JPH05247018A - 抗生物質106−b、その製造方法、抗生物質106−bを有効成分とする抗菌剤および抗生物質106−bを有効成分とする抗腫瘍剤 - Google Patents

抗生物質106−b、その製造方法、抗生物質106−bを有効成分とする抗菌剤および抗生物質106−bを有効成分とする抗腫瘍剤

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JPH05247018A
JPH05247018A JP10066892A JP10066892A JPH05247018A JP H05247018 A JPH05247018 A JP H05247018A JP 10066892 A JP10066892 A JP 10066892A JP 10066892 A JP10066892 A JP 10066892A JP H05247018 A JPH05247018 A JP H05247018A
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antibiotic
antibiotic substance
substance
culture
active ingredient
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JP10066892A
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Mitsuru Nakayama
充 中山
Shohei Nakagawa
昌平 中川
Tomoyuki Fujita
智之 藤田
Kenichiro Hayashi
謙一郎 林
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Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抗腫瘍活性を有し、かつグラム陽性菌および
グラム陰性菌に対して抗菌力を有する新規な抗生物質を
提供する。 【構成】 ストレプトマイセス(Streptomyc
es)属に属する抗生物質106−B生産菌を培養し、
その培養物から抗生物質106−Bを分離、採取して、
下記の平面構造式で表される抗生物質106−Bを製造
する方法、抗生物質106−Bそれ自体ならびに抗生物
質106−Bを含有する抗菌剤または抗腫瘍剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な抗生物質、その
製造方法、その抗生物質を有効成分とする抗菌剤および
その抗生物質を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種の抗生物質が発見、開発
されているが、抗生物質は、使用を継続すると、被使用
菌に使用抗生物質に対する耐性が生じるという問題があ
る。また、癌(がん)などの腫瘍も、抗生物質の使用を
継続すると、使用抗生物質に対して耐性が生じるように
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、常に新しい
抗生物質の出現が望まれている。特に抗腫瘍活性を有す
る新規抗生物質の出現が望まれている。
【0004】したがって、本発明は、抗腫瘍活性を有す
る新規な抗生物質を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ストレプ
トマイセス(Streptomyces)K106(微
工研菌寄第12701号)が、抗腫瘍活性を有し、かつ
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して抗菌力を有す
る新規な抗生物質106−Bを生産することを見出し、
本発明を完成するにいたった。
【0006】上記ストレプトマイセスK106は、本発
明者らが大阪府堺市で採取した土壌試料中より発見した
微生物であり、通商産業省工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託されていて、その微生物受託番号は、前記の
ように微工研菌寄第12701号である。
【0007】本発明の抗生物質106−Bを生産するス
トレプトマイセスK106株は次のような菌学的性質を
有している。
【0008】(1) 形態学的特徴 培養は通常28℃で行う、ストレプトマイセスK106
株の形態学的特徴は、気菌糸、基底菌糸を形成し、胞子
を形成することである。
【0009】(2) 各種培地上の成育状態 麦芽エキス寒天培地、あるいは、でんぷん(殿粉)酵母
エキス培地上の成育状態は良好であり、灰色ないし白色
気菌糸が生じ、基底菌糸が生じる。可溶性褐色色素を生
産する。
【0010】(3) 生理学的性質 ストレプトマイセスK106株の生理学的性質を表1
