JPH0881386A - 冬虫夏草の活性留分とその中の活性成分の分離方法 - Google Patents

冬虫夏草の活性留分とその中の活性成分の分離方法

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JPH0881386A
JPH0881386A JP6246664A JP24666494A JPH0881386A JP H0881386 A JPH0881386 A JP H0881386A JP 6246664 A JP6246664 A JP 6246664A JP 24666494 A JP24666494 A JP 24666494A JP H0881386 A JPH0881386 A JP H0881386A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一種の冬虫夏草の活性留分及び分離方法を提
供すること。 【構成】 (一)冬虫夏草の活性留分中の特定の活性成
分の構造、及び(二)活性留分及び特定の活性成分の分
離方法、を包括し、この特定の活性成分をIgA腎炎を
起こしたハウスマウスの病変及び臨床症状の改善に応用
し、人類の活性化した腎膈細胞を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一種の冬虫夏草の活性
留分とその中の活性成分の分離方法に関し、特に、冬虫
夏草の活性留分の分離方法及び分離した活性留分より人
類の腎膈細胞(mesangial cell)の活性
化抑制を行いIgA腎炎を改善し病状が進行して尿毒症
を引き起こすのを防ぐ活性成分(H1−A)を分離し、
取り出す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年来の薬理学上の研究により、蝶蛾類
鱗翅目の昆虫の幼虫を宿主として寄生し、被子体を延ば
して子実体を形成する麥角菌科の冬虫夏草真菌は、多方
面にわたり活性と薬理作用を有することが実証されてお
り、これは、以下のものを包括する: (一)免疫系統: 冬虫夏草の浸出液は動物の巨食細胞
の食指数を高め、第1介白質(IL−1)分泌を刺激
し、膵臓Thy−1細胞の増殖を誘発し、免疫球蛋白M
(IgM)合成と分泌、T淋巴細胞の増殖を刺激し、B
淋巴細胞と更に多くの第2介白質(IL−2)を受容す
る。その水抽出液は、健康体の人及び白血病患者のナチ
ュラルキラーセル(Natural Killer c
ells)の活性を高める。 (二)腎機能方面: 冬虫夏草は腎小管の損傷を軽減
し、その細胞膜上のNa、−K、−ATPase酵
素を保護し、その作用は細胞脂質の過酸化の減少と関係
がある。また、慢性腎機能不全を低減し、マウスの血尿
を改善し、クレアチニン(Creatinine)値の
上昇を遅延した。 (三)心血管系統: 冬虫夏草菌糸抽出物は実験動物の
冠状動脈血流量を増加し、動脈、脳、及び周辺血管の抵
抗力を増加し、降圧した。その水溶性の主成分であるア
デノシン(Adenosine)は血管平滑筋を弛緩さ
せ、血管を拡張する活性を有する。冬虫夏草はまた血小
板の生成を促進する。このほか、冬虫夏草は抗酸素不足
作用を有し、脳のモノアミンオキシダーゼ(MAOB:
Monoamine oxidase of Brai
n)を抑制する作用を有する。
【0003】上述の薬理作用は、完全に純化した冬虫夏
草の活性成分により進行されたものではなく、腎病変の
組織学変化及び臨床症状に関する研究もまた、免疫球蛋
白A(IgA)腎炎のモデルに進行したものではない。
【0004】IgA腎炎は臨床上、陣発性血尿及び/或
いは蛋白尿で表現する。往々にして慢性病の表現は、台
湾では本症罹患後、その約20%が尿毒症に進行する。
現在に至るまでこの疾病の進行を阻止できる薬剤の構造
は実証されておらず、故に、その外の治療方法と治療薬
の発見が重要な課題であった。
【0005】IgA腎炎の発病は、腎病性IgA免疫複
