JPH0880838A - 電動車両の制動システム - Google Patents
電動車両の制動システムInfo
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- JPH0880838A JPH0880838A JP24190194A JP24190194A JPH0880838A JP H0880838 A JPH0880838 A JP H0880838A JP 24190194 A JP24190194 A JP 24190194A JP 24190194 A JP24190194 A JP 24190194A JP H0880838 A JPH0880838 A JP H0880838A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 電動車両の制動システムは、ブレーキペダル
1の踏力の増減に応じて制動力を増減する機械式制動装
置2と、ブレーキペダルの操作量(踏力、ストローク
量)の増減に応じて制動力を増減する回生制動装置3と
を備えている。機械式制動装置2は液圧中継弁18を備
え、該液圧中継弁は、ブレーキペダルが踏込まれても最
大回生制動力が得られるまではホイールシリンダ19の
ブレーキ液圧を実質的に零に維持し、最大回生制動力が
得られたら踏力の増大に応じてホイールシリンダのブレ
ーキ液圧を増大させるようになっている。 【効果】 最大回生制動力を発生させることにより回生
制動装置の有効利用を図ることができ、また回生制動装
置が作動しないときはブレーキ液圧を直ちに上昇させる
ことにより、軽い踏力で機械式制動装置を作動させるこ
とができる。
1の踏力の増減に応じて制動力を増減する機械式制動装
置2と、ブレーキペダルの操作量(踏力、ストローク
量)の増減に応じて制動力を増減する回生制動装置3と
を備えている。機械式制動装置2は液圧中継弁18を備
え、該液圧中継弁は、ブレーキペダルが踏込まれても最
大回生制動力が得られるまではホイールシリンダ19の
ブレーキ液圧を実質的に零に維持し、最大回生制動力が
得られたら踏力の増大に応じてホイールシリンダのブレ
ーキ液圧を増大させるようになっている。 【効果】 最大回生制動力を発生させることにより回生
制動装置の有効利用を図ることができ、また回生制動装
置が作動しないときはブレーキ液圧を直ちに上昇させる
ことにより、軽い踏力で機械式制動装置を作動させるこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動車両の制動システム
に関し、より詳しくは回生制動装置と機械式制動装置と
を備える電動車両の制動システムに関する。
に関し、より詳しくは回生制動装置と機械式制動装置と
を備える電動車両の制動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動車両の制動を行なう制動シス
テムとして、ブレーキペダルの踏力の増減に応じたブレ
ーキ液圧をマスターシリンダで発生させ、かつホイール
シリンダに供給したブレーキ液圧に応じて制動作用を行
なわせる機械式制動装置と、上記ブレーキペダルに作用
する踏力を検出するセンサと、このセンサによって検出
したブレーキペダルの踏力の増減に応じて回生制動力を
増減させる回生制動装置とを備えたものが知られている
(特開平2−123902号公報)。また上記ブレーキ
ペダルの踏力の代わりにストローク量を検出し、ブレー
キペダルのストローク量の増減に応じて回生制動力を増
減させることも知られている。この種の制動システムに
おいては、機械式制動装置が作動するまでは、ブレーキ
ペダルの踏力やストローク量の増減に応じて、つまりブ
レーキペダルの操作量の増減に応じて回生制動力を増減
させ、また機械式制動装置が制動を開始して制動力を出
力するようになったら、上記回生制動力を一定に保持す
るようにしている。したがって、回生制動装置のみによ
る回生制動力の増減と、該回生制動力と機械式制動力と
の総合制動力の増減とを滑らかに連続させることができ
る。
テムとして、ブレーキペダルの踏力の増減に応じたブレ
ーキ液圧をマスターシリンダで発生させ、かつホイール
シリンダに供給したブレーキ液圧に応じて制動作用を行
なわせる機械式制動装置と、上記ブレーキペダルに作用
する踏力を検出するセンサと、このセンサによって検出
したブレーキペダルの踏力の増減に応じて回生制動力を
増減させる回生制動装置とを備えたものが知られている
(特開平2−123902号公報)。また上記ブレーキ
ペダルの踏力の代わりにストローク量を検出し、ブレー
キペダルのストローク量の増減に応じて回生制動力を増
減させることも知られている。この種の制動システムに
おいては、機械式制動装置が作動するまでは、ブレーキ
ペダルの踏力やストローク量の増減に応じて、つまりブ
レーキペダルの操作量の増減に応じて回生制動力を増減
させ、また機械式制動装置が制動を開始して制動力を出
力するようになったら、上記回生制動力を一定に保持す
るようにしている。したがって、回生制動装置のみによ
る回生制動力の増減と、該回生制動力と機械式制動力と
の総合制動力の増減とを滑らかに連続させることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の制動システムにおいては、機械式制動装置が制動
を開始するまでの間だけ、ブレーキペダルの操作量の増
大に応じて回生制動力を増大させているので、機械式制
動装置が制動を開始した際の回生制動力を大きくするこ
とができず、回生制動装置による回生制動力を有効に利
用することができない。すなわち、機械式制動装置が制
動を開始した際の回生制動力を大きくしてその有効利用
を図るためには、大きな操作量を与えることによって初
めて機械式制動装置が制動を開始するように設定すれば
よく、そのためには機械式制動装置を構成するマスター
シリンダのリターンスプリングや液圧倍力装置のリター
ンスプリングのセット荷重を大きくするか、マスターシ
リンダや液圧倍力装置の作動開始までのストローク量を
大きくすればよい。しかしながら、そのようなセッティ
ングを行なった場合には、万一、回生制動装置が作動し
なかった場合には、機械式制動装置の作動開始までの操
作量が大きくなるためブレーキの効きが悪く感じられ、
また危険でもある。さらに、回生制動力の最大値は常に
一定ではなく、電動車両を駆動する駆動モータの回転数