に、炭素源の資化性を表2に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】 +:利用する ++:かなり利用する
【0013】ストレプトマイセスK106株の菌学的性
質は上記のとおりであるが、このストレプトマイセスK
106株の自然的および遺伝子工学的方法を含む人工的
変異株も抗生物質106−Bを生産でき、これらも抗生
物質106−Bの生産菌として使用することができる。
【0014】本発明において、抗生物質106−Bの生
産にあたり、抗生物質106−B生産菌の培養は、一般
の放線菌における培養方法に準じて行われる。これを詳
しく説明すると、次のとおりである。
【0015】本発明の抗生物質106−Bは、ストレプ
トマイセス(Streptomyces)属に属する抗
生物質106−B生産菌、たとえばストレプトマイセス
K106株を好気的条件下に利用しうる炭素源および窒
素源を含有する栄養培地中で生育させることにより生産
される。
【0016】その具体的手段としては、液体培地中での
振盪培養、深部培養あるいは通気攪拌培養などによるの
が好ましい。工業的に有利に培養するには、前記抗生物
質106−B生産菌の胞子懸濁液または培養液を培地に
接種し、通気攪拌培養を行うのが好ましい。
【0017】培地の栄養源としては、特に限定されるこ
とはなく、微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素
源、その他を培地中に含有させ、これらを栄養源とする
ことができる。
【0018】培地成分としては、炭素源として、たとえ
ばグルコース、ガラクトース、シュクロース、マルトー
ス、ラクトース、ラフィノース、イノシトール、マンニ
ット、糖蜜、グリセロール、デキストリン、でんぷん、
大豆油、綿実油などが用いられ、特にグリセロール、グ
ルコース、でんぷんが好ましい。
【0019】また、窒素源としては、たとえば大豆粉、
落花生粉、綿実油、魚粉、コーンスティーブリカー、ペ
プトン、肉エキス、酵母、酵母エキス、麦芽、米ぬか、
ふすま、アスパラギン、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、NZアミンTypeA(商品
名、和光純薬工業社製)などが用いられ、特にNZアミ
ンTypeA、ペプトンが好ましい。
【0020】また、無機塩としては、食塩、リン(燐)
酸塩、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、微量金属塩
(たとえば、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、鉄、ホ
ウ素、コバルト、セレン、バナジウム、ヨウ素などの硫
酸塩、リン酸塩、塩酸塩、硝酸塩など)などが必要に応
じて適宜添加される。液体培養に際しては、シリコン
油、植物油、動物油、鉱油、液体パラフィン、界面活性
剤などが消泡剤として適宜使用される。
【0021】培地のpHは、中性ないし微アルカリ性、
特にpH7付近が好ましく、培養温度は25〜30℃、
特に28℃前後が好ましい。
【0022】培養の経過に伴って生産される抗生物質1
06−Bの力価の経時的変化は、枯草菌を被検菌とした
ペーパーディスク〔たとえば、東洋濾紙社製またはアド
バンテック東洋社製の直径6mmの濾紙Thin(薄)
タイプを使用〕検定法により測定することができる。通
常、48〜120時間の培養で抗生物質106−B(以
下、簡略化して、単に「106−B」という)の生産量
は最高値に達する。
【0023】106−Bは、培養終了後、菌体その他の
固形部分を珪藻土などを濾過助剤とする濾過操作あるい
は遠心分離によって除去し、その濾液あるいは上清中か
ら抽出、精製することによって得られる。
【0024】また、106−Bの物理化学的性状を利用
することにより、たとえば吸着剤を用いて、106−B
を採取することができる。
【0025】吸着剤としては、たとえば活性炭、あるい
は吸着用樹脂であるアンバーライトXAD−2、XAD
−4、XAD−7など(いずれも商品名、ローム・アン
ド・ハース社製)またはダイヤイオンHP10、HP2
0、HP20AG、HP50など(いずれも商品名、三
菱化成工業社製)が使用される。
【0026】このような吸着剤を用いる場合、106−
Bは、106−Bを含む液を上記の吸着剤の層を通過さ
せて該106−Bを含む液に含まれる不純物を吸着させ
て取り除くか、または106−Bを吸着させた後、ベン
ゼン、アセトン、クロロホルム、メタノール、メタノー
ル水、アセトン水などを用いて溶出することによって得
られる。
【0027】また、106−Bは、酸性脂溶性物質を培
養液から採取する方法に準じ、たとえば水と混和しない
クロロホルム、酢酸エチル、n−ブタノールなどの有機
溶媒により、106−Bを培養濾液または水溶液から抽