合体が腎糸球体の腎膈(Mesangial)に堆積
し、もともと休止状態の腎膈細胞(Mesangial
cell)を活性化し、活性化した腎膈細胞は第1介
質(interleukin1;IL−1)、第6介質
(interleukin 6;IL−6)、腫瘍壊死
因子(tumor necrosis factor
α;TNF α)を放出し、腎膈細胞を増生させ、増生
した腎膈細胞は、IL−1、IL−6、プラテレットデ
ライブドグロウスファクター(platelet de
rived growth factor; PDG
F)、トランスフォーミンググロウスファクター−β
(transforming growth fact
or−;TGF−β)等を放出し、これらの細胞酵素及
び生長因子の作用はオータコイド(autocoid
s)のようであり、腎膈を増生させて悪性循環を呈す
る。かつ腎膈細胞の、酸素、過酸化水素、血小板活性化
因子(PAF)、前立腺素E(PGE)、トロンボ
クサンB(thromboxan B;TX
)、及びニュートラルプロテイナーゼ(neutr
al proteinase)等の放出を促進し、これ
により腎膈増生、糸球体硬化、を形成し、腎基底膜の障
害を引き起こす。
【0006】過去に我々は、人類の分離腎膈細胞の培養
方法を建立し、これは人類の腎膈細胞は活性化後に、細
胞酵素と、腎基底膜を障害しうる化学物質とを放出する
分離細胞培養方法であった。また我々は、IgA腎炎の
動物モデル方法を建立した。我々は分離した活性化腎膈
細胞の抑制、急性毒性試験及びIgA腎炎の動物モデル
からIgA腎炎を治療できる特定留分(fractio
n)及び一つの活性成分(active compou
nd)を探し出した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以下を課題と
する: (1)冬虫夏草の被子体に形成される特定留分(fra
ction)及び一活性成分(active comp
ound)を用い、(a)活性化した腎膈細胞の増殖抑
制を行い、(b)IgA腎炎動物の腎組織の病理学変化
及び血尿/蛋白尿を改善すること。 (2)この活性留分及び特定の活性成分の分離方法を得
ること。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、冬虫夏
草の被子体部分を45−50℃の暗所で加熱乾燥し、粉
砕後、20倍のメタノール(w/v)に24時間浸漬
し、抽出液を減圧濃縮した後、粗抽出物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより分離し、1:1のn−ヘ
キサン/酢酸メチルですすぎ、酢酸メチルによる留出部
分(F−2層)部分を分離し、比較的大規模の分離フロ
ーチャートでは、メタノール抽出物(或いはF−2層)
を細分画を行うn−ヘキサンと酢酸メチル混合液ですす
ぎ、酢酸メチルを漸次増やす方式を採り、1:2(v/
v)の留出部分(C−11)を得、F−2とC−11層
は明らかに「人類の腎膈細胞活性化を抑制する」生物活
性を有し、この2組の「活性留分」をいずれも4℃で少
なくとも3か月保存し、上述の活性を保存し、「活性留
分」中より「活性成分」を得ようとする時には、シリカ
ゲル薄層カラムクロマトグラフィーでC−11層の不純
物を除去し、その展開液はn−ヘキサン/酢酸メチル
(1:1 v/v)を用い、且つ2回展開し、Rf=
0.5−0.7範囲(T−4区帯)を回収し、後続の半
設備級逆相式高効率液相分析によりさらにT−4層に対
して純化を進行するのに有利とし、そのうち、逆相式ク
ロマトグラフィーのすすぎ液はメタノール、カラム固定
相は、C18(8×250−mm,5−μm)型とし、
すすぎ液の流速は2ml/min,紫外スペクトル測定
器の波長は254nmに設定し、「活性指標成分(H1
−A)」は完全に純化される、以上を特徴とする。
【0009】上記冬虫夏草の活性留分とその中の活性成