によって変動するので、上記セット荷重やストローク量
をあまり大きくし過ぎると最大の回生制動力が得られて
も機械式制動装置が作動を開始しない場合が生じてしま
い、ブレーキフィーリングが悪くなる。本発明はそのよ
うな事情に鑑み、機械式制動装置が制動を開始する際の
回生制動力を大きくすることによりその有効利用を図る
ことができるようにすると同時に、万一、回生制動装置
が作動しなかった場合であっても、機械式制動装置を小
さな踏力やストローク量で作動させることができるよう
にした電動車両の制動システムを提供するものである。
従来の制動システムにおいては、機械式制動装置が制動
を開始するまでの間だけ、ブレーキペダルの操作量の増
大に応じて回生制動力を増大させているので、機械式制
動装置が制動を開始した際の回生制動力を大きくするこ
とができず、回生制動装置による回生制動力を有効に利
用することができない。すなわち、機械式制動装置が制
動を開始した際の回生制動力を大きくしてその有効利用
を図るためには、大きな操作量を与えることによって初
めて機械式制動装置が制動を開始するように設定すれば
よく、そのためには機械式制動装置を構成するマスター
シリンダのリターンスプリングや液圧倍力装置のリター
ンスプリングのセット荷重を大きくするか、マスターシ
リンダや液圧倍力装置の作動開始までのストローク量を
大きくすればよい。しかしながら、そのようなセッティ
ングを行なった場合には、万一、回生制動装置が作動し
なかった場合には、機械式制動装置の作動開始までの操
作量が大きくなるためブレーキの効きが悪く感じられ、
また危険でもある。さらに、回生制動力の最大値は常に
一定ではなく、電動車両を駆動する駆動モータの回転数
によって変動するので、上記セット荷重やストローク量
をあまり大きくし過ぎると最大の回生制動力が得られて
も機械式制動装置が作動を開始しない場合が生じてしま
い、ブレーキフィーリングが悪くなる。本発明はそのよ
うな事情に鑑み、機械式制動装置が制動を開始する際の
回生制動力を大きくすることによりその有効利用を図る
ことができるようにすると同時に、万一、回生制動装置
が作動しなかった場合であっても、機械式制動装置を小
さな踏力やストローク量で作動させることができるよう
にした電動車両の制動システムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ブレ
ーキペダルの踏力の増減に応じたブレーキ液圧をマスタ
ーシリンダで発生させ、かつホイールシリンダに供給し
たブレーキ液圧に応じて制動作用を行なわせる機械式制
動装置と、上記ブレーキペダルの操作状態を検出するセ
ンサと、このセンサによって検出したブレーキペダルの
操作量の増減に応じて回生制動力を増減させる回生制動
装置とを備えた電動車両の制動システムにおいて、上記
マスターシリンダとホイールシリンダとの間の流路に、
上記回生制動装置による最大回生制動力が得られるまで
はホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を実質的に
零に維持し、かつ上記最大回生制動力が得られたらブレ
ーキペダルの踏力の増大に応じてホイールシリンダに供
給するブレーキ液圧を増大させる液圧中継弁を設けたも
のである。
ーキペダルの踏力の増減に応じたブレーキ液圧をマスタ
ーシリンダで発生させ、かつホイールシリンダに供給し
たブレーキ液圧に応じて制動作用を行なわせる機械式制
動装置と、上記ブレーキペダルの操作状態を検出するセ
ンサと、このセンサによって検出したブレーキペダルの
操作量の増減に応じて回生制動力を増減させる回生制動
装置とを備えた電動車両の制動システムにおいて、上記
マスターシリンダとホイールシリンダとの間の流路に、
上記回生制動装置による最大回生制動力が得られるまで
はホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を実質的に
零に維持し、かつ上記最大回生制動力が得られたらブレ
ーキペダルの踏力の増大に応じてホイールシリンダに供
給するブレーキ液圧を増大させる液圧中継弁を設けたも
のである。
【0005】
【作用】上述した構成の制動システムによれば、ブレー
キペダルが踏み込まれてその操作量が上記最大回生制動
力を得る操作量よりも小さいうちは、液圧中継弁はホイ
ールシリンダに供給するブレーキ液圧を実質的に零に維
持しているので機械式制動装置の制動力は得られない
が、上記回生制動装置によりブレーキペダルの操作量の
増減に応じた回生制動力が発生されるので、滑らかな制
動作用を得ることができる。そしてブレーキペダルの操
作量が上記最大回生制動力を得る操作量を上回るように
なると、上記液圧中継弁はその後の踏力の増大に応じて
ホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を増大させる
ので、これ以後、機械式制動装置は上記ブレーキペダル
の踏力の増大に応じて制動力を増大させる。このとき、
上記回生制動装置による回生制動力は最大回生制動力と
なっているので、回生制動装置による回生制動力を有効
に利用することができる。さらに、万一、回生制動装置
が作動しなかった場合には、上記最大回生制動力を得る
ための操作量を零にすれば、ブレーキペダルが踏込まれ
たら直ちに機械式制動装置を作動させることができる。
キペダルが踏み込まれてその操作量が上記最大回生制動
力を得る操作量よりも小さいうちは、液圧中継弁はホイ
ールシリンダに供給するブレーキ液圧を実質的に零に維
持しているので機械式制動装置の制動力は得られない
が、上記回生制動装置によりブレーキペダルの操作量の
増減に応じた回生制動力が発生されるので、滑らかな制
動作用を得ることができる。そしてブレーキペダルの操
作量が上記最大回生制動力を得る操作量を上回るように
なると、上記液圧中継弁はその後の踏力の増大に応じて
ホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を増大させる
ので、これ以後、機械式制動装置は上記ブレーキペダル
の踏力の増大に応じて制動力を増大させる。このとき、
上記回生制動装置による回生制動力は最大回生制動力と
なっているので、回生制動装置による回生制動力を有効
に利用することができる。さらに、万一、回生制動装置
が作動しなかった場合には、上記最大回生制動力を得る
ための操作量を零にすれば、ブレーキペダルが踏込まれ