出することも可能である。
【0028】このようにして得られた106−Bの精製
にあたっては、たとえばアビセル(旭化成工業社製)な
どのセルロースまたはセファデックスLH−20、LH
−60(ファルマシア社製)などを用いた分配カラムク
ロマトグラフィー、シリカゲル、アルミナ、フロリジル
のような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、
逆相用担体を用いた逆相カラムクロマトグラフィー、あ
るいは106−Bと混在する不純物との溶媒に対する分
配率の差を利用した抽出法、あるいは向流分配法などを
精製手段として採用し、これらの精製手段を単独あるい
は適宜組み合わせ、要すれば反復して用いることによ
り、106−Bを精製することができる。
【0029】また、106−Bは、一般の脂溶性抗生物
質と同じく培養条件によっては培養液中の菌体部分に存
在する。この場合は、アルコール類、アセトンなどの親
水性有機溶媒を用いて抽出し、抽出液より溶媒を除去
し、ついで水溶液とした後、培養濾液からの場合と同様
の方法で抽出、精製することができる。
【0030】このようにして得られた106−Bは、次
の理化学的および生物学的性状を有する。
【0031】(1) 物質の性状 淡黄色粉末
【0032】(2) 比旋光度 〔α〕26 D −142.6° C=0.00345g/ml C25 OH
【0033】(3) 分子式 C24276
【0034】(4) 分子量 425(マススペクトル
測定)
【0035】(5) 紫外線吸収スペクトル メチルアルコール中で測定した紫外線吸収スペクトル
は、図1に示すとおり305nm(ε=22600リッ
トル/mol・cm)、278nm(ε=32100リ
ットル/mol・cm)に極大吸収を示す。
【0036】(6) 赤外線吸収スペクトル KBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルは、図2
に示すとおりである。
【0037】(7) 核磁気共鳴(NMR)スペクトル CDCl3 :CD3 OD=95:5溶液中でテトラメチ
ルシランを基準物質として測定した。 1H−核磁気共鳴
スペクトルを図3に、13C−核磁気共鳴スペクトルを図
4に示す。図4における化学シフト値は次のとおりであ
る。
【0038】
【0039】(8) 融点 122〜124℃(分解)
【0040】(9) 溶解性 エチルアルコール、アセトン、ジメチルスルホキシドに
易溶、メチルアルコール、酢酸エチル、クロロホルムに
溶、ベンゼンに難溶
【0041】(10) 呈色反応 ヨーソガスに陽性、2,4−ジニトロフェニルヒドラジ
ンに陽性、硫酸に陽性、ニンヒドリンに陰性、ドラーゲ
ンドルフ試薬に陰性
【0042】(11) 薄層クロマトグラフィー 吸着剤 シリカゲル 展開溶媒系 酢酸エチル Rf=0.27 展開溶媒系 ベンゼン:アセトン=1:1 Rf=0.
46
【0043】(12) 抗菌スペクトル 106−Bの抗菌スペクトルをアガーダイリューション
法によって測定した。その結果は表3に示すとおりであ
る。
【0044】
【表3】
【0045】以上のデータの解析により(比旋光度、分
子式、分子量などに加え、紫外線吸収スペクトルによる
カルボニル基などの二重結合の存在確認、赤外線吸収ス
ペクトルによる官能基の類推、核磁気共鳴スペクトルに
よる水酸基の特定、メチル基の数、全カーボン数の特定
などにより)、106−Bの平面構造は、
【0046】
【化2】
【0047】と決定した。また、これを既知物質と比較
した結果、106−Bは新規物質であると判定された。
【0048】つぎに、106−Bを有効成分とする抗菌
剤について説明する。
【0049】上記106−Bを有効成分とする抗菌剤
は、経口投与、非経口投与のいずれにも適用可能であ
る。経口投与する場合は、軟・硬カプセル剤または錠
剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、腸溶剤、懸濁剤として使用
することができる。非経口投与する場合は、注射剤、点
滴剤、坐剤、乳剤、懸濁剤として使用することができ、
また軟膏剤、クリーム剤、液剤、パップ剤、テープ剤と
して粘膜吸収または経皮吸収が維持できるような剤型で
使用することができる。
【0050】106−Bを有効成分とする抗菌剤の製剤
化は、医学的に許容しうる界面活性剤、賦形剤、滑沢
剤、佐剤、その他を用いて適宜行うことができ、固体、
半固体、液体などの製剤を得ることができる。さらに、
安定化剤、着色剤、香料などを使用してもよい。製剤中
の106−B量は、対象菌、使用方法などに応じて適宜
決定すればよい。
【0051】つぎに、106−Bの抗腫瘍作用を下記の
マウス腫瘍細胞に対する増殖抑制試験の結果に基づいて
説明する。
【0052】1.培養B16−F0 ATCC No.
