29。
【0068】
【作用】つぎに、TMC−1の生物学的性状は以下のと
おりである。
【0069】(A)ヒト及びマウス腫瘍細胞株に対する
増殖抑制効果の評価 1)ヒト結腸腫瘍細胞株HCT−116(ATCC C
CL−247)に対する効果 96穴マルチプレート(住友ベークライト社製)にMc
Coy’s5A培地(Gibco社製)、10%牛胎児
血清、50国際単位/mlペニシリン及び50μg/m
lストレプトマイシンからなる培地で1×105 個/m
lに調製したHCT−116細胞を135μlづつ該プ
レートの各穴に分注した。これに水により適宜希釈した
試験化合物15μlずつを加え、5%炭酸ガス培養器内
で37℃、72時間培養した。培養後、0.15%ニュ
ートラルレッド40μlを加え、37℃で1時間5%炭
酸ガス培養器内で培養し、細胞を染色した。培養上清を
除去後、細胞を0.02%塩化カリウムと0.8%塩化
ナトリウム含有18mMリン酸緩衝液(pH5.6)1
50μlを用いて1回洗浄した。ついで50%エタノー
ルを含有する0.1Mリン酸1ナトリウム液100μl
によって色素を抽出後、マイクロプレートリーダーによ
り540nmの吸光度を測定した。無処理細胞と既知濃
度の試験化合物で処理した細胞の吸光度を比較すること
により、細胞増殖を50%阻害する試験化合物濃度(I
50)を算出した。その結果を第4表に示す。
【0070】2)ヒト結腸腺腫瘍細胞株SW480(A
TCC CCL−228)に対する効果 培地にライボビッツL−15培地(Gibco社製)、
10%牛胎児血清、50国際単位/mlペニシリン及び
50μg/mlストレプトマイシンからなる培地を使用
した以外は1)と同様の操作を行った。その結果を第4
表に示す。
【0071】3)ヒト骨肉腫細胞株Saos−2(AT
CC HTB 85)に対する効果1)と全く同様の操
作を行った。その結果を第4表に示す。
【0072】4)ヒト結腸腺腫瘍細胞株WiDr(AT
CC CCL−218)に対する効果 培地にMEM−E培地(大日本製薬製)、1%非必須ア
ミノ酸混液(大日本製薬製)、10%牛胎児血清、50
国際単位/mlペニシリン及び50μg/mlストレプ
トマイシンからなる培地を使用した以外は1)と同様の
操作を行った。
【0073】その結果を第4表に示す。
【0074】5)ヒト卵巣腫瘍細胞株OVCAR−3
(ATCC HTB 161)に対する効果 培地にRPMI 1640培地(Gibco社製)、1
00μg/mlインシュリン、10%牛胎児血清、50
国際単位/mlペニシリン及び50μg/mlストレプ
トマイシンからなる培地を使用した以外は1)と同様の
操作を行った。
【0075】その結果を第4表に示す。
【0076】6)ヒト前骨髄性白血病細胞株HL−60
(ATCC CCL−240)に対する効果 培地にRPMI 1640培地(Gibco社製)、2
0%牛胎児血清、50国際単位/mlペニシリン及び5
0μg/mlストレプトマイシンからなる培地で1×1
5 個/mlに調製したHL−60細胞を135μlづ
つ該プレートの各穴に分注した。これに水により適宜希
釈した試験化合物15μlずつを加え、5%炭酸ガス培
養器内で37℃、72時間培養した。培養後、1mg/
mlの水酸化2,3−ビス−(2−メトキシ−4−ニト
ロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)
カルボニル]−2H−テトラゾリウム塩酸塩と7.5μ
g/mlのフェナジンメトサルフェートとを含む水溶液
40μlを加え、37℃で4時間5%炭酸ガス培養器内
で培養した。生じたフォルマザンをマイクロプレートリ
ーダーを用いて450nmの吸光度で測定した。無処理
細胞と既知濃度の試験化合物で処理した細胞の吸光度を
比較することにより、細胞増殖を50%阻害する試験化
合物濃度(IC50)を算出した。その結果を第4表に示
す。
【0077】7)ヒト子宮頚部腫瘍細胞株HeLa S
3(ATCC CCL 2.2)に対する効果 培地にMEM−E培地(大日本製薬製)、10%牛胎児
血清、50国際単位/mlペニシリン及び50μg/m
lストレプトマイシンからなる培地を使用した以外は