たら直ちに機械式制動装置を作動させることができる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1において、電動車両の制動システムは、ブレー
キペダル1の踏力の増減に応じて機械式制動力を増減さ
せる機械式制動装置2と、上記ブレーキペダル1の踏力
の増減に応じて回生制動力を増減させる回生制動装置3
とを備えている。上記機械式制動装置2は従来周知の液
圧倍力装置5を備えており、この液圧倍力装置5にはア
キュムレータ6からリザーバされた圧油が導管7、8を
介して供給されるようになっている。上記液圧倍力装置
5に供給された油は該液圧倍力装置5からリザーバ9に
排出されるようになっており、リザーバ9に排出された
油は図示しないモータによって駆動されるポンプ10に
よって吸入吐出され、逆止弁11を介して再び上記アキ
ュムレータ6に蓄圧されるようになる。上記液圧倍力装
置5の入力軸12には上述したブレーキペダル1が連結
してあり、該液圧倍力装置5はブレーキペダル1が踏込
まれた際にその踏力を倍力してタンデムマスターシリン
ダ13に伝達することができるようになっている。そし
て上記タンデムマスターシリンダ13で発生した1方の
系統のブレーキ液圧がプロポーションバルブ15を介し
て後輪のホイールシリンダ16に供給され、また、他方
の系統のブレーキ液圧が後に詳述する液圧中継弁18に
供給されるとともに、この液圧中継弁18で発生された
ブレーキ液圧が前輪のホイールシリンダ19に供給され
るようになっている。上記回生制動装置3は、従来周知
のように電動車両の車輪を、本実施例では前輪を駆動す
る駆動モータ20を利用して制動時に回生制動作用を行
なわせるもので、この回生制動装置3は、上記ブレーキ
ペダル1の踏力を検出するセンサ21からの信号を、よ
り具体的にはタンデムマスターシリンダ13の前輪側の
ブレーキ液圧を検出する圧力センサ21からの信号を入
力する制御装置22を備えている。そしてこの制御装置
22は、上記ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて回
生制動装置3の回生制動力を最大回生制動力まで増大さ
せるようになっている。なお、上記回生制動装置3によ
って得られる最大回生制動力は常に一定ではなく、上記
駆動モータ20の回転数によって変動することはよく知
られている。またブレーキペダル1の踏力の代わりにス
トローク量を検出するセンサを設け、そのストローク量
の増大に応じて回生制動装置3の回生制動力を最大回生
制動力まで増大させるようにしてもよい。次に、上記液
圧中継弁18の構成を説明すると、該液圧中継弁18の
ハウジング24には、その軸部に小径孔24aと大径孔
24bとからなる有底の段付孔24Aを形成してあり、
上記大径孔24bの右端開口部をプラグ25によって密
封している。図2に拡大して示すように、上記段付孔2
4Aの小径孔24aと大径孔24bとに、段付スリーブ
26の小径部26aと大径部26bとをそれぞれ嵌合
し、さらにその大径部26bよりも右側の大径孔24b
内に筒状部材27とスペーサ28とを順次嵌合し、かつ
上記大径孔24bの右端部に螺着した上記プラグ25に
よってそれら段付スリーブ26、筒状部材27およびス
ペーサ28をハウジング24に一体に固定している。上
記段付スリーブ26の小径部26aの先端部は弁機構を
構成する第1弁座30としてあり、該第1弁座30にそ
の左側から弁体31をばね32の弾撥力によって着座さ
せ、それによって通常は第1弁座30の左側の第1圧力
室33と右側の第2圧力室34との連通を完全に遮断す
ることができるようにしている。上記第1圧力室33
は、図1に示すように、ハウジング24に形成した通路
35とこれに接続した導管36および前述した導管7を
介してアキュムレータ6に連通させてあり、これにより
第1圧力室33内に常に所定圧の圧油を導入している。
他方、第2圧力室34はハウジング24に形成した通路
37とこれに接続した導管38とを介して前述のホイー
ルシリンダ19に連通させている。上記弁体31は、上
記段付孔24Aの小径孔24a内に固定したカラー40
によって摺動自在に支持してあり、このカラー40の右
端面にシール部材41(図2参照)を設け、該シール部
材41と上記第1弁座30との間を上述した第1圧力室
33とするとともに、上記シール部材41よりも左側部
分をバランス室42としている。そしてこのバランス室
42を、ハウジング24に形成した通路24cと段付ス
リーブ26に穿設した孔43(図2参照)を介して上記
第2圧力室34に連通させている。このとき、上記バラ
ンス室42に臨む弁体31の左側端部の受圧面積を、第
1弁座30に着座して第2圧力室34に臨む受圧面積と
同じかやや大きく設定することにより、第2圧力室34
内の、したがってこれに連通するバランス室42内の圧
力が変動しても、弁体31が第1弁座30から離座され
ることがないようにしている。さらに、図2に示すよう
に、上記ハウジング24に固定した筒状部材27内に
は、小径部44aと大径部44bとを有し、両者を圧入
若しくはねじ込みにより一体に連結した段付ピストン4
4を摺動自在に嵌合してあり、該段付ピストン44の小
径部44a側の軸部に、上記第2圧力室34を貫通して
上記弁体31に当接する環状ピン45を取付けている。
そしてこの段付ピストン44の右端部側に第3圧力室4
6を形成し、該第3圧力室46は、ハウジング24に形
成した通路47および導管48を介して上記マスタシリ
ンダ13に連通させている。上記段付ピストン44は、
通常は段付ピストン44と段付スリーブ26との間に弾
装したばね50によって右方に付勢され、その左端部に
形成したフランジ状のストッパ部44cが上記筒状部材
27の左端面に当接した図示非作動位置に保持されてい
る。この状態では、上記環状ピン45は弁体31から離
隔しており、該環状ピン45の軸部に形成した排出通路
51は上記第2圧力室34に連通する一方、上記筒状部
材27に形成した通路52と、ハウジング24に形成し
た通路53と、さらに導管54を介して図1に示すリザ
ーバ9に連通し、それによって上記第2圧力室34をリ
ザーバ9に、したがって通常はホイールシリンダ19を
リザーバ9に連通させている。これに対し、上記ブレー
キペダル1が踏込まれてマスターシリンダ13にブレー
キ液圧が発生し、そのブレーキ液圧が導管48および通
路47を介して第3圧力室46内に導入され、それによ
