JPH087832Y2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、トランスの１次側に与える信号をオン／オ
フするスイッチング素子のコントロール回路がトランス
の１次側に設けられた構成のスイッチング電源装置に関
し、更に詳しくは、外部スイッチ（リモートオン，オフ
回路）により電源のオン，オフを行えるようにしたスイ
ッチング電源装置に関する。

〈従来の技術〉 第６図は、従来のこの種のスイッチング電源装置の構
成概念図である。

図において、１は交流電源であり、整流平滑回路２で
直流に変換され、DC/DCコンバータ部３に印加される。D
C/DCコンバータ部３において、４は整流平滑回路２から
の直流電圧Eiが、スイッチング素子５によりオン／オフ
されて１次側巻線に印加されるトランス、６はトランス
４の２次側巻線に誘起した交流信号を整流平滑する整流
平滑回路で、ここからの直流電圧Voが負荷に供給され
る。

７は負荷に供給される出力電圧信号を絶縁して１次側
に伝送するアイソレータ、８はアイソレータ７を介して
印加された出力電圧に関する信号が、基準電圧に対応す
る一定値に維持されるように、スイッチング素子５に与
えるオン／オフ駆動信号にデューティレシオを制御する
コントロール回路である。

SWは外部スイッチで、電源のオン，オフを行うための
もので、コントロール回路８にその信号が印加され、ス
イッチング素子５を非導通にすることで、電源をオフに
するように構成してある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、この様な構成の従来装置によれば、コ
ントロール回路８がトランス４の１次側に設けてあるた
めに、外部スイッチSWに高い電圧が印加される恐れがあ
り、安全規格上から問題がある。

外部スイッチを破線に示すように絶縁用のトランスを
介して接続すれば、この点の問題は解決されるが、絶縁
用のトランスが必要で、構成が複雑になる。また、電源
を外部スイッチによりオンにした後に、電源をオンとす
る場合、トランスの２次側の電源はオフになっているの
で、独立した電源を用意する必要があるなどの問題点が
ある。

本考案は、この様な点に鑑みてなされたもので、トラ
ンスの１次側にスイッチング素子のコントロール回路を
設けた電源装置において、電源のオン，オフを行う外部
スイッチを簡単な構成で付加でき、あわせて過電圧，過
電流の保護を行えるようにすることを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 第１図は、本考案の原理ブロック図である。

図において、３はDC/DCコンバータ部であり、この中
には、トランス４と、このトランス４の１次側巻線に直
流電圧Eiをオン／オフして与えるスイッチング素子５
と、トランスの２次側巻線に得られる交流電圧を整流平
滑する整流平滑回路６を含んでいる。整流平滑回路６か
ら得られる直流電圧Voは負荷に供給される。

８は負荷に供給される直流電圧Voに関する信号を受
け、この直流電圧が一定値に維持されるように前記スイ
ッチング素子５のオン／オフを制御するコントロール回
路で、トランス４の１次側に設けられている。

７は負荷に供給される出力電圧Voに関する信号が印加
されるアイソレータ、SWはアイソレータ７の信号印加回
路に結合する外部スイッチ、９はトランス４の１次側に
印加される直流電圧Eiを受ける補助電源回路、10は補助
電源回路９からの電力が供給されて、アイソレータ７を
励振する励振手段、11は、アイソレータで伝達された信
号を入力し、前記外部スイッチのオン，オフの状態を検
出する第１のコンパレータCP1、及び負荷に供給される
出力電圧または電流が過大になったか否かを検出する第
２のコンパレータCP2を有する検出手段である。

〈作用〉 アイソレータ７は、励振手段10からの信号により励振
され、出力電圧Voと外部スイッチSWのオン，オフに応じ
て変化する入力アナログ信号を検出手段11側に伝達す
る。

検出手段11は、アイソレータ７を経て印加される信号
のレベル変化を検出し、その結果をコントロール回路８
に印加する。

コントロール回路は、リモートコントロール端子RCに
前記第１のコンパレータの出力信号を入力し、デッドタ
イム制御端子DTCに前記第２のコンパレータの出力信号
を入力し、当該リモートコントロール端子により前記外
部スイッチのオン，オフに連動して前記スイッチング素
子のオン／オフ制御を停止，運転状態とし、当該デッド
タイム制御端子により前記過電圧信号が有効となったと
きは前記スイッチング素子のオン／オフ制御を停止状態
にする。

〈実施例〉 以下図面を用いて、本考案の実施例を詳細に説明す
る。

第２図は、本考案の一実施例を示す構成ブロック図で
ある。第１図の各部分に対応するものには同じ符号を付
して示す。

交流電源１を整流平滑する平滑回路２の出力端には、
直流電圧Eiが得られている。

DC/DCコンバータ部３は、トランス4,このトランス４
の１次巻線n1に直流電圧Eiをオン／オフして与えるFET
からなるスイッチング素子5,2次巻線n2に誘起する交流
信号を整流平滑する回路６を含んで構成されている。

アイソレータ７はトランス71と、このトランスの１次
巻線n1に出力電圧Voに関する信号および外部スイッチSW
による信号を印加するダイオードD1を含む信号印加回路
と、トランス71の２次巻線n2に得られる信号を出力する
ダイオードD2を含む信号出力回路で構成されている。

励振手段10は、補助電源回路９から電力が供給されて
いる発振回路OSCで構成され、発振回路OSCからのパルス
信号が、トランス71の２次巻線n2の一端に励振信号とし
て印加されている。

検出手段11は、ここでは２つの比較器CP1,CP2で構成
され、比較器CP2は出力電圧Voが過大になるのを検出
し、比較器CP1は外部スイッチSWのオン，オフの状態を
検出する。