1)と同様の操作を行った。その結果を第4表に示す。
【0078】8)マウス白血病細胞株P388D1 (A
TCC CCL 46)に対する効果 培地にRPMI 1640培地(Gibco社製)、5
%牛胎児血清、50国際単位/mlペニシリン及び50
μg/mlストレプトマイシンからなる培地を使用した
以外は6)と同様の操作を行った。その結果を第4表に
示す。
【0079】
【表4】
【0080】
【実施例】つぎに、TMC−1の製造方法を実施例とし
て示す。なお、実施例は、単に本発明の例示目的に提供
されるものであって、本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0081】実施例 1)発酵 グルコース1%、デキストリン2%、バクトソイトン
(Difco社製)1.5%、酵母エキス(オリエンタ
ル酵母工業製)0.1%、炭酸カルシウム0.3%を含
有する培地75mlを500ml容三角フラスコ10本
にそれぞれ分注し、120℃で20分間滅菌する。スト
レプトマイセス エスピー A−230株を各培地に接
種し、ロータリー・シェーカー(毎分220回転)上2
7℃で5日間振盪培養する。
【0082】別に、グルコース1%、デキストリン2
%、バクトソイトン1.5%、酵母エキス0.1%、炭
酸カルシウム0.3%、ディスホームCC438(日本
油脂製)0.1%を含有する培地18lを30l容ステ
ンレス・スチール製発酵槽4基にそれぞれ分注し、12
0℃で20分間滅菌する。これに上記培養物を発酵槽1
基あたり180mlを接種し、27℃で5日間、通気
(0.3VVM)と攪拌(100〜500rpm)を行
いながら培養する。
【0083】2)精製 得られた培養物68lにn−ブタノール30lを加え3
0分間攪拌した後、遠心分離して(300rpm)、菌
体と水層とn−ブタノール層に分離した。得られたn−
ブタノール層20lを減圧濃縮し、油状物質73.4g
を得た。これに水2.5lを加え等量の酢酸エチルで3
回抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮後、n−ヘキサ
ン1lで2回洗浄し、減圧乾固して赤褐色の固体14.
4gを得た。
【0084】得られた赤褐色の固体を少量のジクロロメ
タンに溶解し、シリカゲル(和光純薬工業製Wakog
el C−200)400gをジクロロメタンに懸濁し
て詰めたカラム塔に負荷した。塔を1lのジクロロメタ
ンで洗浄後、ジクロロメタンとメタノールの混液(9
5:5)3lで展開溶出した。溶出液は分析用逆相系高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)でモニターし
て、TMC−1A、TMC−1B、TMC−1C及びT
MC−1Dを含むフラクションを集め減圧下濃縮乾固す
ると褐色の固体2.03gが得られる。
【0085】得られた赤褐色の固体を少量のジメチルス
ルホキシドに溶解し、この溶液を逆相系シリカゲル(ワ
イエムシー社製YMC−GEL ODS(A60))4
00gを50%アセトニトリルを含有する0.01Mリ
ン酸緩衝液(pH3.5)に懸濁して詰めたカラム塔に
負荷した。塔を同一溶剤2.8l、次に60%アセトニ
トリルを含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH3.
5)4.3lで展開溶出した。溶出液はHPLCでモニ
ターしてTMC−1A及びTMC−1Bを含むフラクシ
ョン、TMC−1C含むフラクション、又はTMC−1
Dを含むフラクションに分取し、それぞれ減圧下アセト
ニトリルを除去後、酢酸エチル100mlで抽出し、5
0mlの水で2回水洗して減圧下濃縮乾固すると淡黄色
粉末状の粗画分がそれぞれ79.4mg、140.8m
g及び38.9mgが得られた。
【0086】TMC−1AとTMC−1Bを含む粗画分
は、少量のジメチルスルホキシドに溶解後、分取用高速
液体クロマトグラフィー( カラム:ワイエムシ社製YM
CPack D−ODS−5、溶媒:67.5%メタノ
ールを含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH3.