って段付ピストン44がばね50に抗して前進された際
には、環状ピン45の先端部に形成した第2弁座55が
弁体31に当接して排出通路51と第2圧力室34との
連通を遮断させ、それによりホイールシリンダ19とリ
ザーバ9との連通を遮断させるようになる。そしてさら
に環状ピン45によって弁体31をばね32に抗して強
制的に第1弁座30から離座させると、第1圧力室33
に導入されていた圧油が、環状ピン45の外周と段付ス
リーブ26の内周との間隙を介して第2圧力室34内に
導入され、さらに第2圧力室34からホイールシリンダ
19に導入されるようになる。このとき、第2圧力室3
4内に導入された圧油は段付ピストン44を右方に付勢
するので、上記弁体31が第1弁座30に着座するよう
になり、それによって第1圧力室33と第2圧力室34
との連通が遮断される。そしてこの状態で第3圧力室4
6内に導入されるブレーキ液圧が上昇すると、再び段付
ピストン44が左行されて弁体31を第1弁座30から
離座させるので、結局、第2圧力室34内の圧力すなわ
ちホイールシリンダ19に導入される圧力は、第3圧力
室46内に導入されるブレーキ液圧に対応した圧力に制
御される。然して、上記段付ピストン44の上記小径部
44aと大径部44bとの間の段部44dを囲むように
してハウジング24内に第4圧力室56を形成してあ
り、この第4圧力室56内に、圧力制御弁58(図1)
により、上記回生制動装置3によって得られる最大回生
制動力に応じた制御圧力を供給することができるように
している。図1に示す実施例では、上記圧力制御弁58
は直列に接続した2つの電磁開閉弁58A、58Bから
なり、上流側の電磁開閉弁58Aを導管60、7を介し
て上記アキュムレータ6に接続するとともに、下流側の
電磁開閉弁58Bを導管61、54を介して上記リザー
バ9に接続し、さらに2つの電磁開閉弁58A、58B
を接続する両者の間の導管62をハウジング24に形成
した通路63を介して上記第4圧力室56に接続してい
る。上記電磁開閉弁58A、58Bは制御装置22によ
ってそれぞれ開閉制御されるようになっており、制御装
置22は上記第4圧力室56に連通する導管62内の圧
力を圧力センサ64で監視しながら、上流側の電磁開閉
弁58Aの開閉タイミングと下流側の電磁開閉弁58B
の開閉タイミングとを制御することにより、必要な制御
圧力を第4圧力室56に供給するようになっている。そ
して第4圧力室56に制御圧力が導入されると、該制御
圧力は上記段付ピストン44の段部44dに作用して該
段付ピストン44を非作動状態に保持するようになる。
したがって、上記制御圧力を上述したように最大回生制
動力に応じた圧力に制御すれば、ブレーキペダル1の踏
込みによりブレーキ液圧が第3圧力室46内に導入され
ても、回生制動装置3による回生制動力が最大回生制動
力となるまでは段付ピストン44は非作動位置に保持さ
れたままとなり、マスターシリンダ13にブレーキ液圧
が発生しても該ブレーキ液圧がホイールシリンダ19に
供給されることがない。そして第3圧力室46内に導入
されたブレーキ液圧が第4圧力室56に供給された制御
圧力を越えると、すなわちブレーキペダル1の踏力が上
記最大回生制動力を得る踏力を上回ると、初めて段付ピ
ストン44が左行されて弁体31を第1弁座30から離
座させるようになる。その結果、液圧中継弁18は上記
最大回生制動力を得る踏力を越えた踏力分だけホイール
シリンダ19に供給するブレーキ液圧を増大させるの
で、これ以後、ホイールシリンダ19による制動力は、
上記ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて増大される
ようになる。また、万一、回生制動装置3が作動しなか
ったことが制御装置22によって検出された場合には、
上記最大回生制動力を得る踏力を零にすれば、したがっ
て上記圧力制御弁58による制御圧力を零にすれば、ブ
レーキペダル1が踏込まれた際に直ちに機械式制動装置
2を作動させることができる。
と、図1において、電動車両の制動システムは、ブレー
キペダル1の踏力の増減に応じて機械式制動力を増減さ
せる機械式制動装置2と、上記ブレーキペダル1の踏力
の増減に応じて回生制動力を増減させる回生制動装置3
とを備えている。上記機械式制動装置2は従来周知の液
圧倍力装置5を備えており、この液圧倍力装置5にはア
キュムレータ6からリザーバされた圧油が導管7、8を
介して供給されるようになっている。上記液圧倍力装置
5に供給された油は該液圧倍力装置5からリザーバ9に
排出されるようになっており、リザーバ9に排出された
油は図示しないモータによって駆動されるポンプ10に
よって吸入吐出され、逆止弁11を介して再び上記アキ
ュムレータ6に蓄圧されるようになる。上記液圧倍力装
置5の入力軸12には上述したブレーキペダル1が連結
してあり、該液圧倍力装置5はブレーキペダル1が踏込
まれた際にその踏力を倍力してタンデムマスターシリン
ダ13に伝達することができるようになっている。そし
て上記タンデムマスターシリンダ13で発生した1方の
系統のブレーキ液圧がプロポーションバルブ15を介し
て後輪のホイールシリンダ16に供給され、また、他方
の系統のブレーキ液圧が後に詳述する液圧中継弁18に
供給されるとともに、この液圧中継弁18で発生された
ブレーキ液圧が前輪のホイールシリンダ19に供給され
るようになっている。上記回生制動装置3は、従来周知
のように電動車両の車輪を、本実施例では前輪を駆動す
る駆動モータ20を利用して制動時に回生制動作用を行
なわせるもので、この回生制動装置3は、上記ブレーキ
ペダル1の踏力を検出するセンサ21からの信号を、よ
り具体的にはタンデムマスターシリンダ13の前輪側の
ブレーキ液圧を検出する圧力センサ21からの信号を入
力する制御装置22を備えている。そしてこの制御装置
22は、上記ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて回
生制動装置3の回生制動力を最大回生制動力まで増大さ
せるようになっている。なお、上記回生制動装置3によ
って得られる最大回生制動力は常に一定ではなく、上記
駆動モータ20の回転数によって変動することはよく知
られている。またブレーキペダル1の踏力の代わりにス
トローク量を検出するセンサを設け、そのストローク量
の増大に応じて回生制動装置3の回生制動力を最大回生
制動力まで増大させるようにしてもよい。次に、上記液