分の分離方法において、冬虫夏草の菌株コード(CS−
1)を以下の成分の液相培養基中に接種する: 葡萄糖 2% ペプトン(Peptone) 0.5% 麦芽抽出物 2% ポテトデクストロースブロス 24g/l (Potato dextrose broth) 26±1.0℃下で静置培養(培養期間30日)し、そ
の被子体を収集し、45−50℃で加熱乾燥する。得ら
れた乾燥物を粉砕研磨の後、20倍体積のメタノールで
24時間抽出し、粗抽出物を減圧濃縮(VGH−CG−
1−MX)し、VGH−CG−1−MXは、逆相式高効
率液相クロマトグラフィーを採用し、H1−Aの活性指
標成分を含有する「活性留分」と活性成分を析出する。
【0010】冬虫夏草より分離した「活性留分」F−2
は、計算によると、F−2中から純化して得られる活性
天然物H1−A成分のG150(Growth inh
ibition50)(50%増殖抑制)は40マイク
ロモルであり、これから算出するH1−A治療剤量は約
40ミリグラムである。
【0011】
【作用】本発明の冬虫夏草より分離した「活性留分」F
−2は、体外において活性化した腎膈細胞の増生を抑制
することができ、もって後続の腎障害を形成するステッ
プの進行を阻止し、体内においてはIgA腎炎の悪化を
阻止して血尿/蛋白尿を改善し、且つF−2は急性毒性
を発生せず、さらにはIgA免疫複合体が誘発する肝肥
大現象を改善し、計算によると、F−2中から純化して
得られる活性天然物H1−A成分のG1(Growth
inhibition)(50%増殖抑制)は40μ
Mであり、これから算出するH1−Aは約40ミリグラ
ムにもなり、人類のIgA腎炎の治療において有効であ
る。
【0012】
【実施例】本発明の探究の重点は以下2項である: 第1項: いかにして冬虫夏草の被子体から「活性留
分」及び一種の「活性成分(H1−A)」を分離するか 第2項: 「活性留分」及び「活性成分」を得る方法の
フローチャートを確立すること。
【0013】並びに、この「活性留分」及び「活性成
分」を人類の腎膈細胞増生の抑制に運用し、将来は臨床
に応用できるものとし、もってIgA腎炎組織の病理学
変化及び血尿/蛋白尿を改善することを目的とする。
【0014】IgA腎炎は臨床上は、陣発性血尿(巨観
性或いは顕微性)及び血尿/蛋白尿で表現される。Ig
A腎炎は往々にして慢性病と表現され、急性悪化する外
は病状は無症状で進行する。国外のデータによると、フ
ランス、イタリア及びスペインにおいて、発病後20年
で20%から30%の病人の病状が進行して腎不全とな
る。非常に不幸なことには、今日までこの疾病の進行を
完全に阻止する治療方法はない。どのようにIgA腎炎
が形成されるかも不明である。ただ、I A腎炎の腎臓
切片上に大量のIgA腎炎及び第3補体(C3)が腎膈
部に堆積しているのが見られ、これはIgA免疫複合体
が腎膈部に堆積、異なる経路により補体を活性化するこ
とにより腎障害をもたらす可能性を示す。
【0015】これらの腎病性IgA免疫複合体がいかに
して腎糸球障害を引き起こすか。これは簡単に述べる
と:もともと休止状態の腎膈細胞が、腎病性免疫複合体
の刺激の後、活性化する。活性化した腎膈細胞は第1介
白質(IL−1)、第6介白質(IL−6)、腫瘍壊死
因子(TNF α)を放出し、腎膈細胞を増殖、分化さ
せ、各種の生長因子(growth factors)
を放出する。この生長因子には、血小板生長因子(PD
GF:platelet derived growt
h factor)、トランスフォーミンググロウスフ
ァクター−β(transforming growt
h factor−;TGF−β)等が含まれる。これ
らの細胞酵素及び生長因子の作用はオータコイド(au
tocoids)のようであり、腎膈を増生させて悪性
循環を呈する。かつ腎膈細胞の、酸素、過酸化水素、血
小板活性化因子(PAF)、前立腺素E(PG
)、トロンボクサンB(thromboxan