5)、流速:12ml/分) を使用して精製した。TM
C−1A又はTMC−1Bを含む活性画分を集め、減圧
濃縮によりメタノールを除去し、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を水洗後、濃縮乾固した。TMC−1
Aの粗精製粉末を少量のジクロロメタンとメタノールの
混液(1:1)に溶解後、あらかじめジクロロメタンと
メタノールの混液(1:1)で平衡化したセファデック
スLH−20(ファルマシア社製、22mm×440m
m)の塔にかけ、同一溶剤でゲル濾過し、活性画分を減
圧濃縮してTMC−1A8.7mgを淡黄色粉末として
得た。また、TMC−1Bの粗精製粉末を同様に処理す
ることによりTMC−1B3.1mgを淡黄色粉末とし
て得た。
【0087】TMC−1C又はTMC−1Dを含む粗画
分は、少量のジメチルスルホキシドに溶解後、分取用高
速液体クロマトグラフィー(カラム:ワイエムシ社製Y
MCPack D−ODS−5、溶媒:60%アセトニ
トリルを含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH3.
5)、流速:12ml/分)を使用して精製した。活性
画分を分取し、減圧濃縮によりアセトニトリルを除去
し、残渣を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗
後、濃縮乾固し、TMC−1C又はTMC−1Dの粗精
製粉末をそれぞれ97.8mg又は19.2mg得た。
得られたTMC−1Cの粗精製粉末は、少量のジクロロ
メタンとメタノールの混液(1:1)に溶解後、あらか
じめジクロロメタンとメタノールの混液(1:1)で平
衡化したセファデックスLH−20(ファルマシア社
製、22mm×440mm)の塔にかけ、同一溶剤でゲ
ル濾過し、活性画分を減圧濃縮し、TMC−1C88.
7mgを淡黄色粉末として得た。同様の処理により、T
MC−1Dの淡黄色粉末10.9mgを得た。
【0088】
【発明の効果】本発明のTMC−1またはその薬理的に
許容しうる塩は、ヒト腫瘍細胞の増殖を強く抑制し、乳
癌、卵巣癌、小細胞肺癌、悪性リンパ腫等の治療に有用
である。また、本発明の目的物〔I〕は毒性が低く、医
薬として安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TMC−1Aの紫外部吸収スペクトルを示
す。
【図2】 TMC−1Aの赤外部吸収スペクトルを示
す。
【図3】 TMC−1Aの 1H核磁気共鳴スペクトル
(400 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図4】 TMC−1Aの13C核磁気共鳴スペクトル
(100 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図5】 TMC−1Bの紫外部吸収スペクトルを示
す。
【図6】 TMC−1Bの赤外部吸収スペクトルを示
す。
【図7】 TMC−1Bの 1H核磁気共鳴スペクトル
(400 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図8】 TMC−1Bの13C核磁気共鳴スペクトル
(100 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図9】 TMC−1Cの紫外部吸収スペクトルを示
す。
【図10】TMC−1Cの赤外部吸収スペクトルを示
す。
【図11】TMC−1Cの 1H核磁気共鳴スペクトル
(400 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図12】TMC−1Cの13C核磁気共鳴スペクトル
(100 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図13】TMC−1Dの紫外部吸収スペクトルを示
す。
【図14】TMC−1Dの赤外部吸収スペクトルを示
す。
【図15】TMC−1Dの 1H核磁気共鳴スペクトル
(400 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
【図16】TMC−1Dの13C核磁気共鳴スペクトル
(100 MHz 、CDCl3 中で測定)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 順 神奈川県横浜市鶴見区豊岡町4丁目21番 シティハイツ鶴見505

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rは 【化2】 で示される基であるか、 【化3】 で示される基であるか、 【化4】 で示される基であるか、或いは 【化5】 で示される基を表す。)で示されるTMC−1。
  2. 【請求項2】 式 【化6】 で示される化合物。
  3. 【請求項3】 式 【化7】 で示される化合物。
  4. 【請求項4】 式 【化8】 で示される化合物。
  5. 【請求項5】 式 【化9】 で示される化合物。
  6. 【請求項6】 ストレプトマイセス属に属し、一般式 【化10】 (式中、Rは 【化11】 で示される基であるか、 【化12】 で示される基であるか、 【化13】 で示される基であるか、或いは 【化14】 で示される基を表す。)で示されるTMC−1を生産す
    る能力を有する微生物を培養し、その培養物から上記化
    合物を採取することを特徴とするTMC−1の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 TMC−1を生産する能力を有する微生
    物がストレプトマイセス エスピー A−230 (FE
    RM P−14460)である請求項6記載の製法。
JP21774694A 1994-09-13 1994-09-13 新規物質tmc−1及びその製法 Pending JPH0881438A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111732579A (zh) * 2020-06-04 2020-10-02 中国科学院南海海洋研究所 一种聚醚聚酮类化合物polydecalinmycin及其制备方法和应用

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