圧中継弁18の構成を説明すると、該液圧中継弁18の
ハウジング24には、その軸部に小径孔24aと大径孔
24bとからなる有底の段付孔24Aを形成してあり、
上記大径孔24bの右端開口部をプラグ25によって密
封している。図2に拡大して示すように、上記段付孔2
4Aの小径孔24aと大径孔24bとに、段付スリーブ
26の小径部26aと大径部26bとをそれぞれ嵌合
し、さらにその大径部26bよりも右側の大径孔24b
内に筒状部材27とスペーサ28とを順次嵌合し、かつ
上記大径孔24bの右端部に螺着した上記プラグ25に
よってそれら段付スリーブ26、筒状部材27およびス
ペーサ28をハウジング24に一体に固定している。上
記段付スリーブ26の小径部26aの先端部は弁機構を
構成する第1弁座30としてあり、該第1弁座30にそ
の左側から弁体31をばね32の弾撥力によって着座さ
せ、それによって通常は第1弁座30の左側の第1圧力
室33と右側の第2圧力室34との連通を完全に遮断す
ることができるようにしている。上記第1圧力室33
は、図1に示すように、ハウジング24に形成した通路
35とこれに接続した導管36および前述した導管7を
介してアキュムレータ6に連通させてあり、これにより
第1圧力室33内に常に所定圧の圧油を導入している。
他方、第2圧力室34はハウジング24に形成した通路
37とこれに接続した導管38とを介して前述のホイー
ルシリンダ19に連通させている。上記弁体31は、上
記段付孔24Aの小径孔24a内に固定したカラー40
によって摺動自在に支持してあり、このカラー40の右
端面にシール部材41(図2参照)を設け、該シール部
材41と上記第1弁座30との間を上述した第1圧力室
33とするとともに、上記シール部材41よりも左側部
分をバランス室42としている。そしてこのバランス室
42を、ハウジング24に形成した通路24cと段付ス
リーブ26に穿設した孔43(図2参照)を介して上記
第2圧力室34に連通させている。このとき、上記バラ
ンス室42に臨む弁体31の左側端部の受圧面積を、第
1弁座30に着座して第2圧力室34に臨む受圧面積と
同じかやや大きく設定することにより、第2圧力室34
内の、したがってこれに連通するバランス室42内の圧
力が変動しても、弁体31が第1弁座30から離座され
ることがないようにしている。さらに、図2に示すよう
に、上記ハウジング24に固定した筒状部材27内に
は、小径部44aと大径部44bとを有し、両者を圧入
若しくはねじ込みにより一体に連結した段付ピストン4
4を摺動自在に嵌合してあり、該段付ピストン44の小
径部44a側の軸部に、上記第2圧力室34を貫通して
上記弁体31に当接する環状ピン45を取付けている。
そしてこの段付ピストン44の右端部側に第3圧力室4
6を形成し、該第3圧力室46は、ハウジング24に形
成した通路47および導管48を介して上記マスタシリ
ンダ13に連通させている。上記段付ピストン44は、
通常は段付ピストン44と段付スリーブ26との間に弾
装したばね50によって右方に付勢され、その左端部に
形成したフランジ状のストッパ部44cが上記筒状部材
27の左端面に当接した図示非作動位置に保持されてい
る。この状態では、上記環状ピン45は弁体31から離
隔しており、該環状ピン45の軸部に形成した排出通路
51は上記第2圧力室34に連通する一方、上記筒状部
材27に形成した通路52と、ハウジング24に形成し
た通路53と、さらに導管54を介して図1に示すリザ
ーバ9に連通し、それによって上記第2圧力室34をリ
ザーバ9に、したがって通常はホイールシリンダ19を
リザーバ9に連通させている。これに対し、上記ブレー
キペダル1が踏込まれてマスターシリンダ13にブレー
キ液圧が発生し、そのブレーキ液圧が導管48および通
路47を介して第3圧力室46内に導入され、それによ
って段付ピストン44がばね50に抗して前進された際
には、環状ピン45の先端部に形成した第2弁座55が
弁体31に当接して排出通路51と第2圧力室34との
連通を遮断させ、それによりホイールシリンダ19とリ
ザーバ9との連通を遮断させるようになる。そしてさら
に環状ピン45によって弁体31をばね32に抗して強
制的に第1弁座30から離座させると、第1圧力室33
に導入されていた圧油が、環状ピン45の外周と段付ス
リーブ26の内周との間隙を介して第2圧力室34内に
導入され、さらに第2圧力室34からホイールシリンダ
19に導入されるようになる。このとき、第2圧力室3
4内に導入された圧油は段付ピストン44を右方に付勢
するので、上記弁体31が第1弁座30に着座するよう
になり、それによって第1圧力室33と第2圧力室34
との連通が遮断される。そしてこの状態で第3圧力室4
6内に導入されるブレーキ液圧が上昇すると、再び段付
ピストン44が左行されて弁体31を第1弁座30から
離座させるので、結局、第2圧力室34内の圧力すなわ
ちホイールシリンダ19に導入される圧力は、第3圧力
室46内に導入されるブレーキ液圧に対応した圧力に制
御される。然して、上記段付ピストン44の上記小径部
44aと大径部44bとの間の段部44dを囲むように
してハウジング24内に第4圧力室56を形成してあ
り、この第4圧力室56内に、圧力制御弁58(図1)
により、上記回生制動装置3によって得られる最大回生
制動力に応じた制御圧力を供給することができるように
している。図1に示す実施例では、上記圧力制御弁58
は直列に接続した2つの電磁開閉弁58A、58Bから
なり、上流側の電磁開閉弁58Aを導管60、7を介し
て上記アキュムレータ6に接続するとともに、下流側の
電磁開閉弁58Bを導管61、54を介して上記リザー
バ9に接続し、さらに2つの電磁開閉弁58A、58B
を接続する両者の間の導管62をハウジング24に形成
した通路63を介して上記第4圧力室56に接続してい
る。上記電磁開閉弁58A、58Bは制御装置22によ
ってそれぞれ開閉制御されるようになっており、制御装
置22は上記第4圧力室56に連通する導管62内の圧
力を圧力センサ64で監視しながら、上流側の電磁開閉
弁58Aの開閉タイミングと下流側の電磁開閉弁58B
の開閉タイミングとを制御することにより、必要な制御
圧力を第4圧力室56に供給するようになっている。そ
して第4圧力室56に制御圧力が導入されると、該制御
圧力は上記段付ピストン44の段部44dに作用して該
段付ピストン44を非作動状態に保持するようになる。