;TXB)、及びニュートラルプロテイナーゼ
(neutral proteinase)等の放出を
促進し、これによりマトリックス(matrix)の増
生、糸球体硬化を形成し、腎基底膜の障害を引き起こ
す。
【0016】以上より、治療上は、IgA合成の阻止或
いはIgA免疫複合体のところから着手するのが望まし
く思われる。しかし、今日の免疫学の技術はそこまで到
達していない。そのため、一歩退いて、特殊な分離方法
で自然物中から抽出され、活性化した腎膈細胞を抑制し
て腎膈細胞のそれ以上の増殖と細胞酵素及び生長因子の
放出とを阻む、薬物構造から着手する。
【0017】活性化した腎膈細胞は、抑制されてそれ以
上増殖せず、そのためその後の細胞酵素、生長因子放出
のステップが遮断される。このため、我々は、活性化し
た腎膈細胞の増殖の抑制をもって治療薬を探す体外選択
方法とする。我々の実験室では、腎脳細胞を活性化は、
H〕−thymidine incorporat
ion の方法でDNA合成することを指標とする。そ
のため、我々は、培養した人類の腎隔細胞に、第1介白
質(IL−1)、第6介白質(IL−6)を加えて活性
化し、冬虫夏草の「活性成分」を加えて〔H〕−th
ymidineincorporationを減らし、
これを、分離体から活性化した腎膈細胞を選択し、増殖
を抑制する薬物モデルとなす。
【0018】体内の選択系統(in vivo scr
eening system):動物モデルは特異性
(specificity)を備えていなければなら
ず、腎組織の損傷を形成でき、対応する人類疾病と非常
に相似した特性を有するものでなければならない。以上
を考慮し、本発明の実験は、Rifai A等が建立し
たIgA腎炎モデルを採用し、使用する抗原はR36A
とし、これは一種の肺炎連鎖球菌を純化して得た一種の
C−ポリサッカライド(C−polysacchari
de)である。使用する抗原は、R36AのIgA単株
抗体に対抗し、この種のハウスマウス骨髄瘤細胞株:T
EPC−15融合瘤(hydridoma)細胞株は、
抗ホスホリルコリン(PC)(phosphorylc
holine(PC))のIgA単株抗体を生産(分
泌)し、この単株抗体は非常に特異的にPCと結合す
る。上述の抗原と抗体が結合して一体となり、すなわち
IgA免疫複合体を形成する。実験上は、ハウスマウス
の腹腔に抗原(R36A)を注射し、尾に抗体(抗R3
6AのIgA単株抗体)を静脈注射する。これによりハ
ウスマウスの血管内にIgA免疫複合体を形成すること
ができ、血液循環を経て腎臓に至らせ、腎膈部に堆積さ
せる。これにより血尿/蛋白尿を誘発する。このハウス
マウスの腎臓より取り出した腎臓組織の切片の組織学検
査を行い、Hematoxyline−Eosin(H
E)で染色して人類のIgA腎炎と同じ変化、即ち腎膈
細胞増殖、腎膈の造成が見られた。また凍らせた切片を
蛍光染色したところ、人類のIgA腎炎と同じ変化、即
ちIgA及び腎膈部における堆積が見られた。
【0019】毒性:冬虫夏草をハウスマウスの腹腔に注
射したところ、そのLD50値は21.7±2.6g/
kgであり、静脈注射のLD50値は24.5±2.2
g/kgであった。また口服最大耐受量は252.5−
300g/kgであった。これは静脈注射、腹腔注射、
或いは灌胃のいずれの方法を採用しても、毒性が非常に
低いことを示す。本発明で行った急性毒性試験の方法
は、2%の「活性留分」を含む飼料をICRハウスマウ
スに5日間食べさせた後、急性毒性の有無を検査した。
【0020】故に、冬虫夏草は薬理作用が広く、且つ毒
性が非常に少ない薬物であることが分かり、一方、過去
の研究により既知の[IgA腎炎」は一種の免疫機制の
誘発する腎炎であって且つ現在は治療できる特殊な薬物
がなかった。そのため我々は冬虫夏草を研究対象とし、
並びに「体外培養の活性化した人類の腎膈細胞の造成を
抑制」し、「体内に誘発されるハウスマウスに発生する
