JPH088034Y2

JPH088034Y2 - 位置決め治具

Info

Publication number: JPH088034Y2
Application number: JP11026189U
Authority: JP
Inventors: 武夫若狭
Original assignee: Komatsu Ltd
Current assignee: Komatsu Ltd
Priority date: 1989-09-19
Filing date: 1989-09-19
Publication date: 1996-03-06
Anticipated expiration: 2004-09-19
Also published as: JPH0347729U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、スペース的に制約のある部位に使用するく
さび形の溶接位置決め治具に関する。

（従来の技術）従来、溶接加工物の位置を規定する位置決めピンの出
し入れには、くさびと戻しばねの併用や、複動シリンダ
の利用など、いくつかの方法があるが、第５図には、そ
の一つであるくさびと戻しばねを併用した方式を示して
ある。

第５図の平面図で示すように、スライド５を介してブ
ラケット３に上下方向へ移動可能に装着されたホールダ
18には、油圧シリンダ７に止着したくさび19が摺動可能
に嵌装されている。

また、ホールダ18には、くさび19の勾配と同じ傾斜面
を形設した軸部20aと、加工物14に嵌入するピン部20bを
備えた２個の位置決めピン20が摺動可能に嵌装してあ
り、さらにホールダ18に止着されたカバー21と位置決め
ピンの軸部20aの間には、ばね22が挟着されている。

かかる位置決めピンの構造では、まず仮置きされた加
工物14のピン穴に対してホールダ18に嵌装された位置決
めピン20の上下及び前後位置を、図示しないホールダ18
の上下移動機構及びブラケット３の前後移動機構を操作
して合わせる。

なお、くさび19に止着された油圧シリンダ７は、いっ
ぱい引込んだ状態にしておく。

次に油圧シリンダ７を作動させて、くさび19を図の右
方向へ押込むと、位置決めピン20の軸部20aが押上げら
れて、ピン部20bが加工物14のピン穴に係合するので、
さらに上下及び前後位置を微調整して加工物14を相手加
工物23に合わせ、位置決めを行う。

溶接加工が終了後、油圧シリンダ７を引込むとくさび
19が図の左へ移動し、ばね22の作用によって位置決めピ
ン20が内側へ引込まれるので加工物14との係合を解除す
ることができる。

（考案が解決しようとする課題）かかる位置決め治具では、位置決めピンの戻しばねを
装着するための広いスペースが必要であるため、第５図
のＬ寸法が大きくなり、加工物が小型の場合には、加工
物の内法寸法内に治具が納めまらないという問題があっ
た。

本考案は、かかる課題を解決することを目的としてい
る。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案では、ホールダへ止
着した油圧シリンダに直結し、水平方向に勾配面を形設
したくさびをホールダ内部へ摺動可能に嵌装し、さらに
くさびの勾配面と当接する傾斜面を形設した２個のピス
トンを、くさびと直角方向にホールダへ摺動可能に嵌装
し、その先端に位置決めピンを止着するとともに、ホー
ルダに付設したピストンによって形成される空間へ圧油
を注入する注油口を形設した構造としている。

（作用）上記構造によれば、位置決めピンをセットするときに
は、油圧シリンダを伸長することによってくさびを移動
させ、当接するピストンを外方へ移動するとともに、ピ
ストンと抜止めによって形成される空間に溜った圧油を
排出することによって位置決めピンが押出される。

また、油圧シリンダを縮小するとともにピストン部の
空間へ圧油を注入することによって、抜止めピンを引込
むことが可能である。

（実施例）以下に、本考案を図に示す実施例によって説明する。

第１図は、本考案に係る位置決め治具の平面図、第２
図はその側面図、第３図は第１図のＡ−Ａ断面図であ
る。また、第４図は本治具を作動させる油圧配管の回路
図を示してある。

第１図及び第２図において、スライド１を介してベー
ス２に装着されたブラケット３は、油圧シリンダ４によ
って図の左右方向、すなわち前後方向へ移動可能であ
り、さらにブラケット３にはスライド５を介してホール
ダ６が、図示しない油圧シリンダによって上下方向へ移
動可能に装着してある。

このホールダ６の一端に止着した油圧シリンダ７に螺
着されたくさび８は、ホールダ６の内部へ摺動可能に嵌
装され、その先端はガイド９によって保持されている。

また、このくさび８と直角方向に、くさび８の勾配面
と当接する傾斜面を形設した２個のピストン10が、ホー
ルダ６へ摺動可能に嵌装されており、その先端には位置
決めピン11がボルト12によって止着してある。

ここで、くさび８は、回り止めのため、第３図に示す
ようにピストン10に形設されたみぞへ適度のすき間で嵌
合するように構成されている。

また、ホールダ６には、ピストン10を外方へいっぱい
に移動させたときに、抜止め13とピストン10によって形
成される空間に相当する位置へ、注油口6aが形設してあ
る。

かかる構造の位置決め治具で、溶接加工物の位置決め
を行うには、まず油圧シリンダ７をいっぱい引込んだ状
態で、仮置きされた加工物14のピン穴に対して、図示し
ないホールダの上下移動機構及び前後移動用の油圧シリ
ンダ４を操作することによって、位置決めピン11の上下
及び前後位置を合わせる。

次に第４図の油圧回路図に示す制御弁15を操作して油
圧シリンダ７を伸長させ、くさび８を第１図の右側へ押
込むと、ピストン10とこれに止着された位置決めピン11
が押上げられてピン穴に係合するので、さらに上下及び
前後位置を微調整して加工物14を図示しない相手加工物
に合わせ、位置決めを行う。

このとき、ピストン10と抜止め13によって形成される
空間に溜った圧油は、チェック弁16を開いて排出され
る。

次に溶接加工が終了後、加工物14から位置決めピン11
の係合を解除するには、制御弁15を逆方向へ操作して油
圧シリンダ７のロッドを縮小すると共に、絞り弁17を経
由してピストン10と抜止め13で形成される空間へ圧油を
注入することによって、位置決めピン11が内側へ引込ま
れる。

（考案の効果）以上で述べたように、本考案によれば、従来構造のよ
うに広いスペースを必要とする戻しばねの挟着等が不要
となり、従来型にくらべて図示のＬ寸法を小さくするこ
とができるため、小型の加工物にも対応することが可能
となる。

挟着等が不要となり、従来型にくらべて図示のＬ寸法を
小さくすることができるため、小型の加工物にも対応す
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、本考案に係るもので、第１図は平
面図、第２図は側面図、第３図は第１図のＡ−Ａ断面
図、第４図は本治具で位置決めを行うための油圧回路図
である。また、第５図は、従来方式の平面図である。１、５……スライド、２……ベース３……ブラケット、４、７……油圧シリンダ６、18……ホールダ、８、19……くさび９……ガイド、10……ピストン 11、20……位置決めピン 12……ボルト、13……抜止め 14、23……加工物、15……制御弁 16……チェック弁、17……絞り弁 21……カバー、22……ばね。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ホールダへ止着した油圧シリンダに直結
し、水平方向に勾配面を形設したくさびをホールダ内部
へ摺動可能に嵌装し、さらにくさびの勾配面と当設する
傾斜面を形設した２個のピストンを、くさびと直角方向
にホールダへ摺動可能に嵌装し、その先端に位置決めピ
ンを止着するとともに、ホールダへ付設したピストンの
抜止めとピストンによって形成される空間へ圧油を注入
する注油口を形設したことを特徴とする位置決め治具。