したがって、上記制御圧力を上述したように最大回生制
動力に応じた圧力に制御すれば、ブレーキペダル1の踏
込みによりブレーキ液圧が第3圧力室46内に導入され
ても、回生制動装置3による回生制動力が最大回生制動
力となるまでは段付ピストン44は非作動位置に保持さ
れたままとなり、マスターシリンダ13にブレーキ液圧
が発生しても該ブレーキ液圧がホイールシリンダ19に
供給されることがない。そして第3圧力室46内に導入
されたブレーキ液圧が第4圧力室56に供給された制御
圧力を越えると、すなわちブレーキペダル1の踏力が上
記最大回生制動力を得る踏力を上回ると、初めて段付ピ
ストン44が左行されて弁体31を第1弁座30から離
座させるようになる。その結果、液圧中継弁18は上記
最大回生制動力を得る踏力を越えた踏力分だけホイール
シリンダ19に供給するブレーキ液圧を増大させるの
で、これ以後、ホイールシリンダ19による制動力は、
上記ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて増大される
ようになる。また、万一、回生制動装置3が作動しなか
ったことが制御装置22によって検出された場合には、
上記最大回生制動力を得る踏力を零にすれば、したがっ
て上記圧力制御弁58による制御圧力を零にすれば、ブ
レーキペダル1が踏込まれた際に直ちに機械式制動装置
2を作動させることができる。
【0007】図3および図4は本発明の第2実施例を示
したもので、上記第1実施例が第1圧力室33にアキュ
ムレータ6からの圧力を導入していたのに対し、本実施
例ではマスターシリンダ13に連通する導管48に接続
した分岐導管48’によって、マスターシリンダ13か
らのブレーキ液圧を液圧中継弁118の第1圧力室33
に導入するようにしている。本実施例では、ブレーキペ
ダル1が踏込まれていない非作動状態では、上記第1圧
力室33に油圧は導入されていないが、ブレーキペダル
1が踏込まれてマスターシリンダ13にブレーキ液圧が
発生されると、該ブレーキ液圧が第1圧力室33に導入
されるので、以後、第1実施例と同一の作動が得られ
る。また上記第1実施例では、段付ピストン44をフラ
ンジ状のストッパ部44cを有する小径部44aと大径
部44bとの2部材から構成しているが、本実施例で
は、段付ピストン144を、上記ストッパ部44cを省
略した小径部144aと大径部144bとの一体物から
構成している。そして段付ピストン144の右端面をス
トッパ部144cとして利用し、非作動時には該ストッ
パ部144cをスペーサ28に当接させるようにしてい
る。その他の構成は上記第1実施例と同一の構成となっ
ており、第1実施例の同一の部材には第1実施例で用い
た符合と同一の符号を付している。このような構成を有
する電動車両の制動システムであっても、第1実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
したもので、上記第1実施例が第1圧力室33にアキュ
ムレータ6からの圧力を導入していたのに対し、本実施
例ではマスターシリンダ13に連通する導管48に接続
した分岐導管48’によって、マスターシリンダ13か
らのブレーキ液圧を液圧中継弁118の第1圧力室33
に導入するようにしている。本実施例では、ブレーキペ
ダル1が踏込まれていない非作動状態では、上記第1圧
力室33に油圧は導入されていないが、ブレーキペダル
1が踏込まれてマスターシリンダ13にブレーキ液圧が
発生されると、該ブレーキ液圧が第1圧力室33に導入
されるので、以後、第1実施例と同一の作動が得られ
る。また上記第1実施例では、段付ピストン44をフラ
ンジ状のストッパ部44cを有する小径部44aと大径
部44bとの2部材から構成しているが、本実施例で
は、段付ピストン144を、上記ストッパ部44cを省
略した小径部144aと大径部144bとの一体物から
構成している。そして段付ピストン144の右端面をス
トッパ部144cとして利用し、非作動時には該ストッ
パ部144cをスペーサ28に当接させるようにしてい
る。その他の構成は上記第1実施例と同一の構成となっ
ており、第1実施例の同一の部材には第1実施例で用い
た符合と同一の符号を付している。このような構成を有
する電動車両の制動システムであっても、第1実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
【0008】図5および図6は、本発明の第3実施例を
示したもので、本実施例では、液圧中継弁218の第1
圧力室33に導管36を介してアキュムレータ6の油圧
を導入し、第2圧力室34は導管38を介してホイール
シリンダ19に連通させ、第3圧力室46は導管48を
介してリザーバ9に連通させ、第4圧力室56は導管6
2を介してマスターシリンダ13に連通させ、さらに段
付ピストン244に形成した排出通路251は上記第3
圧力室46に、したがってリザーバ9に連通させてい
る。そして、第1実施例では段付ピストン44の左方を
小径部44a、右方を大径部44bとすることにより、
第4圧力室56に油圧が導入された際には段付ピストン
44を右方の非作動位置に付勢するようにしているが、
本実施例ではこれとは逆に、段付ピストン244の右方
を小径部244a、左方を大径部244bとすることに
より、第4圧力室56に油圧が導入された際には段付ピ
ストン244を非作動位置から左方に変位させることが
できるようにしている。さらに、第1実施例ではバラン
ス室42となって第2圧力室34に連通していた室を第
2圧力室34から独立させて第5圧力室266として利
用し、ここに圧力制御弁258からの制御圧力を導入し
ている。上記圧力制御弁258は、第1実施例では2つ
の電磁開閉弁58A、58Bで構成していたが、本実施
例では制御装置22によって制御される従来周知の比例
制御弁を用いており、それに伴って第1実施例で用いて
いた圧力センサ64を省略してある。そしてまた、第1
実施例ではブレーキ液圧を検出する圧力センサ21によ
ってブレーキペダル1の踏力を検出しているが、本実施
例ではブレーキペダル1にロードセル等の踏力センサ2
21を設けて直接ブレーキペダル1の踏力を検出するよ
うにしている。その他の構成は上記第1実施例と同一の
構成となっており、第1実施例の同一の部材には第1実
施例で用いた符合と同一の符号を付している。以上の構
成において、ブレーキペダル1が踏込まれてマスターシ