IgA腎炎を改善」する方法を選び、分離体に対して活
性化した腎膈細胞の増生を抑制でき、体内においてはI
gA腎炎の発生及び/或いは悪化を阻止するのに有効な
「活性留分」及び「活性成分」を冬虫夏草中に探し求
め、もってIgA腎炎の治療に用いることを期する。
【0021】「活性留分」及び「活性成分」を得る方法
に関する説明は、以下に述べる: 第1項:図1に示すように、本発明の冬虫夏草子実体よ
り「活性留分」及び「活性成分(H1−A)」を抽出す
る方法では、まず冬虫夏草製品を乾燥箱にて加熱乾燥
(35−60℃)或いは送風乾燥する。これは冬虫夏草
製品の含水量が非常に高く、乾燥処理により後続の抽出
時に比較的多い極性物質も共に出てこれがシリカゲルク
ロマトグラフィーによる純化の表現に影響を与えるのを
防ぐためである。乾燥品は全て研磨機或いは粉砕機で研
磨或いは粉砕し、抽出の効率を高める。冬虫夏草の含有
する活性成分(本明細書でいう活性化した腎膈細胞を抑
制し、腎機能を改善するもの)は、比較的低極性の範囲
に属し、メタノール(或いはその他の低い炭素数のアル
コール類)、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル、クロロホルム、塩化メチレンを用いて抽出するとい
ずれも完全に抽出できる。もし活性成分の回収率が高
く、併せて非極性不純物の抽出が少ないという要素を考
慮するならば、メタノールと酢酸エチルの使用が最も適
当である。本実施例においてはメタノールを使用し、そ
の抽出のプロセスは、図1のフローチャートに示した。
本発明のクロマトグラフィーは、図2及び図3を参照す
る。これは2種の範囲に分けられる: (a)小規模の冬虫夏草検体中からその含有する生物活
性及び一種の活性成分を検出する方法。 (b)大規模の冬虫夏草中から活性指標によりクロマト
グラフィーフローチャートを建立し、もって「活性留
分」及び一種の「活性成分」を得る方法。 上記(a)のいわゆる「小規模クロマトグラフィー」:
これは、僅かな冬虫夏草メタノール抽出液を逆相式カラ
ム(このカラムは先行して活性化する)を経て、メタノ
ールによりすすぐと活性留分と活性成分は吸着されない
が、少なからぬ非常に低極性の不純物を除去することが
できる。すすぎ液に対しては選択試験を進行するか、或
いは逆相式高効率クロマトグラフィーで活性成分(H1
−A)に対して定量を進行する。濃縮物は並びに活性第
1ふるい分けを進行することができる。もし酢酸エチル
で冬虫夏草を抽出する場合、抽出液をまず適当に濃縮
後、等比例のn−ヘキサン(或いは石油エーテル)を加
え、混合液をガラス綿などで濾過し、その後、小型シリ
カゲルカラムを通過してカラムを酢酸エチル/n−ヘキ
サン(1:1 v/v)ですすぎ、すすぎ液を濃縮後、
前述の高効率液相クロマトグラフィーを進行するか或い
は活性測定を行う。上記(b)のいわゆる「大規模クロ
マトグラフィー」:冬虫夏草の宿主は幼虫期の昆虫と
し、故に製品には極めて多くの低極性代謝物が堆積し、
比較的多い低極性不純物による非常に大きな干渉が形成
される。故に、純化フローチャートには2段式のシリカ
ゲルクロマトグラフィー(すなわち重複して2回の(正
相)或いはシリカゲルクロマトグラフィーを進行)を導
入し、第1階クロマトグラフィーは活性留分と、活性成
分の極性より低い極性を有するその他の大量の一群の不
純物とを分ける。後者を、n−ヘキサンに低比例の酢酸
エチルを混合(例えば、n−ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)する方式ですすぎ、その後、迅速に移動相の極
性を引き上げ、1種の活性成分だけ含むのではない「活
性留分」を留出する。このステップで、高低両端の不純
物を除去し、活性増幅が非常に高い活性留分を得ること
ができ、これを病理動物実験に用いる。また、大幅に第
2回シリカゲルクロマトグラフィーの規模を減少する。
冬虫夏草の成分特性により、前期クロマトグラフィーは