CRL6322(マウスのメラノーマ)に対する増殖抑
制効果の評価
【0053】1−(1)試料添加培地の調製 106BをダルベッコMEM(大日本製薬社製)90容
量%とFBS(シグマ社製の牛胎児血清)10容量%か
らなる培地に溶解して、106Bの濃度が0.4μg/
ml、2μg/ml、10μg/mlおよび50μg/
mlの4種類の試料添加培地を調製した。
【0054】1−(2)培養 ポリスチレン製シャーレ(コーニング社製、最大外径5
9mm、高さ15mm)に各試料添加培地を4mlずつ
加え、培養B16−F0を4×105 個まきこみ(播き
込み)3日間培養した。上記培養には炭酸ガス培養器を
用い、37℃、5%CO2 in air(5容量%の炭
酸ガスを含んだ空気中)で行った。
【0055】1−(3)細胞増殖測定 培養3日後、シャーレから上清を取り出した後、残渣を
トリプシンで処理し、そのトリプシン処理後、遠心分離
により細胞を集め、ビルケルチュルク血球計算盤を用い
て細胞数を測定した。
【0056】1−(4)結果 生細胞数について、添加群(T)と無添加群(C)を比
較した。106Bの添加量とT/C(%)との関係を表
4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】上記表4に示す結果から、106Bの培養
B16−F0に対する50%抑制濃度(IC50)を算出
したところ、50%抑制濃度は2.5μg/mlであ
り、これは市販の抗腫瘍剤と同レベルの値であって、こ
の50%抑制濃度値から、106Bは有効な抗腫瘍活性
を有し、抗腫瘍剤として充分に使用可能であると考えら
れる。
【0059】2.培養P388D1 ATCC No.C
CL46(転移性リンパ様細胞)に対する増殖抑制効果
の評価
【0060】2−(1)試料添加培地の調製 106BをRPMI−1640(大日本製薬社製)90
容量%とFBS(シグマ社製の牛胎児血清)10容量%
からなる培地に溶解して、106Bの濃度が2μg/m
l、10μg/ml、25μg/ml、50μg/ml
および100μg/mlの5種類の試料添加培地を調製
した。
【0061】2−(2)培養 ポリスチレン製丸底試験管(外径16mm、長さ125
mm)に各試料添加培地を1mlずつ加え、培養P38
8D1 を5×105 個まきこみ2日間培養した。上記培
養には炭酸ガス培養器を用い、37℃、5%CO2 in
airで行った。
【0062】2−(3)細胞増殖測定 培養2日後、ビルケルチュルク血球計算盤を用いて細胞
数を測定した。 2−(4)結果 生細胞数について、添加群(T)と無添加群(C)を比
較した。106Bの添加量とT/C(%)との関係を表
5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】表5に示す結果から、106Bの培養P3
88D1 に対する50%抑制濃度(IC50)を算出した
ところ、50%抑制濃度は5.7μg/mlであり、こ
れは市販の抗腫瘍剤と同レベルの値であって、この50
%抑制濃度値から、106Bは有効な抗腫瘍活性を有
し、抗腫瘍剤として充分に使用可能であると考えられ
る。
【0065】つぎに、106−Bを有効成分とする抗腫
瘍剤について説明する。
【0066】上記106−Bを有効成分とする抗腫瘍剤
は、経口投与、非経口投与のいずれにも適用可能であ
る。経口投与する場合は、軟・硬カプセル剤または錠
剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、腸溶剤、懸濁剤として使用
することができる。非経口投与する場合は、注射剤、点
滴剤、坐剤、乳剤、懸濁剤として使用することができ、
また軟膏剤、クリーム剤、液剤、パップ剤、テープ剤と
して粘膜吸収または経皮吸収が維持できるような剤型で
使用することができる。
【0067】106−Bを有効成分とする抗腫瘍剤の製
剤化は、医学的に許容しうる界面活性剤、賦形剤、滑沢
剤、佐剤、その他を用いて適宜行うことができ、固体、
半固体、液体などの製剤を得ることができる。さらに、
安定化剤、着色剤、香料などを使用してもよい。製剤中
の106−B量は、対象腫瘍、使用方法などに応じて適
宜決定すればよい。
【0068】この106−Bを有効成分として含有する
抗腫瘍剤をヒト(人間)に使用する場合、静脈内、筋肉
内、経口または経皮投与により使用することが望まし
い。投与量は、対象腫瘍を治療するのに充分な量であれ
ばよく、腫瘍の症状、投与経路、剤型などによって若干
異なるが、マウスのLD50値から考えて、一般に経口投
与の場合、106−Bが1日あたり0.0001〜20
0mg/kg体重の範囲、特に上限は約50mg/kg
体重程度にするのが好ましい。非経口投与の場合は、1
06−Bが1日あたり0.0001〜100mg/kg
体重の範囲、特に上限は約5mg/kg体重程度にする
のが好ましい。
【0069】
【実施例】つぎに、106−Bの製造例を実施例として
示す。なお、実施例は、単に本発明の例示目的に提供さ
れるものであって、本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0070】実施例1 ストレプトマイセスK106株を下記の培地組成−1で
示される培地16.8リットルに接種し、28℃で5日
間振盪培養した。
【0071】培地組成−1 グリセロール 10g NZアミンTypeA 2.5g 酵母エキス 1g 肉エキス 1g 蒸留水 1000ml pH 7.0
【0072】培養終了後、培養液を遠心分離し、得られ
た上清部分(液側部分)16.8リットルに8.4リッ
トルの酢酸エチルを加え、2回抽出した。
【0073】一方、菌体部分(固形分側部分)にはメチ
ルアルコール6リットルを加え、攪拌後、濾過した。こ
の濾液のメチルアルコールを減圧濃縮した後、残渣に水
6リットルを加え、これを6リットルの酢酸エチルで3
回抽出した。
【0074】得られた抽出液を前記上清部分からの抽出