リンダ13にブレーキ液圧が発生すると、このブレーキ
液圧は導管62を介して第4圧力室56に導入されて段
付ピストン244を左行させる。他方、制御装置22は
踏力センサ221からブレーキペダル1が踏込まれたこ
とを検出し、圧力制御弁258を制御して、上記回生制
動装置3によって最大回生制動力が得られる際のブレー
キペダル1の踏力、すなわち最大回生制動力に応じた制
御圧力を第5圧力室266に導入する。したがって、上
記段付ピストン244は、第4圧力室56に導入された
ブレーキ液圧により左行されて弁体31を第1弁座30
から離座させようとするが、該弁体31には第5圧力室
266に導入された制御圧力が作用しているので、弁体
31は直ちには第1弁座30から離座されることはな
い。そして第4圧力室56内に導入されたブレーキ液圧
による段付ピストン244の左行力が、第5圧力室26
6に供給された制御圧力とばね32とによる弁体31の
右行力を越えると、すなわちブレーキペダル1の踏力が
上記最大回生制動力に応じた踏力を上回ると、初めて段
付ピストン244が左行されて弁体31を第1弁座30
から離座させるようになる。その結果、第1実施例と同
様に、液圧中継弁218は上記最大回生制動力を得る踏
力を越えた踏力分だけホイールシリンダ19に供給する
ブレーキ液圧を増大させるので、これ以後、ホイールシ
リンダ19による制動力は、上記ブレーキペダルの踏力
の増大に応じて増大されるようになる。なお、第1実施
例、第2実施例および第3実施例では、回生制動力をブ
レーキペダル1の踏力で制御しているが、ブレーキペダ
ル1のストローク量で制御させてもよい。また、図示し
ないが、第1実施例と第2実施例との関係と同様に、第
1圧力室33に、アキュムレータ6の圧力の代わりにマ
スターシリンダ13の前輪側の圧力を導入するようにし
てもよい。
示したもので、本実施例では、液圧中継弁218の第1
圧力室33に導管36を介してアキュムレータ6の油圧
を導入し、第2圧力室34は導管38を介してホイール
シリンダ19に連通させ、第3圧力室46は導管48を
介してリザーバ9に連通させ、第4圧力室56は導管6
2を介してマスターシリンダ13に連通させ、さらに段
付ピストン244に形成した排出通路251は上記第3
圧力室46に、したがってリザーバ9に連通させてい
る。そして、第1実施例では段付ピストン44の左方を
小径部44a、右方を大径部44bとすることにより、
第4圧力室56に油圧が導入された際には段付ピストン
44を右方の非作動位置に付勢するようにしているが、
本実施例ではこれとは逆に、段付ピストン244の右方
を小径部244a、左方を大径部244bとすることに
より、第4圧力室56に油圧が導入された際には段付ピ
ストン244を非作動位置から左方に変位させることが
できるようにしている。さらに、第1実施例ではバラン
ス室42となって第2圧力室34に連通していた室を第
2圧力室34から独立させて第5圧力室266として利
用し、ここに圧力制御弁258からの制御圧力を導入し
ている。上記圧力制御弁258は、第1実施例では2つ
の電磁開閉弁58A、58Bで構成していたが、本実施
例では制御装置22によって制御される従来周知の比例
制御弁を用いており、それに伴って第1実施例で用いて
いた圧力センサ64を省略してある。そしてまた、第1
実施例ではブレーキ液圧を検出する圧力センサ21によ
ってブレーキペダル1の踏力を検出しているが、本実施
例ではブレーキペダル1にロードセル等の踏力センサ2
21を設けて直接ブレーキペダル1の踏力を検出するよ
うにしている。その他の構成は上記第1実施例と同一の
構成となっており、第1実施例の同一の部材には第1実
施例で用いた符合と同一の符号を付している。以上の構
成において、ブレーキペダル1が踏込まれてマスターシ
リンダ13にブレーキ液圧が発生すると、このブレーキ
液圧は導管62を介して第4圧力室56に導入されて段
付ピストン244を左行させる。他方、制御装置22は
踏力センサ221からブレーキペダル1が踏込まれたこ
とを検出し、圧力制御弁258を制御して、上記回生制
動装置3によって最大回生制動力が得られる際のブレー
キペダル1の踏力、すなわち最大回生制動力に応じた制
御圧力を第5圧力室266に導入する。したがって、上
記段付ピストン244は、第4圧力室56に導入された
ブレーキ液圧により左行されて弁体31を第1弁座30
から離座させようとするが、該弁体31には第5圧力室
266に導入された制御圧力が作用しているので、弁体
31は直ちには第1弁座30から離座されることはな
い。そして第4圧力室56内に導入されたブレーキ液圧
による段付ピストン244の左行力が、第5圧力室26
6に供給された制御圧力とばね32とによる弁体31の
右行力を越えると、すなわちブレーキペダル1の踏力が
上記最大回生制動力に応じた踏力を上回ると、初めて段
付ピストン244が左行されて弁体31を第1弁座30
から離座させるようになる。その結果、第1実施例と同
様に、液圧中継弁218は上記最大回生制動力を得る踏
力を越えた踏力分だけホイールシリンダ19に供給する
ブレーキ液圧を増大させるので、これ以後、ホイールシ
リンダ19による制動力は、上記ブレーキペダルの踏力
の増大に応じて増大されるようになる。なお、第1実施
例、第2実施例および第3実施例では、回生制動力をブ
レーキペダル1の踏力で制御しているが、ブレーキペダ
ル1のストローク量で制御させてもよい。また、図示し
ないが、第1実施例と第2実施例との関係と同様に、第
1圧力室33に、アキュムレータ6の圧力の代わりにマ
スターシリンダ13の前輪側の圧力を導入するようにし
てもよい。
【0009】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機械式
制動装置が制動を開始する際の回生制動力を大きくする
ことができるので、回生制動装置の有効利用を図ること
ができ、しかも、万一回生制動装置が作動しなかった場
合であっても、機械式制動装置を小さな踏力又はストロ
ーク量で作動させることができるので、安全性を向上さ
せることができるという効果が得られる。
制動装置が制動を開始する際の回生制動力を大きくする
ことができるので、回生制動装置の有効利用を図ること
ができ、しかも、万一回生制動装置が作動しなかった場
合であっても、機械式制動装置を小さな踏力又はストロ
ーク量で作動させることができるので、安全性を向上さ
せることができるという効果が得られる。