補助電源回路９は、直流電圧Eiを低い安定化電圧に
し、検出手段11を構成している比較器CP1,CP2や発振回
路OSCに供給している。

なお、補助電源回路９は、励振手段10の発振回路OSC
に負電圧を供給するために、負電圧供給部9aを具備して
いる。負電圧供給部9aはツェナーダイオードでつくった
電位をコモン電位とし、それよりも低い電位（負電位）
をボルテージフォロワでつくり、その出力を発振回路OS
Cに負電位として与えている（図中黒く塗りつぶした三
角印）。

このように構成した装置の動作を説明すれば、以下の
通りである。

第３図は、出力電圧Voが過大な電圧になった場合の過
電圧保護動作を示すタイムチャートである。

この例では、出力電圧の規定値は5Vになっていて、こ
の電圧が7Vに上昇すると過電圧保護動作をするようにな
っている。

いま、（ａ）に示す出力電圧Voに関する信号は、アイ
ソレータ７を経て（ｂ）に示すように伝達され、この出
力電圧が5Vの規定値から上昇して過電圧設定値の7Vに達
すると、比較器CP2によりこれが検出され、その出力を
（ｃ）に示すようにローレベルにする。コントロール回
路８は、比較器CP2からこの出力を受け、スイッチング
素子５を非導通にし、これにより出力電圧Voを（ａ）に
示すように0Vにシャットダウンさせ、過電圧から負荷を
保護する。

第４図は、外部スイッチSWをオンとした場合の動作を
示すタイムチャートである。

外部スイッチSWを（ｅ）に示すようにオンとすると、
アイソレータ７の信号印加回路のインピーダンスが小さ
くなり、この状態がトランス71を経て伝達され、その出
力Vfは（ｂ）に示すように変化し、これが比較器CP1に
より検出される。コントロール回路８は、比較器CP1か
らこの出力を受け、スイッチング素子５を非導通にし、
これにより出力電圧Voを（ａ）に示すように0Vに落と
す。

外部スイッチSWを今度はオフにすれば、出力電圧Voは
（ａ）に示すように再び規定電圧に戻る。

第５図は、本考案の他の実施例を示す要部の構成ブロ
ック図である。この実施例においては、DC/DCコンバー
タ部３から負荷に供給する出力電圧Voの過電圧検出の他
に、過電流検出機能を付加するように構成したものであ
る。

すなわち、出力電圧Voを分圧する分割抵抗R1,R2を設
けると共に、電流検出抵抗R3を接続し、この電流検出抵
抗R3に発生する電圧をコンパレータCP3に印加すること
で、過電流を検出するようにし、この状態をアイソレー
タ７を経てコントロール回路８側に伝達するようにした
ものである。

なお、上記の各実施例において、DC/DCコンバータ部
の構成は、図示した構成のものに限定されず、各種のも
のが適用できる。

〈考案の効果〉 以上詳細に説明したように、本考案によれば一つのア
イソレータを用い簡単な構成で、外部スイッチにより出
力電圧のオン，オフや、過電圧の保護，過電流の保護を
行えるスイッチング装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理ブロック図、 第２図は本考案の一実施例を示す構成ブロック図、 第３図は出力電圧Voが過大な電圧になった場合の過電圧
動作を示すタイムチャート、 第４図は外部スイッチSWをオンとした場合の動作を示す
タイムチャート、 第５図は本考案の他の実施例を示す要部の構成ブロック
図、 第６図は従来のスイッチング電源装置の構成概念図であ
る。 ３……DC/DCコンバータ部 ４……トランス ５……スイッチング素子 ６……整流平滑回路 ７……アイソレータ ８……コントロール回路 ９……補助電源回路 10……励振手段 11……検出手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トランス（４）と、このトランスの一次側
   巻線に直流電圧をオン／オフして与えるスイッチング素
   子（５）と、トランスの二次側巻線に得られる交流電圧
   を整流平滑する整流平滑回路（６）を含み、整流平滑回
   路から得られる直流電圧を負荷に供給するDC/DCコンバ
   ータ部（３）、 負荷に供給される直流電圧に関する信号を受け、この直
   流電圧が一定値に維持されるように前記スイッチング素
   子のオン／オフを制御する前記トランスの一次側に設け
   られたコントロール回路（８）を備えたスイッチング電
   源装置において、 前記負荷に供給される出力電圧に関する信号が印加され
   るアイソレータ（７）と、 このアイソレータの入力側信号印加回路に結合する外部
   スイッチ（SW）と、 前記トランスの一次側に印加される直流電圧を受ける補
   助電源回路（９）と、 この補助電源からの電力が供給されて前記アイソレータ
   を励振する励振手段（10）と、 前記アイソレータで伝達された信号を入力し、前記外部
   スイッチのオン，オフの状態を検出する第１のコンパレ
   ータ（CP1）、及び負荷に供給される出力電圧または電
   流が過大になったか否かを検出する第２のコンパレータ
   （CP2）を有する検出手段（11）とを設け、 前記コントロール回路は、リモートコントロール端子
   （RC）に前記第１のコンパレータの出力信号を入力し、
   デッドタイム制御端子（DTC）に前記第２のコンパレー
   タの出力信号を入力し、当該リモートコントロール端子
   により前記外部スイッチのオン，オフに連動して前記ス
   イッチング素子のオン／オフ制御を停止，運転状態と
   し、当該デッドタイム制御端子により前記過電圧信号が
   有効となったときは前記スイッチング素子のオン／オフ
   制御を停止状態にすることを特徴とするスイッチング電
   源装置。