液とあわせ、溶媒を減圧濃縮し、得られた油状残渣にベ
ンゼンを加え、不溶物を除去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーに供した。
【0075】すなわち、上記ベンゼン溶液をあらかじめ
ベンゼンを充填したシリカゲル(和光純薬工業社製)3
cm×45cmのカラムに通導し、ベンゼン:アセトン
=8:2で溶出し、106−Bの含まれる画分を集め、
減圧濃縮し、得られた油状残渣にクロロホルムを加え不
溶物を除去した後、再度シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに供した。
【0076】すなわち、上記クロロホルム溶液をあらか
じめクロロホルムを充填したシリカゲル(和光純薬工業
社製)3cm×45cmのカラムに通導し、クロロホル
ム:メタノール=95:5で溶出し、106−Bの含ま
れる画分を集め、減圧濃縮することによって106−B
を400mg得た。
【0077】この実施例1で得られた106−Bの理化
学的および生物学的性状は、前記した106−Bの理化
学的および生物学的性状の通りである。
【0078】実施例2 ストレプトマイセスK106株を培地組成−2で示され
る培地16.8リットルに接種し、28℃で5日間振盪
培養した。
【0079】培地組成−2 グルコース 10g ポリペプトン 2g 酵母エキス 1g 肉エキス 1g 蒸留水 1000ml pH 7.0
【0080】培養終了後、実施例1と同様の操作によ
り、106−Bを200mg得た。
【0081】この実施例2で得られた106−Bの理化
学的および生物学的性状も、前記した106−Bの理化
学的および生物学的性状の通りである。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抗生物質
106−Bは、新規物質であり、抗菌活性および抗腫瘍
活性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗生物質106−Bの紫外線吸収スペクトル
(メチルアルコール溶液中)である。
【図2】抗生物質106−Bの赤外線吸収スペクトル
(KBr錠剤)である。
【図3】抗生物質106−Bの 1H−核磁気共鳴スペク
トルである。
【図4】抗生物質106−Bの13C−核磁気共鳴スペク
トルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465) 7804−4B (72)発明者 林 謙一郎 大阪府堺市百舌鳥梅町4丁804 大阪府立 大学内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の平面構造式で表される抗生物質1
    06−B。 【化1】
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属する抗生物質
    106−B生産菌を培養し、その培養物から抗生物質1
    06−Bを分離、採取することを特徴とする請求項1記
    載の抗生物質106−Bの製造方法。
  3. 【請求項3】 抗生物質106−B生産菌がストレプト
    マイセスK106株である請求項2記載の抗生物質10
    6−Bの製造方法。
  4. 【請求項4】 抗生物質106−B生産菌がストレプト
    マイセスK106株の通常手段による変異株である請求
    項2記載の抗生物質106−Bの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の抗生物質106−Bを有
    効成分として含有することを特徴とする抗菌剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の抗生物質106−Bを有
    効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
JP10066892A 1992-01-12 1992-03-25 抗生物質106−b、その製造方法、抗生物質106−bを有効成分とする抗菌剤および抗生物質106−bを有効成分とする抗腫瘍剤 Pending JPH05247018A (ja)

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JP4-22117 1992-01-12
JP2211792 1992-01-12

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JP10066892A Pending JPH05247018A (ja) 1992-01-12 1992-03-25 抗生物質106−b、その製造方法、抗生物質106−bを有効成分とする抗菌剤および抗生物質106−bを有効成分とする抗腫瘍剤

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JP (1) JPH05247018A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998043955A1 (fr) * 1997-04-02 1998-10-08 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Compose d'acide tetramique

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WO1998043955A1 (fr) * 1997-04-02 1998-10-08 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Compose d'acide tetramique

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