極性大分画とみることができ、後者は各特定活性留分と
活性成分に対する細分画とみることができ、重複するも
のではない。もし、被子体からの抽出液にクロマトグラ
フィーによる純化を進行する場合は、ただ前述の第2段
階の過程を進行すればよい。これは、被子体の含有する
低極性不純物は子実体製品より大幅に少ないためであ
る。その実施方式は、以下の実施例で述べる:冬虫夏草
の子実体部分を45−50℃の暗所で加熱乾燥し、粉砕
後、20倍のメタノール(w/v)に浸漬し、抽出液を
減圧濃縮した後、粗抽出物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより分離し、1:1のn−ヘキサン/酢酸
メチルですすぎ、酢酸メチルによる留出部分(F−2
層)部分を分離する。比較的大規模の分離フローチャー
トでは、メタノール抽出物(或いはF−2層)を細分画
を行うn−ヘキサンと酢酸メチル混合液ですすぎ、酢酸
メチルを漸次増やす方式を採り、1:2(v/v)の留
出部分(C−11)を得る。F−2とC−11層は明ら
かに「人類の腎膈細胞活性化を抑制する」生物活性を有
する。この2組の「活性留分」をいずれも4℃で少なく
とも3か月保存し、上述の活性を保有する。「活性留
分]中より[活性成分」を得ようとする時には、C−1
1層をシリカゲル薄層カラムクロマトグラフィーにより
不純物を除去する。その展開液はn−ヘキサン/酢酸メ
チル(1:1 v/v)を用い、2回展開し、Rf=
0.5−0.7範囲(T−4区帯)を回収する。この過
程は前述のシリカゲルクロマトグラフィーの分離機制と
同じではあるが、更にC−11層の全ての不純物を除去
することができ、後続の半設備級逆相式高効率液相分析
によりさらにT−4層に対して純化を進行するのに有利
である。そのうち、逆相式クロマトグラフィーのすすぎ
液はメタノール、カラム固定相は、C18(8×250
−mm,5−μm)型とし、すすぎ液の流速は2ml/
min,紫外スペクトル測定器の波長設定は254nm
とし、「活性指標成分(H1−A)」を完全に純化する
ことができる。「活性留分」及び活性成分(H1−A)
純化のフローチャートは図1に示される。活性留分T−
4の逆相液相クロマトグラフ及び完全純化のH1−A純
度は図2、3に示される。被子体培養及び「活性指標成
分」形成の鑑定方法は、以下に述べる:冬虫夏草の菌株
コード(CS−1)を以下の成分の液相培養基中に接種
する: 葡萄糖 2% ペプトン(Peptone) 0.5% 麦芽抽出物 2% ポテトデクストロースブロス 24g/l (Potato dextrose broth) 26±1.0℃下で静置培養(培養期間30日)し、そ
の被子体を収集し、45−50℃で加熱乾燥する。得ら
れた乾燥物を粉砕研磨の後、20倍体積のメタノールで
24時間抽出し、粗抽出物を減圧濃縮(VGH−CG−
1−MX)する。このVGH−CG−1−MXは、逆相
式高効率液相クロマトグラフィーを採用し、H1−Aの
活性指標成分を含有することを実証する(図4に示
す)。総合すると、第1項の内容は、半人工的に培養し
た冬虫夏草の液相菌糸から「活性留分」と「活性成分」
を獲得し鑑定する方法である。
【0022】第2項: 「活性留分」と「活性成分(H1−A)」 a.「活性留分」:メタノール抽出後純化して活性成分
(H1−A)を分離するフローチャートにおいて、各ク
ロマトグラフの留分(fractions)中で分離体
活性表現の最も強いものには、F−2、C−11、T−
4が含まれる。 b.「活性成分」:これはH1−Aを指す(スペクトル
データと構造、及び水素核磁気共鳴(H−NMR)グ
ラフは、図5、図6を参照願いたい)。また、上述の
「活性留分」の応用潜在力を確認し、明らかに有毒でな
くまた変質しない物質であることを示すために、F−2
分画段階でマウスに毒性試験とアメス試験(Ames
test)を行ったところ、共に無毒性で突然変異性が
ないことが明らかになった。