【図1】本発明の第1実施例を示す概略構成図。
【図2】図1の要部の拡大断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す概略構成図。
【図4】図3の要部の拡大断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す概略構成図。
【図6】図5の要部の拡大断面図。
1…ブレーキペダル 2…機械式制動
装置 3…回生制動装置 5…液圧式倍力
装置 18、118、218…液圧中継弁 58、158…圧力制御弁
装置 3…回生制動装置 5…液圧式倍力
装置 18、118、218…液圧中継弁 58、158…圧力制御弁
Claims (4)
- 【請求項1】 ブレーキペダルの踏力の増減に応じたブ
レーキ液圧をマスターシリンダで発生させ、かつホイー
ルシリンダに供給したブレーキ液圧に応じて制動作用を
行なわせる機械式制動装置と、上記ブレーキペダルの操
作状態を検出するセンサと、このセンサによって検出し
たブレーキペダルの操作量の増減に応じて回生制動力を
増減させる回生制動装置とを備えた電動車両の制動シス
テムにおいて、 上記マスターシリンダとホイールシリンダとの間の流路
に、上記回生制動装置による最大回生制動力が得られる
まではホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を実質
的に零に維持し、かつ上記最大回生制動力が得られたら
ブレーキペダルの踏力の増大に応じてホイールシリンダ
に供給するブレーキ液圧を増大させる液圧中継弁を設け
たことを特徴とする電動車両の制動システム。 - 【請求項2】 上記機械式制動装置は、アキュムレータ
に蓄圧された圧油が供給されて上記ブレーキペダルの踏
力を倍力する液圧倍力装置を備えていることを特徴とす
る請求項1に記載の電動車両の制動システム。 - 【請求項3】 上記液圧中継弁は、ハウジング内に摺動
自在に設けた弁体と、この弁体をハウジングに設けた第
1弁座に着座させるばねと、上記第1弁座よりも弁体側
に形成されて上記アキュムレータ又はマスターシリンダ
に連通する第1圧力室と、上記第1弁座の第1圧力室側
とは反対側に形成されて上記ホイールシリンダに連通す
る第2圧力室と、上記ハウジングに摺動自在に設けられ
て上記弁体側の小径部と反対側の大径部とを有し、かつ
小径部側の先端部が上記第2圧力室を貫通して上記弁体
に当接し該弁体を第1弁座から離座させる段付ピストン
と、この段付ピストンの上記弁体とは反対側に形成され
て上記マスターシリンダに連通する第3圧力室と、上記
段付ピストンの上記小径部と大径部との間の段部を囲ん
で形成した第4圧力室と、上記段付ピストンの先端部の
軸部に形成されてリザーバに連通する排出通路と、上記
段付ピストンの先端部に設けられ、該先端部が上記弁体
に当接した際に第2圧力室と排出通路との連通を遮断す
る第2弁座と、さらに上記第4圧力室に上記最大回生制
動力に応じた制御圧力を供給し、上記ブレーキペダルの
操作量が上記最大回生制動力を得る操作量を越えるまで
は段付ピストンを非作動状態に保持する圧力制御弁とを
備ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電
動車両の制動システム。 - 【請求項4】 上記液圧中継弁は、ハウジング内にシー
ル部材を貫通させて摺動自在に設けた弁体と、この弁体
をハウジングに設けた第1弁座に着座させるばねと、上
記第1弁座とシール部材との間に形成されて上記アキュ
ムレータ又はマスターシリンダに連通する第1圧力室
と、上記第1弁座の第1圧力室側とは反対側に形成され
て上記ホイールシリンダに連通する第2圧力室と、上記
ハウジングに摺動自在に設けられて上記弁体側の大径部
と反対側の小径部とを有し、かつ大径部側の先端部が上
記第2圧力室を貫通して上記弁体に当接し該弁体を第1
弁座から離座させる段付ピストンと、この段付ピストン
の上記小径部と大径部との間の段部を囲んで形成されて
上記マスターシリンダに連通する第4圧力室と、上記段
付ピストンの先端部の軸部に形成されてリザーバに連通
する排出通路と、上記段付ピストンの先端部に設けら
れ、該先端部が上記弁体に当接した際に第2圧力室と排
出通路との連通を遮断する第2弁座と、上記シール部材
の第1圧力室と反対側に形成されて上記弁体の端部が臨
む第5圧力室と、さらに上記第5圧力室に上記最大回生
制動力に応じた制御圧力を供給し、上記ブレーキペダル
の操作量が上記最大回生制動力を得る操作量を越えるま
では弁体を第1弁座に着座した非作動状態に保持する圧
力制御弁とを備ることを特徴とする請求項1又は請求項
2に記載の電動車両の制動システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24190194A JPH0880838A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 電動車両の制動システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24190194A JPH0880838A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 電動車両の制動システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0880838A true JPH0880838A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=17081244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24190194A Withdrawn JPH0880838A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 電動車両の制動システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0880838A (ja) |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP24190194A patent/JPH0880838A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011120 |