【0023】第3項:本発明の採用する測定方式には分
離体測定方式と活体測定方式の二つがある。そのうちの
一つは、分離体を利用して活性化した人類の腎膈細胞
(Mesangial cell)を抑制するモデルで
あり、冬虫夏草の「活性留分」或いは「活性成分」で処
理して第1介白質(IL−1)及び第6介白質(IL−
6)が導く活性化が抑制される程度を測定して活性指標
とし、腎膈細胞活性化程度は、アイソトープで表示する
H−thymidineがDNAに転化する効率を根
拠とする以下の(表1から表5参照)
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0024】第4項:急性毒性測定:2%のCS−F−
2を含む及び含まない飼料をICRハウスマウス各6匹
に5日間与える。その結果は、以下の表6に示すよう
に、IgA免疫複合体によりIgA腎炎を誘発した対照
組は肝臓肥大現象(平均肝臓重量/体重の比は7.12
±0.12)を引き起こし、2%のF−2を餌とした
後、明らかに肝腫現象が改善された(平均肝臓重量/体
重の比は6.75±0.09)。その他の肝機能は両組
共に正常範囲内であった(表6参照)。
【表6】
【0025】第5項:生きた動物モデルを使用する方法
では、腹腔にハウスマウス抗原(R36A)と尾に抗原
(α−R36A−IgA mAb)を静脈注射する方法
を採り、IgA腎炎の類似症状を発生させ、動物に血尿
と蛋白尿の現象を起こし、病理学検査でもIgA腎炎病
変を示した。冬虫夏草の「活性留分」(例えばF−2)
は0.5%と1%の比例で飼料中に混合し、もってそれ
が前述の症状及び病理表現を改善する効果を測定し(以
下の表7から表10参照)、これにより冬虫夏草が実験
性のIgA腎炎を改善する効果を有することが支持され
た。
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0026】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の冬虫夏
草より分離した「活性留分」F−2は、体外において活
性化した腎膈細胞の増生を抑制することができ、もって
後続の腎障害を形成するステップの進行を阻止し、体内
においてはIgA腎炎の悪化を阻止して血尿/蛋白尿を
改善し、且つF−2は急性毒性を発生せず、さらにはI
gA免疫複合体が誘発する肝肥大現象を改善し、計算に
よると、F−2中から純化して得られる活性天然物H1
−A成分のG1(Growth inhibitio
n)(50%増殖抑制)は40μMであり、これから算
出するH1−Aは約40ミリグラムにもなり、人類のI
gA腎炎の治療において有効である。且つ本発明のこの
種の冬虫夏草活性留分及び分離方法は過去のいかなる公
開刊行物上にも見られるものではなく、特許請求の規定
に合致するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冬虫夏草より活性留分及び活性成分
(H1−A)を抽出するフローチャートである。
【図2】本発明の活性留分(コード番号CS−F2−C
11−T4)の逆相層クロマトグラフィーである。
【図3】本発明の完全純化の活性成分(H1−A)の逆
相クロマトグラフィーである。
【図4】本発明の冬虫夏草液層培養被子体の逆相クロマ
トグラフィーである。
【図5】本発明の活性成分(H1−A)の化学構造及び
スペクトルデータである。
【図6】本発明の活性成分(H1−A)の水素核磁気共
鳴グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冬虫夏草の被子体部分を45−50℃の
    暗所で加熱乾燥し、粉砕後、20倍のメタノール(w/
    v)に24時間浸漬し、抽出液を減圧濃縮した後、粗抽
    出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離
    し、1:1のn−ヘキサン/酢酸メチルですすぎ、酢酸
    メチルによる留出部分(F−2層)部分を分離し、比較
    的大規模の分離フローチャートでは、メタノール抽出物
    (或いはF−2層)を細分画を行うn−ヘキサンと酢酸
    メチル混合液ですすぎ、酢酸メチルを漸次増やす方式を
    採り、1:2(v/v)の留出部分(C−11)を得、
    F−2とC−11層は明らかに「人類の腎膈細胞活性化
    を抑制する」生物活性を有し、この2組の「活性留分」
    をいずれも4℃で少なくとも3か月保存し、上述の活性
    を保存し、「活性留分」中より「活性成分」を得ようと
    する時には、シリカゲル薄層カラムクロマトグラフィー
    でC−11層の不純物を除去し、その展開液はn−ヘキ
    サン/酢酸メチル(1:1 v/v)を用い、且つ2回
    展開し、Rf=0.5−0.7範囲(T−4区帯)を回
    収し、後続の半設備級逆相式高効率液相分析によりさら
    にT−4層に対して純化を進行するのに有利とし、その
    うち、逆相式クロマトグラフィーのすすぎ液はメタノー
    ル、カラム固定相は、C18(8×250−mm,5−
    μm)型とし、すすぎ液の流速は2ml/min,紫外
    スペクトル測定器の波長は254nmに設定し、「活性
    指標成分(H1−A)」は完全に純化される、以上を特
    徴とする、冬虫夏草の活性留分とその中の活性成分の分
    離方法。
  2. 【請求項2】 冬虫夏草の菌株コード(CS−1)を以
    下の成分の液相培養基中に接種する: 葡萄糖 2% ペプトン(Peptone) 0.5% 麦芽抽出物 2% ポテトデクストロースブロス (Potato dextrose broth) 26±1.0℃下で静置培養(培養期間30日)し、そ
    の被子体を収集し、45−50℃で加熱乾燥する。得ら
    れた乾燥物を粉砕研磨の後、20倍体積のメタノールで
    24時間抽出し、粗抽出物を減圧濃縮(VGH−CG−
    1−MX)し、VGH−CG−1−MXは、逆相式高効
    率液相クロマトグラフィーを採用し、H1−Aの活性指
    標成分を含有する「活性留分」と活性成分を析出する、
    請求項1に記載の冬虫夏草の活性留分とその中の活性成
    分の分離方法。
  3. 【請求項3】 冬虫夏草より分離した「活性留分」F−
    2は、計算によると、F−2中から純化して得られる活
    性天然物H1−A成分のG150(Growth in
    hibition50)(50%増殖抑制)は40マイ
    クロモルであり、これから算出するH1−A治療剤量は
    約40ミリグラムである、請求項1に記載の冬虫夏草の
    活性留分とその中の活性成分の分離方法。
  4. 【請求項4】 活性成分の化学構造は、以下の化学構造
    式1に示される、請求項1の冬虫夏草の活性留分とその
    中の活性成分の分離方法。 【化1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999043698A1 (fr) * 1998-02-27 1999-09-02 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Substance possedant une structure de type steroide, procede de production associe, et agents antitumoraux contenant cette substance
CN109406673A (zh) * 2018-11-26 2019-03-01 江西省药明扬海医药科技有限公司 一种金水宝胶囊的指纹图谱检测方法

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